JP2003244393A - 固体撮像素子および画像入力装置 - Google Patents

固体撮像素子および画像入力装置

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JP2003244393A
JP2003244393A JP2002035983A JP2002035983A JP2003244393A JP 2003244393 A JP2003244393 A JP 2003244393A JP 2002035983 A JP2002035983 A JP 2002035983A JP 2002035983 A JP2002035983 A JP 2002035983A JP 2003244393 A JP2003244393 A JP 2003244393A
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JP2002035983A
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Ikuya Saito
郁哉 斎藤
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 様々な読み取り条件で原稿を読み取る場合
に、1サイクルの所要時間に含まれる無駄な時間を低減
することで、原稿の1画面の全体のスキャン時間を短縮
できる固体撮像素子および画像入力装置を提供する。 【解決手段】 入射光に応じて電荷を蓄積する複数の受
光部41a,41bがX方向に沿って近接して一次元配
列された受光ラインa,bを備え、かつ、受光ラインa,
bの各受光部41a,41bに蓄積された電荷を受光ラ
インごとに転送する転送部42,43を備えた固体撮像
素子17であって、受光ラインa,bは、互いに異なる
受光特性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過原稿(例えば
現像済み写真フィルム)や反射原稿(例えば紙)からの光
を撮像する固体撮像素子、および、透過原稿や反射原稿
の画像を読み取る画像入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、透過原稿や反射原稿(総じて
原稿という)の画像を読み取り、その画像データをホス
トコンピュータに入力するスキャナ(画像入力装置)が知
られている。スキャナには、原稿からの光(透過光また
は反射光)を撮像するイメージセンサとして、安価なモ
ノクロ1ラインセンサ(1次元固体撮像素子)が組み込
まれている。モノクロ1ラインセンサは、図13に示す
ように、複数の受光部51が1次元配列されたものであ
る。また、スキャナには、モノクロ1ラインセンサによ
る走査(主走査)の方向とは直交する方向に、モノクロ1
ラインセンサと原稿とを相対移動させる副走査機構も組
み込まれている。
【0003】このようなスキャナでは、モノクロ1ライ
ンセンサによる1ライン読み取りと、副走査機構による
所定ライン移動とを交互に繰り返すことで、原稿の画像
を2次元的に読み取っていく。読み取り解像度は、副走
査機構による相対移動量(ライン数)で決まる。ちなみ
に、モノクロ1ラインセンサによる1ライン読み取りと
は、モノクロ1ラインセンサに設けられた複数の受光部
51に対する露光を意味する。
【0004】ところで、モノクロ1ラインセンサを用い
て原稿のカラー画像を2次元的に読み取る際、赤(R)・
緑(G)・青(B)の3色の色分解は、原稿に対する照明光
源での切替発光によって行われ、モノクロ1ラインセン
サによる1ライン読み取りは、例えばR露光→G露光→
B露光のように各色ごとに順に行われる(図14
(a))。そして、最終色(B)の露光が終了すると、副走
査機構による所定ライン移動が行われる(図14
(b))。
【0005】すなわち、上記3色を用いた2次元カラー
画像(1画面)の読み取りは、「1ライン読み取り(R露
光→G露光→B露光)→所定ライン移動」というシーケ
ンスの繰り返しとなる。なお、上記のシーケンス(図1
4(a),(b))中、先頭色(R)の露光によってモノクロ
1ラインセンサの各受光部51に蓄積された電荷(R画
像データ)は、図14(c)に示すように、次のG露光中
に転送される。G露光によって各受光部51に蓄積され
た電荷(G画像データ)は、次のB露光中に転送され
る。B露光によって蓄積された電荷(B画像データ)
は、所定ライン移動中に転送される。
【0006】また、所定ライン移動の期間(B露光の終
了からR露光の開始まで)は、モノクロ1ラインセンサ
の各受光部51に対する非露光期間であるが、各受光部
51には何らかの不要な電荷が蓄積されてしまう。そこ
で、非露光期間に蓄積された不要な電荷(無効データ)
は、R露光中に転送される。モノクロ1ラインセンサに
おける各種の1ラインデータ(無効データやR画像デー
タなど)の転送開始から転送終了までに掛かる時間は、
データの種類によらず一定である。この一定時間(以下
「1ライン転送時間(Tt)」という)は、モノクロ1ラ
インセンサの受光部51の数とクロック周期との積で決
まる。
【0007】このように、2次元カラー画像(1画面)の
読み取り時には、上記した「1ライン読み取り(R露光
→G露光→B露光)→所定ライン移動」というシーケン
ス(図14(a),(b))と並行して、「無効データの転
送→R画像データの転送→G画像データの転送→B画像
データの転送」というシーケンス(図14(c))が実行
され、これら2つのシーケンスが繰り返されていく。そ
の繰り返し回数は、原稿の中で読み取らなければならな
いライン総数mに等しい。
【0008】このため、原稿の2次元カラー画像(1画
面)の全体を読み取るのに掛かるスキャン時間Taは、
上記2つのシーケンスを開始してから終了するまでの1
サイクルの所要時間(T1)と、上記のライン総数Mとを
用いて、およそ次式(1)で表される。 Ta=T1×M …(1) また、1サイクルの所要時間(T1)は、高輝度な照明光
源を用いて、R露光の時間(TR),G露光の時間(TG),
B露光の時間(TB)を1ライン転送時間(Tt)より短く
した場合(図14(a),(c))、次式(2)で表される。
Tmは、所定ライン移動の時間である。各色の露光時間
(TR,TG,TB)は、照明光源から原稿に対する光の照
射時間に等しい。
【0009】 T1=Tt+Tt+TB+Tm …(2) (TR,TG,TB<Tt)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のスキャナは、平均的な濃度の原稿を最高の解像
度で読み取る場合に、上記1サイクルの所要時間(T1)
が無駄な時間を含まないように構成されたものである。
【0011】このため、その他の読み取り条件で原稿を
読み取る場合には、1サイクルの所要時間(T1)に無駄
な時間が含まれることもある。その他の読み取り条件と
は、例えば、最高の解像度より低い解像度で読み取りを
行う場合や、高濃度の原稿を読み取る場合などである。
【0012】本発明の目的は、様々な読み取り条件で原
稿を読み取る場合に、1サイクルの所要時間に含まれる
無駄な時間を低減することで、原稿の1画面の全体のス
キャン時間を短縮できる固体撮像素子および画像入力装
置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の固体撮
像素子は、入射光に応じて電荷を蓄積する複数の受光部
が一方向に沿って近接して一次元配列された受光ライン
を2つ以上備え、かつ、前記2つ以上の受光ラインの各
受光部に蓄積された電荷を受光ラインごとに転送する転
送部を備えた固体撮像素子であって、前記2つ以上の受
光ラインのうち少なくとも2つが、互いに異なる受光特
性を有するものである。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の固体撮像素子において、前記2つ以上の受光ラインの
うち少なくとも2つが、前記一方向に隣り合う受光部ど
うしのピッチが互いに異なるものである。請求項3に記
載の発明は、請求項1に記載の固体撮像素子において、
前記2つ以上の受光ラインのうち少なくとも2つが、各
受光部における光電変換の感度が互いに異なるものであ
る。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1から請
求項3の何れか1項に記載の固体撮像素子において、前
記2つ以上の受光ラインが、前記一方向に対し直交する
方向に沿って近接して配置され、前記一方向に細長い受
光領域を形成するものである。請求項5に記載の画像入
力装置は、原稿に照明光を照射する照明手段と、前記照
明光が照射された前記原稿からの光を撮像する請求項1
から請求項4の何れか1項に記載の固体撮像素子と、前
記固体撮像素子の前記受光ラインに対応する前記原稿上
での撮像ラインと前記原稿とを、前記固体撮像素子の前
記直交する方向に対応する副走査方向に沿って相対移動
させる移動手段と、少なくとも前記固体撮像素子と前記
移動手段とを制御して、前記原稿の二次元画像の読み取
りを行う制御手段とを備えている。そして、前記制御手
段は、前記二次元画像の読み取り条件に応じて、前記固
体撮像素子の前記2つ以上の受光ラインのうち少なくと
も1つを選択する選択部と、前記固体撮像素子の前記転
送部を制御して、前記選択部によって選択された受光ラ
インの各受光部に蓄積された電荷を転送させる転送制御
部とを有している。
【0016】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の画像入力装置において、前記転送制御部が、前記選択
部によって選択された受光ラインが2つ以上のとき、各
受光部に蓄積された電荷を受光ラインごとに同時に転送
させるものである。請求項7に記載の発明は、原稿に照
明光を照射する照明手段と、前記照明光が照射された前
記原稿からの光を撮像する請求項4に記載の固体撮像素
子と、前記固体撮像素子の前記受光ラインに対応する前
記原稿上での撮像ラインと前記原稿とを、前記固体撮像
素子の前記直交する方向に対応する副走査方向に沿って
相対移動させる移動手段と、少なくとも前記固体撮像素
子と前記移動手段とを制御して、前記原稿の二次元画像
の読み取りを行う制御手段とを備えている。そして、前
記制御手段は、前記二次元画像の読み取り条件に応じ
て、前記固体撮像素子の前記2つ以上の受光ラインのう
ち少なくとも1つを選択する選択部と、前記固体撮像素
子の前記転送部を制御して、前記選択部によって選択さ
れた受光ラインの各受光部に蓄積された電荷を転送させ
る転送制御部とを有し、前記選択部は、前記二次元画像
を最高の解像度で読み取る際に、近接して配置された2
つ以上の受光ラインを選択し、前記転送制御部は、前記
選択部によって選択された受光ラインが2つ以上のと
き、各受光部に蓄積された電荷を受光ラインごとに同時
に転送させるものである。
【0017】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の画像入力装置において、前記制御手段は、前記移動手
段を制御して、前記照明手段による前記照明光の照射後
に前記撮像ラインと前記原稿とを前記副走査方向に沿っ
て一定量だけ相対移動させる移動制御部を有し、前記移
動制御部によって前記撮像ラインと前記原稿とが相対移
動される前記一定量は、前記二次元画像を最高の解像度
で読み取る際、前記選択部によって選択された2つ以上
