JP2003242904A - 電子銃及び陰極線管 - Google Patents

電子銃及び陰極線管

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JP2003242904A
JP2003242904A JP2002042028A JP2002042028A JP2003242904A JP 2003242904 A JP2003242904 A JP 2003242904A JP 2002042028 A JP2002042028 A JP 2002042028A JP 2002042028 A JP2002042028 A JP 2002042028A JP 2003242904 A JP2003242904 A JP 2003242904A
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lens
focus electrode
electrostatic quadrupole
variable focus
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Makoto Natori
誠 名取
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示手段の蛍光面全領域に亘って高輝度で鮮
明な文字、図形並びに動画を表示可能な電子銃及び陰極
線管を提供する。 【解決手段】 静電4重極レンズを構成する固定フォー
カス電極7及び可変フォーカス電極8のアパーチャ15
R,15B,15GG,17R,17G,17Bの水平
垂直方向に柱状の衝立部材23R,23G,23B,2
4R,24G,24Bを配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表示手段の蛍光面の
全域で高輝度で鮮明な文字、図形や動画が表示可能な電
子銃及び陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、コンピュータ用のモニタディスプ
レイの様に画面全体で解像度を良くした表示装置の要求
が強い。この様な要求に対応する陰極線管(以下CRT
と記す)の電子銃は静電4重極を用いて、インライン構
成とし、メインレンズは楕円レンズを用いて、ダイナミ
ック静電4重極レンズ効果によって、画面全域でジャス
トフォーカスする様にさせているが、偏向歪による像倍
率変化によって画面周辺部で横長のスポット径になるの
を防止するため、2組の静電4重極を電子銃内に組み込
み、これら静電4重極を電位の異なる二つの電極に分割
した電子銃及び陰極線管は映像情報メディア学会誌、V
ol.51.No.7,PP,1046〜1053(1
997年)に本出願人は提案している。
【0003】図8及び図9は上記文献に開示した電子銃
の模式的配置図及びその外観図を示している。
【0004】図8及び図9に示す電子銃及びCRTの構
成の大要を以下に説明する。図8及び図9に於いて、1
R,1G,1B(1)は夫々赤(R)、緑(G)、青
(B)色のインライン状に配列されたカソードを示し、
これらカソード1に対向して第1グリッド電極(以下G
1 と記す)2が配設され、以下順次第2グリッド電極
(以下G2 と記す)3と静電4重極レンズを構成し第3
グリッド電極G3 を2分割しフォーカス電圧Vfdが供給
される第1の可変フォーカス電極(以下G3dと記す)4
と固定フォーカス電圧Vfsが供給される第1の固定フォ
ーカス電極(以下G 3sと記す)5と、第4グリッド電極
(以下G4 と記す)6と、静電4重極レンズを構成し2
分割された固定フォーカス電圧Vfsが供給される第2の
固定フォーカス電極(以下G5sと記す)7と、可変フォ
ーカス電圧Vfdが供給される第2の可変フォーカス電極
(以下G5dと記す)8とから成る第5グリッド電極G5
と、メインレンズ系を構成する中間電極(以下GMと記
す)9と、第6グリッド電極(以下G6 と記す)10が
並設されている。尚、11はアノード電圧を抵抗R1
びR2 を介してGM9に分圧する内蔵分圧抵抗器であ
る。
【0005】この様な電子銃20内のレンズ作用を考察
するとレンズ作用は次の2種類に分けて考えることがで
