JP2003242954A - 固体状電解質電池 - Google Patents
固体状電解質電池Info
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Abstract
んだ固体状電解質電池を提供する。 【解決手段】 ゲル状電解質に、ジペンタエリスリトー
ルアクリレート系モノマーと、直鎖のポリエチレングリ
コールジアクリレート系モノマーと、環式炭化水素着を
複数含んだ10時間半減期温度が35〜50℃のパーオ
キサイドを用いて作成された骨格構造を用い、多孔質膜
に、多孔質基材層4と耐熱材層5からなる積層体を用い
た固体状電解質電池。
Description
度を有し、かつ安全性に富んだ固体状電解質に関する。
駆動が可能な二次電池が望まれている。これら二次電池
には、優れた電池特性とともに、軽量小型であることが
求められている。
料を金属から薄く軽いフィルム材に変更する事例が増加
してきた。この材料変更により、軽量化と共に形状の自
由度がもたらされた。
面に問題がある。フィルム外装体を用いた電池は柔軟な
反面、機械的に脆弱であり、外装体の破損によって電解
液の漏洩が生じやすい。電解液の種類によっては、漏洩
時に熱あるいはガス等が発生することがある。最悪の場
合は破裂や発火に至る恐れもある。
を使用した、ポリマー電解質電池が注目されている。こ
こでいうポリマー電解質には、電解液をPVdF(ポリ
ビニリデンフルオライド)のごときポリマー基材に含浸
させた材料や、PEO(ポリエチレンオキシド)のごと
き完全固体電解質の材料が知られている。これらは、電
解液のみを用いた場合に比べ、安全性が著しく向上す
る。
全性と電池特性とを両立することは、以下のようにはな
はだ困難である。
液の保持能力が低下することが知られている。電解液は
液体であるため漏洩等の完全な解決は困難である。した
がって、安全性に優れた二次電池を得るには、PEOの
ごとき完全固体電解質を用いる必要があると考えられて
きた。
オン伝導度が低いという欠点を有する。二次電池におい
ては、10-3S/cmオーダー以上の高いイオン伝導度
が要求される。完全固体電解質の場合、電解質中のポリ
マー基材濃度を10%以下とすれば、イオン伝導度を高
めることはできる。しかし、これでは性状が液体ないし
ゲルに等しく、漏洩性の改善はほとんど期待できない。
おおむね330Wh/リットルとなっている。今後の進
展を考慮すると、これ以上のエネルギー密度における安
全性の確保は、重要な課題である。
は、電極活物質の変更が有効とされるが、同時に二次電
池が熱的に不安定となる場合が多い。この熱的な不安定
化による安全性の低下は、電解質のポリマー化では対応
が困難である。
ては、一般に正負両極の間に多孔質膜が設けられてい
る。多孔質膜は、正負両電極の物理的接触を防止し、安
全性を確保する機能を有する。多孔質膜の設置は、上記
の熱的不安定化について有効な対策となりうる。
イオン導電性はポリマー化された電解質単体よりも低下
する。特に、多孔質膜中にポリマー化された電解質を含
浸させる場合、その影響は顕著である。電池特性を低下
させないように多孔質膜として不織布を使用したり、空
孔率の大きなポリオレフィン膜を使用したりすると逆に
安全性が低下してしまう。
保と電池特性向上の両立は、現状では実現が困難であ
る。本発明は、この問題点を鑑みてなされたものであ
る。
以上の高い体積エネルギー密度を有し、かつ十分な安全
性を備えた二次電池を提供することを課題とする。
の二次電池は固体状電解質電池であって、対向した正極
電極板と負極電極板とを有し、前記対向した正極電極板
及び負極電極板との間に、多孔質膜とゲル状電解質とを
備えた固体状電解質電池であって、多孔質膜が多孔質基
材層と耐熱材層からなり、固体状電解質が多孔質基材、
耐熱材層、ゲル状電解質からなることを特徴とする。
ー密度を有するゲル状電解質において、温度上昇ないし
漏液にともなう安全性の低下を抑制することが可能とな
る。
ることが望ましく、かつ、多孔質基材層がシャットダウ
ン機能を有することが望ましい。
つ、ポリイミド、ポリイミドアミド、またはアラミドの
中の一種以上からなることが望ましい。
マーを出発原料として形成された骨格構造を有すること
が望ましい。
ットル以上の体積エネルギー密度を有することが望まし
い。
可塑性樹脂からなる多孔質層である。これは、電池温度
