JP2003245061A - 食品殺菌装置 - Google Patents

食品殺菌装置

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JP2003245061A
JP2003245061A JP2002047443A JP2002047443A JP2003245061A JP 2003245061 A JP2003245061 A JP 2003245061A JP 2002047443 A JP2002047443 A JP 2002047443A JP 2002047443 A JP2002047443 A JP 2002047443A JP 2003245061 A JP2003245061 A JP 2003245061A
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Susumu Urano
晋 浦野
Ikuo Wakamoto
郁夫 若元
Kenji Hara
謙治 原
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部からの浮遊菌の混入を防止しつつ食品を
殺菌し包装する。 【解決手段】 パレット2内の食品1は選別機4により
一定量毎に搬送装置3に供給されて搬送される。搬送さ
れている食品1は、電子線6の照射を受けて殺菌され、
殺菌済の食品1は包装部7にて包装される。殺菌システ
ム区画10の後部側には、細菌を補足・除去するフィル
タ11が配置されており、殺菌システム区画10の前部
に配置した排風装置12により排気すると、フィルタ1
1を通過して細菌が除去された空気が、細菌システム区
画10内部において、後部側から前部側に流通し、殺菌
済の食品1に浮遊菌等が付着することを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品殺菌装置に関
するものであり、搬送していく食品を、電子線,X線,
γ線等の照射線により殺菌してから包装するに際して、
外部からの浮遊菌混入に伴う汚染を回避することができ
るように工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】通常、食品には害益を問わず微生物が付
着しており、温度,湿度,PH,栄養分等の諸条件が整
った場合には当該微生物が繁殖する。本作用は食品の品
質劣化及び当該食品摂取に伴う発病を招来することか
ら、古くから食品取り扱いに際しては各種殺菌処理が施
されてきた。
【0003】殺菌処理方法としては加熱法,化学物質殺
菌法等が従来から広く用いられてきたが、前者は風味・
色彩という食材品質が劣化すること、後者は近年の温暖
化防止に伴う規制(臭化メチル:2005年完全撤廃予定)
があること及び物質によっては残留成分が人体に有害で
あること、という問題を各々有している。このため代替
法として、加熱蒸気やマイクロ波を用いる方法が提案さ
れ実用化されているが、処理速度及び対象物への制限を
有するという問題を有している。
【0004】このような問題を解決する手段として電子
線,X線,γ線による殺菌処理が挙げられる。なお菌を
「全て」死滅させる滅菌処理は、菌を死滅させる殺菌処
理の一部であるため、本明細書では「滅菌処理」をも含
めた概念として「殺菌処理」という用語を用いる。
【0005】電子線,X線,γ線による殺菌処理を行な
う装置として、被照射物(照射対象)を振動コンベアに
より搬送しながら電子線を照射するもの(特開2000-304
900号公報等参照)や、被照射物(照射対象)を薄膜状
に落下させながら電子線を照射するもの(特開平11-052
100 号公報等参照)が提案されてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した公報
に開示されている技術は全て概念段階のものであり、例
えば空気中の浮遊菌が照射処理済品に混入する可能性を
秘めた体系となっている。従来から利用されている殺菌
方法は加熱蒸気,薬液等湿式処理を行なうものが多く、
この場合には湿潤空間にて殺菌処理前後の工程を区画す
ることが可能であるが、現在までに提唱されている電子
線等による乾式による殺菌方法では、臭化メチル等気体
状薬剤を用いた場合以外では当該対策が取られていな
い。
【0007】また、従来事例は全て大気中・室温照射を