きる。(1)収束作用、(2)非点作用である。(1)
の収束作用の調整は、電子銃のH(水平方向)、V(垂
直方向)トータル(または平均)でのレンズ強度を調整
すること、(2)の非点作用の調整は、H,V各方向で
のレンズ強度の比(または差)を調整することを意味す
る。
【0006】電子銃20のメインレンズ系を構成するG
5d・8、GM9、G6 ・10は主に収差作用を得るため
のレンズで多くのCRTでは、ダイナミックフォーカス
レンズ方式を採用していて、可変(ダイナミック)フォ
ーカス電位Vfdを偏向磁界に同期して変化させることに
より、電子ビームが画面中心部を走査するときには収束
作用を大きくし、画面周辺部を走査するときには収束作
用を小さくする。これにより(厳密に言うと、これと、
ダイナミック静電4重極レンズにより)、メインレンズ
から像点までの距離が異なる画面上各点において、常に
ジャストフォーカスの状態にする様にしている。
【0007】図8(A)の電子銃20では第1の可変フ
ォーカス電極G3d・3及び第2可変フォーカス電極G5d
・8には可変フォーカス電圧Vfdが供給され、第1の固
定フォーカス電極G3s・5及び第2の固定フォーカス電
極G5s・7には固定フォーカス電圧Vfsが供給され、図
8(B)に示す様に可変フォーカス電圧Vfdと固定フォ
ーカス電圧Vfsが等しいフォーカス電圧を画面周辺部
(コーナ)に固定したコーナクランプ方式を用いてい
る。
【0008】図10(A)(B)(C)は第2の可変フ
ォーカス電極(以下G5d・8と記す)と中間電極(以下
GM・9と記す)で構成する収束レンズの1例を示すも
ので図10(A)及び図10(C)はG5d・8とGM・
9の正面図、図10(B)はG5d・8とGM・9間で形
成される収束レンズの等電位線12を示すものであり、
この収束レンズ中のA−A′及びB−B′断面矢視図を
図11(A)及び図11(B)に示す。
【0009】図11(A)はG5d・8及びGM・9に供
給する電圧が異なる時の電子ビームのスポット束13が
GM・9側に行くにつれて小さくなって収束されている
ことが解る。又、収束レンズの強度を示す等電位線12
のx(V)及びy(H)軸方向の分布をみると|x|及
び|y|の絶対値が大きくなるにつれて、レンズ強度は
強くなるがその分布は比較的小さいことが解る。
【0010】次に(2)の非点作用を得る非点レンズに
ついて考察する。CRTに装着される偏向ヨーク(D
Y)は普通、偏向電流をDYに供給することで画面全域
のR,G,Bのコンバージェンスがほぼ一致する、CF
D(Convergence Free DY)と呼ばれる方式をとってい
る。このCFDの利点は、ディスプレイモニタ等の表示
装置にコンバージェンス補正用の電流源等を持つ必要が
無いため、(1)コスト面で有利である。(2)コンパ
チブル性において有利である。しかし、CFDの偏向磁
界分布は、本来の偏向に必要とされる平行斉一磁界に、
4重極磁界やさらに高次の磁界成分を重畳した分布とな
っているため、電子ビームに、4重極レンズに代表され
る、ビームの光軸に対して対称でないレンズ作用を与え
る。
【0011】この、DYによるレンズ作用によって、
(DYによるレンズ作用のない画面センター部を除い
た)画面周辺部では、前記した様にビームがジャストフ
ォーカスの状態にならず、スポットサイズは増大してし
まう。そこで、多くのCRTでは、ダイナミック静電4
重極レンズ方式の電子銃が搭載されていて、DYによる
4重極レンズ作用を相殺し、画面全域でビームがジャス
トフォーカスの状態となるようにしている。
【0012】図8に示す電子銃20に使用されている静
電4重極レンズの具体的構成を図12(A)(B)
(C)に示す。
【0013】図12(A)(C)は静電4重極レンズを
構成する第2の固定フォーカス電極G5s・7と第2の可
変フォーカス電極G5d・8の正面図、図12(B)は非
点レンズ部分を示すものである。G5s・7はR,G,B
の電子ビームが通過するアパーチャ15R,15G,1
5Bが矩形状に形成した金属電極基板の長辺方向(x軸
方向)にインライン状に穿たれると共に基板のアパーチ
ャ15R,15G,15Bの左右側、即ち基板の短辺方
向(y軸方向)に平行に切り起した衝立部材16R,1
6G,16Bが形成されている。
