JP2003244073A - 光送信機及び光通信システム - Google Patents

光送信機及び光通信システム

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JP2003244073A
JP2003244073A JP2002045099A JP2002045099A JP2003244073A JP 2003244073 A JP2003244073 A JP 2003244073A JP 2002045099 A JP2002045099 A JP 2002045099A JP 2002045099 A JP2002045099 A JP 2002045099A JP 2003244073 A JP2003244073 A JP 2003244073A
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Japan
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optical
light emitting
optical signal
emitting element
transmission
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JP2002045099A
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Hirotaka Omori
弘貴 大森
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝送距離が変化しても、送信先で受信される
光信号の波形の極端な劣化を防止することのできる光送
信機、及びそのような光送信機を含んで構成される光通
信システムを提供する。 【解決手段】 光送信機21は、光通信システム11の
送信元13で用いられ、入力された電気信号に応じて光
信号を出力し当該光信号を光通信システム11の送信先
15に送信するものであって、送信先15に送信するた
めの光信号を出力する発光素子23と、入力された電気
信号に応じて発光素子23を駆動するバイアス電流源2
5及び変調回路27と、送信元13と送信先15との間
の分散量に基づいて、発光素子23が出力する光信号の
パワーの最小値と最大値との差を変化させることにより
送信先15で受信される光信号の波形が所定の品質とな
るよう、バイアス電流源25及び変調回路27を制御す
るCPU37とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光信号を送信する
送信元にて用いられる光送信機、及びそのような光送信
機を含んで構成される光通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】波長分割多重(WDM)伝送システム
は、波長の異なる複数の光信号を多重化し光ファイバ等
の光伝送路で伝送することにより、高速且つ大容量の光
通信を行う光通信システムである。WDM伝送システム
では、ファイバカット等の光伝送路の障害や或いは送信
先の変更等によって送信元から送信先までの伝送ルート
が変更され、光信号の伝送距離が長くなることがある。
この伝送距離の長距離化は光信号の伝送損失の増加や波
形の劣化に繋がるため、伝送損失を補償することができ
るよう、光伝送路や送信先の光受信機等に光増幅器を設
けたり、また、波形が劣化しても的確な光信号のパワー
レベル判定(光信号のパワーの0レベルと1レベルの判
定)を維持することができるよう、送信先の光受信機に
パワーレベル判定回路を主系統及び予備系統といった形
で複数設けたりしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、伝送距
離がより長くなることによって光信号の波形が極端に劣
化すると、光増幅器で増幅しても送信先の光受信機で光
信号を受信することができないという問題や、光受信機
がパワーレベル判定回路を複数備えていても的確な光信
号のパワーレベル判定を維持することできないという問
題が生じる。
【0004】そこで、本発明は、このような事情に鑑み
てなされたものであり、伝送距離が変化しても、送信先
で受信される光信号の波形の極端な劣化を防止すること
のできる光送信機、及びそのような光送信機を含んで構
成される光通信システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る光送信機は、請求項1に記載するよう
に、光通信システムの送信元で用いられ、入力された電
気信号に応じて光信号を出力し当該光信号を光通信シス
