JP2003243875A - 磁気シールドルーム、磁気シールド方法及び露光装置 - Google Patents

磁気シールドルーム、磁気シールド方法及び露光装置

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JP2003243875A
JP2003243875A JP2002044298A JP2002044298A JP2003243875A JP 2003243875 A JP2003243875 A JP 2003243875A JP 2002044298 A JP2002044298 A JP 2002044298A JP 2002044298 A JP2002044298 A JP 2002044298A JP 2003243875 A JP2003243875 A JP 2003243875A
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Motohide Kageyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シールドルームを大型化せず、十分なシール
ド効果を得られる磁気シールドルーム及び磁気シールド
方法を提供する。 【解決手段】 磁気シールドルーム43の底壁45の装
置設置部51と周辺部53との間に開口47が形成され
ており、開口47の一部には、装置設置部51と周辺部
53との間をつなぐ磁気通路55が設けられている。開
口47からシールドルーム内に入り込んだ磁束の一部は
シールドルームの隔壁に弧を描くように向かい、この磁
束が、漏れ磁束を打ち消す方向、あるいは、両磁束の合
成磁束が内シールド壁35を貫通しにくい方向に向くた
め、内シールド壁35を貫通する磁束が少なくなる。ま
た、装置設置部51と周辺部53との間に磁気通路55
を形成することにより、装置設置部51の磁束は磁気通
路55を通って周辺部53へ移動し、装置設置部51の
磁気的飽和を緩和する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外乱磁界を遮蔽す
る磁気シールドルーム及び磁気シールド方法に関する。
また、この方法によって磁気シールドされた、半導体集
積回路等のリソグラフィー用の露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子線等の荷電粒子線を用いた露光装置
等においては、荷電粒子線が外部(地球、電源設備、ケ
ーブル、エレベータ等)の静電場や変動磁場の影響を受
けないようにするため、装置の光学鏡筒やウェハ(感応
基板)チャンバなどに磁気シールドがなされている。ま
た、装置周辺の部品(ウェハローダ、レチクルローダ、
電磁レンズ、真空ポンプ等)の発生する磁界についても
様々な対策を施して、荷電粒子線の光学特性を制御して
いる。
【0003】このような磁気シールドの方法としては、
荷電粒子線を照明、投影する光学系が配置される鏡筒
や、ウェハステージ等が配置されるウェハチャンバを、
パーマロイ等の初透磁率の高い材料で一重、又は二重、
三重に覆ったり、これらの鏡筒やウェハチャンバ自身を
パーマロイで作製することもある。
【0004】図11は、露光装置の従来の磁気シールド
方法の一例を模式的に説明する図である。露光装置10
0は、電子線を下方に向けて放射する電子銃1と、同電
子銃1から発せられた電子線が照射されるウェハ(感応
基板)が載置されるウェハステージ24を備える。電子
銃1や電子線の投影経路に位置する光学系等は鏡筒31
内に配置されており、ウェハステージ24等はウェハチ
ャンバ33内に配置されている。鏡筒31はインバーや
軟鉄製であり、一部に真空配管37が接続している。ウ
ェハチャンバ33はアルミニウムや非磁性ステンレス鋼
で作製される。光学鏡筒31とウェハチャンバ33は接
続しており、内部は連通している。なお、図示していな
いが、露光装置100は、電子線を収束させるコンデン
サレンズ、成形開口、レチクルステージ、電子線を縮小
投影する投影レンズ、偏向器などを備えている。
【0005】このような露光装置100は、通常、磁気
シールド71で囲まれて設置されている。この磁気シー
ルド71は、初透磁率の高い材料で作製された容器で、
同容器内に露光装置100の鏡筒31とウェハチャンバ
33が格納される。
【0006】一般に、鏡筒31には、上述の真空配管3
7を接続する開口や、配線用及びレチクルステージの出
し入れ用等の複数の開口39が開けられている。ウェハ
チャンバ33にも、図示されないが、ウェハステージ等
が出し入れされる開口が開けられている。また、鏡筒3
1とウェハチャンバ33の接続部には接続構造によって
はスキマ40が開いてしまうことがある。そして、磁気
シールド71にも、これらの開口39に対応する位置に
複数の開口73を開けたり、このような開口73でシー
ルド材を分割せざるを得なかった。したがって、露光装
置100全体をシールド材で覆っても、結局はシールド
材に孔を開けたりシールド材を分割せざるを得なかっ
た。
【0007】シールド材に孔を開けたり分割すると、一
般に、磁気シールド71のシールド特性が劣化し、十分
なシールド効果を得られない。そこで密閉された、シー
ルドルーム75によって、磁気シールド71の周囲をさ
らに二重に磁気的にシールドしている。
【0008】シールドルーム75は密閉された空間であ
ることが理想であるが、内部に露光装置100のような
