JP2003240132A - プランジャ式往復動機器のシール構造 - Google Patents

プランジャ式往復動機器のシール構造

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JP2003240132A
JP2003240132A JP2002041817A JP2002041817A JP2003240132A JP 2003240132 A JP2003240132 A JP 2003240132A JP 2002041817 A JP2002041817 A JP 2002041817A JP 2002041817 A JP2002041817 A JP 2002041817A JP 2003240132 A JP2003240132 A JP 2003240132A
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dam
fluid
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Takaaki Suzuki
孝明 鈴木
Eiichi Nagayama
栄一 長山
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Nikkiso Co Ltd
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Nikkiso Co Ltd
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  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プランジャ式往復動機器において、開口部と
該開口部に往復動自在に挿設したプランジャとの隙間か
ら、シール流体が洩れる量を抑制するシール構造を提供
しようとするものである。 【解決手段】 グランド部11の内周面とプランジャ1
2の外周面との隙間16を狭く設定してシールするプラ
ンジャ式往復動機器のシール構造10において、プラン
ジャ12の外周面に微細なダム21を複数個所形成す
る。そして、これらのダム21…を、プランジャ12を
軸方向に沿って切断したときの断面形状が三角形をなす
とともに、この三角形の尖端をグランド部11の高圧側
に向いた状態で形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プランジャポンプ
等のプランジャ式往復動機器において、作動流体をシー
ルするシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】プランジャ式往復動機器は、開口部と該
開口部内にて往復動自在なプランジャを設けた機器であ
り、例えば、プランジャ式往復動機器の一種であるプラ
ンジャポンプは、ポンプ室に連通するように開口部を設
け、プランジャをこの開口部内にて往復動させることに
より、ポンプ室内の作動流体を加圧する機器である。そ
して、このプランジャ式往復動機器の内部の作動流体を
シールするため、従来、開口部の内周面とプランジャの
外周面との隙間を狭く設定する所謂クリアランスシール
構造が適用されている。
【0003】このクリアランスシール構造は、前記隙間
を数マイクロメートル〜10数マイクロメートル程度に
狭く設定するとともに、この隙間にシール流体を満たし
ている。そして、このクリアランスシール構造は、隙間
からのシール流体の洩れ量を少量に抑えることによって
作動流体をシールするシール構造であり、このシール構
造から洩れるシール流体の洩れ量の大小は、ポンプの加
圧能力や作動流体供給能力等のプランジャ式往復動機器
の性能を左右し、洩れ量が大きいと性能が低下してしま
う。したがって、このクリアランスシール構造からのシ
ール流体の洩れ量を極く小さくすることが望まれてい
る。
【0004】従来のクリアランスシール構造1は、図5
に示すように、プランジャ2と開口部3との間に均一な
隙間δを形成しており、この隙間δからのシール流体の
洩れ量Qは、次式、 Q={πD(Phi−Plow)}δ/(12μL) Phi−Plow:圧力差,D:プランジャ2の外径,μ:
シール流体粘度, L:シール長さ(=開口部3へのプランジャ2の挿入長
さ) により示される。この式から、同一プランジャ径、同一
圧力差、同一シール流体粘度の場合にシール流体の洩れ
量を減少させるには、隙間δを狭くするか、あるいは、
シール長さLを長くする必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、シール流体の
