JP2003245742A - プレフォーマー用ピン及び撚線装置のプレフォーマー - Google Patents
プレフォーマー用ピン及び撚線装置のプレフォーマーInfo
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- D07B7/02—Machine details; Auxiliary devices
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- D07B2401/00—Aspects related to the problem to be solved or advantage
- D07B2401/40—Aspects related to the problem to be solved or advantage related to rope making machines
- D07B2401/401—Reducing wear
Landscapes
- Ropes Or Cables (AREA)
- Wire Processing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 素線または撚り線との間の摩擦抵抗を少なく
するとともに、抵抗力・テンションの変動レベルを低減
することのできるプレフォーマー用ピンと、これを用い
た撚線装置のプレフォーマーを提供する。 【解決手段】 撚り線機のプレフォーマーとして、超硬
材料から成る円柱状の基材2の表面に、Si,Cr,T
i,Wの少なくとも1種以上の元素を含む下地層3を形
成し、この下地層3の表面にダイヤモンドライクカーボ
ンをコーティングして成るコーティング層4を設けたプ
レフォーマー用ピン1を備えたプレフォーマーを用いる
ようにした。
するとともに、抵抗力・テンションの変動レベルを低減
することのできるプレフォーマー用ピンと、これを用い
た撚線装置のプレフォーマーを提供する。 【解決手段】 撚り線機のプレフォーマーとして、超硬
材料から成る円柱状の基材2の表面に、Si,Cr,T
i,Wの少なくとも1種以上の元素を含む下地層3を形
成し、この下地層3の表面にダイヤモンドライクカーボ
ンをコーティングして成るコーティング層4を設けたプ
レフォーマー用ピン1を備えたプレフォーマーを用いる
ようにした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチールコードの
撚線装置において、素線あるいは撚り線を形付け処理す
るプレフォーマーとプレフォーマー用ピンに関するもの
である。
撚線装置において、素線あるいは撚り線を形付け処理す
るプレフォーマーとプレフォーマー用ピンに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、複数本の素線または撚り線を用い
て撚り線を作製する際には、例えば、図3に示すよう
に、素線巻き出し用のボビン11を、チューブラータイ
プ撚り線機10の筒型ロータ12の胴内部に直列に配置
し、上記各ボビン11からの素線(または、撚り線)を
それぞれ通線ガイド13によりボイス(撚り合わせ点)
14に案内して上記素線(または、撚り線)を撚り合わ
せ、これを、キャプスタン15を介して、巻き取りボビ
ン16に送り巻き取るようにしている。上記撚り線工程
では、主に、素線の撚りに基づく内部応力を制御し、切
断した場合の撚りほぐれや回転・素線の飛び出しを防止
するため、上記ボイス14の前段にプレフォーマー17
を配して、撚り合わせ前の素線に形付け処理を行うよう
にしている。この形付け処理は、通常、図4に示すよう
に、複数本の撚り合わせ前の素線(または撚り線)S
を、多角柱状の基台17aの各側面に3〜5本の円柱形
のピン(プレフォーマー用ピン)17bを、素線Sの巻
き取り方向に沿って、巻き取り方向に直角方向に交互に
ずらしながら配置して成るプレフォーマー17の上記ピ
ン17b,17b間を通過させることによって行われ
る。形付けとは、素線Sにスパイラル形の形状を塑性的
に与えることであるが、素線Sが上記プレフォーマー用
ピン17bを通過する際には、接触摩擦抵抗によるテン
ションが上記塑性加工の程度に応じて生じる。この接触
摩擦抵抗が大きくなると、塑性加工の影響も寄与して、
上記形付けされた箇所が、素線Sの断線の起点となるこ
とがある。また、断線には到らなくても、素線Sには摩
擦痕が傷として残るため、これが将来スチールコード製