対象としたものである。一般に照射時における酸化・分
解を抑制するためには冷凍処理した食材を不活性ガス雰
囲気(窒素,希ガス)下で照射処理することが有効であ
るが、その具体的な手法は従来では存在しない。
【0008】本発明は、上記従来技術に鑑み、照射済の
食品が外部からの浮遊菌により汚染されることを防止し
た食品殺菌装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の構成は、食品を搬送する搬送装置と、食品を前記搬
送装置に一定量毎に送り込む選別機と、搬送装置により
搬送されている食品に対して照射線を照射して殺菌する
照射装置と、照射線が照射されて搬送装置により搬送さ
れてきた食品を包装する包装部と、前記搬送装置,前記
選別機及び前記包装部を気密状態で壁面で囲んでなる殺
菌システム区画と、この殺菌システム区画のうち前記食
品の搬送方向に関して照射線が食品に照射される部分よ
りも後部側に配置されており細菌を補足・除去しつつ外
部空気を前記殺菌システム区画内に流入させるフィルタ
と、前記殺菌システム区画のうち前記食品の搬送方向に
関して照射線が食品に照射される部分よりも前部側に配
置されて前記殺菌システム区画内の空気を外部に排出す
る排風手段とを有することを特徴とする。
【0010】また本発明の構成は、前記照射装置から出
力される照射線は、電子線またはX線またはγ線である
ことを特徴とする。
【0011】また本発明の構成は、前記殺菌システム区
画の後部側に隣接して取出区画が配置されており、この
取出区画には、開放されることにより殺菌システム区画
と取出区画とを連通する第1の開閉扉と、開放されるこ
とにより取出区画と外部空間とを連通する取出扉とが備
えられており、更に、包装済の食品を第1の開閉扉を介
して前記殺菌システム区画から前記取出区画に運ぶ取出
装置が配置されていることを特徴とする。
【0012】また本発明の構成は、前記殺菌システム区
画の前部側に隣接して少なくとも1つの冷凍庫が配置さ
れており、この冷凍庫には、開放されることにより殺菌
システム区画と冷凍庫とを連通する第2の開閉扉が備え
られており、更に、冷凍された食品を第2の開閉扉を介
して前記冷凍庫から前記殺菌システム区画の選別機に運
ぶ第1の移送装置が配置されていることを特徴とする。
【0013】また本発明の構成は、前記殺菌システム区
画の前部側に隣接して少なくとも1つの真空容器が配置
されており、この真空容器には、開放されることにより
殺菌システム区画と真空容器とを連通する第3の開閉扉
が備えられており、更に、真空冷凍された食品を第3の
開閉扉を介して前記真空容器から前記殺菌システム区画
の選別機に運ぶ第2の移送装置が配置されていることを
特徴とする。
【0014】また本発明の構成は、前記照射装置から出
力されて食品に照射される照射線を囲う状態で前記殺菌
システム区画内に配置されると共に、内部空間に前記食
品が搬送されて通過できるような開口が形成されている
不活性ガス遮蔽箱と、前記不活性ガス遮蔽箱内に不活性
ガスを噴射する不活性ガス噴射部を備えたことを特徴と
する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。
【0016】<第1の実施の形態>図1に本発明の第1
の実施の形態にかかる食品殺菌装置を示す。本実施の形
態では殺菌手段として電子線を用いる電子線照射装置を
具備している場合について記載している。但し本発明に
おいて、電子線照射装置に代えてX線照射装置またはγ
線照射装置を使用した場合、及び電子線照射装置・X線
照射装置・γ線照射装置の複数個を同時に用いる場合も
同様に成立する。第2の実施の形態以降においては本説
明書きを割愛するが、特に断らない限り同様に殺菌手段
の代替及び併用を行なう場合も包含するものとする。
【0017】この食品殺菌装置は、食品1を格納するパ
レット2、当該パレット2から食品1を一定量毎に後続
する搬送装置3に送り込む選別機4、食品1を選別機4
から受け取った後に搬送する搬送装置3、搬送される食
品1に対して電子線6の照射を行なう電子線照射装置
5、照射済の食品1を包装・密封する包装部7、包装済
食品8を収集する保管容器9を有している。
【0018】更に、外部からの浮遊菌・人的付着菌のシ
ステム内混入を回避するために、システム内外を区分す
