JP2003237067A - インクジェットヘッド及び記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッド及び記録装置

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JP2003237067A
JP2003237067A JP2002036950A JP2002036950A JP2003237067A JP 2003237067 A JP2003237067 A JP 2003237067A JP 2002036950 A JP2002036950 A JP 2002036950A JP 2002036950 A JP2002036950 A JP 2002036950A JP 2003237067 A JP2003237067 A JP 2003237067A
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Japan
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nozzle
ink
end side
plate
nozzle plate
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Application number
JP2002036950A
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English (en)
Inventor
Naoyuki Hirokawa
直之 廣川
Hideaki Horio
英明 堀尾
Atsushi Sogami
淳 曽我美
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクを吐出するノズル14が複数形成され
たノズルプレート9を有するインクジェットヘッド1又
は記録装置Aにおいて、バンディングの発生を防止して
記録品質の向上を図る。 【解決手段】 ノズルプレート9を、各ノズル14の基
端側開口の中心軸と先端側開口の中心軸との軸ずれ量に
ついての標準偏差が0.4μm以下となるように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、それぞれインクを
吐出する複数のノズルが板厚方向に貫通して形成された
ノズルプレートを有するインクジェットヘッド、及び該
インクジェットヘッドを備えた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アクチュエータの駆動によっ
てインクを吐出するインクジェットヘッドと、このイン
クジェットヘッドと記録紙とを相対移動させる相対移動
手段とを備え、この相対移動手段により上記インクジェ
ットヘッドが上記記録紙に対して相対移動しているとき
に、上記インクジェットヘッドに設けられたノズルから
インクを上記記録紙に吐出させて記録を行うように構成
された記録装置が知られている。
【0003】上記インクジェットヘッドのノズルプレー
トには、多数のノズルがその板厚方向に貫通して形成さ
れているが、記録の高速化や高画質化等の観点から、各
ノズルの形状を、ノズルの基端側開口から先端側開口に
向かってその孔径が縮小したテーパ形状とすることも知
られている。
【0004】こうした、テーパ形状のノズルをノズルプ
レートに形成する方法としては、例えば特開平4−29
9150号公報に記載されているように、略円錐形状の
ポンチによる打ち抜き加工によってノズルプレートにノ
ズルを形成する方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうしたイ
ンクジェットヘッドでは、例えばノズルからのインクの
吐出方向が曲がっていると記録紙に対するインクの着弾
ずれが生じ、これにより、記録紙上にインクが付着しな
い領域が生じて、記録された画像に、肉眼で認識し得る
程度の白筋(バンディング)が発生する場合がある。
【0006】特に、記録装置の記録解像度が高めるに
は、インクドット(記録紙に着弾したインク滴)の高密
度、つまりドットの微小化が必要となるが、このよう
に、インクドットを微小化するとバンディングが発生し
やすくなるという不都合がある。
【0007】また、こうしたバンディングの発生の有無
は、実際にインクを吐出して記録紙に記録をしなければ
確認することができないため、インクジェットヘッドの
品質管理の観点からは、インクを吐出しなくてもバンデ
ィングの発生の有無を予測し得ることが好ましい。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、それぞれイン
クを吐出する複数のノズルが板厚方向に貫通して形成さ
れたノズルプレートを有するインクジェットヘッド又は
記録装置において、バンディングの発生を防止して記録
品質の向上を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、インクの吐出特性にはノズルの形状が重
要である点に鑑みて、ノズルの同軸度(鉛直度)に着目
して実験を重ねた結果、バンディング発生の有無と、イ
ンクの着弾ずれと、ノズルの同軸度との相関関係を見出
すことによって完成するに至ったものである。
【0010】具体的に、第1の発明は、それぞれインク
を吐出する複数のノズルが板厚方向に貫通して形成され
たノズルプレートを有するインクジェットヘッドを対象
とし、上記ノズルプレートを、各ノズルの基端側開口の
中心軸と先端側開口の中心軸との軸ずれ量についての標
準偏差が0.4μm以下となるように構成することを特
定事項とするものである。
