JP2003246036A - 成形品 - Google Patents

成形品

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JP2003246036A
JP2003246036A JP2002051400A JP2002051400A JP2003246036A JP 2003246036 A JP2003246036 A JP 2003246036A JP 2002051400 A JP2002051400 A JP 2002051400A JP 2002051400 A JP2002051400 A JP 2002051400A JP 2003246036 A JP2003246036 A JP 2003246036A
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foam
resin
biodegradable
aliphatic polyester
foaming
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JP2002051400A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Oka
善之 岡
Atsushi Goto
淳 後藤
Shiro Imai
史朗 今井
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一体成形法で効率よく製造することができ、
しかも廃棄に際して地球環境に優しい成形品、特に車輛
用内装材として好適な成形品を提供する。 【解決手段】 130℃テトラリン溶媒抽出法で得られ
るゲル分率が50%以上である生分解性脂肪族ポリエス
テルおよび/または該変性物の発泡体からなり、該発泡
体の片側表面に表皮材を貼り合せ、反対側の表面に熱可
塑性樹脂の骨材を一体に成形した構成からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発泡体と熱可塑性樹
脂の骨材とが一体成形された成形品に関し、更に詳しく
は、生分解性脂肪族ポリエステル発泡体と表皮材及び骨
材からなる成形品であり、特に自動車をはじめ鉄道車輛
等の車輛用内装成形部材として好適な成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等の車輛用内装成形品とし
て、ポリウレタン系樹脂発泡体またはポリオレフィン系
樹脂発泡体の表面に軟質塩化ビニルシート、TPOシー
ト等の表皮材や布帛を貼合せ、更に骨材となる樹脂成形
品或いはウッドストック成形品等を積層したものが用い
られている。かかる車輛用内装成形品の製法は、所謂ウ
レタン注入法、真空成形法及びスタンピング成形法の3
つの方法に大別されるが、近年、車輛の軽量化、樹脂化
が進むにつれ、これら3つの方法の中でも、より効率の
高いスタンピング成形工法が増加する傾向にある。
【0003】スタンピング成形工法は、表皮材を貼合せ
た発泡体を金型内に入れ込み、次いで、骨材となる樹脂
を金型内に溶融射出するとほぼ同時に金型を閉じて、表
皮材が貼り合わされた発泡体と骨材とを一体成形する方
法である。そのため発泡体としては、樹脂を金型内へ注
入する時や流延時の温度や圧力に耐える耐熱・耐圧性が
要求され、そのために発泡体の気泡径を微細にすること
(例えば表層の気泡径を200μm以下にする)や、発
泡体のゲル分率を高くすること(例えば、ゲル分率が4
6%以上のポリプロピレン系樹脂発泡体)等が提案され
ている。
【0004】しかし、近年、地球環境保全の意識が高ま
り、プラスチックの廃棄問題が大きくクローズアップさ
れるにつれ、樹脂発泡体は再利用が困難であり、かつ廃
棄する際に嵩張るという問題が指摘されている。特に、
樹脂を架橋させた架橋樹脂発泡体は、リサイクルは事実
上不可能であるという欠点があった。
【0005】この対策として、自然環境中で微生物等に
より分解される生分解性樹脂が研究開発され、フィルム
や繊維として商品化されている。また、生分解性樹脂の
押出発泡体も開発され、例えば、脂肪族ポリエステル樹
脂を用いた無架橋発泡体が知られている。しかし、脂肪
族ポリエステル樹脂は、重縮合時に発生する水による加
水分解等の副反応により高分子量化が難しいため、押出
発泡時に気泡を保持するための十分な溶融粘度が得られ
ず、そのため良好な気泡状態及び表面状態の発泡体を得
ることが困難であった。
【0006】この解決策として、例えば特許第2655
796号公報には、脂肪族グリコールと脂肪族ジカルボ
ン酸からなる数平均分子量5,000以上のポリエステ
ルプレポリマーをウレタン結合を介して連鎖した構造を
持たせることにより高分子量化を達成し、押出発泡法を
はじめ化学架橋法、電子線架橋法等の各種方法により発
泡体を製造する方法が提案されている。しかし、上記電
離性放射線架橋法による方法では、被照射物の厚みが1