るための気密配置した壁面を配した殺菌システム区画1
0が搬送経路に沿って各種処理に干渉しない位置に設置
してある。つまり、殺菌システム区画10となる壁面に
より、パレット2,搬送装置3,選別機4,包装部7,
包装済食品8及び保管容器9が、気密状態で囲まれてい
る。
【0019】また、殺菌システム区画10内は、食品搬
送時に外部から前記各種菌が混入して且つシステム後部
の照射済部への汚染を招来することを回避するために、
システム後部に設置したフィルタ11及びシステム前部
に設置した排風装置12にてシステムの後部から前部に
向けた空気流を形成する。フィルタ11は、搬送装置3
により搬送されている食品1に対して電子線6が照射さ
れている部分よりも後部側(食品の搬送方向に関して後
部側、つまり図1では右側)に配置されていればよく、
本例では包装部7の配置位置の近傍に配置されている。
このフィルタ11は空気に浮遊している細菌を補足して
除去するフィルタ機能を有している。また、排風装置1
2は、搬送装置3により搬送されている食品1に対して
電子線6が照射されている部分よりも前部側(食品の搬
送方向に関して前部側、つまり図1では左側)に配置さ
れていればよく、本例では選別機4よりも前部側(左
側)に配置されている。
【0020】また、保管容器9内に保管した無菌の包装
済食品8を殺菌システム区画10の外部に取り出すため
に、殺菌システム区画10の後部側(図1では右側)に
隣接して取出区画15が配置されている。取出区画15
は、殺菌システム区画10との間の開閉扉13及び殺菌
システム区画10とは隣接しない位置に配した開閉可能
なる取出扉14を有していると共に、内部を排気可能な
図示しない排風装置を具備している。つまり、開閉扉1
3を開状態にすることにより、殺菌システム区画10と
取出区画15とが連通するようになっている。更に、殺
菌システム区画10から取出区画15に保管容器9を運
ぶ取出装置16をも併設している。また、殺菌システム
区画10の左端には、投入扉17も配置されている。
【0021】なお、本発明における搬送装置3は前述の
公知例をはじめとする各種方法において成立するため、
ここでは単純なローラコンベア搬送法にて乾燥食品を搬
送することを想定して図示している。但し、本発明は、
搬送方法を適正化することにより、液体,固体等食品の
素性に依存せずに処理を行い得る。
【0022】上記構成となっている食品殺菌装置におい
ては、パレット2内の食品1は選別機4により一定量毎
に搬送装置3に送られる。当該量は処理速度に呼応する
ことになる。なお、当該量は後続する電子線照射装置5
の仕様(加速エネルギ、ビーム電流)及び搬送装置3の
仕様を基に、所用とされる殺菌レベルに応じた設定を要
することになる。なお、当該量は質量,容積,枚数等食
品の素性に応じて設定する。
【0023】食品1は電子線発生部にまで搬送されて電
子線6の照射処理を受けることにより、食品1に付着し
ている細菌類等は死滅作用を受ける。処理後許容菌数設
定値に対して原付着細菌数及び細菌種を基に必要吸収線
量が決定されることから、本諸条件を基に前述の食品搬
送速度,搬送量,電子線照射仕様等を最適化することを
要する。
【0024】電子線照射処理を受けた後に、照射済の食
品1は包装部7に搬送されて、包装部7において殺菌済
包装袋内に詰め込みされた後に密封包装処理を施され
る。本工程により殺菌済食品は無菌状態での包装を図り
えることになる。
【0025】密閉包装を終えた後は包装済食品8を保管
容器9内に順次保管して且つ一定量に至った際(例えば
前述のパレット内食品量に呼応した量を無菌包装処理を
終えた後)に、断続的に前記殺菌システム区画10域か
ら取り出しを行なうこととする。
【0026】即ち、取出扉14を閉じた状態で、殺菌シ
ステム区画10と、内部を排気状態にした取出区画15
の間の開閉扉13を開け、取出装置16にて保管容器9
を殺菌システム区画10から取出区画15に搬送した後
に前記開閉扉13を閉じる。この後に取出扉14を開け
て取出区画15から保管容器9を取り出すことによりシ
ステム系外にて無菌包装済食品を得ることができる。
【0027】この食品殺菌装置では、システムの前部側
に配置した排風装置12により殺菌システム区画10内
の空気を外部に排出すると共に、システムの後部側に配
置したフィルタ11を介して外部空気を殺菌システム区
画10内に流入させている。このため、殺菌システム区