の受光ラインに対応する撮像領域の前記副走査方向に沿
った長さ分に定められたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
形態を詳細に説明する。 (第1実施形態)本発明の第1実施形態は、請求項1,請
求項2,請求項4〜請求項8に対応する。ここでは、原
稿のカラー画像を透過照明で読み取る画像入力装置10
の例を説明する。この場合の原稿は、透過原稿(例えば
現像済み写真フィルム)である。
【0019】画像入力装置10には、数種類のアダプタ
がセット可能であり、読み取り対象となる透過原稿の種
類に応じて使い分けることができる。図1にはスライド
マウントアダプタ10aをセットした状態の画像入力装
置10を示す。第1実施形態の画像入力装置10には、
図1(a),(b)に示すように、筐体11の側面に原稿1
2の挿入口13が設けられている。原稿12は、スライ
ドマウントに保持されている。原稿12は、挿入口13
から筐体11の内部に挿入され、ばね部材12aにより
所定位置に固定される(図1(a)の状態)。
【0020】ここで、原稿12の画像入力装置10への
挿入方向を「y方向」とし、原稿12の幅方向を「x方
向」とし、原稿12の厚さ方向を「z方向」とする。x
方向とy方向とz方向とは互いに直交する。挿入口13
は、x方向に細長いスリット状の開口である。また、画
像入力装置10の筐体11の内部には、原稿12の上方
に、照明光源14と照明レンズ15aと反射ミラー15
bとが設けられている。照明光源14は、赤(R)色の光
を発する発光ダイオード(LED)と、緑(G)色の光を発
するLEDと、青(B)色の光を発するLEDと(何れも
不図示)で構成された高輝度な光源である。
【0021】照明レンズ15aは、照明光源14から射
出された光をx方向に沿った線状の光に変換する。反射
ミラー15bは、照明レンズ15aからの線状の光を原
稿12に向けて反射する。これらの照明光源14,照明
レンズ15a,反射ミラー15b(照明手段)により、
原稿12には、x方向に沿った線状の光(照明光)が照
射される。原稿12において照明光が照射される領域
は、少なくとも2ライン分の領域(後述する図3の撮像
ラインa,b)である。
【0022】また、画像入力装置10の筐体11の内部
には、原稿12の下方に、反射ミラー16aと投影レン
ズ16bとイメージセンサ17とが設けられている。反
射ミラー16aは、原稿12からの透過光を投影レンズ
16bに向けて反射する。投影レンズ16bは、反射ミ
ラー16aからの光をイメージセンサ17に結像する。
イメージセンサ17は、投影レンズ16bからの光(原
稿12からの透過光)を撮像するモノクロイメージセン
サである(固体撮像素子)。ここで、図2を用いてイメ
ージセンサ17の構成を詳細に説明する。図2はイメー
ジセンサ17の主要部を拡大して示す模式図である。
【0023】イメージセンサ17には、図2に示すよう
に、2つの受光ラインa,b(図中、細長い太線枠で示
した箇所)と、リードアウトゲート(ROG)42と、C
CDアナログシフトレジスタ43とが設けられている。
イメージセンサ17の説明では、その長手方向を「X方
向」とし、幅方向を「Y方向」とする。X方向とY方向
とは互いに直交する。
【0024】一方の受光ラインaは、X方向に沿って近
接して一次元配列されたna個(例えば4000個)の
受光部41aからなり、各受光部41aにおいて、入射
光(原稿12からの透過光)に応じた電荷を蓄積する。
各受光部41aのサイズDxa,Dyaは、共に8μm
である。受光ラインa内でX方向に隣り合う受光部41
aどうしのピッチPxaは、受光部41aのサイズDx
a(8μm)に等しい。本明細書において、ピッチは、
中心間の距離を表す。
【0025】他方の受光ラインbは、X方向に沿って近
接して一次元配列されたnb個(例えば2000個)の
受光部41bからなり、各受光部41bにおいて、入射
光(原稿12からの透過光)に応じた電荷を蓄積する。
各受光部41bのサイズDxb,Dybは、各々、16
μm,8μmである。受光ラインb内でX方向に隣り合
う受光部41bどうしのピッチPxbは、受光部41b
のサイズDxb(16μm)に等しい。
【0026】このように、2つの受光ラインa,bは、
各受光部41a,41bのX方向のサイズDxa,Dxb
が互いに異なっている。このため、受光ラインaの受光
部41aどうしのピッチPxaと、受光ラインbの受光
部41bどうしのピッチPxbも、互いに異なる。すな
わち、2つの受光ラインa,bは、互いに異なる受光特
性を有する。本実施形態では、受光ラインaのピッチP
xaより受光ラインbのピッチPxbの方が大きく、ピ
ッチPxaの2倍がピッチPxbに相当する。
【0027】なお、2つの受光ラインa,bは、各受光
部41a,41bの数na,nbも互いに異なっている。
本実施形態では、受光部41aの数naよりも受光部4
1bの数nbの方が少なく、数naの1/2倍が数nb
に相当する。また、2つの受光ラインa,bは、Y方向
に沿って近接して配置され、X方向に細長い受光領域4
1(図中点線枠で示す領域)を形成している。2つの受
光ラインa,bが近接して配置される結果、受光ライン
a,b間でY方向に隣り合う受光部41aと受光部41
bとのピッチPyは、受光部41a,41bのサイズD
ya,Dyb(8μm)に等しくなる。つまり、受光ラ
インa,bは、1ライン分のピッチPy(=Dya,Dy
b)で近接して配置されている。
【0028】さらに、2つの受光ラインa,bは、受光
部41aどうしの境界部分と受光部41bどうしの境界
部分とが一致しないように、X方向にずらして配置され
ている(所謂ちどり配置)。受光ラインa,bのX方向
のずれ量Δは、受光ラインaの受光部41aのサイズD
xaの1/2に等しく、受光ラインbの受光部41bの
サイズDxbの1/4に等しい。このため、受光ライン
bの受光部41bの中心には、受光ラインaの受光部4
1aの中心が対応することになる。
【0029】また、イメージセンサ17において、リー
ドアウトゲート42およびCCDアナログシフトレジス
タ43(転送部)は、上記した2つの受光ラインa,b
ごとに設けられている。リードアウトゲート42,CC
Dアナログシフトレジスタ43は、受光ラインa,bの
各受光部41a,41bに蓄積された電荷を受光ライン
a,bごとに転送するものである。
【0030】ここで、リードアウトゲート42は、受光
部41a,41bからCCDアナログシフトレジスタ4
3へ電荷をパラレルに転送する。CCDアナログシフト
レジスタ43は、リードアウトゲート42からの電荷を
シリアルに転送し、後述する前置増幅器26(図4)に
出力する。このように構成されたイメージセンサ17
は、画像入力装置10(図1)の筐体11の内部におい
て、次のような向きで配置される。つまり、2つの受光
ラインa,bの長手方向(X方向)を上記した原稿12の
幅方向(x方向)に揃えて、さらに、受光ラインa,bの
幅方向(Y方向)を上記したz方向に揃えて配置される
(図3(a)の状態)。
【0031】ただし、イメージセンサ17と原稿12と
の間には上記の反射ミラー16aが配置されるため、受
光ラインa,bの幅方向(Y方向)は、原稿12上におい
て、原稿12の挿入方向(y方向)に対応する。つまり、
光学的には、イメージセンサ17は、受光ラインa,b
の幅方向(Y方向)を原稿12の挿入方向(y方向)に揃え
て配置されたことになる。
【0032】したがって、イメージセンサ17の受光ラ
インa,bに対応する原稿12上での領域(撮像ライン
a,b)は、図3(b)に示すように、受光ラインa,bと
同様、x方向(原稿12の幅方向)に細長い領域とな
る。また、撮像ラインa,bの幅方向は、y方向(原稿
12の挿入方向)に平行となる。なお、撮像ラインa,
bの配列は、挿入口13(図1(a))側から順にb→a
となっている。
【0033】原稿12上での撮像ラインa,bとは、反
射ミラー16aと投影レンズ16bによってイメージセ
ンサ17の受光ラインa,bに投影される領域のことで
ある。このため、原稿12上での撮像ラインa,bを透
過した光は、各々、イメージセンサ17の受光ライン
a,bに入射し、そこで受光される。撮像ラインa,bの
y方向に沿った長さDa(図3(b))は、受光ライン
a,bのY方向に沿った長さ(受光部41a,41bのサ
イズDya,Dybに相当する長さ)と、投影レンズ1
6bの倍率とによって決まる。例えば、受光部41a,
41bのサイズDya,Dybを8μmとし、投影レン
ズ16bの倍率を1.26倍とすれば、撮像ラインa,b
の長さDaは6.35μm(=8μm/1.26)となる。
これは、原稿12上で4000dpiに相当する。
【0034】ちなみに、撮像ラインa,bは、y方向に
近接して形成されている。換言すると、撮像ラインa,
bは、1ライン分のピッチPa(=Da)で近接して形成
されたことになる。このように、イメージセンサ17の
2つの受光ラインa,bの各受光部41a,41bは、原
稿12の撮像ラインa,bからの透過光によって露光さ
れ、電荷を蓄積する。イメージセンサ17では、通常、
各受光部41a,41bに対する露光と、リードアウト
ゲート42,CCDアナログシフトレジスタ43におけ
る電荷の転送とが、並行して行われる。
【0035】さらに、画像入力装置10の筐体11の内
部には、図4に示すように、y方向に微細な間隔でステ
ップ移動可能なスキャンブロック19が設けられてい
る。スキャンブロック19は、上記した照明部(14,1
5a,15b)と投影部(16a,16b,17)とからなる
読み取り光学系を収納して一体化するための筐体であ
る。図4では照明レンズ15a,反射ミラー15b,16
a,投影レンズ16bを図示省略した。
【0036】そして、スキャンブロック19は、ガイド
バー44(図1(b))に案内され、y方向に移動可能で
ある。また、スキャンブロック19には、不図示の減速
ギア列と図1(b)に示すナット45およびリードネジ4
6とを介して、モータ18が取り付けられている。モー
タ18はステッピングモータである。スキャンブロック
19,モータ18,ガイドバー44,ナット45,リードネ
ジ46は請求項の「移動手段」に対応する。
【0037】モータ18が回転すると、減速ギア列(不
図示)を介してリードネジ46が回転し、ナット45が
y方向に移動するため、スキャンブロック19はガイド
バー44に案内されてy方向に移動する。その結果、ス
キャンブロック19に搭載された照明部(14,15a,
15b)と投影部(16a,16b,17)が、y方向に移
動する。
【0038】つまり、固定された原稿12に対して、照
明部(14,15a,15b)による照明領域(x方向に沿
った線状領域)と、投影部(16a,16b,17)による
撮像ラインa,b(図3)とが、y方向に移動すること
になる。y方向は、請求項の「副走査方向」に対応す
る。また、画像入力装置10には、制御回路21と、R
OM22と、RAM23と、LEDドライバ回路24
と、タイミング発生回路25と、前置増幅器26と、A
/Dコンバータ27と、モータドライバ回路28と、イ
ンターフェイス29とが設けられている。
【0039】上記した照明光源14は、LEDドライバ
回路24を介して制御回路21に接続されている。LE
Dドライバ回路24は、制御回路21の指示にしたが
い、照明光源14の各色のLEDを個別に切り替えて点
灯または消灯する。制御回路21からLEDドライバ回