mmを超えると放射線が内部まで届かないため、発泡時
に内部の気泡が粗大、不均一になるという問題がある。
更に、窒素雰囲気下においても、照射線量50Mrad
(500kGy)以上では高照射線量のため架橋反応と
同時に主鎖の崩壊反応も進行し、樹脂の劣化が激しくな
ると記載されており、通常の容易な製造方法を用いて各
種厚みの、かつ十分な機械特性を有する発泡体を得るこ
とは非常に困難なものであった。
【0007】また、特開平11−279311号公報で
も、ラクトン樹脂を用いた架橋樹脂発泡体が提案されて
いるが、上述の如く、電離性放射線の照射による架橋時
に、崩壊が同時進行して樹脂の劣化が激しくなるため、
樹脂融解後結晶化に至らない特殊な条件下で照射を行う
必要があると記載されており、表面状態が良好で成形性
を含めた機械特性に優れた発泡体を得ることは困難であ
った。
【0008】更に、近年、発泡体に要求される諸特性は
益々多様化、高度化し、前述のスタンピング成形法より
更に耐圧・耐熱性が要求されるインジェクションプレス
成形法やインジェクション成形法等が採用される兆しが
あるため、一層耐熱性や耐圧性を高めた、かつ、地球環
境にも優しい方法が要求されるようになってきているた
め、これまでの方法では達成ができなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の問題を解消し、一体成形工法で効率よく製
造することができ、しかも廃棄に際して地球環境に優し
い成形品、特に車輛用内装材として好適な成形品を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の成形品は次のような構成からなることを特
徴とする。
【0011】(1) 130℃テトラリン溶媒抽出法で
得られるゲル分率が50%以上である生分解性脂肪族ポ
リエステルおよび/または該変性物の発泡体からなり、
該発泡体の片側表面に表皮材を貼り合せ、反対側の表面
に熱可塑性樹脂の骨材を一体に成形した成形品。
【0012】(2) 前記表皮材が、生分解性脂肪族ポ
リエステル及び/又は該変性生分解性樹脂からなるシー
ト状物であるか又は布帛状物である上記(1)に記載の
成形品。
【0013】(3) 前記熱可塑性樹脂の骨材が、生分
解性脂肪族ポリエステル及び/又は該変性生分解性樹脂
からなる上記(1)または(2)に記載の成形品。
【0014】(4) 車輛用内装部材に使用される上記
(1)〜(3)のいずれかに記載の成形品。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、130℃テトラ
リン溶媒抽出法で得られるゲル分率が50%以上である
生分解性脂肪族ポリエステル発泡体の構成樹脂として
は、ポリ乳酸をはじめ、以下のラクトン樹脂、例えば、
ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチ
ロラクトン、δ−バレロラクトン、エナントラクトンや
4−メチルカプロラクトン、2,2,4−トリメチルカ
プロラクトン、3,3,5−トリメチルカプロラクトン
などの各種メチル化ラクトンの単独重合体、又は共重合
体、及びそれらの混合物、或いは、以下に代表される脂
肪族ポリエステル、例えば、エチレンサクシネート、ポ
リブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・
ア/アジペート、ポリブチレンサクシネート・カーボネ
ート等のジオールとジカルボン酸または該酸無水物とを
重縮合してなる脂肪族ポリエステル、或いは、ポリヒド
ロキシブチレート・バリレート等の天然直鎖状ポリエス
テル系樹脂等の天然高分子等を挙げることができる。
【0016】また、これらの生分解性脂肪族ポリエステ
ル系樹脂の耐熱性を高めるため、カーボネートを共重合
したり、イソシアネートやカルボジイミド或いはエポキ
シ基等で鎖連結させ変性してもよい。
【0017】尚、上記生分解性樹脂に、生分解性を有す
る酢酸セルロース、セルロースブチレート、セルロース
プロピオネート、硝酸セルロース、硫酸セルロース、セ
ルロースアセテートブチレート、硝酸酢酸セルロース等
のセルロースエステル等やポリグルタミン酸、ポリアス
パラギン酸、ポリロイシン等のポリペプチドの合成高分
子を混合してもよく、及び/または、天然高分子とし
て、例えば、トウモロコシ澱粉、コムギ澱粉、コメ澱粉
などの生澱粉、酢酸エステル化澱粉、メチルエーテル化
澱粉、アミロース等の加工澱粉等を溶融特性を損なわな
い範囲で混合してもよい。また、上記生分解性樹脂は単
独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0018】樹脂組成物中の全樹脂成分に対する生分解
性樹脂の割合は特に限定されないが、50〜100重量
%の範囲であることが好ましい。生分解性樹脂量が増え
れば、分解速度が速くなり、また、分解後の崩形性が向
上する。生分解性樹脂以外の樹脂成分としては特に制限
