JP2003234792A - オフセット周波数検出方法および同期ずれ量検出方法 - Google Patents

オフセット周波数検出方法および同期ずれ量検出方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡略なソフトウェア処理で短時間で同期をとる
ことができる同期ずれ量検出方法およびオフセット周波
数を検出することができるオフセット周波数検出方法を
提供する。 【解決手段】シンボルレートよりも十分に高いレートの
サンブルレートでサンプリングされた信号を直交検波し
て、各サンプル毎の位相系列を求める。各サンプル間の
位相差系列を求め、最も位相差が大きいところをシンボ
ル境界点とする。このシンボル境界点の位置に基づいて
同期ずれ量を求める。このシンボル境界点に基づいてシ
ンボル点を抽出し、シンボル系列を作成する。各シンボ
ル間の位相差を求めこの位相差のヒストグラムに基づい
てオフセット周波数を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、デジタル受信機
等においてベースバンド信号との同期ずれを検出する同
期ずれ量検出方法および復調処理におけるオフセット周
波数検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】デジタル無線受信機の復調部における同
期とは、位相変調された各符号系列を代表するシンボル
系列の時間的な区切りや境界を認識することである。す
なわち、各シンボルを正しく符号に復調するためには、
位相変調されている各シンボルの時間領域を正確に切り
出す必要があり、そのためには各シンボルの境界となる
時刻を正確に知ることが必須の条件となる。
【0003】従来、デジタル受信機の復調部において、
同期手段は、ハードウェア構成、ソフトウェア構成の両
方が実用化されていた。前者の例としてはアナログのP
LL回路などを用いて周波数、タイミングの同期をとる
回路などがあり、後者の例としてはDSPなどマイクロ
コンピュータを用いて処理する方法などが実用化されて
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】アナログのハードウェ
ア構成では、素子の経年変化により特性が維持できなか
ったり、回路の規模が大型化、高コスト化を招来すると
いう問題があった。またソフトウェアによる方法は、演
算量が多いため高速のDSPが必要になるという問題点
があった。
【0005】また、いずれの方式においても、フイード
バック系を基本にしたアルゴリズムで同期をとるため、
通常はある程度の時間で同期に到るもののワーストケー
スでは極端に長時間を要する場合があった。
【0006】また、送信側の搬送波(キャリア)周波数
と受信機側の基準となる発振素子とのずれも同期に関連
して大きな性能劣化の要因になるため、このずれ量の特
定も正確かつ高速に行う必要があるが、従来は検波した
位相情報の移動量を追従するやり方で行われていたた
め、正しい復調ができていることが前提となり追従性能
が十分ではなかった。
【0007】この発明は、簡略なソフトウェア処理で短
時間で同期をとることができる同期ずれ量検出方法およ
び簡略なソフトウェア処理でキャリア周波数と内部発振
器の周波数との差を検出するオフセット周波数検出方法
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、位相値また
は位相変化量によってデジタル値が表現されるデジタル
伝送信号を入力し、このデジタル伝送信号が分布する周
波数帯域のほぼ両端の周波数f1 ,f2 を選択し、この
1 ,f2 における前記デジタル伝送信号のスペクトラ
ム値の比率に基づいて該デジタル伝送信号のオフセット
周波数を検出することを特徴とする。
【0009】この発明は、請求項1の発明において、前
記f1 ,f2 の間隔は、前記デジタル伝送信号のスペク
トラムの減衰領域である遷移帯域κL , κR の中心周波
数の周波数差f0 であることを利用して上記オフセット
周波数を検出することを特徴とする。
【0010】この発明は、上記遷移帯域内で複数組のf
1 ,f2 を選択し、各f1 , f2について請求項1の処
理を実行し、検出されたオフセット周波数を平均化した
値を真のオフセット周波数とすることを特徴とする。
【0011】この発明は、請求項2、3の発明におい
て、間隔がf0 の周波数f1 ,f2 におけるスペクトラ
ム値を乗算して相関値R12を求める処理を、f1 ,f2
をシフトしながら繰り返し行い、相関値R12の値が相対
的に大きいときにf1 およびf 2 が存在していた領域を
遷移帯域κL , κR とし、この遷移帯域の中心周波数f
1 ,f2 を用いてオフセット周波数を検出することを特
徴とする。
【0012】この発明は、請求項2、3の発明におい
て、前記デジタル伝送信号が分布する帯域を含む周波数
帯域においてスペクトラム値が所定値以上のピークfj
(j=1,2,…,N)を抽出し、各ピークfj を中心
とする±f0 /2の周波数領域である推定範囲ψj を設
定し、最も多くの推定範囲が重なり合った周波数から±
0 /2の周波数を前記遷移帯域κL , κR の中心周波
数とする。この手法を大域サーチという。
【0013】この発明は、位相値または位相変化量によ
ってデジタル値が表現されるデジタル伝送信号を入力
し、このデジタル伝送信号が分布する周波数帯域のほぱ
両端の周波数f1 ,f2 を選択し、このf1 ,f2 にお
ける前記デジタル伝送信号のスペクトラム値を乗算した
相関値R12の位相に基づいて該デジタル伝送信号の同期
ずれ量を検出することを特徴とする。
【0014】この発明は、所定の位相変化量によってデ
ジタル値が表現されるデジタル伝送信号を入力し、この
デジタル伝送信号の位相変化が小さい時間領域をシンボ
ル領域として、各シンボル領域からシンボル点を1つず
つ抽出してシンボル系列を作成し、該シンボル系列にお
ける各シンボルの位相値のヒストグラムを作成し、また
は、各シンボル間の位相差を算出してヒストグラムを作
成し、該ヒストグラムにおけるピークと、正しいシンボ
ル点をとったときの位相変化量である前記所定の位相変
化量とのずれに基づいてオフセット周波数を検出するこ
とを特徴とする。
【0015】この発明は、位相値または位相変化量によ
ってデジタル値が表現されるデジタル伝送信号を入力
