JP2003245816A - ボールエンドミル用スローアウェイチップ - Google Patents

ボールエンドミル用スローアウェイチップ

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Milling Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】チップの側面の下辺稜部が被削材と干渉し難く
することで、チップにビビリが発生させたり、刃先欠損
を引き起こしたり、異常摩耗を引き起こしたりし難く
し、これにより、加工不良を防止し、且つ、チップを長
寿命とすることが可能なボールスローアウェイチップを
提供することを課題とする。 【解決手段】板状をなし、すくい面2とされる上面と側
面との稜線部に、1/4円弧状切刃6と、これに対向す
る対向辺稜7と、これら1/4円弧状切刃6と対向辺稜
7とが交わる部分にノーズ8とを形成してなるポジタイ
プのチップ1において、前記ノーズ8側端部に、前記上
面の中央側からノーズ側に向かうに従い、着座面3とさ
れる下面側に漸次近づく傾斜平坦面5が形成され、且
つ、前記1/4円弧状切刃6がチップ1の上面視で同一
円弧となるように前記傾斜平坦面5に沿った側面4を外
方に膨出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールエンドミル
本体の先端に着脱自在に装着される、円弧状の切刃を有
するボールエンドミル用スローアウェイチップに関す
る。
【0002】
【従来の技術】スローアウェイチップを用いたボールエ
ンドミルとしては、例えば、図12から図14に示すよ
うに、略円柱状のボールエンドミル本体32の先端に、
この軸線10を挟んで互いに反対側に、軸線方向先端側
から見てL字型に切り欠かれるようにして一対の溝11
が形成され、これら溝11のエンドミル回転方向側を向
く壁面に形成されたチップ取付座に、それぞれスローア
ウェイチップ21、21aがクランプネジによって着脱
自在に装着された構成のものが知られている。
【0003】このうち、軸線10を越える範囲をカバー
するスローアウェイチップ21は、板状をなし、両側面
の上縁部に1/4円弧状切刃26と、これに対向する上
面視で直線状の対向辺稜27と、これら1/4円弧状切
刃26と対向辺稜27とが交わる部分にノーズ28が形
成されたものであった。また、このスローアウェイチッ
プ21は、上面のノーズ28側端部に、前記上面の中央
側からノーズ28側に向かうに従い、着座面23とされ
る下面に漸次近づく凸曲面25が形成されたものであっ
た。なお、このスローアウェイチップ21において、側
面の形状はスムーズ24であり、特に、膨出部は形成さ
れていなかった。
【0004】上記従来チップによれば、切削時に先ず凸
状切刃が被削材に喰い付き、次いでエンドミル本体32
の回転に伴って漸次、1/4円弧状切刃26の全体が切
削を行う様になるため、衝撃的な切削荷重が作用するこ
とがないといった利点が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来チッ
プでは、上面視において、1/4円弧状切刃26の凸曲
面27に沿った部分が、他の部分がなす円弧よりも内方
となる。そのため、チップの側面24の下辺稜部が被削
材と干渉し易くなる。そして、この干渉によりチップに
ビビリが発生して、刃先欠損を引き起こしたり、異常摩
耗を引き起こすなどで、加工不良となったり、チップの
寿命を短くしてしまうなどの問題があった。
【0006】また、前記凸曲面27は最先端が先方に尖
った形状となるので、この部分の刃先強度が大きくなか
った。
【0007】本発明はこのような従来技術の問題に鑑
み、チップの側面の下辺稜部が被削材と干渉し難くする
ことで、チップにビビリが発生させたり、刃先欠損を引
き起こしたり、異常摩耗を引き起こしたりし難くし、こ
れにより、加工不良を防止し、且つ、チップを長寿命と
することが可能なボールスローアウェイチップを提供す
ることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1のボールエンドミル用スローアウェイチップ
