JP2019056062A - ブロック共重合体組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
この問題を解消するため、耐ブロッキング剤を添加することが提案されている。しかし、耐ブロッキング性の改良が十分であるとは言い難く、さらなる改良が求められている。
本発明は、低粘度で、耐ブロッキング性および粘着特性に優れるブロック共重合体組成物を提供することを目的とする。
本発明のブロック共重合体組成物は、少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体を含有し、上記ブロック共重合体のメルトインデックスが20g/10分以上であり、水溶性界面活性剤を0.02〜3.00重量%含有する組成物である。
本発明に用いられるブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(I)」と称する場合がある。)は、芳香族ビニル単量体を重合して得られる芳香族ビニル単量体単位を主たる繰り返し単位として構成される芳香族ビニル重合体ブロックと、共役ジエン単量体を重合して得られる共役ジエン単量体単位を主たる繰り返し単位として構成される共役ジエン重合体ブロックとを、それぞれ少なくとも1つ有してなるものである。ブロック共重合体(I)は、本発明のブロック共重合体組成物の重合体成分として用いられる。
ブロック共重合体(I)が有する芳香族ビニル重合体ブロックは、芳香族ビニル単量体を重合して得られる芳香族ビニル単量体単位を主たる繰り返し単位として構成される重合体ブロックである。
ブロック共重合体(I)が有する共役ジエン重合体ブロックは、共役ジエン単量体を重合して得られる共役ジエン単量体単位を主たる繰り返し単位として構成される重合体ブロックである。
ブロック共重合体(I)は、芳香族ビニル重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックとをそれぞれ少なくとも1つ有するものであれば、それぞれの重合体ブロックの数やそれらの結合形態は特に限定されない。
また、ブロック共重合体(I)の個々の重合体ブロックの重量平均分子量も特に限定されず、芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量は、通常6,000〜400,000、好ましくは6,000〜370,000である。芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量が小さすぎると、粘着特性に劣る場合があり、芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量が大きすぎると、粘度が高くなったり、ブロック共重合体(I)の製造が困難となったりする場合がある。
また、共役ジエン重合体ブロックの重量平均分子量は、通常18,000〜400,000、好ましくは19,000〜350,000である。共役ジエン重合体ブロックの重量平均分子量が小さすぎると、粘着特性に劣る場合があり、共役ジエン重合体ブロックの重量平均分子量が大きすぎると、粘度が高くなる場合がある。
用いる重合開始剤としては、一般的に芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体とに対し、アニオン重合活性があることが知られているものを用いることができる、例えば、有機アルカリ金属化合物、有機アルカリ土類金属化合物、有機ランタノイド系列希土類金属化合物等が挙げられる。重合開始剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
末端変性剤による処理は、例えば、特開昭58−162604号公報、特開昭60−137913号公報、特開昭62−86074号公報、特開昭62−119257号公報等に開示されている方法に従って行うことができる。
カップリング剤による処理は、例えば、特開昭56−143209号公報、特開昭56−17362号公報、特開昭57−55912号公報、特開昭58−162605号公報、特開昭64−81844号公報、国際公開第2017/057049号パンフレット等に開示されている方法に従って行うことができる。
水素添加処理は、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特開昭59−133203号公報、特開昭60−220147号公報等に開示されている方法に従って行うことができる。
例えば、ブロック共重合体(I)を回収する際に、得られた溶液に水溶性界面活性剤を添加する場合には、ブロック共重合体(I)および水溶性界面活性剤を含有するブロック共重合体組成物を効率よく得ることができる。なお、水溶性界面活性剤については、後述する。
(1a):溶媒中で重合開始剤を用いて、芳香族ビニル単量体を重合する工程
(2a):上記(1a)の工程で得られる活性末端を有する芳香族ビニル重合体を含有する溶液に、共役ジエン単量体を添加する工程
(3a):上記(2a)の工程で得られる活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体を含有する溶液に、芳香族ビニル単量体を添加する工程
