JP2003238927A - 接着シート - Google Patents

接着シート

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JP2003238927A JP2002038002A JP2002038002A JP2003238927A JP 2003238927 A JP2003238927 A JP 2003238927A JP 2002038002 A JP2002038002 A JP 2002038002A JP 2002038002 A JP2002038002 A JP 2002038002A JP 2003238927 A JP2003238927 A JP 2003238927A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子部品またはその周辺材料を接着するのに使
用される感圧性または熱接着型の接着シートにおいて、
接着性や耐電食性にすぐれるとともに、100℃以上の
耐熱性にもすぐれるものを提供する。 【解決手段】スチレン−共役ジエンブロック共重合体に
粘着付与樹脂、光重合開始剤、および要すれば軟化剤を
含む接着剤組成物を支持体の片面または両面に塗布し、
紫外線を照射して架橋処理されてなる接着シートであっ
て、煮沸蒸留水での抽出陰イオンが10ppm 以下に設定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品またはそ
の周辺材料を接着するのに使用される耐電食性と耐熱性
にすぐれる感圧性または熱接着型の接着シート(シート
状、テープ状、フィルム状などの形態を含む)に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子部品またはその周辺材料の固
定には、エポキシ系などの接着剤が使用されてきたが、
その作業性の悪さ、信頼性に劣るなどの理由から、シー
ト状やテープ状としたアクリル系の感圧性接着シート類
が使用されてきた。
【0003】しかしながら、上記従来の感圧性接着シー
ト類は、接着強度に乏しくて本体より脱落しやすく、さ
らに接着剤に含まれるハロゲン化合物や酸成分ないし酸
系残存モノマ―などにより、使用した接着シート類の周
辺の配線を電食させるという大きな問題があった。
【0004】この問題を解決するため、本発明者らは接
着剤組成物の主成分としてスチレン−共役ジエンブロッ
ク共重合体を用いるとともに、接着剤組成物またはこれ
を用いた接着シート類の全体を煮沸蒸留水で処理した際
に、抽出陰イオンが10ppm以下となるように設定する
ことにより、電子部品などに対する接着強度が大きく、
かつ耐電食性にすぐれるものが得られることを見出した
(特開平05−179218号公報)。
【0005】しかしながら、この接着剤組成物または接
着シート類は、接着強度の面では非常に優れているが、
高温、特に100℃以上の耐熱性が要求される用途では
接着特性が低下する場合があり、改良が求められてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
事情に鑑み、電子部品またはその周辺材料を接着するの
に使用される接着シートにおいて、接着性や耐電食性に
すぐれるとともに、100℃以上の耐熱性にもすぐれる
感圧性または熱接着型のシート状、テープ状などの接着
シートに関する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、鋭意検討した結果、接着剤組成物
の主成分としてスチレン−共役ジエンブロック共重合体
を用いるとともに、光架橋剤を配合し紫外線照射により
架橋処理を施し、さらに接着シートの全体を煮沸蒸留水
で処理した際に、抽出される陰イオンが10ppm 以下と
なるように設定することにより、電子部品などに対する
接着性や耐電食性にすぐれるとともに、100℃以上の
耐熱性にもすぐれる感圧性または熱接着型のシート状、
テープ状などの接着シートが得られることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の第1は、スチレン−共
役ジエンブロック共重合体100重量部、粘着付与樹脂
40〜200重量部、軟化剤0〜80重量部および光架
橋剤を含む接着剤組成物を支持体の片面または両面に塗
布し、紫外線を照射して架橋処理されてなる接着シート
であって、煮沸蒸留水での抽出陰イオンが10ppm 以下