路24への指示には、照明光源14の各色のLEDを点
灯させる順序および時間の情報が含まれる。原稿12に
は、各色のLEDの点灯順序および点灯時間に応じて、
x方向に沿った線状の光(照明光)が照射される。原稿
12の照明領域は、少なくとも撮像ラインa,b(図
3)を含む。
【0040】上記したイメージセンサ17は、タイミン
グ発生回路25を介して制御回路21に接続されると共
に、前置増幅器26とA/Dコンバータ27とを介して
制御回路21に接続されている。
【0041】タイミング発生回路25(転送制御部)
は、制御回路21の指示にしたがい、イメージセンサ1
7にタイミング信号を出力する。このタイミング信号
は、イメージセンサ17の受光ラインa,b内の各受光
部41a,41bに蓄積された電荷を転送させるための
クロック信号である。さらに、タイミング発生回路25
は、2つの受光ラインa,bごとに設けられたリードア
ウトゲート42,CCDアナログシフトレジスタ43を
同時に制御する際、上記のタイミング信号を各々のリー
ドアウトゲート42,CCDアナログシフトレジスタ4
3に対して同時に出力する。
【0042】その結果、イメージセンサ17では、タイ
ミング発生回路25からのタイミング信号に基づいて、
2つの受光ラインa,bの各々から同時に各受光部41
a,41bの電荷を転送し(主走査)、アナログ画像信号
に変換して前置増幅器26へ出力する。前置増幅器26
に出力されるアナログ画像信号は、受光ラインaからの
信号と受光ラインbからの信号との2ライン分である。
【0043】また、タイミング発生回路25は、受光ラ
インa,bごとに設けられたリードアウトゲート42,C
CDアナログシフトレジスタ43の何れか一方を制御す
る際、上記のタイミング信号を一方のリードアウトゲー
ト42,CCDアナログシフトレジスタ43に出力す
る。その結果、イメージセンサ17では、タイミング発
生回路25からのタイミング信号に基づいて、受光ライ
ンa,bの何れか一方から電荷を転送し(主走査)、アナ
ログ画像信号に変換して前置増幅器26へ出力する。前
置増幅器26に出力されるアナログ画像信号は、受光ラ
インaからの信号または受光ラインbからの信号の1ラ
イン分である。
【0044】ここで、イメージセンサ17の受光ライン
aにおける1ラインデータの転送時間TCCDaは、受
光ラインaの受光部41aの数naとクロック周期との
積で決まる。また、イメージセンサ17の受光ラインb
における1ラインデータの転送時間TCCDbは、受光
ラインbの受光部41bの数nbとクロック周期との積
で決まる。
【0045】既に説明したように、本実施形態では、受
光ラインaの受光部41aの数naよりも、受光ライン
bの受光部41bの数nbの方が少なく、数naの1/
2倍が数nbに相当する。このため、受光ラインbにお
ける1ライン転送時間TCCDbは、受光ラインaにお
ける1ライン転送時間TCCDaの1/2倍となる。例
えば、受光部41aの数naが4000個、受光部41
bの数nbが2000個、クロック周期が400nsの
場合、受光ラインaにおける1ライン転送時間TCCD
aは1.6msとなり、受光ラインbにおける1ライン
転送時間TCCDbは0.8msとなる。
【0046】なお、イメージセンサ17の2つの受光ラ
インa,bを用いた2ラインデータの転送時間TCCD
は、受光ラインaにおける1ライン転送時間TCCDa
と等しくなる。前置増幅器26は、イメージセンサ17
からのアナログ画像信号(2ライン分または1ライン
分)を増幅し、A/Dコンバータ27へ出力する。な
お、2ライン分のアナログ画像信号を異なるゲインで増
幅することも可能である。A/Dコンバータ27は、前
置増幅器26で増幅されたアナログ画像信号(2ライン
分または1ライン分)を所定ビット数(例えば8ビッ
ト)のディジタル信号に変換し、デジタル画像データと
して制御回路21に出力する。
【0047】上記したモータ18は、モータライバ回路
28介して制御回路21に接続されている。モータドラ
イバ回路28は、制御回路21の指示に基づいて、モー
タ18に駆動パルスを出力し、モータ18を回転させ
る。駆動パルスの数に応じてモータ18を所定量だけ回
転させ、スキャンブロック19をy方向に沿って一定量
(所定ライン分)だけ移動させることができる(副走
査)。
【0048】ただし、スキャンブロック19が実際に動
き出すタイミング(後述する所定ライン移動の開始)
は、モータドライバ回路28がモータ18に駆動パルス
を出力したタイミングから一定の時間だけ遅れる。この
ような時間(以下「遅延時間TD」という)は、装置に
固有な値である。なお、制御回路21は、上記したLE
Dドライバ回路24,タイミング発生回路25,モータ
ドライバ回路28を制御するに当たり、ROM22に格
納された制御プログラムや各種データを参照する。RO
M22に格納された制御プログラムには、原稿12の2
次元画像(1画面)を読み取る手順を記載した画像入力
プログラムが含まれる。
【0049】さらに、制御回路21は、A/Dコンバー
タ27から出力された2ラインまたは1ラインのデジタ
ル画像データをRAM23(ラインバッファ)に一旦格
納すると共に、既にRAM23に格納されている2ライ
ンまたは1ラインのデジタル画像データを並列処理によ
ってインターフェイス29に順次出力する。インターフ
ェイス29は、ホストコンピュータ30と通信するため
の回路(例えばIEEE1394またはSCSIなどの
高速I/F)であり、第1実施形態の画像入力装置10
は、インターフェイス29を介してホストコンピュータ
30に接続されている。
【0050】上記した制御回路21の並列処理により、
RAM23からインターフェイス29に順次出力された
2ラインまたは1ラインのデジタル画像データは、イン
ターフェイス29からホストコンピュータ30側に順次
出力される。ちなみに、ホストコンピュータ30は、C
PU31と、メモリ32と、ハードディスク33と、C
D−ROM36を装填可能なCD−ROMドライブ34
と、インターフェイス35とで構成されている。CD−
ROM36は、各種プログラムやデータが保存された記
憶媒体である。また、ホストコンピュータ30は、図示
省略したが、キーボードやマウスなどの入力装置および
表示装置、プリンタも備えている。
【0051】ここで、第1実施形態のLEDドライバ回
路24,タイミング発生回路25,前置増幅器26,A/
Dコンバータ27,モータドライバ回路28,制御回路2
1は「制御手段」に対応する。制御回路21,モータド
ライバ回路28は「移動制御部」に対応する。x方向は
「一方向」に対応し、y方向は「一方向に対し直交する
方向」に対応する。
【0052】次に、上記のように構成された画像入力装
置10の動作について、図5のフローチャートを用いて
説明する。ここでは、平均的な濃度の原稿12(例えば
ポジフィルム)を想定し、ノーマルスキャニングの例を
挙げて説明する。ノーマルスキャニングとは、原稿12
の読み取り範囲の各ラインを1回ずつ読み取るスキャン
方法である。
【0053】画像入力装置10に電源が投入されると、
制御回路21は、画像入力装置10の各部を初期化す
る。この初期化により、スキャンブロック19は、所定
の基準位置に位置決めされる。次いで、画像入力装置1
0の制御回路21は、ホストコンピュータ30からのス
キャンコマンドを受信するまで待機する。スキャンコマ
ンドは、ユーザがホストコンピュータ30に対して所定
の入力操作を実施することにより、ホストコンピュータ
30から画像入力装置10の制御回路21に送信され
る。スキャンコマンドには、原稿12の読み取り範囲を
指定する情報や、読み取り解像度(読み取り条件)を指
定する情報などが含まれる。
【0054】画像入力装置10の制御回路21では、ス
キャンコマンドを受信すると、図5のステップS1の処
理を行う。つまり、原稿12の読み取り解像度の指定値
に基づいて、イメージセンサ17の2つの受光ライン
a,b(図2)のうち少なくとも1つを選択する。ここ
で選択された2つまたは1つの受光ライン(a+b,a,
bの何れか)が、実際に、原稿12の2次元画像の読み
取りに用いられる。
【0055】具体的には、原稿12の読み取り範囲を最
高の解像度(4000dpi)で読み取る場合、制御回路
21には、読み取り解像度の指定値として「ピッチ1」
が入力される。このとき、制御回路21は、2つの受光
ラインa+bを実際の画像読み取り用として選択する
(図5のS1)。また、原稿12の読み取り範囲を1ラ
イン間隔(2000dpi)で読み取る場合、制御回路2
1には、読み取り解像度の指定値として「ピッチ2」が
入力される。このとき、制御回路21は、1つの受光ラ
インbを実際の画像読み取り用として選択する(図5の
S1)。後述する1サイクルの所要時間(T3)に無駄な
時間が含まれないようにするためである。
【0056】同様に、原稿12の読み取り範囲を2ライ
ン以上の間隔(ピッチ3以上)で読み取る場合、制御回
路21は、1つの受光ラインbを実際の画像読み取り用
として選択する(図5のS1)。1サイクルの所要時間
(T3)に含まれる無駄な時間をできるだけ短縮するため
である。なお、読み取り解像度の指定値が「ピッチ1」
の場合には、1つの受光ラインaを選択することもでき
る。上記のように2つの受光ラインa+bを選択して
も、1つの受光ラインaを選択しても、後述する1サイ
クルの所要時間(T2)に無駄な時間が含まれないという
点では同じである。しかし、原稿12の1画面の全体の
スキャン時間(Ta)を確実に短縮するためには、2つ
の受光ラインa+bを選択する方が好ましい。
【0057】次に、制御回路21は、図5のステップS
2の処理に進む。そして、選択された2つまたは1つの
受光ライン(a+b,bの何れか)を用いて原稿12の2
次元画像を読み取る際に、スキャンブロック19をy方
向に移動させるべき量(ライン数)を設定する。スキャ
ンブロック19の移動量(ライン数)の設定は、受光ラ
インa,bに対応する撮像ラインa,b(図3)のy方向
に沿った長さDaを単位として行われる。これは、原稿
12の読み取り範囲の各ラインに対して撮像ラインa,
bの何れか一方を常に一致させながら読み取るためであ
る。
【0058】具体的には、原稿12の読み取り範囲を最
高の解像度(4000dpi)で均一に1回ずつ読み取る
場合、制御回路21は、読み取り解像度の指定値「ピッ
チ1」に基づいて、スキャンブロック19の移動量を
「2×Da」に設定する(図5のS2)。また、原稿1
2の読み取り範囲を1ライン以上の間隔(ピッチ2以
上)で均一に1回ずつ読み取る場合、制御回路21は、
読み取り解像度の指定値「ピッチQ(Q=2,3,…)」
に基づいて、スキャンブロック19の移動量を「Q×D
a」に設定する(図5のS2)。
【0059】そして、読み取り解像度の指定値「ピッチ
Q(Q=1,2,…)」に基づく受光ラインa,bの選択
(S1)と、スキャンブロック19の移動量の設定(S
2)とが終了すると、制御回路21は、図5のステップ
S3の処理に進み、実際に画像読み取り動作を実行す
る。この時点で、照明光源14の各LEDを点灯させる
順序や時間も決定済みである。これはプリスキャンの結
果に基づいて行われる。以降、照明光源14の赤,緑,青
色LEDの点灯時間を「露光時間TLR,TLG,TL
B」という。また、「赤色LEDの点灯(R露光)→緑色
LEDの点灯(G露光)→青色LEDの点灯(B露光)」の
順序で読み取り制御を行うこととする。