画10の内部では、システム後部(電子線照射部以降)
から前部に向けた空気流が形成される結果、外部からの
菌の混入によるシステム後部汚染を回避している。つま
り、当該空気流は空気中浮遊菌補足を可能せしめるフィ
ルタ11を介してシステム内に流入しているため、本空
気流形成に伴うシステム内の空気中浮遊菌混入は排除で
きる。
【0028】また、殺菌システム区画10の後部から取
出区画15に向けての空気流も形成されるため、取出区
画15内においても、同様に浮遊菌等の混入を同様に排
除できる。即ち、本工程により乾式状態での食品の殺菌
処理及び無菌包装までを一括して行い得る。
【0029】なお、排風装置12の替わりに排風口を設
置するとともに、押込送風機による空気をフィルタ11
を介して殺菌システム区画10内に流入させることによ
り、殺菌システム区画10の内部において、システム後
部から前部に向けた空気流を形成して、外部からの菌の
混入によるシステム後部汚染を回避するようにしてもよ
い。
【0030】<第2の実施の形態>図2に第2の実施の
形態を示す。第2の実施の形態にかかる食品殺菌装置の
基本構成は第1の実施の形態と同一である。但し、食品
1を冷凍する冷凍庫21、食品1を格納しておき当該冷
凍庫21内にて冷凍保存するためのパレット22、当該
パレット22を冷凍庫21外に取り出すためのパレット
移送装置23、パレット22から食品1を一定量毎に後
続する搬送装置3に送り込む選別機24により前段部が
構成されることが異なる。
【0031】なお、殺菌システム区画10の前部側に隣
接して配置された冷凍庫21には、当該システム側の開
閉扉25及び非当該システム側の開閉扉26が配設され
ており、開閉扉25を介して冷凍庫21と殺菌システム
区画10とが連通している。ここで、冷凍庫21内での
冷凍手段はフロンガス,電磁冷却等通常の熱サイクルを
利用した各種手段により対応可能であり、本発明は特に
当該手段を限定するものではない。
【0032】第2の実施の形態の食品殺菌装置におい
て、冷凍庫21内にて一定時間貯蔵をされて一定温度で
冷却・冷蔵を受けた食品1は、貯蔵されているパレット
22毎に冷凍庫21内から、外部と区画されている殺菌
システム区画10内に、開閉扉25を介してパレット移
送装置23により移送される。その後、選別機24によ
り一定量毎に搬送装置3に送られる。以降のプロセスは
第1の実施の形態と同一である。
【0033】本過程において、搬送経路上では加熱源は
電子線6のみであり、電子線6の照射に伴う食品1の発
熱・温度上昇は殺菌目的とする線量照射においては微小
であること及び搬送装置3及びその周辺機成要素のうち
有意発熱を生じる箇所は水冷等により冷却処理を施すこ
とにより、受入部に投入した後に電子線照射部を通過す
るまでの食品1の温度上昇は数°C程度であるため、食
品は冷凍状態で照射をなされることになり、前述した不
具合を抑制した条件で殺菌処理を行い得る。
【0034】なお、1つの殺菌システム区画10に対し
て、複数の冷凍庫及びパレット移送装置を備えておいて
もよい。このようにすれば、1つの冷凍庫から冷凍済の
食品を殺菌システム区画10に移送している間に、残り
の冷凍庫にて食品の冷凍ができるので、1つの冷凍庫か
らの冷凍済食品の移送完了から、他の冷凍庫で冷凍した
冷凍済食品の移送開始までの時間を短縮できる。したが
って、装置構成を最小限としつつ、高処理速度を得るこ
とができる。
【0035】<第3の実施の形態>図3に第3の実施の
形態を示す。第3の実施の形態にかかる食品殺菌装置で
は、第2の実施の形態の体系において、冷凍庫に代わり
食品の冷凍手段のため内部を真空排気可能なる真空容器
31で構成することを特徴とする。なお、第2の実施の
形態の冷凍庫と同様に真空容器31にも、システム側の
開閉扉35及び反システム側の開閉扉36を設けてあ
る。
【0036】システム外から反システム側の開閉扉36
を開けて真空容器31内に食品1を入れたパレット32
を配置した後に、図示しない真空排気装置により真空容
器31内部の真空排気を行なうことにより、前記食品1
に対して真空冷凍処理を行なう。当該冷凍処理を行なっ
た後はシステム側の開閉扉35を開けて且つ真空容器3
1から選別機34までのパレット移送装置33を配する
ことにより、前記冷凍済食品1を殺菌システム区画10
内に送り込む。以降の工程は第2の実施の形態と同一で