品の疲労破壊の起点となる可能性があった。更には、素
線Sとプレフォーマー用ピン17b間の動的摩擦係数の
変動が形付けによる塑性加工に影響を及ぼし、撚り性状
や撚りピッチに変動を与えるといった問題点があった。
そこで、形付けの際の素線S(または、撚り線)とプレ
フォーマー用ピン17bとの摩擦力を低減するため、従
来より、プレフォーマー用ピン17bの表面を滑らかに
研磨しておいたり、また、潤滑性のあるオイルを上記素
線S(または、撚り線)に予め塗布するなどの対策が採
られている。
て撚り線を作製する際には、例えば、図3に示すよう
に、素線巻き出し用のボビン11を、チューブラータイ
プ撚り線機10の筒型ロータ12の胴内部に直列に配置
し、上記各ボビン11からの素線(または、撚り線)を
それぞれ通線ガイド13によりボイス(撚り合わせ点)
14に案内して上記素線(または、撚り線)を撚り合わ
せ、これを、キャプスタン15を介して、巻き取りボビ
ン16に送り巻き取るようにしている。上記撚り線工程
では、主に、素線の撚りに基づく内部応力を制御し、切
断した場合の撚りほぐれや回転・素線の飛び出しを防止
するため、上記ボイス14の前段にプレフォーマー17
を配して、撚り合わせ前の素線に形付け処理を行うよう
にしている。この形付け処理は、通常、図4に示すよう
に、複数本の撚り合わせ前の素線(または撚り線)S
を、多角柱状の基台17aの各側面に3〜5本の円柱形
のピン(プレフォーマー用ピン)17bを、素線Sの巻
き取り方向に沿って、巻き取り方向に直角方向に交互に
ずらしながら配置して成るプレフォーマー17の上記ピ
ン17b,17b間を通過させることによって行われ
る。形付けとは、素線Sにスパイラル形の形状を塑性的
に与えることであるが、素線Sが上記プレフォーマー用
ピン17bを通過する際には、接触摩擦抵抗によるテン
ションが上記塑性加工の程度に応じて生じる。この接触
摩擦抵抗が大きくなると、塑性加工の影響も寄与して、
上記形付けされた箇所が、素線Sの断線の起点となるこ
とがある。また、断線には到らなくても、素線Sには摩
擦痕が傷として残るため、これが将来スチールコード製
品の疲労破壊の起点となる可能性があった。更には、素
線Sとプレフォーマー用ピン17b間の動的摩擦係数の
変動が形付けによる塑性加工に影響を及ぼし、撚り性状
や撚りピッチに変動を与えるといった問題点があった。
そこで、形付けの際の素線S(または、撚り線)とプレ
フォーマー用ピン17bとの摩擦力を低減するため、従
来より、プレフォーマー用ピン17bの表面を滑らかに
研磨しておいたり、また、潤滑性のあるオイルを上記素
線S(または、撚り線)に予め塗布するなどの対策が採
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プレフ
ォーマー用ピン17bの表面を研磨しただけでは、滑ら
かになった効果による摩擦抵抗の減少は得られるが、基
材と素線の材料間で生じる摩擦抵抗を減じることはでき
ず、その効果には限りがあった。また、上記オイルを塗
布する方法では、オイル量が少ないと摩擦低減効果が少
なく、また、多すぎるとオイルが飛散して周囲を汚染す
るなど、オイル量の制御が難しかった。
ォーマー用ピン17bの表面を研磨しただけでは、滑ら
かになった効果による摩擦抵抗の減少は得られるが、基
材と素線の材料間で生じる摩擦抵抗を減じることはでき
ず、その効果には限りがあった。また、上記オイルを塗
布する方法では、オイル量が少ないと摩擦低減効果が少
なく、また、多すぎるとオイルが飛散して周囲を汚染す
るなど、オイル量の制御が難しかった。
【0004】本発明は、従来の問題点に鑑みてなされた
もので、素線または撚り線との間の摩擦抵抗を少なくす
るとともに、抵抗力・テンションの変動レベルを低減す
ることのできるプレフォーマー用ピンと、これを用いた
撚線装置のプレフォーマーを提供することを目的とす
る。
もので、素線または撚り線との間の摩擦抵抗を少なくす
るとともに、抵抗力・テンションの変動レベルを低減す
ることのできるプレフォーマー用ピンと、これを用いた
撚線装置のプレフォーマーを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のプレフォーマー用ピンは、複数本のピン間に素線ある
いは撚り線を通過させて、上記素線あるいは撚り線を形
付け処理するプレフォーマーに使用されるピンであっ
て、その表面にダイヤモンドライクカーボンのコーティ