の上昇につれて微細孔が閉じ、イオンの導通を抑制して
電流を制御し、熱暴走を防止することができる、所謂シ
ャットダウン機能を有することが好ましい。このような
シャットダウン機能を有する熱可塑性樹脂膜の基本的な
製造方法は、特許第2642206号公報、特許第31
07403号公報、特開平5−25305号公報、特開
平9−219184号公報、特開2000−22310
7号公報、特開2000−100408号公報等に記載
がある。
避ける効果を有する。電極を高密度化し、体積エネルギ
ー密度を330Wh/リットル以上にすると、多孔質基
材層だけでは耐熱性に劣る。このため、過充電実験や加
熱試験の際に正負極のハードショートを止めることがで
きない。しかし耐熱材層が存在することでハードショー
トを防ぐことが可能である。
上で、限界酸素指数が20以上である必要がある。ここ
で荷重たわみ温度は、JIS K 7207準拠の1
8.6kg/cm2荷重時の測定における荷重たわみ温
度である。また、限界酸素指数は、ガラス管内に入れら
れた試験片が燃え続けることが出来る最低酸素濃度であ
り、試験片の燃え易さの目安となる。
ミドアミド、アラミドの1種以上からなることが好まし
い。この耐熱材層の基本的な作製方法は、特開平10−
6453公報号、特開2000−23602公報号、特
開2000−100408号公報等に記載がある。
好ましくは10〜20μmの範囲であることが望まし
い。多孔質膜のうち、耐熱材層の厚みはほぼ一定であ
る。アラミドにより耐熱材層を形成する場合、1〜10
μm、主には1〜5μmの耐熱材層が形成される。従っ
て、多孔質膜全体の厚さが5μm以下になると、多孔質
膜はほぼ耐熱材層のみとなり、シャットダウン機能を失
う。同時に耐熱材層の厚みが相対的に大きくなり多孔質
膜の反りなどの問題点が生じる。他方、20μm以上に
なると、電池厚みを規定の厚みにしがたく、レート特性
が悪化するなどの問題点が生じる。
〜500秒であることが好ましい。ここでガーレ通気時
間は、JIS−P8117に規定された方法で測定した
通気時間である。ガーレ通気時間が300秒未満となる
とシャットダウン効果が期待できなかったり、シャット
ダウン効果を維持する時間が短かくなったりする。他
方、ガーレ通気時間が500秒を超過する場合は、電池
のレート特性が悪化する。特に、以下に説明するゲル状
電解質を用いる場合、ガーレ通気時間が500秒を超え
る多孔質膜と組み合わせると、レート特性が著しく低下
してしまう。
解質電池を得るためには、ゲル状電解質が高いイオン導
電性を有する事が必要である。そのためには、電解液に
対して少ないモノマー量で効率よく電解液をゲル化する
ことが望ましい。
本モノマーとしてジペンタエリスリトールアクリレート
系モノマーを用いること、および硬化助剤として直鎖の
ポリエチレングリコールジアクリレート系モノマーを用
いることによって得ることができる。これら2種類のア
クリレート系モノマーを、環式炭化水素基を複数含むパ
ーオキサイドを重合開始剤に用いて重合し、得られる骨
格構造を用いるのが好ましい。
には、ジペンタエリスリトールを基本骨格とした方が好
ましい。ジペンタエリスリトールとアクリルをつなぐ部
分の分子量を変化させることで分子量とアクリル当量を
上記の好ましい範囲に調節することが可能である。例え
ば、ペンタエリスリトールの側鎖6個の内、4個にはそ
のままアクリレートが接続し、残りの2個は開環重合さ
せたカプロラクトンを介してアクリレートを接続するこ
とにより、分子量780でアクリル当量130のモノマ
ーとなる。
チレンオキシドジアクリレートを使うことにより、さら
に低いモノマー濃度でゲル状電解質を作ることが可能に
なる。また、直鎖を分子量200程度にすることで、適
度な粘性と流動性を有するゲルを作ることができる。直
鎖ではない多官能アクリレートを使用した場合、モノマ
ー自体が非常に剛直で分子量も比較的小さいために反応
性が劣ってしまい、モノマー濃度を低くすることが困難
である。
法から決定することができる。モノマーの重合方法には
熱、光あるいは電子線による重合があるが、生産性を考
慮すると熱硬化が望ましい。熱硬化で使用する重合開始
剤としては、有機過酸化物が好ましい。
は、以下の条件を備えていることが好ましい。 (1)多孔質膜がシャットダウンしない温度で、重合反
