JP2003238247A - 酸素イオン伝導性固体電解質並びにこれを用いた電気化学デバイス及び固体電解質型燃料電池 - Google Patents
酸素イオン伝導性固体電解質並びにこれを用いた電気化学デバイス及び固体電解質型燃料電池Info
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Abstract
示す酸素イオン伝導性固体電解質を提供する。また、測
定感度等の高い電気化学デバイス、及び低温でも高い発
電効率を有する固体電解質型燃料電池を提供する。 【解決手段】 本酸素イオン伝導性固体電解質は、スカ
ンジア安定化ジルコニア(スカンジア固溶量;9〜14
モル%)と、チタン元素とを含有する。これは、スカン
ジア安定化ジルコニアを構成するジルコニウム化合物
(ジルコニア粉末等)及びスカンジウム化合物(スカン
ジア粉末等)と、チタン化合物(チタニア粉末等)とを
含む組成物を焼成して得られる。この酸素イオン伝導性
固体電解質には、更にガリウム元素を含有させることが
できる。本電気化学デバイス及び固体電解質型燃料電池
は、これらの酸素イオン伝導性固体電解質を用いて作製
される。
Description
固体電解質並びにこれを用いた電気化学デバイス及び固
体電解質型燃料電池に関する。更に詳しくは、高酸素イ
オン伝導性及び高強度な酸素イオン伝導性固体電解質、
並びに従来よりも特性の高い電気化学デバイス及び低温
でも高い発電効率を有する固体電解質型燃料電池に関す
る。本発明は、固体電解質型燃料電池(以下、「SOF
C」ともいう。)、酸素センサ、酸素濃縮装置等に広く
利用される。また、本発明のSOFCは、発電所などの
大規模発電用や燃料電池車、家庭用コジェネレーション
等に広く適用が期待されている。
定化したジルコニア(YSZ)は高い酸素イオン伝導性
と化学的安定性より、SOFC、酸素センサ、酸素濃縮
器等の固体電解質として用いられている。固体電解質と
してイットリア安定化ジルコニアを用いる場合は、一般
的に5〜8モル%のイットリアを固溶させる。なかでも
固溶量が8モル%の8YSZが最も高いイオン伝導性を
示す。しかし、良好なイオン伝導性が要求されるSOF
Cでは、8YSZを用いた場合でも1000℃前後の温
度が十分なイオン伝導性を有するために必要である。そ
のため、SOFCは一般的に1000℃前後で運転され
る。よって酸化雰囲気に曝される部材には、耐熱性、耐
酸化性の問題より、金属材料を使用することはできず、
耐熱性、耐酸化性に優れたセラミックス材料が用いられ
てきた。しかしながら、セラミックスは脆性材料である
ため、装置始動−停止時の昇降温や電池内の温度分布か
ら生じる応力により、クラックを生じる可能性が高い。
そのため、信頼性の高いデバイスを製造する技術的なハ
ードルは高く、近年では金属部品が使用可能な低温(6
00〜800℃付近)で作動するSOFCの開発が活発
化している。
温度の低下により、急激にそのイオン伝導性が低下する
ため、SOFCを含めた電気化学デバイスを低温で作動
させるためには、低温でも十分な導電率を有する固体電
解質材料を採用する必要がある。このような課題に対し
ては、ランタンガレートと呼ばれるペロブスカイト型の
酸素イオン伝導材料(例えば、特許文献1参照。)や、
希土類ドープセリアといった材料(例えば、非特許文献
1参照。)が検討されている。しかしながら、ランタン
ガレート系材料では、導電率の安定性、機械的強度の不
足が問題となっている。また、セリア系材料では、セリ
アが難焼結性であるため密度の高い焼結体を作製するこ
とが困難であり、必要な強度、ガス気密性を持った焼結
体を安定的に得ることは困難である。
ープしたジルコニアが非常に高い導電率を持つことは古
くより知られている。このスカンジア安定化ジルコニア
(ScSZ)は、機械的強度、熱膨張率がYSZと同等
であり化学的安定性も高い。しかしながら、ScSZで
最も高い酸素イオン伝導性を有する8ScSZ(スカン
ジウム固溶量が8モル%の安定化ジルコニア)では、結
晶構造の安定性に欠け、長時間(500時間以上)、高
温(1000℃以上)に放置すると、良イオン伝導体で
ある立方晶からイオン伝導性に乏しい正方晶に結晶構造
が変化して導電率の低下を招く。また、固溶量を9〜1
4モル%と多くすると、600℃付近で立方晶から菱面
体晶相に相転移するため、600℃付近で酸素イオン伝
導性に屈曲点を持つことが明らかになっている(例え
ば、非特許文献2参照。)。更に、相転移は体積変化も
伴うため、サーマルサイクルが考えられるSOFC等で
は、材料自身の機械的強度の劣化や他の部材との接合部
でクラックが生じてしまう等の問題がある。このような
問題に対し、アルミナやセリアの添加により、結晶構造
の安定化を図り、且つ高強度、高イオン伝導性を達成す
るScSZが開示されている(例えば、特許文献2、特
許文献3参照。)。
もう1つの重要なポイントは、固体電解質の厚みを薄く
抑えることである。SOFCの性能には固体電解質のイ
オン伝導性、燃料極性能、空気極性能といった各構成部
材の特性が全体として反映されるが、作動温度が低温化
すると、固定電解質のイオン伝導性は顕著に低下するた
め、低温でも高い導電率を持った固体電解質が望まれ
る。また、固体電解質は内部抵抗として作用するため、
その厚みを薄くすることは、導電率を向上させると共に
重要なポイントである。上記の固体電解質の厚みを薄く
