JP2003245562A - マイクロ触媒反応器の製造方法 - Google Patents

マイクロ触媒反応器の製造方法

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JP2003245562A
JP2003245562A JP2002047940A JP2002047940A JP2003245562A JP 2003245562 A JP2003245562 A JP 2003245562A JP 2002047940 A JP2002047940 A JP 2002047940A JP 2002047940 A JP2002047940 A JP 2002047940A JP 2003245562 A JP2003245562 A JP 2003245562A
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catalyst
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microcatalyst
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Tomohiro Notaki
友博 野瀧
Osamu Hasegawa
修 長谷川
Takeshi Tsuno
武志 津野
Masahiro Funayama
正宏 舩山
Satoshi Tawara
諭 田原
Takayuki Goto
崇之 後藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒層を常温で形成することができ、触媒層
の厚さを簡単に制御することができ、微小空間の所望の
場所に触媒層を低コストで形成することができるととも
に、良好な基板と触媒層との密着性も提供できるマイク
ロ触媒反応器の製造方法を得る。 【解決手段】 表面に複数の溝部12を設けた平板状の
基板11と、前記溝部12の内側に形成した触媒層13
とを有し、被処理ガスを前記触媒層13と接触させるよ
うにしたマイクロ触媒反応器の製造方法において、前記
触媒層13が、触媒微粉末をキャリアガスとともに微小
孔ノズルの先端から前記溝部の内側に吹き付けることに
より形成されることを特徴とする製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ触媒反応
器の製造方法に関するものであり、詳しくは、触媒層を
常温で形成することができ、触媒層の厚さを簡単に制御
することができ、微小空間の所望の場所に触媒層を低コ
ストで形成することができるとともに、良好な基板と触
媒層との密着性も提供できるマイクロ触媒反応器の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロ触媒反応器やその他の用途の基
板に所望の触媒層を形成する方法は、従来から数多く提
案されている。例えば、特開平6−205992号公報
には、特定の水溶性混合液を含む不均質水溶性触媒のス
ラリーを調製し、溝部を有する触媒支持体の表面にこれ
を塗布する方法が開示されている。また、特開平5−1
86203号公報には、金属素材の表面に多孔質性の触
媒担体層を付着形成させ、その触媒担体層に触媒活性物
質を含浸法により担持させた触媒エレメントが開示され
ている。しかしながら、前記の従来技術はいわゆる塗布
法または含浸法を採用するものであり、このような方法
では触媒層を基板上に薄く塗布することができず、結果
として触媒層の表面積が小さくなり反応効率が低下する
とともに、反応器全体が大型化するという問題点があ
る。さらに前記の従来の方法は焼成ステップをさらに含
むことから、コスト高となり、また基板および触媒層間
が剥離したり、触媒活性が低下したり、短寿命となる等
の問題点もある。また従来の方法ではマイクロ触媒反応
器のもつ微小空間の所望の場所に触媒層を形成すること
が不可能であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、触媒層を常温で形成することができ、触媒層の厚
さを簡単に制御することができ、微小空間の所望の場所
に触媒層を低コストで形成することができるとともに、
良好な基板と触媒層との密着性も提供できるマイクロ触
媒反応器の製造方法の提供にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、表面
に複数の溝部を設けた平板状の基板と、前記溝部の内側
に形成した触媒層とを有し、被処理ガスを前記触媒層と
接触させるようにしたマイクロ触媒反応器の製造方法に
おいて、前記触媒層が、触媒微粉末をキャリアガスとと