【0060】なお、本実施形態では、照明光源14が高
輝度であり、かつ、原稿12の濃度が平均的であるた
め、各々の露光時間TLR,TLG,TLBをイメージセ
ンサ17の受光ラインaの1ライン転送時間TCCDa
より短くすることができる。 《ピッチ1》まず、読み取り解像度の指定値「ピッチ
1」に基づいて、ステップS1で受光ラインa+bが選
択され、ステップS2でスキャンブロック19の移動量
が「2×Da」と設定された場合を例に、図5のステッ
プS3以降の画像読み取り動作を説明する。露光時間T
LR,TLG,TLBは、受光ラインaの1ライン転送時
間TCCDaより短いとする。
【0061】制御回路21は、ステップS3において、
スキャンブロック19を所定の読み取り開始位置まで移
動させて静止させる。このとき、原稿12の読み取り範
囲の先頭ライン(L1)には、イメージセンサ17の受光
ラインaに対応する撮像ラインaが位置決めされる(図
6(a)の状態)。また、読み取り範囲の第2ライン(L
2)には、受光ラインbに対応する撮像ラインbが位置
決めされる。
【0062】次に、制御回路21は、ステップS4にお
いて、タイミング発生回路25を制御し、ステップS1
で選択した2つの受光ラインa,bの各受光部41a,4
1bに蓄積された不要な電荷(無効データ)の転送(読
み捨て)を同時に開始させる。また、LEDドライバ回
路24を制御して赤色LEDを点灯させる。このときの
時刻をt0とする。
【0063】赤色LEDからの照明光は、原稿12の読
み取り範囲の第1ライン(L1)つまり撮像ラインaを透
過して、イメージセンサ17の受光ラインaに入射す
る。また、第2ラインつまり撮像ラインbを透過して、
受光ラインbに入射する。このようにして、赤色による
受光ラインa,bの露光が行われる。次に、時刻t0か
ら「赤色の露光時間TLR」が経過すると、制御回路2
1は、LEDドライバ回路24を制御して赤色LEDを
消灯させ、R露光を終了させる。これにより、2つの受
光ラインa,bの各受光部41a,41bには、R露光に
よる電荷(R画像データ)が蓄積されたことになる。
【0064】また、イメージセンサ17の転送部(42,
43)からの無効データの読み捨てが終了する(時刻t
0から「1ライン転送時間TCCDa」が経過する)
と、制御回路21は、ステップS5に進み(時刻t
1)、タイミング発生回路25を制御して、受光ライン
a,bに蓄積されたR画像データの転送(読み出し)を
同時に開始させる。
【0065】この2ライン分のR画像データ(アナログ
画像信号)は、各々、上記した前置増幅器26とA/D
コンバータ27とを介したのち、デジタルR画像データ
として制御回路21に出力される。そして、制御回路2
1は、A/Dコンバータ27から受け取った2ライン分
のデジタルR画像データをRAM23に格納する。
【0066】また、制御回路21は、R画像データの読
み出しを開始させるときに(時刻t1)、LEDドライ
バ回路24を制御して緑色LEDを点灯させる。緑色L
EDからの照明光は、読み取り範囲の第1ラインつまり
撮像ラインaを透過して、受光ラインaに入射する。ま
た、第2ラインつまり撮像ラインbを透過して、受光ラ
インbに入射する。このようにして、緑色による受光ラ
インa,bの露光が行われる。
【0067】次に、時刻t1から「緑色の露光時間TL
G」だけ経過すると、制御回路21は、LEDドライバ
回路24を制御して緑色LEDを消灯させ、G露光を終
了させる。これにより、2つの受光ラインa,bの各受
光部41a,41bには、G露光による電荷(G画像デ
ータ)が蓄積されたことになる。そして、2ライン分の
R画像データの読み出しが終了する(時刻t1から「1
ライン転送時間TCCDa」が経過する)と、制御回路
21は、ステップS6に進み(時刻t2)、タイミング
発生回路25を制御して、受光ラインa,bに蓄積され
たG画像データの転送(読み出し)を同時に開始させ
る。
【0068】この2ライン分のG画像データ(アナログ
画像信号)も、上記したR画像データと同様、前置増幅
器26とA/Dコンバータ27とを介したのち、デジタ
ルG画像データとして制御回路21に出力される。そし
て、制御回路21は、A/Dコンバータ27から受け取
った2ライン分のデジタルG画像データをRAM23に
格納する。
【0069】また、制御回路21は、G画像データの読
み出しを開始させるときに(時刻t2)、LEDドライ
バ回路24を制御して青色LEDを点灯させる。青色L
EDからの照明光は、読み取り範囲の第1ラインつまり
撮像ラインaを透過して、受光ラインaに入射する。ま
た、第2ラインつまり撮像ラインbを透過して、受光ラ
インbに入射する。このようにして、青色による受光ラ
インa,bの露光が行われる。
【0070】次に、時刻t2から「青色の露光時間TL
B」だけ経過すると、制御回路21は、LEDドライバ
回路24を制御して青色LEDを消灯させ、B露光を終
了させる。これにより、2つの受光ラインa,bの各受
光部41a,41bには、B露光による電荷(B画像デ
ータ)が蓄積されたことになる。このようにして、最終
色(B)の露光が終了すると、次に先頭色(R)の露光が開
始されるまでの間に、スキャンブロック19を次の読み
取り位置までy方向に移動させなければならない。ただ
し、既に説明したように、スキャンブロック19が実際
に動き出すのは、モータドライバ回路28がモータ18
に駆動パルスを出力してから「遅延時間TD」だけ経過
した時点である。
【0071】したがって、B露光の終了と同時にスキャ
ンブロック19が実際に動き出すようにするためには、
B露光が終了するタイミングから「遅延時間TD」だけ
前に見積もったタイミングで、モータドライバ回路28
がモータ18に駆動パルスを出力するように制御しなけ
ればならない。本実施形態では、上記した時刻t0以降
であって「遅延時間TD」に応じた最適なタイミングに
て、制御回路21がモータドライバ回路28を制御し、
モータ18に対する駆動パルスを出力させる。
【0072】また、モータドライバ回路28がモータ1
8に対して出力する駆動パルスの数は、スキャンブロッ
ク19をy方向に所定ライン分だけ移動させるために必
要な数である。ここでの所定ライン分は、図5のステッ
プS2で設定した移動量、つまり2ライン分(2×D
a)に相当する。このため、B露光の終了と同時に、ス
キャンブロック19は、撮像ラインa,bが読み取り範
囲の第1,第2ライン(L1,L2)に位置決めされた状態
(図6(a))から、挿入口13(図1(a))側に向けてy
方向に、2ライン(2×Da)分の移動を開始する(L
1,L2→L3,L4)。
【0073】次に、2ライン分のG画像データの読み出
しが終了する(時刻t2から「1ライン転送時間TCC
Da」が経過する)と、制御回路21は、ステップS7
に進み(時刻t3)、タイミング発生回路25を制御し
て、受光ラインa,bに蓄積されたB画像データの転送
(読み出し)を同時に開始させる。この2ライン分のB
画像データ(アナログ画像信号)も、上記したR画像デ
ータ,G画像データと同様、前置増幅器26とA/Dコ
ンバータ27とを介したのち、デジタルB画像データと
して制御回路21に出力される。そして、制御回路21
は、A/Dコンバータ27から受け取った2ライン分の
デジタルB画像データをRAM23に格納する。
【0074】このとき、イメージセンサ17の受光ライ
ンa,bの各受光部41a,41bは、非露光状態であ
る。また、スキャンブロック19は、2ライン移動の最
中である(L1,L2→L3,L4)。次に、2ライン分の
B画像データの読み出しが終了する(時刻t3から「1
ライン転送時間TCCDa」が経過する)と、制御回路
21は、ステップS8に進む。この時点で、読み取り範
囲の第1,第2ラインのRGB読み取り動作とデータ転
送動作とが終了し、RAM23には、第1,第2ライン
に関わる2ライン分のデジタルR画像データ,デジタル
G画像データ,デジタルB画像データ(総じて「RGB
画像データ」という)が格納されたことになる。
【0075】次に、制御回路21は、ステップS8にお
いて、原稿12の読み取り範囲の所定ライン数(“m”
とする)に対し、上記ステップS4〜S7の処理が終了
したか否かを判定する。そして、原稿12の読み取り範
囲の中に未処理のラインが残っている場合(ステップS
8がN)、制御回路21は、ステップS9の処理を実行
する。つまり、上記のB露光の終了およびスキャンブロ
ック19の2ライン移動の開始から、2ライン移動に掛
かる時間(以下「2ライン移動時間TSB」という)が
経過するまで待機する。
【0076】そして、「2ライン移動時間TSB」が経
過すると(S9がY)、制御回路21は、ステップS4
の処理に戻る(時刻t4)。このとき、スキャンブロッ
ク19の2ライン移動は終了し、スキャンブロック19
は、図6(b)に示すように、撮像ラインa,bが読み取
り範囲の第3,第4ライン(L3,L4)に位置決めされた
状態となる。
【0077】上記した第1,第2ラインに関わる読み取
りサイクル(S4〜S9)の所要時間T2は、受光ライン
aの1ライン転送時間TCCDaと、青色の露光時間T
LBと、2ライン移動時間TSBとを用いて、次の式
(3)で表される。 T2=TCCDa+TCCDa+TLB+TSB …(3) 詳細は後述するが、この時点でRAM23に格納されて
いる第1,第2ラインに関わる2ライン分のRGB画像
データは、全て、ピッチ1のカラー画像を形成する際に
有効に使われる。このため、上記した所要時間T2は、
無駄な時間を含まないと言える。
【0078】次に、撮像ラインa,bが読み取り範囲の
第3,第4ライン(L3,L4)に位置決めされた状態(図
6(b))において、制御回路21は、上述したステップ
S4〜S9の処理を再び実行する。すなわち、読み取り
範囲の第3,第4ラインのRGB読み取りとデータ転送
動作を行う。その結果、読み取り範囲の第3,第4ライ
ンに関わる2ライン分のRGB画像データがRAM23
に格納される。また、B露光の終了後、スキャンブロッ
ク19は2ライン移動され(L3,L4→L5,L6)、
撮像ラインa,bが読み取り範囲の第5,第6ライン(L
5,L6)に位置決めされた状態となる(図6(c))。
【0079】この第3,第4ラインに関わる読み取りサ
イクル(S4〜S9)も、上記式(3)で表される所要時間
T2以内に終了する。また、この時点でRAM23に格
納されている第3,第4ラインに関わる2ライン分のR
GB画像データも、全て、ピッチ1のカラー画像を形成
する際に有効に使われる。
【0080】さらに、上記の第3,第4ラインに関わる
読み取りサイクルでは、前の読み取りサイクル(時刻t
0〜t4)によってRAM23に格納された第1,第2
ラインに関わる2ライン分のRGB画像データが、制御
回路21の並列処理により、インターフェース29を介
してホストコンピュータ30(PC)側に出力される。
なお、インターフェース29としてIEEE1394な
どの高速I/Fを用いることで、1回の読み取りサイク
ル(S4〜S9)の所要時間T2以内に、上記した2ラ
イン分のRGB画像データをホストコンピュータ30側
に出力し終えることができる。
【0081】一般的に、読み取り範囲の第nライン,第
n+1ラインのRGB読み取りとデータ転送動作とが行
われた後は、スキャンブロック19の2ライン移動後
に、第n+2ライン,第n+3ラインのRGB読み取り
とデータ転送動作とが行われる。第nライン,第n+1