し、時間領域におけるこのデジタル伝送信号の位相変化
量のピークをシンボル境界点として抽出し、該シンボル
境界点のタイミングにより同期ずれ量を検出することを
特徴とする。
【0016】図1を参照して請求項1〜6の発明につい
て説明する。これらの発明の方法を以下「周波数スイー
プ法」とよぶ。同図は、オフセット周波数があるときに
検波信号のスペクトラムが現れる帯域を示す図である。
この発明は、必ずしもベースバンド信号でなくても中間
周波数やキャリアの周波数を中心とするスペクトルに適
用することも可能であるが、説明を簡略化するために、
以下ベースバンドの信号を例にとって説明する。この帯
域は、受信例のフィルタによって制限されたものであ
り、同図に示すようにオフセット周波数fd を中心とし
てf0 をシンボル周波数とすると、±1/2(1+α)
0 の帯域である。帯域の両端のαf0 の帯域を、フィ
ルタの帯域制限により所定のロールオフ率αで減衰する
遷移帯域κ L , κR とそれぞれ名付ける。ここで、この
左右の遷移帯域κL , κR は、それぞれ幅が同じで、中
心周波数同士がf0 だけ離れている。この両者の領域か
ら互いにf0 だけ離れた周波数をセットにして任意に選
択する。これをf1 ,f2 とする。
【0017】これらf1 ,f2 に着目すると、遷移帯域
では両方ともスペクトルの大きさ(絶対値)が一定であ
り、周波数を上または下にスイープ(シフト)すると、
スペクトルの大きさを符号和スペクトルの大きさで割っ
たものすなわち|R(f)|/|M(f)|が、一方は増加
し、一方は減少する。したがって、これらの周波数の比
率を見ることによって、f1 ,f2 の中間の周波数(f
1 +f2 )/2=f1+f0 /2が求まり、これにより
信号帯域の中心周波数との差fd すなわちオフセット周
波数を検出することができる。
【0018】また、f1 ,f2 を上または下に大きくシ
フトして一方が遷移帯域を外れると、他方は信号帯域で
値を持っても、前記他方は信号帯域を外れて値を持たな
くなる。したがって、両方の積は0になる。このように
両方が値を持つ(一方が0でない)値を求めることによ
り信号帯域の両端を検出することができる。これが請求
項5に示す大域サーチである。これによって信号帯域の
中心、すなわち、オフセット周波数を検出することがで
きる。なお、実際にはノイズが重畳されているため、信
号帯域から外れた領域でも完全に“0”ではないが、信
号帯域のレベルよりも十分に小さいため、レベルを判断
して除外することができる。
【0019】そして、周波数のペアf1 ,f2 を所定の
刻みでスイープしてゆき、各ペアで算出したオフセット
周波数を重み付け平均することによってより正確にオフ
セット周波数を算出することができる。
【0020】次に、図2,図3を参照して請求項7、8
の発明を説明する。図2においてデジタル伝送データに
おいてシンボル点と推定されるサンプルを集めて仮のシ
ンボル列(シンボルの位相値列)θ[n]を作成する。こ
の[n]のレートはシンボルレートf0 である。そして、
この仮のシンボル位相列の差分をとる。ここで例示する
のはπ/4シフト4相位相差変調でデジタル値を表す信
号である。π/4シフト4相位相差変調は、各シンボル
は、前のシンボルから信号位相がπ/4回転したとき
“00”、3π/4回転したとき“01”、−π/4回
転したとき“10”−3π/4回転したとき“11”を
表す。このように前のシンボルからの位相回転量で2ビ
ットのデータを表しているため、理想的なシンボル列の
差分データ列のヒストグラムをとると、同図(B)のよ
うに、−3π/4、−π/4、π/4、3π/4にピー
クを生じる。実際には、推定されたシンボル点が完全に
正確でなく、波形が純っており、また信号にノイズも乗
っているため、同図(C)のように若干ブロードなピー
クとなる。そして、もし、サンプリングされた信号が完
全にベースバンド信号に変換されておらず、オフセット
周波数が乗っている場合、同図(D)に示すようにヒス
トグラムのピークがオフセット周波数分だけ右または左
にシフトする。
【0021】このヒストグラムに対してリファレンス系
列y2 [n] を設定する。このy2 [n] は、ヒストグラム
を作成した分解能と同じ項数を有するものであり、同図
(B)のように丁度±3π/4および±π/4の位相角
でのみ1となるデルタ系列として作成する。
【0022】このリファレンス系列y2 [n] と差分サン
プル列Δθ[n]との相関をとり、相関値のピークを得る
ところでオフセット周波数を検出することができる。
【0023】すなわち、
【0024】
【数1】
【0025】の演算を実行し、その最大値を与えるとき
のkがオフセット周波数に相当する(fd =kΔf、た
だしΔf≡f0 /N)。
【0026】ところで、ソフトウェア処理で図2(A)
のようなシンボル系列を作成するためには、以下のよう
な処理を行えばよい。図3はサンプル系列θ[n] を作成
するまでの手頂を説明する図である。同図(A)におい
て、デジタル信号のシンボルレートf0 よりも充分に高
いサンプルレートfs でサンプリングされたデータを直
交変換して複素データ列I[n] 、Q[n]を作成する。こ
れによって各サンプリングタイミングにおける位相と振
幅を求めることができる。ここでは、上記実数部データ
列I[n] 、虚数部データ列Q[n]に基づいて位相ψ[n]
を求める。そして、隣接するサンプル間の位相値の差分
Δψ[n]を求める。すなわち、このΔψ[n] がψ[n] の
サンプルからψ[n+1]への位相変化量である。
【0027】ここで、デジタル伝送データは、同図
(B)のように波形が若干純っているにしても、シンボ
ルとシンボルの境界で大きく位相が変化し、シンボル区
間内での位相変化は相対的に小さい。とすると、Δψ
[n]が極大になっているサンプル付近がシンボル境界で
あると予想できる。そこで、サンプル境界毎、すなわち
(サンブルレート)/(シンボルレート)毎に1の値を
有するデルタ数列であるリファレンス系列y1 [n] を設
定し、このリファレンス系列y1 [n] と上記の位相差分
データ列の絶対値|Δψ[n]|との相関をとる。すなわ
ち、
【0028】
【数2】
【0029】の演算を実行し、Rの最大値を与えるkに
よりシンボル境界点したがってシンボル点を求めること
ができる。つまり、シンボル境界点とシンボル境界点の
中間がシンボル点であると決定することができる。
