WO2022107333A1 - 光給電システム、受電側光通信装置及び電力供給方法 - Google Patents

Abstract

給電側光通信装置が、受電側光通信装置に対して給電用の光信号により電力の供給を行い、蓄電部が、供給される電力を蓄電し、給電側光通信装置のデータ制御部が、データ送受信部が送受信するデータの送受信に関するデータ送受信制御情報を給電用の光信号に対して重畳し、制御情報検出部が、給電用の光信号に重畳されているデータ送受信制御情報を検出し、電源制御部が、制御情報検出部が検出したデータ送受信制御情報と、データ記憶部が記憶するデータとに基づいて、光送受信部及び外部送受信部におけるデータの送信と受信の有無を検出し、検出したデータの送信と受信の有無にしたがって、光送受信部、または、外部送受信部に対して蓄電部が蓄電する電力を供給する。

Description

光給電システム、受電側光通信装置及び電力供給方法

　本発明は、光給電システム、受電側光通信装置及び電力供給方法に関する。

　従来の光給電システムとして、図５に示す構成が提案されている（例えば、特許文献１参照）。図５は、従来の光給電システムを説明するための図である。なお、図５では、特許文献１の図２を引用している。図５に示す光給電システムは、親機１２０と３台の子機１２７－１、１２７－２、１２７－３を備えている。親機１２０と、子機１２７－１～１２７－３は、光ファイバ１２５と光分岐器１２６を介してスター状に接続されている。親機１２０は、波長λｐの光を出射する給電用レーザ光源１２１、波長λｄの光を出射する下り通信用光送信機１２２及び波長λｕの光を受光する上り通信用光受信機１２３を備える。波長λｐ，λｄ，λｕの光は、波長合分波器１２４によって合波及び分波される。

　子機１２７－１～１２７－３の各々は、波長λｐの光を受光する給電光受光器１２９－１～１２９－３、波長λｄの光を受光する下り通信用光受信機１３０－１～１３０－３及び波長λｕの光を出射する上り通信用光送信機１３１－１～１３１－３を備える。波長λｐ，λｄ，λｕの光は、波長合分波器１２８－１～１２８－３によって合波及び分波される。

　親機１２０が送信する波長λｄの下り通信信号１３２は一定時間幅の時間フレーム１３４の繰り返しで構成されている。各時間フレーム中には、子機識別情報１３３が含まれている。波長λｕの上り通信信号１３５は、上り通信用光送信機１３１－１～１３１－３の各々が出射する波長λｕの光の通信信号が光分岐器１２６により結合された信号である。上り通信信号１３５の時間幅は、各子機１２７－１～１２７－３の通信量に応じた時間幅になっている。

　特許文献１の光給電システムでは、子機１２７－１～１２７－３の各々が備える給電光受光器１２９－１～１２９－３が、親機１２０が備える給電用レーザ光源１２１が出力する給電光を受信することにより、子機１２７－１～１２７－３は、親機１２０から電力の供給を受けることができる。

　親機１２０が送信する波長λｄの下り通信信号１３２は一定時間幅の時間フレーム１３４の繰り返しで構成されており、各時間フレーム１３４が子機１２７－１～１２７－３の各々に割り当てられている。そのため、子機１２７－１～１２７－３の各々は、自機に対応する子機識別情報１３３を含む時間フレーム１３４を受信する時間だけ動作状態になり、他の時間は非動作状態に移行する。これにより、子機１２７－１～１２７－３において下り通信の待ち受けを不要にすることができるので、子機１２７－１～１２７－３における電力消費量を低減することができる。

特開２０１７－９８６４３号公報

　しかしながら、特許文献１における光給電システムでは、子機１２７－１～１２７－３が、一定の周期、すなわち一定時間幅の時間フレーム１３４×Ｎの間隔で必ず起動する必要があるので、送受信するデータの有無に関わらず一定の周期で電力を消費してしまう（ここで、Ｎは、子機１２７－１～１２７－３の台数である）。そのため、子機１２７－１～１２７－３における蓄電量が、起動やデータ処理に必要な電力量に満たない場合、電力不足のために、子機１２７－１～１２７－３の各々は、親機１２０から受信する下り通信信号１３２や、親機１２０に送信する上り通信信号１３５を処理することができず破棄してしまう可能があるという問題がある。

　上記事情に鑑み、本発明は、光によって給電する光通信システムにおいて、送受信するデータが存在しない場合に必要のない起動や動作により電力が消費されてしまわないようにすることができる技術の提供を目的としている。

　本発明の一態様は、給電用の光信号を送信する光給電部と、データの光信号を送受信するデータ送受信部と、前記データ送受信部が送受信するデータの送受信に関するデータ送受信制御情報を前記給電用の光信号に対して重畳するデータ制御部と、を有する給電側光通信装置と、前記光給電部が送信する前記給電用の光信号より得られる電力を蓄電する蓄電部と、前記給電用の光信号に重畳されている前記データ送受信制御情報を検出する制御情報検出部と、前記データ送受信部との間で前記データの光信号を送受信する光送受信部と、外部装置との間で前記データを送受信する外部送受信部と、前記給電側光通信装置、または、前記外部装置に送信されなかったデータを記憶するデータ記憶部と、前記制御情報検出部が検出した前記データ送受信制御情報と、前記データ記憶部が記憶するデータとに基づいて、前記光送受信部及び前記外部送受信部における前記データの送信と受信の有無を検出し、検出した前記データの送信と受信の有無にしたがって、前記光送受信部、または、前記外部送受信部に対して前記蓄電部が蓄電する電力を供給する電源制御部と、を有する受電側光通信装置と、を備える光給電システムである。

　本発明の一態様は、給電用の光信号を送信する光給電部と、データの光信号を送受信するデータ送受信部と、前記データ送受信部が送受信するデータの送受信に関するデータ送受信制御情報を前記給電用の光信号に対して重畳するデータ制御部と、を備える給電側光通信装置に接続する受電側光通信装置であって、前記給電用の光信号より得られる電力を蓄電する蓄電部と、前記給電用の光信号に重畳されている前記データ送受信制御情報を検出する制御情報検出部と、前記データ送受信部との間で前記データの光信号を送受信する光送受信部と、外部装置との間で前記データを送受信する外部送受信部と、前記給電側光通信装置、または、前記外部装置に送信されなかったデータを記憶するデータ記憶部と、前記制御情報検出部が検出した前記データ送受信制御情報と、前記データ記憶部が記憶するデータとに基づいて、前記光送受信部及び前記外部送受信部における前記データの送信と受信の有無を検出し、検出した前記データの送信と受信の有無にしたがって、前記光送受信部、または、前記外部送受信部に対して前記蓄電部が蓄電する電力を供給する電源制御部と、を備える受電側光通信装置である。