ある。
【0037】第3の実施の形態にかかる食品殺菌装置で
は、非冷凍状態の食品を用いて、冷凍・搬送・殺菌・包
装までを一括したシステム内で行いうる。真空冷凍は通
常の冷凍庫を用いた冷却手段よりも水分蒸発量が少ない
ことから一般に食材の変化を生じにくい点に特徴があ
る。
【0038】なお、1つの殺菌システム区画10に対し
て、複数の真空容器及びパレット移送装置を備えておい
てもよい。このようにすれば、1つの真空容器から冷凍
済の食品を殺菌システム区画10に移送している間に、
残りの真空容器にて食品の冷凍ができるので、1つの真
空容器からの冷凍済食品の移送完了から、他の真空容器
で冷凍した冷凍済食品の移送開始までの時間を短縮でき
る。したがって、装置構成を最小限としつつ、高処理速
度を得ることができる。
【0039】<第4の実施の形態>図4に第4の実施の
形態を示す。第4の実施の形態にかかる食品殺菌装置の
基本構成は第1〜第3の実施の形態のいずれかと同じで
ある。ここでは簡便な第1の実施の形態に適用した場合
について図示している。即ち、第4の実施の形態は各実
施の形態における付加手段としての技術となり得る。
【0040】第4の実施の形態にかかる食品殺菌装置で
は、殺菌システム区画10内に不活性ガス遮蔽箱41が
配置されており、この不活性ガス遮蔽箱41は、電子線
照射装置5から出力されて食品1に照射される電子線6
を囲う状態となっている。逆に言うと、電子線6は不活
性ガス遮蔽箱41の内部に向かって出力される。この不
活性ガス遮蔽箱41には開口41a,41bが形成され
ており、搬送装置3により搬送される食品1が、不活性
ガス遮蔽箱41の内部空間で搬送されて通過できるよう
になっている。
【0041】不活性ガス遮蔽箱41には、不活性ガス噴
射部43a,43b,43cが備えられている。不活性
ガス噴射部43aは開口41a,41bから離れた位置
に配置されており、窒素や希ガス等の不活性ガス42
を、不活性ガス遮蔽箱41の内部に噴射する。このため
不活性ガス遮蔽箱41の内部空間の空気は不活性ガス4
2により置換される。不活性ガス噴射部43bは開口4
1aの近傍に備えられており、不活性ガス42を開口4
1aから、不活性ガス噴射箱41の外側に向けて噴射
し、不活性ガス噴射部43cは開口41bの近傍に備え
られており、不活性ガス42を開口41bから、不活性
ガス噴射箱41の外側に向けて噴射している。なお、図
4では、不活性ガスの導入経路については割愛してい
る。
【0042】なお、1つの不活性ガス噴射部43aの他
に、不活性ガス遮蔽箱41内に不活性ガス42を噴射す
る不活性ガス噴射部を更に設けてもよく、同様に、不活
性ガス噴射部43b,43cの他に、開口41a,41
bから外に向けて不活性ガス42を噴射する不活性ガス
噴射部を更に設けてもよい。
【0043】不活性ガス噴射部43aから供給される不
活性ガス42により、不活性ガス遮蔽箱41の内部が大
気状態からの置換を受けており且つ相対的に正圧状態と
なる。また、開口部41a,41bの近傍に配設した不
活性ガス噴射部43b,43cからの不活性ガス42に
より、食品1が不活性ガス遮蔽箱41内に搬送される際
に持ち込む外部空気の混入を防止している。このため、
対象食品形状に応じて当該不活性ガス遮蔽箱41の出入
口部形状を最適化するものとする。このため電子線6の
照射は不活性ガス雰囲気内で行い得ることになる。
【0044】酸素存在雰囲気のほうが発生ラジカル量増
加等に基づき殺菌効果は若干高まるものの、オゾン発生
及び食品内残留酸素励起による酸化反応、即ち食品素材
劣化を招来する。両影響を比較した場合、食品照射にお
いては後者が一般に問題となることから、本実施の形態
のように不活性ガス雰囲気において照射処理を行なうこ
とにより当該問題を回避し得る。
【0045】なお図4の実施の形態において、開口41
a,41bの近傍に配置した不活性ガス噴射部43b,
43cが無くても、不活性ガス噴射部43aから大量の
不活性ガス42を不活性ガス遮蔽箱41内に噴射するよ
うにしておけば、不活性ガス遮蔽箱41内の不活性ガス
42が開口41a,41bを通して外部に噴出するた
め、外部空気が不活性ガス遮蔽箱41内に混入すること
を防止できる。
【0046】
【発明の効果】以上実施の形態と共に具体的に説明した
ように本発明では、食品を搬送する搬送装置と、食品を