し、電池の内部抵抗を低く抑える試みとしては、支持膜
型SOFCが検討されている。SOFCの単セルは一般
的に空気極、固体電解質、燃料極から構成されるが、自
立膜型と呼ばれる従来形式のSOFCでは、電池を正常
に作動させるために必要なガス気密性と強度を固体電解
質に担わせ、その両面にガス透過性を持った多孔質電極
を焼き付けて形成している。そのため、固体電解質に
は、高イオン伝導性に加え、高強度とガスシール性が要
求され、その厚みは最低でも0.3mm程度は必要であ
る。これに対して、支持膜型と呼ばれるSOFCでは比
較的電気抵抗の低い電極に十分な厚みを持たせ、従来固
体電解質に要求された強度を負担させる。そのため、固
体電解質を自立膜型より薄く作製することができる。そ
の結果、固体電解質に起因する内部抵抗を低減すること
ができるため、低温でも高い発電効率を有するSOFC
の作製が可能である。支持膜型SOFCの作製方法とし
て焼成工程を経て固体電解質膜を形成する場合には、一
般的に(1)多孔質からなる電極基体材上に固体電解質
膜を形成して焼成する方法と、(2)電極成形体上に固
体電解質の薄い膜を形成し、共焼成を行う方法が検討さ
れている。(1)の場合には、固体電解質が焼結に際し
収縮するのに対し、電極の収縮が起こりにくいため、固
体電解質の緻密化が阻害される、又は固体電解質若しく
は電極にクラックを生じる等の問題が生じやすい。その
ため、(2)共焼成が有利と考えられている。
e)、「ソリッド・ステート・アイオニクス」(Sol
id State Ionics)、(オランダ)、1
29、2000年、p.95−110
port)、社団法人 日本ファインセラミックス協
会、2000年、18、No.5、p.107−110
性を達成するScSZとしては、上述した特許文献2、
特許文献3等が開示されている。しかし、特許文献2に
示される酸素イオン伝導性の無いアルミナの添加は、イ
オン伝導性の低下を引き起こすため好ましくない。ま
た、特許文献3に示されるセリアを添加したScSZに
おいても700℃以下の低温では導電率が低く、SOF
C等の電気化学デバイスを低温作動化するためには、更
に高い酸素イオン伝導性を有する固体電解質が望まれて
いる。
て、上記(2)の共焼成が有利と考えられているが、共
焼成を行う際も、電極材料の多くが固体電解質と比較し
て易焼結性の材料であるため、固体電解質の緻密化温度
で焼成を行うと、電極も共に緻密化し気体透過性を失っ
て電極として作動しなくなる問題がある。そのため、固
体電解質としては、高密度、高強度、高イオン伝導性と
共に低温焼結性が重要な因子である。しかし、ScSZ
を固体電解質として選択した場合、1500〜1700
℃が最適な焼成温度であり、特許文献2、特許文献3に
開示されるような第三添加物を用いた場合でも、145
0℃程度である。現在、検討されている支持膜型SOF
Cは一般的に燃料極であるNi−YSZを多孔質基体材
料に選択している例が最も多いが、酸化ニッケルは14
00℃以上では急激に焼結が進行し、多孔質構造を保持
することが困難であるため、その焼成温度は1300℃
以下に抑えることが望ましい。更に、空気極を多孔質基
体材料として用いている支持膜型SOFCでは、LaX
Sr1−XMnO2を用いた例もある。しかし、この材
料は1300℃以上でジルコニアと反応して酸素イオン
伝導性の乏しいパイロクロア相を形成するとの報告もあ
り、共焼成を行う際はできる限り低温で焼成することが
望ましい。以上より、結晶構造が安定しており、130
0℃程度の低温でも焼成可能であり、且つ高酸素イオン
伝導性である酸素イオン伝導性固体電解質も望まれてい
る。
り、低温においても、優れた酸素イオン伝導性を示す酸
素イオン伝導性固体電解質を提供することを目的とす
る。また、従来よりも特性(測定感度等)の高い電気化
学デバイスを提供することを目的とする。更に、低温で
も非常に高い発電効率を有する固体電解質型燃料電池を
提供することを目的とする。
の第三成分の配合により、イオン伝導性の向上を検討し
た結果、チタン元素を含有させることにより、特許文献
2、特許文献3に開示されるようなアルミナやセリアを
添加した場合と同様に、結晶構造の安定化を達成でき、
更には酸素イオン伝導性及び焼結性を向上させ得ること
を見出し、本発明を完成するに至った。また、チタン元
素を含有させ、且つガリウム元素を含有させることによ
り、1300℃程度の低温で焼成可能であることを見出
し、本発明を完成するに至った。
スカンジア安定化ジルコニアと、チタン元素とを含有す
ることを特徴とする。また、上記チタン元素の含有量
は、上記スカンジア安定化ジルコニアにおけるスカンジ
ウム元素の酸化物(Sc2O3)換算量と、ジルコニウ
ム元素の酸化物(ZrO2)換算量と、該チタン元素の
酸化物(TiO2)換算量との合計を100モル%とし
た場合に、酸化物換算量で0.7〜5.5モル%である
酸素イオン伝導性固体電解質とすることができる。更
に、スカンジアの固溶量は、上記スカンジア安定化ジル
コニアにおけるスカンジウム元素の酸化物(Sc
2O3)換算量と、ジルコニウム元素の酸化物(ZrO
2)換算量との合計を100モル%とした場合に、スカ
ンジウム元素の酸化物換算量で9〜14モル%である酸
素イオン伝導性固体電解質とすることができる。また、
更にガリウム元素を含有する酸素イオン伝導性固体電解
質とすることができる。更に、上記スカンジア安定化ジ