洩れ量が極く小さくなるように隙間を狭くすると、高精
度にプランジャおよび開口部を仕上げても、プランジャ
の往復動に適したはめあいを得ることができず、この状
態のままプランジャを開口部内で往復動させると、プラ
ンジャが開口部内周面にカジってしまう虞がある。一
方、シール長さを長くすると、プランジャ式往復動機器
が大型化してしまい、したがって、製造コストを引き上
げることにつながってしまうので好ましくない。
【0006】本発明は上記した事情に鑑み提案されたも
ので、その目的は、プランジャ式往復動機器において、
開口部と該開口部内に往復動自在に設けたプランジャと
の隙間から、シール流体が洩れる量を抑制するシール構
造を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案されたもので、請求項1に記載のもの
は、開口部内にプランジャを往復動自在に設け、開口部
の一方の開口と他方の開口との間に圧力差があり、開口
部の内周面とプランジャの外周面との隙間を狭く設定す
ることにより作動流体をシールするプランジャ式往復動
機器のシール構造において、上記開口部の内周面または
プランジャの外周面のいずれか一方に、非連続のシール
流体収納用微小窪みを軸方向に複数個所形成したことを
特徴とするプランジャ式往復動機器のシール構造であ
る。
【0008】請求項2に記載のものは、前記した各シー
ル流体収納用微小窪みは、開口部の高圧側から低圧側に
向かうに連れて次第に深くなるように構成したことを特
徴とする請求項1に記載のプランジャ式往復動機器のシ
ール構造である。
【0009】請求項3に記載のものは、前記シール流体
収納用微小窪みは、軸方向に沿って切断したときの断面
形状が、尖端が高圧側に向いた三角形を呈していること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のプランジ
ャ式往復動機器のシール構造である。
【0010】請求項4に記載のものは、シール流体収納
用微小窪みが、軸方向に複数個所千鳥配置されているこ
とを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載
のプランジャ式往復動機器のシール構造である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態であ
るプランジャ式往復動機器のシール構造10の断面図で
ある。
【0012】プランジャ式往復動機器のシール構造10
は、プランジャ式往復動機器内の作動流体を満たす室に
連通するようにしてグランド部11を設け、このグラン
ド部11内にプランジャ12を往復動自在に設けること
により概略構成される。
【0013】グランド部11は、貫通孔13を開設し、
一方の開口周辺を高圧に設定するとともに他方の開口周
辺を低圧に設定する。したがって、一方の開口と他方の
開口との間に圧力差が生じる。本実施形態では、このグ
ランド部11は、図1中右側の開口14を、作動流体を
満たす室に連通して高圧側(圧力Phi)とし、左側の開
口15を大気開放して低圧側(圧力Plow)とする。な
お、このグランド部11は、本発明における開口部に相
当する。
【0014】プランジャ12は、棒状の部材であり、外
径をグランド部11の貫通孔13の内径よりも僅かに小
さく形成して、グランド部11の貫通孔13内に挿入し
た際に外周面とグランド部11の内周面との間に数μm
〜10数μm程度の隙間16を形成できるようになって
いる。
【0015】このプランジャ12は、一端をグランド部
11の貫通孔13内に挿入し、他端を、モータ等の駆動
源の出力部にクランク等の動力伝達機構を介して(いず
れも図示せず)接続することにより、グランド部11内
で往復動できるようになっている。なお、駆動源は、プ
ランジャ12に軸方向の直線運動を伝達することにより
プランジャ12を往復動させるものであれば、どのよう
なものでもよく、電磁式ソレノイドやシリンダーのよう
に、直線運動を直接出力する駆動源の出力側とプランジ
ャ12とを接続することによりプランジャ12をグラン
ド部11内で往復動できるようにしてもよい。
【0016】さらに、このプランジャ12の他端側に
は、グランド部11の内周面とプランジャ12の外周面
との隙間を均一に保ちながら往復動できるように、ブッ
シュ等のプランジャ往復動ガイド(図示せず)が設けら
れている。
【0017】プランジャ12の外周面には、微小な窪み
であるダム21が複数個所に非連続且つ規則的に配置さ
れている。具体的には、プランジャ12の外周面には、