は、板状をなし、すくい面とされる上面と側面との稜線
部に、1/4円弧状切刃と、これに対向する対向辺稜
と、これら1/4円弧状切刃と対向辺稜とが交わる部分
にノーズとを形成してなるポジタイプのスローアウェイ
チップであって、前記ノーズ側端部に、前記上面の中央
側からノーズ側に向かうに従い、着座面とされる下面側
に漸次近づく傾斜平坦面が形成され、且つ、前記1/4
円弧状切刃がチップの上面視で同一円弧となるように前
記傾斜平坦面に沿った側面を外方に膨出させたことを特
徴とする。
【0009】かかる構成によれば、前記1/4円弧状切
刃がチップの上面視で同一円弧となることから、チップ
の側面の下辺稜部が被削材と干渉しにくくなる。したが
って、チップにビビリが発生させたり、刃先欠損を引き
起こしたり、異常摩耗を引き起こしたりし難いので、加
工不良となったり、チップの寿命を短くしてしまうなど
の問題を防止することができる。
【0010】また、ノーズ側の最先端が傾斜平坦面であ
り、凸曲面のように最先端が尖っていないので、この部
分の刃先強度が大きい。
【0011】これに加えて前記構成によれば、前記傾斜
平坦面に沿った部分を含めて、1/4円弧状切刃がチッ
プの上面視で同一円弧となることから、被削材の切削部
分において底形状が正確な円弧状となるので、仕上げ加
工が必要な場合であっても、加工が非常に容易に済む。
【0012】また、請求項2のスローアウェイチップ
は、前記チップの上面視において、前記1/4円弧状切
刃の全長に対する前記傾斜平坦面に沿った部分の長さの
比が1/9〜1/7の長さであることを特徴とする。
【0013】かかる構成によれば、切削抵抗が小さく、
且つ切刃強度を大きく保つことができる。
【0014】すなわち、上記傾斜平坦面を小さくするこ
とで(前記比が1/7以下)、負のすくい角のすくい面
領域が小さくして、切削抵抗を減少させるとともに、上
面視において、前記1/4円弧状切刃における傾斜平坦
面に沿った部分を、その他の部分と同じ円弧にするため
の、側面における膨出量を小さくすることで、この部分
の切刃強度を大きく保つことができる。なお、上記傾斜
平坦面を過小にした場合(前記比が1/9未満)、切削
抵抗を減少させる作用が不十分となる恐れがある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態に係る
チップを添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0016】図1乃至図11に、本発明の実施形態の一
例を示す。
【0017】このうち、図1乃至図3は、本発明のスロ
ーアウェイチップ(以下、チップと略称する)1を示
す。
【0018】このチップ1は、超硬合金等の硬質材料か
ら平面形状が略楕円形状の平板状に形成され、すくい面
2とされる上面と側面4との稜線部に、1/4円弧状切
刃6と、これに対向する対向辺稜7と、これら1/4円
弧状切刃6と対向辺稜7とが交わる部分にノーズ8とを
形成してなるポジタイプのチップである。
【0019】また、前記チップ1は、前記ノーズ8側端
部に、前記すくい面2の中央側からノーズ8側に向かう
に従い、着座面3とされる下面側に近づく傾斜平坦面5
が形成され、ノーズ8部分の強度を向上させた構成とな
っている。
【0020】この傾斜平坦面5における、前記すくい面
2の中央側の辺稜部にはフラットランド9が形成され、
その内側は正のすくい面2となっている。
【0021】前記1/4円弧状切刃6は、チップ1の上
面視において、その全長が同一円弧となるよう構成され
る。そのため、前記傾斜平坦面5に沿った側面13は、
外方に膨出している(図3における膨出部5a)。
【0022】次に、図4乃至図6は、前記本発明のチッ
プ1とともに後述のボールエンドミル本体に装着するチ
ップ1aを示す。
【0023】前記チップ1と比べて、このチップ1aは
一方側のノーズ8と他方側のノーズ8との間隔が大き
く、前記対向辺稜7が長いことを特徴とする。それ以
外、1/4円弧状切刃6と、これに対向する対向辺稜7