【0030】具体的には、リファレンス系列y1 [n] を
サンプリングの開始時点がシンボル境界点であると仮定
した時のデルタ列にしておくことにより、デジタル伝送
信号と内部回路のサンプリング開始点との同期ずれ量を
検出することができる。
【0031】なお、リファレンス系列y1 [n] は、シン
ボル2周期分以上用意し、相関のピークをサーチする区
間は1周期程度でよい。
【0032】
【発明の実施の形態】図面を参照してこの発明について
説明する。図4はこの発明が適用されるデジタル受信機
のブロック図である。このデジタル受信機は、キャリア
信号に重畳されたπ/4シフトQPSK信号を受信する
受信機である。アンテナ1で受信されたキャリアに重畳
されたデジタル信号はアンプ2で増幅されるとともに、
フィルタ3によって目的の信号周波数帯域のみが切り出
される。切り出された帯域の信号は、周波数変換回路4
においてAD変換可能な周波数にまで通常ダウンコンバ
ートされる。そして、このダウンコンバートされた信号
がAD変換器5によってデジタルデータに変換される。
すなわち、所定のサンプリング周波数でサンプリングさ
れたサンブルデータに変換される。このサンブルデータ
は、DSP6に入力される。DSP6ではこの信号を直
交検波してI,Qの複素ベースバンド信号に変換すると
ともに、この複素ベースバンド信号の同期・オフセット
周波数を検出し、これを補正しながら信号を復調出力す
る。なお、AD変換器5のサンプリング周波数は受信さ
れるデジタルデータのシンボルレートよりも十分に高く
とる。
【0033】図5は前記DSP6の機能を表すブロック
図である。AD変換器5でサンプリングされたデジタル
データは、デジタルメモリ11に蓄えられる。このデジ
タルメモリ11に蓄えられたデジタルデータを直交検波
部12が順次読み出して検波し、ベースバンドの複素デ
ータ(I,Qデータ)に変換する。そして、このI,Q
データを用いて復調部16が目的のデジタルデータを復
調するが、上記I,Qデータに変換された受信信号のシ
ンボル点は未知であり、また、前記周波数変換回路4の
ビート信号の周波数やAD変換器5のサンプリング周波
数などのずれによってベースバンドに変換されているは
ずのI,Qデータにオフセット周波数が生じている可能
性がある。そこで、同期・オフセット周波数検出部15
が、上記I,Qデータのサンプル点(サンプル境界)を
検出するとともに、オフセット周波数を検出して、復調
部16に入力し、復調部16は、入力されたサンプル点
の信号を用い、オフセット周波数を修正しながらデータ
を復調する。
【0034】以下、上記同期・オフセット周波数検出部
15が実行するオフセット周波数および同期ずれ量の検
出方法について説明する。検出方法としては、周波数ス
ィープ法およびヒストグラム法があり、順次その方法に
ついて説明する。
【0035】最初に「周波数スイープ法」について説明
する。まず、図6を参照して、周波数スイープ法による
オフセット周波数推定の原理について説明する。同図
は、オフセット周波数があるときの検波信号スペクトラ
ムを示す図である。検波信号であるI,Qデータのフー
リエスペクトラムを計算すると、オフセット周波数が存
在すれば、同図のように、スペクトラムがその分だけベ
ースバンドからシフトする。ここで、検波帯域とは、F
FT後に検波信号(ベースバンド)が占有する帯域を指
すものとし、
【0036】
【数3】
【0037】で表される領域をいうものとする。
【0038】また、ヌル帯域は、全(0からサンプリン
グ周波数)帯域の中で検波帯域以外の帯域を指すものと
し、
【0039】
【数4】
【0040】で表される領域をいうものとする。
【0041】遷移帯域は、ルートナイキストフィルタ等
によってスペクトラムが減衰される領域を指すものと
し、
【0042】
【数5】
【0043】
【数6】
【0044】で表される領域を指すものとする。図6に
示すように、これらの帯域はオフセット周波数を含むた
め、オフセット周波数の値に応じて上下に変化するもの
である。
【0045】検波信号のスペクトラムは、オフセット周
波数を中心にして図中左右に1/2(1+α)f0 ずつ
拡がって検波帯域に存在する。また、雑音の成分は全帯
域にわたって存在すると考えられるから、ヌル帯域にお
いてもスペクトラムの値は完全に0ではない。検波帯域
内のスペクトラムの絶対値(振幅)は、信号に含まれる
各シンボルの位相値によって決まり、必ずしも検波帯域
の中心でピークを得るとは限らない。
【0046】ここで、図6に示すスペクトラムの遷移
(周波数)帯域に注目すると、左右の領域κL , κ
R は、それぞれ幅が同じで、中心周波数同士がf0 だけ
離れているので、この両者の領域から互いにf0 だけ離
れた周波数をセットにして選択する。これをf1 ,f2
とすると一般に、
【0047】
【数7】
【0048】と表現できる。
【0049】このf1 ,f2 でのスペクトラムの値同士
は、後述するように一定の(相関・比率)関係を持って
いる。一方、f1 ,f2 のいずれか一方または両方が遷
移帯域以外の領域にあるときには雑音のランダムなふる
まいによって上記一定の関係を持ちえない。それゆえ、
0 だけ離れた2つの周波数でのスペクトラム値を、周
波数軸上をスイープしながら相関計算することで遷移帯
域を見つけることができる。またさらに、上記一定の比
率関係を利用して「f1 ,f2 の中間値である仮のオフ
セット周波数fdsが、真のオフセット周波数fd とどれ
だけずれているか」を計算することもできる。
【0050】ここで、もしノイズが0の理想的な受信信
号であれば、f1 ,f2 での振幅スペクトラム値の比率
関係のみを利用してオフセット周波数を推定することが
できる。しかし、図6に示してあるように、実際の通信
路には雑音が重畳されているために、検波信号スペクト
ラムも全帯域に亘って雑音がランダムに存在し、ヌル帯
域においても振幅スペクトラムは0にならない。このた
め、いきなりf1 ,f 2 における振幅スペクトラム値の
比率に基づいたオフセット周波数の推定を行うと誤差が
大きく、遷移帯域の検出を誤る可能性がある。そこで、
手続きとして、まず遷移帯域をさがす大域サーチを実行
し、遷移帯域が検出されたのち、オフセット周波数を推
定するための詳細サーチを実行することにより、ノイズ
に強い方法を実現している。
【0051】上記大域サーチ、詳細サーチのうち、まず