応を開始すること。 (2)残渣が電池特性に悪影響を及ぼさないこと。 (3)保存安定性が高く、含有量が多いこと。
℃が必要硬化温度の目安である。(1)を考慮すると、
過酸化物の10時間半減温度が50℃以下である事が望
ましい。
分子中に環式炭化水素基が複数個導入されているもので
あることが必要である。環式炭化水素基は電位差に対し
ても安定であり、また過酸化物そのものも安定であるた
めに、希釈液ないし安定化剤を含まなくてすむ。希釈液
および安定化剤を多く含む過酸化物は、たとえ低半減温
度でも、逆に重合反応を妨げてしまう場合がある。
例えば化薬アクゾ(株)のパーカドックス16(10時
間半減温度44℃、貯蔵温度25℃以下、含有量95%
以上)がある。
より、電解液に対して1.5〜3%程度のモノマー量で
十分にゲル状電解質が得られる。これにより高いイオン
導電性を有する固体状電解質電池を得ることが可能とな
る。
て、作製の手順にしたがって説明する。
る電極は、リチウム二次電池の電極として公知のものか
ら適宜選択して使用することができる。特に、電極活物
質とバインダーからなる組成物を正負極の各集電体表面
に塗布ないし堆積させた、組成物電極が好ましい。この
組成物電極には、必要に応じて導電助剤を添加してもよ
い。
バインダー溶液に分散して電極塗布液を調整する。
れず、一般的な混合分散方法が使用できる。たとえばハ
イパーミキサ、ディゾルバー、ヘンシェルミキサ、プラ
ネタリミキサ、メディア型ミル、ホモミキサなどの混合
分散装置を、単独もしくは組み合わせて使用することが
できる。
金属、リチウム合金あるいは酸化物材料などを用いるこ
とが望ましい。
ばメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、天然ある
いは人造の黒鉛、樹脂焼成炭素材料、カーボンブラッ
ク、炭素繊維などから適宜選択すればよい。これらの中
でも黒鉛が好ましく、その平均粒径は1〜30μm、特
に5〜25μmであることが好ましい。平均粒径が1μ
m未満の場合、充放電サイクル寿命が短くなり、また容
量のバラツキが大きくなる傾向がある。平均粒径が30
μmを超えると、容量のバラツキが著しく大きくなった
り、容量が低下してしまう。この容量低下は黒鉛と集電
体との接触や黒鉛同士の接触にバラツキが生じるためと
考えられる。
ンターカレートおよびデインターカレート可能な酸化物
または炭素材料などを用いることが望ましい。
インターカレートおよびデインターカレート可能な酸化
物としては、リチウムを含む複合酸化物が好ましく、例
えばLiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiV
2O2などが挙げられる。これらの酸化物の粉末における
平均粒子径は1〜40μm程度であることが好ましい。
れる。導電助剤としては黒鉛、カーボンブラック、炭素
繊維、さらにはニッケル、アルミニウム、銅、銀などの
金属が挙げられる。特に黒鉛、カーボンブラックが好ま
しい。
オレフィン樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂のよ
うな熱可塑性エラストラマー系樹脂、またはフッ素ゴム
のようなゴム系樹脂を用いることができる。具体的に
は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ニトリルゴ
ム、ポリブタジエン、ブチレンゴム、ポリスチレン、ス
チレン−ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロー
ス、シアノエチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ースなどが挙げられる。これらのバインダーは、単独も
しくは複数を混合して用いることができる。また、正極
と負極で異なるバインダーを用いてもよい。
面に形成することによって得られる。本発明のように液
状で得られる場合、集電体に塗布するのが簡便であり好
ましい方法である。集電体への塗布方法は特に限定され
るものではなく、集電体の材質あるいはその形状によっ
て適宜選択することができる。例えば、メタルマスク印
刷法、静電塗布法、ディップコート法、スプレーコート
法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコ
ート法、スクリーン印刷法などが使用できる。
使用する形状、ケース内への配置方法によって、適宜選
択することができる。集電体の材質としては、正極には
アルミニウムなどが、負極には銅やニッケルが用いられ
る。集電体の形状としては、金属箔や金属メッシュなど
を任意に用いることができる。金属箔でも十分小さな接
触抵抗が得られるが、金属メッシュにした場合、さらに
小さな接触抵抗が得られる。集電体には、集電体相互も
しくは外部との電機接続のために端子を設けるのが好ま
しい。この電極端子の形状は自由に選択できるが、集電
体そのものを端子状に延長させる構造が簡便で好まし
い。
る。電極における、塗布・乾燥後の厚み、ローディン
グ、および空孔率は、固体状電解質電池の形状および電
機特性の設計値に応じて任意に設定することができる。
合、平板プレスやカレンダーロールなどを用いて圧延処
理を行なってもよい。
組み合わせて電池素体を形成する。
際は、最終的に正極、多孔質膜、負極の順に積層状態と
なればよい。本発明者らの検討では、袋状に加工した多
孔質膜で電極を包み込む形が好ましい。これにより、工
程作業中の多孔質膜収縮にともなう電極の露出を押さえ
ることができる。したがって多孔質膜のシャットダウン
効果をより良く発揮させることが可能となる。
構造であれば自由に選択できる。例えば、正極、多孔質
膜、負極を重ね合わせてロール状に捲回してもよい。ま
たは正極、多孔質膜、負極を重ね合わせて適宜折り曲げ
てもよい。あるいは適当な大きさの正極、多孔質膜、負
極を順次積層して板状に形成してもよい。薄型の固体状
電解質電池を形成するには、順次積層による電池素体の
作製がより好ましい。
る。外装体は、ステンレスやアルミ合金あるいはアルミ
ニウム等による缶を用いることができる。また外装体
は、ラミネートフィルムで作製された外装袋を用いるこ
ともできる。この場合ラミネートフィルムには、アルミ
ニウム等の金属箔両面に熱硬化性樹脂であるポリプロピ
レンやポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂層および
耐熱性のポリエステル樹脂層が積層されたフィルムを用
いることが好ましい。外装袋は予め2枚のラミネートフ
ィルムをそれらの3辺端面の熱接着性樹脂層を熱接着し
て第一シール部を作り、1辺が開口した袋状に形成して
用いることができる。あるいは1枚のラミネートフィル
ムを折り返して両辺の端面を熱接着してシール部を形成
し、袋状としてもよい。
電解質のもととなるモノマー含有電解液を所定量注液し
て含浸させる。
有電解液は上述のモノマーおよび上述の重合開始剤と電
解質からなる。さらに電解質は電解質塩と電解液からな
る。
F6、LiAsF6、LiSO3CF3、LiClO4、L
iN(SO2CF3)2などのリチウム塩が使用される。
特に、分子量700〜1300でありアクリル当量が1
10〜160のジペンタエリスリトールアクリレート系
モノマーと、直鎖のポリエチレングリコールジアクリレ
ート系モノマーを骨格原料とし、環式炭化水素基を複数
含み10時間半減期温度が30〜50℃のパーオキサイ
ドを重合開始剤とする場合は、LiPF6を用いること
により、特に好ましい電池特性が得られる。なお、本発
明にLiPF6を用いた場合も他の塩と同様な硬化度合
が得られる。
なものであれば特に制限されないが、リチウム電池での
高い動作電圧でも分解の起こらない極性有機溶剤が好ま
しい。例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボ
ネート、ブチレンカーボネート、ジメチレンカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート
等のカーボネート類、あるいはテトラヒドロフラン、2
−メチルテトラヒドロフラン等の環式エーテル、あるい
は1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソランなど
の環式エーテル、γ−ブチルラクトン等のラクトン、ス
ルホラン等が好適に用いられる。3−メチルスルホラ
ン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、エチルジグ
ライム等を用いてもよい。
〜5mol/リットルが好ましい。より好ましい濃度は