ラインに関わる読み取りサイクル(S4〜S9)も、上記
式(3)で表される所要時間T2以内に終了する。また、
この時点でRAM23に格納されている第n,第n+1
ラインに関わる2ライン分のRGB画像データも、全
て、ピッチ1のカラー画像を形成する際に有効に使われ
る。
【0082】さらに、RAM23に格納された第nライ
ン,第n+1ラインに関わる2ライン分のRGB画像デ
ータは、次の読み取りサイクル(第n+2ライン,第n
+3ライン読み取り時)において、1サイクルの所要時
間T2以内に、制御回路21の並列処理によりホストコ
ンピュータ30側に出力される。このように、本実施形
態の画像入力装置10では、ステップS4〜S9の読み
取りサイクルを2ライン単位で繰り返し実行することに
より、赤(R)・緑(G)・青(B)の3色を用いた原稿12
の2次元カラー画像(1画面)の読み取りとデータ転送
とが順次に行われる。
【0083】そして、読み取り範囲の所定ライン数mに
対して上記ステップS4〜S7(図5)の処理が終了する
と(S8がY)、制御回路21は、この段階でRAM2
3に格納されているRGB画像データをホストコンピュ
ータ30側に出力して、処理を終了する。
【0084】その結果、ホストコンピュータ30側に
は、原稿12の読み取り範囲の第1〜第mラインに関わ
るRGB画像データ、つまり、読み取り範囲を副走査方
向(y方向)に最高の解像度(ピッチ1)で1回ずつ均一に
読み取ったRGB画像データが得られたことになる(図
7(a))。ただし、原稿12の読み取り範囲の主走査方
向(x方向)に関する読み取り解像度には、図7(a)に示
すように、受光ラインaで読み取った最高の解像度(ピ
ッチ1)と、受光ラインbで読み取った半分の解像度(ピ
ッチ2)とが、交互に含まれる。つまり、画像入力装置
10からのRGB画像データ(図7(a))は、受光ライ
ンaで読み取ったピッチ1のラインデータaと、受光ラ
インbで読み取ったピッチ2のラインデータbとを交互
に含むものである。
【0085】このため、ホストコンピュータ30側で
は、画像入力装置10からのRGB画像データ(図7
(a))に対して次のような画素密度変換処理(図7
(b))を施し、読み取り範囲の全ラインにおいて、主走
査方向(x方向)に関する読み取り解像度が最高の解像度
(ピッチ1)となるようにする。画素密度変換処理(図7
(b))は、読み取り範囲の各ラインに関わるRGB画像
データ(図7(a))を全て有効に使って行われる。
【0086】図7(b)において、太実線は変換処理前の
画素配列を表し、破線は変換処理後の画素配列を表して
いる。変換処理前の画素配列(太実線)は、図7(a)の一
部を拡大したものである。変換処理後の画素配列(破線)
は、図7(b)に斜線を付した1つの画素ABと同じ大き
さおよび形状の多数の画素が、主走査方向(x方向)と副
走査方向(y方向)とに正方形格子状に敷き詰められたも
のである(図8も参照)。
【0087】画素密度変換処理は、画像入力装置10か
らのRGB画像データのうち、隣接するラインデータa
とラインデータbを用い、さらに、ラインデータaの中
の2画素(例えばA1,A2)とラインデータbの中の1
画素(例えばB1)を用いて行われる。これらの画素A
1,A2,B1も互いに隣接する。そして、上記した3つ
の画素A1,A2,B1の出力値に基づいて、3つの画素
A1,A2,B1と重なるように、1つの画素AB(図7
(b)の斜線部分)が作り出される。3つの画素A1,A
2,B1の各々において、変換処理後の画素ABと重な
る部分の面積比率は、何れも1/4である。画素ABの
出力値は、3つの画素A1,A2,B1の出力値OA1,O
A2,OB1と上記の面積比率(1/4)とを用い、次式(4)に
したがって計算することができる。
【0088】 画素ABの出力値=(OA1/4)+(OA2/4)+(OB1/4) …(4) このような計算が、読み取り範囲の各ラインに関わるR
GB画像データ(図7(a))の全てに対し実行される
と、画素密度変換処理が終了する。その結果、図8に示
すように、原稿12の読み取り範囲の全ラインにおい
て、主走査方向(x方向)に関する読み取り解像度がピッ
チ1となる。つまり、原稿12の読み取り範囲を2次元
的にピッチ1で均一に1回ずつ読み取ったRGB画像デ
ータが得られる。これは、ピッチ1のカラー画像に他な
らない。
【0089】このように、画像入力装置10からホスト
コンピュータ30側に出力された読み取り範囲の各ライ
ンに関わる全てのRGB画像データは、ピッチ1のカラ
ー画像を形成する際に有効に使われる。このため、上記
した1サイクル(S4〜S9)の所要時間T2には無駄な
時間が含まれず、この所要時間T2とその繰り返し回数
Nsとの積によって決まる1画面の全体のスキャン時間
Ta(=T2×Ns)にも無駄な時間はない。
【0090】また、原稿12の読み取り範囲(ライン総
数m)をピッチ1でスキャンするために、読み取りサイ
クル(S4〜S9)を2ライン単位で繰り返し実行す
る、すなわち、2つの受光ラインa,bを用いて2ライ
ン分のRGB画像データを同時に取得し、さらに、スキ
ャンブロック19を2ライン移動するので、繰り返し回
数Nsが約m/2回となる。これは、従来のようにモノ
クロ1ラインセンサを用いて読み取り範囲(ライン総数
m)をピッチ1でスキャンする場合の繰り返し回数(=
m)の約半分である。
【0091】したがって、原稿12の読み取り範囲(ラ
イン総数m)の全体をピッチ1でスキャンするのに要す
る時間(スキャン時間Ta=T2×Ns=T2×m/
2)は、従来のモノクロ1ラインセンサを用いた場合の
スキャン時間(=T1×m)の約半分程度まで大幅に短
縮することができる。例えば、35mmフィルム(24
mm×36mm)を4000dpiクラスでスキャンす
る場合、原稿12の読み取り範囲(1画面)のライン総
数mは6000本であり、受光ラインaの受光部41a
の数naを4000個、クロック周期を400nsとす
ると、その全体のスキャン時間Taは、最短で、400
0個×400ns×4×6000/2=19.2秒とな
る。
【0092】《ピッチ2》次に、読み取り解像度の指定
値「ピッチ2」に基づいて、図5のステップS1で1つ
の受光ラインbが選択され、ステップS2でスキャンブ
ロック19の移動量が「2×Da」と設定された場合を
例に、図5のステップS3以降の画像読み取り動作を説
明する。説明を簡単にするため、各色の露光時間TL
R,TLG,TLBは、受光ラインbの1ライン転送時間
TCCDbより短いとする。
【0093】この場合、制御回路21は、ステップS3
において、原稿12の読み取り範囲の先頭ラインに撮像
ラインbを位置決めする。なお、撮像ラインaは、読み
取り範囲の外に位置決めされている。そして次に、制御
回路21は、図5のステップS4〜S9の処理を実行す
る。つまり、1つの受光ラインbを用いて、原稿12の
読み取り範囲の第1ラインのRGB読み取り動作とデー
タ転送動作とを行う。その結果、RAM23には、読み
取り範囲の第1ラインに関わる1ライン分のRGB画像
データが格納される。
【0094】また、B露光の終了と同時に、スキャンブ
ロック19はy方向に2ライン分の移動を開始する。そ
して、2ライン移動が終了すると、スキャンブロック1
9は、撮像ラインbが読み取り範囲の第3ラインに位置
決めされた状態となる。撮像ラインaは、第2ラインに
位置決めされている。上記の第1ラインに関わる読み取
りサイクル(S4〜S9)の所要時間T3は、受光ライン
bの1ライン転送時間TCCDbと、青色の露光時間T
LBと、2ライン移動時間TSBとを用いて、次の式
(5)で表される。
【0095】 T3=TCCDb+TCCDb+TLB+TSB …(5) 詳細は後述するが、この時点でRAM23に格納されて
いる第1ラインに関わる1ライン分のRGB画像データ
は、全て、ピッチ2のカラー画像を形成する際に有効に
使われる。このため、上記した所要時間T3は、無駄な
時間を含まないと言える。
【0096】次に、撮像ラインbが読み取り範囲の第3
ラインに位置決めされた状態で、1つの受光ラインbを
用いて上述したステップS4〜S9の処理が再び実行さ
れ、読み取り範囲の第3ラインに関わる1ライン分のR
GB画像データがRAM23に格納される。また、B露
光の終了後、スキャンブロック19は、再び2ライン移
動され、撮像ラインbが第5ラインに位置決めされた状
態となる。撮像ラインaは第4ラインに位置決めされ
る。
【0097】この第3ラインに関わる読み取りサイクル
(S4〜S9)も、上記式(5)で表される所要時間T3以
内に終了する。また、この時点でRAM23に格納され
ている第3ラインに関わる1ライン分のRGB画像デー
タも、全て、ピッチ2のカラー画像を形成する際に有効
に使われる。さらに、この第3ラインの読み取りサイク
ルでは、前の読み取りサイクルによってRAM23に格
納された第1ラインに関わる1ライン分のRGB画像デ
ータが、制御回路21の並列処理により、1サイクルの
所要時間T3以内にホストコンピュータ30側に出力さ
れる。
【0098】このように、本実施形態の画像入力装置1
0では、ステップS4〜S9の読み取りサイクルを1ラ
イン単位で繰り返し実行することにより、赤(R)・緑
(G)・青(B)の3色を用いた原稿12の2次元カラー画
像(1画面)の読み取りとデータ転送とが順次に行われ
る。そして、読み取り範囲の所定ライン数mに対して上
記ステップS4〜S7(図5)の処理が終了すると(S8
がY)、制御回路21は、この段階でRAM23に格納
されているRGB画像データをホストコンピュータ30
側に出力して、処理を終了する。
【0099】その結果、ホストコンピュータ30側に
は、原稿12の読み取り範囲の第1,第3,第5,…,第m
ラインに関わるRGB画像データ、つまり、読み取り範
囲を副走査方向(y方向)に1ライン間隔(ピッチ2)で
1回ずつ均一に読み取ったRGB画像データが得られた
ことになる(図9)。また、この場合には、読み取り範
囲の各ラインを1つの受光ラインbによってスキャンす
るため、原稿12の読み取り範囲の主走査方向(x方向)
に関する読み取り解像度も全ラインにおいてピッチ2で
ある。
【0100】このため、画像入力装置10からホストコ
ンピュータ30側に出力された読み取り範囲の各ライン
に関わる全てのRGB画像データを有効に使うことによ
り、上記のような画素密度変換処理を行わなくても、原
稿12の読み取り範囲を2次元的にピッチ2で均一に1
回ずつ読み取ったRGB画像データ、つまり、ピッチ2
のカラー画像が得られる。
【0101】さらに、画像入力装置10から出力される
全てのRGB画像データを有効に使ってピッチ2のカラ
ー画像を形成するため、上記した1サイクル(S4〜S
9)の所要時間T3には無駄な時間が含まれず、この所
要時間T3とその繰り返し回数Nsとの積によって決ま
る1画面の全体のスキャン時間Ta(=T3×Ns)にも
無駄な時間はない。
【0102】また、読み取り範囲をピッチ2でスキャン
するために用いた受光ラインbは、その受光部41bの
数nbが、従来のモノクロ1ラインセンサにおける受光
部51の数の約半分である。このため、受光ラインbに
おける1ライン転送時間TCCDb(=受光部41bの
数nb×クロック周期)は、従来のモノクロ1ラインセ
ンサにおける1ライン転送時間Ttの約半分に短縮され
る。
【0103】したがって、受光ラインbを用いた場合の
上記1サイクル(S4〜S9)の所要時間T3(上記の式