(4a):上記(3a)の工程で得られる活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体を含有する溶液に、その活性末端に対して1モル当量未満となる量で重合停止剤を添加し、ブロック共重合体b1を形成する工程
(5a):上記(4a)の工程で得られるブロック共重合体b1と活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体とを含有する溶液に、芳香族ビニル単量体を添加し、ブロック共重合体aを形成する工程
(6a):上記(5a)の工程で得られる溶液から、ブロック共重合体混合物を回収する工程
溶液に芳香族ビニル単量体を添加すると、重合停止剤と反応せずに残っていた活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体の活性末端を有する側の芳香族ビニル重合体鎖から、さらに芳香族ビニル単量体が重合して、芳香族ビニル重合体鎖が延長され、それにより得られる芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルトリブロック共重合体は、ブロック共重合体aとなる。このとき、延長される芳香族ビニル重合体鎖は、ブロック共重合体aの比較的大きい重量平均分子量を有する芳香族ビニル重合体ブロックを構成することとなるものである。したがって、この際用いる芳香族ビニル単量体の量は、延長される前の芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量を勘案した上で、芳香族ビニル重合体ブロックの目的とする重量平均分子量に応じて決定される。
この工程により、ブロック共重合体aを構成することとなる、非対称な芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルトリブロック共重合体が形成され、その結果、ブロック共重合体aおよびブロック共重合体b1を含有する溶液が得られる。
(1b):溶媒中で重合開始剤を用いて、芳香族ビニル単量体を重合する工程
(2b):上記工程(1b)で得られる活性末端を有する芳香族ビニル重合体を含有する溶液に、共役ジエン単量体を添加する工程
(3b):上記工程(2b)で得られる活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体を含有する溶液に、その活性末端に対して官能基が1モル当量未満となる量のカップリング剤を添加し、ブロック共重合体b2を形成する工程
(4b):上記工程(3b)で得られるブロック共重合体b2および活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体を含有する溶液に、芳香族ビニル単量体を添加し、ブロック共重合体aを形成する工程
(5b):上記工程(4b)で得られる溶液から、ブロック共重合体混合物を回収する工程
溶液に芳香族ビニル単量体を添加すると、カップリング剤と反応せずに残っていた活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体の末端から、芳香族ビニル重合体鎖が形成される。この芳香族ビニル重合体鎖は、ブロック共重合体aの比較的大きい重量平均分子量を有する芳香族ビニル重合体ブロックを構成することとなるものである。したがって、この際用いる芳香族ビニル単量体の量は、この重合体ブロックの目的とする重量平均分子量に応じて決定される。
本発明におけるブロック共重合体(I)のメルトインデックスは、20g/10分以上であり、好ましくは30g/10分である。ブロック共重合体(I)のメルトインデックスが上記範囲である場合には、低粘度となり、ブロッキングが起こり易くなるが、本発明のブロック共重合体組成物は界面活性剤を所定量以上含有することにより、ブロッキングを抑制することができる。また、ブロック共重合体(I)のメルトインデックスの上限は、特に限定されないが、通常2000g/10分以下であり、好ましくは1500g/10分以下であり、より好ましくは1000g/10分以下である。
なお、メルトインデックスは、ASTM D−1238(G条件、200℃、5kg)に準拠して測定される値である。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃/分の昇温で測定することができる。
本発明のブロック共重合体組成物は、上記のブロック共重合体(I)に加えて、水溶性界面活性剤を含有する。
ブロック共重合体の製造工程にてブロック共重合体を含有する溶液に水溶性界面活性剤を添加する場合、ブロック共重合体組成物中の水溶性界面活性剤の含有量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)分析により測定することができる。
本発明のブロック共重合体組成物は、低粘度で、耐ブロッキング性および粘着特性に優れるため、種々の用途に幅広く用いることができる。具体的には、本発明のブロック共重合体組成物は、フィルム、手袋、エラスティックバンド、避妊具、OA機器、事務用等の各種ロール、電気電子機器用防振シート、防振ゴム、衝撃吸収シート、衝撃緩衝フィルム・シート、住宅用制振シート、制振ダンパー材等に用いられる成形材料用途、粘着テープ、粘着シート、粘着ラベル、ゴミ取りローラー等に用いられる粘着剤用途、衛生用品や製本に用いられる接着剤用途、衣料品、スポーツ用品、服飾品、衛生用品等に用いられる弾性繊維用途等の用途に用いることができる。