【0014】同様に静電4重極レンズを構成するG5d
8の矩形状の金属製電極基板の長辺方向に沿って形成し
たR,G,B用のアパーチャ17R,17G,17Bの
上下側、即ち基板の長辺方向(x軸方向)と平行になる
様に切り起された衝立部材18B,18G,18Rが形
成されている。
【0015】上述のG5s・7及びG5d・8の衝立部材1
6R,16G,16B及び18R,18G,18Bを図
12(B)に示す様に対向配置して静電4重極レンズが
構成される。この静電4重極レンズは画面センタ部から
画面周辺部を走査していくにつれ、相対的に、ビーム束
のH方向の収束させ、V方向を発散させていく。このよ
うに、H,V方向でレンズ強度の異なるレンズは総称し
て、非点レンズと呼ばれるが、静電4重極レンズは、H
とVで、発散と収束という、反対方向のレンズ作用を与
えるレンズである。
【0016】又、図13(A)(B)(C)に示す様な
5s・7側に形成するR,G,Bに対応するアパーチャ
19R,19G,19Bをy軸方向に縦長の矩形状と
し、G 8d・8側は図12(C)と同様にアパーチャ17
B,17G,17Rの上下に衝立部材18B,18G,
18Rを形成して、この衝立部材18B,18G,18
Rを矩形状のアパーチャ19R,19G,19B内に挿
入し、アパーチャ19R,19G,19Bの両側壁21
R,21G,21Bの板厚の側面でレンズ強度を確保す
る様に静電4重極レンズを構成することも出来る。
【0017】図14は上述文献でこの様な板厚部材を衝
立部材に利用し第1の可変及び固定フォーカス電極G3d
・4とG3s・5に適用した他の構成を示している。即ち
3d・4側に形成した突出部分の厚板の断面による擬似
衝立部材21を形成して静電4重極レンズを構成したも
のも示されている。勿論この構成ではG3s・5の衝立部
材18R,18G,18BはG3d・4のアパーチャ内に
挿入される。この構成では板厚でレンズ強度の調整が出
来、且つ折り返して衝立部材を形成する場合は衝立部材
の寸法にバラツキが生じて安定しない欠点が平板パーツ
で構成出来るので安定化出来るものが得られる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】一方、最近では情報技
術の普及によりCRT等で構成したコンピュータの画面
上で動画を再生したり、テレビ受像機用の画面上でコン
ピュータの文字図形等を映出させる様な表示装置が利用
され、例えばテレビ画像信号を受信すると自動的にテレ
ビ画像用にCRTのカソード電流に切換えコンピュータ
使用状態ではコンピュータ用にCRTのカソード電流を
切換える様に成した表示装置が提案されている。
【0019】従って、1つの表示装置の画面上に、コン
ピュータ用の文字、図形等の文字情報と、テレビの画像
等の動画を良質な画質で映出することが求められてい
る。
【0020】この様な表示装置でコンピュータ等の文字
情報を映出させる際の画質に大きく寄与する特性は低輝
度、即ち、陰極線管のカソード電流の小さい領域(画面
サイズによるも略1mA程度以下)でのスポットサイズ
である。
【0021】一方、テレビ画像等の動作を映出させる際
の画質に大きく寄与する特性は高輝度、即ち、陰極線管
のカソード電流の大きい領域(画面サイズによるも略1
mA乃至5mA程度)でのスポットサイズである。
【0022】然し、従来の陰極線管に用いられている電
子銃では、これら、相反する特性を両立させるためには
以下に述べる様な困難があった。
【0023】即ち、コンピュータ用の陰極線管用電子銃
ではカソード電流の小さい領域でスポットサイズを小さ
くするためには、ビームの物点から電子銃の主レンズに
向って拡がっていく発散角θを大きくして、物点径dc
を小さくする必要がある。(ビーム発散角θと物点径d
cはθ・dc=constの関係があるので)
【0024】然し、上述の様な条件下でビーム発散角θ
はカソード電流が大きい程、大きくなるから、カソード
電流は大きくなり電子銃内でのビーム径が大きくなり過
ぎ、レンズ収差の影響を受けて、スポットサイズが大き
くなってしまう。
【0025】一方、テレビ受像機用の陰極線管用電子銃
の様にカソード電極の大きい領域でスポットサイズを小
さくするためにはレンズ収差の影響を小さくするため