前記搬送装置に一定量毎に送り込む選別機と、搬送装置
により搬送されている食品に対して照射線を照射して殺
菌する照射装置と、照射線が照射されて搬送装置により
搬送されてきた食品を包装する包装部と、前記搬送装
置,前記選別機及び前記包装部を気密状態で壁面で囲ん
でなる殺菌システム区画と、この殺菌システム区画のう
ち前記食品の搬送方向に関して照射線が食品に照射され
る部分よりも後部側に配置されており細菌を補足・除去
しつつ外部空気を前記殺菌システム区画内に流入させる
フィルタと、前記殺菌システム区画のうち前記食品の搬
送方向に関して照射線が食品に照射される部分よりも前
部側に配置されて前記殺菌システム区画内の空気を外部
に排出する排風手段とを有する構成とした。このため、
殺菌システム区画内において、浮遊菌が除去された空気
が後部側から前部側に向かって流れるため、浮遊菌等の
混入を排除しつつ、乾式状態での食品の殺菌処理及び無
菌包装までを一括して行なうことができる。
【0047】また本発明では、前記照射装置から出力さ
れる照射線は、電子線またはX線またはγ線であること
とした。このため、従来法と比較して食品の素材劣化を
殆ど生じることなく効果的に殺菌をすることができる。
【0048】また本発明では、前記殺菌システム区画の
後部側に隣接して取出区画が配置されており、この取出
区画には、開放されることにより殺菌システム区画と取
出区画とを連通する第1の開閉扉と、開放されることに
より取出区画と外部空間とを連通する取出扉とが備えら
れており、更に、包装済の食品を第1の開閉扉を介して
前記殺菌システム区画から前記取出区画に運ぶ取出装置
が配置されている構成とした。このため、殺菌システム
区画内に浮遊菌等が混入することなく、殺菌済の食品を
外部に取り出すことができる。
【0049】また本発明では、前記殺菌システム区画の
前部側に隣接して少なくとも1つの冷凍庫が配置されて
おり、この冷凍庫には、開放されることにより殺菌シス
テム区画と冷凍庫とを連通する第2の開閉扉が備えられ
ており、更に、冷凍された食品を第2の開閉扉を介して
前記冷凍庫から前記殺菌システム区画の選別機に運ぶ第
1の移送装置が配置されている構成とした。このため、
冷凍した食品を効果的に殺菌することができると共に、
浮遊菌等の混入を防ぐことができる。
【0050】また本発明では、前記殺菌システム区画の
前部側に隣接して少なくとも1つの真空容器が配置され
ており、この真空容器には、開放されることにより殺菌
システム区画と真空容器とを連通する第3の開閉扉が備
えられており、更に、真空冷凍された食品を第3の開閉
扉を介して前記真空容器から前記殺菌システム区画の選
別機に運ぶ第2の移送装置が配置されている構成とし
た。このため、真空容器により水分蒸発量を減じた状態
で冷却ができると共に、浮遊菌等の混入を防ぐことがで
きる。
【0051】また本発明では、前記照射装置から出力さ
れて食品に照射される照射線を囲う状態で前記殺菌シス
テム区画内に配置されると共に、内部空間に前記食品が
搬送されて通過できるような開口が形成されている不活
性ガス遮蔽箱と、前記不活性ガス遮蔽箱内に不活性ガス
を噴射する不活性ガス噴射部を備えた構成とした。この
ため、不活性ガス中にて照射をすることができ、食品の
素材劣化を殆ど生ずることなく殺菌をすることができる
と共に、浮遊菌等の混入を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる食品殺菌装
置を示す構成図。
【図2】本発明の第2の実施の形態にかかる食品殺菌装
置を示す構成図。
【図3】本発明の第3の実施の形態にかかる食品殺菌装
置を示す構成図。
【図4】本発明の第4の実施の形態にかかる食品殺菌装
置を示す構成図。
【符号の説明】
1 食品 2 パレット 3 搬送装置 4 選別機 5 電子線照射装置 6 電子線 7 包装部 8 包装済食品 9 保管容器 10 殺菌システム区画 11 フィルタ 12 排風装置 13 開閉扉 14 取出扉 15 取出区画 16 取出装置 17 投入扉 21 冷凍庫 22 パレット 23 パレット移送装置 24 選別機 25 開閉扉 26 開閉扉 31 真空容器 32 パレット 33 パレット移送装置 34 選別機 35 開閉扉 36 開閉扉 41 不活性ガス遮蔽箱 41a,41b 開口 42 不活性ガス 43a,43b,43c 不活性ガス噴射部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 謙治 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 Fターム(参考) 4B021 LA01 LA41 LP10 LT01 LT08 MC01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食品を搬送する搬送装置と、食品を前記
