JP2003243412A - 薄膜トランジスタおよびその製造方法ならびに液晶画像表示装置用基板および液晶画像表示装置 - Google Patents

薄膜トランジスタおよびその製造方法ならびに液晶画像表示装置用基板および液晶画像表示装置

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JP2003243412A JP2002035837A JP2002035837A JP2003243412A JP 2003243412 A JP2003243412 A JP 2003243412A JP 2002035837 A JP2002035837 A JP 2002035837A JP 2002035837 A JP2002035837 A JP 2002035837A JP 2003243412 A JP2003243412 A JP 2003243412A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い移動度が実現可能なチャネルエッチ型T
FTおよびその製造方法、ならびにこのTFTを備えた
液晶画像表示装置用基板および液晶画像表示装置を提供
する。 【解決手段】 チャネルエッチ型TFTの作製時には膜
厚50〜100nmの半導体膜5および膜厚20〜10
0nmのコンタクト膜7を成膜する。TFTのチャネル
エッチング工程では、まず金属電極膜9およびコンタク
ト膜7を大きなプラズマ電力でドライエッチングする
(ソース・ドレイン電極形成エッチング工程)。この
時、エッチング後に膜厚20nm以上のコンタクト膜7
が残るようにする。続いて、残ったコンタクト膜7を小
さなプラズマ電力でドライエッチングして除去し、半導
体膜5のソース電極9aとドレイン電極9bとの間に位
置する領域にチャネル領域21を形成する(チャネル領
域形成エッチング工程)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チャネルエッチ型
薄膜トランジスタおよびその製造方法、ならびにこの薄
膜トランジスタを備えた液晶画像表示装置用基板および
この液晶画像表示装置用基板を備えたアクティブマトリ
クス型の液晶画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶画像表示装置(LCD:Liquid Clys
tal Display)は、薄型化、軽量化、省電力化が可能で
あるといった特徴を有しており、大型のものではノート
パソコン、モニタ、テレビなどに用いられ、中型および
小型のものでは携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメ
ラなどに広く用いられている。
【0003】液晶画像表示装置は、構造上の違いから、
パッシブマトリクス型とアクティブマトリクス型とに分
けられる。パッシブマトリクス型は、互いに交差したス
トライプ状の電極から構成されるため、構造が簡単で製
造コストの面で有利である。しかしながら、原理的にク
ロストークが発生しやすく、また、応答速度も遅いた
め、画質の面で問題が生じる。一方、アクティブマトリ
クス型は、各画素ごとにスイッチング素子が設けられて
いるため、クロストークが少なく応答速度も速い。した
がって、良好な画像を得ることができる。このため、現
在では、アクティブマトリクス型が液晶画像表示装置の
主流となっている。
【0004】アクティブマトリクス型液晶画像表示装置
のスイッチング素子として一般的に用いられているの
は、非晶質シリコン(a−Si)で構成された半導体膜
を構成要素として含む薄膜トランジスタ(以下、TFT:
Thin Film Transistor と呼ぶ)である。このTFT
は、構造上の違いから、チャネル保護型TFT(ChP
型TFT)とチャネルエッチ型TFT(ChE型TF
T)とに大きく分けられる。
【0005】図10(a)〜(d),図11(a),
(b)は、一般的な構造のチャネル保護型TFTを有す
る液晶画像表示装置用基板の製造方法を示す模式的な工
程別断面図である。まず、図10(a)に示すように、
ガラス基板1の表面全体に透明電極膜を成膜した後、フ
ォト工程とエッチング工程とにより透明電極膜を所定形
状にパターニングして画素電極2を形成する。次に、図
10(b)に示すように、ガラス基板1上に金属電極膜
を成膜した後、フォト工程とエッチング工程とにより金
属電極膜を所定形状にパターニングしてゲート線3’お
よびゲート電極3を形成する。そして、図10(c)に
示すように、画素電極2、ゲート線3’およびゲート電
極3が形成されたガラス基板1の表面全体にゲート絶縁
膜4および半導体膜5およびチャネル保護絶縁膜をこの
順で連続して成膜するとともにフォト工程とエッチング
工程とによりチャネル保護絶縁膜を所定形状にパターニ
ングしてチャネル保護部6を形成する。続いて、図10
(d)に示すように、半導体膜5上およびチャネル保護
部6上に不純物半導体からなるコンタクト膜7を成膜す
るとともに、フォト工程とエッチング工程とにより画素
電極2の所定領域上のゲート絶縁膜4、半導体膜5およ
びコンタクト膜7を除去してコンタクトホール8および
開口部13を形成する。次に、図11(a)に示すよう
に、コンタクト膜7と開口部13内およびコンタクトホ
ール8内とに金属電極膜9を成膜し、その後、フォト工
程とエッチング工程とにより、チャネル保護部6の所定
領域上のコンタクト膜7および金属電極膜9と、画素電
極2の所定領域上に位置する領域上の金属電極膜9、コ
ンタクト膜7および半導体膜5を除去する。それによ
り、ギャップ12を形成して金属電極膜9を対向する2
つの領域に分離してソース電極9aおよびドレイン電極
9bを形成するとともにゲート電極3上に位置する半導
体膜5の領域にチャネル領域21を形成する。このよう
にソース電極9aおよびドレイン電極9bを形成し、そ
の結果としてソース電極9aとドレイン電極9bとの間
に位置する半導体膜5の領域付近ににチャネル領域21
を形成する。この工程はプラズマを用いたドライエッチ
ングにより行われる。
【0006】最後に、図11(b)に示すように、金属
電極膜9上、チャネル保護部6上および露出したゲート
絶縁膜4上に保護絶縁膜10を成膜し、その後、フォト
工程とエッチング工程とにより画素電極2の所定領域上
の保護絶縁膜10、金属電極膜9およびゲート絶縁膜4
を除去して画素電極開口部11を形成する。以上のよう
にして、チャネル保護型TFT50を有する液晶画像表
示装置用基板が得られる。
【0007】一方、図12(a)〜(e)は、一般的な
構造のチャネルエッチ型TFTを有する液晶画像表示装
置用基板の製造方法を示す模式的な工程断面図である。
まず、図12(a)に示すように、ガラス基板1の表面
全体に金属電極膜を成膜した後、フォト工程とエッチン
グ工程とにより金属電極膜を所定形状にパターニングし
てゲート線3’およびゲート電極3を形成する。そし
て、図12(b)に示すように、ゲート線3’およびゲ
ート電極3が形成されたガラス基板1の表面全体にゲー
ト絶縁膜4、半導体膜5および不純物がドープされた半
導体からなるコンタクト膜7をこの順で連続して成膜す
るとともに、フォト工程とエッチング工程とにより、ゲ
