JP2003246570A - 巻上機及びエレベータ装置 - Google Patents

巻上機及びエレベータ装置

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JP2003246570A
JP2003246570A JP2002048429A JP2002048429A JP2003246570A JP 2003246570 A JP2003246570 A JP 2003246570A JP 2002048429 A JP2002048429 A JP 2002048429A JP 2002048429 A JP2002048429 A JP 2002048429A JP 2003246570 A JP2003246570 A JP 2003246570A
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electromagnetic magnet
electromagnetic
armatures
hoisting machine
armature
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JP2002048429A
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English (en)
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Satoshi Fukagai
聖史 深貝
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキ部の調整作業が比較的簡単で、騒音
が小さく、消費電力が小さく、小型の巻上機及びエレベ
ータ装置を提供する。 【解決手段】 支軸25に対して垂直なブレーキ面33
aを有するブレーキドラム30と、ブレーキ面33aに
接離可能に形設されてブレーキドラム30を制動する制
動部材35、38、45、48とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、乗りかごとカウ
ンタウェイトとをそれぞれ両端側に懸架した牽引ロープ
を駆動する巻上機及びエレベータ装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図4にて、従来のエレベータ装置におけ
る巻上機について、簡単に説明する(例えば、特開20
00−289954号公報参照。)。図4は、従来の巻
上機を示す概略正面図である。
【0003】図4において、1はエレベータ装置の乗り
かご及びカウンタウェイトの昇降に連動して回動するブ
レーキドラム、1aはブレーキドラム1のブレーキ面
(制動面)、3はアームの回動中心となる支持ピン、4
は支持軸等の巻上機の主要部品を支持する支持板、6は
ブレーキドラム1内に左右対称に設置されてブレーキド
ラム1を制動するためのアーム、7はライニングがブレ
ーキ面1aに当接する際の付勢力を与える圧縮ばね、9
はアーム6に設置されてブレーキ面1aに当接するライ
ニング(ブレーキシュー)、10はアーム6とライニン
グ9との間に介在される座、11はアーム6にライニン
グ9を保持するためにアーム6内に挿入されるねじ棒、
13はアーム6にアーマチュア15を保持するための連
結ピン、15はアーム6と一体的に連動するアーマチュ
ア、16は通電によりアーマチュア15を吸着する電磁
マグネット、17はブレーキドラム1等を支持する支
軸、18はブレーキドラム1と一体的に形設された駆動
綱車、20は駆動綱車18に巻き掛けられる牽引ロープ
を示す。
【0004】ここで、アーム6、ライニング9、アーマ
チュア15、電磁マグネット16等は、それぞれ、ブレ
ーキドラム1内に左右2つずつ設置されている。また、
アーム6上において、ライニング9は、アーマチュア1
5よりも、支持ピン3寄りに配置されている。また、圧
縮ばね7は、一端が支持板4に支持されており、他端が
アーム6の端部に支持されている。
【0005】以上のように構成された巻上機は、2つの
