JP2003240556A - 物理量の測定装置および振動子の駆動装置 - Google Patents
物理量の測定装置および振動子の駆動装置Info
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Abstract
る物理量を、振動子から得られた出力信号に基づいて検
出するのに際して、測定用の振動子からの出力信号が安
定化するまでの起動時間を短くする。 【解決手段】振動子3Aの駆動装置が自励発振回路8A
を備えている。自励発振回路8Aが、振動子3Aを駆動
する駆動器1、駆動器1における利得を制御する振幅制
御装置7、自励発振回路の電流量を検出する電流検出器
6、および駆動器1と直列接続されている抵抗器2を備
えている。
Description
理量測定装置、例えば振動型ジャイロスコープに関する
ものである。
ている物体に角速度が加わると、その振動と直角方向に
コリオリ力が生じることを利用している。そして、その
原理は力学的モデルで解析される。
用について種々検討を進めており、例えば自動車の車体
回転速度フィードバック式の車両制御方法に用いる回転
速度センサーに振動型ジャイロスコープを使用すること
を検討した。こうしたシステムにおいては、操舵輪の方
向自身は、ハンドルの回転角度によって検出する。これ
と同時に、実際に車体が回転している回転速度を振動ジ
ャイロスコープによって検出する。そして、操舵輪の方
向と実際の車体の回転速度を比較して差を求め、この差
に基づいて車輪トルク、操舵角に補正を加えることによ
って、安定した車体制御を実現する。本出願人は、特開
平11−281372号公報には、主として平面内に延
びる振動子を用いた、横置き型に適した振動型ジャイロ
スコープを提案した。
は、振動型ジャイロスコープは電池によって駆動されて
いるので、できる限り消費電力を減らし、電池の寿命を
長くすることが必要である。従って、車両が停止してい
るときには振動型ジャイロスコープを停止し、車両が発
進するときに起動することが望ましい。このためには、
振動型ジャイロスコープを起動してから短時間で正常な
動作を開始させ、車両の位置の検出を始めることが必要
不可欠である。
ャイロを起動すると、起動後に振動型ジャイロスコープ
の動作が安定化するまでの時間が長く、ジャイロの動作
が安定化するまでの間は車両の方向および位置を確認で
きないことになる。このため、車両の位置制御への利用
が困難となる。
るパッケージを小型化することが要求されている。本発
明者は、振動子の小型化に対応するため、振動子を収容
するパッケージ内を真空封止することを試みていた。と
ころが、振動子をQ値の高い水晶によって形成し、かつ
振動子をパッケージ内に真空封止すると、振動子の駆動
Q値が非常に高くなり、例えば100,000以上に達
することがわかった。この結果、振動子に駆動振動を励
振する際に、振動子からの出力信号が安定するまでの時
間(起動時間)が長くなった。
し、振動子に印加される物理量を、振動子から得られた
出力信号に基づいて検出するのに際して、測定用の振動
子からの出力信号が安定化するまでの起動時間を短くで
きるようにすることである。
振動子と発振ループを構成し、振動子に駆動振動を励振
する自励発振回路、および振動子からの出力信号を処理
するための検出回路を備えており、出力信号に基づいて
物理量を測定する装置であって、自励発振回路が、振動
子を駆動する駆動器、駆動器における利得を制御する振
幅制御装置、自励発振回路の電流量を検出する電流検出
器、および振動子と駆動器との間に直列接続されている
抵抗器を備えており、抵抗器の抵抗値が、振動子の駆動
振動モードの等価直列抵抗よりも大きいことを特徴とす
る。
振動および測定すべき物理量に基づいて振動子から出力
信号を出力し、出力信号に基づいて物理量を測定するの
に際して、振動子に駆動振動を励振するための駆動装置
であって、振動子に駆動振動を励振する自励発振回路を
備えており、自励発振回路が、振動子を駆動する駆動
器、駆動器における利得を制御する振幅制御装置、自励
発振回路の電流量を検出する電流検出器、および振動子
と駆動器との間に直列接続されている抵抗器を備えてい
ることを特徴とする。
し、振動子に印加される物理量を、振動子から得られた