ート電極3上の領域以外の領域のコンタクト膜7および
半導体膜5を除去する。
【0008】続いて、図12(c)に示すように、ゲー
ト絶縁膜4上およびコンタクト膜7上に金属電極膜9を
成膜し、その後、フォト工程とエッチング工程とにより
ゲート電極3上の所定領域の金属電極膜9およびコンタ
クト膜7、画素電極形成領域14の所定領域の金属電極
膜9を除去する。このようにゲート電極3上の所定領域
の金属電極膜9およびコンタクト膜7を除去しギャップ
12を形成して金属電極膜9を分離することによりソー
ス電極9aおよびドレイン電極9bを形成し、その結果
としてソース電極9aとドレイン電極9bとの間に位置
する半導体膜5の領域付近にチャネル領域21を形成す
る。この工程はプラズマを用いたドライエッチングによ
り行われる。
【0009】さらに、図12(d)に示すように、前記
工程が施されたガラス基板1の表面全体に保護絶縁膜1
0を成膜するとともに、フォト工程とエッチング工程と
により画素電極形成領域14にコンタクトホール8およ
び開口部15を形成する。最後に、図12(e)に示す
ように、画素電極形成領域14の保護絶縁膜10上、コ
ンタクトホール8内および開口部15内に透明電極膜を
成膜して画素電極2を形成する。以上のようにして、チ
ャネルエッチ型TFT51を有する液晶画像表示装置用
基板が得られる。
【0010】上記のように、チャネルエッチ型TFT5
1は、チャネル保護型TFT50に比べて製造時におけ
る工程数が少ない。また、チャネルエッチ型TFT51
では、チャネル保護型TFT50に比べて平面視におい
てソース電極9aおよびドレイン電極9bとゲート電極
3とが重なる領域の面積を小さくすることができ、よっ
て、ソース電極9aとゲート電極3との間に生じる寄生
容量を低減することができる。さらに、チャネル保護型
TFT50では、チャネル保護部6をエッチングストッ
パー層として機能させるためにソース電極9aとドレイ
ン電極9bとを分離するためのギャップ12を平面視に
おいてチャネル保護部6内に収まるように形成しなくて
はならず、よって、フォトリソグラフィにおける位置ず
れ等を考慮してチャネル保護部6の面積を大きくしなく
てはいけないため小型化を図るのが困難であるのに対し
て、チャネルエッチ型TFT51では、チャネル保護部
6を形成する必要がないため小型化を図りやすい。以上
のような特徴を有していることから、現在ではチャネル
エッチ型TFT51がTFTの主流として用いられてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般的
に、チャネルエッチ型TFT51の実効的なキャリアの
移動度(以下、単に移動度と呼ぶ。なお、この場合にお
いては電子がキャリアに相当する)は0.4cm2/v
・s程度であり、移動度が約0.8cm2/v・sであ
るチャネル保護型TFT50に比べて劣っている。この
ため、チャネルエッチ型TFT51を用いて高い移動度
が要求される大画面・高精細液晶画像表示装置を実現す
るのは困難である。
【0012】チャネルエッチ型TFT51の移動度が低
い要因の1つとして、前述のチャネルエッチング工程が
半導体膜5のチャネル領域21へ及ぼすダメージの影響
が挙げられる。チャネル保護型TFT50では、前述の
チャネルエッチング工程において、チャネル保護部6が
ドライエッチングのストッパー層として機能するため、
チャネル領域21となるチャネル保護部6下の半導体膜
5の領域にエッチングのダメージが及ぶのを防止するこ
とが可能である。これに対して、チャネルエッチ型TF
T51ではチャネル保護部6が形成されずに半導体膜5
上に直接コンタクト膜7が形成されているため、チャネ
ルエッチング工程においてプラズマによるドライエッチ
ングを行うと半導体膜5のチャネル領域21にプラズマ
により大きなダメージ(格子欠陥等の発生)が及んでし
まう。このように半導体膜5のチャネル領域21が大き
なダメージを受けると、TFT51における移動度が低
下する。
【0013】一方、ウエットエッチングによりエッチン
グを行ってチャネル領域を形成するチャネルエッチ型T
FTにおいては、ドライエッチングを行う場合に比べて
チャネル領域に与えるダメージを小さくすることができ
る。このため、ドライエッチングを行って形成した場合
よりも高い移動度を実現することができる。
【0014】しかしながら、ソース電極およびドレイン
電極を構成する金属電極膜のうちウエットエッチングに
よりエッチング可能な材料はMoやCrおよびその合金
等に限定されてしまう。これに対して、ドライエッチン
グでは幅広い構成材料に対してエッチングを行うことが
可能であるため、ドライエッチングにより高い移動度を
有するチャネルエッチ型TFTを形成することは有効で
ある。
【0015】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたもので、高い移動度が実現可能なチャネル
エッチ型TFTおよびその製造方法、ならびにこのTF
Tを備えた液晶画像表示装置用基板および液晶画像表示
装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る薄膜トラン
ジスタは、基板上に形成されたゲート電極と、前記ゲー
ト電極上に順に形成されたゲート絶縁膜、半導体膜およ
びコンタクト膜と、前記コンタクト膜上に対向するよう
に形成された金属電極膜から構成されるソース電極およ
びドレイン電極とを備え、略前記ソース電極と前記ドレ
イン電極との間に位置する前記半導体膜の領域にチャネ
ル領域が形成されるチャネルエッチ型構造を有する薄膜
トランジスタにおいて、前記対向するソース電極とドレ
イン電極との間に位置する領域を除く前記半導体膜の領
域の膜厚が50nm以上100nm以下であるととも
に、前記コンタクト膜の膜厚が20nm以上100nm
以下であるものである(請求項1)。
【0017】かかる構成を有する薄膜トランジスタにお
いては、製造時のチャネルエッチング工程において適切
な条件でプラズマを用いたドライエッチングを行うこと
により、エッチング表面付近に形成される半導体膜のダ
メージ領域のダメージの状態密度を低減化することがで
きる。このため、ダメージ領域とチャネル領域とを近づ
けることが可能となり、半導体膜を薄膜化することが可
能となる。また、この場合、半導体膜におけるダメージ
領域とチャネル領域との距離を適切に保つことにより、
上記のようにダメージ領域とチャネル領域とを近づけて
も、閾値電圧の上昇を抑制することが可能となる。以上
のことから、本発明の薄膜トランジスタにおいては、閾
値電圧の上昇を抑制しつつ移動度の向上を図ることが可
能となる。
【0018】本発明に係る薄膜トランジスタの製造方法
は、基板上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極
上に順に形成されたゲート絶縁膜、半導体膜およびコン
タクト膜と、前記コンタクト膜上に対向するように形成
された金属電極膜から構成されるソース電極およびドレ
イン電極とを備え、略前記ソース電極と前記ドレイン電
極との間に位置する前記半導体膜の領域にチャネル領域
が形成されるチャネルエッチ型構造を有する薄膜トラン
ジスタの製造方法であって、前記ソース電極および前記