　本発明の一態様は、給電側光通信装置と、受電側光通信装置とを備える光給電システムにおける電力供給方法であって、前記給電側光通信装置が、前記受電側光通信装置に対して給電用の光信号により電力の供給を行い、前記受電側光通信装置の蓄電部が、供給される前記電力を蓄電し、前記給電側光通信装置のデータ送受信部と、前記受電側光通信装置の光送受信部とが、データの光信号を送受信し、前記受電側光通信装置の外部送受信部と、外部装置とが、前記データを送受信し、前記受電側光通信装置のデータ記憶部に、前記給電側光通信装置、または、前記外部装置に送信されなかったデータを記録し、前記給電側光通信装置のデータ制御部が、前記データ送受信部が送受信するデータの送受信に関するデータ送受信制御情報を前記給電用の光信号に対して重畳し、前記受電側光通信装置の制御情報検出部が、前記給電用の光信号に重畳されている前記データ送受信制御情報を検出し、前記受電側光通信装置の電源制御部が、前記制御情報検出部が検出した前記データ送受信制御情報と、前記データ記憶部が記憶するデータとに基づいて、前記光送受信部及び前記外部送受信部における前記データの送信と受信の有無を検出し、検出した前記データの送信と受信の有無にしたがって、前記光送受信部、または、前記外部送受信部に対して前記蓄電部が蓄電する電力を供給する光給電システムにおける電力供給方法である。

　この発明によれば、光によって給電する光通信システムにおいて、送受信するデータが存在しない場合に必要のない起動や動作により電力が消費されてしまわないようにすることが可能になる。

第１の実施形態における光給電システムの構成を示すブロック図である。 第１の実施形態における受電側光通信装置による処理の流れを示すフローチャートである。 第２の実施形態における光給電システムの構成を示すブロック図である。 第２の実施形態における受電側光通信装置による処理の流れを示すフローチャートである。 従来の光給電システムを説明するための図である。

（第１の実施形態）
　以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図１は、第１の実施形態における光給電システム１の構成を示すブロック図である。光給電システム１は、給電側光通信装置１０と、受電側光通信装置２０と、外部装置４０と、給電側光通信装置１０と受電側光通信装置２０とを接続する２つの光ファイバ３０，３１とを備える。

　給電側光通信装置１０は、例えば、ＯＬＴ(Optical Line Terminal)である。給電側光通信装置１０は、データ送受信部１１と、光給電部１２と、データ制御部１３とを備える。データ送受信部１１は、例えば、光トランシーバであり、内部にデータ送信用の光を出射する光源を備える。データ送受信部１１は、内部に備える光源が出射する光をデータ制御部１３から与えられるデータの電気信号に基づいて変調することによりデータの光信号に変換し、変換したデータの光信号を光ファイバ３０に送出する。データ送受信部１１は、例えば、内部にフォトディテクタ等のＯ／Ｅ（Optical/Electrical）変換器を備えている。データ送受信部１１は、光ファイバ３０を通じて受信するデータの光信号を受信し、受信したデータの光信号をＯ／Ｅ変換器により電気信号に変換してデータ制御部１３に出力する。

　データ制御部１３は、受電側光通信装置２０に送信するデータを外部から取り込む。データ制御部１３は、取り込んだデータから電気信号のデータを生成し、生成した電気信号のデータを任意に定める送信タイミングにしたがってデータ送受信部１１に出力する。データ制御部１３は、データ送受信部１１が出力する電気信号のデータを、任意に定める受信タイミングにしたがって取り込み、取り込んだデータを外部に出力する。データ制御部１３は、任意に定めるタイミングで、送信予定のデータの量を示す送信予定データ量と、受信することができるデータの量を示す受信可能データ量と、データの送受信のタイミングを示す送受信タイミング情報とを含むデータ送受信制御情報を生成し、生成したデータ送受信制御情報を光給電部１２に出力する。

　ここで、送信予定データ量及び受信可能データ量は、「０」、または、正の数値である。送信予定データ量が「０」である場合、給電側光通信装置１０が送信するデータが存在しないことを意味しており、「０」以外の値である場合、当該値のデータ量のデータを給電側光通信装置１０が送信する予定であることを意味する。受信可能データ量が「０」である場合、給電側光通信装置１０がデータを受信しないことを意味しており、「０」以外の値である場合、当該値のデータ量のデータを給電側光通信装置１０が受信できることを意味する。

　光給電部１２は、内部に給電用の光を出射する光源を備えており、当該光源により給電用の光信号を生成して光ファイバ３１に送出する。光給電部１２は、データ制御部１３が出力するデータ送受信制御情報を取り込んだ場合、給電用の光信号にデータ送受信制御情報を重畳して光ファイバ３１に送出する。

　外部装置４０は、例えば、ＩｏＴ（Internet of Things）センサなどのセンサノードである。外部装置４０は、無線又は有線の通信手段により受電側光通信装置２０に接続する。外部装置４０は、例えば、内部に備えるセンサによって計測したデータを予め定められる一定の周期で受電側光通信装置２０に送信する。外部装置４０は、受電側光通信装置２０が送信するデータを受信する。なお、外部装置４０は、複数台存在していてもよく、この場合、複数の外部装置４０が、無線又は有線の通信手段により受電側光通信装置２０に接続する。

　受電側光通信装置２０は、例えば、ＯＮＵ(Optical Network Unit)である。受電側光通信装置２０は、光送受信部２１、光受電部２２、蓄電部２３、制御情報検出部２４、外部送受信部２５、データ記憶部２６及び電源制御部２７を備える。

　光送受信部２１は、例えば、光トランシーバであり、内部にデータ送信用の光を出射する光源を備える。光送受信部２１は、内部に備える光源が出射する光をデータ記憶部２６から読み出すデータの電気信号に基づいて変調することによりデータの光信号に変換し、変換したデータの光信号を光ファイバ３０に送出する。光送受信部２１は、例えば、内部にフォトディテクタ等のＯ／Ｅ変換器を備えており、光ファイバ３０を通じて受信するデータの光信号を受信し、受信したデータの光信号を、当該Ｏ／Ｅ変換器により電気信号に変換して外部送受信部２５に出力する。

　光受電部２２は、例えば、Ｏ／Ｅ変換器であり、光ファイバ３１を通じて受信する給電用の光信号を受信し、受信した給電用の光信号を電気信号に変換する。光受電部２２は、変換した電気信号を蓄電部２３に出力する。

　蓄電部２３は、例えば、バッテリーであり、光受電部２２が出力する電気信号に基づいて充電処理を行い、当該電気信号の電力を蓄電する。蓄電部２３は、光受電部２２、制御情報検出部２４、データ記憶部２６及び電源制御部２７に対して動作に必要な電力を供給する。制御情報検出部２４は、光受電部２２が変換した給電用の電気信号に重畳されているデータ送受信制御情報を検出する。

　外部送受信部２５は、無線、または、有線の通信手段により外部装置４０に接続する。外部送受信部２５が無線の通信手段により外部装置４０に接続する場合、例えば、外部送受信部２５としてＷｉ－Ｆｉモジュール（Ｗｉ－Ｆｉは登録商標）などが適用される。外部送受信部２５は、外部装置４０が予め定められる一定の周期で送信するデータを受信し、受信したデータをデータ記憶部２６に書き込んで記憶させる。外部送受信部２５は、光送受信部２１が出力するデータを取り込み、取り込んだデータを外部装置４０に送信する。外部送受信部２５は、データ記憶部２６が外部装置４０に送信するデータを記憶している場合、当該データをデータ記憶部２６から読み出し、読み出したデータを外部装置４０に送信する。