0.8〜1.5mol/リットルであり、電解質はこの
濃度範囲で最大のイオン伝導度を示す。
は、水分および重合の阻害剤となる酸素を電池内部に取
りこまないよう、不活性ガスによる置換を行なうことが
望ましい。この後、外装体の開口部分をシールして電池
となる。
を重合させるため加熱処理される。
ましくは70℃以下が望ましい。80℃をこえるとセパ
レータがシャットダウンしてしまい、電池特性が劣化し
てしまう。加熱処理時間は重合開始剤を十分に失活させ
る意味において、長いほうが望ましいが、生産効率を考
慮して決定する必要がある。
よってより詳細に説明する。
状電解質電池の設計値とし、それに準じたサイズ、およ
び電極の積層枚数を設定した。比較例1〜4では、実施
例1のサイズ、および電極の積層枚数を踏襲し、その他
の条件を必要に応じて変更した。
電解質電池におけるポリマー骨格の出発原料であるモノ
マー化合物を、電池特性の見地から比較検討した。具体
的には、3種類のモノマー化合物を出発原料とするモノ
マー含有電解液を作成し、電池素体を作成した。
モノマー含有電解液を作成した。モノマーとして、カプ
ロラクトン変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート(分子量780 以下「化合物A」という)をモノ
マー含有電解液全体に対し3wt%、硬化助剤としてポ
リエチレングリコールジアクリレート(分子量200)
を同じく0.18wt%、規定量秤量してビーカー中に
入れた。化合物Aの構造を、下記化1に示す。
C/DEC=3/7)96.62wt%を加え、マグネ
ットスターラーを用いて攪拌し、モノマーと硬化助剤を
電解液中に完全に溶解させた。
クロヘキシル)パーオキシジカーボネートを0.20w
t%添加し、同じくマグネットスターラーで十分に攪拌
し、モノマー含有電解液を得た。
ネタリーミキサーを用いて、ポリフッ化ビニリデン(P
VdF:呉羽化学製 KF−1300)を4重量部、L
iCoO2(セイケミカル製 C016)を90重量
部、カーボンブラック(電気化学工業製 HS−10
0)を3重量部、グラファイト(TIMCAL製 KS
−6)を3重量部、混合分散し、適量のNMP(N−メ
チル−2−ピロリドン)で粘度調整して正極活物質を得
た。
で焦電体であるアルミニウム箔(20μm)の上に塗布
して乾燥させた。このとき、最終的に集積体を形成した
際に最外層となる正極のみに正極活物質を片面に塗布し
たほかは、全ての正極において両面に正極活物質を塗布
した。
ング19.1mg/cmになるようにプレスした後、規
定のサイズに打ちぬき、正極を得た。
ネタリーミキサーにて、ポリフッ化ビニリデン(PVd
F:呉羽化学製KF−1100)を6重量部、人造グラ
ファイト(日立化成工業製 MAG)を94重量部、混
合分散し、適量のNMPで粘度調整して負極活物質を得
た。
で焦電体である銅箔(15μm)の上に塗布し、乾燥さ
せた。このとき、全ての負極の両面に負極活物質を塗布
した。
ング8.6mg/cm2になるようにプレスした後、規
定のサイズに打ちぬき、負極を得た。
仕様に応じて任意に決定することができる。本実施例で
は、所謂3562サイズの電極を作成した。図2に、本
実施例における正負両電極板の断面図を示す。電極
(1)には、図2に示すように正極または負極活物質
(2)が層形成されており、電気接続端子(3)が設置
されている。該端子部分の形状や接続方式はリード線を
接続したり、電極(1)の一部を延長するなど、さまざ
まな方法から選択することができる。
シャットダウン機能を有する多孔質膜を作成した。
レータへのパラフェニレンテレフタルアミド(PPT
A)層形成により行なわれる。
とパラフェニレンジアミンテレフタレン酸ジクロライド
を反応させ、PPTA溶液を作成した。このPPTA溶
液に、さらにNMP溶液を添加して濃度を調整した。
用いて、多孔質基材層であるポリオレフィン膜(東燃タ
ピルス製 E16MMS、厚み16μm)上に塗布し
た。
グを行ない、PPMAを析出させ、イオン交換水により
水洗を行なった。
例えば特願平2000‐100408号公報に詳細が述
べられている。
て、パラアミドとポリオレフィンからなり、シャットダ
ウン機能を有する多孔質膜を得た。この多孔質膜は、厚
み18μm、ガーレ通気時間410秒であった。
極、および前記多孔質膜により、下記の手順で積層型の