ドレイン電極を形成するチャネルエッチング工程が、前
記コンタクト膜を覆うように形成された前記金属電極膜
の所定領域をプラズマを用いたドライエッチングにより
除去して前記金属電極膜を対向する2つの領域に分離す
ることにより前記ソース電極と前記ドレイン電極とを形
成するソース・ドレイン電極形成エッチング工程と、前
記ソース・ドレイン電極形成エッチング工程の後に残っ
た前記ソース電極および前記ドレイン電極間に位置する
前記コンタクト膜の領域を、前記ソース・ドレイン電極
形成エッチング工程におけるドライエッチングのプラズ
マよりも小さなプラズマによりドライエッチングして除
去し前記半導体膜を露出させるチャネル領域形成エッチ
ング工程とを合わせるものである(請求項2)。
【0019】かかる構成によれば、大きなプラズマ電力
を用いてドライエッチングを行うソース・ドレイン電極
形成エッチング工程において形成されたダメージの状態
密度の大きな領域を、続くチャネル領域形成エッチング
工程のドライエッチングにより除去することができる。
このチャネル領域形成エッチング工程のドライエッチン
グは、ソース・ドレイン電極形成エッチング工程よりも
小さなプラズマ電力を用いて行われため、チャネル領域
形成エッチング工程のドライエッチングにより半導体膜
のエッチング表面に形成されたダメージ領域のダメージ
の状態密度は小さくなる。このため、本発明に係る製造
方法によれば、薄膜トランジスタにおいてダメージ領域
とチャネル領域とを近づけることが可能となり、半導体
膜の薄膜化を図ることが可能となる。また、この場合に
おいては、ダメージ領域とチャネル領域との距離を適切
に保つことが可能であるため、このようにダメージ領域
とチャネル領域とを近づけても閾値電圧の上昇を抑制す
ることができる。したがって、本発明に係る製造方法に
よれば、閾値電圧の上昇を抑制しつつ移動度の向上が図
られた薄膜トランジスタを製造することが可能となる。
【0020】前記コンタクト膜の厚さを20nm以上1
00nm以下とするとともに、前記ソース電極と前記ド
レイン電極との間に位置する領域を除く前記半導体膜の
領域の厚さを50nm以上100nm以下とすることが
好ましく(請求項3)、また、前記ソース・ドレイン電
極形成エッチング工程の後に残った前記ソース電極およ
びドレイン電極間に位置する前記コンタクト膜の領域の
厚さを20nm以上とすることが好ましい(請求項
4)。
【0021】かかる構成によれば、ソース・ドレイン電
極形成エッチング工程において大きなダメージを受ける
領域をコンタクト膜内にとどめることができ、この大き
なダメージを受けた領域を、続くチャネル領域形成エッ
チング工程におけるドライエッチングにより除去するこ
とにより、最終的に半導体膜に形成されるダメージ領域
のダメージの状態密度を低減化することが可能となる。
また、半導体膜においてダメージ領域とチャネル領域と
の距離を適切に保つことができるため、閾値電圧の上昇
を抑制しながら半導体膜の薄膜化を図り、移動度の向上
を図ることが可能となる。さらに、コンタクト膜および
半導体膜の厚さをこのように設定することにより、各工
程のドライエッチングにおける面内のエッチング状態の
均一性を図ることができるとともに容易にドライエッチ
ングを行うことが可能となる。
【0022】本発明に係る液晶画像表示装置用基板は、
チャネルエッチ型構造を有する薄膜トランジスタを備え
液晶画像表示装置に用いられる液晶画像表示装置用基板
であって、前記薄膜トランジスタが、請求項1記載の薄
膜トランジスタであるものである(請求項5)。
【0023】かかる構成によれば、前述したように、薄
膜トランジスタにおいて移動度の向上を図ることが可能
であるため、スイッチング速度が速く高いオン電流を実
現することが可能となる。したがって、このような液晶
表示装置用基板を用いれば、大画面・高精細な液晶画像
表示装置を実現することが可能となる。
【0024】本発明に係る液晶画像表示装置は、互いに
対向する一対の薄膜トランジスタアレイ基板と対向基板
との間に液晶層が挟持されてなる液晶画像表示装置であ
って、前記薄膜トランジスタアレイ基板が画像信号を画
素に書き込むためのスイッチング素子として請求項1記
載の薄膜トランジスタを備えたものである(請求項
6)。
【0025】かかる構成によれば、前述したように、薄
膜トランジスタにおいて移動度の向上を図ることが可能
であるため、スイッチング速度が速く高いオン電流を実
現することができ、画素への書き込み能力が高くまたそ
の能力の均一性が高くなり、よって、大画面・高精細な
液晶画像表示装置を実現することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の実施の形態1に係る液
晶画像表示装置用基板の構成を示す模式的な図であっ
て、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のIb
−Ib’線における断面図である。
【0027】図1(a)に示すように、平面視におい
て、ガラス基板1上にゲート線201(3’)とソース
線202とが互いに直交するように形成されており、こ
のゲート線200およびソース線202でマトリクス状
に区画された領域が1つの画素を構成している。なお、
液晶画像表示装置用基板には複数のゲート線201とソ
ース線202とが形成されており、これらに区画されて
複数の画素が形成されている。ここでは液晶画像表示装
置用基板に形成された複数の画素のうちの1つの画素を
抜き出して説明する。
【0028】画素領域には画素電極2が形成されてお
り、また、ゲート線201上に重なるように蓄積容量電
極203が形成されている。ゲート電極3を含む領域に
は画像信号を画素に書き込むためのスイッチング素子と
して後述する構造を有するチャネルエッチ型TFT11
0が配設されており、TFT110のドレイン電極9b
がコンタクトホール8を介して画素電極2に接続される
とともにTFTのソース電極9aにソース線202が接
続されている。また、ゲート電極3はゲート線201に
接続されている。
【0029】図1(b)に示すように、断面視におい
て、液晶画像表示装置用基板100では、ガラス基板1
の所定領域上にゲート電極3およびゲート線3’(20
1)が形成されている。ここで、液晶画像表示装置用基
板100において、ゲート電極3が形成され後述するよ
うにチャネルエッチ型TFT(以下、単にTFTと呼
ぶ)110が形成された領域をTFT部と呼ぶ。また、
ゲート線3’が形成された領域をゲート線部と呼ぶ。さ
らに、このTFT部とゲート線部との間に位置し後述す
るように画素電極2が形成された領域を画素部と呼ぶ。
【0030】TFT部において、ガラス基板1上および
このガラス基板1上に形成された前記ゲート電極3上に
は、ゲート絶縁膜4、半導体膜5、コンタクト膜7およ
び金属電極膜9がこの順で積層されており、所定領域の
金属電極膜9から半導体膜5の所定深さまでがエッチン
グにより除去されてギャップ20が形成されている。こ
の場合、ギャップ20が形成された領域を除く領域の半
導体膜5の厚さt2は50nm以上100nm以下であ
り、コンタクト膜7の厚さt1は20nm以上100n
m以下である。ギャップ20によりソース電極9aとド
レイン電極9bとが分離されて対向するように形成さ