電磁マグネット16への通電・非通電によって、ブレー
キドラムへのブレ−キングを制御する。詳しくは、電磁
マグネット16を通電したときには、電磁マグネット1
6に着磁力が発生し、アーマチュア15が電磁マグネッ
ト16に吸着する。このときのアーマチュア15の移動
に連動して、アーム6及びライニング9も移動する。こ
れにより、ブレーキドラム1のブレーキ面1aは開放さ
れて、図示せぬ回転電動機によりブレーキドラム1は回
動して、牽引ロープ20を駆動する。
【0006】これに対して、電磁マグネット16を非通
電としたときには、電磁マグネット16の着磁力が消失
する。そして、アーマチュア15を保持するアーム6
は、圧縮ばね7のばね力により、電磁マグネット16か
ら離脱する。そして、アーム6の移動に連動してライニ
ング9も移動して、ライニング9はブレーキドラム1の
ブレーキ面1aを圧接する。このようなライニング9に
よるブレーキドラム1の制動に前後して、回転電動機に
よりブレーキドラム1の回動が停止されて、牽引ロープ
20は完全に停止する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の巻上機にお
いては、ブレーキドラムとライニングとの隙間、及び、
アーマチュアと電磁マグネットとの隙間を、構成上、均
一に保てないという問題があった。詳しくは、支持ピン
を支点として、アームが回動することで、アーム上のラ
イニングがブレーキドラムの内壁面に当接したり、アー
ム上のアーマチュアが電磁マグネットに吸着したりする
ことになる。したがって、ブレーキドラムとライニング
との隙間において、幾何学的に、支持ピンから遠い側の
隙間は、支持ピンに近い側の隙間に比べて大きくなる。
同様に、アーマチュアと電磁マグネットとの隙間におい
て、支持ピンから遠い側の隙間は、支持ピンに近い側の
隙間に比べて大きくなる。
【0008】このような、ブレーキドラムとライニング
との隙間、及び、アーマチュアと電磁マグネットとの隙
間における不均一は、次のような二次的な問題を発生さ
せることになる。
【0009】第1には、ブレーキドラムとライニングと
の隙間、及び、アーマチュアと電磁マグネットとの隙間
の調整が困難であるという問題である。詳しくは、ブレ
ーキドラムを開放するとき、アーマチュアが電磁マグネ
ットに確実に吸着した状態となる必要がある。そのため
に、巻上機の組み立て工程において、電磁マグネットを
非通電の状態として、アーマチュアと電磁マグネットと
の隙間の調整が行われる。しかし、上述したように、ア
ーマチュアと電磁マグネットとの隙間は、幾何学的に、
支持ピンに近い側と遠い側とでは不均一であり、双方の
隙間は平行ではないために、調整が難しかった。また、
アーマチュアと電磁マグネットとの隙間は、アームの撓
み量も考慮する必要があり、さらに調整を難しくしてい
た。
【0010】また、ブレーキドラムを開放するとき、す
なわち、アーマチュアが電磁マグネットに吸着すると
き、ブレーキドラムとライニングとの間に必要最小限の
隙間を確保する必要がある。そして、そのために行われ
るブレーキドラムとライニングとの隙間の調整は、ライ
ニングがブレーキドラムを離脱した後のライニングの弾
性変形もどり量や、ブレーキドラムの偏心による振れ等
を考慮する必要があった。
【0011】第2には、ブレーキドラムとライニングと
の当接時、及び、アーマチュアと電磁マグネットとの吸
着時の衝突音が大きいという問題である。詳しくは、電
磁マグネットが非通電となりブレーキドラムとライニン
グとが当接するときや、電磁マグネットが通電されアー
マチュアと電磁マグネットとが吸着するときに、少なか
らず衝突音が発生する。この衝突音は、衝突する双方の
部材間の距離が大きければ大きいほど、大きな音とな
る。
【0012】ここで、上述したように、ブレーキドラム
とライニングとの隙間、及び、アーマチュアと電磁マグ
ネットとの隙間は、幾何学的に、支持ピンに近い側の隙
間が遠い側の隙間より小さくなるために、支持ピンに近
い側にて必要最小限の隙間を確保できるように全体の隙
間が調整される。したがって、支持ピンから遠い側の隙
間は、必要以上の隙間を有することになり、大きな衝突
