JP2003238623A - 活性エネルギー線硬化性組成物および光学材料用重合体 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性組成物および光学材料用重合体

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JP2003238623A
JP2003238623A JP2002043074A JP2002043074A JP2003238623A JP 2003238623 A JP2003238623 A JP 2003238623A JP 2002043074 A JP2002043074 A JP 2002043074A JP 2002043074 A JP2002043074 A JP 2002043074A JP 2003238623 A JP2003238623 A JP 2003238623A
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energy ray
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Noriki Shikata
紀樹 志方
Toshihiro Shoji
敏博 庄司
Kiyoshi Ueda
喜代司 上田
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単量体に対する重合開始剤の使用量が1質量
%以下であっても十分な重合速度が得られ、かつ重合し
て高屈折率を有し耐熱性に優れた樹脂を与える活性エネ
ルギー線硬化性組成物を提供し、さらには、該活性エネ
ルギー線硬化性組成物を硬化させて得られる、高屈折率
を有する光学材料用重合体を提供すること。 【解決手段】 1分子中に二つ以上のマレイミドカルボ
ン酸エステル構造を有し、該カルボン酸エステルを構成
するアルコール残基が、少なくとも一つのフッ素以外の
ハロゲン原子を有する活性エネルギー線硬化性化合物を
含有する活性エネルギー線硬化性組成物を提供し、さら
には該活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて得ら
れ、1.53以上の屈折率を有する光学材料用重合体を
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合開始剤を全く
使用しないか、あるいは使用してもごく微量でよく、得
られる重合体が高屈折率を有する活性エネルギー線硬化
性組成物、および該活性エネルギー線硬化性組成物から
得られる高屈折率を有する光学材料用重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】光学材料、中でも特に眼鏡用レンズなど
に高屈折率を有するプラスチック成型物が広く使用され
ている。プラスチックレンズは、従来のガラスレンズに
比べて軽量で成型しやすく、耐衝撃性に優れるという特
徴がある反面、黄変しやすい、高屈折率を得るのが難し
い、耐摩擦性に劣るなどの欠点もある。硫黄やフッ素以
外のハロゲン原子を含有する樹脂の屈折率が高いことは
古くから知られており、このことは、井出文雄著「オプ
トエレクトロニクスと高分子材料」共立出版株式会社
(1995年発行)の8〜12ページに記載されてい
る。
【0003】プラスチックレンズ等に使用される樹脂に
は、アクリル系樹脂が多用されている。アクリル系単量
体を重合させるには、ほとんどの場合重合開始剤が使用
されるが、得られた樹脂中に残存する未反応の重合開始
剤、あるいは重合開始剤の分解生成物がプラスチックレ
ンズ表面にブリードアウトしたり、黄変の原因となるこ
とが多く、また、硬化時に加熱されて臭気を発生するな
どの問題点を抱えている。特開平5−249301号公
報には、アクリル系単量体を重合してプラスチック製眼
鏡レンズ成型用樹脂を製造する際に、単量体成分100
質量部に対して0.005〜5質量部の重合開始剤を使
用することが記載されているが、重合開始剤の添加量が
単量体成分に対して1質量%以下の場合は、実用的な重
合速度は得られないという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、重合開始剤を全く使用しないかあるいは使
用しても、活性エネルギー線硬化性組成物中に含有され
る重合性化合物全量に対して1質量%以下であっても十
分な重合速度が得られ、かつ重合して高屈折率を有し耐
熱性に優れた樹脂を与える活性エネルギー線硬化性組成
物を提供し、さらには、該活性エネルギー線硬化性組成
物を硬化させて得られる、高屈折率を有し耐熱性に優れ