【0011】すなわち、各ノズルの軸ずれ量についての
標準偏差が比較的大きいときは、インクの着弾ずれが大
きく、これにより、バンディングが発生しやすくなり、
逆に、各ノズルの軸ずれ量についての標準偏差を小さく
すれば、インクの着弾ずれが抑制され、その結果、バン
ディングの発生が抑制されるのである。
【0012】そして、各ノズルの軸ずれ量についての標
準偏差が0.4μm以下となるように構成すれば、肉眼
で認識し得るようなバンディングの発生を防止すること
ができるとの知見に基づき、ノズルプレートを、各ノズ
ルの基端側開口の中心軸と先端側開口の中心軸との軸ず
れ量についての標準偏差が0.4μm以下となるように
構成する。このことで、バンディングの発生が防止され
て、記録品質の向上が図られる。
【0013】また、ノズルプレートにおける、各ノズル
の軸ずれ量についての標準偏差を測定すれば、その標準
偏差の値によって、実際にインクを吐出しなくてもバン
ディングの発生の有無を予測することが可能になる。
【0014】第2の発明は、インクの吐出特性には、ノ
ズルの特に先端部分の形状が重要であることを見出して
完成するに至ったものであり、具体的には、ノズルプレ
ートを、各ノズルの基端側開口の中心と先端側開口の中
心とを結ぶ線が上記ノズルプレートの厚み方向中央位置
の第1ノズル横断面と交わる第1交点と、上記各ノズル
の基端側開口の中心と上記ノズルプレートの厚み方向中
央位置よりも先端側所定位置の第2ノズル横断面の中心
とを結ぶ線が上記第1ノズル横断面と交わる第2交点と
の位置ずれ量についての標準偏差が0.03μm以下と
なるように構成することを特定事項とするものである。
【0015】すなわちこれは、ノズルプレートを、各ノ
ズルの第1交点と第2交点との位置ずれ量についての標
準偏差が0.03μm以下となるように構成すれば、イ
ンクの着弾ずれが抑制され、その結果、バンディングの
発生が抑制されるとの知見に基づくものである。
【0016】尚、この第1交点と第2交点との位置ずれ
量は、ノズル全体の形状を考慮しつつノズル先端部にお
ける鉛直度を規定するものであって、インクの吐出特
性、特にインクの吐出方向と強い相関を有するものであ
る。
【0017】ここで、各ノズルを、先端側開口に連続し
かつ孔径が一定のストレート部を有するものとして、第
2ノズル横断面を、上記ストレート部における基端側端
部のノズル横断面としてもよい。
【0018】これは、特にノズルの先端部分にストレー
ト部が設けられたときには、そのストレート部の形状
が、インクの吐出特性に重要であるとの知見に基づくも
のである。
【0019】上記各ノズルは、基端側開口が先端側開口
に比べて大径となるように形成してもよい。
【0020】そして、各ノズルは、孔径が一定のストレ
ート部を有するものとしてもよい。
【0021】また、各ノズルを、ノズル基端側から先端
側に向かって先細に形成されたテーパ部を複数有するも
のとし、上記複数のテーパ部を、テーパ角度が互いに異
なるように構成してもよい。
【0022】さらに、各ノズルを、孔径が一定のストレ
ート部と、ノズル基端側から先端側に向かって先細に形
成されたテーパ部とを有するものとしてもよい。
【0023】加えて、このストレート部とテーパ部とを
有するノズルにおいては、テーパ部を複数有するものと
し、上記複数のテーパ部を、テーパ角度が互いに異なる
ように構成してもよい。
【0024】尚、上記のテーパ部としては、その内周面
がノズル縦断面において直線状となるように形成された
ものに限らず、ノズル縦断面において曲線状となるよう
に形成されたものも含む。
【0025】このような形状のノズルは、例えば互いに
異なる形状の複数の放電電極それぞれによって、該ノズ
ルプレートに対する放電加工を複数工程行うことで形成
してもよい。
【0026】また、各ノズルは、各放電電極をその中心
軸回りに回転させながら放電加工を行うことで形成する
のがよい。こうすることで、各ノズルの同軸度(鉛直
度)を高めることができ、上記の軸ずれ量又は位置ずれ
量についての標準偏差を小さくすることが可能になる。
【0027】また、各ノズルは、複数工程の少なくとも
一の工程において、放電電極の中心軸と上記ノズルの孔
軸とが偏心した状態で一方の軸が他方の軸の回りを回る
ように、上記ノズルプレート及び放電電極のいずれか一
方を他方に対して相対的に公転させながら放電加工を行
うことで形成してもよい。こうすることで、例えば互い
にテーパ角度の異なる複数のテーパ部を有するノズル
を、容易に形成することが可能になる。
【0028】各ノズルから吐出するインクの液滴量を、
3pl(ピコリットル)以下となるように構成してもよ
い。
【0029】また、各ノズルから吐出したインクが記録
媒体に付着したときのドット径を、35μm以下となる
ように構成してもよい。
【0030】ノズルプレートのノズルは、1200dp
i以上3600dpi以下の密度で配設してもよい。
【0031】つまり、インクジェットヘッドの記録解像
度が高い方が、インクドットを高密度化する必要があ
り、ひいてはインクドットの微小化又はインクの液滴量
の微小化が必要である。こうしてドットを高密度化する
とバンディングが発生しやすいことから、記録解像度の
高いインクジェットヘッド、具体的には、1200,1
600,2000,2400,2500,3000,3
600dpi等のインクジェットにおいては特に、ノズ
ルプレートを、各ノズルの軸ずれ量についての標準偏差
が0.4μm以下、又は第1及び第2交点の位置ずれ量
についての標準偏差が0.03μm以下となるように構
成することが好ましい。尚、記録解像度が高まれば高ま
る程、ドットを高密度化が必要となることから、各ノズ
ルの軸ずれ量についての標準偏差が、より一層小さい値