であることを特徴とする耐電食性と耐熱性にすぐれる感
圧性の接着シートに係るものである。
【0009】また、本発明の第2は、スチレン−共役ジ
エンブロック共重合体100重量部、スチレン系粘着付
与樹脂を一部成分として含む粘着付与樹脂40〜200
重量部(このうちスチレン系粘着付与樹脂10〜100
重量部)、軟化剤0〜80重量部および光架橋剤を含む
接着剤組成物を支持体の片面または両面に5〜200μ
mの厚さで塗布し、紫外線を照射して架橋処理されてな
る接着シートであって、煮沸蒸留水での抽出陰イオンが
10ppm 以下であることを特徴とする耐電食性と耐熱性
にすぐれる熱接着型の接着シートに係るものである。
【0010】さらに本発明は、光架橋剤がオリゴマー型
光架橋剤であることを特徴とし、また5〜200μmの
厚さで接着剤層を設けたことを特徴とする耐電食性と耐
熱性にすぐれる感圧性または熱接着型の接着シートに係
るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明におけるスチレン−共役ジ
エンブロック共重合体としては、スチレンポリマーのブ
ロックと共役ジエンポリマーのブロックが交互に存在す
るA−B−A型ブロック共重合体が好ましく用いられ
る。具体的には、スチレンとブタジエンやイソプレンな
どの共役ジエンとのブロック共重合体、あるいはその水
素添加物が挙げられ、耐久性の点よりスチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体ないしその水素添加物
が好ましい。
【0012】このようなスチレン−共役ジエンブロック
共重合体におけるスチレンポリマーの含有量(以下、ス
チレン含量という)としては、通常10〜40重量%、
好ましくは13〜35重量%の範囲にあるのがよい。ス
チレン含量が10重量%未満では凝集力に劣り、40重
量%を超えると接着性に劣る場合がある。また、共重合
体全体の分子量としては、重量平均で一般に5万〜70
万、好ましくは10万〜40万の範囲にあるのがよい。
分子量が5万未満では凝集力に劣り、70万を超えると
作業性に劣る場合がある。
【0013】本発明における粘着付与樹脂としては、た
とえば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂、
水添石油系樹脂、脂肪族炭化水素系樹脂、芳香族炭化水
素系樹脂などが挙げられ、接着剤組成物が感圧性である
か熱接着型であるかによって、その種類または使用量が
決定される。
【0014】感圧性の接着剤組成物にあっては、上記の
如き粘着付与樹脂の中から、その1種または2種以上が
選択して用いられ、その使用量は、ブロック共重合体1
00重量部に対し、40〜200重量部、好ましくは5
0〜170重量部とするのがよい。少なすぎると接着性
に乏しくなり、多すぎると衝撃に対し脆くなる。
【0015】また、熱接着型の接着剤組成物にあって
は、特にスチレン系粘着付与樹脂を必須成分のひとつと
して使用し、これをブロック共重合体100重量部に対
し、10〜100重量部、好ましくは20〜70重量部
用いるのがよい。このような配合により、室温ではタッ
クが少なくて、電子部品を固定するための位置決め作業
を行いやすく、一方この位置決め後加熱することにより
容易に接着できる熱接着型の接着剤組成物の調製が可能
となる。また、この場合、接着特性上スチレン系粘着付
与樹脂以外の粘着付与樹脂を併用してもかまわないが、
その使用量は、スチレン系粘着付与樹脂との合計量が、
ブロック共重合体100重量部に対し、40〜200重
量部、好ましくは50〜170重量部とするのがよい。
少なすぎると接着性に乏しくなり、多すぎると衝撃に対
し脆くなる。
【0016】本発明における軟化剤としては、ナフテン
系などのものがあり、タックを向上させる目的で必要に
より用いられる。その使用量は、ブロック共重合体10
0重量部に対し、80重量部を上限とする。これを超え
て用いると、接着剤の凝集力が低下して、耐熱性が悪く
なる。
【0017】本発明における光架橋剤としては、紫外線
を照射することによってラジカルを発生し、スチレン−
共役ジエンブロック共重合体を架橋しうるものである。
このような光架橋剤としては、ヒドロキシケトン類、ベ
ンジルジメチルケタール類、アミノケトン類、アシルフ
ォスフィンオキサイド類、ベンゾフェノン類などを用い
ることができる。これらの中でも特にオリゴマー型の光