た高屈折率光学材料用重合体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、マレイミ
ドカルボン酸エステルが重合開始剤なしに重合し、耐熱
性に優れた重合体を与えることに着目し、分子中にフッ
素以外のハロゲン原子を有するビスマレイミド化合物を
活性エネルギー線硬化性組成物中に配合すれば、該ビス
マレイミド化合物自身が、重合開始剤あるいは樹脂の硬
化剤として作用し、重合開始剤を使用しなくても高屈折
率を有し、かつ耐熱性に優れた重合体が得られることを
見いだした。
【0006】すなわち本発明は、一分子中に、二つ以上
のマレイミドカルボン酸エステル構造を有する活性エネ
ルギー線硬化性化合物を含有する活性エネルギー線硬化
性組成物において、前記マレイミドカルボン酸エステル
構造を構成するアルコール残基が、少なくとも一つのフ
ッ素以外のハロゲン原子を有する活性エネルギー線硬化
性化合物を含有する活性エネルギー線硬化性組成物を提
供し、さらには該活性エネルギー線硬化性組成物を硬化
させて得られ、1.53以上の屈折率を有する光学材料
用重合体を提供することによって上記課題を解決した。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の活性エネルギー線硬化性
組成物は、必須成分として、一分子中に二つ以上のマレ
イミドカルボン酸エステル構造を有し、該マレイミドカ
ルボン酸エステル構造を構成するアルコール残基が、少
なくとも一つのフッ素以外のハロゲン原子を有する活性
エネルギー線硬化性化合物(以下、該活性エネルギー線
硬化性化合物を単に「活性エネルギー線硬化性化合物
(A)」と略記する)を含有する。本発明の活性エネル
ギー線硬化性組成物には、必要に応じて、活性エネルギ
ー線硬化性化合物(A)と共重合可能な重合性化合物
(以下、該重合性化合物を単に「重合性化合物(B)」
と略記する)を添加してもよい。
【0008】本発明の活性エネルギー線硬化性硬化性組
成物は、従来の熱重合あるいは活性エネルギー線重合と
同様に、重合開始剤を使用して重合、硬化させることが
できる。しかしながら、活性エネルギー線硬化性化合物
(A)が有するマレイミド基は、重合開始剤を添加しな
くても活性エネルギー線によって重合するので、得られ
る重合体を光学材料などに使用する場合は、重合開始剤
を全く使用しないか、使用する場合であっても重合開始
剤の添加率を、該組成物中に含有される重合性化合物全
量に対して1質量%以下とすることができる。
【0009】本発明において使用する活性エネルギー線
硬化性化合物(A)の製造方法には特に限定はないが、
代表的な製造方法としては、マレイミドカルボン酸と、
少なくとも一つのフッ素以外のハロゲン原子を有する多
価アルコールとのエステル化反応による製造方法を挙げ
ることができる。この場合のマレイミドカルボン酸とし
ては、たとえば、マレイミド酢酸、マレイミドプロピオ
ン酸、マレイミド酪酸、マレイミドカプロン酸、あるい
はマレイミドウンデカン酸など、マレイミド基とカルボ
キシル基がアルキレン鎖で連結されたマレイミドカルボ
ン酸が好ましい。該連結鎖の鎖長が長いほど、活性エネ
ルギー線硬化性組成物の粘度が高くなる傾向にあり、ま
た活性エネルギー線硬化性化合物(A)単位質量あたり
のマレイミド基数が少なくなり、最終的に得られる重合
体の架橋密度が低くなるので、本発明において使用する
活性エネルギー線硬化性化合物としては、連結鎖がもっ
とも短くなるマレイミド酢酸残基を有するものが好まし
い。
【0010】多価アルコールは、少なくとも一つのフッ
素以外のハロゲン原子を有していれば、脂肪族系多価ア
ルコールまたは芳香環を有する多価アルコールいずれも
使用することができるが、ハロゲン置換基を導入しやす
く、耐熱性に優れた芳香環を有する多価アルコールを使
用するのが好ましい。
【0011】フッ素以外のハロゲン原子としては、塩
素、臭素、ヨウ素、アスタチンがあげられる。ハロゲン
原子の数は、増えるに従って得られる重合体の屈折率が
高くなる傾向がある。
【0012】上記活性エネルギー線硬化性化合物(A)
の中でも、本発明においては、下記一般式(1)で表さ
れる活性エネルギー線硬化性化合物(以下、該活性エネ
ルギー線硬化性硬化性化合物を、単に「活性エネルギー
線硬化性化合物(A−1)」と略記する)を使用するの
が好ましい。樹脂の屈折率を上げるには、樹脂中に前記
フッ素以外のハロゲン原子やイオウ原子を導入するほか
に、芳香環を導入することによっても効果が得られる。
活性エネルギー線硬化性化合物(A−1)は、分子中に
二つのマレイミド環と二つのベンゼン環を有することか
ら、これを使用した場合に、特に高屈折率で耐熱性およ
び耐摩擦性に優れた重合体が得られる。ベンゼン環が増