固体状電解質電池を作成した。
膜を用いて包装し、袋状負極を作成した。図3に、本実
施例における袋状負極の断面図を示す。このとき、多孔
質膜(4、5)のポリオレフィン側(4)が負極(1)
側すなわち内側になるよう包装しなければならない。な
お、包装の方式は多孔質膜を折り曲げて負極(1)を挟
みこむ方法や、二枚の多孔質膜で負極(1)を挟みこむ
方法などを自由に選ぶことができる。この後多孔質膜
(4、5)の四方を熱融着し、袋状負極を9枚作成し
た。
正極を合計10枚積層し、最後に両端面を熱圧着し電池
素体を得た。なお、正極の内訳は正極活物質を両面塗布
したものが8枚、片面塗布したものが2枚である。図4
に、本実施例における電池素体の断面図を示す。本実施
例では、図4に示すように電気接続端子(3)は多孔質
膜の外部に露出した構成とした。
る電池素体の断面図を示す。図5では、上記電池素体の
正極・負極両集電体(1)からそれぞれ延長されている
電極接続端子(3)にリード線を接続し、一部シールし
て袋状とした外装体(昭和アルミ製:6)に、電極接続
端子(3)が外部に出るような構成で挿入した。
0℃、6Torrの真空雰囲気中で36時間乾燥させ
た。
雰囲気ドライボックス中に保持し、モノマー含有電解液
を電池素体に含侵させた。
外装体(6)の未シール部分をシールした。この後、モ
ノマー含有電解液の重合反応のため、オーブン中70℃
において2時間の加熱処理を行なった。
存を行ない、積層型の固体状電解質電池を得た。図1
に、本実施例において作成した固体状電解質電池の模式
図を示す。図1では、リード線を省略し、電極接続端子
(3)のみとして示している。
し、ゲル状態の比較サンプルを作成した。化合物の相違
による硬化の度合を比較するためである。
いて、重合開始剤の残留状態を評価した。FTIR法を
用いて重合開始剤の残留物、すなわち(1)アクリレー
ト二重結合の存在、(2)パーオキサイドの残留物を評
価したが、いずれも検出限界以下であった。これによ
り、重合開始剤の残留物は電池特性に影響をおよぼす量
ではないことが確認された。
マー化合物の相違と有無による、固体状電解質電池の電
池特性およびゲル状態の比較試料を作成した。なお、硬
化度合の判定基準は実施例1と同じである。また、重合
開始剤の残留物は、いずれも実施例1と同様に、電池特
性に影響をおよぼす量ではないことが確認された。
実施例1と同じ手順で固体状電解質電池およびゲル状態
の確認用サンプルを作成した。
ルプロパンポリアルキレンオキサイド変性トリアクリレ
ート(分子量約1000 以下「化合物B」という)を
用い、実施例1と同じ方法で固体状電解質電池およびゲ
ル状態の確認用サンプルを作成した。化合物Bの構造式
を化2に示す。
ンオキサイドアリルグリシジルエーテル(分子量約10
0万 以下「化合物C」という)を用い、実施例1と同
じ方法で固体状電解質電池およびゲル状態の確認用サン
プルを作成した。化合物Cの構造式を化3に示す。
おける耐熱性の有無による、固体状電解質電池の電池特
性の比較試料を作成した。
布を行なわずE16MMSのままとし、その他は実施例
1と同じ手順で固体状電解質電池を作成した。
質電池試料および硬化度合評価試料について、下記の評
価を行なった。評価結果を表1に示す。
例1〜4におけるモノマー含有電解液の硬化度合を比較
検討した。モノマー含有電解液の一部を分取し、以下の
手順でゲル状態の確認用サンプルを作成した。
0℃)内で蓋付きのガラス瓶に入れて密封し、サンプル
とした。このサンプルを、オーブン中70℃、2時間の
条件で硬化させ、硬化度合を目視観察によって判定し
た。判定基準は以下の通りである。 ○:完全にゲル化し、液余りもない状態 ○〜△:完全にゲル化はしているが液余りがある状態 △:全体的にゲル化が不充分な状態 △〜×:粘度上昇は見られる ×:ほとんど変化無し
合の欄に示す。実施例1および比較例4がほぼ完全な硬
化度合を示したのに対し、比較例1〜3では十分な重合
は得られなかった。この結果から、実施例1におけるア
クリレート系モノマーを出発原料としてポリマー骨格構
造を作製した場合、従来の出発原料に比較してより高い
重合度合を有するゲル状電解質が得られることが明らか
になった。
例1および比較例1〜4の固体状電解質電池の体積エネ
ルギー密度を、次のように評価した。各例の固体状電解
質電池試料に対し、設計値である680mAhの容量を