架橋剤は、ラジカルの発生点が一分子中に複数個存在す
る多官能型の光架橋剤であって酸素による架橋阻害の影
響を受けにくく、少量の架橋剤で架橋処理できること、
支持体に塗布する際に無溶剤のホットメルト状態でも光
架橋剤が飛散せず、ポリマー中からも抽出されないなど
の理由から好ましく用いられる。
【0018】本発明におけるオリゴマー型の光架橋剤と
しては、紫外線を照射することによってラジカルを発生
できる官能基を有する単量体の低分子量重合物であり、
例えばアクリル化ベンゾフェノン(UCB社製『Ebe
crylP36』)を重合したオリゴマー、1−[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキ
シ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペ
シャリティ・ケミカルズ社製『Irgacure295
9』)の一級水酸基と2−イソシアナートエチルメタク
リレートの反応物を重合したオリゴマー、2−ヒドロキ
シ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニ
ル]プロパノールオリゴマー(Lamberti社製
『EsacureKIP150』)などを挙げることが
できる。これらのオリゴマー型の光架橋剤の分子量は5
0000程度までが好ましく、これを超えるとスチレン
−共役ジエンブロック共重合体との相溶性が悪くなる場
合があり好ましくない。
【0019】また本発明において光開始剤の使用量はブ
ロック共重合体100重量部に対して0.1〜10重量
部、好ましくは0.5〜5重量部であり、0.1重量部
未満では充分な架橋が行われず耐熱性の改良効果がな
く、10重量部を超えると接着性能が低下するため好ま
しくない。
【0020】本発明に用いられる接着剤組成物には、上
記の各成分のほか、必要に応じて、その他のポリマー、
充てん剤、顔料、老化防止剤などを配合するようにして
もよい。
【0021】本発明の感圧性または熱接着型の接着シー
トは、厚さが通常2〜150μm程度の支持体の片面ま
たは両面に上記の接着剤組成物を塗工し、必要により乾
燥した後、紫外線を照射して架橋処理して厚さ5〜20
0μmとなる接着剤層を形成して、テープ状やシート状
などの形態としたものである。粘着剤層の厚さが5μm
未満では、接着性に乏しくなりであり、200μmを超
えると作業性が悪くなる場合があり好ましくない。上記
の支持体としては、紙、プラスチックラミネート紙、
布、プラスチックラミネート布、プラスチックフィル
ム、金属箔、発泡体などが用いられる。また、支持体に
代えて離型処理を行った紙やプラスチックフィルムなど
を用いて、この離型紙上に塗布することにより、各種支
持体への転写や、電子部品またはその周辺材料への転写
が可能な転写用接着シートとすることもできる。この支
持体上に接着剤組成物を塗工する際には、必要により加
熱して粘度を低下させた状態で塗工することができ、具
体的には、ホツトメルトコータ、コンマロール、グラビ
アコータ、ロールコータ、キスコータ、スロットダイコ
ータ、スクイズコータなどが用いられる。
【0022】本発明の紫外線照射による架橋処理は、高
圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、エキシマレーザ、メタ
ルハライドランプ、などの適宜の紫外線源を用いて行う
ことができる。紫外線の照射量は、必要とする架橋度に
応じて決められるが、通常は、50mJ/cm2 〜5J/
cm2 の範囲内で選択するのが望ましい。またその際、必
要により、短波長側の紫外線をカットするフィルタやポ
リエステルシートを用いることもできる。さらに、紫外
線照射時の温度は、とくに限定はなく、室温から140
℃までの加熱条件を適宜選択することができる。
【0023】本発明の感圧性または熱接着型の接着シー
トは、スチレン−共役ジエンブロック共重合体を紫外線
架橋処理して、網状化を行わせて架橋ポリマーを生成さ
せ、これにより接着性と耐熱性をともに満足する、すぐ
れた粘着特性を発揮させる。その際、紫外線架橋後にお
いて、ブロック共重合体の溶剤可溶分が5〜60重量
%、好ましくは10〜50重量%となるようにするのが
よい。このような溶剤可溶分とするには、光架橋剤の使
用量を選択したり、紫外線の照射量を選択するなどし
て、架橋度を適宜調節すればよい。
【0024】このような配合成分からなる本発明の感圧