ルコニアにおけるスカンジウム元素の酸化物(Sc2O
3)換算量と、ジルコニウム元素の酸化物(ZrO2)
換算量との合計をXモル%、上記チタン元素の酸化物
(TiO2)換算量をYモル%、上記ガリウム元素の酸
化物(Ga2O3)換算量をZモル%とした場合におい
て、X+Y+Z=100、0.7≦Y≦5.5、0.2
≦Z≦3.5及びY+Z≦6.5である酸素イオン伝導
性固体電解質とすることができる。他の本発明の酸素イ
オン伝導性固体電解質は、焼成によりスカンジア安定化
ジルコニアを構成することとなるジルコニウム化合物及
びスカンジウム化合物と、チタン化合物とを含む組成物
を焼成して得られたことを特徴とする。また、上記チタ
ン化合物の配合量は、上記スカンジウム化合物における
スカンジウム元素の酸化物(Sc2O3)換算量と、上
記ジルコニウム化合物におけるジルコニウム元素の酸化
物(ZrO2)換算量と、該チタン化合物のチタン元素
の酸化物(TiO2)換算量との合計を100モル%と
した場合に、チタン元素の酸化物換算量で0.7〜5.
5モル%である酸素イオン伝導性固体電解質とすること
ができる。更に、上記スカンジウム化合物の配合量は、
該スカンジウム化合物におけるスカンジウム元素の酸化
物(Sc2O3)換算量と、上記ジルコニウム化合物に
おけるジルコニウム元素の酸化物(ZrO2)換算量と
の合計を100モル%とした場合に、スカンジウム元素
の酸化物換算量で9〜14モル%である酸素イオン伝導
性固体電解質とすることができる。また、上記組成物は
更にガリウム化合物を含む酸素イオン伝導性固体電解質
とすることができる。更に、上記スカンジウム化合物に
おけるスカンジウム元素の酸化物(Sc2O 3)換算量
と、上記ジルコニウム化合物におけるジルコニウム元素
の酸化物(ZrO2)換算量との合計をXモル%、上記
チタン化合物におけるチタン元素の酸化物(TiO2)
換算量をYモル%、上記ガリウム化合物におけるガリウ
ム元素の酸化物(Ga2O3)換算量をZモル%とした
場合において、X+Y+Z=100、0.7≦Y≦5.
5、0.2≦Z≦3.5及びY+Z≦6.5である酸素
イオン伝導性固体電解質とすることができる。本発明の
電気化学デバイスは、上記酸素イオン伝導性固体電解質
を用いて作製されたものであることを特徴とする。本発
明の固体電解質型燃料電池は、上記酸素イオン伝導性固
体電解質を用いて作製されたものであることを特徴とす
る。
00℃の温度範囲においても、優れた酸素イオン伝導性
を示すスカンジア安定化ジルコニアからなる酸素イオン
伝導性固体電解質を得ることができる。そして、この酸
素イオン伝導性固体電解質を用いて電気化学デバイスを
作製することにより、従来よりも特性(測定感度等)の
高いデバイス等を作製することができる。更に、SOF
Cにおいては、低温でも、酸素イオン伝導性に優れるた
め、固体電解質を用いて支持膜型SOFCを作製するこ
とにより、低温において非常に高い発電効率を有する固
体電解質型燃料電池を作製することができる。また、チ
タン元素の含有量を特定の値とした場合には、600℃
の低温においても、非常に良好な酸素イオン伝導性を示
す固体電解質とすることができ、高酸素イオン伝導性を
要求される低温作動型SOFCに好適である。また、酸
素センサに用いた場合、酸素濃度に対する出力が大きく
なり、測定感度を大幅に向上することができる。更に、
酸素濃縮器に用いた場合、酸素を濃縮する際に失われる
エネルギー量を大幅に低減でき、エネルギー効率に優れ
た酸素濃縮器を製造することができる。更に、スカンジ
アの固溶量を特定の値とした場合には、800〜100
0℃程度の温度で長時間保持した際の導電率の低下を低
減することができる。また、ガリウム元素を含有させた
場合には、高酸素イオン伝導性及び結晶構造を安定化で
き、且つ1300℃程度の低温でも焼成することができ
る。更に、スカンジウム元素、ジルコニウム元素、チタ
ン元素及びガリウム元素の酸化物換算量を特定の値とし
た場合には、低温で焼成可能であると同時に、より優れ
た酸素イオン伝導性を有する固体電解質を得ることがで
きる。本発明の電気化学デバイスによれば、例えば、酸
素濃度に対する出力が大きくなるため測定感度を大幅に
向上できる酸素センサ等を提供でき、またエネルギー効
率に優れた酸素濃縮器等を提供できる。本発明の固体電
解質型燃料電池によれば、低温でも非常に高い発電効率
を得ることができる。
する。上記「チタン元素」の含有量は、上記「スカンジ
ア安定化ジルコニア」における、スカンジウム元素及び
ジルコニウム元素の各々の酸化物(Sc:Sc2O3、
Zr:ZrO2)換算量の合計と、チタン元素の酸化物
(TiO2)換算量との総合計を100モル%とした場
合に、酸化物換算量で0.7〜5.5モル%とすること
ができ、好ましくは0.8〜5.5モル%、より好まし
くは0.8〜5モル%、更に好ましくは0.8〜3モル
%である。この範囲の含有量とすることにより、固体電
解質は、600℃の低温においても、非常に良好な酸素
イオン伝導性を示すため、特に高酸素イオン伝導性を要
求される低温作動型SOFCに好適である。また、酸素
センサに用いた場合は、酸素濃度に対する出力が大きく
なるため測定感度を大幅に向上できる。更に、酸素濃縮
器に用いた場合、酸素を濃縮する際に失われるエネルギ
ー量が大幅に低減できるため、エネルギー効率に優れた
酸素濃縮器を製造することができる。この含有量が0.