えると得られる重合体がもろくなる傾向がみられるが、
活性エネルギー線硬化性化合物(A−1)においては、
マレイミドカルボン酸構造とベンゼン環の間にアルキレ
ン鎖を有するエーテル結合をもたせることによって重合
体に柔軟性を付与することができる。また、該エーテル
結合を導入することによって、溶剤に対する溶解性も高
くなる。
【0013】
【化3】 式(1) (式中、Xは炭素数1〜9の、フッ素以外のハロゲン原
子で置換されていてもよいアルキレン基を表す。R
はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素以外のハロ
ゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、またはフッ素以
外のハロゲン原子で置換された炭素数1〜5のアルキル
基を表し、R〜Rの少なくとも一つはフッ素以外の
ハロゲン原子である。R、R10はそれぞれ独立し
て、水素原子、または炭素数1〜5のアルキル基を表
す。m、nは、それぞれ独立して1以上の整数であり、
かつm+n<9を満たす数である。Y、Zはそれぞれ独
立して炭素数1〜10のアルキレン基またはポリメチレ
ン基を表す。)
【0014】上記一般式(1)における繰り返し単位
数、m、nを増やすことによっても柔軟性を向上させる
ことができる。本発明において、硬化後の重合体に柔軟
性を持たせるためには、m+nは4以上であることが好
ましく、6以上であることがより好ましい。しかし、m
+nが9以上になると、屈折率が低下する傾向にあるの
で、m+nは8以下であることが好ましい。置換基R
〜Rが有するフッ素以外のハロゲン原子数が増えるに
従い、最終的に得られる重合体の屈折率は高くなる傾向
がある。R、R10がアルキル基である場合、炭素数
は少ない方が好ましく、R、R10が水素である場合
がもっとも好ましい。
【0015】本発明において使用する活性エネルギー線
硬化性化合物(A)の製造方法には特に制限はなく、マ
レイミドカルボン酸と多価アルコールとの脱水縮合反
応、あるいはマレイミドカルボン酸エステルと多価アル
コールとのエステル交換反応、あるいはマレイミドカル
ボン酸をビスエポキシ化合物に開環付加させる反応な
ど、公知のエステル合成反応によって製造することがで
きる。エステル合成反応に際しては、酸触媒、脂肪族ま
たは芳香族スルホン酸、チタンアルコキシド、シリコン
アルコキシド、ジルコニウムアルコキシドなどアルカリ
性触媒以外の金属アルコキシド、金属ハロゲン化物、金
属酸化物等、公知慣用のエステル化触媒、あるいはエス
テル交換触媒を使用することができる。 エステル合成
反応中にマレイミド基が熱重合するのを防止するために
は、ハイドロキノンや4−tert−ブチルカテコール
など公知慣用の重合禁止剤を使用するとよい。
【0016】本発明において使用する活性エネルギー線
硬化性化合物(A)としては、下記一般式(2)で表さ
れる活性エネルギー線硬化性化合物(A−2)が好適で
ある。
【0017】
【化4】 式(2) (式中、R、R10は、それぞれ独立して、水素原
子、または炭素数1〜5のアルキル基を表す。m、n
は、それぞれ独立して1以上の整数であり、かつm+n
<9を満たす数である。)
【0018】中でも特に、2,2−ビス[3,5−ジブ
ロモ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロ
パンとマレイミド酢酸とのエステル化反応によって得ら
れる、式中のRおよびR10がともに水素原子であ
り、mおよびnがともに1である、2,2−ビス[3,
5−ジブロモ−4−(2−マレイミドアセトキシエトキ
シ)フェニル]プロパンが最も好適である。
【0019】本発明の活性エネルギー線硬化性組成物に
は、必要に応じて、活性エネルギー線硬化性化合物
(A)と共重合可能な重合性化合物(B)を添加しても
よい。重合性化合物(B)としては、たとえば、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル類、スチ
レンなど、マレイミド化合物と共重合可能な公知の単量
体、あるいはウレタン(メタ)アクリレートなどの、重
合性官能基を有するオリゴマーが挙げられる。活性エネ
ルギー線硬化性化合物(A)は、それ自身が重合開始剤
として作用するので、本発明の活性エネルギー線硬化性
組成物には、重合開始剤を添加する必要はないが、活性
エネルギー線硬化性組成物中の活性エネルギー線硬化性
化合物(A)の濃度が極端に低い場合や、高い重合速度
を必要とする場合には、通常の熱重合あるいは活性エネ
ルギー線重合の場合と同様に熱重合開始剤や光重合開始
剤を使用することができる。しかしながら、得られる重