は無く、例えば、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエ
チレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−プロピレンゴム、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリブテン等を添加してもよい。
【0019】本発明で使用される発泡剤としては、常温
で液体または固体の化合物で、生分解樹脂の融点以上に
加熱された時に分解または気化する化合物で、シート化
や架橋反応を実質的に妨害しないかぎり任意のものが使
用できる。中でも熱分解型発泡剤で、かつ、分解温度が
120℃〜270℃の範囲のものが好ましい。
【0020】その具体的な例としては、アゾジカルボン
アミド、アゾジカルボン酸金属塩等のアゾ化合物、ヒド
ラゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビス(ベンゼ
ンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラ
ジド等のヒドラジン誘導体、N,N’−ジニトロソペン
タメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、トルエンス
ルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物、炭
酸水素ナトリウム等の重炭酸塩を挙げることができる。
【0021】上記発泡剤には、分解温度を調節するため
に、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、尿素等の分
解温度調節剤が含有されているものも好ましく用いるこ
とができる。尚、これらの発泡剤は生分解樹脂に対して
0.1〜40重量%の範囲で使用され、それぞれの種類
や発泡倍率によって任意に混合量を変えることができ
る。
【0022】本発明の架橋方法としては、公知の電離性
放射線架橋法や有機過酸化剤を用いた化学架橋法が適用
できるが、中でも電子線加速機による電子線照射法が取
り扱い性や架橋度設定のし易さ等の観点から好ましい。
上記方法で、樹脂の劣化を抑制し、架橋を促進させるた
めには、以下に示す架橋促進剤を添加することは好まし
い方法である。
【0023】かかる架橋促進剤としては、ジビニルベン
ゼン、ジアリルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニ
ルフェニル、ジビニルカルバゾール、ジビニルピリジン
およびこれらの核置換化合物や近縁同族体、 エチレン
グリコールジアクリレート、ブチレングリコールジアク
リレート、トリエチレングリコールジアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、テトラメチ
ロールメタンテトラアクリレート等の多官能性アクリル
酸系化合物、 エチレングリコールジメタクリレート、
ブチレングリコールジメタクリレート、トリエチレング
リコールジメタクリレート、テトラエチレングリコール
ジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタク
リレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、
1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロール
メタンテトラメタクリレート等の多官能性メタクリル酸
系化合物、 ジビニルフタレート、ジアリルフタレー
ト、ジアリルマレート、ビスアクリロイルオキシエチル
テレフタレート等の脂肪族および芳香族多価カルボン酸
のポリビニルエステル、ポリアリルエステル、ポリアク
リロイルオキシアルキルエステル、ポリメタクリロイル
オキシアルキルエステル、 ジエチレングリコールジビ
ニルエーテル、ヒドロキノンジビニルエーテル、ビスフ
ェノールAジアリルエーテル等の脂肪族および芳香族多
価アルコールのポリビニルエーテルやポリアリルエーテ
ル、 トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌ
レート等のシアヌール酸又はイソシアヌール酸のアリル
エステル、 トリアリルホスフェート、トリスアクリル
オキシエチルホスフェート、 N−フェニルマレイミ
ド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド等のマレ
イミド系化合物、フタル酸ジプロパギル、マレイン酸ジ
プロパギル等の2個以上の三重結合を有する化合物など
の多官能性モノマーを使用することができる。
【0024】中でも、取り扱いやすさと架橋反応性等の
点から、多官能性メタクリル酸系化合物が好ましく、特
に架橋反応性、生産適用性等の観点から、エチレングリ
コールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
メタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリ
レートがより好ましく、特に1,6−ヘキサンジオール
ジメタクリレートを好ましく用いることができる。
【0025】これらの架橋助剤の添加量は、生分解性樹
脂に対して1〜20重量%、好ましくは5〜20重量%
の範囲で用いられる。これらの架橋助剤のあるものは、
押出成形時の可塑化にも役立つものである。
【0026】本発明において、上記架橋助剤を用い、電
子線照射で架橋を行わしめる場合、電子線の照射量は架
橋助剤の種類、目的とする架橋の割合によっても異なる
が、10〜300kGy、好ましくは30〜200kG
yの範囲であるのがよい。
【0027】尚、本発明に使用する樹脂組成物には、本
発明の効果を阻害しない範囲において、発泡剤以外の添
加剤成分を添加しても良い。例えば、添加剤として酸化
防止剤、滑剤、熱安定剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤、
核剤、可塑剤、抗菌剤、生分解促進剤、発泡剤分解促進
剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、充
填剤、防臭剤、増粘剤、発泡助剤、気泡安定剤、金属害
防止剤などを、単独、もしくは2種類以上を併用して添
加するようにしても良い。
【0028】本発明に用いる生分解性樹脂族ポリエステ
ル発泡体の形態は特に限定されないが、好ましくはシー
ト状で使用するのがよい。生分解性樹脂架橋発泡体シー
トの厚みとしては、1mm〜10mmが好ましい。ま
た、発泡倍率としては、5〜30倍であることが好まし
い。
【0029】本発明に用いる生分解性脂肪族ポリエステ
ル発泡体の130℃テトラリン溶媒抽出法にて得られる
ゲル分率は50%以上、好ましくは55〜90%であ
る。ゲル分率が低すぎると、骨材との一体成形に際し、
樹脂温度や樹脂圧力によって押しつぶされ、薄く偏肉化
したり、破れが生じたりしてしまう。
【0030】尚、本発明でいうゲル分率とは、以下の方
法で測定算出した値のことである。
【0031】すなわち、生分解性樹脂架橋発泡体を約5
0mg精密に秤量し、130℃のテトラリン25mlに
3時間浸漬した後、200メッシュのステンレス製金網
で濾過して、金網状の不溶解分を真空乾燥する。次い
で、この不溶解分の重量を精密に秤量し、以下の式に従
ってゲル分率を百分率で算出する。
【0032】ゲル分率(%)={不溶解分の重量(m
g)/秤量した生分解性樹脂架橋発泡体の重量(m
g)}×100 本発明において使用する表皮材としては、天然繊維、再
生繊維、又は合成繊維を用いた布帛状物、塩化ビニル樹
脂からなるシートやTPO等の熱可塑性エラストマーシ
ート等のシート状物、或いはレザー等の天然皮革などを
用いることができる。中でも、布帛状物にあっては、生
分解性を有する天然繊維や再生繊維が好ましい。合成繊
維からなる布帛状物の場合は、後述する本発明の発泡体
を構成する樹脂と同様の生分解性脂肪族ポリエステル系
樹脂からなるものが好ましい。シート状物の場合も同様
に生分解性脂肪族ポリエステル系樹脂からなるものが好
ましく、特にポリブチレンサクシネート/アジペート等
は柔軟で弾性が高いことからより好ましい。
【0033】本発明に用いられる骨材の材質は熱可塑性
樹脂であるが、かかる熱可塑性樹脂としては、ポリエチ
レンやポリプロピレンの如きポリオレフィン系の樹脂を
用いてもよいが、好ましくは、発泡体に使用したのと同
様の、上記記載の生分解性脂肪族ポリエステルを用いる
のがよい。
【0034】上述した生分解性脂肪族ポリエステルから
なる架橋発泡体と表皮材及び骨材を一体に成形した成形
品は、特に車輛用内装成形品として使用する場合に好適
である。かかる成形品の製法について以下に説明する。
【0035】本発明において好ましい生分解性樹脂族ポ
リエステル発泡体は、上述の生分解性樹脂、発泡剤、架
橋助剤からなる混合物を用いて発泡性シートとして成形
した後、該発泡性シートに電離性放射線を照射し、該生
分解性樹脂を架橋させ、しかる後、発泡剤の分解温度以
上に加熱して発泡を行なわせる。
【0036】先ず、生分解性樹脂と発泡剤や架橋助剤と
の混合は、ヘンシェルミキサ等による従来公知の混合方
法により混合し、しかる後、該混合物を真空ベント付き
の押出機、好ましくは二軸押出機を用い、連続したシー
ト状に成形する。次いで、上記発泡性シート状物に電子
線を照射して架橋させ、しかる後、架橋されたシート状
物を発泡剤の分解温度以上の温度で熱処理して発泡させ
る。
【0037】発泡成形のための熱処理は、従来公知の方
法を用いてよく、例えば、縦型及び横型の熱風発泡炉、
或いは薬液浴発泡炉などで行うことができる。尚、発泡
時、加水分解を起こさせないためには、薬液浴上で発泡
させるよりも、縦型及び横型熱風発泡炉で発泡を行う方