7モル%未満の場合、結晶構造の安定化が不十分で菱面
体晶への相転移が起こるため、サーマルサイクルに対し
て電解質が体積変化を伴い他の部材との境界でクラック
が生じる可能性が大きくなる傾向にある。また低温での
出力の低下が起こることがある。一方、含有量が5.5
モル%を超える場合、導電率の低下が起こることがあ
る。
ジルコニアにおけるスカンジウム元素の酸化物(Sc2
O3)換算量と、ジルコニウム元素の酸化物(Zr
O2)換算量との合計を100モル%とした場合に、ス
カンジウム元素の酸化物換算量で9〜14モル%とする
ことができ、好ましくは9〜12モル%、更に好ましく
は10〜11モル%である。この固溶量が9モル%未満
の場合、800〜1000℃程度の温度で長時間(50
0時間以上)保持することにより、イオン伝導性の経時
変化を引き起こし、導電率が大きく低下することがあ
る。一方、14モル%を超える場合、ジルコニアへ固溶
できないスカンジウムがジルコニアとSc4Zr5O
12やSc2Zr5O13等の化合物を生成し、導電率
を大きく低下させることがある。
質は、更に上記「ガリウム元素」を含有するものとする
ことができる。この場合、スカンジア安定化ジルコニア
の焼成温度を1500〜1700℃から1300℃程度
まで低温化することができる。そのため、支持膜型SO
FC等に使用した場合は多孔質基体材料との共焼成を行
う際に、その焼成温度を低く抑えることが可能であるた
め、電極特性を悪化させるような基体材料の緻密化を抑
制できる。また、増孔剤等の添加量を低減又は増孔剤の
添加を削除することができ、性能向上、コスト低減に有
利である。更に、SOFCに限らず他の用途に対して
も、固体電解質の製造に関わるエネルギー費用、耐火材
等の消耗品費用等を削減できるため有用である。
るスカンジウム元素の酸化物(Sc 2O3)換算量と、
ジルコニウム元素の酸化物(ZrO2)換算量との合計
をXモル%、チタン元素の酸化物(TiO2)換算量を
Yモル%、ガリウム元素の酸化物(Ga2O3)換算量
をZモル%とした場合において、X+Y+Z=100、
0.7≦Y≦5.5、0.2≦Z≦3.5及びY+Z≦
6.5とすることができる。特に、X+Y+Z=10
0、0.8≦Y≦5.5、0.2≦Z≦3及びY+Z≦
6であることが好ましく、より好ましくはX+Y+Z=
100、0.8≦Y≦5、0.2≦Z≦2及びY+Z≦
6、更に好ましくはX+Y+Z=100、0.8≦Y≦
3、0.5≦Z≦1.5及びY+Z≦4.5である。各
酸化物の換算量がX+Y+Z=100、0.7≦Y≦
5.5、0.2≦Z≦3.5及びY+Z≦6.5である
場合、低温で焼成可能であると同時に、更に優れた酸素
イオン伝導性を有する固体電解質を得ることができる。
造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、焼
成によりスカンジア安定化ジルコニアを構成することと
なるジルコニウム化合物及びスカンジウム化合物と、チ
タン化合物とを含む組成物を焼成することで得られる。
この製造においては、固相法、ゾルゲル法、共沈法、噴
霧熱分解法等の手法を用いることができる。
カンジウム化合物」は、いずれも、焼成によりスカンジ
ア安定化ジルコニアを構成することとなるものであれば
よく、例えば、各々の元素の酸化物であるスカンジア粉
末及びジルコニア粉末を挙げることができる。また、焼
成により酸化物となる各々の元素の塩化物、水酸化物、
硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩等の粉末、更には各々の元素を
含む有機金属化合物等の液状物などを挙げることができ
る。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用し
てもよい。上記「チタン化合物」としては、例えば、チ
タニア粉末を挙げることができる。また、焼成によりチ
タニアとなるチタン元素の塩化物、水酸化物、硝酸塩、
硫酸塩、炭酸塩等の粉末、更にはその元素を含む有機金
属化合物等の液状物などを挙げることができる。これら
は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、成形体を成形するための粉末原料としては、通
常、700〜1100℃程度、好ましくは800〜10
00℃程度の温度で仮焼して得られる仮焼粉末(通常、
各出発原料粉末を混合後、仮焼し粒度調整を行ったもの
であるが、これに限らず各々の原料粉末を仮焼したもの
でもよい。)を用いるが、これに限らず、出発原料粉末
を仮焼しないでそのまま用いてもよい。
合物におけるスカンジウム元素の酸化物(Sc2O3)
換算量と、ジルコニウム化合物におけるジルコニウム元
素の酸化物(ZrO2)換算量と、チタン化合物のチタ
ン元素の酸化物(TiO2)換算量との合計を100モ
ル%とした場合に、チタン元素の酸化物換算量で、0.