もに微小孔ノズルの先端から前記溝部の内側に吹き付け
ることにより形成されることを特徴とするマイクロ触媒
反応器の製造方法である。請求項2の発明は、平板状の
基板を用意し、前記基板を構成する材料を微粉末とし、
前記粉末をキャリアガスとともに微小孔ノズルの先端か
ら前記基板に吹き付けて凸部を形成することにより、表
面に複数の溝部を設けた平板状の基板を作製し、その
後、前記触媒層が形成されることを特徴とする請求項1
に記載のマイクロ触媒反応器の製造方法である。請求項
3の発明は、円筒パイプの外表面の少なくとも1部に触
媒層を形成し、前記円筒パイプを複数本束ね、被処理ガ
スを前記触媒層と接触させるようにしたマイクロ触媒反
応器の製造方法において、前記触媒層が、触媒微粉末を
キャリアガスとともに微小孔ノズルの先端から前記円筒
パイプの外表面に吹き付けることにより形成されること
を特徴とするマイクロ触媒反応器の製造方法である。請
求項4の発明は、平板状の基板表面の少なくとも1部に
表面に微細な凹凸を有する触媒層を形成し、被処理ガス
が前記触媒層と接触するようにしたマイクロ触媒反応器
の製造方法において、前記触媒層が、触媒微粉末をキャ
リアガスとともに微小孔ノズルの先端から前記基板の表
面に吹き付けることにより形成されることを特徴とする
マイクロ触媒反応器の製造方法である。請求項5の発明
は、平板状の基板上に網部材を積層し、前記網部材なら
びに基板表面上に触媒層を形成し、複合体を作製し、前
記複合体を複数枚積層し、被処理ガスが前記触媒層と接
触するようにしたマイクロ触媒反応器の製造方法におい
て、前記触媒層が、触媒微粉末をキャリアガスとともに
微小孔ノズルの先端から前記基板の表面に吹き付けるこ
とにより形成されることを特徴とするマイクロ触媒反応
器の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳しく説明
する。本発明の第1の実施形態は、表面に複数の溝部を
設けた平板状の基板と、前記溝部の内側に特定の方法に
より形成した触媒層とを有し、被処理ガスを前記触媒層
と接触させるようにしたマイクロ触媒反応器の製造方法
である。図1は、第1の実施形態において、本発明の製
造方法により得られるマイクロ触媒反応器の構成単位を
説明するための図である。図1において、マイクロ触媒
反応器の構成単位10は、平板状の基板11の表面に複
数の溝部12が設けられ、その溝部12の内側に触媒層
13が形成されている。図1の態様におけるマイクロ触
媒反応器の構成単位10は、例えばサイズとして、基板
11の厚さtが150μmあるいはそれ以下、溝部12
の深さdおよび幅wが100μmあるいはそれ以下であ
る。なお触媒層13の厚さは、例えば0.1μm〜10
mm、好ましくは0.1μm〜20μmの範囲で常温で
制御することができ、また微小領域である溝部12の底
部および側部にも触媒層13を所望の薄さで形成するこ
とが可能である。そして被処理ガスが触媒層13と接触
することにより、被処理ガス中のターゲットとなる物質
が化学反応を起こし、分解または改質する。
【0006】触媒層13の形成方法としては、200μ
m以下、好ましくは0.01μm〜50μm、さらに好
ましくは0.1μm〜1μmの粒径の触媒粉末をキャリ
アガスとともに微小孔ノズルの先端から溝部12の内側
に吹き付ける方法が採用される。この方法は公知であ
り、例えば特公平3−14512号公報に記載されてい
るが、以下、簡単に説明する。図2は、触媒層の形成方
法を説明するための装置の概略図である。前記のような
粒径で例示される触媒微粉末21の適量を容器22内に
入れ、容器22内にAr、He等の不活性ガスを、ボン
ベ23からバルブ24、導管25を介して容器22の下
面からキャリアガスとして吹き込み、触媒微粉末21を
容器22内で浮遊状態に維持し、エアロゾルとする。次
に、エアロゾルを微小孔ノズル27からチャンバ26の
内部に設置された基板28に向かって吹き付け、基板2
8の表面に設けられた溝部の内側に触媒層を形成するこ
とができる。なお基板ホルダ29は基板28を支持する
とともに、基板28を微小孔ノズル27に対して任意の
吹き付け角度となるように動作可能である。基板処理後
のチャンバ26内の雰囲気は、フィルタ30を介して外
部に排出可能である。なお、図示していないが、チャン
バ26内にH等の還元性ガス、N等の非酸化性ガス
等の適当な1種または2種以上をパージすることも可能
である。
【0007】図3は、図2の触媒層の形成方法を説明す
るための装置の概略図において、微小孔ノズル27と基
板28の位置関係を説明するための図である。図3にお
いて、微小孔ノズル27から基板28に向かってエアロ