装置を設置する場合には、同装置を空間内の床面に固定
する必要がある。磁気シールド材であるパーマロイ等の
強磁性体は、応力がかかると磁気特性が劣化し、シール
ド効果が低減する。このため、シールドルーム75の床
面に、露光装置100の設置部(脚、図示されず)を通
す開口(図示されず)を開けて、同装置をシールドルー
ム外の床面上に固定している。この開口は、露光装置1
00の質量や大きさが大きいほど大きくなる。
【0009】また、露光装置100に接続されている真
空ポンプは、磁気的な外乱源だけでなく振動源ともなっ
ているため、露光装置100から離してシールドルーム
75外に設置することが好ましい。このため、シールド
ルーム75には真空ポンプ接続用の開口77を設ける必
要がある。
【0010】別の磁気シールド方法としては、鏡筒やウ
ェハチャンバからある程度はなれた位置に、任意方向の
磁場を発生するコイルを置き、このコイルから発生する
磁場により外部の磁場をキャンセルする方法がある。こ
の方法はアクティブキャンセラと呼ばれている。
【0011】図12は、一般的なアクティブキャンセラ
の作用を模式的に説明する図である。アクティブキャン
セラ81は、シールドルームの内側又は外側を三次元的
に取り囲む、対向する三組のコイル対83、85、87
から構成される。図中の各コイル対の矢印は、コイルに
流れる電流の向きを表している。3組のコイル対83、
85、87は、それぞれ直交する方向の磁場を発生し、
各コイルに流す電流の強さと向きを調整して、アクティ
ブキャンセラ81内部に任意方向及び任意強度の磁場を
作り、外部磁気を打ち消している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、シール
ドルームにおいては、真空ポンプを接続するための開口
や、設置脚を通すための開口を設ける必要があり、シー
ルド特性が劣化してしまう。また、アクティブキャンセ
ラにおいても、同様に設備が大型化する課題がある。
【0013】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、シールドルームを大型化せず、十分なシー
ルド効果を得られる磁気シールドルーム及び磁気シール
ド方法を提供することを目的とする。さらに、そのよう
な磁気シールドが施された露光装置を提供することを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1の磁気シールドルームは、 外乱磁界
を遮蔽した装置設置空間を内部に有する磁気シールドル
ームであって、 該ルームの装置設置部と、該部分以外
の部分(周辺部)との間に、前記装置設置部への漏れ磁
界を低減するための磁気通路を確保しつつ、前記装置設
置部の周りの前記隔壁にリング形状の開口が形成されて
いることを特徴とする。なお、ここで、リング形状の開
口とは、ある仮想のリング上に間隔を置いて開口が開け
られているものも含む意味である。
【0015】本発明の第2の磁気シールドルームは、
外乱磁界を遮蔽した装置設置空間を内部に有する磁気シ
ールドルームであって、 該ルーム隔壁(床、天井含
む)に対する前記装置設置空間の投影部分(装置設置
部)と、該部分以外の隔壁部分(周辺部)との間に、前
記装置設置空間への漏れ磁界を低減するための磁気通路
を確保しつつ、前記装置設置部の周りの前記隔壁に開口
が形成されていることを特徴とする。
【0016】装置設置部の周囲に開口を形成すると、開
口からシールドルーム内に入り込んだ磁束の一部はシー
ルドルームの隔壁に弧を描くように向かう。そしてこの
隔壁に向かう磁束が、漏れ磁束を打ち消す方向、あるい
は、両磁束の合成磁束が装置設置空間を囲む壁を貫通し
にくい方向に向くため、装置設置空間の隔壁を貫通する
磁束が少なくなり、開口を設けても、装置設置空間内の
シールド率の低下が抑制される。しかし、このような開
口を設けると、開口で囲まれた装置設置部が磁気的に絶
縁された状態となって、同部に浸透した磁束は空間を磁
気経路とした磁気回路を形成し、それがいわゆる漏れ磁
束となりシールドルーム内に入り込みやすくなる。そこ
で、装置設置部と周辺部との間に磁気通路を形成するこ
とにより、開口で囲まれた装置設置部の磁束は、磁気通
路を通って周辺部へ移動する。このため、装置設置部か
らの漏れ磁束が少なくなる。
【0017】上述のように、シールドルームに開口が形
成されている場合は、シールド率が低下することが知ら
れているが、本発明のように磁気通路を設けることによ
って、隔壁近傍での磁場の漏れの影響を小さくすること
ができ、開口がない場合と同等のシールド効果を得るこ
とができる。
【0018】また、本発明においては、開口は、装置を
シールドルームの隔壁(床面)に投影した大きさよりも
一回り大きい位置に、同装置の投影面を囲むように形成
される。これは、開口からシールドルーム内に入り込ん
だ磁束の内、漏れ磁束を打ち消す方向になる成分が多い
ほど、シールドルーム隔壁を貫通する漏れ磁束を打ち消
す効果が高いことと、隔壁に対して直角な方向の外乱磁
界は隔壁を貫通することによる。なお、磁気通路は、開
口上を装置設置部と周辺部とをつなぐように掛け渡して
形成される。
【0019】また、磁気通路は、シールドルームの材料
と同じ種類のシールド材で作製することが好ましい。同
通路の大きさは、大きいほど装置設置部の磁気飽和を緩
和することができる。また、大きいほど開口を可能な限