大域サーチについて説明する。大域サーチには、相関計
算による方法とピーク検出による方法があるが、ここで
は相関計算による大域サーチについて説明する。
【0052】ここで図5に示すようにI,Qデータを一
定時間蓄えて、FFTなどの信号処理することを考え
る。そのFFTデータR(f)の理論近似式を、以下に
示す。ノイズはないものとする。
【0053】
【数8】
【0054】
【数9】
【0055】ただし、 G:蓄えられたデータ内に含まれるシンボル数 θ[n]:データ内に含まれているシンボルに対応して決
められている位相値の系列 T0 :シンボル周期(f0 -1) V:同期のずれ量 fd :オフセット周波数 φ:搬送波に対する局部発振信号の位相差 である。
【0056】ここで、位相差は、受信した搬送波の基準
時間に対して受信側の局部発振器やADサンプリングの
基準時間のずれによって生じるものであり、R0(f)はオ
フセット周波数がないときの受信検波信号のフーリエス
ペクトラムを表す式である。また、 s(T0 f)≡sinc(T0 f )H(f) ≡H(f)・sin(πT0 f)/πT0 f である。
【0057】ただし、H(f)は、送信側で掛けられて
いるルートナイキストフィルタ等のシステム関数であ
り、帯域幅をf0 、ロールオフ率をαとする。図7にル
ートナイキストフイルタの特性グラフの例を示してお
く。このフィルタの伝達関数は、
【0058】
【数10】
【0059】となる。一般的なルートナイキストフィル
タは信号帯域に対して20パーセント程度のロールオフ
率を有している。ただし、このフィルタのシステム関数
の形は本発明に制限を与えるものではない。
【0060】ここで、式〔8〕のΣの因子をM(f)と
し、これを符号和スペクトルと呼ぶことにする。すなわ
ち、
【0061】
【数11】
【0062】であり、これは伝送されてきたシンボルの
位相系列θ[n]を偏角とする複素単位ベクトルをfとn
で決定される角度[−2πf(n+1/2)T0 ]だけ
回転させたもの(図8参照)を足しあわせたものであ
る。
【0063】ここで、f0 離れた2つの周波数f1 ,f
2 (f2 =f1 +f0 )を考える。
〔9〕式を用いてf
1 ,f2 におけるスペクトラム値を求めると、
【0064】
【数12】
【0065】となる。すなわち、f0 離れた2つの周波
数における周波数スペクトラムは、符号和スペクトルが
(逆符号で)一致していることから、位相角の差は常に
θv+πであり絶対値が0でないかぎり複素的に相関を
有している。すなわち、両者(片方は複素共役)の積r
12をとると、
【0066】
【数13】
【0067】となる。関数s(Tf)が帯域が制限され
ていて、その帯域以外では0であることから、上式はf
1 ,f2 が下記の遷移領域にあるときのみ0でない値を
とりうる。
【0068】
【数14】
【0069】ここで、αはロールオフ率である。上式で
明らかなように、式〔13〕で得られる積は、オフセッ
ト周波数fd をはさんで、f1 とf2 が、
【0070】
【数15】
【0071】
【数16】
【0072】にあるとき、そこでの符号和スペクトルが
0でなければ一定の値をもち、上2式が満たされない領
域では0になる。このようにスペクトラム同士が相関を
有するのは、f1 とf2 のペアがαf0 の幅をもつ遷移
帯域にあるときだけであることがわかる。しかも、式
〔13〕をみると、遷移帯域では、f1 とf2 の値に関
係なく同期ずれ量θv のみに依存する値になっている。
したがって、遷移帯域内で色々なf1 とf2 のペアを選
んで、上記r12を計算し、これらを足しあわせれば大き
なベクトルになることが予想される。
【0073】すなわち整数Bを遷移帯域の分割数とし
て、
【0074】
【数17】
【0075】を求める。こうすると、f1s
【0076】
【数18】
【0077】を満たすときには、式〔17〕の全ての項
が非零となる可能性を持ち、かつ、同じ偏角(θv
π)を有するので、大きな値を得るだろうと予想でき
る。
【0078】このように、この方法によれば、式〔1
7〕に表現された相関計算を行うことによってオフセッ
ト周波数の存在範囲の特定(大域サーチ)を行うことが
できる。式〔17〕で使用されるB個のf1nの系列が作
る周波数の範囲[f1s,f1s+αf0 ]をκLEとする
と、ノイズが含まれていないことを前提として、 κLEがκL に完全に一致しているときは十分大きな相
関値RI2が期待できる κLEがκL に一部重なっているときは大きな相関値R
12になるかもしれないし、小さな値になるかも知れな
い。これは符号和スペクトルM(f)の値による κLEがκL に全く重なっていない場合は相関値R12
0となる これは受信信号にランダムなノイズが含まれているとき
でも同様である。
【0079】算出されたR12を上記条件に当てはめるこ
とで、f1sがκL の範囲に対してどういう関係にあるか
を推定することができる。なお、上記の条件と条件
に相当するf1sの範囲は式〔15〕が示している。そこ
で、式〔17〕による計算を周波数f1sを変えながら行
うことにより、図9の「f1sのスイープと、相関値R 12
の遷移の例を示す図」に示すように、±αf0 の範囲の
不確定性でオフセット周波数を推定することができる。
そして、相関値R12の位相角θR12 に基づいて同期ずれ
量を割り出すことができる。
【0080】f2 におけるスペクトルの位相値∠R+
ら、f1 におけるスペクトルの位相値∠R- を減算した
値は同期ずれ量を表しており、f1 ,f2 のスペクトル
の位相値に基づいて検波信号と内部回路の同期ずれ量θ
v を割り出すこともできる。すなわち、 (∠R+ −∠R- )=θv −π である。
【0081】ここで、フィルタの関数s(T0 f)は特
に決められたものでなくてもよいことに注意したい。す
なわちフィルタの特性がどのようなものであっても上記
した方法を利用することができる。s(T0 f)が実
数、すなわち直線位相フィルタであるなら、全く同様の
方法でよいし、非直線フィルタであればその位相の周波
数特性が既知であれば上式θv −πに若干の修正を加え
ることでオフセット周波数と同期ずれを算出することが
できる。
【0082】次に、大域サーチのもう一つの方式である
ピーク検出法について説明する。この方法は、まずスイ
ープする帯域で一定水準以上のFFTスペクトラム振幅
を与える周波数候補をさがし、その中からさらに周波数