に、ビーム発散角θを上述よりも小さくした電子レンズ
と成すため、カソード電流の小さい領域でのビーム発散
角θは小さすぎて、物点径dcが大きくなるため、スポ
ットサイズは増大してしまう問題があった。
【0026】今、図12(B)或は図13(B)で示し
た衝立部材16R,16G,16Bと18B,18G,
18R及び21R,21G,21Bと18B,18G,
18Rを有する静電4重極レンズのA−A′及びB−
B′の断面矢視図を、図15(A)(B)及び図16
(A)(B)に示す。これら断面図はVfs(G5s・7)
<Vfd(G5d・8)の条件での電子ビームのビーム束が
小さい場合と大きい場合の収束状態の模式図である。
【0027】従来の静電4重極レンズを構成していない
収束レンズを示す図10(B)のA−A′断面である図
11(A)と、静電4重極レンズ構成の図12(B)と
図13(B)のA−A′断面である図15(A)の等電
位線12、即ち、レンズ強度をx及びy軸方向分布でみ
ると、図11(A)に示す収束レンズの場合は、球面収
差により、|X|,|Y|が大きくなるにつれ、レンズ
強度が強くなるが、その分布の程度は比較的小さい。一
方、静電4重極レンズの場合は、X,Y方向に分布が大
きい。よって、静電4重極レンズは、そのレンズ作用の
強度がビーム径に依存する度合いが大きい。
【0028】その結果として、カソード電流が低くビー
ム束13の径が図15(A)の様に小さい場合は、静電
4重極レンズ作用によって図15(B)のようにビーム
束が楕円形になるが、カソード電流が高くビーム束13
の径が図16(A)の様に大きい場合は、静電4重極レ
ンズの作用によって図16(B)のように、ビーム束1
3がきれいな楕円形にならず、長方形に近い形状になっ
てしまう。
【0029】この原因は図15(A)及び図16(A)
の等電位線12の変化状態を見ると解る様に左右一対の
板状の衝立部材18(R,G,B)で大きいビーム束を
圧縮する様な電界が作用するため、水平方向(左右方
向)に向かう電位勾配14のベクトル方向の変化が大き
く、スムーズに上下一対の衝立部材16(R,G,B)
側に変化しないためである。従って、静電4重極レンズ
は、画面センタ部、周辺部走査時でレンズ強度が異なる
ため、画面各部のうち、静電4重極レンズの強度が強く
なる領域での高輝度の文字・図形形状が劣化する一因と
なる。
【0030】本発明は叙上の課題を解消するために成さ
れたもので、発明が解決しようとする課題は文字、図形
及び動画像を蛍光スクリーン面の全域に亘って高輝度で
鮮明な解像度を有する電子銃及びCRTを提供するにあ
る。
【0031】
【課題を解決するための手段】請求項1に係わる本発明
は固定フォーカス電圧Vfsが供給される固定フォーカス
電極G5s・7,G3s・5及び可変フォーカス電圧Vfd
供給される可変フォーカス電極G5d・8,G3d・4から
成る3つのアパーチャレンズが非点レンズを構成する少
くとも1組の静電4重極レンズ7,8及び4,5を組み
込んだ電子銃20に於いて、固定フォーカス電極7,5
及び可変フォーカス電極8,4のアパーチャレンズを通
過する電子ビームと直交する様に水平及び垂直方向に対
向配置した対の衝立部材23R,23G,23B及び2
4R,24G,24Bの中心位置を結ぶ方向に電位勾配
14のベクトル方向が向かう様に非点レンズの等電位線
を形成させて成ることを特徴とする電子銃としたもので
ある。なお、G3d・4とG 3s・5は位置的に入れ替えた
設計が可能である。
【0032】請求項2に係わる本発明の衝立部材23
R,23G,23B及び24R,24G,24Bは円柱
状に形成されていることを特徴とする電子銃と成された
ものである。
【0033】請求項3に係わる本発明の衝立部材23
R,23G,23B及び24R,24G,24Bは角柱
等の多角型柱状に形成されていることを特徴とする請求
項1記載の電子銃と成されたものである。
【0034】請求項4に係わる本発明の3つのアパーチ
ャレンズを構成する水平方向に配設したアパーチャの中
心部の衝立部材23Gを左右のアパーチャ15R及び1
5Bの衝立部材23R及び23Bと兼用して成ることを
特徴とする請求項3記載の電子銃と成したものである。
【0035】請求項5に係わる本発明は衝立部材23
(R,G,B)、24(R,G,B)の高さを調整する