　データ記憶部２６は、外部送受信部２５が外部装置４０から受信したデータを上り方向のデータとして記憶する。データ記憶部２６は、光送受信部２１が外部送受信部２５に出力しなかったデータを下り方向のデータとして記憶する。ここで、上り方向のデータとは、受電側光通信装置２０が外部装置４０から受信して給電側光通信装置１０に送信するデータであり、下り方向のデータとは、受電側光通信装置２０が給電側光通信装置１０から受信して外部装置４０に送信するデータである。なお、上り方向のデータの中には、受電側光通信装置２０が外部装置４０から受信し、給電側光通信装置１０に送信しないデータ、下り方向のデータの中には、受電側光通信装置２０が給電側光通信装置１０から受信し、外部装置４０に送信しないデータが含まれており、これらの送信しないデータは、受電側光通信装置２０における制御処理などに用いられ、データ記憶部２６から消去されることになる。

　電源制御部２７は、光送受信部２１が送受信するデータの有無を検出し、送受信するデータが存在する場合、当該データを送受信するタイミングで、蓄電部２３が蓄電している電力を光送受信部２１に供給する。電源制御部２７は、外部送受信部２５が送信するデータの有無を検出し、送信するデータが存在する場合、当該データを送信するタイミングで、蓄電部２３が蓄電している電力を外部送受信部２５に供給する。電源制御部２７は、外部送受信部２５が外部装置４０からデータを受信する一定の周期のタイミングを示す情報を予め内部の記憶領域に記憶させており、当該一定の周期で蓄電部２３が蓄電している電力を外部送受信部２５に供給する。

　なお、光給電システム１では、１本の光ファイバ３０によって、給電側光通信装置１０が送信して受電側光通信装置２０が受信する下り方向の光信号と、受電側光通信装置２０が送信して給電側光通信装置１０が受信する上り方向の光信号とを伝送させている。そのため、光ファイバ３０において、下り方向の光信号と、上り方向の光信号とが干渉しないように、データ送受信部１１が内部に備える光源と、光送受信部２１が内部に備える光源とは、それぞれ異なる波長の光を出射するようになっている。データ送受信部１１及び光送受信部２１は、これらの異なる波長を合波及び分波する光合分波器を内部に備えている。

　例えば、外部送受信部２５と外部装置４０とが無線の通信手段により接続する構成の場合に、無線環境が良好でないために接続することができず、外部送受信部２５がデータを外部装置４０に送信することができないような状態や、例えば、外部装置４０の処理負荷の軽減のために、外部装置４０がデータを受信する処理よりも外部装置４０がデータを送信する処理を優先しており、外部送受信部２５が外部装置４０からデータを受信している間、外部装置４０にデータを送信する処理を保留するという状態も想定される。このような状態の場合、光送受信部２１は、外部送受信部２５にデータを出力せず、当該データを下り方向のデータとしてデータ記憶部２６に書き込んで記憶させる。

　外部送受信部２５がデータを外部装置４０に送信できない状態の検出は、例えば、外部送受信部２５が内部の記憶領域に外部装置４０との接続状態を示すフラグを有しており、外部装置４０にデータが送信できる状態のときには、フラグを「１」にし、外部装置４０にデータが送信できない状態のときには、フラグを「０」にする。光送受信部２１は、外部送受信部２５にデータを出力する前に、当該フラグを参照し、外部送受信部２５にデータを出力するか、外部送受信部２５にデータを出力せずにデータ記憶部２６に書き込んで記憶させるかを判定する。

（第１の実施形態の光給電システムにおける電力供給処理）
　図２は、受電側光通信装置２０の動作を示したフローチャートであり、当該フローチャートを参照しつつ、光給電システム１における電力供給処理について説明する。

　図２のフローチャートの処理と並行して、光給電システム１では、以下の処理が繰り返し継続して行われている。給電側光通信装置１０の光給電部１２は、給電用の光信号を生成し、生成した給電用の光信号を、光ファイバ３１を通じて受電側光通信装置２０に送信する。データ制御部１３は、任意に定めるタイミングでデータ送受信制御情報を生成し、生成したデータ送受信制御情報を光給電部１２に出力する。光給電部１２は、データ制御部１３からデータ送受信制御情報を受けると、受けたデータ送受信制御情報を給電用の光信号に重畳して送信する。

　受電側光通信装置２０の光受電部２２は、光ファイバ３１を通じて給電用の光信号を受信すると、受信した給電用の光信号を電気信号に変換し、変換した電気信号を蓄電部２３に出力する。蓄電部２３は、光受電部２２が出力する電気信号に基づいて充電処理を行い、当該電気信号の電力を蓄電する。

　外部装置４０は、内部に備えるセンサによって計測したデータを、予め定められる一定の周期で受電側光通信装置２０に送信する。そのため、受電側光通信装置２０の電源制御部２７は、当該一定の周期で、蓄電部２３が蓄電する電力を外部送受信部２５に供給する。これにより、受電側光通信装置２０の外部送受信部２５は、外部装置４０が送信するデータを受信することができ、受信したデータを上り方向のデータとしてデータ記憶部２６に書き込んで記憶させる。

　以下、図２のフローチャートにしたがって処理の流れについて説明する。受電側光通信装置２０の制御情報検出部２４は、光受電部２２が出力する電気信号に対してデータ送受信制御情報の検出処理を行い（ステップＳ１）、電気信号にデータ送受信制御情報が重畳されているか否かを判定する（ステップＳ２）。制御情報検出部２４は、光受電部２２が出力する電気信号にデータ送受信制御情報が重畳されていないと判定した場合（ステップＳ２、Ｎｏ）、再びステップＳ１の処理を行う。

　一方、制御情報検出部２４は、光受電部２２が出力する電気信号にデータ送受信制御情報が重畳されていると判定した場合（ステップＳ２、Ｙｅｓ）、電気信号に重畳されているデータ送受信制御情報を読み出し、読み出したデータ送受信制御情報を電源制御部２７に出力する。

　電源制御部２７は、制御情報検出部２４が出力するデータ送受信制御情報を取り込むと、取り込んだデータ送受信制御情報に含まれている送信予定データ量と、受信可能データ量と、送受信タイミング情報とを読み出す（ステップＳ３）。

　電源制御部２７は、光送受信部２１が送信するデータの有無を検出する。具体的には、まず、電源制御部２７は、データ記憶部２６が上り方向のデータを記憶しているか否かを判定する。電源制御部２７は、データ記憶部２６に上り方向のデータが存在する場合、受信可能データ量が「０」でないか否かを判定し、受信可能データ量が「０」でない場合、光送受信部２１が送信するデータが存在すると判定する。電源制御部２７は、データ記憶部２６に上り方向のデータが存在しない場合、または、データ記憶部２６に上り方向のデータが存在する場合であっても、データ送受信部１１がデータを受信することができない状態である受信可能データ量が「０」である場合、光送受信部２１は、送信するデータが存在しないと判定する（ステップＳ４）。

　電源制御部２７は、光送受信部２１が受信するデータの有無を検出する。具体的には、電源制御部２７は、送信予定データ量が「０」でないか否かを判定し、送信予定データ量が「０」でない場合、光送受信部２１が受信するデータが存在すると判定する。電源制御部２７は、送信予定データ量が「０」である場合、光送受信部２１が受信するデータが存在しないと判定する（ステップＳ５）。

　電源制御部２７は、外部送受信部２５が送信するデータの有無を検出する。具体的には、電源制御部２７は、データ記憶部２６が下り方向のデータを記憶しているか否か、または、送信予定データ量が「０」でないか否かを判定し、データ記憶部２６が下り方向のデータを記憶している場合、または、送信予定データ量が「０」でない場合、外部送受信部２５が送信するデータが存在すると判定する。電源制御部２７は、データ記憶部２６が下り方向のデータを記憶しておらず、かつ送信予定データ量が「０」である場合、外部送受信部２５が送信するデータが存在しないと判定する（ステップＳ６）。