を選択する。そして、それらからおおまかなオフセット
周波数の推定を行うものである。
【0083】まず周波数候補選択を選択する。スィープ
範囲内で、スペクトラムの絶対値が一定水準以上あるよ
うな周波数を見つけて、(符号付きで)小さい順に、
【0084】
【数19】
【0085】とする。このとき、オフセット周波数fd
は、
【0086】
【数20】
【0087】の範囲にあると考えられる。なお、上記し
た「一定水準」は、前提としている最大の平均ノイズレ
ベルより十分大きくとっておく。
【0088】つぎにトリム処理を行う。〔20〕式によ
る大域サーチは単純だが、隣接チャンネルの妨害波が大
きなレベルで存在している時などには、このノイズのレ
ベルも検出してしまって式〔19〕の周波数の要素に加
えられるため、式〔20〕の範囲は拡がってしまいサー
チの効果がでない。これに対応するためには、得られた
周波数の系列から矛盾する周波数の要素を取り除くこと
により、ノイズ成分を除去する。そこで、まず、上記の
周波数候補の選択処理で得られたN個の周波数系列を周
波数の絶対値が小さい順にならべかえて、
【0089】
【数21】
【0090】の数列を作成する。各周波数fj (j=
1,2,3,…,N)に対しては、
【数22】
【0091】というオフセット周波数fd の推定範囲が
得られる。
【0092】そこでこの推定範囲を用いて、ノイズ成分
を除去し、オフセット周波数fd を推定するために以下
の処理を実行する。各周波数fj (j=1,2,3,
…,N)に対応する推定範囲ψj(j=1,2,3,
…,N)を重ね合わせ、最も多数の推定範囲が重なり合
った共通周波数範囲にオフセット周波数fd が存在する
とする。そして、この共通周波数範囲に推定範囲ψが重
ならない周波数fのスペクトラムはノイズであると判断
する。または、図10のフローチャートに示すように、
j=1から順に推定範囲を求めてゆき、前回得られた範
囲に共通する部分だけを選びだし徐々にその範囲を狭め
てゆくと、幾つかは全く共通する部分がないψj が出て
くる。これを除外して最終的に絞られた範囲を大域サー
チの結果とする。オフセット周波数fd は上記共通周波
数範囲の中心とするか、または、共通周波数範囲を含む
推定範囲ψの周波数fおよびそのスペクトルの絶対値を
重み付け平均して求めればよい。そして、この推定され
たオフセット周波数fd を式〔5〕に適用することによ
って遷移帯域を求めることができる。
【0093】以上の大域サーチの処理によって信号帯域
(遷移帯域)を検出したのち、以下の詳細サーチを実行
し、正確なオフセット周波数を求める。
【0094】詳細サーチでは、大域サーチで得られた推
定遷移帯域を利用するとともに、f 0 離れた2つの周波
数f1 ,f2 (f2 =f1 +f0 )でのFFTデータ値
を再度利用する。
【0095】まず簡単に詳細サーチの原理を述べる。
【0096】 f1 ,f2 におけるFFTデータは、
符号和スペクトルが絶対値において一致するので、両者
の絶対値の比率は関数s(T0(f−fd ))の値の比で決
定される。
【0097】 したがって、スペクトラムの絶対値の
比率はオフセット周波数からのズレに関する情報を含ん
でおり、この方程式を解くことでオフセット周波数を求
めることができる。
【0098】すなわち、大域サーチで得られた推定遷移
帯域κL , κR の中から一定以上のスペクトラム絶対値
を与えるf1 ,f2 のペアを1組取り出すことで、オフ
セット周波数の推定計算をすることができる。
【0099】 ノイズが含まれていることを考慮する
と計算に供するペアは複数組あったほうが好ましいた
め、推定される遷移領域κL , κR の範囲で一定水準以
上の絶対値を与えるすべてのf1 ,f2 に対して上記の
推定計算を行い、平均化することにより精度よくオフセ
ット周波数fd を決定することができる。
【0100】以下詳細サーチを手順を追って説明する。
【0101】f1 ,f2 におけるスペクトラムを再掲す
ると、
【0102】
【数23】
【0103】
【数24】
【0104】
【数25】
【0105】ただし、
【0106】
【数26】
【0107】
【数27】
【0108】式〔25〕から2つの周波数f1 ,f2
おけるFFTデータ絶対値の比は、f1 ,f2 ,f3
て決定されることがわかる。このうち、f0 とf1 は既
知であるから、η12がわかれば逆にfd を求めることが
できる。これを利用してオフセット周波数の算出方程式
を導出する。
【0109】まず、以下のように変数変換を施して式の
簡単化をはかる。
【0110】f1 ,f2 はf0 離れた検出用周波数であ
り、これらから得られる暫定的なオフセット周波数f
est は、
【0111】
【数28】
【0112】であたえられる。これと実際のオフセット
周波数の差をΔfとすると、
【0113】
【数29】
【0114】となる。すなわち、Δfとは、f1 ,f2
の平均値と真のオフセット周波数との差である。したが
って、あるf1 ,f2 のペアに対してΔfがわかれば、
オフセット周波数を推定することができる。
【0115】つぎに、ΔfをΔθに変換することを考え
る。ルートナイキストフィルタのシステム関数は、式
〔23〕によると、H(f1 −fd )という形式で式に
反映している。つまり、帯域κL , κR でシステム関数
H(f1 −fd )は周波数fの係数がπ/(2αf0
の余弦カーブである(式〔27〕参照)。この帯域の周
波数を角度Δθに対応させて表現する。κL の左端を−
π/4,κL の右端を+π/4、κL の範囲の中心点を
0なる角度に対応させると、式〔27〕を参照して、f
1 と角度Δθとの関係式、
【0116】
【数30】
【0117】が得られ、前項のΔfを用いてオフセット
周波数の誤差を角度Δθで表現するならば、
【0118】
【数31】
【0119】となる。
【0120】次に、上記Δθを用いて式〔25〕のη12
の分母分子を変換する。
【0121】
【数32】
【0122】したがって、
【0123】
【数33】
【0124】を得る。
【0125】以上のように変換することにより、FFT
データ絶対値の比率η12と暫定オフセット周波数のずれ
Δf(Δθ)との間の関係式が導出できる。よって、η
12cΔθ→Δf→fd という順にオフセット周波数を求
めることができる。式〔33〕を変形すると、
【0126】
【数34】
【0127】これは、Δθについて解析的に解くことが