    搬送装置に一定量毎に送り込む選別機と、搬送装置によ
    り搬送されている食品に対して照射線を照射して殺菌す
    る照射装置と、照射線が照射されて搬送装置により搬送
    されてきた食品を包装する包装部と、前記搬送装置,前
    記選別機及び前記包装部を気密状態で壁面で囲んでなる
    殺菌システム区画と、この殺菌システム区画のうち前記
    食品の搬送方向に関して照射線が食品に照射される部分
    よりも後部側に配置されており細菌を補足・除去しつつ
    外部空気を前記殺菌システム区画内に流入させるフィル
    タと、前記殺菌システム区画のうち前記食品の搬送方向
    に関して照射線が食品に照射される部分よりも前部側に
    配置されて前記殺菌システム区画内の空気を外部に排出
    する排風手段とを有することを特徴とする食品殺菌装
    置。
  2. 【請求項2】 前記照射装置から出力される照射線は、
    電子線またはX線またはγ線であることを特徴とする請
    求項1の食品殺菌装置。
  3. 【請求項3】 前記殺菌システム区画の後部側に隣接し
    て取出区画が配置されており、この取出区画には、開放
    されることにより殺菌システム区画と取出区画とを連通
    する第1の開閉扉と、開放されることにより取出区画と
    外部空間とを連通する取出扉とが備えられており、 更に、包装済の食品を第1の開閉扉を介して前記殺菌シ
    ステム区画から前記取出区画に運ぶ取出装置が配置され
    ていることを特徴とする請求項1または請求項2の食品
    殺菌装置。
  4. 【請求項4】 前記殺菌システム区画の前部側に隣接し
    て少なくとも1つの冷凍庫が配置されており、この冷凍
    庫には、開放されることにより殺菌システム区画と冷凍
    庫とを連通する第2の開閉扉が備えられており、 更に、冷凍された食品を第2の開閉扉を介して前記冷凍
    庫から前記殺菌システム区画の選別機に運ぶ第1の移送
    装置が配置されていることを特徴とする請求項1乃至請
    求項3の何れか一項の食品殺菌装置。
  5. 【請求項5】 前記殺菌システム区画の前部側に隣接し
    て少なくとも1つの真空容器が配置されており、この真
    空容器には、開放されることにより殺菌システム区画と
    真空容器とを連通する第3の開閉扉が備えられており、 更に、真空冷凍された食品を第3の開閉扉を介して前記
    真空容器から前記殺菌システム区画の選別機に運ぶ第2
    の移送装置が配置されていることを特徴とする請求項1
    乃至請求項3の何れか一項の食品殺菌装置。
  6. 【請求項6】 前記照射装置から出力されて食品に照射
    される照射線を囲う状態で前記殺菌システム区画内に配
    置されると共に、内部空間に前記食品が搬送されて通過
    できるような開口が形成されている不活性ガス遮蔽箱
    と、 前記不活性ガス遮蔽箱内に不活性ガスを噴射する不活性
    ガス噴射部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求
    項5の何れか一項の食品殺菌装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008081672A1 (ja) 2006-12-28 2008-07-10 Japan Ae Power Systems Corporation 殺菌用電子線照射装置の無菌維持方法及びその装置
WO2024047979A1 (ja) * 2022-08-30 2024-03-07 株式会社下瀬微生物研究所 医療廃棄物処理設備

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