ゾル31を吹き付け、触媒層13を形成する。すなわ
ち、エアロゾル31を微小孔ノズル27から噴出させる
事で、その中に含まれる触媒微粉末を加速し、溝部12
の内側に衝突させることで層として堆積させる。得られ
た触媒層13は、接着剤を用いずとも基板28と良好に
密着している。微小孔ノズル27と基板28との距離
は、微小孔ノズル27のサイズ、吹き付け時間、チャン
バ26の雰囲気圧力、溝部12の寸法等を勘案して適宜
決定すればよいが、例えば1.5mm以下である。ま
た、前記吹き付けは、触媒微粉末21が超音速で基板2
8の溝部12に衝突するように調整するのが好ましい。
微小孔ノズル27のサイズを適宜変更したり、吹き付け
時間を調整したり、触媒微粉末濃度(キャリアガス単位
体積あたりの触媒粒子数)を調整したり、吹き付け速度
を調整したり、触媒微粉末の粒径を調節したりすること
により、触媒層の幅および厚さを簡単に制御することが
できる。また図3で示すように、本発明によれば、微小
領域である溝部12の底部32だけではなく、前記のよ
うに基板ホルダ29の微小孔ノズル27に対する角度を
変えることにより、側部33にも触媒層13を所望の薄
さで形成することが可能である。
【0008】図4および図5は、このようにして得られ
たマイクロ触媒反応器の構成単位10を利用した反応器
の一例を説明するための図である。図4(a)におい
て、該構成単位10をシートaとし、これとは別に触媒
層13を形成しない他は同じ構造の構成単位をシートb
としている。なお、図4(b)は、図4(a)における
A−A断面図およびB−B断面図である。図5におい
て、図4(a)に示すようにシートaおよびシートb
が、溝部が直交する位置関係でもって交互に積層され、
そのヘッド部およびボトム部にはヘッダーブロック10
1およびボトムブロック102がそれぞれ固着され、密
閉空間を形成している。そして燃料流体入口部103か
ら燃料ガスが導入され、図4(a)のシートaにおける
燃料流体入口通路104を経て触媒層13のある溝部を
通過し、触媒反応(例えば発熱反応)が生じる。反応後
の燃料ガスは、図4(a)に示す排ガス通路105を経
て排ガス出口部106から排出される。同時に、2次流
体入口部107から2次流体が導入され、図4(a)の
シートbにおける2次流体入口通路108を経て溝部
(触媒層は形成されていない)を通過し、ここで、例え
ばシートaおよびシートb間で熱交換反応が生じる。熱
交換後の2次流体は、図4(a)に示す2次流体出口通
路109を経て2次流体出口部110から排出される。
なお、燃料流体入口通路104、排ガス通路105、2
次流体入口通路108、2次流体出口通路109は、図
5における反応器の縦方向のすべてのシートa,bにお
いて連通している。
【0009】本発明で使用する基板の材料は、とくに制
限されないが、例えばステンレス、Ni、Cu、Si等
の半導体、Al等のセラミックス、ガラス、アク
リル樹脂、ポリカーボネート樹脂等のプラスチック等の
材料を例示することができる。基板に設けられる複数の
溝部は、通常互いに平行または実質上平行であり、その
断面は四角形以外に、三角形、六角形、その他の不規則
形状であることができる。
【0010】本発明で使用する触媒は、被処理ガスに応
じて適宜選択すればよく、とくに制限されないが、例え
ばPt、Ru、Pd、Ni、Cu等を例示することがで
きる。また触媒粉末は触媒担体に触媒活性成分を担持し
たものを用いることができ、このような担体としては、
例えばZrO、Al、SiO、ZnO、Ce
等を例示することができる。本発明によれば、触媒
を触媒担体に予め担持させる必要がなく、この点も有利
である。
【0011】本発明の第2の実施形態は、平板状の基板
を用意し、前記基板を構成する材料を微粉末とし、前記
粉末をキャリアガスとともに微小孔ノズルの先端から前
記基板に吹き付けて凸部を形成することにより、表面に
複数の溝部を設けた平板状の基板を作製し、その後、前
記触媒層が形成されることを特徴とする前記のマイクロ
触媒反応器の製造方法である。図6は、本発明の第2の
実施形態における製造方法を説明するための概略図であ
る。図6の実施形態によれば、平板状の基板41を縦、
横方向に動作可能とし、その表面に、基板構成材料微粉
末をキャリアガスとともに微小孔ノズル42の先端から
基板41に吹き付けて凸部を形成している。結果として
基板41の表面には複数の溝部43が形成されることに
なる。なお、前記凸部の形成方法は、前記第1の実施形
態と同じ条件の吹き付け方法を採用することができる。
このようにして作製した溝部43が設けられた基板41
に対し、前記第1の実施形態と同じ条件の吹き付け方法
を採用することにより、微小孔ノズル44により触媒層