また、本発明のブロック共重合体組成物は、例えばフィルム状や繊維状に成形して用いてもよい。
本発明の粘接着剤組成物は、上述のブロック共重合体組成物を含有する組成物である。本発明の粘接着剤組成物は、上述のブロック共重合体組成物を含有するため、粘着特性に優れるものである。
上述のブロック共重合体組成物以外のポリマー成分の含有量は、粘接着剤組成物の用途等に応じて適宜調整される。
本発明の伸縮性フィルムは、上述のブロック共重合体組成物を含有するフィルムである。本発明の伸縮性フィルムは、上述のブロック共重合体組成物を含有するため、伸縮性に富むものである。
上述のブロック共重合体組成物以外のポリマー成分の含有量は、伸縮性フィルムの用途等に応じて適宜調整される。
本発明の弾性繊維は、上述のブロック共重合体組成物を含有する繊維である。本発明の弾性繊維は、上述のブロック共重合体組成物を含有するため、伸縮性に富むものである。
なお、上述のブロック共重合体組成物以外のポリマー成分および添加剤については、上記「C.伸縮性フィルム」の項に記載したものと同様とすることができる。
本発明のフレキソ版用組成物は、上述のブロック共重合体組成物を含有する組成物である。本発明のフレキソ版用組成物は、上述のブロック共重合体組成物を含有するため、ゴム弾性に富むものである。
流速0.35ml/分のテトラヒドロフランをキャリアとする高速液体クロマトグラフィによりポリスチレン換算分子量として求めた。装置は、東ソー社製HLC8320、カラムは昭和電工社製Shodex KF−404HQを3本連結したもの(カラム温度40℃)、検出器は示差屈折計および紫外検出器を用い、分子量の較正はポリマーラボラトリー社製の標準ポリスチレン(500から300万)の12点で実施した。
上記の高速液体クロマトグラフィにより得られたチャートの各ブロック共重合体に対応するピークの面積比から求めた。
Rubber Chem. Technol.,45,1295(1972)に記載された方法に従い、ブロック共重合体をオゾンと反応させ、水素化リチウムアルミニウムで還元することにより、ブロック共重合体のイソプレン重合体ブロックを分解した。具体的には、以下の手順で行なった。すなわち、モレキュラーシーブで処理したジクロロメタン100mlを入れた反応容器に、試料を300mg溶解した。この反応容器を冷却槽に入れ−25℃としてから、反応容器に170ml/minの流量で酸素を流しながら、オゾン発生器により発生させたオゾンを導入した。反応開始から30分経過後、反応容器から流出する気体をヨウ化カリウム水溶液に導入することにより、反応が完了したことを確認した。次いで、窒素置換した別の反応容器に、ジエチルエーテル50mlと水素化リチウムアルミニウム470mgを仕込み、氷水で反応容器を冷却しながら、この反応容器にオゾンと反応させた溶液をゆっくり滴下した。そして、反応容器を水浴に入れ、徐々に昇温して、40℃で30分間還流させた。その後、溶液を撹拌しながら、反応容器に希塩酸を少量ずつ滴下し、水素の発生がほとんど認められなくなるまで滴下を続けた。この反応の後、溶液に生じた固形の生成物をろ別し、固形の生成物は、100mlのジエチルエーテルで10分間抽出した。この抽出液と、ろ別した際のろ液とをあわせ、溶媒を留去することにより、固形の試料を得た。このようにして得られた試料につき、上記の重量平均分子量の測定法に従い、重量平均分子量を測定し、その値をスチレン重合体ブロックの重量平均分子量とした。
それぞれ上記のようにして求められた、ブロック共重合体の重量平均分子量から、対応するスチレン重合体ブロックの重量平均分子量を引き、その計算値に基づいて、イソプレン重合体ブロックの重量平均分子量を求めた。
上記の高速液体クロマトグラフィの測定における、示差屈折計と紫外検出器との検出強度比に基づいて求めた。なお、予め、異なるスチレン単位含有量を有する共重合体を用意し、それらを用いて、検量線を作成した。
1H NMRの測定に基づき求めた。
1H NMRの測定に基づき求めた。
ASTM D−1238(G条件、200℃、5kg)に準拠して測定した。
ブロック共重合体組成物についてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定を行い、ブロック共重合体またはブロック共重合体混合物と、水溶性界面活性剤とに対応するピークの面積比から求めた。具体的には、それぞれの水溶性界面活性剤種毎にブロック共重合体またはブロック共重合体混合物中の水溶性界面活性剤の含有量が既知のサンプルを数点作製した。これらのGPC測定を行い、水溶性界面活性剤含有量とピーク面積比との関係を示す検量線を作成した。実施例および比較例の水溶性界面活性剤含有量が未知のサンプルについて、同様にGPC測定を行い、ピーク面積比からそれぞれの水溶性界面活性剤の含有量を求めた。複数種の水溶性界面活性剤が含有されている場合には、得られたそれぞれの水溶性界面活性剤含有量の合計を、ブロック共重合体組成物中の総界面活性剤含有量とした。