り小さくすることができ、開口から直接シールドルーム
内に入る磁束(曲げられない成分)を減らすことができ
るため好ましい。磁気通路は、漏れ磁界の原因となる突
起や段差がないように形成する。
【0020】本発明においては、 前記開口は、前記装
置設置部に対して対向するように設けられていることが
好ましい。開口を装置設置部の両側に設けた場合、装置
設置部で漏れ磁束が打ち消しあうため、装置設置空間に
到達する磁束の影響を減らすことができる。また、開口
をC字型に設けた場合も、装置設置部の両側に開口が位
置させることで装置設置部近傍において磁束の打ち消し
が生じ、装置設置空間への外部磁気の影響を低減させる
ことができる。なお、開口とは、一つの開口である必要
はなく、複数の開口としてもよい。
【0021】本発明においては、 前記外乱磁界の方向
と交差する方向に前記磁気通路が設けられていることが
好ましい。磁気通路が外乱磁界方向と直交する方向にお
いては、開口の、外乱磁界方向に沿った長さ(開口工
程)が短くなる。このため、開口からシールドルーム内
に入り込んだ磁束の内、漏れ磁束を打ち消す方向に曲が
る成分が増え、より打ち消し効果が高くなる。つまり、
開口工程が長いと、曲げられない成分が増えて、シール
ドルーム内に直接影響を及ぼしてしまう。
【0022】本発明においては、 前記装置設置空間
が、前記磁気シールドルーム内において、ある偏った方
向に寄せて設けられており、 前記外乱磁界の方向に沿
って、前記装置設置部の前記ルーム中心寄りの側の部分
に前記磁気通路が設けられていることが好ましい。ある
いは、 前記外乱磁界の方向に沿って、前記装置設置部
の前記ルーム中心寄りの側の部分に比較的容量の大きい
磁気通路が設けられており、前記装置設置部の前記ルー
ムの端寄りの側に比較的容量の小さい磁気通路が設けら
れていることとしてもよい。または、前記外乱磁界の方
向に沿って、前記装置設置部の前記ルーム中心寄りの側
の部分、及び、前記装置設置部の周りの前記外乱磁界の
方向と交差する二方向に前記磁気通路が設けられている
こととしてもよい。
【0023】一般に、ルーム中心(外乱磁界方向の中心
(磁性体経路のinとoutの中心))で壁内の磁束は高く
なるため、その部分に開口を設けると、磁性体の体積が
減り、磁束密度が高くなり、飽和しやすくなる。磁気通
路をルームの中心寄りに設けると、シールド壁の飽和を
緩和することになり好ましい。また、磁気通路を中心寄
りと端部寄りの両方に設ける場合は、中心寄りに容量の
大きい磁気通路とし、端部寄りに容量の小さい磁気通路
を設ける。端部寄りに磁気通路を設けると、ルーム中心
部付近の磁気がこの磁気通路を通って端部に達し、開口
内側の部分を経路とすることから、開口内側からの磁束
の漏れを増やしてしまう。このため、端部寄りに磁気通
路を設ける場合は、磁気容量を小さくする(例えば、磁
気通路の寸法を小さくする)ことで磁束の導通を防ぐ。
【0024】本発明においては、 前記装置設置部の周
り四方向に前記磁気通路が設けられていることとすれ
ば、外乱磁界の方向によらず磁気通路を設けることがで
きる。そして、シールドルームの設置条件が決まり、外
乱磁界の方向が確定した時点で、外乱磁界方向の最も先
端側に位置する磁気通路を撤去することにより、漏れ磁
界を良好に低減させることができる。
【0025】本発明の磁気シールド方法は、 装置設置
空間を磁気シールドする方法であって、 該装置設置空
間を内部に有する磁気シールドルームの隔壁(床、天井
含む)に対する前記装置設置空間の投影部分(装置設置
部)の周りに開口を形成し、前記装置設置部の周り四方
向に、前記装置設置部と、該部以外の隔壁部分(周辺
部)とをつなぐ磁気通路を設け、 前記外乱磁界の方向
を判定して、前記磁気通路の一つを撤去することを特徴
とする。
【0026】本発明の露光装置は、 感応基板上に荷電
粒子線を選択的に照射してデバイスパターンを形成する
露光装置であって、 該露光装置の周囲に上記の磁気シ
ールドルームが設けられていることを特徴とする。開口
を形成しても、外乱磁界による影響を受けにくく、高精
度でパターン形成ができる露光装置を提供することがで
きる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ説明す
る。まず、本発明を応用するのに適した電子線露光装置
の構成と結像関係の概要を説明する。図4は、電子線露
光装置の構成と結像関係の一例を模式的に示す図であ
る。露光装置100の最上流には電子銃1が配置されて
いる。電子銃1は、下方に向けて電子線を放射する。電
子銃1の下方には、コンデンサレンズ2及び照明レンズ
3が備えられており、電子線は、これらのレンズ2、3
を通って、レチクル10を照明する。
【0028】これらのレンズ2、3を主な構成要素とす
る照明光学系中には、図示されていないが、照明ビーム
成形開口やブランキング偏向器、ブランキング開口、照
明ビーム偏向器等が配置されている。照明光学系におい
て成形された照明ビームIBは、レチクル10上で順次
走査され、照明光学系の視野内にあるレチクル10の各
サブフィールドの照明を行う。
【0029】レチクル10は多数のサブフィールドを有
し、移動可能なレチクルステージ11に載置されてい
る。レチクルステージ11を光軸垂直面内で移動させる
ことにより、照明光学系の視野よりも広い範囲に広がる
レチクル上の各サブフィールドを照明する。
【0030】レチクル10の下方には第1投影レンズ1