テムの送信先に送信する光送信機であって、送信先に送
信するための光信号を出力する発光素子と、入力された
電気信号に応じて発光素子を駆動する駆動回路と、送信
元と送信先との間の分散量に基づいて、発光素子が出力
する光信号のパワーの最小値と最大値との差を変化させ
ることにより送信先で受信される光信号の波形が所定の
品質となるよう、駆動回路を制御する制御回路とを備え
る。
【0006】本発明に係る光送信機によれば、制御回路
が、送信元と送信先との間の分散量(分散値×伝送距
離)に基づいて駆動回路を制御し、発光素子が出力する
光信号のパワーの最小値と最大値との差(パワー差)を
変化させる。このとき、光信号のパワー差を小さくする
と、光信号のパワーの最小値と最大値とにおける光信号
の波長の差が小さくなるため、送信先で受信される光信
号の波形の歪みの程度が小さくなり、一方、光信号のパ
ワー差を大きくすると、送信先で受信される光信号の受
信感度が向上する。したがって、例えば、伝送距離が長
い場合には光信号のパワー差を小さくして波形の歪みを
抑え、一方、伝送距離が短い場合には光信号のパワー差
を大きくして受信感度を向上させるというように、伝送
距離が変化した場合であっても、送信先で受信される光
信号の受信感度とのバランスを図りつつ当該光信号の波
形を所定の品質とすることができ、送信先で受信される
光信号の波形の極端な劣化を防止することが可能とな
る。なお、光信号の波形の品質とは、光信号の波形の歪
みの程度を意味する。
【0007】このとき、本発明に係る光送信機において
は、請求項2に記載するように、駆動回路は、発光素子
にバイアス電流を供給するバイアス電流源と、入力され
た電気信号に応じて変調電流を出力し発光素子を直接変
調する変調回路とを含み、制御回路がバイアス電流源及
び変調回路のうち少なくとも変調回路を制御することに
より、発光素子が出力する光信号のパワーの最小値と最
大値との差を変化させることが好ましい。
【0008】これによれば、制御回路が変調回路を制御
し変調電流の最小値と最大値との差を変化させること
で、発光素子が出力する光信号のパワー差を変化させる
ことができる。このとき同時に、制御回路がバイアス電
流源を制御しバイアス電流値を変化させてもよい。発光
素子が出力する光信号のパワー差を小さくする場合に、
光送信機の消費電力を抑えることができると共に、光信
号のパワーの最小値と最大値とにおける光信号の波長が
共に長くなるため、送信先で受信される光信号の波形の
歪みの程度をより小さくすることができるからである。
【0009】なお、本発明に係る光送信機は、請求項3
に記載するように、発光素子が出力した光信号に対し、
送信元と送信先との間の分散量に応じた分散歪みを生じ
させる可変分散発生器と、分散歪みが生じた光信号の波
形を生成する光波形生成部とをさらに備え、制御回路
は、光波形生成部で生成された波形が所定の品質範囲内
であるか否かを所定の周期で判断し、品質範囲の下限を
下回っている場合には、発光素子が出力する光信号のパ
ワーの最小値と最大値との差が小さくなるよう制御し、
品質範囲の上限を上回っている場合には、発光素子が出
力する光信号のパワーの最小値と最大値との差が大きく
なるよう制御する構成を採ることができる。
【0010】これによれば、可変分散発生器が、発光素
子が出力した光信号に対し、送信元と送信先との間の分
散量に応じた分散歪みを生じさせることで、光波形生成
部では、送信先で受信される光信号の波形に相当する光
信号の波形が生成される。したがって、予め所定の品質
範囲を設定しておけば、制御回路が、光波形生成部で生
成された波形が所定の品質範囲内に収まるよう所定の周
期でフィードバック制御を行うため、例えば光信号のパ
ワー差を過剰に小さくすることによる送信先での受信感
度の劣化を防止しつつ、送信先で受信される光信号の波
形の極端な劣化を防止することができる。
【0011】また、本発明に係る光送信機は、請求項4
に記載するように、発光素子に印加する電流の最小値と
最大値とを分散量毎に記憶しているメモリをさらに備
え、制御回路は、送信元と送信先との間の分散量に対応
した、発光素子に印加する電流の最小値と最大値とをメ
モリから読み出し、発光素子に印加する電流の最小値と
最大値とがメモリから読み出した値となるよう制御する
構成を採ることもできる。
【0012】これによれば、送信元と送信先との伝送距
離に応じて、送信先で受信される光信号の受信感度との
バランスを図りつつ当該光信号の波形が所定の品質とな
るよう発光素子に印加(供給)する電流の最小値と最大
値とを求め、発光素子に印加する電流の最小値と最大値
とを分散量毎にメモリに記憶しておくことにより、制御
回路が、送信元と送信先との間の分散量に対応した、発