ング層を設けたものである。請求項2に記載のプレフォ
ーマー用ピンは、基材表面に、Si,Cr,Ti,Wの
少なくとも1種以上の元素を含む下地層を形成し、この
下地層の表面に上記コーティング層を形成したものであ
る。
のプレフォーマー用ピンは、複数本のピン間に素線ある
いは撚り線を通過させて、上記素線あるいは撚り線を形
付け処理するプレフォーマーに使用されるピンであっ
て、その表面にダイヤモンドライクカーボンのコーティ
ング層を設けたものである。請求項2に記載のプレフォ
ーマー用ピンは、基材表面に、Si,Cr,Ti,Wの
少なくとも1種以上の元素を含む下地層を形成し、この
下地層の表面に上記コーティング層を形成したものであ
る。
【0006】また、請求項3に記載の撚線装置のプレフ
ォーマーは、上記請求項1または請求項2に記載のプレ
フォーマー用ピンを備えたものである。
ォーマーは、上記請求項1または請求項2に記載のプレ
フォーマー用ピンを備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基づき説明する。図1(a),(b)は、本
実施の形態に係わるプレフォーマー用ピン1を示す模式
図で、2は、例えば、タングステンカーバイト(WC)
等の超硬材料から成る円柱状の基材、3はこの基材2の
表面(円柱の側面)に形成された、Si,Cr,Ti,
Wの少なくとも1種以上の元素を含む下地層、4はこの
下地層の表面にダイヤモンドライクカーボンをコーティ
ングして成るコーティング層である。上記コーティング
層4の厚さは2μm以下が好ましく、厚くなり過ぎると
コーティング層4が使用中に剥離し易くなってしまい、
その場合、摩擦低減機能が損なわれる。また、下地層3
は、超硬材料から成る基材2と上記コーティング層4と
の接着を強固にするために設けるもので、通常は、0.
2μm程度あればよい。なお、上記下地層3とコーティ
ング層4との間に、ダイヤモンドライクカーボンとC
r,Ti,W等の金属元素の両方を含む中間層を設けて
もよく、この場合には、コーティング層4の接着が更に
強固となるので、コーティング層4の厚さを増加させる
ことができ、コーティング層4の耐久性を更に向上させ
ることができる。
て、図面に基づき説明する。図1(a),(b)は、本
実施の形態に係わるプレフォーマー用ピン1を示す模式
図で、2は、例えば、タングステンカーバイト(WC)
等の超硬材料から成る円柱状の基材、3はこの基材2の
表面(円柱の側面)に形成された、Si,Cr,Ti,
Wの少なくとも1種以上の元素を含む下地層、4はこの
下地層の表面にダイヤモンドライクカーボンをコーティ
ングして成るコーティング層である。上記コーティング
層4の厚さは2μm以下が好ましく、厚くなり過ぎると
コーティング層4が使用中に剥離し易くなってしまい、
その場合、摩擦低減機能が損なわれる。また、下地層3
は、超硬材料から成る基材2と上記コーティング層4と
の接着を強固にするために設けるもので、通常は、0.
2μm程度あればよい。なお、上記下地層3とコーティ
ング層4との間に、ダイヤモンドライクカーボンとC
r,Ti,W等の金属元素の両方を含む中間層を設けて
もよく、この場合には、コーティング層4の接着が更に
強固となるので、コーティング層4の厚さを増加させる
ことができ、コーティング層4の耐久性を更に向上させ
ることができる。
【0008】本例では、上記図3にチューブラータイプ
撚り線機10のプレフォーマー17に代えて、図2
(a)〜(c)に示すように、上記構成の複数本のプレ
フォーマー用ピン1を三角柱状の基台5上に配置したプ
レフォーマー6を用いて、素線Sの形付け処理を行う。
本例のプレフォーマー6は、ピン1の最表面に低摩擦抵
抗特性を有する材料であるダイヤモンドライクカーボン
から成るコーティング層4が設けられているので、プレ
フォーマー用ピン1と素線Sとの間の摩擦抵抗を少なく
することができ、プレフォーマー6の通過時における摩
擦抵抗に起因する、素線Sに作用するテンションを低減
することができる。したがって、断線が減少し、素線S
の摩擦痕が改善される。また、摩擦抵抗の低減により、
抵抗力・テンションの変動レベルが減少し、撚り性状や
ピッチの質が向上し、かつ安定化する。なお、プレフォ
ーマー用ピン1の耐久性を向上させるためには、素線S
に予めオイルを塗布しておくことが好ましい。
撚り線機10のプレフォーマー17に代えて、図2
(a)〜(c)に示すように、上記構成の複数本のプレ