が表面状態の良好な発泡体が得ることができる。また、
必要に応じて発泡成形を行う前に予熱を行い、樹脂を軟
化させておくと、少ない熱量で、安定した発泡体を得る
ことができる。
【0038】上記の方法で得られた生分解性樹脂からな
る架橋発泡体の片面に、前述の表皮材を接着剤法或いは
押出ラミネート法等の公知の方法で貼合せることにより
複合体に形成する。しかる後、上記表皮材と生分解性樹
脂族ポリエステル発泡体からなる複合体を、成形金型
(スタンピングの場合は一般に上部金型と下部金型の
間、インジェクションプレス成形の場合は左右の金型の
間)の中にセットする。
【0039】次いで、骨材となる熱可塑性樹脂を下部金
型の射出孔から金型内に溶融射出するとほぼ同時に、上
部金型、下部金型を閉じ、溶融した樹脂を金型内に流延
せしめ骨材を成形し、上記複合体と一体化させる。これ
によって車輛用内装部材として好適な成形品が得られ
る。
【0040】通常、射出・注入時における溶融樹脂の温
度は、該樹脂の融点より20℃以上高めにし流動性をも
たせ、また、注入圧力としては1〜10MPaとし、最
大40MPa程の高圧である。金型内に挿入されている
生分解性樹脂族ポリエステル発泡体は、これらの温度、
圧力に耐えられるものでなくてはならない。
【0041】上記の一体成形において、生分解性樹脂族
ポリエステル発泡体と熱可塑性樹脂の骨材の接触面は、
同系統の樹脂で構成されている場合には、熱融着により
接着される。しかし、これら両者の間に親和性や相溶性
のない場合は、接着しにくいため接着力が弱い場合があ
るので、このような場合には、生分解性樹脂族ポリエス
テル発泡体の接着面に予め接着剤を塗布したり、ホット
メルト樹脂のフィルム状物を接着面に介在させるように
するとよい。
【0042】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0043】実施例1 ポリカプロラクトン100重量部、発泡剤としてアゾジ
カルボンアミド4重量部、架橋助剤として1,6−ヘキ
サンジオールジメタクリレート5重量部、安定剤として
イルガノックス1010を0.5重量部混合して発泡用
樹脂混合物を作成した後、この発泡用樹脂混合物を15
0℃に加熱したベント付き2軸押出機に導入し、Tダイ
から押出して、厚みが1.8mmの発泡性用シート状物
を成形した。
【0044】次いで、該シート状物に150kGyの電
子線を照射し、架橋させた後、縦型熱風発泡装置に連続
的に導入し、230℃で加熱発泡して連続シート状架橋
発泡体として巻取った。得られた放射線架橋生分解性脂
肪族ポリエステル架橋発泡体は、発泡倍率が10倍、厚
さが3.0mmで、ゲル分率が75%であった。
【0045】この放射線架橋生分解性脂肪族ポリエステ
ル架橋発泡体に、表皮材として、キュプラからなるニッ
トファブリックをフレームラミ(火炎処理法)にて貼合
わせて複合体を成形した。
【0046】しかる後、上記複合体を金型内にセット
し、下部金型から上記発泡体の製造に用いたものと同一
のポリカプロラクトンを150℃で射出・注入すると同
時に、5MPaの圧力を負荷し、上下金型を閉じると共
に圧力を保持することにより、骨材の成形と共に複合体
との一体成形を行った。
【0047】得られた表皮材、生分解性樹脂族ポリエス
テル発泡体、骨材からなる成形品は外観も綺麗で、触っ
た感触も良好で、底付き感もなく、突起部分と平坦部分
の厚み差もなく成形品としての仕上がりは良好なもので
あった。
【0048】こうして得られた一体成形品を土壌中に埋
設したところ、1年間経過後には実用性のない強度にま
で低下し、分解変化が観察され、生分解性があることが
確認された。
【0049】比較例1 プロピレンにエチレンを5重量%ランダム共重合したポ
リプロピレン系樹脂80重量部、線状低密度ポリエチレ
ン20重量部に、発泡剤としてアゾジカルボンアミド4
重量部、架橋促進としてジビニルベンゼン5重量部、安
定剤としてイルガノックス1010を0.5重量部準備
し、実施例1と同様の方法でシートに成形し、電子線架
橋を施した後、ソルト浴上で発泡して発泡体を作成し
た。
【0050】得られた発泡体は厚みが3.0mm、ゲル
分率が58%で、発泡倍率が10倍であった。
【0051】次いで、この発泡体に、表皮剤としてポリ
エステル繊維/ポリウレタン繊維を交編したニットファ
ブリックを二液型ポリエステル系接着剤を用いて貼合せ
て複合化した。さらに、骨材として、MFR50のポリ
プロピレン樹脂を用い、実施例1と同様の方法で複合成
形品を得た。
【0052】得られた成形品の仕上がりは良好であった
が、このものを土壌中に埋設したところ、1年間経過後
も原形そのものを保持しており、全く劣化を受けていな
かった。
【0053】比較例2 実施例1で架橋促進剤を使用しない以外は、全く同様の
方法で発泡体を作成しようとしたが、発泡炉中でシート
が溶断し、発泡体を得ることができなかった。発泡前の
シート状物の架橋度を測定したところ、ゲル分率は2.