音の発生源となる。このような、衝突音は、乗りかご
内、乗場、エレベータ装置近隣の居室等にまで至る場合
があり、そこに居る人に対して不快な騒音となってい
た。
【0013】第3には、電磁マグネットの消費電力が大
きくなるという問題である。詳しくは、電磁マグネット
の吸引力(電磁力)は、吸引するアーマチュアとの距離
の二乗にほぼ反比例する。したがって、電磁マグネット
とアーマチュアとの隙間が大きいときには、電磁マグネ
ットの吸引力を上げるために、コイル巻数の多い大型の
電磁マグネットを用いる必要がある。上述したように、
アーマチュアと電磁マグネットとの隙間は、幾何学的
に、支持ピンに遠い側の隙間が近い側の隙間より大きく
なるために、支持ピンに遠い側の隙間も確実に吸引され
るだけのハイパワーの電磁マグネットが用いられてい
た。したがって、電磁マグネットに用いられる電力の消
費は比較的大きかった。
【0014】第4には、巻上機が比較的大型の装置にな
ってしまうという問題である。詳しくは、第3の問題で
述べたように、ハイパワーで比較的大型の電磁マグネッ
トを使用するために、それを収納する巻上機も比較的大
型のものになっていた。さらに、ライニングとブレーキ
ドラムとの隙間は、幾何学的に、支持ピン遠い側の隙間
が近い側の隙間より大きくなるために、支持ピンに遠い
側の隙間も確実にブレーキドラムに当接させるだけのば
ね力の大きな圧縮ばねが用いられていた。このようなば
ね力の大きな圧縮ばねは、素線径やばね内径が大きなも
のであり、その分、巻上機は大型のものになっていた。
【0015】この発明は、上述のような課題を解決する
ためになされたもので、ブレーキ部の調整作業が比較的
簡単で、騒音が小さく、消費電力が小さく、小型の巻上
機及びエレベータ装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
の発明にかかる巻上機は、支軸に対して垂直なブレーキ
面を有するブレーキドラムと、前記ブレーキ面に接離可
能に形設されて前記ブレーキドラムを制動する制動部材
とを備えたものである。
【0017】また、請求項2記載の発明にかかる巻上機
は、上記請求項1記載の発明において、前記ブレーキ面
は、前記ブレーキドラムに固設されたドーナツ状のディ
スクの両面であり、前記制動部材は、前記ディスクの両
面にそれぞれ対向するように前記支軸に設置された2つ
の電磁マグネットと、該2つ電磁マグネットにそれぞれ
吸着可能に形設された2つのアーマチュアと、前記2つ
のアーマチュアが前記ディスクの両面を挟み込むように
付勢するばねとを備えたものである。
【0018】また、請求項3記載の発明にかかる巻上機
は、上記請求項2に記載の発明において、前記2つのア
ーマチュアは、それぞれ、前記支軸に対して軸方向に設
置された案内に沿って前記電磁マグネットと前記ディス
クとの間を移動するものである。
【0019】また、請求項4記載の発明にかかる巻上機
は、上記請求項2又は請求項3に記載の発明において、
前記支軸は、おねじ部を備え、前記2つの電磁マグネッ
トのうち一方の電磁マグネットは、めねじ部とおねじ部
とを備え、前記2つの電磁マグネットのうち他方の電磁
マグネットは、めねじ部を備え、前記一方の電磁マグネ
ットのめねじ部と前記支軸のおねじ部とを螺合させ、前
記他方の電磁マグネットのめねじ部と前記一方の電磁マ
グネットのおねじ部とを螺合させることで、前記2つの
電磁マグネットを前記支軸に設置したものである。
【0020】また、請求項5記載の発明にかかる巻上機
は、上記請求項4に記載の発明において、前記2つのア
ーマチュアは、内径部を有するドーナツ状に形設され、
該内径部は凸部又は凹部を備え、前記一方の電磁マグネ
ットは、前記2つのアーマチュアの凸部又は凹部と嵌合
するとともに前記2つのアーマチュアを前記支軸に対し
て軸方向にスライド移動させる凹部又は凸部を備えたも
のである。
【0021】また、請求項6記載の発明にかかる巻上機
は、上記請求項2〜請求項5のいずれかに記載の発明に
おいて、前記2つアーマチュアは、ドーナツ状に形設さ
れ、前記ばねは、ドーナツ状の前記2つのアーマチュア