円周方向および軸方向に沿ってそれぞれ等間隔をおいて
複数のダム21…が整列した状態で形成されている。本
実施形態では、プランジャ12は、図2に示すように、
円周方向に6個のダム21…を等間隔で環状に配置して
ダム列を形成し、さらに、軸方向に等間隔をおいて、第
1ダム列23、第2ダム列24、第3ダム列25の3列
を配置することにより、合計18個のダム21…を配置
している。なお、このダム21は本発明におけるシール
流体収納用微小窪みに相当する。また、ダムの数および
ダム列の数は、本実施形態に限定されない。
【0018】そして、このダム21は、プランジャ12
の一端側(グランド部11挿入状態におけるグランド部
11の高圧側)が浅くて、他端側(グランド部11挿入
状態におけるグランド部11の低圧側)に向かって次第
に深くなる傾斜底面27を有している。具体的には、こ
のダム21は、図2(b)のA−A断面図に示すよう
に、プランジャ12を軸方向に沿って切断したときのダ
ム21の断面形状が、尖端がプランジャ12の一端側に
向いた三角形をなし、さらに、傾斜底面27を斜辺とす
る直角三角形をなすように形成され、高圧側から低圧側
に向かうに連れて次第に深くなるように構成されてい
る。そして、このダム21は、傾斜底面27の下端から
プランジャ12の外周面と直交するよう内側面28を有
している。この内側面28は、プランジャ12の一端
側、即ち、グランド部11の高圧側を向いており、前記
直角三角形において直角をなす2辺のうちの短辺を形成
している。
【0019】なお、このダム21は数μm程度の深さX
を有し、実際には、レーザー加工や電解加工等を適用し
て、プランジャ12の表面に加工することができるの
で、製作コストを大幅に増大することなく、シール流体
洩れの少ないシール構造を実現できる。
【0020】上記のようなプランジャ12をグランド部
11の貫通孔13内に挿入してシール構造10を構成す
ると、グランド部11の内周面とプランジャ12の外周
面との間に極く薄い隙間16を環状に形成することがで
きる。そして、この隙間16にグランド部11の高圧
側、即ち、開口14からシール流体を注入すると、シー
ル流体は、グランド部11の高圧側から低圧側に向かっ
て流動し、隙間およびダム内に満ちた後、低圧側の隙間
16端部より僅かに洩れる。なお、このシール流体は作
動流体でもよいし、作動流体とは別の流体、例えば、グ
ランド部11とプランジャ12との往復動を潤滑させる
のに適した油脂等の潤滑液でもよい。
【0021】このような構成からなるシール構造10に
おいては、まず、プランジャ12の他端に接続した駆動
源を駆動して、プランジャ12をグランド部11の高圧
側(図1中右側)に向けて移動させると、プランジャ1
2一端側の外周面近傍にあるシール流体は、第1ダム列
23をなすダム21内へ傾斜底面27に沿って下るよう
に流れ込み、ダム21内にて堰き止められる。すると、
第1ダム列23における各ダム21…周辺のシール流体
圧力P1は上昇しようとするので、グランド部11の高
圧側にあるシール流体との圧力差(Phi−P1)は減少
し易くなる。
【0022】さらに、ダム21内に堰き止められたシー
ル流体は、グランド部11の高圧側を向いた内側面28
によりグランド部11の高圧側の方向へ押圧される。す
ると、各ダム21周辺の高圧側にあるシール流体が加圧
され、グランド部11の高圧側のシール流体圧力Phiに
さらに近づくようになり、グランド部11の高圧側のシ
ール流体との圧力差(Phi−P1)がさらに減少し易
い。したがって、高圧側から第1ダム列23側へ流れる
シール流体流量を一層少なく抑えようとすることができ
る。
【0023】また、第2ダム列24でも、第1ダム列2
3と同様に、シール流体が第2ダム列24をなすダム2
1…内へ傾斜底面27を沿って下るように流れ込んで、
ダム21…内にて堰き止められることにより各ダム21
周辺で第1ダム列23側のシール流体圧力P2が上昇し
易く、したがって、第1ダム列23周辺と第2ダム列2
4周辺との圧力差(P1−P2)が減少しやすい。ま
た、第2ダム列24の各ダム21に形成された内側面2
8により、ダム21内に堰き止められたシール流体が第
1ダム列23側に押圧されることにより、各ダム21周
辺の第1ダム列23側にあるシール流体が加圧される。
したがって、各ダム21周辺の第1ダム列23側にある
シール流体の圧力P2が、第1ダム列23周辺のシール
流体の圧力P1に近づくようになるので、第1ダム列2
3から第2ダム列24へ流れるシール流体流量を少なく
抑えようとすることができる。
【0024】さらに、第3ダム列25でも同様に、ダム