以下(0.4μmよりも小さい値以下)となるように、
ノズルプレートを構成しなければならない。
【0032】第3の発明は、記録装置を対象とし、請求
項1〜請求項14のいずれかに記載のインクジェットヘ
ッドと、上記インクジェットヘッドと記録媒体とを相対
移動させる相対移動手段とを備えるようにし、上記イン
クジェットヘッドの各ノズルから記録媒体にインクを吐
出することによって記録を行うように構成することを特
定事項とするものである。
【0033】また、この記録装置は、記録解像度が、1
200dpi以上3600dpi以下(例えば、120
0,1600,2000,2400,2500,300
0,3600dpi等)となるように構成されたものと
してもよい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明におけるイ
ンクジェットヘッド及び記録装置によれば、ノズルプレ
ートを、その各ノズルの基端側開口の中心軸と先端側開
口の中心軸との軸ずれ量についての標準偏差が0.4μ
m以下となるように構成することによってインクの着弾
ずれが低減し、その結果、バンディングの発生を抑制す
ることができ、ひいては記録装置の記録品質を向上させ
ることができる。
【0035】また、ノズルプレートに形成された各ノズ
ルの軸ずれ量を測定し、その標準偏差を演算すれば、そ
の標準偏差の値によって、インクを実際に吐出しなくて
もバンディングの発生の有無を予測することができる。
従って、インクジェットヘッドの品質管理を容易に行う
ことができる。
【0036】また、ノズルの先端部における形状が重要
である点に鑑みて、ノズルプレートを、各ノズルの第1
交点と第2交点との位置ずれ量の標準偏差が0.03μ
m以下となるように構成しても、バンディングの発生を
効果的に抑制することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0038】図1は、本発明の実施形態に係るインクジ
ェットヘッドを備えたインクジェット式記録装置Aの概
略を示し、この記録装置Aは、上面に上記インクを有す
るインクカートリッジ35が装着されかつ該インクを後
述の如く記録媒体としての記録紙41に吐出するインク
ジェットヘッド1を備えている。このインクジェットヘ
ッド1はキャリッジ31に支持固定され、このキャリッ
ジ31には、図示を省略するキャリッジモータが設けら
れ、このキャリッジモータにより上記インクジェットヘ
ッド1及びキャリッジ31が主走査方向(図1及び図2
に示すX方向)に延びるキャリッジ軸32にガイドされ
てその方向に往復動するようになっている。
【0039】上記記録紙41は、図示を省略する搬送モ
ータによって回転駆動される2つの搬送ローラ42に挟
まれていて、この搬送モータ及び各搬送ローラ42によ
り、上記インクジェットヘッド1の下側において上記主
走査方向と垂直な副走査方向(図1及び図2に示すY方
向)に搬送されるようになっている。従って、上記キャ
リッジ31、キャリッジモータ、キャリッジ軸32、搬
送モータ及び搬送ローラ42によって、インクジェット
ヘッド1と記録紙41とを相対移動させる相対移動手段
が構成される。
【0040】上記インクジェットヘッド1は、図2〜図
4に示すように、インクを供給するための供給口3a及
びインクを吐出するための吐出口3bを有する複数の圧
力室用凹部3が形成されたヘッド本体2を備えている。
このヘッド本体2の各凹部3は、該ヘッド本体2の上面
に上記主走査方向に延びるように開口されていて、互い
に上記副走査方向に略等間隔をあけた状態で並設されて
いる。上記各凹部3開口の全長は約1250μmに、幅
は約130μmにそれぞれ設定されている。尚、上記各
凹部3の開口の両端部は、略半円形状をなしている。
【0041】上記ヘッド本体2の各凹部3の側壁部は、
約200μm厚の感光性ガラス製の圧力室部品6で構成
され、各凹部3の底壁部は、この圧力室部品6の下面に
接着固定されかつ6枚のステンレス鋼薄板を積層してな
るインク流路部品7で構成されている。このインク流路
部品7内には、上記各凹部3の供給口3aとそれぞれ接
続された複数のオリフィス8と、この各オリフィス8と
接続されかつ上記副走査方向に延びる1つの供給用イン
ク流路11と、上記吐出口3bとそれぞれ接続された複
数の吐出用インク流路12とが形成されている。
【0042】上記各オリフィス8は、インク流路部品7
において板厚が他よりも小さい上から2番目のステンレ
ス鋼薄板に形成されており、その径は約38μmに設定
されている。また、上記供給用インク流路11は上記イ
ンクカートリッジ35と接続されており、このインクカ
ートリッジ35より供給用インク流路11内にインクが
供給されるようになっている。
【0043】上記インク流路部品7の下面には、インク
滴を上記記録紙41に向けて吐出するための複数のノズ
ル14が形成されたステンレス鋼からなるノズルプレー
ト9が接着固定されている。このノズルプレート9の下
面は、撥水膜9aで被覆されている。この撥水膜9aは
公知の方法に形成することが可能である。
【0044】上記各ノズル14は、上記吐出用インク流
路12とそれぞれ接続されていて、この吐出用インク流
路12を介して上記各凹部3の吐出口3bにそれぞれ連
通されており、インクジェットヘッド1の下面におい
て、上記副走査方向に列状に並ぶように設けられてい
る。尚、このノズル14は、その配設密度が1200d
piとなるように、上記ノズルプレート9に配設されて
いる。
【0045】上記各ノズル14は、図5に拡大して示す
ように、ノズルプレート9の一側の面に開口しかつノズ
ル径がノズル先端側に向かって小さくなる第1テーパ部
14aと、該第1テーパ部14aのノズル先端側に連続