の円周方向に複数設置されたものである。
【0022】また、この発明の請求項7記載の発明にか
かるエレベータ装置は、請求項1〜請求項6のいずれか
に記載の巻上機を備えたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同
一または相当する部分には同一の符号を付しており、そ
の重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0024】実施の形態.図1〜図3にて、この発明の
実施の形態について詳細に説明する。図1は、この発明
の実施の形態における巻上機を示す概略断面図である。
図2は、図1の巻上機における概略正面図である。図3
は、図1の巻上機におけるブレーキ時の状態を示す概略
断面図である。さらに詳しくは、図1及び図3は、それ
ぞれ、図2のA−A断面を示す断面図である。そして、
図1は、巻上機のブレーキドラムが開放された状態を示
す断面図であり、図3は、巻上機のブレーキドラムが制
動された状態を示す断面図である。
【0025】図1〜図3において、21は巻上機のケー
ス、22はケース21内壁に沿って円周状に設けられた
ステータ、25は回動中心となる支軸、25aは支軸2
5の一部に設けられたおねじ部、26は支軸25とブレ
ーキドラムとの間に介在する軸受、30はケース21内
に収納されて回動するブレーキドラム、30aはブレー
キドラム30に設けられたロープ巻き掛け部、31はブ
レーキドラム30の外周に沿ってステータ22に対向す
るように設けられたマグネット、33はブレーキドラム
30に固設されたドーナツ状のディスク、33aはディ
スク33両面に配置されたブレーキ面、35は一方のブ
レーキ面33aに対向するよう支軸25に支持された第
1電磁マグネット、35aは第1電磁マグネット35の
コイル、35bは第1電磁マグネット35内を貫通する
めねじ部、35cは第1電磁マグネット35の一部に形
成されたおねじ部、35dは2つのアーマチュアを支軸
25の軸方向にスライド移動させるための凹部、38は
他方のブレーキ面33aに対向するよう支軸25に支持
された第2電磁マグネット、38aは第2電磁マグネッ
ト38のコイル、38bは第2電磁マグネット38内を
貫通するめねじ部を示す。
【0026】また、40は第1電磁マグネット35を固
定するために支軸25のおねじ部25aに螺合されるリ
ングナット、42は第2電磁マグネット38を固定する
ために支軸25のおねじ部35cに螺合されるリングナ
ット、45は第1電磁マグネット35に吸着可能に形設
された第1アーマチュア、46は第1アーマチュア45
に設置されてブレーキ面33aと当接する第1ライニン
グ、48は第2電磁マグネット38に吸着可能に形設さ
れた第2アーマチュア、49は第2アーマチュア48に
設置されてブレーキ面33aと当接する第2ライニン
グ、51は第1アーマチュア45及び第2アーマチュア
48を貫通する軸、52は第1アーマチュア45及び第
2アーマチュア48に付勢力を与えるために軸51に設
置される圧縮ばね(ばね)、53は圧縮ばね52のばね
力を調整するためのナットを示す。
【0027】ここで、図1を参照して、支軸25の一部
には、2つの軸受26が設置されている。そして、支軸
25上には、軸受26を介して、ブレーキドラム30が
支軸25を中心に回動可能に設置されている。ブレーキ
ドラム30は、第1電磁マグネット35、第2電磁マグ
ネット38等を収納する開口部を備えている。さらに、
ブレーキドラム30の開口部内であって、支軸25に対
して垂直にブレーキ面33aが配置されるように、ドー
ナツ状のディスク33が、ブレーキドラム30にボルト
等で固設されている。
【0028】また、支軸25の一部には、おねじ部25
aが設けられている。そして、このおねじ部25aにめ
ねじ部35bを螺合させて、第1電磁マグネット35が
支軸25上に設置されている。支軸25に設置された第
1電磁マグネット35における外周部の一部には、おね
じ部35cが設けられている。そして、このおねじ部3
5cにめねじ部38bを螺合させて、第2電磁マグネッ
ト38が第1電磁マグネット35を介して支軸25上に