21内にシール流体が流れ込んだ後に堰き止められると
ともに加圧されるので、第3ダム列25の各ダム21周
辺にあるシール流体と第2ダム列24の各ダム21周辺
にあるシール流体との圧力差(P2−P3)が小さくな
って、第2ダム列24から第3ダム列25へ流れるシー
ル流体流量を少なく抑えようとすることができる。した
がって、Phi>P1>P2>P3>Plowが成り立つ。
【0025】このような作用により、グランド部11の
高圧側から低圧側へ流れようとするシール流体の流量、
即ち、シール流体の漏れ量を少なく抑えるようにするこ
とができる。
【0026】また、このシール構造10は、ダム21に
シール流体を保持することになるので、プランジャ12
の往復動時の潤滑効果を高めることができ、プランジャ
12およびグランド部11の寿命を延長させることがで
きる。
【0027】一方、プランジャ12をグランド部11の
低圧側(図1中左側)に向けて移動させると、各ダム2
1…の低圧側には、プランジャ12の外周面に垂直な内
側面28が設けられているので、プランジャ12を低圧
側に移動しても、シール流体がダム21内へ流れ込み難
く、また流れ込んだとしても、傾斜底面27に沿って上
るようにしてダム21内から流出し易い。したがって、
シール流体はダム21に堰き止められずに流れようとす
るので、プランジャ12の低圧側への移動によっては各
ダム列23〜25周辺間のシール流体の圧力差が変化し
難く、シール流体の洩れ量が多くなることを防ぐことが
できる。
【0028】ところで、上記した実施形態では、シール
構造10は、プランジャ12の外周面に円周方向および
軸方向に沿ってそれぞれ等間隔をおいて複数のダムを配
置したが、これに限らず、軸方向に複数個所千鳥配置さ
れているプランジャを有するシール構造としてもよい。
【0029】例えば、図3に示すように、このダム21
は、プランジャ30の外周面上に円周方向に等間隔をお
いて複数(図3では位相を72°ずつ変えて5個)配置
することによりダム列を形成し、さらに、プランジャ3
0の一端側から他端側に向かって、第1ダム列33、第
2ダム列34、第3ダム列35の3列を配置することに
より合計15個のダム21を非連続の状態で配置してい
る。
【0030】このプランジャ30は、第1ダム列33を
プランジャ30の一端側の外周面上に環状に形成し、第
2ダム列34を、第1ダム列33よりも他端側に寄った
位置で第1ダム列33と隣り合って形成する。この第2
ダム列34は、第1ダム列33と同数のダムを、円周方
向に等間隔をおいて、第1ダム列33における各ダム2
1…の位置から円周方向に半ピッチずらした位置、即
ち、位相を36°ずらした位置に形成されている。した
がって、図3(c)のD−D断面図に示すように、第1
ダム列33のダム21は円周上に5個所配置され、ダム
21が配置されなかった円周上の部分に関しては、その
位置から軸方向に沿って低圧側へ移動した位置に第2ダ
ム列34のダム21が配置されることになる。さらに、
第3ダム列35は、第2ダム列34の他端側に隣り合っ
て配置され、円周方向に等間隔をおいて形成されるとと
もに、第1ダム列33と同じ位相の位置に配置されたダ
ム21から構成され、第2ダム列34とは千鳥配置の関
係をなす。なお、この千鳥配置したダムおよびダム列の
数は本実施形態に限られない。
【0031】このように千鳥配置した複数のダム21…
をプランジャ30の外周面に非連続の状態で形成し、該
プランジャ30をグランド部内に挿入して高圧側に移動
させると、第1ダム列33の各ダム21…にシール流体
が傾斜底面27に沿って下るように流れ込み、シール流
体はダム21内に堰き止められるとともに高圧側に押圧
される。すると、各ダム21…周辺で高圧側のシール流
体が加圧されて高圧側の圧力に近づくようになり、高圧
側のシール流体と第1ダム列33近傍のシール流体との
圧力差が小さくなり易い。したがって、グランド部の高
圧側から第1ダム列33へ流れるシール流体流量を少な
く抑えようとすることができる。
【0032】一方、堰き止められることなく第1ダム列
33のダム21,21間を流れたシール流体は、第2ダ
ム列34に達する。この第2ダム列34は第1ダム列3
3に対して千鳥配置になるように配置されているので、
前記の堰き止められなかったシール流体は第2ダム列3
4の各ダム21…に流れ込んで堰き止められるとともに
高圧側に押圧される。すると、各ダム21…周辺で第1
ダム列33側にあるシール流体が加圧されて第1ダム列
33近傍のシール流体圧力に近づくようになり、第1ダ
ム列33近傍のシール流体との圧力差が小さくなり易