できない。そこで、近似的に解を求めることにする。
【0128】今前提にしているΔθの値の範囲は式〔2
7〕,式〔30〕から分かるように、
【0129】
【数35】
【0130】である。また、式〔29〕を変形して、次
式を得る。
【0131】
【数36】
【0132】これからΔθの限界値(式〔35〕のΔθ
の最大、最小時)での周波数を求めると、
【0133】
【数37】
【0134】
【数38】
【0135】が得られ、式〔35〕が遷移帯域に対応し
ていることが分かる。その時、FFTデータ絶対値は、
それぞれ、
【0136】
【数39】
【0137】となる。すなわち、遷移帯域κL をf1
正方向にスィープするとき、FFTデータ絶対値は、s
()関数(式〔26〕)に基づいて0から1へなだらかに
漸増する曲線(包絡線)に、それぞれの符号和スペクト
ル×T0 を掛けあわせた値を有する。一方、遷移帯域κ
R をf2 が正方向にスィープするとき、FFTデータ絶
対値は、s()関数に基づいて1から0へなだらかに漸減
する曲線(包絡線)に、それぞれの符号和スペクトル×
0 を掛けあわせた値を有する。
【0138】上式によると、Δθ=−π/4の時は|R
(f2)|は一般に非ゼロであるが、|M(f1)|はゼロにな
る。また、Δθ=+π/4の時は|M(f1)|は一般に非
ゼロであるが、|R(f2)|はゼロになる。したがって、
式(6-44)の範囲でも端の方はFFTデータスペクトラム
値は|R(f1)|,|R(f2)|のどちらかが大変小さい値
になりノイズの影響を受けやすく比率η12は信頼できな
い指標になる。そこで、ノイズを含んでも利用できるよ
うな十分大きなFFTデータスペクトラム値を与えるΔ
θの範囲を考えて、
【0139】
【数40】
【0140】という条件を前提にすることにする。この
範囲では上記包絡線係数s()は最低でも0.4程度にな
り、η12は、大体[1/3<η12<3]の範囲の値をと
る。そしてこの範囲では、θ≒tanθとしてθが0と
±π/8のときのtanθのグラフ値を直線で結ぶこと
により、以下の近似式が成立する。
【0141】
【数41】
【0142】これを式〔34〕に代入して2次方程式を
作る。
【0143】ζ=1.055Δθ とおいて、
【0144】
【数42】
【0145】
【数43】
【0146】となる。
【0147】ここで、η12≒1の場合を考える。この場
合、Δθ≒0になるため、式〔43〕の第1項を無視す
ることができ、
【0148】
【数44】
【0149】となる。
【0150】またη≠1の場合には、
【0151】
【数45】
【0152】
【数46】
【0153】とおくと、
【0154】
【数47】
【0155】が得られる。この後、式〔31〕から、
【数48】
【0156】となり、以上の演算により、比率η12から
その時のf1 ,f2 が前提とするオフセット周波数の真
値とのずれΔf(Δθ)を求めることができる。
【0157】以上、原理と計算方法について説明した
が、式〔44〕,式〔47〕,式〔48〕による解は、
特定のf1 ,f2 の1セットについてひとつ得られるも
のである。実際にはノイズの影響などがあるため、でき
るだけたくさんの周波数で式〔33〕を解いて多くのオ
フセット周波数候補を選び、それらに基づく演算結果を
総合してオフセット周波数を求めることがのぞましい。
【0158】図11は、複数の周波数ペアf1 ,f2
ついて上記演算を行い、重みつき平均をしてfd を算出
する処理を示すフローチャートである。
【0159】同図において、まずオフセット周波数の候
補値fC とスペクトラム値R1 ,R 2 の積和レジスタ
F、スペクトラム値R1 ,R2 の重みレジスタwを0に
リセットし、ステップ数レジスタJに1をセットする
(sl)。そして選択されたf1,f2 に対応するスペ
クトラム値R1 =|R(f1)|、R2 =|R(f2)|を算出
する(s2)。算出されたスペクトラム値R1 ,R2
レベルを判断する(s3)。スペクトラム値R1 ,R2
のいずれか一方でも一定レベル以下であれば、ノイズの
影響が大きく信頼できる値が期待できないとして、その
計算結果は捨ててs5に進む。R1 ,R2 がともに一定
レベルを超えている場合には、ノイズの影響が少ないデ
ータであるとして、s4に進んでオフセット周波数の推
定演算を行う。
【0160】s4では、これに基づいてオフセット周波
数の候補fC を算出し、レジスタFにオフセット周波数
の候補値fd にスペクトラム値R1 ,R2 の積を重みと
して掛けて蓄積し、レジスタwにスペクトラム値R1
2 の積を蓄積する。ここで、Fは重みつきfC の和で
あり、wは重みの和である。
【0161】以上の処理がステップ数JがNになるまで
繰り返し実行する(s6)。そして、J=1〜Nまで積
算されたFをwで除算(重み付き平均)することによっ
てオフセット周波数fd (fofs )を割り出す(s
7)。
【0162】以上が周波数スィープによるオフセット周
波数推定法であるが、π/4シフトQPSKの場合、従
来のフィードバックによる方法の検出範囲が[−fo
8,+fo /8]であるのに対し、本方式では、チャン
ネルの有する帯域fH に対して[−fH /2,+fH
2]の検出範囲を有しており、当然fH >fo であるた
め4倍以上の飛躍的に広範囲の検出能力を実現すること
ができる。
【0163】本方式は、ベースバンドのスペクトラムが
遷移領域で一定以上のパワーを有していることを前提と
しているが、一般にデジタル通信では、コードにスクラ
ンブルを掛けるなどして偏りが少なく繰り返し性の少な
い符号を伝送するようにしているため、50シンボル程
度以上のシンボル数で処理をすれば精度よくオフセット
周波数を検出することができる。
【0164】《ヒストグラム法によるオフセット周波数
推定》以下、ヒストグラムを利用したオフセット周波数
の推定方法について説明する。この相関法も上記周波数
スィープ法と同様に、サンプリングデータを直交検波し
たI,Qデータを読み込んでそのオフセット周波数およ
び同期ずれを検出するものである。まず、このI,Qデ
ータから各サンプルの位相系列ψ[n]と位相差分系列Δ
ψ[n]を構築する。
【0165】図12は、各サンプル毎の位相角系列ψ
[n]および位相差分系列Δψ[n]を示す図である。ま
ず、検波I,Qデータから各々の時刻における位相を計
算する。
【0166】
【数49】