れ、その結果として略ソース電極3aとドレイン電極3
bとの間に位置する半導体膜5の領域付近にチャネル領
域21が形成される。また、ギャップ20の底部にあた
る半導体膜5のエッチング表面(以下、この領域をバッ
クチャネル領域と呼ぶ)にはエッチングによりダメージ
を受けたダメージ領域22が形成される。ソース電極9
aおよびドレイン電極9bを構成する金属電極膜9表面
およびギャップ20内には保護絶縁膜10が形成されて
いる。以上のようにして、TFT110が形成されてい
る。
【0031】画素部では、ガラス基板1上にゲート絶縁
膜4が形成され、このゲート絶縁膜4上に、開口部23
を有する金属電極膜9が形成されている。金属電極膜9
上および開口部23内には、コンタクトホール8および
開口部24を有する保護絶縁膜10が形成されており、
さらに、保護絶縁膜10上、コンタクトホール8内およ
び開口部24内には画素電極2が形成されている。この
ような構成の画素部においては、コンタクトホール8を
介して画素電極2がTFT110のドレイン電極9bに
接続している。
【0032】ゲート線部においては、ガラス基板1上に
形成されたゲート線3’(201)を覆うようにゲート
絶縁膜4が形成され、ゲート絶縁膜4の所定領域上に金
属電極膜9が形成されるとともにこの金属電極膜9およ
び露出したゲート絶縁膜4を覆うように保護絶縁膜10
が形成されている。
【0033】上記の液晶画像表示装置用基板100にお
いて、ゲート電極3およびゲート線3’を構成する金属
電極膜ならびにソース電極9aおよびドレイン電極9b
を構成する金属電極膜9としては、Al・Nb合金膜や
MoW膜などの単層膜だけでなく、Ti膜/Al膜/T
i膜、Al・Nb合金膜/MoW膜、MoW膜/Al膜
/MoW膜などの積層膜も用いられる。また、ゲート絶
縁膜4は窒化ケイ素からなり、半導体膜5は非晶質シリ
コン(a−Si)からなり、コンタクト膜7は不純物が
ドープされた半導体、具体的には不純物としてリンがド
ープされた非晶質シリコンからなり、保護絶縁膜10は
窒化ケイ素からなる。また、画素電極2を構成する透明
電極膜としてはITO(インジウムスズ酸化物)膜が用
いられる。
【0034】本実施の形態の液晶画像表示装置用基板1
00は、以下の製造方法により製造される。
【0035】図2(a)〜(d),図3(a),(b)
は、本実施の形態の液晶画像表示装置用基板の製造方法
を模式的に示す工程別断面図である。
【0036】図2(a)に示すように、まず、ガラス基
板1の表面全体に金属電極膜を成膜した後、フォト工程
およびエッチング工程によりパターニングを行ってゲー
ト電極3およびゲート線3’を形成する。次に、図2
(b)に示すように、ゲート電極3およびゲート線3’
が形成されたガラス基板1の表面全体に、ゲート絶縁膜
4、半導体膜5およびコンタクト膜7をこの順で成膜し
た後、フォト工程とエッチング工程によりゲート絶縁膜
4、半導体膜5およびコンタクト膜7を所定形状にパタ
ーニングする。ここで、半導体膜5の厚さt2は50n
m以上100nm以下とする。また、コンタクト膜7の
厚さt1は20nm以上100nm以下とする。
【0037】なお、ゲート絶縁膜4、半導体膜5および
コンタクト膜7はいずれもPCVD装置を用いて成膜
し、これらの膜4,5,7は同一成膜チャンバ内におい
て真空状態を保持したまま連続して成膜することが望ま
しい。
【0038】次に、コンタクト膜7上およびゲート絶縁
膜4上に金属電極膜9を成膜する。そして、図2(c)
に示すように、画素部およびゲート線部の所定領域の金
属電極膜9を除去して開口部23,23’を形成する。
それにより、ゲート線部に、金属電極膜9から構成され
る蓄積容量電極203が形成される。この蓄積容量電極
203はゲート絶縁膜4を介してゲート線3’と対向し
ているため、ゲート線3’との間に容量が形成される。
また、TFT部においては、所定領域の金属電極膜9を
除去して金属電極膜9をソース線に平行な所定幅の帯状
に形成し(図1(b)参照)、次に、図2(c)および
図2(d)に示すよう、チャネルエッチング工程を行う
ことによりこの帯状の金属電極膜9にギャップ20を形
成して金属電極膜9を対向する2つの領域に分離してソ
ース電極9aとドレイン電極9bとを形成し、その結果
として略ソース電極9aとドレイン電極9bとの間に位
置する半導体膜5の領域にチャネル領域21を形成す
る。以下、このチャネルエッチング工程の詳細について
説明する。
【0039】チャネルエッチング工程においては、まず
第1段階として、図2(c)に示すように、フォト工程
とエッチング工程とにより、TFT部のチャネル領域形
成領域の金属電極膜9からコンタクト膜7の所定深さま
でを除去してギャップ20を形成する。このギャップ2
0により金属電極膜9を対向する2つの領域に分離して
ソース電極9aとドレイン電極9bとを形成する。
【0040】ここでは、上記のようにチャネル領域形成
領域の金属電極膜9およびコンタクト膜7をエッチング
してギャップ20を形成しソース電極9aとドレイン電
極9bとを形成する工程を、チャネルエッチング工程の
うちのソース・ドレイン電極形成エッチング工程と呼
ぶ。ソース・ドレイン電極形成エッチング工程では、金
属電極膜9をプラズマを用いてドライエッチングするた
め、エッチングの際のプラズマ電力を大きくする。この
ため、エッチング後に残ったコンタクト膜7は大きなダ
メージを受けておりダメージの状態密度が大きくなる。
なお、ドライエッチングによるダメージとは、具体的に
は格子欠陥や不純物の注入のことをさす。
【0041】本実施の形態においては、ソース・ドレイ
ン電極形成エッチング工程後に残るコンタクト膜7の厚
さt3を20nm以上とする。このような厚さのコンタ
クト膜7においては、ソース・ドレイン電極形成エッチ
ング工程のドライエッチングによるダメージをコンタク
ト膜7内にとどめることができ、コンタクト膜7下の半
導体膜5にまでエッチングのダメージが及ぶのを防止で
きる。
【0042】なお、ソース・ドレイン電極形成エッチン
グ工程におけるコンタクト膜7のエッチングの深さは浅
いほど好ましく、金属電極膜9のみをエッチングしてコ
ンタクト膜7はエッチングしないのが理想的である。コ
ンタクト膜7のエッチングの深さを浅くすることによ
り、より確実にコンタクト膜7内にダメージを閉じこめ
ることができダメージが半導体膜5に及ぶのを防止する
ことができる。
【0043】次に、チャネルエッチング工程の第2段階
として、図2(d)に示すように、チャネル領域形成領
域に形成されたギャップ20内のコンタクト膜7から半
導体膜5の所定深さまでをプラズマを用いたドライエッ
チングにより除去し、半導体膜5にチャネル領域21を
形成する。このようにチャネル領域21を形成する工程
を、チャネルエッチング工程のうちのチャネル領域形成
エッチング工程と呼ぶ。このチャネル領域形成エッチン
グ工程により、ダメージの状態密度が大きいコンタクト
膜7を除去することができる。
【0044】ここで、チャネル領域形成エッチング工程
では、前述のソース・ドレイン電極形成エッチング工程
のように金属電極膜9をエッチングする必要がないた
め、エッチングの際のプラズマ電力を小さくすることが
できる。このため、半導体膜5のバックチャネル領域が
