JP2003233198A - 画像露光装置 - Google Patents

画像露光装置

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JP2003233198A
JP2003233198A JP2002033884A JP2002033884A JP2003233198A JP 2003233198 A JP2003233198 A JP 2003233198A JP 2002033884 A JP2002033884 A JP 2002033884A JP 2002033884 A JP2002033884 A JP 2002033884A JP 2003233198 A JP2003233198 A JP 2003233198A
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Koji Suzuki
厚司 鈴木
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の発光素子から出射される波長の異なる
光を混合させて感光材料に露光を行う画像露光装置にお
いて、発光素子からの出射光の偏光面が一定の方向に揃
っていない場合にも、出射光の利用効率の低下を防止す
る。 【解決手段】 第1、第2および第3発光素子列から出
射される波長の異なる光を混合してライン状の出射光を
形成する光混合部品30を備える画像露光装置におい
て、光混合部品30は、波長に応じて光を選択的に透過
または反射させる第2光選択膜37を備え、この第2光
選択膜37においてP偏光が透過から反射へ切り替わる
際の波長とS偏光が透過から反射へ切り替わる際の波長
との差異領域に、第2発光素子列22から出射される第
2光(青)の波長領域が含まれないようにする波長制御
手段39を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像露光装置に関
する。特に、複数の発光素子から出射される波長の異な
る光を用いて感光材料に露光を行う画像露光装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、複数の発光素子からなるアレイ光
源を記録色ごとに備え、印画紙などの感光材料に露光を
行う画像露光装置が提案され、実用化されている。図6
は、従来の画像露光装置を用いて露光を行う様子を示す
説明図である。この画像露光装置は、印画紙100に対
して露光を行うために、印画紙100とほぼ同じ幅を有
する3つのアレイ光源210、220、230を備えて
いる。
【0003】これら3つのアレイ光源210、220、
230は、各々R、G、Bの各記録色に応じて発光する
ものである。印画紙100が図中の矢印方向に搬送され
ているときには、アレイ光源210、220、230の
各々を、印画紙100の搬送速度に応じてタイミングを
ずらして駆動することによって、印画紙100の同一位
置にR、G、Bの露光を施していた。
【0004】前記したようにアレイ光源210、22
0、230の各々を、印画紙100の搬送速度に応じて
タイミングをずらして駆動を行う場合には、各アレイ光
源に供給する駆動信号のタイミングを搬送速度に応じて
ずらす必要がある。このため、駆動回路の構成やタイミ
ング制御が複雑となるという問題があった。また、ある
記録色の露光を行った後に、同一画素についての他の色
の露光を行うまでの間に搬送速度にムラが生じると、色
ずれが生じることになる。従って、色ずれを防止するた
めには、印画紙100の搬送速度を厳密に管理する必要
があった。
【0005】このような問題を解決するため、波長に応
じて光を選択的に透過または反射させる光選択膜を備え
たダイクロイックプリズム300のような光混合部品を
用いて、各アレイ光源からのアレイ状の出射光を混合す
るという手法が提案されている。図7は、ダイクロイッ
クプリズム300によって光混合を行う場合の様子を示
す模式図である。
【0006】ダイクロイックプリズム300は、光学ガ
ラスで調製された第1透明部材310、第2透明部材3
20および第3透明部材330によって構成されてい
る。第1透明部材310と第2透明部材320との間に
は、光の波長に応じて選択的に透過あるいは反射する第
1光選択膜340が設けられている。同様に、第2透明
部材320と第3透明部材330との間には、光の波長
に応じて選択的に透過あるいは反射する第2光選択膜3
50が設けられている。
【0007】このようなダイクロイックプリズム300
を使用すると、アレイ光源210から出射されるライン
状の出射光は、第1透明部材310、第1光選択膜34
0、第2透明部材320、第2光選択膜350および第
3透明部材330を順次透過して出射する。また、アレ
イ光源220からのライン状の出射光は、第2透明部材
320を透過し第1光選択膜340で反射して第2光選
択膜350および第3透明部材330を順次透過して出
射する。さらに、アレイ光源230からのライン状の出
射光は、第3透明部材330を透過し第2光選択膜35
0で反射して出射する。以上のような経路を経て、アレ
イ光源210、220、230のライン状の各出射光は
1ラインにまとめられることとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このダイクロイックプ
リズム300に設けられる第1光選択膜340および第
2光選択膜350は、前記したように、光の波長に応じ
て選択的に透過または反射させる特性を有するものであ