と、これら1/4円弧状切刃6と対向辺稜7とが交わる
部分にノーズ8とを形成してなるポジタイプのチップ1
であること、また、前記すくい面2のノーズ8側端部
に、前記すくい面2の中央側からノーズ8側に向かうに
従い、着座面3とされる下面側に近づく傾斜平坦面5が
形成され、ノーズ8部分の強度を向上させた構成である
点で、前記チップ1と共通した構成となっている。
【0024】これらチップ1、1aは、図7乃至図9に
示すボールエンドミル本体12に装着される。以下、こ
の点について説明する。
【0025】略半球状の先端部を備えた略円柱状のボー
ルエンドミル本体12の先端に、その軸線10を挟んで
互いに反対側に軸線方向先端側から見て図7に示すよう
にL字型に切り欠かれるようにして一対の溝11,11
が形成され、これら溝11,11のエンドミル回転方向
側を向く壁面に形成されたチップ取付座に、クランプネ
ジによって、前記チップ1、1aがそれぞれ着脱自在に
装着され、チップ1の1/4円弧状切刃6が切削に関与
するように配置されている。そして、一方のチップ1
は、前記軸線10を越えて配置される、他方のチップ1
aは前記軸線10を越えない配置となっている。なお、
チップ1は正の軸線方向すくい角でもってボールエンド
ミル工具本体に装着される。
【0026】前記チップ1,1aを用い、このように構
成されるボールエンドミルによれば、図11に示すよう
に、前記1/4円弧状切刃6がチップ1の上面視で同一
円弧となることから、図10に示すように、チップ1の
側面4の下辺稜部が被削材と干渉しにくくなる。したが
って、チップ1にビビリが発生させたり、刃先欠損を引
き起こしたり、異常摩耗を引き起こしたりし難いので、
加工不良となったり、チップ1の寿命を短くしてしまう
などの問題を防止することができる。
【0027】因みに、図11において符号14'は、従
来技術のように前記1/4円弧状切刃6におけるノーズ
8の近傍部分が他の部分と同一円弧となるようにしてい
ない場合の、先端側切刃とその延長線を示す。この部分
は、同図に示すように、本願発明のチップ1の対応部分
14と比べて内方となってしまう。
【0028】これに加えて前記構成によれば、前記傾斜
平坦面5に沿った部分を含めて、1/4円弧状切刃6が
チップ1の上面視で同一円弧となることから、被削材の
切削部分における底形状が正確な円弧状となるので、仕
上げ加工が必要な場合であっても、加工が非常に容易に
済む。
【0029】なお、軸線を越えて配置されるチップ1
は、前記チップ1の上面視において、前記1/4円弧状
切刃6の全長に対する前記傾斜平坦面5に沿った部分1
3の長さの比が1/9〜1/7の長さであることが好ま
しい。
【0030】かかる構成によれば、切削抵抗が小さく、
且つ切刃強度を大きく保つことができる。
【0031】すなわち、上記傾斜平坦面5を小さくする
ことで(前記比が1/7以下)、負のすくい角のすくい
面領域を小さくして、切削抵抗を減少させるとともに、
上面視において、前記1/4円弧状切刃6における傾斜
平坦面5に沿った部分13を、その他の部分と同じ円弧
にするための、側面4における膨出量を小さくすること
で、この部分の切刃強度を大きく保つことができる。な
お、上記傾斜平坦面5を過小にした場合(前記比が1/
9未満)、切削抵抗を減少させる作用が不十分となる恐
れがある。
【0032】以上、本発明の実施形態を図によって例示
したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではな
い。本発明は、発明の目的を逸脱しない限り任意の形態
とすることができることは云うまでもない。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明のボールエンドミ
ル用スローアウェイチップは、板状をなし、すくい面と
される上面と側面との稜線部に、1/4円弧状切刃と、
これに対向する対向辺稜と、これら1/4円弧状切刃と
対向辺稜とが交わる部分にノーズとを形成してなるポジ
タイプのスローアウェイチップであって、前記ノーズ側
端部に、前記上面の中央側からノーズ側に向かうに従