7〜5.5モル%とすることができる。好ましくは0.
8〜5.5モル%、より好ましくは0.8〜5モル%、
更に好ましくは0.8〜3モル%である。この配合量が
0.7モル%未満の場合、結晶構造の安定化が不十分で
菱面体晶への相転移が起こることがある。一方、配合量
が5.5モル%を超える場合、導電率の低下が起こるこ
とがある。
ウム化合物におけるスカンジウム元素の酸化物(Sc2
O3)換算量と、ジルコニウム化合物におけるジルコニ
ウム元素の酸化物(ZrO2)換算量との合計を100
モル%とした場合に、スカンジウム元素の酸化物換算量
で、9〜14モル%とすることができる。好ましくは9
〜12モル%、更に好ましくは10〜11モル%であ
る。この配合量が9モル%未満の場合、800〜100
0℃程度の温度で長時間(500時間以上)保持するこ
とにより、イオン伝導性の経時変化を引き起こし、導電
率が大きく低下することがある。一方、14モル%を超
える場合、ジルコニアへ固溶できないスカンジウムがジ
ルコニアとSc4Zr5O12やSc2Zr5O13等
の化合物を生成し、導電率を大きく低下させることがあ
る。
物」を含むものとすることができる。このガリウム化合
物としては、例えば、酸化ガリウム粉末を挙げることが
できる。更に、焼成により酸化ガリウムとなるガリウム
元素の塩化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩等の
粉末、更にはその元素を含む有機金属化合物等の液状物
などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよ
いし、2種以上を併用してもよい。この成形体を成形す
るための粉末原料としては、通常、前記と同様にして得
られる仮焼粉末を用いるが、これに限らず、出発原料粉
末を仮焼しないでそのまま用いてもよい。
合物におけるスカンジウム元素の酸化物(Sc2O3)
換算量と、ジルコニウム元素の酸化物(ZrO2)換算
量との合計をXモル%、チタン化合物におけるチタン元
素の酸化物(TiO2)換算量をYモル%、ガリウム化
合物におけるガリウム元素の酸化物(Ga2O3)換算
量をZモル%とした場合において、X+Y+Z=10
0、0.7≦Y≦5.5、0.2≦Z≦3.5及びY+
Z≦6.5とすることができる。特に、X+Y+Z=1
00、0.8≦Y≦5.5、0.2≦Z≦3及びY+Z
≦6であることが好ましく、より好ましくはX+Y+Z
=100、0.8≦Y≦5、0.2≦Z≦2及びY+Z
≦6、更に好ましくはX+Y+Z=100、0.8≦Y
≦3、0.5≦Z≦1.5及びY+Z≦4.5である。
各酸化物の換算量がX+Y+Z=100、0.7≦Y≦
5.5、0.2≦Z≦3.5及びY+Z≦6.5である
場合、低温で焼成可能であると同時に、更に優れた酸素
イオン伝導性を有する固体電解質を得ることができる。
イオン伝導性固体電解質を用いて作製されたものであ
る。この電気化学デバイスとしては、公知の種々の構造
及び用途のものが挙げられ、特に酸素センサ等の酸素イ
オン伝導を利用したデバイス等に有用である。また、本
発明の固体電解質型燃料電池は、前記の酸素イオン伝導
性固体電解質を用いて作製されたものである。この固体
電解質型燃料電池としては、前記の酸素イオン伝導性固
体電解質を用いるものであれば良く、公知の種々の構造
のものが挙げられ、単室型であってもそうでなくても特
に限定されないし、支持膜型であってもそうでなくても
特に限定されない。
明する。 (1)チタニアを含有するスカンジア安定化ジルコニア
(酸素イオン伝導性固体電解質)の作製方法 チタニアを含有するスカンジア安定化ジルコニアは固相
法により以下のように作製した。スカンジア固溶量がx
モル%、チタニアの含有量がyモル%である、チタニア
を含有するスカンジア安定化ジルコニアを作製する場
合、ZrO2:Sc2O3=(100−x):x、(S
c2O3+ZrO2):TiO2=(100−y):y
となるように、ジルコニア(ZrO2)粉末(平均粒
径:約1μm)とスカンジア(Sc2O3)粉末(平均
粒径:約1μm)、及びチタニア(TiO2)粉末(平
均粒径:1μm)を秤量し、ジルコニア製ポット及びジ
ルコニア製ボールにて、アルコールを媒体として、24
時間、湿式混合を行った。混合を終えた粉末は湯煎乾燥
後、アルミナポットに入れ900℃、60分の条件で仮
焼を行った。次いで、得られた仮焼粉末を解砕した後、
再度ジルコニアポットに入れて、アルコールを媒体とし
て湿式粉砕し、湯煎乾燥して造粒を行った。こうして得
た粉末を金型により予備成形後、CIP(冷間静水圧プ
レス)にて、1.5t/cm2の圧力で成形し、その
後、1500℃で、60分間保持して焼成した。昇降温
は4℃/minで行った。
ア安定化ジルコニアの結晶相の変化についての検討 上記(1)の製造方法により、スカンジア固溶量が11
モル%となり、且つチタニアの含有量が、0(チタニア
無し)、0.5、0.8、1、3、5及び7モル%とな
る各焼結体(3×4×35mm)を作製し、これらの焼
結体を粉砕して粉末とし、粉末X線回折法により室温
(25℃)における結晶相を同定した。その結果を図1
に示す。図1によれば、チタニアの含有量が0.8モル
%以上の焼結体では、菱面体晶の回折ピークは見られ
ず、立方晶のピークのみが確認され、チタニアを0.8
モル%以上含有させることで結晶構造を安定化できるこ