フォーマー用ピン1を三角柱状の基台5上に配置したプ
レフォーマー6を用いて、素線Sの形付け処理を行う。
本例のプレフォーマー6は、ピン1の最表面に低摩擦抵
抗特性を有する材料であるダイヤモンドライクカーボン
から成るコーティング層4が設けられているので、プレ
フォーマー用ピン1と素線Sとの間の摩擦抵抗を少なく
することができ、プレフォーマー6の通過時における摩
擦抵抗に起因する、素線Sに作用するテンションを低減
することができる。したがって、断線が減少し、素線S
の摩擦痕が改善される。また、摩擦抵抗の低減により、
抵抗力・テンションの変動レベルが減少し、撚り性状や
ピッチの質が向上し、かつ安定化する。なお、プレフォ
ーマー用ピン1の耐久性を向上させるためには、素線S
に予めオイルを塗布しておくことが好ましい。
【0009】このように、本実施の形態によれば、撚り
線機のプレフォーマーとして、超硬材料から成る円柱状
の基材2の表面に、Si,Cr,Ti,Wの少なくとも
1種以上の元素を含む下地層3を形成し、この下地層3
の表面にダイヤモンドライクカーボンをコーティングし
て成るコーティング層4を設けたプレフォーマー用ピン
1を備えたプレフォーマー6を用いるようにしたので、
プレフォーマー6の通過時におけるプレフォーマー用ピ
ン1と素線Sとの間の摩擦抵抗に起因するテンションを
低減することができる。したがって、断線が減少し、素
線Sの摩擦痕が改善されるだけでなく、抵抗力・テンシ
ョンの変動レベルが減少するので、撚り性状やピッチの
質の向上と安定化を図ることができる。
線機のプレフォーマーとして、超硬材料から成る円柱状
の基材2の表面に、Si,Cr,Ti,Wの少なくとも
1種以上の元素を含む下地層3を形成し、この下地層3
の表面にダイヤモンドライクカーボンをコーティングし
て成るコーティング層4を設けたプレフォーマー用ピン
1を備えたプレフォーマー6を用いるようにしたので、
プレフォーマー6の通過時におけるプレフォーマー用ピ
ン1と素線Sとの間の摩擦抵抗に起因するテンションを
低減することができる。したがって、断線が減少し、素
線Sの摩擦痕が改善されるだけでなく、抵抗力・テンシ
ョンの変動レベルが減少するので、撚り性状やピッチの
質の向上と安定化を図ることができる。
【0010】なお、上記例では単一の素線Sの形付けに
ついて説明したが、上記プレフォーマー6で形付け(塑
性加工)する対象は、上記素線Sに限るものではなく、
1回以上の撚り工程を経たストランドであってもよい。
また、プレフォーマー6に用いるプレフォーマー用ピン
1の個数は、素線あるいは撚り線の太さ等により適宜決
定すればよく、プレフォーマー6の形状も、同時に形付
けする素線あるいは撚り線の本数により、三角柱状、四
角柱状、六角柱状など、様々な形状を採ることができ
る。
ついて説明したが、上記プレフォーマー6で形付け(塑
性加工)する対象は、上記素線Sに限るものではなく、
1回以上の撚り工程を経たストランドであってもよい。
また、プレフォーマー6に用いるプレフォーマー用ピン
1の個数は、素線あるいは撚り線の太さ等により適宜決
定すればよく、プレフォーマー6の形状も、同時に形付
けする素線あるいは撚り線の本数により、三角柱状、四
角柱状、六角柱状など、様々な形状を採ることができ
る。
【0011】<実施例>直径が2.5mmの円柱形超硬
ピンの表面に、Ti,Siをそれぞれスパッタリングし
て厚さが0.2〜0.4μmの下地層を形成し、この下
地層の上にC6H6を原料としたイオン化蒸着により、厚
さが0.8〜1μmのダイヤモンドライクカーボンのコ
ーティング層を形成したプレフォーマー用ピンを三角柱
状の基台の各側面にそれぞれ3本ずつ配置したプレフォ
ーマーを用い、1×3×φ0.21の撚り線を作製し、
撚り合わせ点直後に当たる部分での素線にかかるテンシ
ョンを測定するとともに、作製された撚り線の外観を検
査した。また、比較のため、溶剤洗浄処理した超硬基材
に直接厚さが0.8〜1μmのダイヤモンドライクカー
ボンのコーティング層を形成したプレフォーマー用ピン
と、コーティング処理を施さない従来のプレフォーマー
用ピンを用いたプレフォーマーを用いて同様の測定・検
査を行った。なお、撚り線機及びその稼動条件は同一と
した。コーティング処理を施したプレフォーマー用ピン
を使用した場合のテンションは、いずれの場合も、コー
ティング処理を施さない場合の約8割程度まで低減し
た。また、それに伴い、テンションの変動レベルも従来