もとに0.2Cの定電流値を設定し、この定電流値にお
いて充電終止電圧4.2Vまで充電した。次に1Cの定
電圧において放電終止電圧3.0Vまでの放電容量を測
定した。
および比較例4において、355〜360Wh/リット
ルの高い体積エネルギー密度が得られた。この結果か
ら、実施例1のごとくアクリレート系モノマーを出発原
料とした固体状電解質電池では、従来の出発原料に比較
してより高い体積エネルギー密度が得られることが明ら
かになった。
4.2V〜3.0Vで、0.2C充電2C放電の値と
0.2C充電0.5C放電の値との比率を、レートとし
た。レート特性は、携帯機器全般に使用可能とするには
90%以上が必要である。
および比較例4において、90%以上の優れたレート特
性が得られた。これにより、実施例1の固体状電解質電
池の特性が、携帯電子機器用として十分なものであるこ
とが確認された。
充電にした電池の厚みを基準にし、90℃に4時間保管
直後の電池厚みの変化量を測定した。実用条件として、
膨れは0.1mm程度に押さえる必要があるとされてい
る。
び比較例4において、優れた膨れ特性が得られた。この
結果は、実施例1の固体状電解質電池の安全性を示唆す
るものである。
の一般運用のためには、より過激な環境での安全性を確
認する必要がある。特に携帯機器の場合は、加熱試験は
150℃以上の耐性が必要とされている。無論、これは
より高いほうが望ましい。1Cで4.2Vに充電した電
池を目標温度まで昇温し、そこで60分間保持し電池が
破裂・発火しないか確認した。測定開始温度を150℃
とし、5℃/1分で加熱しながら観測して破裂・発火が
生じない最高温度を表に示した。表中では150℃でも
破裂・発火した場合は×とした。
とともに耐熱性でシャットダウン機能を有する多孔質膜
を備えた場合、優れた耐熱特性が得られた。比較例1〜
3の結果から、異なるモノマーにおいて同様の耐熱性多
孔質膜を用いた場合の耐熱性は低いことが判明した。比
較例4のように、モノマーに実施例1と同じ化合物Aを
用いながらも耐熱性多孔質膜を備えなかった場合は、1
50℃の加熱によって破壊されてしまった。この結果
は、実施例1のごとく耐熱性多孔質膜とアクリレート系
モノマーによるゲル状電解質を用いた場合、安全性に富
んだ固体状電解質電池が得られることを示している。
い実施例について示したが、本発明はこれらの例に限定
されない。いわゆる当業者であれば、特許請求の範囲に
記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例
または修正例に想到し得ることは明らかであり、それら
についても当然に本発明の技術的思想に属するものと了
解される。
質電池では、高い体積エネルギー密度と優れた安全性が
得られる。
る。
図である。
図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 対向した正極電極板と負極電極板とを有
し、前記対向した正極電極板及び負極電極板との間に、
多孔質膜とゲル状電解質とを備えた固体状電解質電池で
あって、 多孔質膜が多孔質基材と耐熱材層からなり、固体状電解
質が多孔質基材、耐熱材層、ゲル状電解質からなる固体
状電解質電池。 - 【請求項2】 前記多孔質基材は、 厚さ5〜20μmで、シャットダウン機能を有すること
を特徴とする請求項1に記載の固体状電解質電池。 - 【請求項3】 前記耐熱材層は、 耐熱多孔質層であることを特徴とする請求項1または2
のいずれか1項に記載の固体状電解質電池。 - 【請求項4】 前記耐熱材層は、 ポリイミド、ポリイミドアミド、またはアラミドの中の
一種以上からなることを特徴とする請求項1〜3のうち
のいずれか1項に記載の固体状電解質電池。 - 【請求項5】 前記ゲル状電解質は、 アクリレート系モノマーを出発原料として形成された骨
格構造を有することを特徴とする請求項1〜4のうちの
いずれか1項に記載の固体状電解質電池。 - 【請求項6】 前記固体状電解質電池は、 330Wh/リットル以上の体積エネルギー密度を有す
ることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1項
に記載の固体状電解質電池。
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