45を形成することができる。なお、凸部のサイズ(溝
部の内部の寸法)は、前記と同様に適宜決定することが
でき、とくに制限されないが、例えば溝部の深さおよび
幅はそれぞれ100μmあるいはそれ以下である。この
本発明の第2の実施形態においても、触媒層を常温で形
成することができ、触媒層の厚さを簡単に制御すること
ができ、微小空間の所望の場所に触媒層を低コストで形
成することができるとともに、良好な基板と触媒層との
密着性も提供でき、また形成された凸部の機械的強度お
よび基板との密着性も良好である。
【0012】本発明の第3の実施形態は、円筒パイプの
表面の少なくとも1部に触媒層を特定の方法により形成
し、前記円筒パイプを複数本束ね、被処理ガスを前記触
媒層と接触させるようにしたマイクロ触媒反応器の製造
方法である。図7は、本発明の第3の実施形態における
製造方法を説明するための概略図である。図7の実施形
態によれば、(a)に示したように、例えば長さ10m
m〜100mm、外径100μm〜6000μm、内径
80μm〜5000μmの円筒パイプ51の表面の少な
くとも1部に、触媒微粉末をキャリアガスとともに微小
孔ノズル52の先端から円筒パイプ51の外表面に吹き
付けることにより、触媒層53が形成されている。続い
て(b)に示すように、触媒層53が形成された円筒パ
イプ51を複数本束ねる。束ねられた円筒パイプは、例
えば(c)に示すようにマイクロ蒸気発生器に用いるこ
とができる。図7(c)のマイクロ蒸気発生器は、反応
容器54内に、前記の束ねられた円筒パイプ群55を、
その触媒層が反応容器54内に位置するように置かれた
ものであり、例えば被処理ガスとしてのCH燃料ガス
を燃料流体入口部56から反応容器内54を通過させ排
ガス出口部57から排出される際に、被処理ガスが触媒
層と接触し発熱反応が生じ、これと同時に任意の2次流
体58を円筒パイプ51の一方の端部591からパイプ
内部を通過させることにより熱交換が生じ、2次流体が
加熱され、他方の端部592から排出されるというもの
である。なお、前記触媒層53の形成方法は、前記第1
の実施形態と同じ条件の吹き付け方法を採用することが
できる。この本発明の第3の実施形態においても、触媒
層を常温で形成することができ、触媒層の厚さを簡単に
制御することができ、微小空間の所望の場所に触媒層を
低コストで形成することができるとともに、良好な基板
と触媒層との密着性も提供できる。
【0013】本発明の第4の実施形態は、平板状の基板
表面の少なくとも1部に表面に微細な凹凸を有する触媒
層を特定の方法により形成し、被処理ガスが前記触媒層
と接触するようにしたマイクロ触媒反応器の製造方法で
ある。図8は、本発明の第4の実施形態における製造方
法を説明するための概略図である。図8(a)におい
て、平板状の基板61の表面の少なくとも1部に、微細
な凹凸を有する触媒層62が形成されている。図8
(b)は、図8(a)のA−A断面図である。図8
(b)に示したように、触媒層62は、高さh1が5μ
m、h2が3μm、幅w1が5μm、w2が3μmとし
て、厚さtが0.1mmである基板61の表裏に設けら
れている。なお、触媒層62の間隔は3μmである。そ
して図8(a)に示すように燃料流体入口通路63、2
次流体入口通路63’、排ガス通路73、2次流体出口
通路73’を有する基板61と、孔部64を有する基板
65が交互に積層され、そのヘッド部およびボトム部に
はヘッダーブロック66およびボトムブロック67がそ
れぞれ固着され、密閉空間を形成している。そして燃料
流体入口部68から燃料ガスが導入され、図8(a)の
基板65における孔部64および基板61における燃料
流体入口通路63を経て基板61の表裏に設けられた触
媒層62と接触し、触媒反応(例えば発熱反応)が生じ
る。反応後の流体は、基板61における排ガス通路73
と基板65における孔部64を経て排ガス出口部69か
ら排出される。同時に、2次流体入口部70から2次流
体が導入され、基板65における孔部71、基板61に
おける2次流体入口通路63’を経て基板65における
孔部71を通過する。このとき、例えば前記発熱反応に
より生じた熱が、熱交換反応により2次流体を加熱す
る。2次流体も前記燃料ガスと同様に反応器内を進んで
いくが、通路が別々に設けられているため両者が接触す
ることはない。熱交換後の2次流体は、基板61におけ
る2次流体出口通路73’を経て2次流体出口部72か
ら排出される。なお、孔部64と燃料流体入口通路6
3、孔部64と排ガス出口通路73、孔部71と2次流
体入口通路63’、孔部71と2次流体出口通路73’
はそれぞれ、図8における反応器の縦方向の全ての基板