ことで静電4重極レンズの強度を調整して成ることを特
徴とする請求項1乃至請求項4記載のいずれか1項記載
の電子銃と成したものである。
【0036】請求項6に係わる本発明の固定フォーカス
電極7,5及び可変フォーカス電極8,4に配設した衝
立部材23(R,G,B)、24(R,G,B)を囲繞
する遮蔽部材26を設けてネック内壁の電位変動を遮蔽
する様に成したことを特徴とする請求項1乃至請求項5
記載のいずれか1項記載の電子銃と成したものである。
【0037】請求項7に係わる本発明は固定フォーカス
電圧Vfsが供給される固定フォーカス電極G5s・7,G
3s・5及び可変フォーカス電圧Vfdが供給される可変フ
ォーカス電極G5d・8,G3d・4から成る3つのアパー
チャレンズが非点レンズを構成する少くとも1組の静電
4重極レンズ7及び8或は4及び5を組み込んだ電子銃
20に於いて、固定フォーカス電極7,5及び可変フォ
ーカス電極8,4のアパーチャレンズを通過する電子ビ
ームと直交する様に水平及び垂直方向に対向配置した対
の衝立部材23(R,G,B)、24(R,G,B)、
25a,25bの中心位置を結ぶ方向に電位勾配のベク
トル方向が向かう様に非点レンズの等電位線を形成させ
て成る電子銃20を組み込んだことを特徴とする陰極線
管としたものである。なお、G3d・4とG3s・5は位置
的に入れ替えた設計が可能である。
【0038】斯かる、本発明の電子銃及びCRTによれ
ば低輝度から高輝度までの文字・図形を蛍光面スクリー
ンの画面全域において鮮明に映出する電子銃及びディス
プレイモニタやテレビ受像機の陰極線管を得ることが出
来る。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電子銃及び陰極線
管(CRT)を説明すると、電子銃を図8で詳記したと
同様の水平方向(x軸方向)一直線上にインライン配列
されたR,G,B用のカソード1R,1G,1B(1)
の後段にはCRTのZ軸方向に順次第1グリッド電極
(G1 ・2)、第2グリッド電極(G2 ・3)、第1の
可変フォーカス電極(G3d・4)、第1の固定フォーカ
ス電極(G3s・5)、第4グリッド電極(G4 ・6)、
第2の固定フォーカス電極(G5s・7)、第2の可変フ
ォーカス電極(G5d・8)、中間電極(GM・9)、第
6グリッド電極(G6 ・10)を配設し、このG6 ・1
0に接続したアノード電圧を抵抗R1 を介してGM9に
接続し、抵抗R1 及びR2 で分圧した内蔵抵抗器11で
構成したインライン型の電子銃20を構成している。
【0040】G1 ・2,G2 ・3,G4 ・6、メインレ
ンズを構成するGM・9,G6 ・10は共に非点レンズ
を構成し、G3d・4及びG3s・5並びにG5s・7及びG
5d・8は静電4重極レンズを構成している。
【0041】G3d・4(又はG3s・5)並びにG5d・8
には図8で説明した様なダイナミックな可変フォーカス
源から可変フォーカス電圧Vfdガ供給され、G3s・5
(又はG3d・4)並びにG5s・7には図8の様に固定フ
ォーカス源から固定フォーカス電圧Vfsが供給され、画
面周辺部でVfs=Vfdとしたコーナクランプ方式が用い
られている。
【0042】上述の静電4重極レンズを構成するG5s
7及びG5d・8の本発明の1形態例を図1(A)(B)
(C)に示す。本発明の形状は図12(A)(B)
(C)、図13(A)(B)(C)、図14で詳記した
対応部分には同一符号を付して説明する。
【0043】G5s・7を構成する矩形状の金属板から成
るR,G,Bの3ビームに対応する3個のアパーチャ1
5R,15G,15Bはx軸(水平)方向にインライン
上に矩形状に穿たれ、G5d・8を構成する矩形状の金属
板から成るB,G,Rに対応する3個のアパーチャ17
B,17G,17Rはx軸(水平)方向にインライン上
に矩形状に穿たれている。図12〜図14で説明した衝
立部材16(R,G,B)、18(R,G,B)、21
(R,G,B)は本例では板状でなく直径0.5mmφ
〜1.5mmφ程度の円柱形状と成されている。即ち、
5s・7では図1(A)に示す様にx軸に沿って形成し
た3つのアパーチャ15R,15B,15Gのy軸方向
長さの中心の左右両側位置に円柱状の衝立部材23R,