(5)参照)は、従来のモノクロ1ラインセンサを用いた
場合の所要時間T1(上記の式(2)参照)に比べて大幅
に短縮されたことになる。最短時間で比較すると、受光
ラインbによる所要時間T3(=TCCDb×4)は、モ
ノクロ1ラインセンサによる所要時間T1(=Tt×4)
の約半分となる。
【0104】その結果、原稿12の読み取り範囲(ライ
ン総数m)の全体をピッチ2でスキャンするのに要する
時間(スキャン時間Ta=T3×m/2)が、従来のモ
ノクロ1ラインセンサを用いた場合のスキャン時間(=
T1×m/2)に比べて大幅に短縮されることになる。
最短時間で比較すると、受光ラインbによるスキャン時
間Taは、モノクロ1ラインセンサによるスキャン時間
の約半分となる。
【0105】例えば、35mmフィルム(24mm×3
6mm)を2000dpiクラスでスキャンする場合、
原稿12の読み取り範囲(1画面)のライン総数mは3
000本であり、受光ラインbの受光部41bの数nb
を2000個、クロック周期を400nsとすると、そ
の全体のスキャン時間Taは、最短で、2000個×4
00ns×4×3000=9.6秒となる。
【0106】《ピッチ3以上》なお、読み取り解像度の
指定値「ピッチQ(Q=3,4,…)」の場合は、上記し
た「ピッチ2」の場合と同様であり、図5のステップS
1で1つの受光ラインbが選択され、ステップS2でス
キャンブロック19の移動量が「Q×Da」と設定され
る(Q=3,4,…)。つまり、スキャンブロック19の
移動量が「Q×Da」に設定される以外は、上記した
「ピッチ2」の場合と同じである。移動量の設定は、モ
ータドライバ回路28がモータ18に対して出力する駆
動パルスの数に応じて行われる。
【0107】1つの受光ラインbを用いて、原稿12の
読み取り範囲(ライン総数m)をピッチQで1回ずつ均
一に読み取る場合、読み取りサイクル(S4〜S9)をm
/Q回繰り返し実行することになる。1サイクル(S4〜
S9)の所要時間は、上記した所要時間T3(上記の式
(5)参照)と同じである。その結果、ホストコンピュー
タ30側には、読み取り範囲を副走査方向(y方向)にピ
ッチQで1回ずつ均一に読み取ったRGB画像データが
得られる。なお、この場合には、読み取り範囲の主走査
方向(x方向)に関する読み取り解像度が全ラインにおい
てピッチ2である。
【0108】このため、ホストコンピュータ30側で
は、各ラインの主走査方向の読み取り解像度(ピッチ2)
を副走査方向の読み取り解像度(ピッチQ)に合わせるた
めの画素密度変換処理を行う(Q=3,4,…)。この場
合の処理は、解像度をピッチ2からピッチQに下げる処
理である。なお、従来のモノクロ1ラインセンサを用い
て読み取り範囲をピッチQで読み取る場合を考えてみる
と、読み取り範囲の主走査方向に関する読み取り解像度
は全ラインにおいてピッチ1であるため、画素密度変換
処理は、解像度をピッチ1からピッチQに下げる処理と
なる。
【0109】したがって、本実施形態のように受光ライ
ンbを用いて読み取り範囲をピッチQで読み取る場合に
は、従来のモノクロ1ラインセンサを用いた場合に比べ
ると、画像入力装置10からホストコンピュータ30側
に出力されたRGB画像データを有効に使っていると言
うことができる。このように、本実施形態では、ホスト
コンピュータ30側に出力されたRGB画像データを従
来より有効に使ってピッチQのカラー画像を形成するた
め、上記した1サイクル(S4〜S9)の所要時間T3に
含まれる無駄な時間を確実に低減することができ、その
結果、1画面の全体のスキャン時間Ta(=T3×m/
Q)における無駄な時間も確実に低減できる。
【0110】さらに、上記の所要時間T3(式(5)参
照)は、従来のモノクロ1ラインセンサによる所要時間
T1(式(2)参照)に比べて大幅に短縮されている。そ
の結果、読み取り範囲の全体をピッチQでスキャンする
際の(スキャン時間Ta=T3×m/Q)も、モノクロ
1ラインセンサによるスキャン時間(=T1×m/Q)
に比べて大幅に短縮される。
【0111】例えば、35mmフィルムを1000dp
iクラスでスキャンする場合、読み取り範囲のライン総
数mは1500本であり、受光ラインbの受光部41b
の数nbを2000個、クロック周期を400nsとす
ると、全体のスキャン時間Taは、最短で、2000個
×400ns×4×1500=4.8秒となる。上記し
た第1実施形態の画像入力装置10では、原稿12の読
み取り解像度に応じてイメージセンサ17の受光ライン
a,bのうち少なくとも1つを選択し、受光ラインa,b
を使い分けるため、様々な読み取り解像度(ピッチ2,
3,4…)で原稿12を読み取る場合に、1サイクルの
所要時間T2,T3に含まれる無駄な時間を低減するこ
とができ、原稿12の1画面の全体のスキャン時間Ta
を短縮できる。
【0112】なお、上記した第1実施形態では、原稿1
2の読み取り範囲をピッチ1でスキャンする場合に2つ
の受光ラインa+bを選択したが、1つの受光ラインa
を選択しても良い。この場合、スキャンブロック19は
1ライン移動することになる。受光ラインaのみを選択
した場合でも1サイクル(S4〜S9)の所要時間(T2)
には無駄な時間が含まれない。
【0113】また、1つの受光ラインaを用いて読み取
り範囲をピッチ1でスキャンする場合、図7(b)に示す
画素密度変換処理が不要となる。このため、1つの受光
ラインaを用いて取り込んだピッチ1のカラー画像は、
2つの受光ラインa,bを用いて取り込んだピッチ1の
カラー画像に比べて高画質なものとなる。
【0114】さらに、上記した第1実施形態では、イメ
ージセンサ17の2つの受光ラインa,bをX方向にず
らして配置した(所謂ちどり配置)が、図2のずれ量Δ
が0のイメージセンサを用いた場合にも本発明を適用で
きる。また、上記した第1実施形態では、ピッチ2以上
の解像度で原稿12を読み取る場合の説明に当たって、
説明を簡単にするために、各色の露光時間TLR,TL
G,TLBが受光ラインbの1ライン転送時間TCCD
bより短いとしたが、露光時間TLRなどが1ライン転
送時間TCCDbより長い場合にも本発明を適用でき
る。この場合でも、1サイクルの所要時間T2,T3に
含まれる無駄な時間を従来に比べて低減することがで
き、原稿12の1画面の全体のスキャン時間Taを短縮
できる。
【0115】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施形
態(請求項1,請求項3〜請求項5に対応)について説
明する。第2実施形態の画像入力装置は、上記した画像
入力装置10(図1)のイメージセンサ17(図2)に
代えて、図10に示すイメージセンサ47を用いたもの
である。このイメージセンサ47も、投影レンズ16b
からの光(原稿12からの透過光)を撮像するモノクロ
イメージセンサである(固体撮像素子)。図10はイメ
ージセンサ47の主要部を拡大して示す模式図である。
【0116】なお、このイメージセンサ47は、上記し
たイメージセンサ17(図2)の受光ラインbに代え
て、受光ラインcを設けたものである。つまり、イメー
ジセンサ47には、2つの受光ラインa,c(図中、細
長い太線枠で示した箇所)と、リードアウトゲート(R
OG)42と、CCDアナログシフトレジスタ43とが
設けられている。
【0117】ここで、イメージセンサ47の受光ライン
cについて詳細に説明する。受光ラインcは、X方向に
沿って近接して一次元配列されたnc個(例えば400
0個)の受光部41cからなり、各受光部41cにおい
て、入射光(原稿12からの透過光)に応じた電荷を蓄
積する。各受光部41cのサイズDxc,Dycは、共
に8μmである。受光ラインc内でX方向に隣り合う受
光部41cどうしのピッチPxac、受光部41cのサ
イズDxc(8μm)に等しい。
【0118】このように、受光ラインcは、外形的には
受光ラインaと同じ構成である。すなわち、受光部41
cの形状は受光部41aの形状と同じであり、受光部4
1cの数ncは受光部41aの数naと同じである。こ
のため、1ライン転送時間TCCDも受光ラインa,c
は同じである。ただし、2つの受光ラインa,cは、各
受光部41a,41cにおける光電変換の感度が互いに
異なっている。すなわち、2つの受光ラインa,cは、
互いに異なる受光特性を有する。本実施形態では、受光
ラインaの各受光部41aより受光ラインcの各受光部
cの方が感度が高く、各受光部41aの感度(通常感
度)の2倍が各受光部cの感度に相当する。
【0119】また、2つの受光ラインa,cは、k番目
(1≦k≦na,nc)の受光部41a,41cどうし
(例えば図中ハッチングを付した受光部どうし)がY方
向に沿って並ぶように、配置されている。このため、受
光領域41(図中点線枠で示す領域)内において、各々
の受光部41a,41cは、X方向とY方向とに沿って
正方形格子状に配列されたことになる。
【0120】このように構成されたイメージセンサ47
は、第2実施形態の画像入力装置の内部において、受光
ラインa,cの長手方向(X方向)を上記した原稿12の
幅方向(x方向)に揃えて、さらに、受光ラインa,cの
幅方向(Y方向)を原稿12の挿入方向(y方向)に揃えて
配置される(図11(a)参照)。なお、イメージセンサ
47の受光ラインa,cに対応する原稿12上での領域
を撮像ラインa,c(図11(b))という。撮像ライン
cのサイズは上記の撮像ラインbと同じである。原稿1
2上での撮像ラインa,cを透過した光は、各々、イメ
ージセンサ47の受光ラインa,cに入射し、そこで受
光される。
【0121】上記したように、受光ラインa,cの各受
光部41a,41cにおける光電変換の感度は互いに異
なるため、同じ強度の光が受光ラインa,cの各受光部
41a,41cに入射しても、各受光部41a,41cで
発生する電荷量は異なり、受光ラインa,cから出力さ
れるアナログ画像信号の大きさも異なる。本実施形態で
は、受光ラインaの各受光部41aの感度の2倍が受光
ラインcの各受光部41cの感度に相当するため、同じ
強度の光が入射した場合に発生する電荷量は、各受光部
41aより各受光部41cの方が2倍となる。このた
め、受光ラインcからのアナログ画像信号も、受光ライ
ンaからのアナログ画像信号の2倍の大きさとなる。
【0122】換言すれば、受光ラインcに入射する光の
強度が受光ラインaに入射する光の強度の半分であって
も、各々の受光部41a,41cでは同量の電荷が発生
し、受光ラインa,cからのアナログ画像信号も同じ大
きさとなる。次に、第2実施形態の画像入力装置の動作
について、図12のフローチャートを用いて説明する。
ここでは、平均的な濃度の原稿12(例えばポジフィル
ム)または高濃度の原稿12(例えばネガフィルム)を想
定し、原稿12の読み取り範囲を任意の解像度でノーマ
ルスキャニングする場合の説明を行う。ただし、図12
のステップS14〜S19(読み取りサイクル)は、上
記した図5のステップS4〜S9と同じであるため、説
明を省略する。
【0123】第2実施形態の画像入力装置の制御回路2
1は、ホストコンピュータ30からのスキャンコマンド
を受信すると、その内容(原稿12の読み取り範囲を指
定する情報など)に基づいてプリスキャンを実行する。
そして、原稿12の濃度が高いか低いか平均的かを判断
し、図12のステップS11の処理を行う。つまり、制
御回路21は、原稿12の濃度(読み取り条件)に基づ
いて、イメージセンサ47の2つの受光ラインa,c