出力信号に基づいて検出するのに際して、振動子のQ値
が高い場合であっても、振動子からの出力信号が安定化
するまでの起動時間を短くできる。
の自励発振回路8を示すブロック図である。振動子の駆
動振動部3Aには励振手段4が取り付けられている。励
振手段4は自励発振回路8に対して接続されており、発
振ループを構成している。起動の際には、まず自励発振
回路8内の駆動器1の利得(ゲイン)の大きい状態でス
タートする。この時点では駆動器への入力は雑音のみで
ある。この雑音は、目的とする駆動振動の固有共振周波
数を含む幅広い周波数の波動を含んでいる。この雑音を
振動子3Aに入力する。
結晶からなる。振動子の周波数フィルター作用によっ
て、目的とする固有共振周波数の振動を多く含む信号が
出力され、この信号が駆動器1に入力される。発振ルー
プ内でこうした操作が繰り返されることによって、目的
とする固有共振周波数の信号の割合が高くなり、駆動器
1への入力信号が大きくなる。この際、振動子からの出
力を電流検出器6によって検出し、この検出値に基づい
てAGC(振幅制御装置)7によって駆動器1を制御
し、駆動器における利得を調整する。これによって、発
振ループを信号が一周する間の利得(ループゲイン)が
1となるようにする。最終的には、駆動器1の利得を調
整することなしに、発振ループを信号が一周する間の利
得(ループゲイン)が1となり、この状態で振動子が安
定発振する。
要不可欠である。なぜなら、振動子において発振してい
る駆動信号の振幅が一定でないと、振動子から出力され
るべき出力信号の値も一定とならず、正確な測定を行う
ことができないからである。
の間に抵抗器2を直列接続し、その抵抗値RLを調整す
ることによって、振動子3Aの駆動振動のQ値が高い場
合にも、振動子からの出力信号が安定化するまでの時間
(起動時間)を短くでき、好ましくは1.5秒以下とす
ることができる。
理量は特に限定はされない。振動子に駆動振動を励振
し、駆動振動中の振動子に対する物理量の影響によって
振動子の振動状態に変化が生じたときに、この振動状態
の変化から検出回路を通して検出可能な物理量を対象と
する。こうした物理量としては、振動子に印加される加
速度、角速度、角加速度が特に好ましい。また、検出装
置としては慣性センサーが好ましい。
発振回路8Aを示すブロック図である。図2において、
図1に示した部分には同じ符号をつけ、その説明を省略
する。図2の例においては、振動子の駆動部分3Aには
2対の駆動電極4A、4Bが設けられている。そして、
各対の駆動電極4A、4Bと駆動器1との間には、共通
の抵抗器2(抵抗値RL)が直列接続されている。
自励発振回路8Bを示すブロック図である。図3の例に
おいては、振動子の駆動部分3Aには2対の駆動電極4
A、4Bが設けられている。一対目の駆動電極4Aと駆
動器1との間には、抵抗器2A(抵抗値RA)が直列接
続されており、二対目の駆動電極4Bと駆動器1との間
には、抵抗器2B(抵抗値RB)が直列接続されてい
る。この場合には、各駆動電極ごとに、抵抗器の抵抗値
をそれぞれ独立して制御可能である。
御回路10を示すブロック図である。本例の測定装置
は、回転角速度を測定するための振動型ジャイロスコー
プに係るものである。
23とを備えている。駆動回路11は、振動子の駆動部
3Aを励振するためのものであり、自励発振回路8と診
断回路12とが設けられている。自励発振回路8は、図
1〜3に示したものである。
回路から雑音を入力する。この雑音は、振動子の駆動部
3Aを通過して周波数選択を受け、次いで駆動器1で増
幅される。振動子からの出力信号の一部を取り出し、電
流検出器6に入力し、振幅の水準(大きさ)に変換す
る。この振幅の信号を振幅制御装置7に入力する。自励
発振回路8は診断回路12に連結されており、診断回路
12の出力はDIAG端子を通して外部に出力される。
音の大部分がカットされるため、電流検出器からの出力
が比較的小さい。このため、駆動器1における利得を大
きくし、発振ループを一周する間のループゲインが1に
なるようにする。時間が経過すると、電流検出器への入
力信号の振幅が大きくなるので、駆動器1における利得
を小さくし、ループゲインが1になるようにする。
ように処理する。即ち、振動子の検出部15A、15B
から検出手段25によって出力信号(交流)を得、この