とが分かる。それに対して、チタニアを含有しないもの
は、菱面体晶の回折ピークが確認されている。また、チ
タニアの含有量が0.5モル%の試料においても菱面体
晶の回折ピークが確認され、チタニアの含有量が不足し
ており、結晶構造の安定化がされなかったことが分か
る。
ア安定化ジルコニアの結晶相の変化についての検討 一般的にジルコニアにスカンジアのみを固溶させた場
合、室温付近では5〜8モル%までは立方晶、9〜10
モル%までは立方晶と菱面体晶の混晶、10〜14モル
%程度までは菱面体晶、それ以上では菱面体晶ジルコニ
アとSc4Zr5O12の混合層となることが知られて
いる[「ジャーナル オブ ジ アメリカン セラミッ
ク ソサエティー」(Journal of the
American Ceramic Societ
y)、(米国)、60(9−10)、1977年、p.
399−403]。そこで、今回は8〜14モル%のス
カンジアを固溶したジルコニアにおいて、スカンジア固
溶量による、スカンジア安定化ジルコニアの結晶相の変
化を検討した。上記(1)の製造方法により、チタニア
の含有量が1モル%となり、且つスカンジア固溶量が、
8、10、11、14モル%となる各焼結体(3×4×
35mm)、及び比較として、スカンジア固溶量が11
モル%となり、且つチタニアが含有されていない焼結体
(3×4×35mm)を作製し、これらの焼結体を粉砕
して粉末とし、粉末X線回折法により室温(25℃)に
おける結晶相を同定した。その結果を図2に示す。図2
によれば、チタニアを含有する焼結体では、全てにおい
て立方晶のピークのみを示しており安定化されているこ
とが分かる。これに対して、チタニアを含有していない
焼結体は、菱面体晶のピークが見られた。また、図示は
していないが、チタニアを含有しないスカンジウム固溶
量9〜14モル%の各焼結体においては、全ての焼結体
で菱面体晶のピークが見られることが確認されている。
度の測定 上記(1)の製造方法により、スカンジア固溶量が11
モル%となり、且つチタニアの含有量が、0.5、0.
8、1、3、5及び7モル%となる各焼結体(3×4×
35mm)、及び比較として、スカンジア固溶量が11
モル%であり、且つチタニアが含有されていないもの及
びチタニアの代わりにセリア(CeO2、平均粒径約1
μmのセリア粉末を原料粉末として使用し、その他は同
様にして作製した。)を1モル%含有させた各焼結体
(3×4×35mm)を作製し、それぞれ酸素イオン導
電率及び相対密度を測定した。その結果を表1に示す。
また、図3に導電率のアレニウスプロットを示す。尚、
酸素イオン導電率は直流4端子法を用いて測定した。電
流端子は焼結体両端に、電圧端子は焼結体中央よりそれ
ぞれ10mm離れた位置に設けて測定を行った。電流端
子等を設けた焼結体は管状炉内に設置して加熱し、種々
の温度で酸素イオン導電率を測定した。雰囲気は大気と
した。また、相対密度はアルキメデス法を用いて測定
し、理論密度で除して相対密度を計算した。
が0.8モル%以上の焼結体では、アレニウスプロット
が直線的で相転移等による変化が確認されておらず、結
晶構造の安定化が達成されていることが分かる。また、
その添加量が0.8〜1モル%の場合は、比較用のセリ
アを含有する焼結体の導電率よりも優れていることが分
かる。それに対して、チタニアを含有しない焼結体は6
00℃以下で急激に導電率が低下している。これは、ス
カンジア安定化ジルコニアには600℃付近に立方晶か
ら菱面体晶への相転移点があり、菱面体晶の酸素イオン
導電率が立方晶のそれと比較して低いために起きる現象
である。また、チタニアの含有量の多い7モル%の焼結
体では、導電率が急激に低下しており、過剰な配合は導
電率の低下を招くことが分かる。
500℃で焼成したときの相対密度を示したが、チタニ
アを含有する焼結体では、チタニアを含有しない焼結体
及びチタニアの代わりにセリアを含有する焼結体と比較
してみると、相対密度が高く焼結性に優れていることが
分かる。
て 上記(2)〜(4)において、チタニアを含有させるこ
とで、結晶相を安定化でき、高酸素イオン伝導性の焼結
体が得られることが分かったので、次に、実際にSOF
Cセル(図4参照)を作製し、発電試験を行った。この
発電試験では、燃料ガスとして3%加湿水素、酸化剤と
して大気を用い、SOFCセルの900℃における発電
特性を評価した。発電試験の結果を図5に示す。
すように、円盤形状の固体電解質体1の一面の中央部に
円盤形状の燃料極2が設けられ、他面の中央部に円盤形
状の空気極3が設けられた固体電解質型燃料電池を使用
した。この燃料電池の固体電解質体1の一面と他面の各
々の周縁部にシールガラス5を介して外側アルミナ管4
2を立設させ、また、燃料極2と空気極3のそれぞれに
対向させて燃料極2及び空気極3と同じ外径を有する内
側アルミナ管41を配設した。そして、燃料極2に対向
して配設された内側アルミナ管41の内部から、この内
側アルミナ管41の外周面と外側アルミナ管42の内周
面とで形成される空間へと燃料である水素を流通させ
た。一方、空気極3に対向して配設された内側アルミナ
管41の内部から、この内側アルミナ管41の外周面と
外側アルミナ管42の内周面とで形成される空間へと空
気を流通させ、SOFCセルとしての性能を評価した。
質体1としては、上記(1)の製造方法により、スカン
ジア固溶量が11モル%、且つチタニアの含有量が0.