【0167】検波データのサンプリング周波数fs は、
上述したようにシンボルレート(=fo )よりも十分に
大きいためノイズがなければψ[n]系列はゆるやかに変
化する。Nは、サンプル総数であり、G個のシンボルに
対応するサンプル数は、
【0168】
【数50】
【0169】となる。ただし、 [x] xを超えない最大
の整数を表す。
【0170】次に位相差分として、次の値を計算する。
【0171】
【数51】
【0172】以上の処理で位相系列ψ[n]と位相差分系
列|Δψ[n]|を作成することができる。
【0173】以降の手続きを概説すると、 まず、位相差分系列|Δψ[n]|からラフな同期ずれ
を検出し、 この同期ずれと位相系列ψ[n]から各シンボル点に最
も近いサンプル点を抽出した仮のシンボル系列θ[n]を
抽出し、 そのθ[n]の差分系列Δθ[n]からオフセット周波数
を推定する。
【0174】なお、ここで用いるシンボル系列のθは、
上述した周波数スィープ法における位相角θ,Δθ,θ
v とは異なる意味を持つ値である。
【0175】以下、相関法の具体的手続きを手順を追っ
て説明する。まず、ラフな同期ズレを検出する。
【0176】ここで、受信信号はシンボル境界において
相対的に大きく位相が変化するため、位相差分系列|Δ
ψ[n]|は、シンボル境界付近で相対的に大きな値をと
り、このピークの周期はシンボルレートと同じ周期T0
=1/f0 である。オフセット周波数が0の時の位相差
分系列をΔψ0 [n] とすると、オフセット周波数fd
あるときの位相差分系列Δψd [n] は、
【0177】
【数52】
【0178】で表される。
【0179】このように|Δψ[n]|のピークの繰り返
し周波数は、f0 =T0 -lであることが予め分かってい
るから、相関計算用のデルタ系列y[n]を以下のように
定義する。
【0180】
【数53】
【0181】これは、値1の繰り返しの周期がT0 で、
サンプルレートがfs であるため、“1”の項と次の
“1”の項との間に[(fs /T0 )]−1の“0”の項
を有する系列である。
【0182】そして、|Δψ|とy[n]の相関をとる。
【0183】
【数54】
【0184】こうして得られた相関のピークをさがす。
このピーク位置は同期ずれの指標になっている。ピーク
をサーチするkの範囲はfs /f0 個程度でよい。すな
わち、シンボル1周期分あればよい。
【0185】このピークを与えるkを{0,1,2,
…,fs /f0 }の中のひとつkp とすると、粗くでは
あるが同期ずれVは次式で得られる。
【0186】
【数55】
【0187】Vの精度はシンボルレートに対するサンプ
リング周波数の大きさ、すなわちf s /f0 によって決
まる。このVをラフな同期ずれと呼び、オフセット周波
数を求めるのに用いる。
【0188】このラフな同期ずれVが検出されると、検
波データの位相系列ψ[n]の中から最もシンボル点に近
い点だけをT0 毎にとりだして(仮の)シンボル点の位
相系列を作成する。図13は、検波データの位相系列ψ
[n]から(仮の)シンボル点の位相系列θ[n]を抽出す
る処理を説明する図である。同図において、まずψ[n]
の系列からT0 毎にシンボル点に最も近いと思われる点
を選びだすと、その配列添え字は、
【0189】
【数56】
【0190】となる。ただし、[x]はxをこえない最大
の整数を表わす。こうして得られたnnを添え字として使
って、新たな系列θ[n]を作成する。
【0191】
【数57】
【0192】すなわち、系列θ[n]は系列ψ[n]の部分
集合であり、シンボル点に近いと思われる点だけを定期
的にサンプリングして得られたものである。さらに、こ
の系列θ[n]の差分系列をとると、
【0193】
【数58】
【0194】となる。つまり、Δθ[n]はシンボル毎の
位相角の遷移量を表わしており、PSKの変調方式に依
存して(複数の)特定の値をとることになっている。た
とえば、π/4シフトQPSKの場合には、+π/4、
+3π/4、−π/4、−3π/4の値をとる。ただ
し、前述したようにオフセット周波数の存在する場合に
は、上記遷移量にそのオフセット周波数分のバイアスが
かかっている。取り出したシンボル点の位相系列θ[n]
の全てについて遷移量Δθ[n]を算出し、これを横軸に
遷移角度、縦軸にその現出頻度というヒストグラムh
[n]で表すと、図14のように特徴あるパターンを得る
ことができる。このヒストグラムは、Δθ[n] を[−
π,π]に正規化し、この区間を間隔Δλ毎に分割して
Δθ[n]から作成する。
【0195】なお、ヒストグラムが同図のような特徴あ
るパターンになるためには、 十分なシンボル数(サンプリングする数Nを十分増や
して統計的な傾向が得られるようにすること) 符号間干渉がないこと(検波時に適用されるフィルタ
によって符号間干渉が排除され、検波位相データψ[n]
から選ばれたシンボル点系列θ[n]が送信変調時に意図
した位相遷移と同等の位相遷移量として保存されている
こと、また、受信側でルートナイキストフィルタをかけ
ない場合はロールオフ率αがある程度大きいこと) 十分なオーバーサンプリング(fs2≫f0 )が実現さ
れていて、式〔56〕で選んだnnが真のシンボル点に
十分近いこと) などの条件が実現されるようにすることが望ましい。
【0196】QPSKの場合、図14に示したヒストグ
ラムから4つのピークの位置を知ることでオフセット周
波数の量を推定することができる。すなわち、オフセッ
ト周波数が0の時は4つのピークは、上述の(−3π/
4、−π/4,+π/4,+3π/4)に存在し、オフ
セット周波数がfd ならば、fd に対する位相ずれ量で
ある2π(fd /d0 )=Dとおいて、(−3π/4+
D、−π/4+D、+π/4+D、+3π/4+D)に
存在する。
【0197】相関を使ってピーク位置を割り出すため
に、図15に示すようなデルタ関数列を定義する。この
関数列は、
【0198】
【数59】
【0199】と表現され、オフセット周波数が0である
ときの各シンボル間の遷移角、すなわち(−3π/4,
−π/4,+π/4,+3π/4)のところでのみ値を
もつような関数である。実際にはヒストグラムの横軸
(位相遷移角)は間隔Δλの離散的な値であるから、こ
のw(φ)も離散的に定義しなおし、それをw[n](周
期長Aの周期系列)とすると、
【0200】
【数60】
【0201】Δλ:ヒストグラムの横軸(遷移位相角