23G,23BをG5s・7の板面に直交する様に立設し
ている。
【0044】又、G5d・8では図1(C)に示す様にx
軸に沿って形成した3つのアパーチャ17B,17G,
17Rのx軸方向の長さの中心の上下両側位置に円柱状
の衝立部材24B,24G,24BをG5d・8の板面と
直交する様に立設している。
【0045】更に、図1(B)の様に衝立部材23R,
23G,23B及び24B,23G,24Rの自由端を
相手側の電極面に対向する様に配置して静電4重極レン
ズを構成している。
【0046】上述の衝立部材23R,23G,23B又
は24B,23G,24Rは電極板材とアパーチャ形成
時に一体に切起す様にしても、或は別体で溶接等で接合
固定してもよい。
【0047】次に図2(A)(B)によって、本例の動
作を説明する。図2(A)(B)は図1(B)のA−
A′及びB−B′断面矢視図である。上述の如き、板材
ではない小径の柱によると、従来の図16(A)(B)
での板状の衝立部材16(R,G,B)、18(R,
G,B)に比べて、Vfs(G5s<Vfd(G5d)の条件で
の電子ビームのビーム束13が比較的大きい場合の等電
位線12は図2(A)に示す様に円柱状の間で略均一に
なり、均一な等電位線12によって生ずる電位勾配14
のベクトル方向の変化は小さくなる。
【0048】即ち、図16(A)の様に板状の衝立近傍
では等電位線12は衝立部材18(R,G,B)、16
(R,G,B)に略平行となり遠い部分では衝立部材1
8(R,G,B)、16(R,G,B)に対し垂直とな
って電位勾配14は水平方向から垂直方向に急激に変化
するが、本例では図2(A)の様に円柱状の衝立部材2
3R,23G,23Bの中心部から出た電位勾配14の
ベクトル方向は円柱状の衝立部材24B,24G,24
Rの中心部に向かって進むため、大きいビーム束13の
外部のこの部分(ビーム束13の中心位置から45°,
135°,225°,315°位置近傍)が受ける力は
x,y方向の位置に於いて変化が小さい。
【0049】従って、従来の図16(A)に示す構成の
衝立部材では電位勾配がVfsからV fd付近に行くにした
がってその変化は大きく、図2(A)に示す本例の如き
衝立部材ではその変化が小さくなる。従って、図2
(A)の場合はカソード電流が高くビーム束13の径が
大きい場合でも、静電4重極レンズ作用によって図2
(B)のようにビーム束13がきれいな楕円形になる。
その結果、画面各部のうち、静電4重極レンズの強度が
強くなる領域での高輝度の文字・図形形状が劣化する現
象が改善され、高輝度の文字を、画面全域において鮮明
に映出することができる。
【0050】前述の説明は、メインレンズを構成する第
2の静電4重極レンズG5s・7及びG5d・8について述
べたが、前段の第1の4重極レンズG3d・4,G3s・5
についても本方法を適用することができる。又、G3d
4,G3s・5についてはVfd或はVfsをどちらの電極に
掛けても静電4重極レンズを構成することが出来る。
【0051】図3(A)〜図3(C)及び図4(A)〜
図4(C)は図1(A)〜図1(C)と同様のG5s・7
及びG5d・8の他の衝立構成を示す他の形態例を示すも
ので図3(A)〜図3(C)は衝立部材を円柱状から底
部断面が正方形の角柱の衝立部材23R,23G,23
B及び24R,24G,24Bを板材電極面上に立設さ
せるものであり、図4(A)〜図4(C)は角柱の底部
断面の部分が長辺部/短辺部=1〜3程度の長方形状の
衝立部材23R,23G,23B及び24B,24G,
24Rをアパーチャ15R,15G,15Bの左右端及
びアパーチャ17B,17G,17Rの上下端に立設さ
せたものである。この場合も図2(A)(B)と同様の
効果を得ることが出来る。但し、この場合は長辺部が長
さが長くなって行くと、発明の効果は小さくなるので長
辺部/短辺部=3を限度とすればよい。
【0052】図5(A)〜図5(E)は本発明の衝立部
材の更に他の構成を示すもので図5(A)〜図5(C)
は図1(A)〜図1(C)と同様の構成であり、図5
(D)及び図5(E)は図5(A)、図5(C)の下側
面図である。この構成ではG5s・7とG3d・4,G3s
5のR,Gのアパーチャ15Rと15G又はG,Bのア
パーチャ15Gと15Bの隣り合う角柱を一体の角柱と