耐ブロッキング性は、100mm×100mmのビニール袋にブロック共重合体組成物のペレット50gを入れ、袋の開口部をセロハンテープでしっかりと封し、60℃に設定したオーブン内に置き、その上からSUS板、5kgの重りを載せて10時間放置し、その後、ペレット同士のブロッキングの有無を目視で確認し、以下の基準に従って判定した。
◎: ブロッキングの認められないもの
○: ブロッキングが認められたが、弱い力でほぐれたもの
×: ブロッキングが認められ、かつ弱い力ではほぐれなかったもの
保持力は、JIS Z−0237に準じ、280番の耐水研磨紙で研磨したステンレス板に、25mm×10mmの面積が接するように粘着テープを貼りつけ、40℃において1kgの荷重を加えて、粘着テープがステンレス板より脱落するのに要する時間を測定した(単位:分)。
粘着力は、被着体として硬質ポリエチレン(HDPE)板を使用し、幅10mm×長さ100mmとした粘着テープを貼りつけ、23℃において200mm/分の速度で180度の方向に剥離して測定した。
幅25mmの粘着テープとし、被着体として硬質ポリエチレン(HDPE)板を使用して、接着部25×25mm、温度23℃にてループタック(N/25mm)を引張試験器にて評価した。値が大きいものほど、初期接着力に優れる。
耐圧反応器に、シクロヘキサン23.0kg、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(以下、TMEDAと称する。)3ミリモル、及びスチレン1.6kgを添加し、40℃で攪拌しているところに、n−ブチルリチウム92ミリモルを添加し、50℃に昇温しながら1時間重合した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き、50〜60℃を保つように温度制御しながら、反応器にイソプレン4.9kgを1時間にわたり連続的に添加した。イソプレンの添加を完了した後、さらに1時間重合した。イソプレンの重合転化率は100%であった。次いで、カップリング剤としてジメチルジクロロシラン15ミリモルを添加して、2時間カップリング反応を行い、ブロック共重合体bとなる(Ar−D)n−Xで表される対称なスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を形成させた。この後、重合停止剤としてメタノール110ミリモルを添加してよく混合し、反応を停止するとともに、カップリング剤と反応しなかった活性末端を有するスチレン−イソプレンブロック共重合体の活性末端を失活させ、ブロック共重合体cとなるAr−Dで表されるスチレン−イソプレンブロック共重合体を形成させた。なお、反応に用いた各試剤の量は、表1にまとめた。
耐圧反応器に、シクロヘキサン23.0kg、TMEDA2ミリモル、及びスチレン1.4kgを添加し、40℃で攪拌しているところに、n−ブチルリチウム100ミリモルを添加し、50℃に昇温しながら1時間重合した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き、50〜60℃を保つように温度制御しながら、反応器にイソプレン3.6kgを1時間にわたり連続的に添加した。イソプレンの添加を完了した後、さらに1時間重合した。イソプレンの重合転化率は100%であった。この後、50〜60℃を保つように温度制御しながら、スチレン1.4kgを1時間にわたり連続的に添加した。スチレンの添加を完了した後、さらに1時間重合し、ブロック共重合体bとなるAr−D−Arで表される対称なスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を形成させた。スチレンの重合転化率は100%であった。この後、重合停止剤としてメタノール120ミリモルを添加してよく混合し反応を停止した。
得られた反応液の一部を取り出し、製造例1と同様の測定を行なった。
耐圧反応器に、シクロヘキサン23.0kg、TMEDA2ミリモル、及びスチレン1.4kgを添加し、40℃で攪拌しているところに、n−ブチルリチウム139ミリモルを添加し、50℃に昇温しながら1時間重合した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き、50〜60℃を保つように温度制御しながら、反応器にイソプレン3.6kgを1時間にわたり連続的に添加した。イソプレンの添加を完了した後、さらに1時間重合した。イソプレンの重合転化率は100%であった。この後、50〜60℃を保つように温度制御しながら、スチレン1.4kgを1時間にわたり連続的に添加した。スチレンの添加を完了した後、さらに1時間重合し、ブロック共重合体bとなるAr−D−Arで表される対称なスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を形成させた。スチレンの重合転化率は100%であった。この後、重合停止剤としてメタノール167ミリモルを添加してよく混合し反応を停止した。
得られた反応液の一部を取り出し、製造例1と同様の測定を行なった。