光素子に印加する電流の最小値と最大値とをメモリから
読み出し、発光素子に印加する電流の最小値と最大値と
がメモリから読み出した値となるよう制御するため、送
信先で受信される光信号の波形を所定の品質とすること
ができる。
【0013】ところで、上記請求項1〜4に係る光送信
機についての発明は、光通信システムの視点から捉える
と、以下のように記述することができる。これらは上記
光送信機の発明と同じ技術的思想に基づくものであり、
その解決手段も上記と同じ思想に基づくものである。
【0014】上記目的を達成するために、本発明に係る
光通信システムは、請求項5に記載するように、光信号
を送信する送信元と、光信号を受信する送信先と、送信
元から送信先まで光信号を伝送する光伝送路と、光信号
の送受信を監視する中央監視装置とを含んで構成される
光通信システムであって、送信元は、入力された電気信
号に応じて光信号を出力し当該光信号を送信先に送信す
る光送信機を備え、当該光送信機は、送信先に送信する
ための光信号を出力する発光素子と、入力された電気信
号に応じて発光素子を駆動する駆動回路と、送信元と送
信先との間の分散量に基づいて、発光素子が出力する光
信号のパワーの最小値と最大値との差を変化させること
により送信先で受信される光信号の波形が所定の品質と
なるよう、駆動回路を制御する制御回路とを備える。
【0015】このとき、発明に係る光通信システムの光
送信機においては、請求項6に記載するように、駆動回
路は、発光素子にバイアス電流を供給するバイアス電流
源と、入力された電気信号に応じて変調電流を出力し発
光素子を直接変調する変調回路とを含み、制御回路がバ
イアス電流源及び変調回路のうち少なくとも変調回路を
制御することにより、発光素子が出力する光信号のパワ
ーの最小値と最大値との差を変化させることが好まし
い。
【0016】なお、発明に係る光通信システムの光送信
機は、請求項7に記載するように、発光素子が出力した
光信号に対し、送信元と送信先との間の分散量に応じた
分散歪みを生じさせる可変分散発生器と、分散歪みが生
じた光信号の波形を生成する光波形生成部とをさらに備
え、制御回路は、光波形生成部で生成された波形が所定
の品質範囲内であるか否かを所定の周期で判断し、品質
範囲の下限を下回っている場合には、発光素子が出力す
る光信号のパワーの最小値と最大値との差が小さくなる
よう制御し、品質範囲の上限を上回っている場合には、
発光素子が出力する光信号のパワーの最小値と最大値と
の差が大きくなるよう制御する構成を採ることができ
る。
【0017】また、発明に係る光通信システムの光送信
機は、請求項8に記載するように、発光素子に印加する
電流の最小値と最大値とを分散量毎に記憶しているメモ
リをさらに備え、制御回路は、送信元と送信先との間の
分散量に対応した、発光素子に印加する電流の最小値と
最大値とをメモリから読み出し、発光素子に印加する電
流の最小値と最大値とがメモリから読み出した値となる
よう制御する構成を採ることもできる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明の好適な
実施形態について詳細に説明する。
【0019】まず、本実施形態の光通信システム11の
構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実
施形態の光通信システム11の構成を示す概念図であ
る。図示するように、光通信システム11は、光送信機
を用いて光信号を送信する送信元13と、光受信機を用
いて光信号を受信する送信先15と、リング状に形成さ
れ送信元13から送信先15まで光信号を伝送する光フ
ァイバ等である光伝送路17と、この光通信システム1
1における光信号の送受信を監視する中央監視装置19
とを含んで構成されている。
【0020】中央監視装置19は、光伝送路17におけ
るファイバカット等の障害の有無や光信号の輻輳状況等
を監視しており、送信元13に対しては、送信先15a
又は15bの指示及び光伝送路17における伝送ルート
の指示を行うと共に、当該伝送ルートの伝送距離に応じ
た分散量の通知を行う。例えば図1において、送信元1
3が時計回りの伝送ルートで送信先15aに光信号を送
信するよう指示されている場合に、当該伝送ルート上の
点Pにてファイバカットが生じると、中央監視装置19
は、送信元13に対して半時計回りの伝送ルートで送信
先15aに光信号を送信するよう指示すると共に当該伝
送ルートの分散量を通知する。
【0021】なお、本実施形態の光通信システム11で
は、説明の便宜上、光伝送路17をリング状としたが、
例えばメッシュ状としてもよい。また、送信元13と送
信先15との関係は、送信元13が光受信機をも備え且
つ送信先15が光送信機をも備えれば、双方向に光信号