して形成することで衝立部材25a,25bを兼用する
様に成したものである。この場合、パーツとしての衝立
部材25a,25bの製造においてコストダウン面で有
利となる。
【0053】次に、静電4重極レンズとしての強度を調
整する場合について考える。図1乃至図4で説明した衝
立構造の場合はG5s・7,G5d・8,G3d・4,G3s
5の円柱又は角柱から成る衝立部材23(R,G,
B)、24(R,G,B)の高さを調整することで、図
5(A)乃至図5(E)に示した衝立部材25a,25
bではG5d・8,G3d・4,G3s・5の円柱又は角柱か
ら成る衝立部材24B,24G,24Rの高さを図5
(E)に示す様にL1 ≠L2 の様に調整することが可能
である。この強度調整はR,G,Bの各アパーチャにつ
いて独立に行うことで出来る。
【0054】図1〜図5ではアパーチャ15(R,G,
B)、17(R,G,B)を角孔とした場合を説明した
が図6(A)〜図6(C)の様にアパーチャ15
(R′,G′,B′)、17(R′,G′,B′)を円
形としてもよい。尚、図1〜図6の形状のみでは、CR
Tネックガラス内壁の電位がCRT使用中に変動するこ
とによって、等電位線に影響を及ぼし、ビームの受ける
力が時間的に変化することが考えられる。この対策とし
ては、図7に示すように、G5s・7から、遮蔽部材26
を対向電極のG5d・8側に突き出すことが挙げられる。
このシールドにより、ネック内壁電位の変動によらず、
ビームに所望の静電4重極作用を与えることができる。
この遮蔽部材26は、G5d・8側からG5s・7に突き出
しても良く、又シールドの一部をG5s・7からG5d・8
へ、一部をG5d・8側に突き出しても良い。又、本発明
の構造G5s・7またはG5d・8のいずれか一方に用いる
ことも可能である。ただし、その場合は、本発明の効果
は本来よりも小さくなる。
【0055】尚、本発明の電子銃及びCRTでは、図示
しないがCRTの蛍光面スクリーンの画面中心部ではG
5s・7,G5d・8のみの第2の静電4重極だけでは縦長
のビーム束になってしまうのでG3d・4,G3s・5を設
けて、画像中心部で第1の静電4重電極を作用させて、
ビーム束を円形に補正している。又、スクリーンの画面
コーナ部ではフォーカス電圧をコーナクランプとして画
面コーナ部では静電4樹極作用をさせない様にしてスク
リーン上で円形のビーム束を得る様にしている。
【0056】
【発明の効果】本発明の電子銃及びCRTの構成に依れ
ばCRTの蛍光面の全域に亘って高輝度で円形のビーム
スポットが得られ、文字、図形及び動画を画面全域に於
いて鮮明に映出可能なコンピュータ用モニタやテレビ受
像機を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子銃に用いる固定及び可変フォーカ
ス電極の静電4重極を示す平面及び側断面図である。
【図2】本発明の電子銃の静電4重電極の動作説明図で
ある。
【図3】本発明の電子銃に用いる固定及び可変フォーカ
ス電極の静電4重電極を示す他の平面図及び側断面図
(I)である。
【図4】本発明の電子銃に用いる固定及び可変フォーカ
ス電極の静電4重電極を示す他の平面図及び側断面図
(II)である。
【図5】本発明の電子銃に用いる固定及び可変フォーカ
ス電極の静電4重電極を示す他の平面図及び側断面図
(III)である。
【図6】本発明の電子銃に用いる固定及び可変フォーカ
ス電極の静電4重電極を示す他の平面図及び側断面図
(IV)である。
【図7】本発明の電子銃に用いる固定及び可変フォーカ
ス電極の静電4重電極を示す他の平面図及び側断面図
(V)である。
【図8】従来及び本発明に用いる陰極線管に用いる電子
銃の電極配置を示す模式図及びフォーカス電圧を説明し
た波形図である。
【図9】従来及び本発明に用いる電子銃の要部外観図で
ある。
【図10】従来の電子銃に用いる固定可変可変フォーカ
ス電極の収束レンズを示す平面図及び側断面図である。
【図11】図10のA−A′及びB−B′断面矢視図で
ある。
【図12】従来の電子銃に用いる固定及び可変フォーカ
ス電極の静電4重電極を示す平面及び側断面図である。
【図13】従来の電子銃に用いる固定及び可変フォーカ
ス電極の静電4重電極を示す平面及び側断面図である。