5、第2投影レンズ19、及び、収差補正や像位置調整
に用いられる偏向器16(16−1〜16−6)が設け
られている。レチクル10の一つのサブフィールドを通
過した電子線は、投影レンズ15、19、偏向器16に
よってウェハ(感応基板)23上の所定の位置に結像さ
れる。ウェハ23上には適当なレジストが塗布されてお
り、レジスト上に電子線のドーズが与えられ、レチクル
10上のパターンが縮小(一例で1/4)されてウェハ
23上に転写される。
【0031】レチクル10とウェハ23の間を縮小率比
で内分する点にクロスオーバーC.O.が形成され、同
クロスオーバー位置にはコントラスト開口18が設けら
れている。同開口18は、レチクル10の非パターン部
で散乱された電子線がウェハ23に達しないように遮断
する。
【0032】ウェハ23は、静電チャックを介してXY
方向に移動可能なウェハステージ24上に載置されてい
る。レチクルステージ11とウェハステージ24とを互
いに逆方向に同期走査することにより、投影光学系の視
野を越えて広がるデバイスパターンの各部を順次露光す
ることができる。
【0033】次に、本発明の実施の形態に係る磁気シー
ルドルームについて説明する。図1は、本発明の第1の
実施の形態に係る磁気シールドルームの作用を模式的に
説明する図であり、図1(A)は開口を有しないシール
ドルーム内の磁界の状態を示す図であり、図1(B)は
本発明の磁気シールドルーム内の磁界の状態を模式的に
示す図である。図2は、図1の磁気シールドルームと、
同ルーム内に設置された露光装置を模式的に示す図であ
り、図2(A)はルーム全体の斜視図、図2(B)は図
2(A)のB−B面の断面図である。図3は、図1の磁
気シールドルームの底面図である。
【0034】最初に、図2を参照しつつ本発明の磁気シ
ールドルームの構造を説明する。なお、図2(B)にお
いて、露光装置100は、電子銃1と、同電子銃から放
射された電子線の軌道と、ウェハステージ24のみを記
し、他の部品は省略されている。露光装置100は、電
子銃1や電子線光学系等が配置されている光学鏡筒31
と、ウェハステージ24等が配置されるウェハチャンバ
33を有する。光学鏡筒31は、軟鉄やインバーで作製
され、パーマロイ等のシールド材が貼られている。ウェ
ハチャンバ33はアルミニウムや非磁性ステンレス鋼で
作製され、同じくパーマロイ等のシールド材が貼られて
いる。光学鏡筒31とウェハチャンバ33は接続してお
り、内部は連通している。この光学鏡筒31とウェハチ
ャンバ33を内シールド壁(装置設置空間)35とす
る。内シールド壁35には真空配管37が接続してお
り、さらに、レチクルステージやウェハステージの出し
入れや配線用の複数の開口39が開けられている。ま
た、鏡筒31とウェハチャンバ33の接続部には接続構
造によってはスキマ40が開く場合もある。内シールド
壁35の底壁41の一辺の長さは一例で3mである。
【0035】内シールド壁35は、磁気シールドルーム
43内に配置されている。シールドルーム43はパーマ
ロイB等の材料で作製され、上部にクレーンスペースを
有し、ウェハチャンバ33等が収容できる広さを有す
る。シールドルーム43は、図2(A)や図3に示すよ
うな直方体状で、底壁45は一例で正方形(寸法例、5
m×5m)である。
【0036】シールドルーム43の底壁45には、図3
に示すように、開口47が開けられている。開口47
は、平面形状が図3に示すようにC字状であり、装置設
置部51の両側に、同部に対して対向するように形成さ
れている(図1(B)参照)。開口47は、内シールド
壁35(ウェハチャンバ)の底壁41をシールドルーム
43の底壁45に投影した領域49(一点鎖線で囲まれ
た部分)より一周り大きい大きさである。ここで、シー
ルドルーム底壁45の開口47で囲まれた部分を装置設
置部51とし、開口47の外側の部分を周辺部53とす
る。一例として、開口47の内縁と、影領域49の外縁
との距離L1は、シールドルーム43の底壁45と内シ
ールド壁35の底壁41との間の寸法H1(図2(B)
参照、一例で50cm)の2/5〜3/5程度(20〜
30cm)である。開口47の形状は、内シールド壁3
5の底壁41の外縁に沿った形状で、開口47の幅B1
は30〜50cm程度、開口47の外縁とシールドルー
ム43の外縁との距離B2は50〜100cmである。
【0037】シールドルーム底壁45には、図3に示す
ように、装置設置部51と周辺部53とをつなぐ一ヶ所
の磁気通路55が形成されている。この例においては、
外乱磁界の方向は図の矢印で示すX方向であり、磁気通
路55はこの外乱磁界の方向と直交するY方向に延びて
いる。磁気通路55は、シールドルーム43と同じパー
マロイ等の材料で作製され、幅は150mmであり、長
さは開口47の幅と等しい。磁気通路55の両端は、装
置設置部51及び周辺部53に、溶接やテープによる接
着等によって段差や突起が形成されないように磁気的に
接続している。
【0038】図2に示すように、ウェハチャンバ33は
設置脚57を有し、この設置脚57はシールドルーム4
3の底壁45の開口47から同ルーム43の外へ延び
て、ウェハチャンバ33等を床面上に支えている。な
お、開口47は完全にリング状ではなく、ところどころ
開口がとぎれている。
【0039】次に、図1を参照して、本実施の形態の磁
気シールドルーム43の磁気シールド作用について説明
する。図中の矢印の方向は磁束の方向、矢印の大きさは