の送受信を行い得る関係となることは言うまでもない。
【0022】次に、上述した送信元13で用いられる光
送信機21について、図2を参照して説明する。図2
は、本実施形態の光送信機21の構成を示すブロック図
である。光送信機21は、入力された電気信号に応じて
光信号を出力し当該光信号を送信先15に送信するもの
であって、図示するように、送信先15に送信するため
の光信号を出力する直接変調レーザダイオードである発
光素子23と、発光素子23を動作させるために発光素
子23にバイアス電流を供給するバイアス電流源25
と、入力された電気信号に応じて変調電流を出力し発光
素子23を直接変調する変調回路27とを備えている。
【0023】光送信機21はさらに、発光素子23が出
力した光信号を分岐して大部分の光信号を送信先15に
送信する光分岐器29と、光分岐器29が分岐した一部
分の光信号に対して送信元13と送信先15との間の分
散量に応じた分散歪みを生じさせる可変分散発生器31
と、分散歪みが生じた光信号の波形をアイパターンとし
て生成する光波形生成部33とを備えている。なお、発
光素子23の前面光を送信先15に送信し、背面光を可
変分散発生器31で用いるようにすれば、光分岐器29
を設けなくてもよい。
【0024】光送信機21はさらに、メモリ35を含ん
で構成されるCPU37を備えている。CPU37は、
例えば送信先15aから送信先15bへの変更による光
伝送路17における伝送ルートの変更に伴って、中央監
視装置19から当該伝送ルートの伝送距離に応じた分散
量の通知を受けると、当該分散量を可変分散発生器31
の分散量として設定する。これにより、光波形生成部3
3は、送信先15bで受信される光信号の波形に相当す
る光信号の波形をアイパターンとして生成することとな
る。CPU37は、光波形生成部33で生成されたアイ
パターンが所定の品質範囲内であるか否かを判断し、判
断結果に基づいてバイアス電流源25及び変調回路27
を制御する。CPU37は、この制御を所定の周期で行
い、上記アイパターンが所定の品質範囲内に収まるよう
フィードバック制御を行う(詳細については後述す
る)。
【0025】ここで、本実施形態における光信号の波形
の品質について、図3及び4を参照して説明する。図3
は、光波形生成部33で生成されたアイパターンが所定
の品質範囲の下限を下回っている場合を示す図であり、
図4は、光波形生成部33で生成されたアイパターンが
所定の品質範囲の上限を上回っている場合を示す図であ
る。図3のアイパターンは歪みが大きく、所定の品質範
囲の下限を示す下限マスク39に掛かってしまってい
る。一方、図4のアイパターンは歪んではいないが、所
定の品質範囲の上限を示す上限マスク41を超えてしま
っている。すなわち本実施形態では、CPU37は、ア
イパターンが下限マスク39を超え且つ上限マスク41
に掛かるようフィードバック制御を行う。なお、下限マ
スク39及び上限マスク41を示す情報は、予め設定さ
れメモリ35に記憶される。
【0026】次に、上記光送信機21の動作について、
図5を参照して説明する。図5は、本実施形態の光送信
機21の動作を示すフローチャートである。なお、本実
施形態では、送信元13が光伝送路17における時計回
りの伝送ルートで送信先15aに光信号を送信するよう
指示されている場合に、何らかの理由によって中央監視
装置19から、送信元13が光伝送路17における半時
計回りの伝送ルートで送信先15bに光通信を送信する
よう指示されると共に当該伝送ルートの分散量を通知さ
れたときの光送信機21の動作を例示する。
【0027】送信元13が中央監視装置19から伝送ル
ート及び送信先15bの指示並びに当該伝送ルートの分
散量の通知を受けると、光送信機21では、CPU37
が、通知された分散量を可変分散発生器31の分散量と
して設定する(ステップS501)。そして、可変分散
発生器31が、発光素子23が出力し光分岐器29が分
岐した一部分の光信号に対し、ステップS501で設定
された分散量に応じた分散歪みを生じさせ、光波形生成
部33が、分散歪みが生じた光信号の波形をアイパター
ンとして生成する。すなわち、送信先15bで受信され
る光信号の波形に相当する光信号の波形がアイパターン
として生成されることとなる。
【0028】続いてCPU37が、光波形生成部33で
生成されたアイパターンが所定の品質範囲の下限を下回
っているか否かを判断する(ステップS503)。この
判断は、上述したようにメモリ35が記憶している下限
マスク39にアイパターンが掛かっているか否かにより
行われ、図3に示すように掛かっていれば所定の品質範
囲の下限を下回っていることになり、掛かっていなけれ