　電源制御部２７は、光送受信部２１が送信するデータが存在することを検出した場合、データ送受信制御情報から読み出した送受信タイミング情報が示す給電側光通信装置１０が受信可能になるタイミングで、光送受信部２１に蓄電部２３が蓄電する電力を供給する。電源制御部２７は、光送受信部２１が受信するデータが存在することを検出した場合、データ送受信制御情報から読み出した送受信タイミング情報が示す給電側光通信装置１０の送信予定のタイミングで、光送受信部２１に蓄電部２３が蓄電する電力を供給する。電源制御部２７は、外部送受信部２５が送信するデータが存在することを検出した場合、データ送受信制御情報から読み出した送受信タイミング情報が示す給電側光通信装置１０の送信予定のタイミングで、外部送受信部２５に蓄電部２３が蓄電する電力を供給する（ステップＳ７）。なお、データ記憶部２６が下り方向のデータを記憶しているが、送信予定データ量が「０」である場合、電源制御部２７は、任意のタイミングで、外部送受信部２５に蓄電部２３が蓄電する電力を供給するようにしてもよい。

　これにより、光送受信部２１は、送受信タイミング情報が示す給電側光通信装置１０が受信可能になるタイミングにおいて起動し、データ記憶部２６が記憶する上り方向のデータを読み出し、読み出したデータをデータ送受信部１１に送信する。

　光送受信部２１及び外部送受信部２５は、送受信タイミング情報が示す給電側光通信装置１０の送信予定のタイミングにおいて起動し、光送受信部２１は、データ送受信部１１が送信するデータを受信し、受信したデータを外部送受信部２５に出力する。外部送受信部２５は、光送受信部２１が出力するデータを取り込み、取り込んだデータを外部装置４０に送信する。データ記憶部２６が下り方向のデータを記憶している場合には、外部送受信部２５は、データ記憶部２６から下り方向のデータを読み出し、読み出したデータを外部装置４０に送信する。なお、外部送受信部２５がデータを外部装置４０に送信できない状態になっている場合、光送受信部２１は、外部送受信部２５にデータを出力せず、当該データを下り方向のデータとしてデータ記憶部２６に書き込んで記憶させ、外部送受信部２５は、データ記憶部２６から下り方向のデータを読み出さずに、記憶させたままにしておく。

　上記の第１の実施形態の構成において、給電側光通信装置１０は、受電側光通信装置２０に対して給電用の光信号により電力の供給を行い、蓄電部２３は、供給される電力を蓄電する。データ送受信部１１と、光送受信部２１とが、データの光信号を送受信する。外部送受信部２５と、外部装置４０とが、データを送受信する。データ記憶部２６は、給電側光通信装置１０、または、外部装置４０に送信されなかったデータを記憶する。データ制御部１３は、データ送受信部１１が送受信するデータの送受信に関するデータ送受信制御情報を生成し、生成したデータ送受信制御情報を給電用の光信号に対して重畳する。制御情報検出部２４は、給電用の光信号に重畳されているデータ送受信制御情報を検出する。電源制御部２７は、制御情報検出部２４が検出したデータ送受信制御情報と、データ記憶部２６が記憶するデータとに基づいて、光送受信部２１及び外部送受信部２５におけるデータの送信と受信の有無を検出し、検出したデータの送信と受信の有無にしたがって、光送受信部２１、または、外部送受信部２５に対して蓄電部２３が蓄電する電力を供給する。

　これにより、電源制御部２７は、光送受信部２１及び外部送受信部２５の各々に対して、送受信するデータが存在する場合のみ電力の供給を行う。そのため、送受信するデータが存在しない場合に必要のない起動や動作により電力が消費されてしまわないようにすることができ、蓄電部２３に蓄電された電力を効率よく利用することが可能になる。

　なお、図２の処理において、電源制御部２７は、ステップＳ４とステップＳ５ステップＳ６の処理の順番を任意の順番に入れ替えて処理を行うようにしてもよい。

（第２の実施形態）
　第１の実施形態の光給電システム１では、光送受信部２１においてデータを送信する構成と、データを受信する構成とを一体として備えていた。外部送受信部２５においてデータを送信する構成と、データを受信する構成とを一体として備えていた。そのため、例えば、光送受信部２１において、送信するデータが存在しているが、受信するデータが存在していない場合、または、受信するデータが存在するが、送信するデータが存在していない場合であっても、電源制御部２７は、光送受信部２１に対して起動及び動作に必要な電力を供給する必要があった。外部送受信部２５において、送信するデータが存在しているが、受信するデータが存在していない場合、または、受信するデータが存在するが、送信するデータが存在していない場合であっても、電源制御部２７は、外部送受信部２５に対して起動及び動作に必要な電力を供給する必要があった。

　第２の実施形態の光給電システム１ａは、光送受信部２１及び外部送受信部２５において、データを送信する構成と、データを受信する構成とを分離し、送信と受信のタイミングに応じて、より適切な電力を供給する構成を有する。図３は、第２の実施形態の光給電システム１ａの構成を示すブロック図である。光給電システム１ａにおいて、第１の実施形態の光給電システム１と同一の構成については、同一の符号を付し、以下、異なる構成について説明する。

　光給電システム１ａは、給電側光通信装置１０と、受電側光通信装置２０ａと、外部装置４０と、給電側光通信装置１０と受電側光通信装置２０ａとを接続する２つの光ファイバ３０，３１とを備える。

　受電側光通信装置２０ａは、例えば、ＯＮＵであり、光送受信部２１ａ、光受電部２２、蓄電部２３、制御情報検出部２４、外部送受信部２５ａ、データ記憶部２６及び電源制御部２７ａを備える。

　光送受信部２１ａは、光送信部２１Ｔ、光受信部２１Ｒ及び光合分波器２８を備える。光送信部２１Ｔは、例えば、光トランシーバの送信部分の構成に相当し、内部にデータ送信用の光を出射する光源を備える。光送信部２１Ｔは、内部に備える光源が出射する光をデータ記憶部２６から読み出す上り方向のデータの電気信号に基づいて変調することによりデータの光信号に変換し、変換したデータの光信号を、光合分波器２８を介して光ファイバ３０に送出する。光受信部２１Ｒは、例えば、光トランシーバの受信部分の構成に相当し、内部にフォトディテクタ等のＯ／Ｅ変換器を備える。光受信部２１Ｒは、光ファイバ３０と光合分波器２８を通じて受信するデータの光信号を受信し、受信したデータの光信号を、当該Ｏ／Ｅ変換器により電気信号に変換して外部送信部２５Ｔに出力する。

　なお、光給電システム１ａでは、１本の光ファイバ３０によって、給電側光通信装置１０が送信して受電側光通信装置２０ａが受信する下り方向の光信号と、受電側光通信装置２０ａが送信して給電側光通信装置１０が受信する上り方向の光信号とを伝送させている。そのため、光ファイバ３０において、下り方向の光信号と、上り方向の光信号とが干渉しないように、データ送受信部１１が内部に備える光源と、光送信部２１Ｔが内部に備える光源とは、それぞれ異なる波長の光を出射するようになっている。データ送受信部１１は、これらの異なる波長を合波及び分波する光合分波器を内部に備えている。光送受信部２１ａは、光ファイバ３０と、光送信部２１Ｔ及び光受信部２１Ｒとの間に、これらの異なる波長を合波及び分波する光合分波器２８を備えている。