設置されている。
【0029】なお、第1電磁マグネット35及び第2電
磁マグネット38は、それぞれ、支軸25に対して垂直
な着磁面を有するコイル35a、38aを備えている。
そして、これらのコイル35a、38aに電流を流すこ
とで電磁力を発生させて、後述するように、アーマチュ
ア45、48を第1電磁マグネット35及び第2電磁マ
グネット38に吸着させる。
【0030】また、図1及び図2破断部を参照して、第
1電磁マグネット35における外周部の一部には、凹部
35dが4つ設けられている。そして、この凹部35d
に凸部45a、48aを嵌合させて、ドーナツ状の第1
アーマチュア45及び第2アーマチュア48が、それぞ
れ、支軸25の軸方向にスライド移動できるように第1
電磁マグネット35に設置されている。
【0031】なお、第1アーマチュア45及び第2アー
マチュア48は、支軸25に対して垂直に設置されてい
るために、第1電磁マグネット35及び第2電磁マグネ
ット38のコイル35a、38a面に対して、第1アー
マチュア45及び第2アーマチュア48は均一に当接す
ることになる。
【0032】また、第1アーマチュア45及び第2アー
マチュア48は、それぞれ、円周方向であって、ディス
ク33のブレーキ面33aに対向する位置に、第1ライ
ニング46、第2ライニング49を設けている。これら
の、第1ライニング46及び第2ライニング49も支軸
25に対して垂直に設置されているために、ディスク3
3のブレーキ面33aに対して、第1ライニング46及
び第2ライニング49は均一に当接することになる。
【0033】また、図1及び図2を参照して、第1アー
マチュア45及び第2アーマチュア48は、円周方向に
複数の軸51、圧縮ばね52、ナット53を備えてい
る。詳しくは、図1に示すように、第1アーマチュア4
5及び第2アーマチュア48は、それぞれ、円周方向に
複数の貫通穴を有しており、その双方の貫通穴に軸51
が挿設されている。そして、軸51の両端側にはナット
53が螺合され、そのうちの片側のナット53の内側に
は圧縮ばね52が設置されている。すなわち、圧縮ばね
52は、一端をナット53に支持され、他端を第2アー
マチュア48に支持されている。このような圧縮ばね5
2等の構成により、2つのアーマチュア45、48はデ
ィスク33を挟み込んで、後述するように、ブレーキド
ラム30を制動することになる。
【0034】以上のように構成された巻上機は、次のよ
うに動作することになる。まず、ブレーキドラム30が
回動するときには、第1アーマチュア45及び第2アー
マチュア48は、図1中の矢印方向にそれぞれ移動する
ことになる。詳しくは、第1アーマチュア45は、通電
された第1電磁マグネット35で発生する電磁力によ
り、紙面右側から左側にスライド移動した後に、コイル
35a面に吸着する。なお、このときのコイル35aで
発生する吸着力は、前述した圧縮ばね52による反対方
向に作用する力に打ち勝つに充分な力である。同様に、
第2アーマチュア48は、通電された第2電磁マグネッ
ト38で発生する電磁力により、紙面左側から右側にス
ライド移動した後に、コイル38a面に吸着する。
【0035】これにより、第1ライニング46及び第2
ライニング49は、ディスク33の両面に配置されたブ
レーキ面33aから離脱して、ブレーキドラム30は、
支軸25に対して回動可能になる。なお、回動可能にな
ったブレーキドラム30は、回転電動機としてのマグネ
ット31及びステータ22で発生する回転力により、所
望の方向に回転して、ロープ巻き掛け部30aに巻き掛
けられた牽引ロープ(不図示である。)を駆動すること
になる。
【0036】次に、ブレーキドラム30を制動するとき
には、第1アーマチュア45及び第2アーマチュア48
は、図3中の矢印方向にそれぞれ移動することになる。
詳しくは、第1アーマチュア45は、非通電状態となり
電磁力を消失した第1電磁マグネット35を離脱可能に
なる。そして、第1アーマチュア45は、前述した圧縮
ばね52によるばね力により、紙面左側から右側にスラ
イド移動した後に、ディスク33に当接する。こうし
て、第1ライニング46が、ブレーキ面33aに圧接さ