ば所定の品質範囲の下限を上回っていることになる。
【0029】ステップS503の判断においてアイパタ
ーンが所定の品質範囲の下限を下回っている場合には、
CPU37が、バイアス電流源25を制御してバイアス
電流値を所定分だけ小さくすると共に、変調回路27を
制御して変調電流の最小値と最大値との差を所定分だけ
小さくして(ステップS505)、再びステップS50
3に戻る。このとき、発光素子23が出力する光信号の
パワー差はステップS505の制御によって小さくされ
ているため、可変分散発生器31を介して光波形生成部
33で生成されたアイパターンの歪みの程度は、前回の
判断時に比べて小さくなっている。
【0030】一方、ステップS503の判断においてア
イパターンが所定の品質範囲の下限を下回っていない場
合には、CPU37は、光波形生成部33で生成された
アイパターンが所定の品質範囲の上限を上回っているか
否かを判断する(ステップS507)。この判断は、上
述したようにメモリ35が記憶している上限マスク41
にアイパターンが掛かっているか否かにより行われ、図
4に示すように掛かっていなければ所定の品質範囲の上
限を上回っていることになり、掛かっていれば所定の品
質範囲の上限を下回っていることになる。
【0031】ステップS507の判断においてアイパタ
ーンが所定の品質範囲の上限を上回っている場合には、
CPU37が、バイアス電流源25を制御してバイアス
電流値を所定分だけ大きくすると共に、変調回路27を
制御して変調電流の最小値と最大値との差を所定分だけ
大きくして(ステップS509)、再びステップS50
3に戻る。このとき、発光素子23が出力する光信号の
パワー差はステップS509の制御によって大きくされ
ているため、可変分散発生器31を介して光波形生成部
33で生成されたアイパターンの歪みの程度は、前回の
判断時に比べて大きくなっている。
【0032】一方、ステップS507の判断においてア
イパターンが所定の品質範囲の上限を上回っていない場
合には、すなわちアイパターンが所定の品質範囲内であ
る場合であるから、CPU37は、バイアス電流源25
に対するバイアス電流値の変更制御、及び変調回路27
に対する変調電流の最小値と最大値との差の変更制御を
行わない。
【0033】このように、CPU37は、上述したステ
ップS503以降の制御を所定の周期で行い、可変分散
発生器31を介して光波形生成部33で生成されたアイ
パターンが所定の品質範囲内に収まるようフィードバッ
ク制御を行う。
【0034】なお、本実施形態では、発光素子23が出
力する光信号のパワー差を変化させるのに、CPU37
が変調回路27だけでなくバイアス電流源25の制御を
も行ったが、これは、発光素子23が出力する光信号の
パワー差を小さくする場合に、光送信機21の消費電力
を抑えることができると共に、光信号のパワーの最小値
と最大値とにおける光信号の波長差が小さくなるため、
送信先15bで受信される光信号の波形の歪みの程度を
より小さくすることができるからである。発光素子23
が出力する光信号のパワー差を変化させるのに、CPU
37が変調回路27のみを制御し、変調電流の最小値と
最大値との差のみを変化させてもよいことは言うまでも
ない。
【0035】以上説明したように本実施形態によれば、
光送信機21において、可変分散発生器31が、発光素
子23が出力した光信号に対し、中央監視装置19から
通知された分散量に応じた分散歪みを生じさせること
で、光波形生成部31では、送信先15bで受信される
光信号の波形に相当する光信号の波形が生成される。し
たがって、予め所定の品質範囲を設定し、下限マスク3
9及び上限マスク41を示す情報としてメモリ35に記
憶しておけば、CPU37が、光波形生成部33で生成
された波形が所定の品質範囲内に収まるよう所定の周期
でフィードバック制御を行うため、例えば光信号のパワ
ー差を過剰に小さくすることによる送信先15bでの受
信感度の劣化を防止しつつ、送信先15bで受信される
光信号の波形の極端な劣化を防止することができ、ひい
ては、送信先15bの光受信機において的確な光信号の
パワーレベル判定を行うことが可能となる。
【0036】以上、本発明の好適な実施形態について詳
細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない
ことはいうまでもない。
【0037】光送信機21において、メモリ35に、発
光素子23に印加する電流の最小値と最大値とを分散量
毎に記憶しておき、CPU37が、中央監視装置19か
ら分散量を通知された際に、当該分散量に対応した、発
光素子23に印加する電流の最小値と最大値とをメモリ
35から読み出し、発光素子23に印加する電流の最小