　外部送受信部２５ａは、外部送信部２５Ｔと、外部受信部２５Ｒとを備える。外部送信部２５Ｔと外部受信部２５Ｒは、無線、または、有線の通信手段により外部装置４０に接続する。外部送信部２５Ｔと外部受信部２５Ｒが無線の通信手段により外部装置４０に接続する場合、例えば、外部送信部２５ＴとしてＷｉ－Ｆｉモジュールの送信部分などが適用され、外部受信部２５ＲとしてＷｉ－Ｆｉモジュールの受信部分などが適用される。外部送信部２５Ｔは、光受信部２１Ｒが出力するデータを取り込み、取り込んだデータを外部装置４０に送信する。外部送信部２５Ｔは、データ記憶部２６が下り方向のデータを記憶している場合、当該データをデータ記憶部２６から読み出し、読み出したデータを外部装置４０に送信する。外部受信部２５Ｒは、外部装置４０が予め定められる一定の周期で送信するデータを受信し、受信したデータをデータ記憶部２６に書き込んで記憶させる。

　電源制御部２７ａは、光送信部２１Ｔが送信するデータの有無を検出し、送信するデータが存在する場合、当該データを送信するタイミングで、蓄電部２３が蓄電している電力を光送信部２１Ｔに供給する。電源制御部２７ａは、光受信部２１Ｒが受信するデータの有無を検出し、受信するデータが存在する場合、当該データを受信するタイミングで、蓄電部２３が蓄電している電力を光受信部２１Ｒに供給する。

　電源制御部２７ａは、外部送信部２５Ｔが送信するデータの有無を検出し、送信するデータが存在する場合、当該データを送信するタイミングで、蓄電部２３が蓄電している電力を外部送信部２５Ｔに供給する。電源制御部２７ａは、外部受信部２５Ｒが外部装置４０からデータを送信する一定の周期のタイミングを示す情報を予め内部の記憶領域に記憶させており、当該一定の周期で蓄電部２３が蓄電している電力を外部受信部２５Ｒに供給する。

　なお、例えば、外部送信部２５Ｔと外部装置４０とが無線により接続する構成の場合に、無線環境が良好でないために接続することができず、外部送信部２５Ｔがデータを外部装置４０に送信することができないような状態や、例えば、外部装置４０の処理負荷の軽減のために、外部装置４０がデータを受信する処理よりも外部装置４０がデータを送信する処理を優先しており、外部送受信部２５ａにおいて、外部受信部２５Ｒが外部装置４０からデータを受信している間、外部送信部２５Ｔが外部装置４０にデータを送信する処理を保留するという状態も想定される。このような状態の場合、光受信部２１Ｒは、外部送信部２５Ｔにデータを出力せず、当該データを下り方向のデータとしてデータ記憶部２６に書き込んで記憶させる。

　外部送信部２５Ｔがデータを外部装置４０に送信できない状態の検出は、例えば、外部送信部２５Ｔが内部の記憶領域に外部装置４０との接続状態を示すフラグを有しており、外部装置４０にデータが送信できる状態のときには、フラグを「１」にし、外部装置４０にデータが送信できない状態のときには、フラグを「０」にする。光受信部２１Ｒは、外部送信部２５Ｔにデータを出力する前に、当該フラグを参照し、外部送信部２５Ｔにデータを出力するか、外部送信部２５Ｔにデータを出力せずにデータ記憶部２６に書き込んで記憶させるかを判定する。

（第２の実施形態の光給電システムにおける電力供給処理）
　図４は、受電側光通信装置２０ａの動作を示したフローチャートであり、当該フローチャートを参照しつつ、光給電システム１ａにおける電力供給処理について説明する。

　第１の実施形態と同様に、図４のフローチャートの処理と並行して、光給電システム１ａでは、以下の処理が繰り返し継続して行われている。給電側光通信装置１０の光給電部１２は、給電用の光信号を生成し、生成した給電用の光信号を、光ファイバ３１を通じて受電側光通信装置２０ａに送信する。データ制御部１３は、任意に定めるタイミングでデータ送受信制御情報を生成し、生成したデータ送受信制御情報を光給電部１２に出力する。光給電部１２は、データ制御部１３からデータ送受信制御情報を受けると、受けたデータ送受信制御情報を給電用の光信号に重畳して送信する。

　受電側光通信装置２０ａの光受電部２２は、光ファイバ３１を通じて給電用の光信号を受信すると、受信した給電用の光信号を電気信号に変換し、変換した電気信号を蓄電部２３に出力する。蓄電部２３は、光受電部２２が出力する電気信号に基づいて充電処理を行い、当該電気信号の電力を蓄電する。

　外部装置４０は、内部に備えるセンサによって計測したデータを、予め定められる一定の周期で受電側光通信装置２０ａに送信する。そのため、受電側光通信装置２０ａの電源制御部２７ａは、当該一定の周期で、蓄電部２３が蓄電する電力を外部受信部２５Ｒに供給する。これにより、受電側光通信装置２０ａの外部受信部２５Ｒは、外部装置４０が送信するデータを受信することができ、受信したデータを上り方向のデータとしてデータ記憶部２６に書き込んで記憶させる。

　以下、図４のフローチャートにしたがって処理の流れについて説明する。ステップＳａ１からステップＳａ３までは、図２に示した第１の実施形態のステップＳ１からステップＳ３と同一の処理が、受電側光通信装置２０ａの制御情報検出部２４と、電源制御部２７ａとによって行われる。

　電源制御部２７ａは、光送信部２１Ｔが送信するデータの有無を検出する。具体的には、まず、電源制御部２７ａは、データ記憶部２６が上り方向のデータを記憶しているか否かを判定する。電源制御部２７ａは、データ記憶部２６に上り方向のデータが存在する場合、受信可能データ量が「０」でないか否かを判定し、受信可能データ量が「０」でない場合、光送信部２１Ｔが送信するデータが存在すると判定する。電源制御部２７ａは、データ記憶部２６に上り方向のデータが存在しない場合、または、データ記憶部２６に上り方向のデータが存在する場合であっても、データ送受信部１１がデータを受信することができない状態である受信可能データ量が「０」である場合、光送信部２１Ｔが送信するデータが存在しないと判定する（ステップＳａ４）。

　電源制御部２７ａは、光受信部２１Ｒが受信するデータの有無を検出する。具体的には、電源制御部２７ａは、送信予定データ量が「０」でないか否かを判定し、送信予定データ量が「０」でない場合、光受信部２１Ｒが受信するデータが存在すると判定する。電源制御部２７ａは、送信予定データ量が「０」である場合、光受信部２１Ｒが受信するデータが存在しないと判定する（ステップＳａ５）。

　電源制御部２７ａは、外部送信部２５Ｔが送信するデータの有無を検出する。具体的には、電源制御部２７ａは、データ記憶部２６が下り方向のデータを記憶しているか否か、または、送信予定データ量が「０」でないか否かを判定し、データ記憶部２６が下り方向のデータを記憶している場合、または、送信予定データ量が「０」でない場合、外部送信部２５Ｔが送信するデータが存在すると判定する。電源制御部２７ａは、データ記憶部２６が下り方向のデータを記憶しておらず、かつ送信予定データ量が「０」である場合、外部送信部２５Ｔが送信するデータが存在しないと判定する（ステップＳａ６）。