して設けられかつ、そのテーパ角度(ノズル14の縦断
面においてその内周面を表す一対の線の間の角度)が上
記第1テーパ部14aのテーパ角度よりも小さい第2テ
ーパ部14bと、該第2テーパ部14bのノズル先端側
に連続して設けられかつノズルプレート9の他側の面に
開口したノズル径が一定のストレート部14cとからな
り、このストレート部14cのノズル径は約20μmに
設定されている。また、ノズルプレート9は、その板厚
が約70μmとされており、ストレート部14cのノズ
ルプレート9の板厚方向の長さは、約10μmに設定さ
れている。
【0046】上記ヘッド本体2の各凹部3の上側には、
圧電アクチュエータ21がそれぞれ設けられている。こ
の各圧電アクチュエータ21は、上記ヘッド本体2の上
面に接着固定された状態で該ヘッド本体2の各凹部3を
塞いで該凹部3と共に圧力室4を構成するCr製振動板
22を有している。この振動板22は、全ての圧電アク
チュエータ21に共通の1つのものからなっていて、後
述の全圧電素子23に共通の共通電極としての役割をも
果たしている。
【0047】また、上記各圧電アクチュエータ21は、
上記振動板22の上記圧力室4と反対側面(上面)にお
いて圧力室4に対応する部分(凹部3開口に対向する部
分)にCu製の中間層25を介してそれぞれ設けられか
つチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電素子2
3と、この各圧電素子23の上記振動板22と反対側面
(上面)にそれぞれ接合され、該振動板22と共に各圧
電素子23に電圧(駆動電圧)をそれぞれ印加するため
のPt製個別電極24とを有している。
【0048】上記振動板22,各圧電素子23、各個別
電極24及び各中間層25は、全て薄膜で形成されてな
っており、振動板22の厚みは約6μmに、各圧電素子
23の厚みは8μm以下(例えば約3μm)に、各個別
電極24の厚みは約0.2μmに、各中間層25の厚み
は約3μmにそれぞれ設定されている。
【0049】上記各圧電アクチュエータ21は、その振
動板22と各個別電極24とを介して各圧電素子23に
駆動電圧を印加することにより該振動板22の圧力室4
に対応する部分(凹部3開口部分)を変形させること
で、該圧力室4内のインクを吐出口3bないしノズル1
4から吐出させるようになっている。すなわち、振動板
22と個別電極24との間にパルス状の電圧を印加する
と、そのパルス電圧の立ち上がりにより圧電素子23が
圧電効果によりその厚み方向と垂直な幅方向に収縮する
のに対し、振動板22、個別電極24及び中間層25は
収縮しないので、いわゆるバイメタル効果により振動板
22の圧力室4に対応する部分が圧力室4側へ凸状に撓
んで変形する。この撓み変形により圧力室4内の圧力が
高まり、この圧力で圧力室4内のインクが吐出口3b及
び吐出用インク流路12を経由してノズル14から押し
出される。そして、上記パルス電圧の立ち下がりにより
圧電素子23が伸長して振動板22の圧力室4に対応す
る部分が元の状態に復帰し、このとき、上記ノズル14
から押し出されていたインクがインク流路12内のイン
クから引きちぎられて、インク滴(例えば3pl)とし
て記録紙41へ吐出され、該記録紙41面にドット状に
付着することとなる。このときの最小のドット径は35
μm以下となるように設定されている。
【0050】また、上記振動板22が凸状に撓んで変形
した状態から元の状態に復帰する際に、圧力室4内には
上記インクカートリッジ35より供給用インク流路11
及び供給口3aを介してインクが充填される。尚、各圧
電素子23に印加するパルス電圧としては、上記のよう
に押し引きタイプのものでなくても、第1の電圧から該
第1の電圧よりも低い第2の電圧まで立ち下がった後に
上記第1の電圧まで立ち上がる引き押しタイプのもので
あってもよい。
【0051】上記各圧電素子23への駆動電圧の印加
は、インクジェットヘッド1及びキャリッジ31を主走
査方向において記録紙41の一端から他端まで略一定速
度(例えば211.7mm/sec)で移動させている
ときに所定時間(例えば100μs程度:駆動周波数1
0kHz)毎に行われ(但し、インクジェットヘッド1
が記録紙41におけるインク滴を着弾させない箇所に達
したときには電圧が印加されない)、このことで、記録
紙41の所定位置にインク滴を着弾させる。そして、1
走査分の記録が終了すると、搬送モータ及び各搬送ロー
ラ42により記録紙41を副走査方向に所定量搬送し、
再度、インクジェットヘッド1及びキャリッジ31を主
走査方向に移動させながらインク滴を吐出させて、新た
な1走査分の記録を行う。この動作を繰り返すことによ
って、記録紙41全体に所望の画像が形成される。
【0052】このように、この記録装置Aは、インクジ
ェットヘッド1の移動速度が211.7mm/secに
設定されていると共に、吐出するインクの液滴量が3p
lに設定されかつ、そのドット径が35μm以下に設定
され、さらに、記録解像度が1200dpiとなるよう
に構成されている。
【0053】そして、上記インクジェットヘッド1にお
けるノズルプレート9は、各ノズル14の基端側開口の
中心軸A1と先端側開口の中心軸A2との軸ずれ量につ
いての標準偏差が0.4μm以下となるように構成され
ている(図5参照。尚、同図においては理解容易のため
に、軸ずれ量が大きくなるようノズル形状を誇張して描
いている)。
【0054】こうして、ノズルプレート9における、各
ノズル14の軸ずれ量についての標準偏差を規定するの
は、この軸ずれ量と、インクの着弾ずれと、バンディン
グの発生との相関関係を見出したためであり、上記軸ず
れ量についての標準偏差を、0.4μm以下となるよう