い。したがって、第1ダム列33から第2ダム列34へ
流れるシール流体流量を少なく抑えようとすることがで
きる。
【0033】さらに、第3ダム列35では、シール流体
は第1ダム列33にて流れが遅くなり、第2ダム列34
のダム21,21間を流れてきたシール流体をダム21
内にて堰き止めて高圧側に押圧するので、第2ダム列3
4から第3ダム列35へ流れるシール流体流量を少なく
抑えようとすることができる。
【0034】したがって、プランジャ30の円周上のほ
とんどの位置において、軸方向に沿って洩れようとする
シール流体が、軸方向上のいずれかに形成されるダム2
1に流れ込んで堰き止められるようになるので、プラン
ジャ30の円周上のほとんどの位置においてシール流体
流量を少なく抑えようとすることができる。
【0035】なお、前記した実施形態では、複数のダム
21をプランジャ外周面に規則的に配列して設けたが、
本発明はこれに限らず、複数のダムが任意に配列された
プランジャを有するシール構造でもよい。
【0036】また、本発明のシール構造は、ダム21を
プランジャの外周面に限らず、グランド部の内周面に設
けてもよい。例えば、図4に示すシール構造40のよう
に、グランド部41の内周面に前記した複数のダム21
…を軸方向に非連続となるように並べて設け、ダムを設
けていないプランジャ42を該グランド部41内で往復
動させてもよい。このようなシール構造40において、
プランジャ42を高圧側に移動させると、ダム21内の
シール流体は、ダム21の傾斜底面27を上がるように
して、ダム21内から出てくるようになり、結果とし
て、シール流体は低圧側に押し込まれないので、プラン
ジャ42を高圧側に移動させることによりシール流体の
圧力が上昇し難くなる。したがって、このプランジャ4
2を高圧側に移動させてもシール流体の洩れ量を多くし
てしまうようにならない。
【0037】一方、このプランジャ42を低圧側に移動
させると、グランド部41両端開口の圧力差に加えて、
プランジャ42の外周面との摩擦力により、シール流体
が低圧側へ流れるようになるが、このシール流体は、グ
ランド部41のダム21内に流れ込んだ後、内側面27
に堰き止められる。したがって、シール流体を隙間から
洩れ難くすることができる。
【0038】以上説明した実施形態においては、ダムを
プランジャ外周面、または、グランド部内周面のいずれ
か一方に設けたが、本発明は、ダムの形成個所をプラン
ジャ外周面と、グランド部内周面の両面に設けたシール
構造であってもよい。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、以
下の効果を奏する。請求項1の発明によれば、開口部の
内周面またはプランジャの外周面のいずれか一方に、非
連続のシール流体収納用微小窪みを軸方向に複数個所形
成したので、プランジャを開口部の高圧側に移動する
と、シール流体がそれぞれのシール流体収納用微小窪み
内に流れ込み、その後はシール流体収容用微小窪み内に
て堰き止められ、シール流体収容用微小窪み周辺のシー
ル流体の圧力が上昇して、開口部の高圧側との圧力差が
それぞれ小さくなる。したがって、プランジャ式往復動
機器のシール構造からのシール流体の洩れ量を抑制する
ことができる。
【0040】請求項2の発明によれば、前記した各シー
ル流体収納用微小窪みは、高圧側から低圧側に向かうに
連れて次第に深くなるように構成したので、プランジャ
を開口部の高圧側に移動した際に、シール流体をシール
流体収納用微小窪み内へ下るように流れ込ませることが
できる。そして、無理なく、シール流体収容用微小窪み
周辺のシール流体の圧力が上昇し、開口部の高圧側との
圧力差が小さくなるので、プランジャ式往復動機器のシ
ール構造からのシール流体の洩れ量を効率よく抑制する
ことができる。
【0041】また、プランジャを開口部の低圧側に移動
すると、シール流体がシール流体収納用微小窪み内へ流
れ込み難く、また流れ込んだとしても、シール流体収納
用微小窪み内から上るようにして流出し易い。したがっ
て、シール流体はシール流体収納用微小窪み内に堰き止
められずに流れようとするので、プランジャの低圧側移
動により各シール流体収納用微小窪み周辺の圧力差が大
きくなり難く、シール流体の洩れ量が多くなることを防
ぐことができる。
【0042】請求項3の発明によれば、前記シール流体
収納用微小窪み内を、軸方向に沿って切断したときの断
面形状が、尖端が高圧側に向いた三角形を呈すように形
成したので、シール流体がシール流体収納用微小窪み内
にスムーズに流れ込むことができ、したがって、シール