　電源制御部２７ａは、光送信部２１Ｔが送信するデータが存在することを検出した場合、データ送受信制御情報から読み出した送受信タイミング情報が示す給電側光通信装置１０が受信可能になるタイミングで、光送信部２１Ｔに蓄電部２３が蓄電する電力を供給する。電源制御部２７ａは、光受信部２１Ｒが受信するデータが存在することを検出した場合、データ送受信制御情報から読み出した送受信タイミング情報が示す給電側光通信装置１０の送信予定のタイミングで、光受信部２１Ｒに蓄電部２３が蓄電する電力を供給する。電源制御部２７ａは、外部送信部２５Ｔが送信するデータが存在することを検出した場合、データ送受信制御情報から読み出した送受信タイミング情報が示す給電側光通信装置１０の送信予定のタイミングで、外部送信部２５Ｔに蓄電部２３が蓄電する電力を供給する（ステップＳａ７）。なお、データ記憶部２６が下り方向のデータを記憶しているが、送信予定データ量が「０」である場合、電源制御部２７ａは、任意のタイミングで、外部送信部２５Ｔに蓄電部２３が蓄電する電力を供給するようにしてもよい。

　これにより、光送信部２１Ｔは、送受信タイミング情報が示す給電側光通信装置１０が受信可能になるタイミングにおいて起動し、データ記憶部２６が記憶する上り方向のデータを読み出し、読み出したデータをデータ送受信部１１に送信する。光受信部２１Ｒ及び外部送信部２５Ｔは、送受信タイミング情報が示す給電側光通信装置１０の送信予定のタイミングにおいて起動し、光受信部２１Ｒは、データ送受信部１１が送信するデータを受信し、受信したデータを外部送信部２５Ｔに出力する。外部送信部２５Ｔは、光受信部２１Ｒが出力するデータを取り込み、取り込んだデータを外部装置４０に送信する。データ記憶部２６が下り方向のデータを記憶している場合には、外部送信部２５Ｔは、データ記憶部２６から下り方向のデータを読み出し、読み出したデータを外部装置４０に送信する。なお、外部送信部２５Ｔがデータを外部装置４０に送信できない状態になっている場合、光受信部２１Ｒは、外部送信部２５Ｔにデータを出力せず、当該データを下り方向のデータとしてデータ記憶部２６に書き込んで記憶させ、外部送信部２５Ｔは、データ記憶部２６から下り方向のデータを読み出さずに、記憶させたままにしておく。

　上記の第２の実施形態において、光送受信部２１は、光送信部２１Ｔと、光受信部２１Ｒとを備える。外部送受信部２５は、外部送信部２５Ｔと、外部受信部２５Ｒとを備える。電源制御部２７ａは、データ送受信制御情報と、データ記憶部２６が記憶するデータとに基づいて、光送信部２１Ｔ及び外部送信部２５Ｔにおけるデータの送信の有無と、光受信部２１Ｒにおけるデータの受信の有無を検出し、検出したデータの送信と受信の有無にしたがって、光送信部２１Ｔ、または、光受信部２１Ｒ、または、外部送信部２５Ｔに対して蓄電部２３が蓄電する電力を供給する。

　これにより、電源制御部２７ａは、光送信部２１Ｔ及び外部送信部２５Ｔの各々に対して、送信するデータが存在する場合のみ電力の供給を行い、光受信部２１Ｒに対して、受信するデータが存在する場合のみ電力の供給を行う。そのため、送受信するデータが存在しない場合に必要のない起動や動作により電力が消費されてしまわないようにすることができ、蓄電部２３に蓄電された電力を効率よく利用することが可能になる。更に、第２の実施形態では、光送信部２１Ｔと、光受信部２１Ｒとが分離して備えられており、外部送信部２５Ｔと、外部受信部２５Ｒが分離して備えられている。そのため、例えば、給電側光通信装置１０からデータを受信する場合、光受信部２１Ｒが起動して動作するのに必要となる電力を光受信部２１Ｒに供給すればよく、この場合に供給する電力は、第１の実施形態の光送受信部２１を起動させて動作させる電力よりも少量の電力でよくなる。そのため、第２の実施形態の受電側光通信装置２０ａは、第１の実施形態の受電側光通信装置２０よりも、より適切な電力の供給を行うことができるので、第１の実施形態よりも電力の消費を抑えて、蓄電部２３に蓄電された電力を効率よく利用することが可能になる。

　なお、図４の処理において、電源制御部２７ａは、ステップＳａ４とステップＳａ５とステップＳａ６の処理の順番を任意の順番に入れ替えて処理を行うようにしてもよい。

　また、上記の第２の実施形態において、データ記憶部２６が記憶するデータが多くなり、データ記憶部２６の記憶容量が限界に達したことを電源制御部２７ａが検出した場合、電源制御部２７ａは、データ送受信制御情報に基づく電力の供給を行わず、データ記憶部２６の記憶容量に余裕が生じるまでの間、給電側光通信装置１０、及び外部装置４０からのデータの受信を行わないようにするため、光受信部２１Ｒと外部受信部２５Ｒに電力の供給を行わないようにしてもよい。

　上記の第１及び第２の実施形態において、光給電システム１，１ａは、複数の受電側光通信装置２０，２０ａを備えていてもよく、この場合、給電側光通信装置１０と、複数の受電側光通信装置２０，２０ａの各々とは、シングルスター型の通信ネットワークで接続される。シングルスター型の通信ネットワークで接続されることから、給電側光通信装置１０は、複数の受電側光通信装置２０，２０ａの台数に一致する数のデータ送受信部１１及び光給電部１２を備えることになる。複数のデータ送受信部１１の各々は、複数の受電側光通信装置２０，２０ａの台数に一致する本数の光ファイバ３０の各々により、複数の受電側光通信装置２０の各々が備える光送受信部２１、または、複数の受電側光通信装置２０ａの各々が備える光合分波器２８に一対一で接続する。複数の光給電部１２の各々は、複数の受電側光通信装置２０，２０ａの台数に一致する本数の光ファイバ３１の各々により、複数の受電側光通信装置２０，２０ａの各々が備える光受電部２２に一対一で接続する。シングルスター型の通信ネットワークで接続している理由は、受電側光通信装置２０，２０ａの光受電部２２が受光する光の受光量を十分な量にするためである。１つの光ファイバを複数に分岐するパッシブスター型の場合、受電側光通信装置２０，２０ａの光受電部２２が受光する光の受光量が小さくなってしまうが、パッシブスター型を適用しても、受電側光通信装置２０，２０ａの光受電部２２が受光する光の受光量が十分な量にすることができるのであれば、パッシブスター型を適用するようにしてもよい。

　上記の第１及び第２の実施形態において、光ファイバ３０に替えて、上り方向用と、下り方向用の２本の光ファイバを備えるようにしてもよい。この場合、データ送受信部１１は、内部に光合分波器を備える必要がなく、第１の実施形態では、光送受信部２１が、内部に光合分波器を備える必要がなく、第２の実施形態では、光合分波器２８を備える必要がなくなる。第１の実施形態では、データ送受信部１１の送信ポートと、光送受信部２１の受信ポートとが、下り方向用の光ファイバに接続し、データ送受信部１１の受信ポートと、光送受信部２１の送信ポートとが、上り方向用の光ファイバに接続することになる。第２の実施形態では、データ送受信部１１の送信ポートと、光受信部２１Ｒとが、下り方向用の光ファイバに接続し、データ送受信部１１の受信ポートと、光送信部２１Ｔとが、上り方向用の光ファイバに接続することになる。