受けるダメージは小さく、よって、バックチャネル領域
の表層部分に形成されたダメージ領域22のダメージの
状態密度は小さくなる。
【0045】TFT110においては、半導体膜5のゲ
ート電極3に対向する面に沿ってチャネル領域21が形
成されるが、後述するように、ダメージ領域22とこの
チャネル領域21との距離が小さくなるほど閾値電圧が
高くなるため、ダメージ領域22とチャネル領域21と
の距離は可能な限り大きい方が好ましい。よって、半導
体膜5におけるエッチング深さは浅い方が好ましく、エ
ッチングの深さを0、すなわちコンタクト膜7のみを除
去して半導体膜5はエッチングしないのが理想的であ
る。しかし、コンタクト膜7のみを除去して半導体膜5
をエッチングしないようにするにはコンタクト膜7の膜
厚をガラス基板1に平行な面内で均一にしかつドライエ
ッチングのエッチングレートを前記面内で均一にしなけ
ればならないが、実際にはコンタクト膜7の膜厚および
エッチングレートは不均一となるため、半導体膜5のエ
ッチング深さを0とするのは現実にはほぼ不可能であ
る。
【0046】ところで、コンタクト膜7は導電性であ
り、このような導電性のコンタクト膜7がTFT110
のチャネル領域21に存在するとソース電極9aとドレ
イン電極9bとが電気的に接続されてしまう。このた
め、チャネル領域21のコンタクト膜7は完全に除去し
なければならない。それゆえ、コンタクト膜7の膜厚や
エッチングレートの不均一性に関わらずコンタクト膜7
をエッチングにより確実に除去できるように、通常はコ
ンタクト膜7が除去された後も余分にエッチングを行う
(これをオーバーエッチングと呼ぶ)。このオーバーエ
ッチングの際に半導体膜5がエッチングされる。オーバ
ーエッチングにおける半導体膜5のエッチングの量は、
コンタクト膜7の膜厚およびエッチングレートの面内ば
らつき、TFT110の閾値電圧上昇の許容量等によっ
て決まるが、前述のようにダメージ領域22とチャネル
領域21との距離を大きくする点から、オーバーエッチ
ングにおける半導体膜5のエッチング量は少ない方が好
ましい。
【0047】以上のように、本実施の形態の製造方法に
おいては、エッチング時のプラズマ電力の大きさが異な
る2段階のエッチング工程、すなわちソース・ドレイン
電極形成エッチング工程とチャネル領域形成エッチング
工程とから構成されるチャネルエッチング工程により半
導体膜5にチャネル領域21を形成する。このような方
法によれば、半導体膜5のダメージ領域22のダメージ
の状態密度を低減することができるとともに、ダメージ
領域22とチャネル領域21との距離を適切に保つこと
が可能となる。
【0048】上記のチャネルエッチング工程の後、図3
(a)に示すように、金属電極膜9上、ギャップ20お
よび開口部23,23’内に保護絶縁膜10を成膜し、
フォト工程とエッチング工程により所定領域の保護絶縁
膜10を除去して画素部にコンタクトホール8および開
口部24を形成する。最後に、図3(b)に示すよう
に、画素部の保護絶縁膜10上、コンタクトホール8内
および開口部24内に透明電極膜を成膜し、フォト工程
とエッチング工程により所定領域の透明電極膜を除去し
て画素電極2を形成する。以上のようにして液晶画像表
示装置用基板100が製造される。
【0049】液晶表示装置用基板100のTFT110
は、上記のようにエッチングの際のプラズマ電力の大き
さが異なる2段階のエッチング工程から構成されるチャ
ネルエッチング工程を経て製造されるため、図12に示
す従来のチャネルエッチ型TFT51に比べて半導体膜
5のダメージ領域22におけるダメージの状態密度を低
く抑えることができる。このため、ダメージ領域22と
チャネル領域21とを近づけても、従来のチャネルエッ
チ型TFT51に比べて閾値電圧の上昇を抑制すること
ができ、よって、半導体膜5の厚さt2を薄くすること
が可能となる。このように、TFT110では、抵抗が
大きい半導体膜5の厚さt2を薄くできることから、従
来のチャネルエッチ型TFT51に比べて移動度の向上
が図られる。以下に、本実施の形態のTFT110の効
果をより詳細に説明する。
【0050】まず、一般に、図12(e)に示す従来の
チャネルエッチ型TFT51の移動度が図11(f)に
示すチャネル保護型TFT50の移動度と比較して低い
原因の1つには、チャネルエッチ型TFT51の半導体
膜5の厚さがチャネル保護型TFT50の半導体膜5と
比較して厚いことが挙げられる。例えば、通常のチャネ
ルエッチ型TFT51の半導体膜5の厚さが200nm
程度であるのに対して、チャネル保護型TFT50の半
導体膜5の厚さは50nm程度である。このように半導
体膜5の厚さが厚いチャネルエッチ型TFT51では、
以下の理由により移動度が低くなる。
【0051】図4は一般のチャネルエッチ型TFTの導
通状態における電流経路を示す模式図である。なお、図
4ではチャネルエッチ型TFTの場合の電流経路を示し
ているが、チャネル保護型TFTの場合の電流経路も同
様である。図4の矢印で示すように、電流は、ソース電
極9aからコンタクト膜7、半導体膜5を通り、半導体
膜5のゲート絶縁膜4との界面付近に形成されているチ
ャネル領域21を通った後、再び半導体膜5、コンタク
ト膜7を通りドレイン電極9bに抜ける。この電流経路
において、チャネル領域21における抵抗をチャネル抵
抗と呼び、チャネル領域21以外の半導体膜5およびコ
ンタクト膜7における抵抗を寄生抵抗と呼ぶ。
【0052】寄生抵抗に関して、コンタクト膜7と半導
体膜5のうち、コンタクト膜7は不純物として高濃度の
リンがドープされた非晶質シリコンであるため比抵抗が
小さいのに対し、半導体膜5は不純物がドープされてい
ない真性の非晶質シリコンであるため比抵抗が非常に大
きい。このため、寄生抵抗の大部分は半導体膜5の抵抗
で占められているといってよい。したがって、半導体膜
5の厚さが厚いほど寄生抵抗が大きくなり、半導体膜5
の厚さが200nm程度である従来のチャネルエッチ型
TFTの寄生抵抗は半導体膜の厚さが50nm程度であ
る従来のチャネル保護型TFTの寄生抵抗の数倍大きく
なる。ここで、寄生抵抗はTFTに流れる電流を抑制す
る働きをもつことから、寄生抵抗の大きいチャネルエッ
チ型TFTでは、寄生抵抗の小さいチャネルプロテクト
型TFTに比べて電流の流れが強く抑制され、その結果
としてキャリア(この場合は電子)の移動度が低くな
る。
【0053】このことから、チャネルエッチ型TFTの
移動度を向上させるには、半導体膜5を薄膜化して寄生
抵抗を減少させる必要がある。しかしながら、単純に半
導体膜5を薄膜化したのでは、TFTの閾値電圧が大幅
に上昇してしまいTFTの特性が劣化するという問題が
発生する。
【0054】従来のチャネルエッチ型TFTにおいて半
導体膜5を薄膜化するとTFTの閾値電圧が上昇する現
象には、チャネルエッチング工程によって半導体膜5の
エッチングされた表面付近(バックチャネル領域)に形
成されるダメージ領域22が関係している。チャネルエ
ッチ型TFTのバックチャネル領域は、チャネルエッチ
ング工程において、ドライエッチング装置の基板側電極
に生じる直流バイアスによって加速されたプラズマ中の
イオンが打ち込まれるため物理的なダメージを受ける。