5%であり、ほとんど架橋されていなかった。
【0054】比較例3 比較例2において、比較例2より照射線量を高めて、3
00kGyに線量を変更した以外は同様の処理をした。
しかし、やはり発泡炉でシートが溶断し、発泡体を得る
ことはできなかった。
【0055】実施例2 実施例1において、生分解性樹脂として、ポリカプロラ
クトンに代えてポリブチレンサクシネート・アジペート
を用いる以外は、実施例1と同様の方法で発泡体を得た
後に、複合成形品を作成した。。
【0056】得られた発泡体の厚みは3.1mm、ゲル
分率は70%、発泡倍率10倍であった。仕上がった複
合成形品の外観は良好であり、手ざわり感(風合い)も
ソフトであり、ゴム弾性に優れたものであった。
【0057】この一体複合成形品を土壌中に埋設したと
ころ、1年間経過後には実用性のない強度にまで低下し
分解変化が観察され、生分解性があることが確認され
た。
【0058】比較例4 実施例2において、架橋助剤を使用しない以外は全く実
施例2と同様の方法で発泡体を作成した。
【0059】得られた発泡体は架橋時に1部樹脂劣化も
生じ、表面は凸凹で気泡は不均一なものであった。発泡
体のゲル分率は45%であったが、厚みは表面が凸凹の
ため精度よく測定することができなかった。
【0060】この得られた発泡体を用い、実施例2と同
様に複合成形品を作成したが、成形品の外観は、平坦部
分は凸凹、突起部分には破れが発生し、仕上がりは不良
なものであった。
【0061】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、130
℃テトラリン溶媒抽出法で得られるゲル分率が50%以
上である生分解性脂肪族ポリエステルおよび/または該
変性物の発泡体からなり、該発泡体の片側表面に表皮材
を貼り合せ、反対側の表面に熱可塑性樹脂の骨材を一体
に成形した構成であるので、一体成形法で効率よく製造
することができ、しかも廃棄に際して生分解性を有する
ため地球環境に優しくすることができる。特に車輛用内
装部材として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 史朗 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 3D023 BA01 BB01 BE06 BE31 4F100 AK01C AK42A AK42B AK42C AT00B BA03 BA07 BA10B BA10C DG11B DJ01A EJ05A GB33 JB16C JC00A JC00B JC00C JL00 YY00A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 130℃テトラリン溶媒抽出法で得られ
    るゲル分率が50%以上である生分解性脂肪族ポリエス
    テルおよび/または該変性物の発泡体からなり、該発泡
    体の片側表面に表皮材を貼り合せ、反対側の表面に熱可
    塑性樹脂の骨材を一体に成形した成形品。
  2. 【請求項2】 前記表皮材が、生分解性脂肪族ポリエス
    テル及び/又は該変性生分解性樹脂からなるシート状物
    であるか又は布帛状物である請求項1に記載の成形品。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂の骨材が、生分解性脂
    肪族ポリエステル及び/又は該変性生分解性樹脂からな
    る請求項1または2に記載の成形品。
  4. 【請求項4】 車輛用内装部材に使用される請求項1〜
    3のいずれかに記載の成形品。
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