JP2003234263A - 光学素子劣化抑制方法及びそれを用いた光学装置 - Google Patents

光学素子劣化抑制方法及びそれを用いた光学装置

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JP2003234263A JP2002032276A JP2002032276A JP2003234263A JP 2003234263 A JP2003234263 A JP 2003234263A JP 2002032276 A JP2002032276 A JP 2002032276A JP 2002032276 A JP2002032276 A JP 2002032276A JP 2003234263 A JP2003234263 A JP 2003234263A
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Sunao Mori
直 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線領域を使用する光学装置において、特
に酸素の吸収が大きな波長400nm以下の波長域で使
用する光学装置で、使用している光学素子経時変化を抑
制した光学装置構成を提供する。 【解決手段】 不活性ガスパージ中酸素濃度を0.5p
pm以上に制御する。特に400nm以下の波長域では
光学装置全系光量も維持しなければならないので、光路
パージ空間酸素濃度を0.5ppm以上10ppm以下
に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレンズ、ミラー及び
光学フィルター等の光学素子を使用している光学装置の
該光学素子を空間雰囲気内成分制御に関するものであ
る。及びそれを有するステッパー等の露光装置又構成に
関わる。
【0002】
【従来の技術】レンズ、ミラー及び光学フィルター等の
光学素子は、例えば、カメラ、望遠鏡、顕微鏡、分光器
などの光学装置に用いられている。これらの光学素子
は、反射防止や反射増強の為に、その表面に反射防止膜
や反射増強膜を備えている。光学装置の使用される環境
は一般的に不均一で制御された空間ではない。
【0003】即ち、光学装置の使用される環境中に含ま
れるオイルミストや建材からの放出ガス、粉塵等を光学
装置内に取り込まれたりする。
【0004】また、制御されている光学装置内でも、光
学素子を光学装置に組み込む際は保持材料に光学素子を
固定する為に接着剤、緩衝材、または機械的手法等が用
いられ、また、光路アライメント、焦点合わせ、絞り、
光路変更等々の機能させるために光学装置内に可動機能
を有する場合があり、これら周辺の様々な部材からの放
出ガス、塵、オイルミスト等々も皆無ではない。
【0005】このような環境下で光学素子が使用される
ため、初期の光学素子光学特性から劣化が確認されてい
る。窓ガラスが徐々に汚れてくる場合も、程度の差はあ
るが同じようなものである。
【0006】但し、窓ガラスは汚れれば布で拭き取れば
きれいになるし、果たすべく機能も外が見える程度で良
いので多少汚れていても問題はない。
【0007】ところが、カメラ、望遠鏡、顕微鏡など光
学特性的に果たす機能が高ければ高いほど光学素子の光
学特性変化の影響は大きい。
【0008】特に、露光装置のような光学装置において
は、半導体集積回路やそれを製造するために用いられる
フォトマスクを製造する工程で用いられ、微少な特性変
化でも大きく影響してしまう。
【0009】また、分光器等の光学測定装置において、
装置内雰囲気により測定値が経時変化をしてしまうこと
は材料評価分析を正確に行えない事態となる。
【0010】露光装置の代表としてステッパーと呼ばれ
る露光装置が知られている。従来、このような露光装置
の照明光源としては、g線(435.8nm)、h線(404.7n
m)、i線(365nm)を発生する超高圧水銀灯、キセノン・
水銀アークランプ等が用いられてきた。
【0011】しかし、最近においては更に微細集積回路
を作製するためや露光処理能力の向上、ウェハのような
被露光体上での均一照明特性を実現するために、遠紫外
線(260nm以下)や高出力でスペクトル幅の狭い光束を
発進するレーザー光を用いられるようになってきてい
る。
【0012】その中でもエキシマレーザーは、極めて狭
いスペクトル幅で高出力の光を放出することから、有力
な光源のひとつである。ArF(193nm)、F2(157nm)が
それにあたる。この波長になると、酸素や水による吸収
が大きくなり、光路上に残留することで装置全形の透過
率を低下し、装置性能を低下させてしまう。
【0013】また、上述したステッパーの使用環境は一
般的にクリーンルームと呼ばれる雰囲気管理がなされて
いる場所である。しかし、半導体製造現場では様々な溶
液を使用しており、また、様々な装置があり駆動して、