性または熱接着型の接着シートは、煮沸蒸留水での抽出
陰イオン、たとえばハロゲンイオンやリン酸イオン、硫
酸イオンなどが10ppm 以下、好ましくは5ppm 以下に
設定されていることが必要で、上記イオンが10ppm を
超えて存在すると、接着剤の周辺に存在する銅配線など
を電食するという弊害が起こる。
【0025】この明細書における「煮沸蒸留水での抽出
陰イオン」とは、接着シートを試料として、その1gを
蒸留水50g中に投入し、これを1時間煮沸したのち、
この液中に含まれる陰イオンを、イオンクロマト装置を
用いて測定することにより、求められる値である。
【0026】このように測定される抽出陰イオンを10
ppm 以下に設定するには、接着剤組成物の主成分となる
スチレン−共役ジエンブロック共重合体として、これが
不純物としての陰イオンを含まないように、十分に精製
して用いる。たとえば、ハロゲン化合物からなるカップ
リング剤を用いてスチレン−共役ジエンブロック共重合
体をカップリング方式で合成する場合のように、ハロゲ
ン化合物の混入が不可避で、不純物としてのハロゲン化
合物による陰イオンが検出されるときは、生成物を十分
に精製し、その不純物としてのハロゲン化合物を除去し
て用いる。
【0027】なお、スチレン−共役ジエンブロック共重
合体の合成方法には、ハロゲン化合物を用いなくてよい
逐次反応方式があり、この方式で得られるスチレン−共
役ジエンブロック共重合体は不純物としての陰イオンを
ほとんど含まないため、本発明において特に好ましく用
いられる。
【0028】また架橋剤においても、一般にゴムの架橋
に用いられる硫黄や硫黄系加硫剤、加硫促進剤を用いる
と、硫化物イオンや硫酸イオンが大量に発生していしま
うため、本発明においては用いることは出来ない。また
陰イオンを発生しない過酸化物を用いた架橋では、架橋
が不十分で十分な耐熱性を得ることが出来ない。したが
って、本発明においては、このような陰イオンを生じず
十分な架橋を行える光架橋剤を用いるものである。
【0029】また、その他の材料、つまり粘着付与樹脂
や軟化剤、さらにこれら以外の前記任意成分について
も、煮沸蒸留水による抽出陰イオンが検出されないよう
な材料、特にハロゲンや酸基を含まない材料を選択して
用いるか、あるいは十分に精製して用いるのが望まし
い。
【0030】支持体においても、抽出陰イオンが検出さ
れない材料、例えばポリエステルフィルムやポリエステ
ル100%の不織布が好適に使用される。また、離型紙
上に塗布し、各種支持体への転写や、電子部品またはそ
の周辺材料への転写が可能な転写用接着シート類とする
場合、離型紙は使用に際し剥離除去するため、それ自体
の抽出陰イオンはあまり重視されないが、離型処理剤が
接着剤層に接触するため、望ましくは陰イオンを含まな
いような離型処理剤で処理されたものであるのがよい。
【0031】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重
量部を意味するものとする。
【0032】実施例1 逐次反応方式により合成した重量平均分子量が約13万
のスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
(スチレン含量30重量%)を用い、このブロック共重
合体100部、水素添加石油樹脂125部、ナフテン系
軟化剤2部、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1
−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー
(Lamberti社製『EsacureKIP15
0』)1部、老化防止剤1部を、トルエンで均一に溶解
し、固形分を50重量%に調整して、感圧性の接着剤組
成物の溶液を得た。
【0033】つぎに、この接着剤組成物の溶液を、厚さ
が25μmのポリエステルフィルムからなる支持体の両
面に、乾燥後の厚さが片面で50μmになるように塗布
し100℃で5分乾燥後、高圧水銀ランプにて2.5J
/cm2の紫外線を照射して、感圧性の両面接着シート
を作製した。また、煮沸蒸留水での抽出陰イオンは3pp
m であった。
【0034】実施例2 逐次反応方式により合成した重量平均分子量が約11万
のスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
(スチレン含量25重量%)を用い、このブロック共重