合体を光学材料などに使用する場合は、含有率が、活性
エネルギー線硬化性組成物中に含有される重合性化合物
全量に対して1質量%を超えない範囲で、熱重合開始剤
や光重合開始剤を添加するのが好ましい。添加率が1質
量%を超えた場合には、重合体中に残存する未反応の重
合開始剤やその分解生成物が、硬化時に臭気を発した
り、耐光性を低下させる原因となりやすい。本発明の活
性エネルギー線硬化性組成物に使用できる重合開始剤に
は特に限定はなく、公知慣用の熱重合開始剤や光重合開
始剤を使用することができる。具体的には、たとえば、
過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、ジ
−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキ
サイド、N,N’−アゾビスイソブチロニトリルなどの
熱重合開始剤、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン、ベンゾインブチルエーテル、ベンジルジメチル
ケタール、ジエトキシアセトフェノン、アシロキシムエ
ステル、4−tert−ブチルジクロロアセトフェノ
ン、ヒドロキシアセトフェノン、アシルホスフィンオキ
サイド、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−エチル
アンスラキノン、イソブチルチオキサンソンなどの光重
合開始剤が挙げられる。
【0020】本発明の活性エネルギー線硬化性組成物に
は、保存安定性を向上させるために、ハイドロキノンや
4−tert−ブチルカテコールなど公知慣用の重合禁
止剤を添加してもよい。活性エネルギー線硬化性組成物
には、アセトン、トルエン、酢酸エチル、クロロホル
ム、あるいはジクロロメタンなどの溶剤を添加すること
もできる。
【0021】本発明の活性エネルギー線硬化性組成物
は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線照射により硬
化させることができる。活性エネルギー線としては、低
圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メ
タルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライト
ランプ、水銀−キセノンランプ、エキシマランプ、ショ
ートアーク灯、ヘリウム・カドミウムレーザー、アルゴ
ンレーザー、エキシマレーザーなどを光源とする紫外線
を使用するのが好ましい。本発明の活性エネルギー線硬
化性組成物は、熱によって硬化させることもできる。こ
の場合にも開始剤なしで硬化させうるが、必要に応じ
て、前記した公知慣用の重合開始剤を添加してもよい。
【0022】本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を
硬化させて得られる重合体を光学部品のコーティング剤
やレンズなど、高屈折率光学材料として使用する場合に
は、重合体の屈折率は1.53以上であるのが好まし
い。このような高屈折率を有する重合体を得るために
は、活性エネルギー線硬化性組成物に、活性エネルギー
線硬化性化合物(A)と共に使用する重合性化合物
(B)として、分子中にフッ素以外のハロゲン原子や芳
香環を有する(メタ)アクリル系単量体を使用するのが
好ましい。
【0023】
【実施例】以下に、実施例および比較例を用いて本発明
をさらに具体的に説明する。特に断らない限り、「部」
および「%」はそれぞれ「質量部」および「質量%」を
表す。
【0024】(実施例1)冷却管、デカンタを設置した
反応容器に、マレイミド酢酸45部、2,2−ビス
[3,5−ジブロモ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)
フェニル]プロパン(明成化学工業社製「TBA−2E
O」)61部、p−トルエンスルホン酸一水和物5.3
部、トルエン350部、ハイドロキノン0.2部を仕込
み、攪拌下、酸素含有率が7容量%の酸素・窒素混合ガ
スを反応混合物内に吹き込みながら、圧力65kPaの
条件で、70℃まで昇温後14時間70℃を維持し、生
成した水をデカンタに捕集して反応系外に除去した。そ
の後放冷し、室温で12時間放置した。反応混合物から
沈殿物をろ別し、得られた沈殿物を脱溶剤後、クロロホ
ルムに溶解し、エタノールを沈殿剤として再沈殿により
精製した。活性エネルギー線硬化性化合物(A)である
2,2−ビス[3,5−ジブロモ−4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル]プロパンのビスマレイミド酢酸