　光ファイバ３１を備えず、光ファイバ３０のみを備えて、データ送受信部１１が内部に備える光源が出射する光の波長と、光送受信部２１、または、光送信部２１Ｔが内部に備える光源が出射する光の波長と、光給電部１２が内部に備える光源が出射する光の波長のそれぞれを異なる波長として、波長多重による光信号の送受信を行うようにしてもよい。この場合、第１の実施形態では、データ送受信部１１と、光送受信部２１とが、内部に光合分波器を備えるのではなく、給電側光通信装置１０が、データ送受信部１１の送信ポートと受信ポート及び光給電部１２の送信ポートに一方で接続し、他方で光ファイバ３０に接続し、３つの異なる波長の光を合波及び分波する光合分波器を備え、受電側光通信装置２０が、光送受信部２１の送信ポートと受信ポート及び光受電部２２の受信ポートに一方で接続し、他方で光ファイバ３０に接続し、３つの異なる波長の光を合波及び分波する光合分波器を備えることになる。第２の実施形態では、データ送受信部１１が、内部に光合分波器を備えるのではなく、給電側光通信装置１０が、データ送受信部１１の送信ポートと受信ポート及び光給電部１２の送信ポートに一方で接続し、他方で光ファイバ３０に接続し、３つの異なる波長の光を合波及び分波する光合分波器を備え、受電側光通信装置２０ａの光合分波器２８が、更に、光受電部２２に接続し、３つの異なる波長の光を合波及び分波する構成になる。

　図１及び図３では、データ記憶部２６が受電側光通信装置２０，２０ａに含まれるように示しているが、光給電システム１，１ａは、データ記憶部２６に替えて、受電側光通信装置２０，２０ａに接続する外部のデータ記憶装置を備えるようにしてもよい。上記の第１及び第２の実施形態の構成において、光給電システム１，１ａは、外部装置４０を含まない構成であってもよい。

　また、上記の第１及び第２の実施形態において、外部装置４０が、一定の間隔でデータを送信するようにしている場合、第１の実施形態では、電源制御部２７は、外部送受信部２５に対して、当該一定の間隔で電力を供給し、また、一定の間隔が過ぎても外部装置４０からデータを受信しない場合、電力の供給を一時的に停止するようにしてもよい。また、第２の実施形態では、電源制御部２７ａは、外部受信部２５Ｒに対して、当該一定の間隔で電力を供給し、また、一定の間隔が過ぎても外部装置４０からデータを受信しない場合、電力の供給を一時的に停止するようにしてもよい。

　また、上記の第１及び第２の実施形態において、給電側光通信装置１０のデータ制御部１３は、受電側光通信装置２０に送信するデータを外部から取り込りこんでデータ送受信部１１に出力する処理、及び、データ送受信部１１が出力する電気信号のデータを取り込んで外部に出力する処理を行っている。これに対して、データ制御部１３は、データ送受信部１１との間でデータの入出力処理を行わずに、データ送受信部１１が、外部から与えられるデータを取り込んで受信側光通信装置２０，２０ａに送信する処理、及び、受電側光通信装置２０，２０ａから受信したデータを外部に出力する処理を行い、データ制御部１３は、データ送受信部１１のデータの入出力処理を監視して送信予定のデータ量、受信可能データ量、及び送受信タイミング情報を検出するようにしてもよい。

　また、上記の第１及び第２の実施形態において、データ制御部１３は、データ送受信制御情報を生成する際に、更に、任意に定める受電側光通信装置２０，２０ａと外部装置４０との間の送受のタイミングを示す外部装置送受信タイミング情報を含めるようにしてもよい。

　データ送受信制御情報に外部装置送受信タイミング情報を含める場合、第１の実施形態においては、電源制御部２７は、ステップＳ７の処理において、外部送受信部２５が送信するデータが存在することを検出した場合、送受信タイミング情報が示す給電側光通信装置１０の送信予定のタイミングに替えて、データ送受信制御情報に含まれている外部装置送受信タイミング情報が示す外部装置４０への送信のタイミングで、外部送受信部２５に蓄電部２３が蓄電する電力を供給することになる。また、電源制御部２７は、ステップＳ７の処理において、データ送受信制御情報に含まれている外部装置送受信タイミング情報が示す外部装置４０が送信するデータの受信のタイミングで、外部送受信部２５に蓄電部２３が蓄電する電力を供給する。また、さらに、外部装置４０がデータを送信する前に、送信する予定のデータ量を示す情報を受電側通信装置２０に送信するようにしてもよく、この場合、電源制御部２７は、外部装置４０から受信する外部装置４０が送信する予定のデータ量に基づいて、外部送受信部２５に対して電力の供給を行うようにしてもよい。

　また、データ送受信制御情報に外部装置送受信タイミング情報を含める場合、第２の実施形態においては、電源制御部２７ａは、ステップＳａ７の処理において、外部送信部２５Ｔが送信するデータが存在することを検出した場合、送受信タイミング情報が示す給電側光通信装置１０の送信予定のタイミングに替えて、データ送受信制御情報に含まれている外部装置送受信タイミング情報が示す外部装置４０への送信のタイミングで、外部送信部２５Ｔに蓄電部２３が蓄電する電力を供給することになる。また、電源制御部２７ａは、ステップＳａ７の処理において、データ送受信制御情報に含まれている外部装置送受信タイミング情報が示す外部装置４０が送信するデータの受信のタイミングで、外部受信部２５Ｒに蓄電部２３が蓄電する電力を供給する。また、さらに、外部装置４０がデータを送信する前に、送信する予定のデータ量を示す情報を受電側通信装置２０ａに送信するようにしてもよく、この場合、電源制御部２７ａは、外部装置４０から受信する外部装置４０が送信する予定のデータ量に基づいて、外部受信部２５Ｒに対して電力の供給を行うようにしてもよい。

　また、上記の第１及び第２の実施形態において、電源制御部２７，２７ａは、蓄電部２３が蓄電する電力量を監視しており、例えば、残りの電力量が予め定められる閾値以下になった場合、第１の実施形態では、光送受信部２１か外部送受信部２５のいずれを優先するかを予め定めておき、電源制御部２７が、優先順位の高い方から順に電力を供給するようにしてもよい。また、第２の実施形態では、光送信部２１Ｔ、光受信部２１Ｒ、外部送信部２５Ｔ、外部受信部２５Ｒのいずれを優先するかを予め定めておき、電源制御部２７ａが、優先順位の高い方から順に電力を供給するようにしてもよい。

　上述した実施形態における受電側光通信装置２０，２０ａの制御情報検出部２４、電源制御部２７，２７ａ及びデータ記憶部２６をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、ＯＳや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ＲＯＭ、ＣＤ－ＲＯＭ等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、ＦＰＧＡ（Field Programmable Gate Array）等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。