8モル%及び1モル%となる組成であり、直径22m
m、厚さ0.5mmの形状のものを用いた。更に、燃料
極2は、固体電解質体1の片側にNiO−YSZを14
00℃、60分の条件で焼き付けた。また、空気極3
は、固体電解質体1の他方にランタンストロンチウムマ
ンガナイトを1000℃、60分の条件で焼き付けた。
尚、比較として、同様の製造方法により、スカンジア固
溶量が11モル%、且つセリアの含有量が1モル%とな
る組成のものを用意した。
の場合では、最大発電量が0.28W/cm2であった
のに対して、チタニアの含有量が1モル%の場合では、
最大発電量が0.3W/cm2と優れていた。更に、最
も高い導電率を示したチタニアの含有量が0.8モル%
の場合では、最大発電量が0.36W/cm2とより大
きく、いずれも発電特性に優れていることが分かった。
性の検討 チタニアを含有したスカンジア安定化ジルコニアに、更
に酸化ガリウムを含有させることによる低温焼結性の向
上について検討した。検討に用いる試料は、固相法によ
り以下のように作製した。スカンジア固溶量がxモル
%、チタニアの含有量がyモル%及び酸化ガリウムの含
有量がzモル%である、チタニア及び酸化ガリウムを含
有するスカンジア安定化ジルコニアを作製する場合、Z
rO2:Sc2O3=(100−x):x、(Sc2O
3+ZrO2):(TiO2+Ga2O3)=[100
−(y+z)]:(y+z)となるように、ジルコニア
(ZrO2)粉末(平均粒径:約1μm)、スカンジア
(Sc2O3)粉末(平均粒径:約1μm)、チタニア
(TiO2)粉末(平均粒径:1μm)、及び酸化ガリ
ウム粉末(Ga2O3)粉末(平均粒径:1μm)を秤
量し、CIP(冷間静水圧プレス)による成形後の焼成
を1300℃で行った以外は上記(1)と同様にして行
い、スカンジア固溶量が11モル%となり、チタニア及
び酸化ガリウムの各含有量[(y,z)で示す。尚、
y;TiO2の含有量、z;Ga2O3の含有量、単
位;モル%]が、(0.8,1)、(1,1)、(3,
1)、(5,1)、(1,4)及び(5,2)となる各
焼結体(3×4×35mm)、及び比較として、スカン
ジア固溶量が11モル%であり、且つチタニアを1モル
%含有させた焼結体(3×4×35mm)を作製し、そ
れぞれ酸素イオン導電率及び相対密度を測定した。その
結果を表2に示す。尚、酸素イオン導電率及び相対密度
は(4)と同様にして測定した。
を含有する焼結体は、酸化ガリウムを含有しない焼結体
と比較してみると、相対密度が高く焼結性に優れてお
り、十分な導電率を有していることが分かった。また、
チタニアの含有量が0.8〜3モル%であり、且つ酸化
ガリウムの含有量が1モル%のものはより優れた導電率
を有していた。
〜14モル%であるスカンジア安定化ジルコニアに、チ
タン元素を酸化物換算量で0.8〜5モル%含有させる
ことにより、結晶構造の安定化を図ることができ、チタ
ン元素を含有させない場合に見られる立方晶から菱面体
晶への相変態を防止することができる。また、上記範囲
でチタン元素を含有させたスカンジア安定化ジルコニア
のイオン導電率は、従来より用いられているセリウム含
有スカンジア安定化ジルコニアと同等若しくはそれ以上
であり、且つ焼結性に優れたスカンジア安定化ジルコニ
アとなる。更に、チタン含有スカンジア安定化ジルコニ
アが、ガリウム元素を含有することにより、1300℃
という低温で焼成しても、高い密度を有し、十分な導電
率を有する固体電解質が得られることが分かる。そのた
め、このような固体電解質を用いて作製した固体電解質
型燃料電池等の電気化学デバイスは、化学エネルギーの
電気エネルギーへの変換効率、又は電気化学エネルギー
の利用効率が非常に高いものとなり有用である。
ルコニア結晶相の変化を示す説明図である。
ルコニア結晶相の変化を示す説明図である。
る。
出力密度の変化を示す説明図である。
側アルミナ管、42;外側アルミナ管、5;シールガラ
ス、61;燃料極側リード線、62;空気極側リード
線。
Claims (12)
- 【請求項1】 スカンジア安定化ジルコニアと、チタン
元素とを含有することを特徴とする酸素イオン伝導性固
体電解質。 - 【請求項2】 上記チタン元素の含有量は、上記スカン
ジア安定化ジルコニアにおけるスカンジウム元素の酸化
物(Sc2O3)換算量と、ジルコニウム元素の酸化物
(ZrO2)換算量と、該チタン元素の酸化物(TiO
2)換算量との合計を100モル%とした場合に、酸化
物換算量で0.7〜5.5モル%である請求項1に記載
の酸素イオン伝導性固体電解質。 - 【請求項3】 スカンジアの固溶量は、上記スカンジア
安定化ジルコニアにおけるスカンジウム元素の酸化物