流体収納用微小窪み内にシール流体を収納し易くして、
シール流体を堰き止めて洩れ量を抑えるようにすること
ができる。
【0043】請求項4の発明によれば、シール流体収納
用微小窪みを軸方向に複数個所千鳥配置したので、軸方
向に沿って高圧側のシール流体収納用微小窪み内間を流
れて、堰き止められなかったシール流体の流れを低圧側
のシール流体収納用微小窪みにて堰き止め易くすること
ができる。したがって、一層シール流体の洩れを抑制す
ることができ、また、円周方向に配置したシール流体収
納用微小窪みの間隔が多少広くても、十分に洩れ防止機
能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるプランジャ式往復動機器のシー
ル構造の実施形態であり、プランジャの外周面上にダム
を設けた場合のシール構造の断面図である。
【図2】ダムを規則的に配置したプランジャを示す図で
あり、(a)は要部拡大図、(b)は(a)に示したA
−A断面図、(c)は(a)に示したB−B断面図であ
る。
【図3】ダムを千鳥配置したプランジャを示す図であ
り、(a)は要部拡大図、(b)は(a)に示したC−
C断面図、(c)は(a)に示したD−D断面図であ
る。
【図4】本発明におけるプランジャ式往復動機器のシー
ル構造の実施形態であり、グランド部の内周面上にダム
を設けた場合のシール構造の断面図である。
【図5】従来のプランジャ式往復動機器のシール構造で
あり、(a)はプランジャ軸方向に切断したときの断面
図、(b)はプランジャ軸方向から見た側面図である。
【符号の説明】
1 クリアランスシール構造 2 プランジャ 3 開口部 10 シール構造 11 グランド部 12 プランジャ 13 貫通孔 14,15 開口 16 隙間 21 ダム(シール流体収納用微小窪み) 23 第1ダム列 24 第2ダム列 25 第3ダム列 27 傾斜底面 28 内側面 30 プランジャ 33 第1ダム列 34 第2ダム列 35 第3ダム列 40 シール構造 41 グランド部 42 プランジャ D プランジャ直径 L シール長さ Phi 高圧側圧力 Plow 低圧側圧力 P1 第1ダム列でのシール流体圧力 P2 第2ダム列でのシール流体圧力 P3 第3ダム列でのシール流体圧力 Q シール流体の洩れ量 X ダムの深さ δ 隙間

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部内にプランジャを往復動自在に設
    け、開口部の一方の開口と他方の開口との間に圧力差が
    あり、開口部の内周面とプランジャの外周面との隙間を
    狭く設定することにより作動流体をシールするプランジ
    ャ式往復動機器のシール構造において、 上記開口部の内周面またはプランジャの外周面のいずれ
    か一方に、非連続のシール流体収納用微小窪みを軸方向
    に複数個所形成したことを特徴とするプランジャ式往復
    動機器のシール構造。
  2. 【請求項2】 前記した各シール流体収納用微小窪み
    は、高圧側から低圧側に向かうに連れて次第に深くなる
    ように構成したことを特徴とする請求項1に記載のプラ
    ンジャ式往復動機器のシール構造。
  3. 【請求項3】 前記シール流体収納用微小窪みは、軸方
    向に沿って切断したときの断面形状が、尖端が高圧側に
    向いた三角形を呈していることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載のプランジャ式往復動機器のシール
    構造。
  4. 【請求項4】 シール流体収納用微小窪みが、軸方向に
    複数個所千鳥配置されていることを特徴とする請求項1
    から請求項3のいずれかに記載のプランジャ式往復動機
    器のシール構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010019306A (ja) * 2008-07-09 2010-01-28 Kobe Steel Ltd シール装置
JP2014136302A (ja) * 2013-01-18 2014-07-28 Furukawa Rock Drill Co Ltd 油圧ブレーカ
JP2019050699A (ja) * 2017-09-12 2019-03-28 日立オートモティブシステムズ株式会社 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置

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