することで、インクの着弾ずれが抑制され、その結果、
バンディングの発生を防止することができる(このこと
についての詳細は、後述する)。
【0055】また、インクの着弾ずれを引き起こす要因
としては、ノズル14の特に先端部の形状が重要である
ことに鑑みて、上記ノズル14の基端側開口の中心軸A
1と先端側開口の中心軸A2との軸ずれ量に代えて、ノ
ズルプレート9における、以下のような位置ずれ量を規
定するようにしてもよい。
【0056】つまり、図6に示すように、各ノズル14
の基端側開口の中心C1と先端側開口の中心C2とを結
ぶ線L1が、上記ノズルプレート9の厚み方向中央位置
における第1ノズル横断面S1と交わる第1交点P1
と、上記各ノズル14の基端側開口の中心C1とストレ
ート部14cにおける基端側端部の第2ノズル横断面S
2の中心C3とを結ぶ線が、第1ノズル横断面S1と交
わる第2交点P2との位置ずれ量についての標準偏差が
0.03μm以下となるように、ノズルプレート9を構
成してもよい。尚、同図においては理解容易のために、
位置ずれ量が大きくなるようノズル形状を誇張して描い
ている。
【0057】こうしたときも、バンディングの発生を効
果的に防止することができる。ここで、この第1交点P
1と第2交点P1との位置ずれ量は、ノズル14全体の
形状を考慮しつつノズル14先端部における鉛直度を規
定するものであり、インクの出特性、特にインクの吐出
方向と強い相関を有するものである。このため、この位
置ずれ量を規定することによって、インクの吐出特性を
規定することが可能になるのである。
【0058】次に、実際に行った実験結果について説明
する。この実験では、ノズルプレート9に形成された各
ノズル14の基端側開口の中心軸A1と先端側開口の中
心軸A2との軸ずれ量を測定し、その標準偏差を算出す
ると共に、上記ノズルプレート9を備えたインクジェッ
トヘッド1を用いて、インクの着弾ずれを測定し、さら
に、バンディングの測定をした。こうした各量の測定に
ついては種々の方法が考えられどのような方法を採用し
てもよいが、以下に、上記各測定方法の一例として、実
際に行った測定方法を示す。
【0059】(ノズル14の軸ずれ量の測定)ノズル1
4の軸ずれ量の測定方法は、例えば図7に示すように、
ノズルプレート9に対し、ノズル14の先端側からノズ
ル14の孔軸方向に透過光を照射しかつノズル14の基
端側から孔軸方向に落射光を照射することにより行う。
【0060】こうすることで、ノズルプレート9に対し
て照射された透過光は、ノズル14内をその先端側から
基端側に透過する一方、落射光は、ノズルプレート9表
面におけるノズル14基端側の開口周縁部で反射した
り、ノズル14における第1及び第2テーパ部14a,
14bの内周面を照射したりする。
【0061】この状態で、ノズル14の基端側から孔軸
方向に、ノズルプレート9のノズル14付近を撮像する
と、その撮像した画像においては、ノズル14先端の開
口部分がノズル14内を透過する透過光により白っぽく
なり、また、ノズルプレート9表面におけるノズル14
の基端開口の周縁部も落射光の反射光により白っぽくな
るのに対し、第1及び第2テーパ部14a,14bの内
周面は孔軸方向に対して傾いているため、この落射光の
反射光はノズルの基端側には戻らず、これにより、撮像
した画像においては上記第1及び第2テーパ部14a,
14bが黒っぽくなる。
【0062】このため、この撮像した画像を二値化する
と、その二値画像Pにおいてはノズル14の第1及び第
2テーパ部14a,14bがそれぞれ黒部分となり、そ
の他の部分が白部分となる。これにより、ノズルプレー
ト9表面を表す白部分と第1及び第2テーパ部14a,
14bを表す黒部分との境界円の中心位置と、この第1
及び第2テーパ部14a,14bを表す黒部分とノズル
先端の開口部分を表す白部分との境界円の中心位置とを
測定すれば、その位置差からノズル14の基端側開口の
中心軸A1と先端側開口の中心軸A2との軸ずれ量を測
定することができる。ここで、各境界円の中心位置は、
例えば二値画像Pにおける黒部分又は白部分の重心を演
算することにより測定したり、境界円の近似円を求め
て、その円の中心により中心位置を測定したりすればよ
い。
【0063】そして、ノズルプレート9に形成された全
ノズル14についてそれぞれ、その軸ずれ量を測定し
て、ノズルプレート9における軸ずれ量についての標準
偏差を求める。
【0064】尚、図6に示すように、第1交点と第2交
点との位置ずれ量を測定するには、第2ノズル横断面
(ストレート部14cにおける基端側端部のノズル横断
面)の中心位置を測定する必要がある。これは、例えば
図8に示すように、落射光及び透過光をノズルプレート
9に照射することに加えて、斜め落射光を上記ノズルプ
レート9に照射することによって測定することが可能で
ある。
【0065】つまり、上記ノズルプレート9の基端側か
らノズル14の孔軸方向に対して傾斜した斜め方向に斜
め落射光を照射すると、この斜め落射光は、ノズル14
の基端側開口からこのノズル14内に入射して、第1テ
ーパ部14aの内周面及び第2テーパ部14bの内周面
の一部を照らすようになる。このため、ノズル14の基
端側から孔軸方向にノズルプレート9のノズル14付近
を撮像すると、その撮像した画像においては、ノズル1
4における第2テーパ部14b内周面の一部のみが黒っ
ぽくなり、その他の部分は全て白っぽくなる。ここで、
第2テーパ部14bとストレート部14cとの境界近傍
のみが黒っぽくなるように、斜め落射光の光源の位置や
その光強度を調整する。こうすることで、その二値画像
Pにおいて、ノズルプレート9表面や第1テーパ部14
a等を表す白部分と第2テーパ部14bの一部(第2テ
ーパ部14bとストレート部14cとの境界近傍の一