例の約半分に減少し、作製された撚り線の外観性状の周
期性及び均一性が向上した。これにより、ダイヤモンド
ライクカーボンのコーティング層により、プレフォーマ
ーの通過時におけるプレフォーマー用ピンと素線との間
の摩擦抵抗が低減されていることが確認された。なお、
上記下地層を設けなかった場合には、ダイヤモンドライ
クカーボンのコーティング膜が剥れ易くなっており、耐
久性を考慮すると下地層を設けた方が有利であることが
分かった。また、形付けする素線または撚り線に予め塗
布しておく潤滑用オイルの使用量について検討した結
果、従来の使用量の約8割までは付着量を減らしてもテ
ンションレベルが変化しないことが分かった。但し、潤
滑用オイルを完全に無くしてしまうと、ダイヤモンドラ
イクカーボンのコーティング層の摩耗が早くなるので、
潤滑用オイルを併用することが好ましい。なお、ダイヤ
モンドライクカーボンのコーティング層を形成する方法
としては、上記イオン化蒸着の他に、CH4−Arを原
料とした高周波プラズマCVD法、イオンビーム蒸着
法、グラファイトを原料とした真空アーク法、スパッタ
リング法、パルスレーザ蒸着法などを用いることができ
る。
ピンの表面に、Ti,Siをそれぞれスパッタリングし
て厚さが0.2〜0.4μmの下地層を形成し、この下
地層の上にC6H6を原料としたイオン化蒸着により、厚
さが0.8〜1μmのダイヤモンドライクカーボンのコ
ーティング層を形成したプレフォーマー用ピンを三角柱
状の基台の各側面にそれぞれ3本ずつ配置したプレフォ
ーマーを用い、1×3×φ0.21の撚り線を作製し、
撚り合わせ点直後に当たる部分での素線にかかるテンシ
ョンを測定するとともに、作製された撚り線の外観を検
査した。また、比較のため、溶剤洗浄処理した超硬基材
に直接厚さが0.8〜1μmのダイヤモンドライクカー
ボンのコーティング層を形成したプレフォーマー用ピン
と、コーティング処理を施さない従来のプレフォーマー
用ピンを用いたプレフォーマーを用いて同様の測定・検
査を行った。なお、撚り線機及びその稼動条件は同一と
した。コーティング処理を施したプレフォーマー用ピン
を使用した場合のテンションは、いずれの場合も、コー
ティング処理を施さない場合の約8割程度まで低減し
た。また、それに伴い、テンションの変動レベルも従来
例の約半分に減少し、作製された撚り線の外観性状の周
期性及び均一性が向上した。これにより、ダイヤモンド
ライクカーボンのコーティング層により、プレフォーマ
ーの通過時におけるプレフォーマー用ピンと素線との間
の摩擦抵抗が低減されていることが確認された。なお、
上記下地層を設けなかった場合には、ダイヤモンドライ
クカーボンのコーティング膜が剥れ易くなっており、耐
久性を考慮すると下地層を設けた方が有利であることが
分かった。また、形付けする素線または撚り線に予め塗
布しておく潤滑用オイルの使用量について検討した結
果、従来の使用量の約8割までは付着量を減らしてもテ
ンションレベルが変化しないことが分かった。但し、潤
滑用オイルを完全に無くしてしまうと、ダイヤモンドラ
イクカーボンのコーティング層の摩耗が早くなるので、
潤滑用オイルを併用することが好ましい。なお、ダイヤ
モンドライクカーボンのコーティング層を形成する方法
としては、上記イオン化蒸着の他に、CH4−Arを原
料とした高周波プラズマCVD法、イオンビーム蒸着
法、グラファイトを原料とした真空アーク法、スパッタ
リング法、パルスレーザ蒸着法などを用いることができ
る。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数本のピン間に素線あるいは撚り線を通過させて、上
記素線あるいは撚り線を形付け処理するプレフォーマー
に使用されるプレフォーマー用ピンにおいて、その表面
にダイヤモンドライクカーボンのコーティング層を設け
るようにしたので、プレフォーマーの通過時におけるプ
レフォーマー用ピンと素線との間の摩擦抵抗及び抵抗力
・テンションの変動レベルを低減することができ、撚り
性状やピッチの質の向上と安定化を図ることができる。
また、基材表面に、Si,Cr,Ti,Wの少なくとも
1種以上の元素を含む下地層を形成し、この下地層の表
面に上記コーティング層を形成することにより、コーテ
ィング層の付着強度を高めるようにしたので、コーティ
ング層の耐久性を向上させることができる。
複数本のピン間に素線あるいは撚り線を通過させて、上