れる。同様に、第2アーマチュア48は、圧縮ばね52
により、紙面右側から左側にスライド移動した後に、デ
ィスク33に当接する。こうして、第2ライニング49
が、ブレーキ面33aに圧接される。
【0037】このように、第1ライニング46及び第2
ライニング49は、ディスク33を挟み込んで、ブレー
キドラム30の回動を制止する。なお、これに前後し
て、回転電動機としてのマグネット31及びステータ2
2による回転駆動は停止されており、ロープ巻き掛け部
30aに巻き掛けられた牽引ロープの駆動は完全に停止
することになる。
【0038】以上のように構成された巻上機において、
電磁マグネット35、38とアーマチュア45、48と
の隙間と、アーマチュア45、48とディスク33との
隙間とは、それぞれ、次のように調整される。
【0039】まず、図1を参照して、第1アーマチュア
45の第1ライニング46と、ディスク33のブレーキ
面33aとのギャップG1は、第1アーマチュア45が
第1電磁マグネット35に吸着した状態で決まる。した
がって、隙間調整時には、第1電磁マグネット35を手
動で回転させて、支軸25のおねじ部25aに沿って第
1電磁マグネット35を軸方向に送りながら、その位置
を調整する。そして、第1電磁マグネット35が最適と
なる位置で、リングナット40を締め付ける。これによ
り、第1電磁マグネット35の位置は固定されて、ギャ
ップG1が定まる。なお、図3を参照して、第1アーマ
チュア45と第1電磁マグネット35とのギャップG3
は、第1アーマチュア45とディスク33とのギャップ
G1と等しく、上述の第1電磁マグネット35の位置調
整で決定されるものである。
【0040】次に、第2アーマチュア48の第2ライニ
ング49と、ディスク33のブレーキ面33aとのギャ
ップG2は、第2アーマチュア48が第2電磁マグネッ
ト38に吸着した状態で決まる。したがって、隙間調整
時には、第2電磁マグネット38を手動で回転させて、
第1電磁マグネット35のおねじ部35cに沿って第2
電磁マグネット38を軸方向に送りながら、その位置を
調整する。そして、第2電磁マグネット38が最適とな
る位置で、リングナット42を締め付ける。これによ
り、第2電磁マグネット38の位置は固定されて、ギャ
ップG2が定まる。なお、図3を参照して、第2アーマ
チュア48と第2電磁マグネット38とのギャップG4
は、第2アーマチュア48とディスク33とのギャップ
G2と等しく、上述の第2電磁マグネット38の位置調
整で決定されるものである。
【0041】また、ブレーキドラム30に対する制動
力、すなわち、2つのアーマチュア45、48によりデ
ィスク33を押さえつける力は、圧縮ばね52のばね力
で決定される。そして、圧縮ばね52のばね力は、ナッ
ト53の固定位置で調整される。詳しくは、ブレーキド
ラム30に対する制動力を上げるときは、ナット53を
図1の紙面左側に送り、圧縮ばね52のばね力を大きく
する。それとは逆に、ブレーキドラム30に対する制動
力を下げるときは、ナット53を図1の紙面右側に送
り、圧縮ばね52のばね力を小さくする。なお、上述し
たように、圧縮ばね52は、アーマチュア45、48の
円周方向に複数配列されているために、個々の圧縮ばね
52のばね力を比較的小さく設定しても、全体では所望
の制動力を得ることができる。具体的には、個々の圧縮
ばね52の線径及びばね径は、比較的小さく設定できる
ことになる。
【0042】このように、本実施の形態の巻上機によれ
ば、電磁マグネット35、38、アーマチュア45、4
8、ディスク33のギャップG1〜G4の調整や、ブレ
ーキドラム30に対する制動力の調整が、比較的単純な
ねじ締め作業により行うことができる。さらに、これら
の作業は、ブレーキドラム30の開口部から(図1の紙
面右側から)比較的容易に行うことができる。このこと
は、巻上機の保守時の作業性も高いことを意味するもの
である。
【0043】以上のように構成され、動作し、調整され
た巻上機は、エレベータ装置に設置されるものである。
具体的には、図示は省略するが、巻上機はエレベータ装
置の機械室又は昇降路内に設置される。そして、昇降路