部)を表す黒部分との境界円の中心位置を測定すること
により、第2テーパ部14bとストレート部14cとの
境界近傍におけるノズル横断面の中心位置を測定するこ
とができるようになる。こうして測定したノズル横断面
の中心位置を、第2ノズル横断面の中心位置とすればよ
い。
【0066】(インクの着弾ずれの測定)着弾ずれの測
定は、ノズルプレート9の各ノズル14からインクを吐
出して記録紙上にインクドットを形成すると共に、この
各インクドットを撮像し、この撮像した画像を二値化し
た上で、各インクドットの重心位置を測定する。そし
て、各インクドットの重心位置と、基準のインクドット
の重心位置とのピッチをそれぞれ測定し、その測定した
各ピッチと、理想ピッチ(ノズルプレート9におけるノ
ズル14のピッチ)とのずれ量を算出する。ここでは、
インクの着弾ずれとバンディングとの相関をみることか
ら、ずれ量としては副走査方向に対するずれ量を算出す
る。また、その評価は標準偏差により行う。
【0067】(バンディングの測定)バンディングの測
定は、先ず、インクジェットヘッド1からインクを吐出
して、記録紙にベタ印字を行った後に、このベタ領域を
微小領域に分割して各領域の反射率を測定する。そし
て、その反射率の測定値をフーリエ変換し、その周波数
スペクトルに対して視覚変換関数(例えばBouk and Bur
ningham関数)をかける。さらに、それを逆フーリエ変
換することで空間領域に戻す。こうして、人間の視覚特
性に近いバンディングレベルを求め、その標準偏差でも
ってバンディングレベルの評価を行う。
【0068】次に、実験の条件についてであるが、実験
に用いた記録装置Aの記録解像度は、1200dpi
で、インクの液滴量は3pl、また、インクの吐出速度
は7.4mm/sec、ノズル−記録紙間の距離は1m
mである。
【0069】印字周波数(インクジェットヘッド1の駆
動周波数)としては、10kHzと20kHzとの2つ
の場合においてそれぞれ実験を行った。この印字周波数
に対応するキャリッジ31(インクジェットヘッド1)
の移動速度はそれぞれ、211.7mm/sec及び4
23.4mm/secである。また、使用したインク
は、その粘度が3cP、表面張力が38mN/m(38
dyn/cm)である。また、記録紙としては、キャノ
ン社製フォト光沢フィルムを用い、インクの着弾ずれ及
びバンディングの測定には、QEA社製、商品名IAS
−1000を用いた。
【0070】図9(a)は、キャリッジ速度が211.
7mm/secのときの、バンディングレベルと、イン
クの着弾ずれ(Y方向(副走査方向)の着弾ずれ)との
関係を示しており、同図の直線近似で示すように、両者
には関連があることがわかる。ここで、視覚認識されな
いバンディングレベルはσが0.01%以下のときであ
る。このため、同図の直線から、バンディングレベルが
0.01%以下となるには、インクの着弾ずれの標準偏
差を3.6μm以下にする必要がある。
【0071】次に、同図(b)は、キャリッジ速度が2
11.7mm/secのときの、ノズルプレート9にお
けるノズル14の軸ずれ量(ノズル14の基端側開口の
中心軸A1と先端側開口の中心軸A2との軸ずれ量)
と、インクの着弾ずれとの関係を示しており、同図の直
線近似で示すように、両者には関連があることがわか
る。ここで、インクの着弾ずれを3.6μm以下にする
には、同図の直線からノズルの軸ずれ量を0.4μm以
下にする必要がある。
【0072】以上の結果から、ノズルプレート9を、ノ
ズル14の軸ずれ量の標準偏差が0.4μm以下となる
ように構成すれば、視覚認識できるバンディングが発生
しなくなり、記録画質の向上が図られることとなる。
【0073】一方、図10(a)は、キャリッジ速度を
423.4mm/secとしたときの、バンディングレ
ベルと、インクの着弾ずれとの関係を示しており、バン
ディングレベルを0.01%以下とするには、インクの
着弾ずれの標準偏差を2.5μm以下にする必要があ
る。
【0074】次に、同図(b)は、キャリッジ速度を4
23.4mm/secとしたときの、ノズル14の軸ず
れ量と、インク着弾ずれとの関係を示しており、上記着
弾ずれを2.5μm以下にするには、同図の直線から、
ノズル14の軸ずれ量を0.09μm以下にする必要が
あることがわかる。
【0075】従って、キャリッジ速度(インクジェット
ヘッド1の移動速度)を423.4mm/sec以上と
したときには、視覚認識できるバンディングの発生を防
止するには、ノズルプレート9をノズル14の軸ずれ量
の標準偏差が0.09μm以下となるように構成しなけ
ればならないことが判る。
【0076】ここで、Y方向(副走査方向)の着弾ずれ
と、X方向(主走査方向)であるキャリッジ31の移動
速度とは直接的な関連はないものと思われるが、実験結
果からは、キャリッジ速度が高くなることで、インクの
着弾ずれが影響を受ける傾向にある。このため、キャリ
ッジ速度を高めたときには、ノズルプレート9をノズル
14の軸ずれ量の標準偏差がさらに小さい値以下となる
ように構成する必要があると考えられる。具体的には、
キャリッジ速度を423.4mm/sec以上としたと
きには、視覚認識できるバンディングの発生を防止する
には、ノズルプレート9をノズル14の軸ずれ量の標準
偏差が0.09μm以下となるように構成しなければな
らないと考えられる。
【0077】また、インクジェットヘッド1の記録解像
度が高い程、インクドットを高密度化する必要があり、
ひいてはインクドットの微小化又はインクの液滴量の微
小化が必要であることから、インクジェットヘッド1の
記録解像度が高まれば高まる程、各ノズル14の軸ずれ
量についての標準偏差が、より一層小さい値以下(0.