記素線あるいは撚り線を形付け処理するプレフォーマー
に使用されるプレフォーマー用ピンにおいて、その表面
にダイヤモンドライクカーボンのコーティング層を設け
るようにしたので、プレフォーマーの通過時におけるプ
レフォーマー用ピンと素線との間の摩擦抵抗及び抵抗力
・テンションの変動レベルを低減することができ、撚り
性状やピッチの質の向上と安定化を図ることができる。
また、基材表面に、Si,Cr,Ti,Wの少なくとも
1種以上の元素を含む下地層を形成し、この下地層の表
面に上記コーティング層を形成することにより、コーテ
ィング層の付着強度を高めるようにしたので、コーティ
ング層の耐久性を向上させることができる。
【図1】 本発明の実施の形態に係わるプレフォーマー
用ピンの構成を示す模式図である。
用ピンの構成を示す模式図である。
【図2】 本実施の形態に係わるプレフォーマーの構成
を示す図である。
を示す図である。
【図3】 チューブラータイプ撚り線機の模式図であ
る。
る。
【図4】 撚り線機のプレフォーマーの一構成例を示す
図である。
図である。
1 プレフォーマー用ピン、2 基材、3 下地層、4
コーティング層、5 基台、6 プレフォーマー、S
素線(または、撚り線)、10 チューブラータイプ
撚り線機、11 素線巻き出し用のボビン、12 筒型
ロータ、13 通線ガイド、14 ボイス(撚り合わせ
点)、15 キャプスタン、16 巻き取りボビン、1
7 従来のプレフォーマー、17a 基台、17b プ
レフォーマー用ピン。
コーティング層、5 基台、6 プレフォーマー、S
素線(または、撚り線)、10 チューブラータイプ
撚り線機、11 素線巻き出し用のボビン、12 筒型
ロータ、13 通線ガイド、14 ボイス(撚り合わせ
点)、15 キャプスタン、16 巻き取りボビン、1
7 従来のプレフォーマー、17a 基台、17b プ
レフォーマー用ピン。
Claims (3)
- 【請求項1】 複数本のピン間に素線あるいは撚り線を
通過させて、上記素線あるいは撚り線を形付け処理する
プレフォーマーに使用されるピンであって、その表面に
ダイヤモンドライクカーボンのコーティング層を設けた
ことを特徴とするプレフォーマー用ピン。 - 【請求項2】 基材表面に、Si,Cr,Ti,Wの少
なくとも1種以上の元素を含む下地層を形成し、この下
地層の表面に上記コーティング層を形成したことを特徴
とする請求項1に記載のプレフォーマー用ピン。 - 【請求項3】 複数本のピン間に素線あるいは撚り線を
通過させて、上記素線あるいは撚り線を形付け処理する
プレフォーマーであって、上記請求項1または請求項2
に記載のプレフォーマー用ピンを備えたことを特徴とす
る撚線装置のプレフォーマー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002048263A JP2003245742A (ja) | 2002-02-25 | 2002-02-25 | プレフォーマー用ピン及び撚線装置のプレフォーマー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002048263A JP2003245742A (ja) | 2002-02-25 | 2002-02-25 | プレフォーマー用ピン及び撚線装置のプレフォーマー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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WO2015082030A1 (de) * | 2013-12-05 | 2015-06-11 | Maschinenfabrik Niehoff Gmbh & Co. Kg | Verlitz- oder verseilmaschine mit rotorbügel und transporteinrichtung |
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-
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- 2002-02-25 JP JP2002048263A patent/JP2003245742A/ja active Pending
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