において連通している。また、前記触媒層62の形成
は、公知のマスク成膜法を利用して、前記第1の実施形
態と同じ条件の吹き付け方法により行うことができる。
この本発明の第4の実施形態においても、触媒層を常温
で形成することができ、触媒層の厚さを簡単に制御する
ことができ、微小空間の所望の場所に触媒層を低コスト
で形成することができるとともに、良好な基板と触媒層
との密着性も提供できる。更に、触媒層62の表面に設
けた微小な凹凸形状により、触媒層62の表面積を大き
くすることができる。
【0014】本発明の第5の実施形態は、平板状の基板
上に網部材を積層し、前記網部材ならびに基板表面上に
特定の方法により触媒層を形成し、複合体を作製し、前
記複合体を複数枚積層し、被処理ガスが前記触媒層と接
触するようにしたマイクロ触媒反応器の製造方法であ
る。図9は、本発明の第5の実施形態における製造方法
を説明するための概略図である。図9(a)において、
例えばSUSシート、Niシート、Cuシート等の平板
状の基板81上に、SUS、Ni、Cu等からなる網部
材82を積層する。両者の接合は、例えば公知のスポッ
ト溶接やろう付け等により行うことができる。なお、前
記のような網部材は公知であり市販されてもいる。次
に、図9(b)において、触媒微粉末をキャリアガスと
ともに微小孔ノズル83の先端から網部材82ならびに
基板81の表面上に吹き付けることにより、触媒層84
が形成され、複合体85となる。なお、触媒層84の形
成方法は、前記第1の実施形態と同じ条件の吹き付け方
法を採用することができる。続いて、図9(c)におい
て、複合体85を複数枚積層し接合して積層体850と
した後、図9(d)に示すように積層体850を容器8
6内に入れ、燃料流体入口部87を備えたヘッダーブロ
ック88で容器86を密閉し、燃料ガスを燃料ガス入口
部87から容器86内に導入し、触媒層84との接触に
よる触媒反応を経た後、排ガス出口部89から排出され
る。この本発明の第5の実施形態においても、触媒層を
常温で形成することができ、触媒層の厚さを簡単に制御
することができ、微小空間の所望の場所に触媒層を低コ
ストで形成することができるとともに、良好な基板と触
媒層との密着性も提供できる。
【0015】前記の本発明の第1〜第5の実施形態によ
れば、触媒層を常温で形成することができ、触媒層の厚
さを簡単に制御することができ、微小空間の所望の場所
に触媒層を低コストで形成することができるとともに、
良好な基板と触媒層との密着性も提供できる。なお、本
発明によれば触媒層の厚さは0.1μm単位で制御可能
である。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明す
る。 実施例1 図1に示したようなマイクロ触媒反応器の構成単位を、
図2に示した装置により作製した。すなわち、図1に示
したように、溝部12が80本設けられたステンレス製
の平板状の基板11を用意した。基板11の厚さtは1
00μm、溝部の深さdは60μm、幅wは150μm
である。なお溝部の長さは14mmである。次に、図2
に示したように、触媒として粒径1μmのRu−YSZ
(イットリア安定化ジルコニア)の適量を0.02リッ
トル容の容器22内に入れ、容器22内にHeをボンベ
23からバルブ24、導管25を介して容器22の下面
からキャリアガスとして吹き込み、触媒を容器22内で
浮遊状態に維持し、エアロゾルを調製した。次に、エア
ロゾルを0.4mm×5mmの口径サイズを有する微小
孔ノズル27からチャンバ26の内部に設置された基板
28に向かって超音速で吹き付け、基板28の表面に設
けられた溝部の内側(底部および側部)に触媒層を形成
した。基板処理後のチャンバ26内の雰囲気は、フィル
タ30を介して外部に排出した。なお、得られた触媒層
13は、接着剤を用いずとも基板28と良好に密着して
いた。また、微小孔ノズル27と基板28との距離は、
3mmとし、溝部全体への均一な吹き付け時間を5分と
することにより、触媒層の厚さを1μmとした。また、
吹き付けはすべて常温で行った。
【0017】実施例2 図6に示すように、本発明の第2の実施形態によりマイ
クロ触媒反応器を作製した。すなわち、厚さが100μ
mのCu製基板に、粒径0.5μmのCu粉末をキャリ
アガスとともに微小孔ノズル42の先端から基板41に
吹き付けて凸部を形成した。その結果、溝部の深さdが
60μm、幅wが150μmである80本の溝部を基板
上に設けることができた。なお、吹き付け条件は、実施
例1と同様である。形成された凸部の機械的強度および
基板との密着性が良好であることが確認された。
【0018】実施例3 図7に示すように、本発明の第3の実施形態によりマイ