4μmよりも小さい値以下)となるように、ノズルプレ
ート9を構成しなければならないと考えられる。
【0078】上記ノズル14は、例えば放電加工や、レ
ーザ加工、又は打ち抜き加工等の種々の加工方法によっ
て、上記ノズルプレート9に形成することが可能である
が、上記のように、ノズル14の軸ずれ量についての標
準偏差が所定の値以下となるノズルプレート9は、この
ノズルプレート9に対し、以下のようにして上記ノズル
14を形成することで製造することが可能である。
【0079】ここでは、ノズルプレート9に対する放電
加工によってノズル14を形成する場合を例に、図11
を参照しながらノズル14の形成方法について説明す
る。このノズル14の形成方法では、複数の放電電極
(第1及び第2電極51,52)のそれぞれにより、上
記ノズルプレート9に対する放電加工を複数工程行うよ
うにしている。
【0080】上記第1電極51は、先細に形成された略
円錐状であるのに対し、第2電極52は、略円柱状であ
る。尚、上記第1電極51の先端部は、約φ15μmに
構成されており、上記第2電極52の径も、約φ15μ
mに構成されている。
【0081】そして、先ず第1工程として、同図(a)
に示すように、第1電極51に約100Vの電圧を印加
した状態で、これをその中心軸X1回りに回転させなが
ら(回転数約3000rpm)、約10μm/secの
送り速度でノズルプレート9に送る。これにより、上記
ノズル14の第1テーパ部14aとなる穴をノズルプレ
ート9に形成する。
【0082】次に、第2工程として、同図(b)に示す
ように、第2電極52に約90Vの電圧を印加した状態
で、これをその中心軸回りに回転させながら(回転数約
3000rpm)、約10μm/secの送り速度でノ
ズルプレート9に送る。このとき、第2電極52の中心
軸X1とノズル14(第1テーパ部14aとなる穴)の
孔軸X2とが偏心した状態で、この孔軸X2が電極の中
心軸X1の回りを回るように、上記ノズルプレート9を
第2電極52に対して相対的に公転(回転数約3000
rpm)させながら放電加工を行う。こうすることで、
ノズル14の第2テーパ部14bとなる穴を、上記第1
テーパ部14aとなる穴に連続して設ける。
【0083】最後に、第3工程として、同図(c)に示
すように、ノズルプレート9の公転を停止した状態で、
上記第2電極52に約90Vの電圧を印加しつつ、これ
をその中心軸X1回りに回転させながら(回転数約30
00rpm)、約10μm/secの送り速度でノズル
プレート9に送る。こうして、ノズル14のストレート
部14cとなる穴を、上記第2テーパ部14bとなる穴
に連続して設ける。
【0084】このような第1〜第3工程を行うことによ
り、第1及び第2テーパ部14b並びにストレート部1
4cを有するノズル14を、ノズルプレート9に形成す
ることができる。尚、上記第2工程においては、上記ノ
ズルプレート9を第2電極52に対して相対的に公転さ
せながら放電加工を行うようにしているが、電極の中心
軸X1が孔軸X2の回りを回るように、第2電極52を
ノズルプレート9に対して相対的に公転させながら放電
加工を行うようにしてもよい。
【0085】そして、上記各放電電極51,52を支持
する支持体(図示省略)を、熱に対する膨張率の低い材
質で形成したり、また、この支持体を送風機で冷却しつ
つ上記の各放電加工工程を行ったりすることによって、
ノズル14の軸ずれ量についての標準偏差を所定の値以
下とすることができる。つまり、こうした処理を施すこ
とによって、各放電電極51,52を回転させるモータ
(図示省略)の発熱による支持体の撓みを抑制すること
ができ、これにより、上記各放電電極51,52の傾き
が防止される。その結果、ノズル14の軸ずれ量につい
ての標準偏差が所定の値以下となるノズルプレート9を
作製することができる。
【0086】<他の実施形態>尚、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を
包含するものである。すなわち、上記実施形態では、ノ
ズル14として、第1及び第2テーパ部14a,14
b、並びにストレート部14cからなるものとしている
が、ノズル形状としてはこれに限らない。例えば図12
に示すように、1つのテーパ部14aと一つのストレー
ト部14cからなるものや、例えば図13に示すよう
に、2つのテーパ部14a,14bからなるものであっ
てもよい。尚、ストレート部14cの有無に拘わらず、
テーパ部は2つ以上であってもよい。また、図示は省略
するが、例えばテーパ部を有しないノズル(ストレート
状のノズル)であってもよいし、1つのテーパ部のみを
有するノズルであってもよい。
【0087】また、上記の各テーパ部14a,14bと
しては、その内周面がノズル縦断面において直線状とな
るように形成されたものに限らず、ノズル縦断面におい
て曲線状となるように形成されたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェット式記録
装置を示す概略斜視図である。
【図2】インクジェットヘッドの部分底面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】ノズルにおける軸ずれ量を示す縦断面図であ
る。
【図6】ノズルにおける第1交点と第2交点との位置ず
れ量を示す図5対応図である。
【図7】ノズルの軸ずれ量の測定方法の原理を示す説明
図である。
【図8】図7とは異なるノズルの軸ずれ量の測定方法の
原理を示す説明図である。
【図9】実験結果を示す図である。
【図10】図9とは異なる条件での実験結果を示す図で
ある。
【図11】ノズルの形成方法を示す説明図である。
【図12】他の実施形態に係る図5とは異なる形状のノ
ズルを示す縦断面図である。
【図13】他の実施形態に係る図5及び図12とは異な
る形状のノズルを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 14 ノズル 14a 第1テーパ部 14b 第2テーパ部 14c ストレート部 31 キャリッジ(相対移動手段) 32 キャリッジ軸(相対移動手段) 41 記録紙(記録媒体) 42 搬送ローラ(相対移動手段) 51 第1電極(放電電極) 52 第2電極(放電電極) 9 ノズルプレート A 記録装置 A1 基端側開口中心軸 A2 先端側開口中心軸 L1 基端側開口の中心と先端側開口の中心と