(図10)のうち1つを選択し、次に、選択した受光ラ
イン(aまたc)の各受光部(41aまたは41b)の感度
を考慮することにより、照明光源14の各色の点灯時間
(露光時間TLR,TLG,TLB)を決定する。ここで
選択された1つの受光ライン(aまたはc)が、実際に、
原稿12の2次元画像の読み取りに用いられる。
【0124】具体的には、原稿12が平均的な濃度の場
合(例えばポジフィルム)、イメージセンサ47には適量
の光が導かれるため、制御回路21は、通常感度の受光
ラインaを実際の画像読み取り用として選択し、次に、
受光ラインaの各受光部41aが通常感度であることを
考慮して露光時間TLR,TLG,TLBを決定する(図
12のS11)。このため、得られた露光時間(TLR
など)は、イメージセンサ47の1ライン転送時間TC
CDより短くなる。
【0125】また、原稿12が高濃度の場合(例えばネ
ガフィルム)、イメージセンサ47に導かれる光が少量
のため、制御回路21は、高感度の受光ラインcを実際
の画像読み取り用として選択し、次に、受光ラインcの
各受光部41cが高感度であることを考慮して露光時間
TLR,TLG,TLBを決定する(図12のS11)。
このため、得られた露光時間(TLRなど)は、イメージ
センサ47の1ライン転送時間TCCDより短くなる。
【0126】そして次に、制御回路21は、図12のス
テップS12の処理に進み、選択された受光ライン(a
またはc)を用いて原稿12をスキャンする際のスキャ
ンブロック19の移動量(ライン数)を設定する。この
移動量(ライン数)の設定も、受光ラインa,cに対応
する撮像ラインa,c(図11)の長さDaを単位とし
て行われる。
【0127】具体的には、原稿12の読み取り範囲をピ
ッチQで均一に1回ずつ読み取る場合、制御回路21
は、読み取り解像度の指定値「ピッチQ(Q=1,2,
…)」に基づいて、スキャンブロック19の移動量を
「Q×Da」に設定する(図12のS12)。
【0128】次に、制御回路21は、図12のステップ
S13の処理に進み、原稿12の読み取り範囲の先頭ラ
インに、ステップS11で選択された受光ライン(aま
たはc)に対応する撮像ライン(aまたはc)を位置決め
する。そして、実際の画像読み取り動作(読み取りサイ
クルS14〜S19の繰り返し動作)を実行する。ま
ず、原稿12が平均的な濃度の場合には(例えばポジフ
ィルム)、通常感度の受光ラインaを用いて原稿12の
読み取り範囲がスキャンされる。このとき、平均的な濃
度の原稿12(撮像ラインa)からイメージセンサ47の
受光ラインaには適量の光が導かれている。そして、受
光ラインaの各受光部41aでは、通常感度による光電
変換が行われ、ステップS11で決定した露光時間(T
LRなど)に渡って電荷が蓄積されていく。
【0129】このように、原稿12が平均的な濃度の場
合には、適量の光が通常感度によって光電変換されるた
め、イメージセンサ47の1ライン転送時間TCCDよ
り短い露光時間(TLRなど)が経過すると、受光ライン
aの各受光部41aに、原稿12の撮像ラインaの絵柄
に応じた適量の電荷が蓄積されることになる。次に、原
稿12が高濃度の場合には(例えばネガフィルム)、高感
度の受光ラインcを用いて原稿12の読み取り範囲がス
キャンされる。このとき、高濃度の原稿12(撮像ライ
ンc)からイメージセンサ47の受光ラインcには少量
の光が導かれている。そして、受光ラインcの各受光部
41cでは、高感度による光電変換が行われ、ステップ
S11で決定した露光時間(TLRなど)に渡って電荷が
蓄積されていく。
【0130】このように、原稿12が高濃度の場合に
は、少量の光が高感度によって光電変換されるため、イ
メージセンサ47の1ライン転送時間TCCDより短い
露光時間(TLRなど)が経過すると、受光ラインcの各
受光部41cに、原稿12の撮像ラインcの絵柄に応じ
た適量の電荷が蓄積されることになる。ここで、従来の
モノクロ1ラインセンサを用いて平均的な濃度の原稿1
2(例えばポジフィルム)をスキャンした場合と、同様に
高濃度の原稿12(例えばネガフィルム)をスキャンした
場合との比較を行う。モノクロ1ラインセンサの各受光
部51は通常感度であるとする。
【0131】まず、原稿12が平均的な濃度の場合は、
適量の光が通常感度のモノクロ1ラインセンサに導かれ
るため、その1ライン転送時間Ttより短い露光時間
(TRなど)内に、適量の電荷が各受光部51に蓄積され
る。これに対し、原稿12が高濃度の場合には、平均的
な濃度の原稿12より透過率が低く、モノクロ1ライン
センサに到達する光量が少ないため、少量の光を通常感
度によって光電変換することになる。そして、モノクロ
1ラインセンサの各受光部51に適量の電荷を蓄積させ
るためには、長い露光時間(TRなど)が必要であった。
【0132】多くの場合、高濃度の原稿12(例えばネ
ガフィルム)を通常感度のモノクロ1ラインセンサによ
ってスキャンするためには、モノクロ1ラインセンサの
1ライン転送時間Ttより長い露光時間(TRなど)が必
要であり、モノクロ1ラインセンサにおけるデータ転送
が終了しても露光時間(TRなど)が経過するまで待機し
なければならない。そして、このような待機時間(=1
ライン転送時間Tt−露光時間)がある分だけ、読み取
りサイクル(S14〜S19)の所要時間が無駄に長くな
ってしまう。
【0133】しかし、第2実施形態の画像入力装置で
は、感度の異なる受光センサa,cの何れか一方を原稿
12の濃度に応じて選択するため、原稿12が平均的な
濃度であっても高濃度であっても、イメージセンサ47
の1ライン転送時間TCCDより短い露光時間(TLR
など)内に、受光ラインa,cの各受光部41a,41c
に蓄積される電荷量を原稿12の撮像ラインa,cの絵
柄に応じた適量とすることができる。
【0134】すなわち、第2実施形態の画像入力装置で
は、原稿12の濃度によらず、上記した読み取りサイク
ル(S14〜S19)の所要時間に無駄な時間が含まれ
ず、この所要時間とその繰り返し回数との積によって決
まる1画面の全体のスキャン時間Taにも無駄な時間は
ない。
【0135】したがって、高濃度の原稿12(例えばネ
ガフィルム)を受光センサcによりスキャンする場合の
読み取りサイクル(S14〜S19)の所要時間および全
体のスキャン時間Taは、従来のモノクロ1ラインセン
サによりスキャンする場合に比べて、上記の待機時間の
分だけ大幅に短縮することができる。また、上記した第
2実施形態の画像入力装置は、ネガフィルムをスキャン
する場合に特に有効である。一般に、原稿12の高濃度
部分をスキャンして得られる出力信号はノイズ成分が大
きくなりやすい。また、高感度の受光センサcを用いた
場合、出力信号のノイズ成分はさらに大きくなる。
【0136】しかし、ネガフィルムは白黒反転するもの
であり、高濃度部分の出力信号は画像の白い部分となる
ため、高濃度部分の出力信号にノイズ成分が多く含まれ
ていても、画像ではノイズが目立たなくなる。したがっ
て、第2実施形態の画像入力装置において、高感度の受
光センサcによりネガフィルムをスキャンすることで、
全体のスキャン時間Taを短縮することができ、さら
に、ノイズの目立たない高品質の画像を得ることもでき
る。
【0137】なお、上記した第2実施形態では、原稿1
2の濃度に基づいて受光ラインa,cを選択したが、原
稿12の種類(読み取り条件)に基づいて選択しても良
い。原稿12の種類に関する情報は、ホストコンピュー
タ30から画像入力装置に送信されるスキャンコマンド
の中に含めておいても良いし、画像入力装置によるプリ
スキャンによって生成しても良い。
【0138】さらに、上記した実施形態では、原稿12
の濃度や種類(読み取り条件)に基づいてイメージセン
サ47の2つの受光ラインa,cのうち1つを選択する
例を説明したが、2つの受光ラインa,cを選択するこ
ともできる。この場合には、読み取りサイクル(S14
〜S19)を2ライン単位で繰り返し実行する、すなわ
ち、2つの受光ラインa,cを用いて2ライン分の画像
データを同時に取得し、さらに、スキャンブロック19
を2ライン移動するので、1画面の全体のスキャン時間
Taを大幅に短縮することができる。
【0139】ただし、2つの受光ラインa,cは感度が
異なるため、その感度差を後段の信号処理などによって
調整しなければならない。例えば、平均的な濃度の原稿
12をスキャンする際に2つの受光ラインa,cを選択
した場合、イメージセンサ47の後段に接続された前置
増幅器26において、受光ラインcからの信号に対する
ゲインを「1/2」にすればよい。また、高濃度の原稿
12をスキャンする際に2つの受光ラインa,cを選択
した場合、前置増幅器26において、受光ラインaから
の信号に対するゲインを「2」にすればよい。
【0140】さらに、2つの受光ラインa,cを選択す
る場合、受光ラインa,cの感度差による影響を目立た
なくするために、周知のアベレージングなどの処理を施
しても良い。また、上記した実施形態では、原稿12の
読み取り範囲の各ラインを各色で1回ずつ読み取るノー
マルスキャニングの例を説明したが、本発明は、マルチ
サンプルスキャニングにも適用できる。マルチサンプル
スキャニングとは、原稿12の読み取り範囲の同一ライ
ンを各色でn回読み取って平均化することにより、画像
のノイズを1/(√n)に低減するスキャン方法である。
例えば、同一ラインを2回ずつ読み取って平均化した場
合、画像のノイズを1/(√2)に低減することができ
る。
【0141】また、上記した実施形態では、イメージセ
ンサ17,47をモノクロイメージセンサ(受光ライン
a,bまたはa,c)によって構成し、照明光源14の切
替発光によりRGBの色分解を行うことで、原稿12の
カラー画像を読み取る画像入力装置を説明したが、本発
明は、カラーイメージセンサを用いた構成にも適用でき
る。このカラーイメージセンサでは、Rライン,Gライ
ン,Bラインが、各々、2つの受光ライン(a,bまたは
a,c)によって構成される。なお、Rライン,Gライン,
Bラインどうしは互いに近接せず、数ライン分離れてい
る。
【0142】さらに、上記した実施形態では、受光領域
41内で2つの受光ライン(a,bまたはa,c)を近接さ
せて配置したイメージセンサ17,47の例を説明した
が、受光領域41内で3つ以上の受光ラインを近接させ
ても良い。この場合、3つ以上の受光センサのうち少な
くとも2つの受光特性が異なっていれば、本発明を適用
できる。
【0143】ただし、近接する受光ラインの数が増える
と、イメージセンサの製造コストやRAM(ラインバッ
ファ)のコストも増大するため、受光領域41内の受光
ラインの数は2つが最も好ましい。受光領域41内で近
接する受光ラインの数が2つであれば、コストの増大を
抑えつつ高速な読み取りが実現する。また、上記した実
施形態では、受光領域41内で2つ以上の受光ラインを
近接させたが、これらの受光ラインをY方向に離して配
置する構成にも、本発明は適用することができる。
【0144】さらに、上記した実施形態では、複数の受
光ラインの受光部どうしのピッチが異なるイメージセン
サと、複数の受光ラインの受光部の感度が異なるイメー
ジセンサとを各々に説明したが、双方を組み合わせた構
成(複数の受光ラインの受光部どうしのピッチが異なる
と共に受光部の感度も異なるイメージセンサ)にも、本
発明は適用できる。
【0145】また、その他、複数の受光ラインの感度波
長域が異なるイメージセンサや、複数の受光ラインにお