磁束の大きさを模式的に表すものとする。シールドルー
ム43に開口が形成されていない場合、図1(A)に示
すように、外乱磁界M1は、まず、シールドルーム43
の壁内に浸透して(この磁束を符号M2で表す)、同壁
からシールドルーム43内に入り込む(この磁束を漏れ
磁束といい、符号M3で表す)。一般に、磁束は透磁率
の高いところに向かいやすく、同部と磁気回路を形成し
やすいという性質をもつ。このため、シールドルーム4
3の壁に浸透する磁束M2の内、内シールド壁35に近
い部分では磁界の大きさが大きくなっている(符号M2
a)。また、漏れ磁束M3は、内シールド壁35に近い
部分では、壁35の方向に向かい、遠い部分では再度シ
ールドルーム43の壁に弧を描くように向かう。したが
って、内シールド壁35がシールドルーム43の壁(側
壁や底壁45)と近い距離にあるほど、内シールド壁3
5に向かう漏れ磁束M3は多くなる。
【0040】そして、内シールド壁35に向かった漏れ
磁束M3は、内シールド壁35に浸透して同壁内に入り
込む(壁に浸透した磁束を符号M4で表し、入り込んだ
磁束を符号M5で表す)。この入り込んだ漏れ磁束M5
が、内シールド壁35内に設置された露光光学系やウェ
ハ上の磁場に影響を与える。なお、磁束の強度は、外部
から内シールド壁内に入り込むにしたがって弱くなる。
【0041】一方、図1(B)に示す本発明の磁気シー
ルドルームでは、シールドルーム43の底壁45に、図
3に示すように、開口47と、開口47で隔てられた装
置設置部51と周辺部53とをつなぐ磁気通路55が形
成されている。開口47は、上述のようにC字状で、図
1(B)に示す断面においては、装置設置部51の両側
に位置している。なお、図1(B)において、磁気通路
の位置・形状は、図2、図3のものと異なるが、この図
を用いて磁気通路の作用のみを説明し、磁気通路の位置
については後述する。外乱磁界M1は、図1(A)と同
様に、シールドルーム43の壁に浸透して同ルーム内に
漏れ磁束として入り込むとともに、開口47からもシー
ルドルーム43内に入り込む(壁に浸透した磁束を符号
M2、壁から入り込んだ漏れ磁束を符号M3、開口47
から入り込んだ磁束を符号M6で表す)。開口47から
入り込んだ磁束M6の強度は、漏れ磁束M3の強度より
大きい。開口47は、上述のように、内シールド壁35
の底壁41をシールドルーム43の底壁45に投影した
影領域より一周り大きい位置に形成されているため、開
口47から入り込んだ磁束M6は、内シールド壁35の
底壁41に対して直角に向かいにくくなっている。した
がって、磁束M6は、一部は内シールド壁35に向う
が、多くの部分は周囲のシールドルーム43の壁に弧を
描くように向かう。
【0042】なお、磁束M6において、シールドルーム
底壁45の中心寄りの開口47Cからシールドルーム底
壁45に向かう磁束M6aの大きさが、シールドルーム
底壁45の端部寄りの開口47Eからシールドルーム底
壁45に向かう磁束M6bの大きさより大きいのは、以
下の理由による。上述のように、磁束は、距離が同じ場
合、透磁率の高いところに向かいやすく、同部と磁気回
路を形成しやすいという性質をもつ。このため、端部寄
りの開口47Eから入り込んだ磁束は、内シールド壁3
5に近い部分では、内シールド壁35の方向に向かい、
シールドルーム43の側壁に近い部分では側壁により向
かいやすくなる。これにより、開口47Eから入り込ん
だ磁束M6の内、シールドルーム43の底壁45(装置
設置部51)に向かう磁束M6bが少なくなる。
【0043】ここで、中心寄りの開口47Cから入り込
みシールドルーム43の底壁45に弧を描くように向か
う磁束M6aと、装置設置部51の壁を貫通した漏れ磁
束M3を合成した磁束の方向は、図の上方向(Z方向)
成分が打ち消されるため、図の横方向(X方向)成分の
みとなる。このX方向成分は、内シールド壁35の底壁
41とほぼ平行な方向であるため、漏れ磁束M3が内シ
ールド壁35の壁に向かいにくくなる(符号M3a)。
一方、端部寄りの開口47Eから入り込みシールドルー
ムの側壁45に弧を描くように向かう磁束M6bの方向
は、装置設置部51の漏れ磁束M3の方向とほぼ逆方向
であるため、漏れ磁束M3は、磁束M6bで打ち消さ
れ、強度が弱くなる。このように、開口47から入り込
んでシールドルーム43の底壁45(装置設置部51)
に弧を描いて向かう磁束M6a、M6bによって、内シ
ールド壁35に向かう漏れ磁束M3の強さを弱めたり、
この磁束M3の方向を変えることができる。したがっ
て、内シールド壁35に浸透する磁束M4が少なくな
り、同壁内へ入り込む漏れ磁束M5を少なくすることが
できる。このように、開口47が装置設置部51の両側
に形成されていることにより、装置設置部51で漏れ磁
束を打ち消しあうため、内シールド壁35に到達する磁
束を減らすことができる。
【0044】次に、磁気通路55の作用について説明す
る。装置設置部51が開口47で磁気的に絶縁されてい
る場合、同部51の壁に浸透した磁束(M2)は、空間
を磁気回路とするため漏れ磁束M3となる。さらに、装
置設置部51が磁気飽和してしまうと漏れ磁束M3は増
加し続けてしまい、開口47から入り込んでシールドル
ーム43の壁に向かう磁束M6a、M6bによる打ち消
し作用が抗力をなさなくなる。そこで、装置設置部51
と周辺部53とを磁気的に結合する磁気通路55を設け
ることにより、装置設置部51の壁に浸透した磁束M2