【図14】従来の電子銃に用いる固定及び可変フォーカ
ス電極の静電4重電極を示す更に他の要部斜視図であ
る。
【図15】従来の電子銃の静電4重電極のビーム束が小
さい時の動作説明図である。
【図16】従来の電子銃の静電4重電極のビーム束が大
きい時の動作説明図である。
【符号の説明】
1(1R,1G,1B)‥‥カソード、4‥‥第1の可
変フォーカス電極(G 3d・4)、5‥‥第1の固定フォ
ーカス電極(G3s・5)、7‥‥第2の固定フォーカス
電極(G5s・7)、8‥‥第2の可変フォーカス電極
(G5d・8)、9‥‥中間電極(GM)、12‥‥等電
位線、13‥‥ビーム束、14‥‥電位勾配、16R,
16G,16B,18R,18G,18B,21R,2
1B,21G,23R,23G,23B,24R,24
G,24B,25a,25b‥‥衝立部材、26‥‥遮
蔽部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定フォーカス電圧が供給される固定フ
    ォーカス電極及び可変フォーカス電圧が供給される可変
    フォーカス電極から成る3つのアパーチャレンズが非点
    レンズを構成する少くとも1組の静電4重極レンズを組
    み込んだ電子銃に於いて、 上記固定フォーカス電極及び可変フォーカス電極の上記
    アパーチャレンズを通過する電子ビームと直交する様に
    水平及び垂直方向に対向配置した対の衝立部材の中心位
    置を結ぶ方向に電位勾配のベクトル方向が向かう様に上
    記非点レンズの等電位線を形成させて成ることを特徴と
    する電子銃。
  2. 【請求項2】 前記衝立部材は円柱状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の電子銃。
  3. 【請求項3】 前記衝立部材は角柱等の多角型柱状に形
    成されていることを特徴とする請求項1記載の電子銃。
  4. 【請求項4】 前記3つのアパーチャレンズを構成する
    水平方向に配設した中心部のアパーチャの前記衝立部材
    を左右のアパーチャの該衝立部材と兼用して成ることを
    特徴とする請求項1又は請求項3記載の電子銃。
  5. 【請求項5】 前記衝立部材の高さを調整することで前
    記静電4重極レンズの強度を調整して成ることを特徴と
    する請求項1乃至請求項4記載のいずれか1項記載の電
    子銃。
  6. 【請求項6】 前記固定フォーカス電極及び可変フォー
    カス電極に配設した前記衝立部材を囲繞する遮蔽部材を
    設けてネック内壁の電位変動を遮蔽する様に成したこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項5記載のいずれか1項
    記載の電子銃。
  7. 【請求項7】 固定フォーカス電圧が供給される固定フ
    ォーカス電極及び可変フォーカス電圧が供給される可変
    フォーカス電極から成る3つのアパーチャレンズが非点
    レンズを構成する少くとも1組の静電4重極レンズを組
    み込んだ電子銃を有する陰極線管に於いて、 上記固定フォーカス電極及び可変フォーカス電極の上記
    アパーチャレンズを通過する電子ビームと直交する様に
    水平及び垂直方向に対向配置した対の衝立部材の中心位
    置を結ぶ方向に電位勾配のベクトル方向が向かう様に上
    記非点レンズの等電位線を形成させて成る電子銃を組み
    込んだことを特徴とする陰極線管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009004366A (ja) * 2007-05-14 2009-01-08 Ims Nanofabrication Ag 対向電極アレイ板を有するパターン定義装置
US8912505B2 (en) 2008-05-20 2014-12-16 Samsung Electronics Co., Ltd. Electron beam focusing electrode and electron gun using the same

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