ける波長選択フィルタ(赤外線フィルタや紫外線フィル
タなど)の有無が異なるイメージセンサにも、本発明は
適用できる。もちろん、これら感度波長域の相異や波長
選択フィルタの有無を、上記の受光部ピッチの相異や感
度の相異に組み合わせることもできる。
【0146】さらに、上記した実施形態では、赤(R)・
緑(G)・青(B)の3色を用いて原稿12の2次元画像を
読み取る例を説明したが、2色または4色以上を用いて
2次元画像を読み取る場合にも本発明を適用できる。さ
らに、原稿12のカラー画像を読み取る場合に限らず、
モノクロ画像を読み取る場合にも同様の効果が得られ
る。
【0147】また、上記した実施形態では、スライドマ
ウントに保持された原稿12の2次元画像を読み取る例
を説明したが、フィルムホルダに保持された原稿でも、
ストリップフィルムでも、同様に短時間で読み取ること
ができる。透過原稿(原稿12)の読み取りに限らず、
反射原稿(例えば紙)を読み取る場合にも、本発明は適用
できる。
【0148】さらに、上記した実施形態では、固定され
た原稿12に対して読み取り光学系(14〜17)がスキ
ャンブロック19と共に副走査移動する例を説明した
が、逆に、読み取り光学系(14〜17)を固定し、原稿
12を副走査方向に移動させてもよい。原稿12と読み
取り光学系(14〜17)とを副走査方向に相対移動させ
てもよい。
【0149】また、上記した実施形態では、少なくとも
撮像ラインa,b(またはa,c)を含む線状の照明光によ
って原稿12を照明したが、原稿12の読み取り範囲を
全体的に照明する構成にも本発明は適用できる(エリア
照明)。さらに、上記した実施形態では、画像入力装置
10の制御回路21が実行する画像入力プログラムをR
OM22に記録する例を説明したが、インターフェイス
29を介して外部接続されたホストコンピュータ30の
ハードディスク33に画像入力プログラムを記録しても
よい。また、画像入力装置10の制御回路21の代わり
に、ホストコンピュータ30のCPU31を用いて各種
制御を行っても構わない。
【0150】ホストコンピュータ30のハードディスク
33に記録した画像入力プログラムにしたがって各種制
御を行う場合には、その制御に先立って、必要な画像入
力プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記
録媒体(例えばCD−ROM34)を用い、この記録媒
体からハードディスク33にインストールした画像入力
プログラムを用いればよい。また、ホストコンピュータ
30などの端末からインターネットを介してハードディ
スク33にダウンロードした画像入力プログラム(ドラ
イバソフト,ファームウェア)を用いてもよい。
【0151】さらに、画像入力装置10のRAM23の
代わりに、ホストコンピュータ30のメモリ32やハー
ドディスク33を用いても構わない。画像入力装置10
とホストコンピュータ30とのインターフェイス29に
は、IEEE1394やSCSIインターフェイスに限
らず、他のインターフェイス(USB、パラレルなど)を
使用することができる。
【0152】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
様々な読み取り条件で原稿を読み取る場合に、1サイク
ルの所要時間に含まれる無駄な時間を低減することで、
原稿の1画面の全体のスキャン時間を短縮できるため、
作業時間の節約と効率化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像入力装置10の断面図である。
【図2】画像入力装置10に組み込まれたイメージセン
サ17の主要部の拡大概略図である。
【図3】イメージセンサ17による原稿12上での撮像
領域ラインa,bを説明する概略図である。
【図4】画像入力装置10のブロック図である。
【図5】画像入力装置10における画像読み取り動作の
フローチャートである。
【図6】原稿12の読み取り範囲を2つの受光ライン
a,bによってスキャンする様子を説明する模式図であ
る。
【図7】2つの受光ラインa,bによるスキャンで得ら
れた画素配列を示す図(a)、および、画素密度変換処理
を説明する図(b)である。
【図8】2次元的にピッチ1の画像における画素配列を
示す図である。
【図9】2次元的にピッチ2の画像における画素配列を
示す図である。
【図10】イメージセンサ47の主要部の拡大概略図で
ある。
【図11】イメージセンサ47による原稿12上での撮
像領域ラインa,cを説明する概略図である。
【図12】イメージセンサ47を用いた画像入力装置に
おける画像読み取り動作のフローチャートである。
【図13】従来のスキャナに組み込まれたモノクロ1ラ
インセンサの構成を示す概略図である。
【図14】モノクロ1ラインセンサを用いた場合の画像
読み取り動作のタイミングチャートである。
【符号の説明】
10 画像入力装置 11 筐体 12 原稿 13 挿入口 14 照明光源 15 照明レンズ 16 投影レンズ 17、47 イメージセンサ 18 モータ 19 スキャンブロック 41a,41b 受光部 42 リードアウトゲート(ROG) 43 CCDアナログシフトレジスタ 44 ガイドバー 45 ナット 46 リードネジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/19 H01L 27/14 D Fターム(参考) 4M118 AB01 BA10 CA02 CA27 FA08 GC07 5C051 AA01 BA03 DA06 DA09 DA10 DB01 DB08 DB22 DB29 DB31 DC07 DE02 DE12 DE15 DE17 EA01 EA03 FA04 5C062 AA05 AB03 AB17 AB41 AB42 AB43 AB44 AC02 AC08 AC27 BA04 5C072 AA01 BA03 CA05 DA02 EA05 FA02 FA08 QA11 VA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光に応じて電荷を蓄積する複数の受
    光部が一方向に沿って近接して一次元配列された受光ラ
    インを2つ以上備え、かつ、前記2つ以上の受光ライン
    の各受光部に蓄積された電荷を受光ラインごとに転送す
    る転送部を備えた固体撮像素子であって、 前記2つ以上の受光ラインのうち少なくとも2つは、互
    いに異なる受光特性を有することを特徴とする固体撮像
    素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の固体撮像素子におい
    て、 前記2つ以上の受光ラインのうち少なくとも2つは、前
    記一方向に隣り合う受光部どうしのピッチが互いに異な
    ることを特徴とする固体撮像素子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の固体撮像素子におい
    て、 前記2つ以上の受光ラインのうち少なくとも2つは、各
    受光部における光電変換の感度が互いに異なることを特
    徴とする固体撮像素子。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3の何れか1項に記
    載の固体撮像素子において、 前記2つ以上の受光ラインは、前記一方向に対し直交す
    る方向に沿って近接して配置され、前記一方向に細長い
    受光領域を形成することを特徴とする固体撮像素子。
  5. 【請求項5】 原稿に照明光を照射する照明手段と、 前記照明光が照射された前記原稿からの光を撮像する請
    求項1から請求項4の何れか1項に記載の固体撮像素子
    と、 前記固体撮像素子の前記受光ラインに対応する前記原稿
    上での撮像ラインと前記原稿とを、前記固体撮像素子の
    前記直交する方向に対応する副走査方向に沿って相対移
    動させる移動手段と、 少なくとも前記固体撮像素子と前記移動手段とを制御し
    て、前記原稿の二次元画像の読み取りを行う制御手段と
    を備え、 前記制御手段は、 前記二次元画像の読み取り条件に応じて、前記固体撮像
    素子の前記2つ以上の受光ラインのうち少なくとも1つ
    を選択する選択部と、 前記固体撮像素子の前記転送部を制御して、前記選択部
    によって選択された受光ラインの各受光部に蓄積された
    電荷を転送させる転送制御部とを有することを特徴とす
    る画像入力装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の画像入力装置におい
    て、 前記転送制御部は、前記選択部によって選択された受光
    ラインが2つ以上のとき、各受光部に蓄積された電荷を
    受光ラインごとに同時に転送させることを特徴とする画
    像入力装置。
  7. 【請求項7】 原稿に照明光を照射する照明手段と、 前記照明光が照射された前記原稿からの光を撮像する請
    求項4に記載の固体撮像素子と、 前記固体撮像素子の前記受光ラインに対応する前記原稿
    上での撮像ラインと前記原稿とを、前記固体撮像素子の
    前記直交する方向に対応する副走査方向に沿って相対移
    動させる移動手段と、 少なくとも前記固体撮像素子と前記移動手段とを制御し
    て、前記原稿の二次元画像の読み取りを行う制御手段と
    を備え、 前記制御手段は、 前記二次元画像の読み取り条件に応じて、前記固体撮像
    素子の前記2つ以上の受光ラインのうち少なくとも1つ
    を選択する選択部と、 前記固体撮像素子の前記転送部を制御して、前記選択部
    によって選択された受光ラインの各受光部に蓄積された
    電荷を転送させる転送制御部とを有し、 前記選択部は、前記二次元画像を最高の解像度で読み取
    る際に、近接して配置された2つ以上の受光ラインを選
    択し、 前記転送制御部は、前記選択部によって選択された受光
    ラインが2つ以上のとき、各受光部に蓄積された電荷を
    受光ラインごとに同時に転送させることを特徴とする画
    像入力装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の画像入力装置におい
    て、 前記制御手段は、前記移動手段を制御して、前記照明手
    段による前記照明光の照射後に前記撮像ラインと前記原
    稿とを前記副走査方向に沿って一定量だけ相対移動させ
    る移動制御部を有し、 前記移動制御部によって前記撮像ラインと前記原稿とが
    相対移動される前記一定量は、前記二次元画像を最高の
    解像度で読み取る際、前記選択部によって選択された2
    つ以上の受光ラインに対応する撮像領域の前記副走査方
    向に沿った長さ分に定められていることを特徴とする画
    像入力装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015041679A (ja) * 2013-08-21 2015-03-02 株式会社リコー 撮像素子、画像読取装置、画像形成装置及び画像読取方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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