信号を交流増幅器17A、17Bを用いて増幅し、各増
幅器17A,17Bからの出力を差動加算器18によっ
て差動加算する。
号を移相器13に通し、移相信号を得る。移相信号の位
相は、駆動信号の位相とは、所定角度、例えば90°ず
れている。この移相信号を位相検波器19に入力し、振
動子からの出力信号を検波する。この結果、検波後の出
力信号においては、不要な漏れ信号は消去されており、
あるいは少なくとも低減されているはずである。この検
波後の出力信号をローパスフィルター20に入力し、平
滑化し、次いで0点調整回路21に入力する。この出力
を外部に取り出す。
と直列に抵抗器を挿入し、直列接続することによって、
検出振動モードのQ値が高くとも、出力信号中の振動ノ
イズを小さくすることができる。例えば、図5のブロッ
ク図に示すように、振動子の検出部15から所定の検出
手段25によって出力信号を出力し、この出力信号を電
流検出器12に通し、検出回路へと送る。ここで、28
は振動子の検出部15と電流検出器12との間に直列接
続された抵抗器である。
直列接続される抵抗器の個数や種類は特に限定されな
い。
に直列接続される抵抗器の抵抗値RLは、振動子の駆動
振動モードの等価直列抵抗Rよりも大きくする。
動時間短縮効果が大きいが、抵抗値RLが大き過ぎる
と、所望の駆動電流を得る為に必要な駆動電圧が高くな
り好ましくない。この為、抵抗器の抵抗値RLは、振動
子の駆動振動モードの非共振インピーダンスZの100
分の1以下であることが好ましい。ただし、Z=√(L
/Ca)である(Lは、振動子の駆動振動モードの等価
直列インダクタンスである。Caは、振動子の駆動振動
モードの等価直列静電容量である)。
極を逆並列接続した状態での振動子の駆動振動モードの
等価直列抵抗R、等価直列インダクタンスL、等価直列
静電容量Caに対して、上記の条件を当てはめる。
る場合には、複数の抵抗器によって構成される回路全体
の合成抵抗値である。例えば、図3の例においては、複
数の抵抗器が並列接続されているので、回路全体の並列
合成抵抗値RLは、1/(1/RA+1/RB)とな
る。
5秒間以下となるように振動子と駆動器との間に直列接
続される抵抗器の抵抗値(合計値)を調整することが好
ましい。
くは正弦波、余弦波あるいは矩形波である。
を構成する材質としては、エリンバー等の恒弾性合金、
強誘電性単結晶(圧電性単結晶)を例示できる。こうし
た単結晶としては、水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル
酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固
溶体、ホウ酸リチウム、ランガサイトを例示できる。ま
た、振動子は、パッケージ内に気密封止されていること
が好ましい。パッケージ内の雰囲気は、乾燥窒素または
真空とするのが、好ましい。
明したような回路を構成し、駆動実験を行った。振動子
としては、特開平11−281372号公報に記載の振
動子を使用した。この振動子は、2本の駆動振動片3A
と、駆動振動片とは独立的に振動する2本の検出振動片
15A、15Bとを備えている。振動子は、シーム溶接
パッケージ内に真空封止されている。この振動子の駆動
振動モードの固有共振周波数は29.0kHzであり、
等価直列抵抗Rは6.0kΩであり、等価直列インダク
タンスLは3.4kHであり、等価直列静電容量Caは
8.8fFであり、Q値は105000であり、非共振
インピーダンスZ=√(L/Ca)は約600MΩであ
る。抵抗器2の抵抗値は39kΩとした。
の雑音を発生させ、発振ループに入力し、自励発振を開
始した。振動子からの出力電圧と、起動後の経過時間と
の関係を図6に示す。図6からわかるように、振動型ジ
ャイロスコープの起動時間は約1.0秒であった。
た。即ち、駆動回路および検出回路に電力を投入した直
後から、振動子からの出力信号の波形を収集した。振動
子からの出力信号が十分に安定した値を定常値とする。
そして、出力電圧の定常値からの偏差が、角速度に換算
して±3deg/secの範囲内になるまでの経過時間
を、起動時間とする。
抵抗値を5kΩとした。これは、駆動振動モードの等価
直列抵抗値(6kΩ)よりも小さい。そして、実施例1