エステル[(活性エネルギー線硬化性化合物(A−
1))]65部を得た。
【0025】得られた活性エネルギー線硬化性化合物
(A−1)を使用し、下記組成の活性エネルギー線硬化
性組成物を調製した。 活性エネルギー線硬化性化合物(A−1) 50部 エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート (以下、EOTMPTAと略記する) 50部 クロロホルム 200部 (上記EOTMPTAは、大日本インキ化学工業社製「ルミキュアETA−30 0」を使用した。)
【0026】(比較例1)冷却管、デカンタを設置した
反応容器に、アクリル酸100部、2,2−ビス[3,
5−ジブロモ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル]プロパン(明成化学工業社製「TBA−2EO」)
292部、p−トルエンスルホン酸一水和物20部、ト
ルエン1310部、ハイドロキノン0.8部を仕込み、
攪拌下、酸素含有率が7容量%の酸素・窒素混合ガスを
反応混合物内に吹き込みながら、圧力65kPaの条件
で、70℃まで昇温後6時間70℃を維持し、生成した
水をデカンタに捕集して反応系外に除去した。放冷後、
ハイドロキノン0.8部を添加し、反応混合物から溶剤
を留去した。充填剤としてシリカゲル、溶剤として2容
量%のエタノールを含有するクロロホルムを使用し、カ
ラムクロマトグラフィーによって反応生成物を精製分離
した。溶剤を留去して2,2−ビス[3,5−ジブロモ
−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン
のジアクリル酸エステル[活性エネルギー線硬化性化合
物(H−1)]15部を得た。
【0027】実施例1における活性エネルギー線硬化性
化合物(A−1)の代わりに、活性エネルギー線硬化性
化合物(H−1)を使用し、チバ・スペシャルティ・ケ
ミカルズ社製光重合開始剤「イルガキュアー184」5
部を添加したこと以外は実施例1と同様にして、活性エ
ネルギー線硬化性組成物を調製した。
【0028】(比較例2)比較例1における、チバ・ス
ペシャルティ・ケミカルズ社製光重合開始剤「イルガキ
ュアー184」を添加しなかったこと以外は比較例1と
同様にして、活性エネルギー線硬化性組成物を調製し
た。上記実施例および比較例で調製した活性エネルギー
線硬化性組成物を使用して、下記の試験を行い、結果を
表1に示した。
【0029】(活性エネルギー線硬化性組成物塗膜の硬
化性試験)実施例および比較例で調製した活性エネルギ
ー線硬化性組成物30部をクロロホルム20部で希釈し
た後、硬化後の塗膜厚が10μmとなるよう、バーコー
ターでガラス板に塗布後、まず50℃、常圧で、続いて
50℃、133Paの減圧下、乾燥機でクロロホルムを
揮発させ、アイグラフィックス社製UV照射装置を使用
して、照射量が3kJ/mとなるよう紫外線を照射し
た。紫外線照射後の塗膜について、官能検査によって臭
気の有無を調べ、指触検査によって硬化の度合いを調べ
た。実用的な硬化度合いが得られた場合を○、実用的な
硬化度合いが得られなかった場合を×と評価した。
【0030】(屈折率測定)実施例および比較例で調製
した活性エネルギー線硬化性組成物を、厚さ6mm、屈
折率1.740のガラス板上に、硬化後の塗膜厚が10
0〜200μmとなるようにバーコーターで塗布後、ま
ず50℃、常圧で、続いて50℃、133Paの減圧
下、乾燥機でクロロホルムを揮発させ、アイグラフィッ
クス社製UV照射装置を使用して、照射量が50kJ/
となるよう紫外線を照射した。紫外線照射によって
得られた硬化塗膜をガラス板から剥離することなく、株
式会社アタゴ社製アッベ屈折計「2T」を使用し、25
℃における上記硬化塗膜のD線の屈折率を測定した。屈
折率が1.53以上の場合は高屈折率光学材料用重合体
として使用できると評価した。
【0031】(耐候性試験)前記(活性エネルギー線硬
化性組成物塗膜の硬化性試験)において得られた活性エ
ネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜について、ダイプラ
・ウィンテス社製メタルウエザー耐候性試験機を使用し
て、窒素雰囲気下、光照射量180J/cm ・hrで
4時間、次いで光を照射しない状態で4時間放置の繰り
返しを11サイクル行い、目視検査によってブリードア
ウトの有無を調べた。ブリードアウトが観察されなかっ
た場合を○、ブリードアウトが観察された場合を×と評
価した。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明の活性エネルギー線硬化性組成物