環境雰囲気に飛散している化学物質は皆無ではない。
【0014】先に述べたようにステッパーは使用波長が
短くなり、要求される光学特性も非常に高い。即ち、光
学素子の光学特性の変化に対しても厳しくなっている、
加えて、光の波長が短くなるということは反応過程も反
応する化学物質の範囲も広くなってきているということ
であり、ますます環境制御が必要となってきている。
【0015】これらに対して、光路上空間雰囲気を精製
された不活性ガスやフィルターリングされたガスでパー
ジすることが提案されている(特開平02-210813、特開
平06-216000)。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、密閉空
間を不活性ガスでパージしても光路上構成材料からの放
出ガスによる影響は回避できない。
【0017】構成材料からの放出ガス量を減らすために
は高価な材料を使わなければならなかったり、構造形態
も複雑になったりすることがある。
【0018】さらに、不活性ガス純度を高いまま維持し
て光路上をパージするためには高価なフィルターや特殊
な配管材料を使用しなければならず装置コストアップに
つながる。
【0019】また、洗浄機能を光学装置内に付与する際
もコストアップになる。また、光学素子表面のみを洗浄
するような制御も困難である。
【0020】本発明では以上の背景を鑑み、光学装置内
の光学素子の初期光学特性維持を、使用される環境に制
限を与えることなく、コストアップを出来る限り抑えた
光学素子を内包する光学装置構造を提供するものであ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
めに、本発明者らは高純度な不活性環境下で、露光装置
各種構成部品からの脱ガスの光学素子へ及ぼす検討を実
施する中で、ある酸素濃度にガスパージ環境を制御する
ことで光学素子光学特性の劣化の無い状態を見出した。
特に酸素、水の吸収の大きい157nm波長において顕著に
効果が見られたので、以下、この波長を用いて効果の説
明、実施例を示す。
【0022】本発明の効果を説明するために、図1実験
系を用いる。図1中符号1-40は金属製の密閉容器(以
下、評価鏡筒)であり、この中に光学素子を入れること
が出来る。この評価鏡筒の雰囲気は符号1-11、1-12、1-
13によってガス導入することにより制御できるようにな
っている。本発明に関わる酸素濃度の制御には1-13のラ
インより酸素含有量の分かっている不活性ガスを1-20の
ガス混合器を制御することで達成される。
【0023】長期の実験において酸素濃度が変動する可
能性があるので、評価鏡筒からの排気ガスを1-30の酸素
濃度計で計測し、計測値が設定酸素濃度になるよう1-20
のガス混合制御器をコントロール出来るようになってい
る。1-11は試験ガス導入用のガス供給ラインであり、光
学素子の置かれる環境ガスを導入することが出来る。光
学装置が露光装置である場合、レジスト由来のガスや設
置環境由来のガスが光学素子環境雰囲気に混入する可能
性があり、これらのガスを評価鏡筒に導入出来るように
なっている。
【0024】評価鏡筒には反射防止膜付きや反射増強膜
付き試料が設置出来、各種光源からの光で照明できるよ
うになっている。光学素子の特性変化は符号1-50の光量
センサーの出力によって検出することが可能となってい
る。これにより照射量(時間)に対して、光学素子透過
率や反射率の経時変化を取ることが出来る。
【0025】この実験系を用いて、各種環境雰囲気中で
光学素子の光学特性変化を評価している中で、本発明者
らはある酸素濃度以上であれば光学特性変化の起きない
事実を発見した。193nmや157nmの波長を用いる光学装置
では光路雰囲気中に酸素が存在すると酸素自体がこの波
長を吸収し空間透過率を下げてしまう。よって、出きる
だけ酸素濃度を下げるような構成になっている。
【0026】具体的には密閉性の高い構造体に無酸素不
活性ガスをパージするか、不活性ガスライン中に酸素ト
ラップフィルターを設置し、ガス中酸素濃度を下げる手
法が一般的に用いられている。
【0027】しかし、本発明者らは極力酸素濃度を下げ
た状態で図1の評価実験系を用いて、光学素子に照射し
つづけると光学素子特性の劣化が進行していくことを確
認した。これに対して酸素濃度を徐々に上げていくと光
学特性劣化しなくなってくる事を見出した。
【0028】以下、効果の説明を実施例内で示す。
【0029】
【発明の実施の形態】(実施例1)効果の説明を含め
て、実施例を示す。
【0030】図1は発明で用いた実験評価系の概略図で
あり、各符号の役割は前述した。
【0031】符号1-40の評価鏡筒内に螢石基板に反射防
止膜を付けた試料を設置し、照明光には157nmのエキシ
マレーザーを用いている。不活性ガスには無酸素高純度
窒素ガスを用いて、酸素含有不活性ガスは酸素濃度100p
pmの窒素ガスを使用した。試験ガスとしてはクリーンル