を磁気通路55を介して周辺部53の壁に移動させるこ
とで漏れ磁束を減らすとともに(符号M2a)、装置設
置部51の磁束飽和を緩和することができる。なお、磁
気通路55は磁気容量(磁束を通せる量)を十分にする
ことによって、磁性体の磁気回路の形成だけでなく、装
置周辺部51及び周辺部53の磁気飽和を緩和させるこ
ともできる。
【0045】なお、磁気通路55は、この例では図3に
示すように、矢印で示す外乱磁界の方向と直交する方向
(Y方向)に、開口47の一辺(この例では図の上側)
に形成されている。磁気通路55を外乱磁界方向と直交
する方向に設けることによって、開口47の、外乱磁界
方向に沿った長さ(開口工程)が短くなる。このため、
開口47から入った磁束M6の内、漏れ磁束M3を打ち
消す方向に曲がる成分(M6a、M6b)が増え、打消
し効果が高まる。開口工程が長いと、曲げられない成分
が増えて、シールドルーム内に直接影響を及ぼす。
【0046】この磁気シールドルームにおける磁界の強
さを、実際に作製したシールドルームと、同シールドル
ーム内に配置した模擬露光装置を用いて測定した。作製
したシールドルームはパーマロイ製で、底面3.5m×
2.5m、高さ2.5m、壁の厚さ1mmである。開口
は正方形状で、外径900mm×900mm、内径60
0mm×600mmである。磁気通路はパーマロイ製
で、幅は150mmで、外乱磁界方向と直交する方向の
1ヶ所に設けた。露光装置は、実際の荷電粒子線露光装
置の1/5の大きさで、シールドルーム底壁から500
mmの位置に設置した。
【0047】内部に装置を入れない場合、シールドルー
ムの底壁から高さ方向に150mmの位置ではシールド
率が開口のない場合と比べて1/10であり、200m
mの位置では開口がない場合の2割減、500mmの位
置では同等となり、1000mm以上の場合には最大2
割増となった。また、内部に装置を入れた場合も、開口
を形成しないシールドルームと同等のシールド率を得る
ことができた。
【0048】なお、このシールドルームにおいては、露
光装置が設置されているウェハチャンバ33に設置脚5
7が設けられている。設置脚57はシールドルーム底壁
45の開口47の任意の位置から同ルーム外に延びて、
露光装置自体を床面に支えている。このため、シールド
ルーム43の底壁45には露光装置からの負荷がかから
ない。そのため、シールドルーム43の材料であるパー
マロイ等のシールド材は、応力を受けると磁気特性が損
なわれる性質を有するため磁気焼鈍を行う必要がある
が、本実施例ではこのような処理を行う必要はない。ま
た、開口を設けることができた分だけシールド材が要ら
なくなり、シールド材を少なくすることができる。この
ため、低コストで、大型化することなく、従来と同体積
の同等のシールド率を維持しつつ必要な開口が形成され
たシールドルームを提供できる。
【0049】図5は、本発明の第2の実施の形態に係る
磁気シールドルームの底面図である。この例の磁気シー
ルドルームの底壁45には、磁気通路55が、外乱磁界
(矢印で示す)の方向と直交する方向の2ヶ所に設けら
れている。各磁気通路55の幅は150mmである。
【0050】このように磁気通路55を2ヶ所設けるこ
とによって、装置設置部51の飽和磁束の緩和をより効
率的に行うことができ、高いシールド効果が得られる。
上述の試験例と同じ条件でシールド率を測定した結果、
シールド率は、シールドルームの底壁から200mmの
位置で、開口を設けない場合の1割減となった。
【0051】図6は、本発明の第3の実施の形態に係る
磁気シールドルームを説明する底面図である。図7は、
図6の磁気シールドルームの磁気シールド作用を模式的
に説明する図であり、図7(A)はB−B断面、図7
(B)はC−C断面である。図6に示すように、この例
の磁気シールドルームの底壁45には、磁気通路55
が、外乱磁界(矢印で示す)と平行な方向で、開口47
のシールドルーム中心寄りに1ヶ所設けられている。磁
気通路55の幅は150mmである。
【0052】磁気シールドルームでは上述のように中央
部で外乱磁界の磁束密度が高く、端部では低いため、装
置設置部51はシールドルーム底壁の端部側に配置さ
れ、開口47もシールドルーム底壁45の端部側に設け
られている。磁気通路55を底壁45の中心側に設けた
場合、磁気通路55の付近が最も磁束密度が高い部分と
なる。図7(B)に示すように、シールドルームの開口
47が存在する部分(図6のC断面)では、磁束はシー
ルドルーム43の底壁45に浸透して同ルーム内に入り
込んだ漏れ磁束(M3)と、開口47からシールドルー
ム43内に入り込む磁束M6が存在する。開口47から
入り込んだ磁束M6の一部は、平面的にはシールドルー
ム43の底壁45に弧を描くように向かう(磁束M6
a、M6b)とともに、磁気通路55にも弧を描くよう
に向かう(図示されず、紙面に対して直角方向)。
【0053】図7(A)に示すように、シールドルーム
内の磁気通路55が存在する部分では、外部磁束M1は
シールドルーム43の底壁45と同様に磁気通路55に
も浸透し、同ルーム内に入り込んで漏れ磁束M3とな
る。しかし、この漏れ磁束M3は、上述のように、磁気
通路55の両側(図6の上下)の開口47から入り込ん
だ磁束M6の一部によって、図7の上方向(Y方向)成
分が打ち消され、磁束強度が低減する。また、図1の実
施例と同様に、磁気通路55は、装置設置部51と周辺
部55との磁束の通路となり、装置設置部51の磁束の