を結ぶ線 L2 基端側開口の中心と第2ノズル横断面の
中心とを結ぶ線 P1 第1交点 P2 第2交点 S1 第1ノズル横断面 S2 第2ノズル横断面 X1 電極中心軸 X2 ノズル孔軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 曽我美 淳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF30 AG02 AG12 AP12 AP13 AP21 BA04 BA14

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれインクを吐出する複数のノズル
    が板厚方向に貫通して形成されたノズルプレートを有す
    るインクジェットヘッドであって、 上記ノズルプレートは、各ノズルの基端側開口の中心軸
    と先端側開口の中心軸との軸ずれ量についての標準偏差
    が0.4μm以下となるように構成されていることを特
    徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 それぞれインクを吐出する複数のノズル
    が板厚方向に貫通して形成されたノズルプレートを有す
    るインクジェットヘッドであって、 上記ノズルプレートは、各ノズルの基端側開口の中心と
    先端側開口の中心とを結ぶ線が上記ノズルプレートの厚
    み方向中央位置の第1ノズル横断面と交わる第1交点
    と、上記各ノズルの基端側開口の中心と上記ノズルプレ
    ートの厚み方向中央位置よりも先端側所定位置の第2ノ
    ズル横断面の中心とを結ぶ線が上記第1ノズル横断面と
    交わる第2交点との位置ずれ量についての標準偏差が
    0.03μm以下となるように構成されていることを特
    徴とするインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 各ノズルは、先端側開口に連続しかつ孔径が一定のスト
    レート部を有し、 第2ノズル横断面は、上記ストレート部における基端側
    端部のノズル横断面であることを特徴とするインクジェ
    ットヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2において、 各ノズルは、基端側開口が先端側開口に比べて大径とな
    るように形成されていることを特徴とするインクジェッ
    トヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 各ノズルは、孔径が一定のストレート部を有しているこ
    とを特徴とするインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項4において、 各ノズルは、ノズル基端側から先端側に向かって先細に
    形成されたテーパ部を複数有し、 上記複数のテーパ部は、テーパ角度が互いに異なるよう
    に構成されていることを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
  7. 【請求項7】 請求項4において、 各ノズルは、孔径が一定のストレート部と、ノズル基端
    側から先端側に向かって先細に形成されたテーパ部とを
    有していることを特徴とするインクジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 各ノズルは、テーパ部を複数有し、 上記複数のテーパ部は、テーパ角度が互いに異なるよう
    に構成されていることを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
  9. 【請求項9】 請求項4〜請求項8のいずれかにおい
    て、 ノズルプレートの各ノズルは、互いに異なる形状の複数
    の放電電極それぞれによって、該ノズルプレートに対す
    る放電加工を複数工程行うことで形成されていることを
    特徴とするインクジェットヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 ノズルプレートの各ノズルは、各放電電極をその中心軸
    回りに回転させながら放電加工を行うことで形成されて
    いることを特徴とするインクジェットヘッド。
  11. 【請求項11】 請求項9において、 ノズルプレートの各ノズルは、複数工程の少なくとも一
    の工程において、放電電極の中心軸と上記ノズルの孔軸
    とが偏心した状態で一方の軸が他方の軸の回りを回るよ
    うに、上記ノズルプレート及び放電電極のいずれか一方
    を他方に対して相対的に公転させながら放電加工を行う
    ことで形成されていることを特徴とするインクジェット
    ヘッド。
  12. 【請求項12】 請求項1又は請求項2において、 各ノズルから吐出するインクの液滴量が、3pl以下と
    なるように構成されていることを特徴とするインクジェ
    ットヘッド。
  13. 【請求項13】 請求項1又は請求項2において、 各ノズルから吐出したインクが記録媒体に付着したとき
    のドット径が、35μm以下となるように構成されてい
    ることを特徴とするインクジェットヘッド。
  14. 【請求項14】 請求項1又は請求項2において、 ノズルプレートのノズルは、1200dpi以上360
    0dpi以下の密度で配設されていることを特徴とする
    インクジェットヘッド。
  15. 【請求項15】 請求項1〜請求項14のいずれかに記
    載のインクジェットヘッドと、 上記インクジェットヘッドと記録媒体とを相対移動させ
    る相対移動手段とを備え、 上記インクジェットヘッドの各ノズルから記録媒体にイ
    ンクを吐出することによって記録を行うように構成され
    ていることを特徴とする記録装置。
  16. 【請求項16】 請求項15において、 記録解像度が、1200dpi以上3600dpi以下
    となるように構成されていることを特徴とする記録装
    置。
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