値と最大値とがメモリ35から読み出した値となるよう
バイアス電流源25及び変調回路27を制御する構成を
採ってもよい。
【0038】この構成によれば、送信元13と送信先1
5との伝送距離に応じて、送信先15で受信される光信
号の受信感度とのバランスを図りつつ当該光信号の波形
が所定の品質となるよう発光素子23に印加する電流の
最小値と最大値とを求め、発光素子23に印加する電流
の最小値と最大値とを分散量毎にメモリ35に記憶して
おくことにより、CPU37が、送信元13と送信先1
5との間の分散量に対応した、発光素子23に印加する
電流の最小値と最大値とをメモリ35から読み出し、発
光素子23に印加する電流の最小値と最大値とがメモリ
35から読み出した値となるよう制御するため、送信先
15で受信される光信号の波形を所定の品質とすること
ができる。また、光分岐器29、可変分散発生器31及
び光波形生成部33が不要となるため、光送信機21の
構成を簡略化することができる。
【0039】なお、光通信システム11は、WDM伝送
システムを始めとして種々の光通信システムに適用する
ことが可能である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、制
御回路が、送信元と送信先との間の分散量に基づいて駆
動回路を制御し、発光素子が出力する光信号のパワー差
を変化させる。このとき、光信号のパワー差を小さくす
ると、光信号のパワーの最小値と最大値とにおける光信
号の波長の差が小さくなるため、送信先で受信される光
信号の波形の歪みの程度が小さくなり、一方、光信号の
パワー差を大きくすると、送信先で受信される光信号の
受信感度が向上する。したがって、例えば、伝送距離が
長い場合には光信号のパワー差を小さくして波形の歪み
を抑え、一方、伝送距離が短い場合には光信号のパワー
差を大きくして受信感度を向上させるというように、伝
送距離が変化した場合であっても、送信先で受信される
光信号の受信感度とのバランスを図りつつ当該光信号の
波形を所定の品質とすることができ、送信先で受信され
る光信号の波形の極端な劣化を防止し、ひいては、送信
先の光受信機において的確な光信号のパワーレベル判定
を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の光通信システムの構成を示す概念
図である。
【図2】本実施形態の光送信機の構成を示すブロック図
である。
【図3】本実施形態の光送信機の光波形生成部で生成さ
れたアイパターンが所定の品質範囲の下限を下回ってい
る場合を示す図である。
【図4】本実施形態の光送信機の光波形生成部で生成さ
れたアイパターンが所定の品質範囲の上限を上回ってい
る場合を示す図である。
【図5】本実施形態の光送信機の動作を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
11…光通信システム、13…送信元、15a、15b
…送信先、21…光送信機、23…発光素子、25…バ
イアス電流源、27…変調回路、31…可変分散発生
器、33…光波形生成部、35…メモリ、37…CPU
(制御回路)、39…下限マスク、41…上限マスク。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光通信システムの送信元で用いられ、入
    力された電気信号に応じて光信号を出力し当該光信号を
    光通信システムの送信先に送信する光送信機であって、 前記送信先に送信するための光信号を出力する発光素子
    と、 入力された電気信号に応じて前記発光素子を駆動する駆
    動回路と、 前記送信元と前記送信先との間の分散量に基づいて、前
    記発光素子が出力する光信号のパワーの最小値と最大値
    との差を変化させることにより前記送信先で受信される
    光信号の波形が所定の品質となるよう、前記駆動回路を
    制御する制御回路と、 を備える光送信機。
  2. 【請求項2】 前記駆動回路は、 前記発光素子にバイアス電流を供給するバイアス電流源
    と、 入力された電気信号に応じて変調電流を出力し前記発光
    素子を直接変調する変調回路と、 を含み、 前記制御回路が前記バイアス電流源及び前記変調回路の
    うち少なくとも前記変調回路を制御することにより、前
    記発光素子が出力する光信号のパワーの最小値と最大値
    との差を変化させる、 ことを特徴とする請求項1に記載の光送信機。
  3. 【請求項3】 前記発光素子が出力した光信号に対し、
    前記送信元と前記送信先との間の分散量に応じた分散歪
    みを生じさせる可変分散発生器と、 前記分散歪みが生じた光信号の波形を生成する光波形生