一般的に、従来のチャネルエッチ型TFTでは、図12
(c)に示すように、大きなプラズマ電力を用いて金属
電極膜9をドライエッチングしてソース電極9aおよび
ドレイン電極9bを形成した後、連続してコンタクト膜
7をエッチングしてチャネル領域21を形成する。ここ
で、基本的にドライエッチングにおけるプラズマ電力が
大きければ大ききほど、基板側電極に生じる直流バイア
スが大きくなり打ち込まれるイオンのエネルギーが大き
くなることから、このように大きなプラズマ電力により
エッチングされて形成されたバックチャネル領域には、
ダメージの状態密度が大きいダメージ領域22が形成さ
れる。
【0055】チャネルエッチ型TFTの移動度向上を目
的として半導体膜5を薄膜化すると、必然的に半導体膜
5のバックチャネル領域のダメージ領域22とチャネル
領域21との距離が近くなる。このようにダメージ領域
22とチャネル領域21とが近づくと、TFTの閾値電
圧が上昇する。特に、従来のチャネルエッチ型TFTで
は前述のようにダメージ領域22のダメージの状態密度
が大きいため、閾値電圧の上昇が顕著となる。
【0056】図5は、チャネルエッチ型TFTにおいて
半導体膜5のバックチャネル領域のダメージ領域22と
チャネル領域21との距離を変化させた場合のTFTの
閾値電圧の変化を示す図である。図5に示すように、バ
ックチャネル領域がダメージを受けていない場合には、
バックチャネル領域とチャネル領域21とを近づけても
閾値電圧はほとんど変化しないが、バックチャネル領域
にダメージ領域が形成された場合には、バックチャネル
領域のダメージ領域とチャネル領域との距離が近づくに
したがって閾値電圧が上昇する。この場合、ダメージ領
域のダメージの状態密度が大きいほど閾値電圧の上昇が
より顕著となる。
【0057】このことから、チャネルエッチ型TFTに
おいて閾値電圧の上昇を抑えながら移動度を向上させる
ためには、半導体膜5を薄膜化するだけでなく、バック
チャネル領域のダメージ領域22とチャネル領域21と
の距離を離し、なおかつ、バックチャネル領域のダメー
ジ領域22のダメージの状態密度を小さくする必要があ
る。
【0058】ところで、ドライエッチング時のプラズマ
電力が大きいチャネルエッチング工程では、ドライエッ
チング時のプラズマ電力を小さくしてチャネルエッチン
グ工程を行った場合に比べて、バックチャネル領域に与
えるダメージが大きくダメージ領域22のダメージの状
態密度が大きくなる。このことから、バックチャネル領
域のダメージ領域22のダメージの状態密度を低減させ
る手段の1つとして、チャネルエッチング工程における
プラズマ電力を小さくする方法が考えられる。しかしな
がら、プラズマ電力を小さくすると、副作用として金属
電極膜9のエッチングレートが減少したりエッチング状
態の均一性が悪化するなどの問題が生じるため、プラズ
マ電力を小さくするにも限度がありあまり現実的ではな
い。
【0059】そこで、本実施の形態においては、バック
チャネル領域のダメージ領域22のダメージの状態密度
を小さくする手段として、チャネルエッチング工程を、
大きなプラズマ電力で行うソース・ドレイン電極形成エ
ッチング工程と小さなプラズマ電力で行うチャネル領域
形成エッチング工程との2段階に分けて行い、かつ、ソ
ース・ドレイン電極形成エッチング工程におけるダメー
ジをコンタクト膜7内にとどめることができるようにコ
ンタクト膜7の厚さを設定する。
【0060】このような本実施の形態の方法によれば、
大きなプラズマ電力によりソース・ドレイン電極形成エ
ッチング工程において形成されたダメージの状態密度の
大きなコンタクト膜7の領域を小さなプラズマ電力で行
うチャネル領域形成エッチング工程で除去することがで
きるため、最終的に半導体膜5のバックチャネル領域が
受けるダメージはプラズマ電力の小さなチャネル領域形
成エッチング工程のダメージとなり、よって、バックチ
ャネル領域のダメージ領域22のダメージの状態密度を
小さくすることが可能となる。また、ソース・ドレイン
電極形成エッチング工程のプラズマ電力が大きいため、
金属電極膜9のエッチングレートが減少したりエッチン
グ状態の均一性が悪化したりするといった問題が生じる
ことはない。
【0061】ところで、ソース・ドレイン電極形成エッ
チング工程によるダメージ領域の厚さはエッチング条件
にもよるが20nm程度であると考えられる。このた
め、エッチングによるダメージをコンタクト膜7内に閉
じこめるために、本実施の形態においては、ソース・ド
レイン電極形成エッチング工程後に残るコンタクト膜7
の厚さを20nm以上とする。また、コンタクト膜7の
エッチングされない領域の厚さ、すなわち成膜時におけ
る厚さを20nm以上100nm以下とする。成膜時の
コンタクト膜7の厚さをこのような範囲とするのは、厚
さが20nmよりも薄いとエッチングによるダメージを
閉じこめることができなくなるためであり、また、10
0nmよりも厚いとエッチング量が増加するためエッチ
ングレートの面内不均一性によるエッチング量のばらつ
きが増加するためである。
【0062】ソース・ドレイン電極形成エッチング工程
によって形成されたダメージの状態密度の大きなコンタ
クト膜7の領域を、続くチャネル領域形成エッチング工
程において除去するためには、チャネル領域形成エッチ
ング工程において、ソース・ドレイン電極形成エッチン
グ工程で形成されたダメージ領域の厚さ以上のエッチン
グを行なわなければならない。ところで、前述のように
本実施の形態のTFT110においては、チャネル領域
に導電性であるコンタクト膜7が存在するとソース電極
9aとドレイン電極9bとが電気的に接続されてしまう
ため、チャネル領域のコンタクト膜7をチャネル領域形
成エッチング工程において完全に除去する必要があるこ
とから、この場合においてはソース・ドレイン電極形成
エッチング工程後に残った厚さ20nm以上のコンタク
ト膜7をチャネル領域形成エッチング工程において完全
に除去する。したがって、このチャネル領域形成エッチ
ング工程により、ソース・ドレイン電極形成エッチング
工程によりコンタクト膜7内に形成された厚さ20nm
程度のダメージ領域は完全は除去される。
【0063】また、閾値電圧の上昇を抑えるためには半
導体膜5においてバックチャネル領域のダメージ領域2
2とチャネル領域21とを出来るだけ離す必要があるこ
とから、本実施の形態においては、チャネルエッチング
工程のチャネル領域形成エッチング工程における半導体
膜5のエッチング量を適切に調整してダメージ領域22
とチャネル領域21との距離を適切に保っている。
【0064】本実施の形態においては、エッチングされ
ていない領域の半導体膜5の厚さ、すなわち成膜時の半
導体膜5の厚さを50nm以上100nm以下としてい
る。成膜時の半導体膜5の厚さをこのような範囲として
いるのは、厚さが50nmよりも薄い場合には、チャネ
ル形成エッチング工程において形成されたダメージ領域
22とチャネル領域21とが近づきすぎるのでダメージ
領域22のダメージの状態密度を小さくしても閾値電圧
の上昇が大きくなるためであり、また、厚さが100n
mよりも厚い場合には前述のように半導体膜5における
寄生抵抗が大きくなるので移動度の向上の度合いが小さ
くなるためである。
【0065】図6は、チャネルエッチ型TFTにおける