(Sc2O3)換算量と、ジルコニウム元素の酸化物
(ZrO2)換算量との合計を100モル%とした場合
に、スカンジウム元素の酸化物換算量で9〜14モル%
である請求項1又は2に記載の酸素イオン伝導性固体電
解質。 - 【請求項4】 更にガリウム元素を含有する請求項1乃
至3のうちのいずれかに1項に記載の酸素イオン伝導性
固体電解質。 - 【請求項5】 上記スカンジア安定化ジルコニアにおけ
るスカンジウム元素の酸化物(Sc2O3)換算量と、
上記ジルコニウム元素の酸化物(ZrO2)換算量との
合計をXモル%、上記チタン元素の酸化物(TiO2)
換算量をYモル%、ガリウム元素の酸化物(Ga
2O3)換算量をZモル%とした場合において、X+Y
+Z=100、0.7≦Y≦5.5、0.2≦Z≦3.
5及びY+Z≦6.5である請求項4に記載の酸素イオ
ン伝導性固体電解質。 - 【請求項6】 焼成によりスカンジア安定化ジルコニア
を構成することとなるジルコニウム化合物及びスカンジ
ウム化合物と、チタン化合物とを含む組成物を焼成して
得られたことを特徴とする酸素イオン伝導性固体電解
質。 - 【請求項7】 上記チタン化合物の配合量は、上記スカ
ンジウム化合物におけるスカンジウム元素の酸化物(S
c2O3)換算量と、上記ジルコニウム化合物における
ジルコニウム元素の酸化物(ZrO2)換算量と、該チ
タン化合物のチタン元素の酸化物(TiO2)換算量と
の合計を100モル%とした場合に、チタン元素の酸化
物換算量で0.7〜5.5モル%である請求項6に記載
の酸素イオン伝導性固体電解質。 - 【請求項8】 上記スカンジウム化合物の配合量は、該
スカンジウム化合物におけるスカンジウム元素の酸化物
(Sc2O3)換算量と、上記ジルコニウム化合物にお
けるジルコニウム元素の酸化物(ZrO2)換算量との
合計を100モル%とした場合に、スカンジウム元素の
酸化物換算量で9〜14モル%である請求項6又は7に
記載の酸素イオン伝導性固体電解質。 - 【請求項9】 上記組成物は、更にガリウム化合物を含
む請求項6乃至8のうちのいずれか1項に記載の酸素イ
オン伝導性固体電解質。 - 【請求項10】 上記スカンジウム化合物におけるスカ
ンジウム元素の酸化物(Sc2O3)換算量と、上記ジ
ルコニウム化合物におけるジルコニウム元素の酸化物
(ZrO2)換算量との合計をXモル%、上記チタン化
合物におけるチタン元素の酸化物(TiO2)換算量を
Yモル%、上記ガリウム化合物におけるガリウム元素の
酸化物(Ga2O3)換算量をZモル%とした場合にお
いて、X+Y+Z=100、0.7≦Y≦5.5、0.
2≦Z≦3.5及びY+Z≦6.5である請求項9に記
載の酸素イオン伝導性固体電解質。 - 【請求項11】 請求項1乃至10のうちのいずれか1
項に記載の酸素イオン伝導性固体電解質を用いて作製さ
れたものであることを特徴とする電気化学デバイス。 - 【請求項12】 請求項1乃至10のうちのいずれか1
項に記載の酸素イオン伝導性固体電解質を用いて作製さ
れたものであることを特徴とする固体電解質型燃料電
池。
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JP2002320316A JP4184039B2 (ja) | 2001-12-04 | 2002-11-01 | 酸素イオン伝導性固体電解質並びにこれを用いた電気化学デバイス及び固体電解質型燃料電池 |
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---|---|---|---|---|
JP2007026874A (ja) * | 2005-07-15 | 2007-02-01 | Toho Gas Co Ltd | ジルコニア系固体電解質およびこれを用いた固体酸化物形燃料電池 |
CN101536113B (zh) * | 2006-09-11 | 2012-06-27 | 旭化成株式会社 | 新颖的高分子电解质及电化学元件 |
CN113511676A (zh) * | 2021-04-27 | 2021-10-19 | 上海交通大学 | 一种氧化钬和氧化钪复合稳定氧化锆及其制备方法和固体氧化物燃料电池的电解质材料 |
WO2023079877A1 (ja) * | 2021-11-08 | 2023-05-11 | Agc株式会社 | 酸化物イオン伝導性固体電解質 |
-
2002
- 2002-11-01 JP JP2002320316A patent/JP4184039B2/ja not_active Expired - Fee Related
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