合体100部、水素添加石油樹脂100部、ナフテン系
軟化剤5部、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1
−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー
(Lamberti社製『EsacureKIP15
0』)2部、老化防止剤1部を、トルエンで均一に溶解
し、固形分を50重量%に調整して、感圧性の接着剤組
成物の溶液を得た。
【0035】つぎに、この接着剤組成物の溶液を、剥離
処理した剥離紙の上に、乾燥後の厚さが50μmになる
ように塗布し100℃で5分乾燥後、高圧水銀ランプに
て2.5J/cm2の紫外線を照射して、感圧性の転写
用接着シートを作製した。また、煮沸蒸留水での抽出陰
イオンは5ppm であった。
【0036】実施例3 スチレン−共役ジエンブロック共重合体として、ハロゲ
ン化合物を用いたカップリング方式により合成した重量
平均分子量が11万のスチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体(スチレン含量30重量%)を、十分
に精製して用いた以外は、実施例1と全く同様の配合組
成にて感圧性の接着剤組成物の溶液を得、これを用いて
実施例1と同様にして感圧性の両面接着シートを作製し
た。煮沸蒸留水での抽出陰イオンは4ppm であった。
【0037】実施例4 逐次反応方式により合成した重量平均分子量が約13万
のスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
(スチレン含量30重量%)を用い、このブロック共重
合体100部、スチレン系樹脂50部、脂環族飽和炭化
水素樹脂100部、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4
−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴ
マー(Lamberti社製『EsacureKIP1
50』)1部、老化防止剤1部を、トルエンで均一に溶
解し、固形分を50重量%に調整して、熱接着型の接着
剤組成物の溶液を得た。
【0038】つぎに、この接着剤組成物の溶液を、厚さ
が25μmのポリエステルフィルムからなる支持体の両
面に、乾燥後の厚さが片面で50μmになるように塗布
し100℃で5分乾燥後、高圧水銀ランプにて2.5J
/cm2の紫外線を照射して、熱接着型の接着シートを
作製した。また、煮沸蒸留水での抽出陰イオンは3ppm
であった。
【0039】実施例5 実施例4と同様にして得られた接着剤組成物の溶液を、
剥離処理した剥離紙の上に、乾燥後の厚さが50μmに
なるように塗布し100℃で5分乾燥後、高圧水銀ラン
プにて2.5J/cm2の紫外線を照射して、熱接着型
のの転写用接着シートを作製した。さらにポリエステル
100%の不織布の両側にこの接着シートを貼り付けて
100℃で転写し、不織布を支持体とする熱接着型の接
着シートを作製した。また、煮沸蒸留水での抽出陰イオ
ンは3ppm であった。
【0040】比較例1〜5 実施例1〜5の各接着シート剤において、それぞれの接
着剤組成物に光架橋剤を配合しなかった以外は同様にし
て、感圧性あるいは熱接着型の接着シートを作製した。
【0041】比較例6 実施例4において、光架橋剤の変わりに過酸化ベンゾイ
ルを0.5部用い、紫外線照射を行わなかった以外は実
施例4と同様にして、感圧性の接着シートを作製した。
煮沸蒸留水での抽出陰イオンは3ppm であった。
【0042】比較例7 実施例3において、ハロゲン化合物を用いたカップリン
グ方式により合成した重量平均分子量が11万のスチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(スチレン
含量30重量%)を、精製せずに用いた以外は、実施例
3と同様にして感圧性の両面接着シートを作製した。煮
沸蒸留水での抽出陰イオンは220ppmであった。
【0043】評価方法 (接着力)実施例および比較例の接着シートを、厚さが
38μmのポリエステルフィルムで裏打ちし20mm幅
に切断して評価用シートとした。これを、感圧性接着シ
ートでは室温(23℃)にて2kgローラーで、熱接着
型では100℃で1kg/cm2の圧力でステンレス板
に貼り付け、23℃、60%RHの雰囲気で1時間放置
後、50mm/分の引張速度で180度引き剥がし試験を