クロ触媒反応器を作製した。すなわち、長さ10mm、
外径100μm、内径80μmのSUS製円筒パイプ5
1の表面に、触媒として粒径0.5μmのRu−YSZ
の触媒粉末をキャリアガスとともに微小孔ノズル52の
先端から円筒パイプ51の外表面に吹き付け、触媒層5
3を形成した。吹き付け条件は実施例1と同じであり、
触媒層53は、接着剤を用いずとも円筒パイプ51と良
好に密着していた。続いて、触媒層53が形成された円
筒パイプ51を2500本束ね、これを図5(c)に示
すようにマイクロ蒸気発生器に用いた。被処理ガスとし
てのCH燃料ガスを燃料流体入口部56から容量3c
cの反応容器54内に入れ、排ガス出口部57から排出
された。その際、被処理ガスが触媒層と接触し発熱反応
が生じたが、これと同時に水を円筒パイプ51の一方の
端部591からパイプ内部を通過させることにより熱交
換が生じ、水が加熱され水蒸気が発生し、他方の端部5
92から排出された。
【0019】実施例4 図8に示すように、本発明の第4の実施形態によりマイ
クロ触媒反応器を作製した。すなわち、縦10mm、横
20mmの平板状の基板61の表面の少なくとも1部
に、触媒層62を高さh1が5μm、h2が3μm、幅
w1が5μm、W2が3μmというパターンの繰返しで
マスク成膜法により400パターン形成した。なお、吹
き付け条件は、実施例1と同様である。また基板61と
同様のサイズを有する基板65を基板の表裏に接着し
た。なおこの際、触媒層62は基板65における孔部6
4内に配置するようにした。そして図8と同様に基板6
1と基板65の積層体のヘッド部およびボトム部にヘッ
ダーブロック66およびボトムブロック67を固着し、
密閉空間を形成した。続いて燃料流体入口部68から燃
料ガスを導入し、基板65における孔部64および基板
61における燃料流体入口通路63を経て基板61の表
裏に設けられた触媒層62と接触させ発熱反応を生じさ
せ、同時に、2次流体入口部70から水を導入し、熱交
換により水を加熱し、水蒸気を発生させ、2次流体出口
部72から排出した。
【0020】実施例5 図9に示すように、本発明の第5の実施形態によりマイ
クロ触媒反応器を作製した。SUSシートからなる平板
状の基板81上に、φ0.1mmのSUS線からなる網
部材82を積層した。両者の接合はスポット溶接により
行った。次に、実施例1と同様の吹き付け条件により触
媒微粉末をキャリアガスとともに微小孔ノズル83の先
端から網部材82ならびに基板81上に吹き付け、厚さ
1μmの触媒層84を形成し、複合体85を作製した。
続いて、複合体85を100枚積層し接合して積層体8
50とし、これを容器86内に入れ、燃料流体入口部8
7を備えたヘッダーブロック88で容器86を密閉し、
燃料流体.0を燃料流体入口部87から容器86内に導
入し、触媒層84との接触による触媒反応を経た後、排
ガス出口部89から排出した。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、触媒層を常温で形成す
ることができ、触媒層の厚さを簡単に制御することがで
き、微小空間の所望の場所に触媒層を低コストで形成す
ることができるとともに、良好な基板と触媒層との密着
性も提供できるマイクロ触媒反応器の製造方法が提供さ
れる。本発明により得られたマイクロ触媒反応器は、例
えばアンモニア合成、自動車排ガス浄化、メタノール合
成、NOx除去、熱交換器等に幅広く利用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により得られるマイクロ触媒
反応器の構成単位を説明するための図である。
【図2】触媒層の形成方法を説明するための装置の概略
図である。
【図3】図2の触媒層の形成方法を説明するための装置
の概略図において、微小孔ノズルと基板の位置関係を説
明するための図である。
【図4】マイクロ触媒反応器の構成単位を利用した反応
器の一例を説明するための図である。
【図5】マイクロ触媒反応器の構成単位を利用した反応
器の一例を説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における製造方法を説
明するための概略図である。
【図7】本発明の第3の実施形態における製造方法を説
明するための概略図である。
【図8】本発明の第4の実施形態における製造方法を説
明するための概略図である。
【図9】本発明の第5の実施形態における製造方法を説
明するための概略図である。
【符号の説明】