ーム中で検出される有機物の混合ガスを使用し、酸素は
除去してあるものを使用した。
【0032】157nmの波長では酸素の吸収が大きく酸素1
ppmの窒素不活性ガスの空間透過率は95%/m程度である。
本実施例で使用した図1実験系では評価鏡筒内壁をsus31
6Lの電化研摩、使用した配管はEP処理されたステンレス
配管を使用した結果、無酸素窒素ガスでパージしたとこ
ろ0.2ppmで評価鏡筒内空間透過率は99%/mを達成できる
ものであった。
【0033】評価鏡筒内雰囲気が酸素0.2ppmで試験ガス
として有機物総量5μg/m3(トルエン換算)状態で反射
防止膜付き試料に157nm波長のレーザーを照射したとこ
ろ図2のグラフ1のような符号1-50の光量の低下が確認
された。
【0034】光量低下した照射試料表面の分析を実施し
たところカーボン、シリコン系の付着が確認された。使
用した不純物ガス中内成分にはクリーンルーム環境で検
出されるトルエン、キシレン、不飽和炭化水素、シラノ
ール、シロキサン系化合物を混合したものを用いたの
で、これら成分が157nm波長により光化学反応を経由し
て光学素子表面に付着堆積した結果、光学素子透過率が
下がる現象を引き起こしていると推定される。
【0035】これに対して同様不純物ガスを導入し、酸
素濃度のみを0.5ppm~10ppmまで上昇させて同様照射実験
を実施した。
【0036】酸素濃度2ppmでの結果を代表として図3の
グラフ2に示す。光量センサーの出力は照射パルス数を
増やしても減少する傾向は確認されなかった。
【0037】酸素混入による付着抑制の効果は明確では
ないが、酸素が157nmで励起され、光学素子表面近傍で
付着しようとしている物質を分解もしくは吸着サイトに
到達する前に反発させているのではないかと推定され
る。
【0038】また、酸素濃度を10ppm以上にすると酸素
の吸収により空間透過率が下がってしまい光学装置に必
要な光量が得られなくなくなってしまう。
【0039】本実施例ではクリーンルーム中の代表的な
成分を不純物ガスとし使用したものを示したが、露光装
置や分光器等では駆動系が光学素子近傍に存在する場合
もあり、潤滑剤、グリース等起因の不純物ガス、駆動系
電気部品関連のコード、基板由来の不純物ガスに対して
も酸素濃度を0.5ppm以上にすることで光学素子特性変化
を抑制することが可能であることを確認している。
【0040】
【発明の効果】以上のように、光学装置において、酸素
濃度を0.5ppm以上に制御することにより光学素子経時的
特性変化を抑制することが可能である。特に酸素に吸収
を持つ波長域である400nm以下を使用する光学装置関し
ては酸素濃度0.5ppm以上10ppm以下にすることにより、
光学装置に必要な光量を確保しながら、光学素子の経時
的特性変化を抑制出来る。
【0041】本発明を用いれば、特殊な材料、表面処理
による装置のコストアップをすること無しに使用による
経時的特性劣化の少ない光学装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる光学装置構造体構成
【図2】 グラフ1
【図3】 グラフ2
【符号の説明】
1-11 試験ガス導入ライン 1-12 不活性ガス導入ライン(無酸素) 1-13 不活性ガス導入ライン(酸素含有) 1-14 パージガス排気ライン 1-15 評価鏡筒ガス導入ライン 1-20 ガス混合制御器 1-30 酸素濃度計 1-40 光学素子評価鏡筒 1-50 光量センサー 1-60 記録用コンピュータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学素子を有する光学装置において、光
    路環境をガス置換する構成において、ガス置換後の光路
    環境酸素濃度が0.5ppm以上であることを特徴とする光学
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光学装置ガス置換後の酸
    素濃度を10ppm以下0.5ppm以上であることを特徴とする
    請求項1記載の光学装置。
  3. 【請求項3】 前記光学装置を構成する光学素子の表面
    には反射防止膜あるいは反射増大膜が形成されているこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の光学装
    置。
  4. 【請求項4】 前記光学装置を構成する光学素子は、波
    長400nm以下の光を選択的に透過させることを特徴とす
    る請求項1、2または3記載の光学装置。
  5. 【請求項5】 前記光学装置を構成する光学素子は、波
    長400nm以下の光を選択的に反射させることを特徴とす
    る請求項1、2または3記載光学装置。
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