行った。
【0044】(保持力)実施例および比較例の接着シー
トを、厚さが38μmのポリエステルフィルムで裏打ち
し10mm幅に切断して評価用シートとした。これを接
着面積が10mm×20mmになるよう、感圧性接着シ
ートでは室温(23℃)にて2kgローラーで、熱接着
型では100℃で1kg/cm2の圧力でステンレス板
に貼り付け、23℃、60%RHの雰囲気で1時間放置
後、接着シートの端に垂直方向で500g重の荷重をか
けて、各雰囲気温度にて落下するまでの時間を測定し
た。
【0045】(耐電食性)実施例および比較例の各接着
シートをプリント配線基板(150μm幅の銅配線)上
に感圧接着または熱接着し、これを70℃に放置して、
プリント基板上の銅配線の破断の有無により耐電食性を
調べた。
【0046】
【表1】
【0047】これらの結果から明らかなように、光架橋
剤を配合し紫外線照射により架橋処理を施し、さらに接
着シート類の全体を煮沸蒸留水で処理した際に抽出され
る陰イオンが10ppm 以下である実施例の感圧性または
熱接着型の接着シート類は、接着性や耐電食性にすぐれ
るとともに、100℃以上の耐熱性にもすぐれるもので
ある。これに対し、光架橋剤を配合しない比較例1〜5
は耐熱性に劣ることが明らかである。また架橋剤に過酸
化物を用いた比較例6でも、架橋が不十分で十分な耐熱
性を得ることが出来ない。また抽出陰イオンが10pp
m以上検出される比較例7では、耐電食性に劣る。
【0048】
【発明の効果】本発明における感圧性または熱接着型の
接着シート類は、接着剤組成物の主成分としてスチレン
−共役ジエンブロック共重合体を用いるとともに、光架
橋剤を配合し紫外線照射により架橋処理を施し、さらに
接着シート類の全体を煮沸蒸留水で処理した際に抽出さ
れる陰イオンが10ppm 以下であることを特徴とし、電
子部品などに対する接着性や耐電食性にすぐれるととも
に、100℃以上の耐熱性にもすぐれるため、各種の電
子部品またはその周辺材料の接着に有効に使用でき、接
着作業の能率向上、信頼性の向上に寄与させることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J004 AA04 AA06 AA10 AA17 AB01 AB05 AB07 CC02 FA05 4J040 BA202 DF042 DM011 DN032 DN072 EL012 HB13 HB19 HC09 HD27 JA09 JB02 JB08 JB09 KA16 KA26 KA31 LA01 LA07 LA08 NA19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン−共役ジエンブロック共重合体
    100重量部、粘着付与樹脂40〜200重量部、軟化
    剤0〜80重量部および光架橋剤を含む接着剤組成物を
    支持体の片面または両面に塗布し、紫外線を照射して架
    橋処理されてなる接着シートであって、煮沸蒸留水での
    抽出陰イオンが10ppm 以下であることを特徴とする耐
    電食性と耐熱性にすぐれる感圧性の接着シート。
  2. 【請求項2】 スチレン−共役ジエンブロック共重合体
    100重量部、スチレン系粘着付与樹脂を一部成分とし
    て含む粘着付与樹脂40〜200重量部(このうちスチ
    レン系粘着付与樹脂10〜100重量部)、軟化剤0〜
    80重量部および光架橋剤を含む接着剤組成物を支持体
    の片面または両面に塗布し、紫外線を照射して架橋処理
    されてなる接着シートであって、煮沸蒸留水での抽出陰
    イオンが10ppm 以下であることを特徴とする耐電食性
    と耐熱性にすぐれる熱接着型の接着シート。
  3. 【請求項3】 光架橋剤がオリゴマー型光架橋剤である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の耐電食性と耐
    熱性にすぐれる感圧性または熱接着型の接着シート。
  4. 【請求項4】 5〜200μmの厚さで接着剤層を設け
    たことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐
    電食性と耐熱性にすぐれる感圧性または熱接着型の接着
    シート。
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