10 マイクロ触媒反応器の構成単位 11,28,41,61,65,81 基板 12,43 溝部 13,45,53,62,84 触媒層 21 触媒微粉末 22 容器 23 ボンベ 24 バルブ 25 導管 26 チャンバ 27,42,44,52,83 微小孔ノズル 29 基板ホルダ 31 キャリアガス 32 底部 33 側部 101,66,88 ヘッダーブロック 102,67 ボトムブロック 103,56,68,87 燃料流体入口部 104,63 燃料流体入口通路 105,73 排ガス通路 106,57,89 排ガス出口部 107,591,70 2次流体入口部 108,63’ 2次流体入口通路 109,73’ 2次流体出口通路 110,592,72 2次流体出口部 51 円筒パイプ 54 反応容器 55 円筒パイプ群 58 2次流体 64,71 孔部 82 網部材 86 容器
フロントページの続き (72)発明者 津野 武志 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所内 (72)発明者 舩山 正宏 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所内 (72)発明者 田原 諭 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所内 (72)発明者 後藤 崇之 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA05B BC40B BC70B DA06 EA06 EA11 EB03 EE07 FA03 FB24 FB80 4G075 AA03 AA37 BB10 BD14 CA02 CA54 DA02 EB15 EE23 FB02 FB04 FB06 FB12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に複数の溝部を設けた平板状の基板
    と、前記溝部の内側に形成した触媒層とを有し、被処理
    ガスを前記触媒層と接触させるようにしたマイクロ触媒
    反応器の製造方法において、 前記触媒層が、触媒微粉末をキャリアガスとともに微小
    孔ノズルの先端から前記溝部の内側に吹き付けることに
    より形成されることを特徴とするマイクロ触媒反応器の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 平板状の基板を用意し、前記基板を構成
    する材料を微粉末とし、前記粉末をキャリアガスととも
    に微小孔ノズルの先端から前記基板に吹き付けて凸部を
    形成することにより、表面に複数の溝部を設けた平板状
    の基板を作製し、その後、前記触媒層が形成されること
    を特徴とする請求項1に記載のマイクロ触媒反応器の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 円筒パイプの外表面の少なくとも1部に
    触媒層を形成し、前記円筒パイプを複数本束ね、被処理
    ガスを前記触媒層と接触させるようにしたマイクロ触媒
    反応器の製造方法において、 前記触媒層が、触媒微粉末をキャリアガスとともに微小
    孔ノズルの先端から前記円筒パイプの外表面に吹き付け
    ることにより形成されることを特徴とするマイクロ触媒
    反応器の製造方法。
  4. 【請求項4】 平板状の基板表面の少なくとも1部に表
    面に微細な凹凸を有する触媒層を形成し、被処理ガスが
    前記触媒層と接触するようにしたマイクロ触媒反応器の
    製造方法において、 前記触媒層が、触媒微粉末をキャリアガスとともに微小
    孔ノズルの先端から前記基板の表面に吹き付けることに
    より形成されることを特徴とするマイクロ触媒反応器の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 平板状の基板上に網部材を積層し、前記
    網部材ならびに基板表面上に触媒層を形成し、複合体を
    作製し、前記複合体を複数枚積層し、被処理ガスが前記
    触媒層と接触するようにしたマイクロ触媒反応器の製造
    方法において、 前記触媒層が、触媒微粉末をキャリアガスとともに微小
    孔ノズルの先端から前記基板の表面に吹き付けることに
    より形成されることを特徴とするマイクロ触媒反応器の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016019943A (ja) * 2014-07-14 2016-02-04 東京エレクトロン株式会社 触媒層形成方法、触媒層形成システムおよび記憶媒体

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