半導体膜の厚さと移動度との関係を示す図である。ここ
では半導体膜の厚さが50nm、100nmおよび20
0nmの場合について示している。なお、この場合にお
いては、各膜厚の半導体膜を有するチャネルエッチ型T
FTにおいて、チャネル長200μmの時の移動度を1
00%として基準値とし、この基準値に基づいて規格化
した移動度を規格化移動度と呼ぶ。なお、チャネル長2
00μmの時の移動度を基準値としたのは、厚さが50
〜200nmの範囲の半導体膜を有するチャネルエッチ
型TFTにおいては、移動度が半導体膜の厚さに依存し
なくなるのがチャネル長200μm付近であるためであ
る。
【0066】現在使用されている通常の液晶画像表示パ
ネルに用いられているチャネルエッチ型TFTではチャ
ネル長は4μmであり半導体膜の厚さは200nmであ
る。そこで、チャネル長4μmの場合を見ると、半導体
膜の厚さが200nmでは規格化移動度が約60%であ
るのに対して、厚さが100nmでは約84%であり、
厚さが50nmでは約95%である。また、チャネル長
が4μmよりも長い場合においても、半導体膜の厚さが
薄いほど規格化移動度が高くなっている。このことか
ら、半導体膜の厚さが薄いほど、チャネルエッチ型TF
Tにおいて規格化移動度が向上することが分かる。
【0067】なお、半導体膜の厚さを50nmよりも薄
くすればさらに規格化移動度は向上するが、50nmよ
りも半導体膜の厚さを薄くすると、前述のようにダメー
ジ領域とチャネル領域との距離が近づきすぎるために閾
値電圧の上昇を抑制することができなくなるとともに、
エッチングレートの制御やエッチングレートの面内均一
性を向上させる必要が生じる。このため、チャネルエッ
チ型TFT110の半導体膜5の厚さの下限は50nm
とするのが好ましい。
【0068】以上のように、本実施の形態のチャネルエ
ッチ型TFT110においては、チャネルエッチング工
程における半導体膜5のダメージ領域22のダメージを
小さく抑えかつダメージ領域22とチャネル領域21と
の距離を適切に保ちつつ半導体膜5を薄膜化して寄生抵
抗を抑えることができる。このため、閾値電圧の上昇を
抑制しつつ高い移動度を実現することが可能となる。
【0069】また、このようなTFT110は、チャネ
ルエッチング工程を前述のようにエッチング時のプラズ
マ電力を調整して2段階に分ける点を除いて従来のチャ
ネルエッチ型TFTの製造方法と同様の方法により製造
することができるので容易に製造が可能である。
【0070】なお、本実施の形態においては半導体膜5
が非結晶質シリコンから構成される場合について説明し
たが、半導体膜5が多結晶質シリコンから構成されても
よい。 (実施の形態2)図7は本発明の実施の形態2に係る液
晶画像表示装置の構成を模式的に示すブロック図であ
る。
【0071】図7に示すように、本実施の形態に係る液
晶画像表示装置400は、液晶画像表示素子300と、
液晶画像表示素子300のソース線SLおよびゲート線
GLを通じて液晶画像表示素子300を駆動するソース
駆動回路402およびゲート駆動回路403と、ソース
駆動回路402およびゲート駆動回路403を制御する
信号処理回路401とを有している。液晶画像表示素子
300においては、ソース線SLとゲート線GLとでマ
トリクス状に区画された領域が1つの画素を構成してお
り、全ての画素の集合が液晶画像表示素子300の表示
画面を構成している。
【0072】図8は図7の液晶画像表示素子300の構
造を示す模式的な断面図である。
【0073】図8に示すように、液晶画像表示素子30
0は、実施の形態1の液晶表示装置用基板100をTF
Tアレイ基板100’として備えており、TFT110
が液晶画像表示素子300のスイッチング素子として用
いられる。このTFTアレイ基板100’に対向する対
向基板101とTFTアレイ基板100’との間に液晶
層200が挟持され、両基板100’,101の外側に
それぞれ偏光板210a,210bが配設されている。
【0074】対向基板101は、ガラス基板31の内面
にカラーフィルタ32、透明電極膜33および配向膜
(図示せず)がこの順に積層されて構成されている。ま
た、TFTアレイ基板100’の表面には配向膜(図示
せず)が形成されている。
【0075】液晶画像表示装置400では、信号処理回
路401の制御を受けてゲート線GLを通じてゲート駆
動回路403から入力されるゲート信号に応じて各画素
のTFT110が順次オンし、このオン時にソース線S
Lを通じてソース駆動回路402から画像信号(ソース
信号)が順次各画素に書き込まれる。それにより、液晶
層200の液晶分子が画像信号に応じて変調され、表示
画面に前記画像信号に応じた画像が表示される。
【0076】本実施の形態の液晶画像表示装置400で
は、実施の形態1の液晶画像表示装置用基板100が用
いられているため、TFT110において高い移動度を
実現することができる。このようなTFT110により
画素が駆動される液晶画像表示装置400においては、
TFT110の移動度が高いのでスイッチング速度が速
く高いオン電流を実現することができるため、画素への
書き込み能力が高くまたその能力の均一性が高くなり、
よって、大画面・高精細な液晶画像表示装置を実現する
ことが可能となる。 [実施例]実施の形態1のチャネルエッチ型TFT11
0と、図12に示す従来のチャネルエッチ型TFT51
の特性の比較を行った。その結果を図9(a),(b)
に示す。なお、この場合においては、TFT110のコ
ンタクト膜7および半導体膜5の厚さt1,t2を50n
mおよび70nmとし、チャネルエッチング工程のソー
ス・ドレイン電極形成エッチング工程後に残ったコンタ
クト膜7の厚さt3を30nmとした。また、TFT5
1のコンタクト膜7および半導体膜5の厚さを20nm
および200nmとした。
【0077】図9(a)は各TFT110,51におけ
る印加電圧と電流との関係を対数で示したものであり、
この図においてグラフAが急激な立ち上がりを示す時の
印加電圧がTFT110の閾値電圧に相当し、グラフB
が急激な立ち上がりを示す時の印加電圧がTFT51の
閾値電圧に相当する。本実施の形態のTFT110で
は、バックチャネル領域のダメージ領域のダメージの状
態密度が小さくなるとともにダメージ領域22とチャネ
ル領域21とを適切に離すことができるため、半導体膜
5の厚さを薄くしてもTFT51の閾値電圧と比較して
閾値電圧の上昇を低く抑えることができる。このため、
TFT110の特性を示すグラフBはTFT51の特性
を示すグラフAから右側にわずかにずれるのみである。
これに対して、図中には示していないが、従来のTFT
51と同様の製造方法により製造されるが移動度を向上
させるために半導体膜5の厚さをTFT110と同様に
薄くしたTFTの特性をみると、このTFTにおいては
半導体膜5の厚さが薄くなるためにチャネルエッチング
工程において大きなダメージを受けたバックチャネル領
域のダメージ領域がチャネル領域に近くなり、その結
果、TFTの閾値電圧が大幅に上昇する。このため、T
FTの特性を示すグラフが従来のTFT51のグラフA
から大幅に右側にずれる。
【0078】図9(b)は各TFT110,51におけ
る印加電圧と電流との関係を指数で示したものであり、