内を昇降する乗りかご及びカウンタウェイトを両端側に
それぞれ懸架する牽引ロープが、図1のブレーキドラム
30のロープ巻き掛け部30aに巻き掛けられる。そし
て、上述したように、回転電動機としてのステータ2
2、マグネット31の動作と、ブレーキ部としての電磁
マグネット35、38、アーマチュア45、48、ディ
スク33等の動作とにより、乗りかご及びカウンタウェ
イトの昇降・停止を行うことになる。
【0044】以上説明したように、本実施の形態のよう
に構成された巻上機においては、接離が行われる電磁マ
グネット35、38、アーマチュア45、48、ディス
ク33が、すべて平行な位置関係になっている。換言す
れば、電磁マグネット35、38とアーマチュア45、
48との隙間、及び、アーマチュア45、48とディス
ク33との隙間は、それぞれ、全周にわたり均一の隙間
となっている。そのため、ブレーキ部の隙間の調整作業
を、極めて簡単に行うことができる。さらに、調整前後
の隙間の検査作業においても、複数箇所の測定を簡単に
行うことができ、隙間の検査精度が高くなる。
【0045】また、電磁マグネット35、38、アーマ
チュア45、48、ディスク33の隙間は均一なので、
各隙間を、制約なく必要最小限の隙間に設定することが
できる。したがって、電磁マグネット35、38の吸引
力は比較的小さくてすみ、電磁マグネット35、38の
小型化、軽量化、消費電力の低減が可能になる。
【0046】また、本実施の形態の巻上機によれば、デ
ィスク33の両面33aを2つのアーマチュア45、4
8で挟み込む構成となっているため、ディスク33自体
の高い剛性は不要である。すなわち、第1アーマチュア
45からディスク33に作用する力と、第2アーマチュ
ア48からディスク33に作用する力とは、ほぼ同じ大
きさであり、その作用方向はお互いに相反する方向であ
るために、双方の力は相殺されてディスク33に撓みは
生じないことになる。
【0047】なお、本実施の形態では、ドーナツ状の2
つのアーマチュア45、48の内径部に凸部45a、4
8aを設けて、それと嵌合する凹部35dを第1電磁マ
グネット35に設けることで、アーマチュア45、48
の軸方向のスライド移動を可能にした。これに対して、
2つのアーマチュア45、48の内径部に凹部を設け
て、それと嵌合する凸部を第1電磁マグネット35に設
けることで、アーマチュア45、48の軸方向のスライ
ド移動を行わせることもできる。
【0048】また、本実施の形態では、アーマチュア4
5、48の軸方向のスライド移動を可能にする案内(凹
部35dである。)を、第1電磁マグネット35に設け
た。これに対して、例えば、2つの電磁マグネット3
5、38が、それぞれ、単独に支軸25に位置決めされ
る構成の巻上機である場合等には、アーマチュア45、
48のスライド移動の案内を支軸25に直接的に設ける
こともできる。
【0049】また、本実施の形態では、ブレーキ面33
aを有するディスク33を、ブレーキドラム30に固設
する構成とした。これに対して、例えば、ブレーキドラ
ム30自体に、支軸25に対して垂直なブレーキ面とな
る部分を設けることもできる。
【0050】なお、本発明が上記実施の形態に限定され
ず、本発明の技術思想の範囲内において、実施の形態の
中で示唆した以外にも、実施の形態は適宜変更され得る
ことは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、
形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施す
る上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0051】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、ブレーキ部の調整作業が比較的簡単で、騒音が小さ
く、消費電力が小さく、小型の巻上機及びエレベータ装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態における巻上機を示す
概略断面図である。