い、着座面とされる下面側に漸次近づく傾斜平坦面が形
成され、且つ、前記1/4円弧状切刃がチップの上面視
で同一円弧となるように前記傾斜平坦面に沿った側面を
外方に膨出させたことにより、前記1/4円弧状切刃が
チップの上面視で同一円弧となる。
【0034】したがって、チップの側面の下辺稜部が被
削材と干渉しにくくなる。したがって、チップにビビリ
が発生させたり、刃先欠損を引き起こしたり、異常摩耗
を引き起こしたりし難いので、加工不良となったり、チ
ップの寿命を短くしてしまうなどの問題を防止すること
ができる。
【0035】また、ノーズ側の最先端が傾斜平坦面であ
り、凸曲面のように最先端が尖っていないので、この部
分の刃先強度が大きい。これに加えて前記構成によれ
ば、前記傾斜平坦面に沿った部分を含めて、1/4円弧
状切刃がチップの上面視で同一円弧となることから、被
削材の切削部分において底形状が正確な円弧状となるの
で、仕上げ加工が必要な場合であっても、加工が非常に
容易に済む。
【0036】また、前記スローアウェイチップにおい
て、前記チップの上面視において、前記1/4円弧状切
刃の全長に対する前記傾斜平坦面に沿った部分の長さの
比を1/9〜1/7とした場合、上記傾斜平坦面を小さ
くすることで、負のすくい角のすくい面領域が小さくし
て、切削抵抗を減少させるとともに、上面視において、
前記1/4円弧状切刃における傾斜平坦面に沿った部分
を、その他の部分と同じ円弧にするための、側面におけ
る膨出量を小さくすることで、この部分の切刃強度を大
きく保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態のボールエンドミル用スローア
ウェイチップであって、ボールエンドミルの回転軸を超
えた領域の切削を行うチップの正面図(上面図)であ
る。
【図2】図1のチップの右側面図である。
【図3】図1のチップの底面図である。
【図4】図1のチップとともにホルダーに装着するチッ
プの正面図(上面図)である。
【図5】図4のチップの右側面図である。
【図6】図4のチップの底面図である。
【図7】図1のチップと、図4のチップとを装着したボ
ールエンドミルの先端面図である。
【図8】図7のチップの正面図である。
【図9】図7のチップの上面図である。
【図10】図9の上面図の先端側拡大図である。
【図11】図8の正面図の先端側拡大図である。
【図12】従来のボールエンドミル用スローアウェイチ
ップの正面図である。
【図13】図12のチップの底面図である。
【図14】図11のチップを装着したボールエンドミル
の正面図である。
【符号の説明】
1、1a (ボールエンドミル用スローアウェイ)チッ
プ 2 すくい面 3 着座面 4 側面 5 傾斜平坦面 5a 膨出部 6 1/4円弧状切刃 7 対向辺稜 8 ノーズ 9 フラットランド 10 軸線 11 溝 12 ボールエンドミル本体 13 傾斜平坦面に沿った切刃部分

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板状をなし、すくい面とされる上面と側面
    との稜線部に、1/4円弧状切刃と、これに対向する対
    向辺稜と、これら1/4円弧状切刃と対向辺稜とが交わ
    る部分にノーズとを形成してなるポジタイプのスローア
    ウェイチップであって、 前記ノーズ側端部に、前記上面の中央側からノーズ側に
    向かうに従い、着座面とされる下面側に漸次近づく傾斜
    平坦面が形成され、且つ、 前記1/4円弧状切刃がチップの上面視で同一円弧とな
    るように前記傾斜平坦面に沿った側面を外方に膨出させ
    たことを特徴とするボールエンドミル用スローアウェイ
    チップ。
  2. 【請求項2】前記チップの上面視において、前記1/4
    円弧状切刃の全長に対する前記傾斜平坦面に沿った部分
    の長さの比が1/9〜1/7の長さであることを特徴と
    する請求項1記載のボールエンドミル用スローアウェイ
    チップ。
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