この図においては電流の値が大きいほどTFTにおける
移動度が高いことを示している。図に示すように、印加
電圧が大きくなると、実施の形態1のTFT110は従
来のTFT51に比べて電流の値が大きくなる。このこ
とから、印加電圧が大きい場合には実施の形態1のTF
T110の方が従来おTFT51に比べて移動度が高く
なることがわかる。
【0079】以上のことから、実施の形態1のTFT1
10では、閾値電圧の上昇を抑えながら移動の度向上が
図られていることがわかった。
【0080】
【発明の効果】本発明は、以上に説明したような形態で
実施され、従来のチャネルエッチ型TFTの製造方法か
ら大幅な変更なく製造が可能であり移動度の向上が図ら
れたチャネルエッチ型TFTおよびこれを備えた液晶画
像表示装置用基板ならびに液晶画像表示装置を実現でき
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る液晶画像表示装置
用基板の構成を示す模式図であり、(a)は平面図であ
り、(b)は(a)の切断線における断面図である。
【図2】図1の液晶画像表示装置用基板の製造方法を示
す模式的な工程別断面図である。
【図3】図1の液晶画像表示装置用基板の製造方法を示
す模式的な工程別断面図である。
【図4】チャネルエッチ型TFTの導通状態における電
流経路を示す模式的な断面図である。
【図5】チャネルエッチ型TFTにおけるダメージ領域
とチャネル領域との距離と閾値電圧との関係を示す図で
ある。
【図6】チャネルエッチ型TFTにおける半導体膜(a
−Si膜)の膜厚と移動度との関係を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る液晶画像表示装置
の構成を模式的に示すブロック図である。
【図8】図7の液晶画像表示装置を構成する液晶画像表
示素子の構成を模式的に示す断面図である。
【図9】実施の形態1のTFTの特性と従来のチャネル
エッチ型TFTの特性を比較した結果を示す図であり、
(a)は各TFTの閾値電圧について示しており、
(b)は移動度について示している。
【図10】従来のチャネル保護型TFTの製造方法を模
式的に示す工程別断面図である。
【図11】従来のチャネル保護型TFTの製造方法を模
式的に示す工程別断面図である。
【図12】従来のチャネルエッチ型TFTの製造方法を
模式的に示す工程別断面図である。
【符号の説明】
1,31 ガラス基板 2 画素電極 3 ゲート電極 3’ ゲート線 4 ゲート絶縁膜 5 半導体膜 6 チャネル保護部 7 コンタクト膜 8 コンタクトホール 9 金属電極膜 9a ソース電極 9b ドレイン電極 10 保護絶縁膜 20 ギャップ 21 チャネル領域 22 ダメージ領域 32 カラーフィルタ 33 透明電極膜 100 液晶画像表示装置用基板 100’ TFTアレイ基板 101 対向基板 110 TFT 200 液晶層 201 ゲート線 202 ソース線 203 蓄積容量電極 210a,210b 偏光板 300 液晶画像表示素子 400 液晶画像表示装置 401 信号処理回路 402 ソース駆動回路 403 ゲート駆動回路
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Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成されたゲート電極と、前記
    ゲート電極上に順に形成されたゲート絶縁膜、半導体膜
    およびコンタクト膜と、前記コンタクト膜上に対向する
    ように形成された金属電極膜から構成されるソース電極
    およびドレイン電極とを備え、略前記ソース電極と前記
    ドレイン電極との間に位置する前記半導体膜の領域にチ
    ャネル領域が形成されるチャネルエッチ型構造を有する
    薄膜トランジスタにおいて、 前記対向するソース電極とドレイン電極との間に位置す
    る領域を除く前記半導体膜の領域の膜厚が50nm以上
    100nm以下であるとともに、前記コンタクト膜の膜
    厚が20nm以上100nm以下であることを特徴とす
    る薄膜トランジスタ。
  2. 【請求項2】 基板上に形成されたゲート電極と、前記
    ゲート電極上に順に形成されたゲート絶縁膜、半導体膜
    およびコンタクト膜と、前記コンタクト膜上に対向する
    ように形成された金属電極膜から構成されるソース電極
    およびドレイン電極とを備え、略前記ソース電極と前記
    ドレイン電極との間に位置する前記半導体膜の領域にチ
    ャネル領域が形成されるチャネルエッチ型構造を有する
    薄膜トランジスタの製造方法であって、 前記ソース電極および前記ドレイン電極を形成するチャ
    ネルエッチング工程が、 前記コンタクト膜を覆うように形成された前記金属電極
    膜の所定領域をプラズマを用いたドライエッチングによ
    り除去して前記金属電極膜を対向する2つの領域に分離
    することにより前記ソース電極と前記ドレイン電極とを
    形成するソース・ドレイン電極形成エッチング工程と、 前記ソース・ドレイン電極形成エッチング工程の後に残
    った前記ソース電極および前記ドレイン電極間に位置す
    る前記コンタクト膜の領域を、前記ソース・ドレイン電
    極形成エッチング工程におけるドライエッチングのプラ
    ズマ電力よりも小さなプラズマ電力によりドライエッチ
    ングして除去し前記半導体膜を露出させるチャネル領域
    形成エッチング工程とを合わせることを特徴とする薄膜
    トランジスタの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記コンタクト膜の厚さを20nm以上
    100nm以下とするとともに、前記ソース電極と前記
    ドレイン電極との間に位置する領域を除く前記半導体膜
    の領域の厚さを50nm以上100nm以下とする請求
    項2記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ソース・ドレイン電極形成エッチン
    グ工程の後に残った前記ソース電極およびドレイン電極
    間に位置する前記コンタクト膜の領域の厚さを20nm
    以上とする請求項2記載の薄膜トランジスタの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 チャネルエッチ型構造を有する薄膜トラ
    ンジスタを備え液晶画像表示装置に用いられる液晶画像
    表示装置用基板であって、 前記薄膜トランジスタが、請求項1記載の薄膜トランジ
    スタであることを特徴とする液晶画像表示装置用基板。
  6. 【請求項6】 互いに対向する一対の薄膜トランジスタ
    アレイ基板と対向基板との間に液晶層が挟持されてなる
    液晶画像表示装置であって、 前記薄膜トランジスタアレイ基板が画像信号を画素に書
    き込むためのスイッチング素子として請求項1記載の薄
    膜トランジスタを備えたことを特徴とする液晶画像表示
    装置。
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