と同様にして起動実験を行い、図7に示す結果を得た。
図7からわかるように、起動時間は約2.0秒であっ
た。
動子に駆動振動を励振し、振動子に印加される物理量
を、振動子から得られた出力信号に基づいて検出するの
に際して、測定用の振動子からの出力信号が安定化する
までの起動時間を短くできる。
ブロック図である。
すブロック図である。
を示すブロック図である。
回路10を示すブロック図である。
を示すブロック図である。
振動子からの出力電圧との関係を示すグラフである。
振動子からの出力電圧との関係を示すグラフである。
される抵抗器 3A 振動子の駆動部
4、4A、4B 駆動電極(励振手段) 6 電
流検出器 7 振幅制御装置 8、8A、
8B自励発振回路 10 制御回路 11
駆動回路 12診断回路 15A、15
B 振動子の検出部 22 直流増幅回路 23 検出回路 25 検出手段
Claims (6)
- 【請求項1】振動子、この振動子と発振ループを構成
し、前記振動子に駆動振動を励振する自励発振回路、お
よび前記振動子からの出力信号を処理するための検出回
路を備えており、前記出力信号に基づいて物理量を測定
する装置であって、 前記自励発振回路が、前記振動子を駆動する駆動器、こ
の駆動器における利得を制御する振幅制御装置、前記自
励発振回路の電流量を検出する電流検出器、および前記
振動子と前記駆動器との間に直列接続されている抵抗器
を備えており、前記抵抗器の抵抗値が、前記振動子の駆
動振動モードの等価直列抵抗よりも大きいことを特徴と
する、物理量の測定装置。 - 【請求項2】前記抵抗器の抵抗値を調整することによっ
て、前記振動子に前記駆動振動を励振する際の起動時間
を1.5秒以下とすることを特徴とする、請求項1記載
の装置。 - 【請求項3】前記測定装置が慣性センサーであることを
特徴とする、請求項1または2記載の装置。 - 【請求項4】振動子に励振される駆動振動および測定す
べき物理量に基づいて前記振動子から出力信号を出力
し、前記出力信号に基づいて物理量を測定するのに際し
て、前記振動子に前記駆動振動を励振するための駆動装
置であって、 前記振動子に前記駆動振動を励振する自励発振回路を備
えており、前記自励発振回路が、前記振動子を駆動する
駆動器、この駆動器における利得を制御する振幅制御装
置、前記自励発振回路の電流量を検出する電流検出器、
および前記振動子と前記駆動器との間に直列接続されて
いる抵抗器を備えていることを特徴とする、振動子の駆
動装置。 - 【請求項5】前記抵抗器の抵抗値を調整することによっ
て、前記振動子に前記駆動振動を励振する際の起動時間
を1.5秒以下とすることを特徴とする、請求項4記載
の装置。 - 【請求項6】前記測定装置が慣性センサーであることを
特徴とする、請求項4または5記載の装置。
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JP2002036630A JP3985893B2 (ja) | 2002-02-14 | 2002-02-14 | 物理量の測定装置 |
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JP2008139287A (ja) * | 2006-11-06 | 2008-06-19 | Seiko Epson Corp | 駆動装置、物理量測定装置及び電子機器 |
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US7812681B2 (en) | 2006-10-17 | 2010-10-12 | Seiko) Epson Corporation | Driver device, physical quantity measuring device, and electronic instrument |
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- 2002-02-14 JP JP2002036630A patent/JP3985893B2/ja not_active Expired - Fee Related
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