は、重合性官能基としてマレイミド基を有し、かつ分子
中にフッ素以外のハロゲン原子を有する活性エネルギー
線硬化性化合物を含有するので、重合開始剤を使用しな
くても、該組成物の塗膜に活性エネルギー線を照射して
硬化させることができ、屈折率の高い重合体を得ること
ができる。従来の重合開始剤を使用した活性エネルギー
線硬化性組成物から得られる重合体中には、未反応の重
合開始剤や重合開始剤の低分子量分解生成物が不純物と
して残留し、硬化工程時に臭気を発したり、黄変やブリ
ードアウトを引き起こして耐候性を損なう原因となった
のに対し、重合開始剤を添加しない本発明の活性エネル
ギー線硬化性組成物を使用した硬化重合体中には、この
ような不純物が存在しない。したがって、該活性エネル
ギー線硬化性組成物を使用した場合には、硬化工程時に
重合開始剤に起因する臭気を発することがなく、耐候性
および耐熱性を有し、かつ屈折率の高い光学材料用重合
体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J100 AM55P BA02P BA08P BA15P BB03P BC43P DA63 FA03 JA33

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一分子中に、二つ以上のマレイミドカル
    ボン酸エステル構造を有する活性エネルギー線硬化性化
    合物を含有する活性エネルギー線硬化性組成物におい
    て、前記マレイミドカルボン酸エステル構造を構成する
    アルコール残基が、少なくとも一つのフッ素以外のハロ
    ゲン原子を有することを特徴とする活性エネルギー線硬
    化性組成物。
  2. 【請求項2】 前記マレイミドカルボン酸エステル構造
    がマレイミド酢酸エステル構造である請求項1に記載の
    活性エネルギー線硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 前記活性エネルギー線硬化性化合物が、
    下記一般式(1)で表される化合物である請求項1に記
    載の活性エネルギー線硬化性組成物。 【化1】 式(1) (式中、Xは炭素数1〜9の、フッ素以外のハロゲン原
    子で置換されていてもよいアルキレン基を表す。R
    はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素以外のハロ
    ゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、またはフッ素以
    外のハロゲン原子で置換された炭素数1〜5のアルキル
    基を表し、R〜Rの少なくとも一つはフッ素以外の
    ハロゲン原子である。R、R10はそれぞれ独立し
    て、水素原子、または炭素数1〜5のアルキル基を表
    す。m、nは、それぞれ独立して1以上の整数であり、
    かつm+n<9を満たす数である。Y、Zはそれぞれ独
    立して炭素数1〜10のアルキレン基またはポリメチレ
    ン基を表す。)
  4. 【請求項4】 前記活性エネルギー線硬化性化合物が、
    下記一般式(2)で表される化合物である請求項1に記
    載の活性エネルギー線硬化性組成物。 【化2】 式(2) (式中、R、R10は、それぞれ独立して、水素原
    子、または炭素数1〜5のアルキル基を表す。m、n
    は、それぞれ独立して1以上の整数であり、かつm+n
    <9を満たす数である。)
  5. 【請求項5】 重合開始剤の含有率が、活性エネルギー
    線硬化性組成物中に含有される重合性化合物全量に対し
    て0〜1質量%である請求項1に記載の活性エネルギー
    線硬化性組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の活性エネルギー線硬化
    性組成物を硬化させて得られ、1.53以上の屈折率を
    有することを特徴とする光学材料用重合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007292883A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Dainippon Printing Co Ltd 光学積層体
CN104583250A (zh) * 2012-08-27 2015-04-29 可奥熙搜路司有限公司 储存稳定性提高的环氧丙烯酸类光学材料用聚合性组合物及环氧丙烯酸类光学材料的制备方法

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