飽和を緩和する作用も有する。なお、図7において、中
央部の矢印M6cは、開口47内の磁気通路55以外の
部分から底壁45に向かう磁束であり、図7(B)に示
す磁束M6aが磁気通路55断面部方向に曲がってきた
ものを示す。
【0054】このように、磁束密度が最も高い中央部に
磁気通路55を設けても、中心部での高い磁束密度の影
響を抑制することができる。上述の試験例と同じ条件で
シールド率を測定した結果、シールド率は、シールドル
ームの底壁から200mmの位置で、開口を設けない場
合の4割減となった。
【0055】図8は、本発明の第4の実施の形態に係る
磁気シールドルームの底面を示す図である。この例の磁
気シールドルームの底壁には、磁気通路55を、外乱磁
界(矢印で示す)と平行な方向に2ヶ所設けてられてい
る。そして、磁気シールドルームの底壁45の中心寄り
の磁気通路55−1の幅が、端部側の磁気通路55−2
の幅より広い。中心側の磁気通路55−1の幅は300
mm、端部側の磁気通路55−2の幅は150mmであ
る。このような幅の設定により、中心側の磁気通路55
−1の磁気容量が、端部側の磁気通路55−2より大き
くなる。なお、幅を同じとして、中心側の磁気通路55
−1を、飽和しない範囲内の透磁率の高い材料で作製し
てもよい。
【0056】磁気通路55を、外乱磁界と平行な方向に
2ヶ所設けることは、磁気シールドルームの底壁45の
磁束密度が高い中心部から、低い端部への、磁気通路5
5−1、装置設置部51、磁気通路55−2を介する磁
気通路を形成することになる。そして、底壁45の中央
部付近や装置設置部55の磁束が端部に達し、端部での
漏れ磁束が大きくなることとなる。しかし、本実施の形
態のように中心部側の磁気通路の磁気容量を大きくし、
端部側で小さくすると、装置設置部51の磁束は端部側
へ向かいにくくなる。
【0057】上述の試験例と同じ条件でシールド率を測
定した結果、シールド率は、シールドルームの底壁から
200mmの位置で、開口を設けない場合の2割減とな
った。
【0058】図9は、本発明の第5の実施の形態に係る
磁気シールドルームの底面図である。図10は、本発明
の第6の実施の形態に係る磁気シールドルームの底面図
である。図9の磁気シールドルームの底壁45は、磁気
通路55が4方向に設けられている。図9(A)に示す
磁気シールドルームの底壁45には、縦横方向の4ヶ所
に磁気通路55−1〜4が設けられ、図9(B)に示す
磁気シールドルームの底壁には、斜め方向の4ヶ所に磁
気通路55が設けられている。各磁気通路55は同じ寸
法(幅150mm)で同じ磁気容量をもつ。
【0059】このように4ヶ所に磁気通路55を設けて
おくことにより、外乱磁界の方向が不定である場合に適
用できる。外乱磁界の方向が一定で、その方向が判定す
ると、シールドルーム底壁の、外乱磁界の方向に沿った
端部側の磁気通路55を撤去する。例えば、図9(A)
の磁気シールドルームにおいて、外乱磁界の方向がX方
向であった場合、X方向に沿った端部側の磁気通路55
−3を撤去する(図10参照)。
【0060】図10に示す磁気シールドルームにおい
て、上述の試験例と同じ条件でシールド率を測定した結
果、シールド率は、シールドルームの底壁から200m
mの位置で、開口を設けない場合の0.5割減となっ
た。したがって、本実施の形態に係る磁気シールドルー
ムにおいては、図10に示す磁気シールドルームが最も
シールド率が高く、開口を設けない場合とほぼ同等の効
果を得ることができる。
【0061】なお、図5、図8、図9、図10に示す実
施の形態に示すように、開口47の数を複数とする場合
も、開口を装置設置部に対して対向するように位置させ
る。
【0062】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、シールドルームの底壁近傍に磁気シールドを
必要とする装置を設置しても、底壁からの漏れ磁束を低
減できるため、装置を大型化せず、十分なシールド効果
を得られる磁気シールドルーム及び磁気シールド方法を
提供することができる。また、開口を設けたことにより
使用するシールド材の量を低減でき、開口の位置を考慮
することによりシールド材の継ぎ目の設計や処理工程を
減らすことができる。したがって、比較的小型で、十分
な磁気シールドが施されて外乱磁界の影響を受けにくい
高精度の露光装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る磁気シールド
ルームの作用を模式的に説明する図であり、図1(A)
は開口を有しないシールドルーム内の磁界の状態を示す
図であり、図1(B)は本発明の磁気シールドルーム内
の磁界の状態を模式的に示す図である。
【図2】図1の磁気シールドルームと、同ルーム内に設
置された露光装置を模式的に示す図であり、図2(A)
はルーム全体の斜視図、図2(B)は図2(A)のB−
B面の断面図である。
【図3】図1の磁気シールドルームの底面図である。
【図4】電子線露光装置の構成と結像関係の一例を模式
的に示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る磁気シールド
ルームの底面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る磁気シールド
ルームを説明する底面図である。
【図7】図6の磁気シールドルームの磁気シールド作用