　以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。

　光給電を行う光通信システムに適用することができる。

１…光給電システム、１０…給電側光通信装置、１１…データ送受信部、１２…光給電部、１３…データ制御部、２０…受電側光通信装置、２１…光送受信部、２２…光受電部、２３…蓄電部、２４…制御情報検出部、２５…外部送受信部、２６…データ記憶部、２７…電源制御部、３０，３１…光ファイバ、４０…外部装置

Claims (8)

1. 　給電用の光信号を送信する光給電部と、
   　データの光信号を送受信するデータ送受信部と、
   　前記データ送受信部が送受信するデータの送受信に関するデータ送受信制御情報を前記給電用の光信号に対して重畳するデータ制御部と、
   　を有する給電側光通信装置と、
   　前記光給電部が送信する前記給電用の光信号より得られる電力を蓄電する蓄電部と、
   　前記給電用の光信号に重畳されている前記データ送受信制御情報を検出する制御情報検出部と、
   　前記データ送受信部との間で前記データの光信号を送受信する光送受信部と、
   　外部装置との間で前記データを送受信する外部送受信部と、
   　前記給電側光通信装置、または、前記外部装置に送信されなかったデータを記憶するデータ記憶部と、
   　前記制御情報検出部が検出した前記データ送受信制御情報と、前記データ記憶部が記憶するデータとに基づいて、前記光送受信部及び前記外部送受信部における前記データの送信と受信の有無を検出し、検出した前記データの送信と受信の有無にしたがって、前記光送受信部、または、前記外部送受信部に対して前記蓄電部が蓄電する電力を供給する電源制御部と、
   　を有する受電側光通信装置と、
   　を備える光給電システム。
2. 　前記光送受信部は、
   　光送信部と、光受信部とを備えており、
   　前記外部送受信部は、
   　外部送信部と、外部受信部とを備えており、
   　前記電源制御部は、
   　前記データ送受信制御情報と、前記データ記憶部が記憶するデータとに基づいて、前記光送信部及び前記外部送信部における前記データの送信の有無と、前記光受信部における前記データの受信の有無を検出し、検出した前記データの送信と受信の有無にしたがって、前記光送信部、または、前記光受信部、または、前記外部送信部、または、前記外部受信部に対して前記蓄電部が蓄電する電力を供給する、
   　請求項１に記載の光給電システム。
3. 　前記データ送受信制御情報には、前記給電側光通信装置が前記受電側光通信装置に送信する予定であるデータのデータ量を示す送信予定データ量と、前記給電側光通信装置が前記受電側光通信装置から受信することができるデータのデータ量を示す受信可能データ量とが含まれており、
   　前記電源制御部は、
   　前記データ記憶部が記憶する前記受電側光通信装置から前記給電側光通信装置に対して送信される上り方向のデータと、前記受信可能データ量とに基づいて前記光送受信部が送信するデータの有無を検出し、前記送信予定データ量に基づいて前記光送受信部が受信するデータの有無を検出し、前記データ記憶部が記憶する前記受電側光通信装置から前記外部装置に対して送信される下り方向のデータと、前記送信予定データ量とに基づいて前記外部送受信部が送信するデータの有無を検出し、前記外部装置から送信される前記外部装置が送信する予定のデータ量に基づいて、前記外部送受信部が受信するデータの有無を検出する、
   　請求項１又は２に記載の光給電システム。
4. 　前記データ送受信制御情報には、前記給電側光通信装置がデータを送受信するタイミングを示す送受信タイミング情報が含まれており、
   　前記電源制御部は、
   　送信するデータが存在する場合、前記送受信タイミング情報が示す前記給電側光通信装置が受信可能になるタイミングにおいて、前記光送受信部に電力を供給するか、または、前記光送受信部が光送信部と光受信部とを備えている場合、前記光送信部に電力を供給し、前記光送受信部が受信するデータが存在する場合、前記送受信タイミング情報が示す前記給電側光通信装置の送信予定のタイミングにおいて、前記光送受信部に電力を供給するか、または、前記光送受信部が光送信部と光受信部とを備えている場合、前記光受信部に電力を供給する、
   　請求項１から３のいずれか一項に記載の光給電システム。
5. 　前記電源制御部は、
   　前記データの有無を検出する際に、前記データが無いことを検出した場合、前記データが無いことを検出した前記光送受信部、または、前記外部送受信部に対して電力の供給を行わず、前記光送受信部が、光送信部と光受信部を備えており、かつ前記外部送受信部が外部送信部と外部受信部を備えている場合、前記データが無いことを検出した前記光送信部、または、前記光受信部、または、前記外部送信部、または、前記外部受信部に対して電力の供給を行わない、
   　請求項１から４のいずれか一項に記載の光給電システム。
6. 　前記データ記憶部に替えて、前記受電側光通信装置の外部に備えられ、前記受電側光通信装置に接続するデータ記憶装置
   　を備える請求項１から５のいずれか一項に記載の光給電システム。
7. 　給電用の光信号を送信する光給電部と、データの光信号を送受信するデータ送受信部と、前記データ送受信部が送受信するデータの送受信に関するデータ送受信制御情報を前記給電用の光信号に対して重畳するデータ制御部と、を備える給電側光通信装置に接続する受電側光通信装置であって、
   　前記給電用の光信号より得られる電力を蓄電する蓄電部と、
   　前記給電用の光信号に重畳されている前記データ送受信制御情報を検出する制御情報検出部と、
   　前記データ送受信部との間で前記データの光信号を送受信する光送受信部と、
   　外部装置との間で前記データを送受信する外部送受信部と、
   　前記給電側光通信装置、または、前記外部装置に送信されなかったデータを記憶するデータ記憶部と、
   　前記制御情報検出部が検出した前記データ送受信制御情報と、前記データ記憶部が記憶するデータとに基づいて、前記光送受信部及び前記外部送受信部における前記データの送信と受信の有無を検出し、検出した前記データの送信と受信の有無にしたがって、前記光送受信部、または、前記外部送受信部に対して前記蓄電部が蓄電する電力を供給する電源制御部と、
   　を備える受電側光通信装置。
8. 　給電側光通信装置と、受電側光通信装置とを備える光給電システムにおける電力供給方法であって、
   　前記給電側光通信装置が、前記受電側光通信装置に対して給電用の光信号により電力の供給を行い、
   　前記受電側光通信装置の蓄電部が、供給される前記電力を蓄電し、
   　前記給電側光通信装置のデータ送受信部と、前記受電側光通信装置の光送受信部とが、データの光信号を送受信し、
   　前記受電側光通信装置の外部送受信部と、外部装置とが、前記データを送受信し、
   　前記受電側光通信装置のデータ記憶部に、前記給電側光通信装置、または、前記外部装置に送信されなかったデータを記録し、
   　前記給電側光通信装置のデータ制御部が、前記データ送受信部が送受信するデータの送受信に関するデータ送受信制御情報を前記給電用の光信号に対して重畳し、
   　前記受電側光通信装置の制御情報検出部が、前記給電用の光信号に重畳されている前記データ送受信制御情報を検出し、
   　前記受電側光通信装置の電源制御部が、前記制御情報検出部が検出した前記データ送受信制御情報と、前記データ記憶部が記憶するデータとに基づいて、前記光送受信部及び前記外部送受信部における前記データの送信と受信の有無を検出し、検出した前記データの送信と受信の有無にしたがって、前記光送受信部、または、前記外部送受信部に対して前記蓄電部が蓄電する電力を供給する光給電システムにおける電力供給方法。

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