耐圧反応器に、シクロヘキサン23.0kg、TMEDA2ミリモル、及びスチレン0.8kgを添加し、40℃で攪拌しているところに、n−ブチルリチウム89ミリモルを添加し、50℃に昇温しながら1時間重合した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き、50〜60℃を保つように温度制御しながら、反応器にイソプレン4.2kgを1時間にわたり連続的に添加した。イソプレンの添加を完了した後、さらに1時間重合した。イソプレンの重合転化率は100%であった。この後、50〜60℃を保つように温度制御しながら、スチレン0.8kgを1時間にわたり連続的に添加した。スチレンの添加を完了した後、さらに1時間重合した。スチレンの重合転化率は100%であった。次いで、反応器にメタノール62ミリモルを添加することにより、一部のスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の活性末端を失活させ、ブロック共重合体bとなるAr−D−Arで表される対称なスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を形成させた。この後、50〜60℃を保つように温度制御しながら、スチレン0.7kgを1時間にわたり連続的に添加した。スチレンの添加を完了した後、さらに1時間重合し、ブロック共重合体aとなるAr−D−Arで表される非対称なスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を形成させた。スチレンの重合転化率は100%であった。この後、重合停止剤としてメタノール107ミリモルを添加してよく混合し反応を停止した。
得られた反応液の一部を取り出し、製造例1と同様の測定を行なった。
製造例1で得られた反応液に、ブロック共重合体混合物100重量部に対して、ノニオン系界面活性剤としてポリオキシアルキレンエーテル0.40重量部を、スチームストリッピング時供給する水に添加して、水中のクラム濃度が2重量%となるようにスチームストリッピングを行った。次に、得られたブロッック共重合体混合物の水性スラリーをスクリーンに送り大部分の水を分離し、ブロック共重合体混合物のクラムを脱水機にかけ、その後二軸押出乾燥機により乾燥し、排出したストランドを10℃の水中で冷やした後にペレタイザーで約25mmの長さに切断し、ペレットとしてブロック共重合体混合物を回収した。これにより、実施例1−1のブロック共重合体組成物を得た。なお、水溶性界面活性剤の量は、表3にまとめた。表中、PHRとは、ブロック共重合体混合物100重量部に対する水溶性界面活性剤の量を表す。
得られたブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性を評価した。結果は表5に示す。
表3に示すように、製造例1で得られた反応液に代えて、製造例2〜4で得られた反応液をそれぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例1−2〜1−4のブロック共重合体組成物を得た。
得られたブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性を評価した。
製造例3で得られた反応液に、ブロック共重合体100重量部に対して、アニオン系界面活性剤としてポリカルボン酸型界面活性剤0.10重量部と、ノニオン系界面活性剤としてポリオキシアルキレンエーテルを0.15重量部とを添加したこと以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−5のブロック共重合体組成物を得た。
得られたブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性を評価した。
製造例3で得られた反応液に、ブロック共重合体100重量部に対して、アニオン系界面活性剤としてポリカルボン酸型界面活性剤0.10重量部と、ノニオン系界面活性剤としてポリオキシアルキレンエーテル1.50重量部とを添加したこと以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−6のブロック共重合体組成物を得た。
得られたブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性を評価した。
製造例3で得られた反応液に、ブロック共重合体100重量部に対してカチオン系界面活性剤としてアルキルトリメチルアンモニウムクロライド0.10重量部と、ノニオン系界面活性剤としてポリオキシアルキレンエーテル0.15重量部とを添加したこと以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−7のブロック共重合体組成物を得た。
得られたブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性を評価した。
表3に示すように、製造例1〜4で得られたそれぞれの反応液に、ブロック共重合体又はブロック共重合体混合物100重量部に対して、アニオン系界面活性剤としてポリカルボン酸型界面活性剤0.20重量部を添加したこと以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−8〜1−11のブロック共重合体組成物を得た。
得られたブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性を評価した。