を模式的に説明する図であり、図7(A)はB−B断
面、図7(B)はC−C断面である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る磁気シールド
ルームの底面を示す図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係る磁気シールド
ルームの底面図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態に係る磁気シール
ドルームの底面図である。
【図11】露光光装置の従来の磁気シールド方法の一例
を模式的に説明する図である。
【図12】一般的なアクティブキャンセラの作用を模式
的に説明する図である。
【符号の説明】
1 電子銃 24 ウェハステ
ージ 31 光学鏡筒 33 ウェハチ
ャンバ 35 内シールド壁(装置設置空間) 37 真空配管 39 開口 40 スキマ 41 底壁 43 磁気シー
ルドルーム 45 底壁 47 開口 49 領域 51 装置設置
部 53 周辺部 55 磁気通路 57 設置脚 100 露光装置

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外乱磁界を遮蔽した装置設置空間を内部
    に有する磁気シールドルームであって、 該ルームの装置設置部と、該部分以外の部分(周辺部)
    との間に、前記装置設置部への漏れ磁界を低減するため
    の磁気通路を確保しつつ、前記装置設置部の周りの前記
    隔壁にリング形状の開口が形成されていることを特徴と
    する磁気シールドルーム。
  2. 【請求項2】 外乱磁界を遮蔽した装置設置空間を内部
    に有する磁気シールドルームであって、 該ルーム隔壁(床、天井含む)に対する前記装置設置空
    間の投影部分(装置設置部)と、該部分以外の隔壁部分
    (周辺部)との間に、前記装置設置空間への漏れ磁界を
    低減するための磁気通路を確保しつつ、前記装置設置部
    の周りの前記隔壁に開口が形成されていることを特徴と
    する磁気シールドルーム。
  3. 【請求項3】 前記開口は、前記装置設置部に対して対
    向するように設けられていることを特徴とする請求項1
    又は2記載の磁気シールドルーム。
  4. 【請求項4】 前記外乱磁界の方向と交差する方向に前
    記磁気通路が設けられていることを特徴とする請求項1
    又は2記載の磁気シールドルーム。
  5. 【請求項5】 前記装置設置空間が、前記磁気シールド
    ルーム内において、ある偏った方向に寄せて設けられて
    おり、 前記外乱磁界の方向に沿って、前記装置設置部の前記ル
    ーム中心寄りの側の部分に前記磁気通路が設けられてい
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気シールド
    ルーム。
  6. 【請求項6】 前記装置設置空間が、前記磁気シールド
    ルーム内において、ある偏った方向に寄せて設けられて
    おり、 前記外乱磁界の方向に沿って、前記装置設置部の前記ル
    ーム中心寄りの側の部分に比較的容量の大きい磁気通路
    が設けられており、前記装置設置部の前記ルームの端寄
    りの側に比較的容量の小さい磁気通路が設けられている
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の磁気シールドル
    ーム。
  7. 【請求項7】 前記装置設置部の周り四方向に前記磁気
    通路が設けられていることを特徴とする請求項1又は2
    記載の磁気シールドルーム。
  8. 【請求項8】 前記装置設置空間が、前記磁気シールド
    ルーム内において、ある偏った方向に寄せて設けられて
    おり、 前記外乱磁界の方向に沿って、前記装置設置部の前記ル
    ーム中心寄りの側の部分、及び、前記装置設置部の周り
    の前記外乱磁界の方向と交差する二方向に前記磁気通路
    が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載
    の磁気シールドルーム。
  9. 【請求項9】 装置設置空間を磁気シールドする方法で
    あって、 該装置設置空間を内部に有する磁気シールドルームの隔
    壁(床、天井含む)に対する前記装置設置空間の投影部
    分(装置設置部)の周りに開口を形成し、 前記装置設置部の周り四方向に、前記装置設置部と、該
    部以外の隔壁部分(周辺部)とをつなぐ磁気通路を設
    け、 前記外乱磁界の方向を判定して、前記磁気通路の一つを
    撤去することを特徴とする磁気シールド方法。
  10. 【請求項10】 感応基板上に荷電粒子線を選択的に照
    射してデバイスパターンを形成する露光装置であって、 該露光装置の周囲に請求項1〜8いずれか1項記載の磁
    気シールドルームが設けられていることを特徴とする露
    光装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1122255C (zh) * 1995-10-23 2003-09-24 雅马哈株式会社 具有可变设定参数范围以控制音响信号的卡拉ok放大器
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