度)間隔 となる。h[n]を得られたヒストグラムとして、相互相
関Rhw[k]は、
【0202】
【数61】
【0203】と定義される。
【0204】この相互相関Rhw[k]のピークをあたえる
ポイントをkp とすると、オフセット周波数はRhw[k]
のピーク位置を用いて以下のように求めることができ
る。
【0205】
【数62】
【0206】また、式〔61〕から、ピークをサーチす
る範囲は、
【0207】
【数63】
【0208】である。すなわち、kΔλが[−π/4,
π/4]の範囲をサーチすればよい。
【0209】ここで得られた位相とは、オフセット周波
数によって1シンボル分の時間あたりに進む位相角度を
意味するから、位相が最大で±π/4移動するというこ
とは、周波数に直して言うと、
【0210】
【数64】
【0211】となり、この範囲でオフセット周波数を検
出することができる。
【0212】この方式では、FFTを使わないことと、
相関計算も1との掛け算しかないことなどにより、演算
処理が容易であり処理時間も短い。
【0213】
【発明の効果】以上のようにこの発明の周波数スィープ
法によれば、繰り返し処理でなく1回の処理で同期ずれ
量およびオフセット周波数を検出することができるた
め、従来の方式にくらべて高速処理が可能になる。ま
た、オフセット周波数を従来よりも広い範囲で検出でき
る利点も生じる。
【0214】また、この発明のヒストグラム法によれ
ば、FFTを用いない極めて簡略な演算でオフセット周
波数および同期ずれを高速に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明である周波数スィープ法を説明する図
である。
【図2】この発明である相関法を説明する図である。
【図3】この発明である相関法を説明する図である。
【図4】この発明が適用されるデジタル受信機の構成図
である。
【図5】同デジタル受信機のDSPの機能ブロック図で
ある。
【図6】オフセット周波数を有する信号検波信号のスペ
クトラムを示す図である。
【図7】ルートナイキストフィルタの特性を示す図であ
る。
【図8】符号和スペクトルの各要素を示す図である。
【図9】f1sのスィープと相関値R12の遷移の例を示す図
である。
【図10】大域サーチのサーチ結果を求める処理手順を
示すフローチャートである。
【図11】詳細サーチの手順を示すフローチャートであ
る。
【図12】相関法における各サンプル毎の位相系列ψ
[n]および位相差分系列Δψ[n]を示す図である。
【図13】サンプルの位相系列ψ[n]からシンボル系列
θ[n]を抽出する処理を説明する図である。
【図14】位相変化量Δθ[n]のヒストグラムを示す図
である。
【図15】デルタ関数列の例を示す図である。
【符号の説明】
6…DSP 11…デジタルメモリ 12…直交検波部 13…実数データレジスタ 14…虚数データレジスタ 15…同期・オフセット周波数検出部 16…復調部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相値または位相変化量によってデジタ
    ル値が表現されるデジタル伝送信号を入力し、このデジ
    タル伝送信号が分布する周波数帯域のほぼ両端の周波数
    1 ,f2 を選択し、このf1 ,f2 における前記デジ
    タル伝送信号のスペクトラム値の比率に基づいて該デジ
    タル伝送信号のオフセット周波数を検出するオフセット
    周波数検出方法。
  2. 【請求項2】 前記f1 ,f2 の間隔は、前記デジタル
    伝送信号の減衰領域である遷移帯域κL , κR の中心周
    波数の周波数差f0 である請求項1に記載のオフセット
    周波数検出方法。
  3. 【請求項3】 上記遷移帯域内で複数組のf1 ,f2
    選択し、各f1 , f2について請求項1の処理を実行
    し、検出されたオフセット周波数を平均化した値を真の
    オフセット周波数とするオフセット周波数検出方法。
  4. 【請求項4】 間隔がf0 の周波数f1 ,f2 における
    スペクトラム値を乗算して相関値R12を求める処理を、
    1 ,f2 をシフトしながら繰り返し行い、相関値R12
    の値が相対的に大きいときにf1 およびf2 が存在して
    いた領域を遷移帯域κL , κR とする請求項2または請
    求項3に記載のオフセット周波数検出方法。
  5. 【請求項5】 前記デジタル伝送信号が分布する帯域を
    含む周波数帯域においてスペクトラム値が所定値以上の
    ピークfj (j=1,2,…,N)を抽出し、 各ピークfj を中心とする±f0 /2の周波数領域であ
    る推定範囲ψj を設定し、 最も多くの推定範囲が重なり合った周波数から±f0
    2の周波数を前記遷移帯域κL , κR の中心周波数とす
    る請求項2または請求項3に記載のオフセット周波数検
    出方法。
  6. 【請求項6】 位相値または位相変化量によってデジタ
    ル値が表現されるデジタル伝送信号を入力し、このデジ
    タル伝送信号が分布する周波数帯域のほぱ両端の周波数
    1 ,f2 を選択し、このf1 ,f2 における前記デジ
    タル伝送信号のスペクトラム値を乗算した相関値R12
    位相に基づいて該デジタル伝送信号の同期ずれ量を検出
    する同期ずれ量検出方法。
  7. 【請求項7】 所定の位相変化量によってデジタル値が
    表現されるデジタル伝送信号を入力し、 このデジタル伝送信号の位相変化が小さい時間領域をシ
    ンボル領域として、各シンボル領域からシンボル点を1
    つずつ抽出してシンボル系列を作成し、 該シンボル系列における各シンボルの位相値または各シ
    ンボル間の位相差のヒストグラムを作成し、 該ヒストグラムにおけるピークと前記所定の位相変化量
    とのずれに基づいてオフセット周波数を検出するオフセ
    ット周波数検出方法。
  8. 【請求項8】 位相値または位相変化量によってデジタ
    ル値が表現されるデジタル伝送信号を入力し、 時間領域におけるこのデジタル伝送信号の位相変化量の
    ピークをシンボル境界点として抽出し、 該シンボル境界点のタイミングにより同期ずれ量を検出
    する同期ずれ量検出方法。
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