製造例3で得られた反応液に、ブロック共重合体100重量部に対して、アニオン系界面活性剤としてポリカルボン酸型界面活性剤0.05重量部と、ノニオン系界面活性剤としてポリオキシアルキレンエーテル0.05重量部とを添加したこと以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−12のブロック共重合体組成物を得た。
得られたブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性を評価した。
製造例3で得られた反応液に、ブロック共重合体100重量部に対して、アニオン系界面活性剤としてポリカルボン酸型界面活性剤0.10重量部と、ノニオン系界面活性剤としてポリオキシアルキレンエーテル4.00重量部とを添加したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−13のブロック共重合体組成物を得た。
得られたブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性を評価した。
表4に示すように、製造例1〜2で得られたそれぞれの反応液に、ブロック共重合体又はブロック共重合体混合物100重量部に対して、アニオン系界面活性剤としてポリカルボン酸型界面活性剤0.05重量部と、ノニオン系界面活性剤としてポリオキシアルキレンエーテル0.01重量部とを添加したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−14〜1−15のブロック共重合体組成物を得た。
得られたブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性を評価した。
表4に示すように、製造例3〜4で得られたそれぞれの反応液に、ブロック共重合体又はブロック共重合体混合物100重量部に対して、アニオン系界面活性剤としてポリカルボン酸型界面活性剤0.10重量部を添加したこと以外は、実施例1−1と同様にして、比較例1−16〜1−17のブロック共重合体組成物を得た。
得られたブロック共重合体組成物の耐ブロッキング性を評価した。
実施例1−1のブロック共重合体組成物50部、スチレンイソプレンブロック共重合体(「クインタック(登録商標)3450」、日本ゼオン社製)50部、水添石油樹脂(「アルコンM−100」、荒川化学社製)300部、パラフィンオイル(「PW−90」、出光興産社製)100部、および、酸化防止剤(「イルガノックス(登録商標)1010」、BASF社製)1部を、180℃で、1時間混練して、実施例2−1の粘接着剤組成物を調製した。次に、厚さ25μmのポリエステルフィルムに、上記粘接着剤組成物を厚み40μmとなるよう塗工し、粘着テープを得た。この粘着テープについて、保持力、粘着力及びタックを測定した。結果は、表5にまとめて示した。
実施例1−2〜1−7のブロック共重合体組成物をそれぞれ用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−2〜2−7の粘接着剤組成物および粘着テープを得た。得られた粘着テープについて、保持力、粘着力及びタックを測定した。
実施例1−8〜1−12のブロック共重合体組成物をそれぞれ用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−8〜2−12の粘接着剤組成物および粘着テープを得た。得られた粘着テープについて、保持力、粘着力及びタックを測定した。
実施例1−13〜1−17のブロック共重合体組成物をそれぞれ用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、比較例2−13〜2−17の粘接着剤組成物および粘着テープを得た。得られた粘着テープについて、保持力、粘着力及びタックを測定した。
Claims (9)
- 少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体を含有し、
前記ブロック共重合体のメルトインデックスが20g/10分以上であり、
水溶性界面活性剤を0.02〜3.00重量%含有することを特徴とするブロック共重合体組成物。 - 前記ブロック共重合体のメルトインデックスが30g/10分以上であることを特徴とする請求項1に記載のブロック共重合体組成物。
- 前記水溶性界面活性剤の含有量が0.10〜2.50重量%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブロック共重合体組成物。
- 前記水溶性界面活性剤の含有量が0.12〜2.00重量%であることを特徴とする請求項3に記載のブロック共重合体組成物。
- 前記水溶性界面活性剤の含有量が0.15〜1.50重量%であることを特徴とする請求項4に記載のブロック共重合体組成物。
- 請求項1から請求項5までのいずれかに記載のブロック共重合体組成物を含有する粘接着剤組成物。
- 請求項1から請求項5までのいずれかに記載のブロック共重合体組成物を含有する伸縮性フィルム。
- 請求項1から請求項5までのいずれかに記載のブロック共重合体組成物を含有する弾性繊維。
- 請求項1から請求項5までのいずれかに記載のブロック共重合体組成物を含有するフレキソ版用組成物。
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