【図2】 図1の巻上機における概略正面図である。
【図3】 図1の巻上機におけるブレーキ時の状態を示
す概略断面図である。
【図4】 従来の巻上機を示す概略正面図である。
【符号の説明】
21 ケース、 22 ステータ、 25 支軸、 2
5a おねじ部、26 軸受、 30 ブレーキドラ
ム、 30a ロープ巻き掛け部、31 マグネット、
33 ディスク、 33a ブレーキ面、35 第1
電磁マグネット(一方の電磁マグネット)、 35a
コイル、35b めねじ部、 35c おねじ部、 3
5d 凹部、38 第2電磁マグネット(他方の電磁マ
グネット)、 38a コイル、38b めねじ部、
40、42 リングナット、 45 第1アーマチュ
ア、45a、48a 凸部、 46 第1ライニング、
48 第2アーマチュア、49 第2ライニング、
51 軸、 52 圧縮ばね(ばね)、53 ナット、
G1〜G4 ギャップ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支軸に対して垂直なブレーキ面を有する
    ブレーキドラムと、 前記ブレーキ面に接離可能に形設されて前記ブレーキド
    ラムを制動する制動部材とを備えたことを特徴とする巻
    上機。
  2. 【請求項2】 前記ブレーキ面は、前記ブレーキドラム
    に固設されたドーナツ状のディスクの両面であり、 前記制動部材は、前記ディスクの両面にそれぞれ対向す
    るように前記支軸に設置された2つの電磁マグネット
    と、該2つ電磁マグネットにそれぞれ吸着可能に形設さ
    れた2つのアーマチュアと、前記2つのアーマチュアが
    前記ディスクの両面を挟み込むように付勢するばねとを
    備えたことを特徴とする請求項1に記載の巻上機。
  3. 【請求項3】 前記2つのアーマチュアは、それぞれ、
    前記支軸に対して軸方向に設置された案内に沿って前記
    電磁マグネットと前記ディスクとの間を移動することを
    特徴とする請求項2に記載の巻上機。
  4. 【請求項4】 前記支軸は、おねじ部を備え、 前記2つの電磁マグネットのうち一方の電磁マグネット
    は、めねじ部とおねじ部とを備え、 前記2つの電磁マグネットのうち他方の電磁マグネット
    は、めねじ部を備え、 前記一方の電磁マグネットのめねじ部と前記支軸のおね
    じ部とを螺合させ、前記他方の電磁マグネットのめねじ
    部と前記一方の電磁マグネットのおねじ部とを螺合させ
    ることで、前記2つの電磁マグネットを前記支軸に設置
    したことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の巻
    上機。
  5. 【請求項5】 前記2つのアーマチュアは、内径部を有
    するドーナツ状に形設され、該内径部は凸部又は凹部を
    備え、 前記一方の電磁マグネットは、前記2つのアーマチュア
    の凸部又は凹部と嵌合するとともに前記2つのアーマチ
    ュアを前記支軸に対して軸方向にスライド移動させる凹
    部又は凸部を備えたことを特徴とする請求項4に記載の
    巻上機。
  6. 【請求項6】 前記2つアーマチュアは、ドーナツ状に
    形設され、 前記ばねは、ドーナツ状の前記2つのアーマチュアの円
    周方向に複数設置されたことを特徴とする請求項2〜請
    求項5のいずれかに記載の巻上機。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の
    巻上機を備えたことを特徴とするエレベータ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010143298A1 (ja) * 2009-06-12 2010-12-16 三菱電機株式会社 エレベータ用巻上機のブレーキ装置
CN111188854A (zh) * 2020-01-15 2020-05-22 珠海格力电器股份有限公司 制动器、电机

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