    成部と、 をさらに備え、 前記制御回路は、前記光波形生成部で生成された波形が
    所定の品質範囲内であるか否かを所定の周期で判断し、
    前記品質範囲の下限を下回っている場合には、前記発光
    素子が出力する光信号のパワーの最小値と最大値との差
    が小さくなるよう制御し、前記品質範囲の上限を上回っ
    ている場合には、前記発光素子が出力する光信号のパワ
    ーの最小値と最大値との差が大きくなるよう制御する、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光送信機。
  4. 【請求項4】 前記発光素子に印加する電流の最小値と
    最大値とを分散量毎に記憶しているメモリをさらに備
    え、 前記制御回路は、前記送信元と前記送信先との間の分散
    量に対応した、前記発光素子に印加する電流の最小値と
    最大値とを前記メモリから読み出し、前記発光素子に印
    加する電流の最小値と最大値とが前記メモリから読み出
    した値となるよう制御する、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光送信機。
  5. 【請求項5】 光信号を送信する送信元と、光信号を受
    信する送信先と、前記送信元から前記送信先まで光信号
    を伝送する光伝送路と、光信号の送受信を監視する中央
    監視装置と、を含んで構成される光通信システムであっ
    て、 前記送信元は、入力された電気信号に応じて光信号を出
    力し当該光信号を前記送信先に送信する光送信機を備
    え、 当該光送信機は、 前記送信先に送信するための光信号を出力する発光素子
    と、 入力された電気信号に応じて前記発光素子を駆動する駆
    動回路と、 前記送信元と前記送信先との間の分散量に基づいて、前
    記発光素子が出力する光信号のパワーの最小値と最大値
    との差を変化させることにより前記送信先で受信される
    光信号の波形が所定の品質となるよう、前記駆動回路を
    制御する制御回路と、 を備える、 ことを特徴とする光通信システム。
  6. 【請求項6】 前記駆動回路は、 前記発光素子にバイアス電流を供給するバイアス電流源
    と、 入力された電気信号に応じて変調電流を出力し前記発光
    素子を直接変調する変調回路と、 を含み、 前記制御回路が前記バイアス電流源及び前記変調回路の
    うち少なくとも前記変調回路を制御することにより、前
    記発光素子が出力する光信号のパワーの最小値と最大値
    との差を変化させる、 ことを特徴とする請求項5に記載の光通信システム。
  7. 【請求項7】 前記光送信機は、 前記発光素子が出力した光信号に対し、前記送信元と前
    記送信先との間の分散量に応じた分散歪みを生じさせる
    可変分散発生器と、 前記分散歪みが生じた光信号の波形を生成する光波形生
    成部と、 をさらに備え、 前記制御回路は、前記光波形生成部で生成された波形が
    所定の品質範囲内であるか否かを所定の周期で判断し、
    前記品質範囲の下限を下回っている場合には、前記発光
    素子が出力する光信号のパワーの最小値と最大値との差
    が小さくなるよう制御し、前記品質範囲の上限を上回っ
    ている場合には、前記発光素子が出力する光信号のパワ
    ーの最小値と最大値との差が大きくなるよう制御する、 ことを特徴とする請求項5又は6に記載の光通信システ
    ム。
  8. 【請求項8】 前記光送信機は、前記発光素子に印加す
    る電流の最小値と最大値とを分散量毎に記憶しているメ
    モリをさらに備え、 前記制御回路は、前記送信元と前記送信先との間の分散
    量に対応した、前記発光素子に印加する電流の最小値と
    最大値とを前記メモリから読み出し、前記発光素子に印
    加する電流の最小値と最大値とが前記メモリから読み出
    した値となるよう制御する、 ことを特徴とする請求項5又は6に記載の光通信システ
    ム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007019858A (ja) * 2005-07-07 2007-01-25 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光波長多重信号送受信装置
JP2012060298A (ja) * 2010-09-07 2012-03-22 Nec Corp 光通信装置及び該光通信装置の消費電力制御方法

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