る。一般的に、このような特性を光選択膜にもたせるに
は、ある程度の厚さを有する複雑な層構成が必要であ
る。
【0009】しかし、前記した第1光選択膜340およ
び第2光選択膜350は、透明部材に挟まれた部位に設
けられているので、充分な厚さの層構成が困難である。
このため、充分な透過/反射特性を発揮できない場合が
ある。
【0010】例えば、アレイ光源からの出射光にP偏光
とS偏光とが入り混じっている場合には、P偏光が透過
から反射へ切り替わる際の波長と、S偏光が透過から反
射へ切り替わる際の波長とに差異が生じ易く、このよう
な差異が生じると、P偏光とS偏光とが平均化され、透
過と反射との中間の状態(半透過・半反射)が生じる。
この結果、光の利用効率が低下しまうことがある。
【0011】ここで、P偏光が透過から反射へ切り替わ
る際の波長と、S偏光が透過から反射へ切り替わる際の
波長とを近づけることができれば、前記したような光の
利用効率低下の問題を解決することができる。しかし、
このためには光選択膜を厚くする必要があり、透明部材
に挟まれた部位にこのような厚い光選択膜を構成するこ
とは困難であった。
【0012】本発明の課題は、複数の発光素子から出射
される波長の異なる光を混合させて感光材料に露光を行
う画像露光装置において、発光素子からの出射光の偏光
面が一定の方向に揃っていない場合にも、これら出射光
の利用効率の低下を防止することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、第1、第2および第3発光
素子列から出射される第1、第2および第3光を用いて
感光材料に画像を露光する画像露光装置において、前記
第1、第2および第3光を混合してライン状の出射光を
形成する光混合部品と、前記ライン状の出射光が前記感
光材料に露光されて形成される露光ラインを、この露光
ラインに対してほぼ直角な方向に移動させるように、前
記感光材料または前記光混合部品の少なくとも一方を移
動させる移動手段と、を備え、前記光混合部品は、前記
第1、第2および第3光を各々受ける3つの透明部材が
接合されてなり、前記各透明部材は、前記第1、第2お
よび第3光を透過または反射させて1方向に出射させる
ための第1および第2光選択膜が各々設けられた第1お
よび第2接合面を備え、前記第1光選択膜は、前記第1
光を透過させるとともに、透過させた前記第1光と同じ
方向に前記第2光を反射させるものであり、前記第2光
選択膜は、前記第1および第2光を透過させ出射させる
とともに、透過させた前記第1および第2光と同じ方向
に前記第3光を反射させ出射させるものであり、前記第
2光選択膜においてP偏光が透過から反射へ切り替わる
際の波長とS偏光が透過から反射へ切り替わる際の波長
との差異領域に、前記第2光の波長領域が含まれないよ
うにする波長制御手段を備える、ことを特徴とする。
【0014】請求項1記載の発明によれば、第2光選択
膜においてP偏光が透過から反射へ切り替わる際の波長
とS偏光が透過から反射へ切り替わる際の波長との差異
領域に、第2光の波長領域が含まれないようにする波長
制御手段を備えるので、第2光がP偏光とS偏光との双
方を含んでいる場合においても、光の利用効率が低下す
ることがない。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載の画
像露光装置において、前記波長制御手段は、前記第2光
を入射させるように前記第2透明部材の表面に露出させ
て設けられた第3光選択膜である、ことを特徴とする。
【0016】請求項2記載の発明によれば、波長制御手
段が、第2光を入射させるように第2透明部材の表面に
露出させて設けられた第3光選択膜であるため、きわめ
て正確な波長制御が可能となる。
【0017】具体的に説明すると、波長制御手段である
第3光選択膜は、空気との界面を有するため、膜の厚さ
を自在に調整することができる。従って、第2光選択膜
においてP偏光が透過から反射へ切り替わる際の波長と
S偏光が透過から反射へ切り替わる際の波長との差異領
域が、第2光選択膜の層構成によって変動した場合で
も、その差異領域の変動にあわせて最適な膜構成をする
ことができる。この結果、きわめて正確な波長制御が可
能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
の形態を詳細に説明する。本実施の形態では、感光材料
に所定の露光を行う画像露光装置について説明すること
とする。
【0019】[第1の実施の形態]まず、図1ないし図3
を参照して、第1の実施の形態に係る画像露光装置の全
体構成について説明する。ここで、 図1は、第1の実
施の形態に係る画像露光装置の主要部を示す概略斜視図
であり、図2は、第1の実施の形態に係る画像露光装置
の全体構成を示す概略側面図であり、図3は、第1の実
施の形態に係る画像露光装置の主要部の構成を示す概略
側面図である。
【0020】本実施の形態に係る画像露光装置は、図1
および図2に示すように、印画紙10をロール状に巻回
させて保持するペーパーマガジン11と、印画紙10を
所定の搬送速度で搬送する駆動ローラ12a、12b、
12cおよび12dと、露光された印画紙10を所定の
大きさに切断するカッター13とを備えている。また、
印画紙10は、感光材料である。
【0021】また、本実施の形態に係る画像露光装置
は、図1および図3に示すように、第1色(赤)につい
て露光を行うアレイ状の発光素子で構成された第1アレ
イ光源21と、第2色(青)について露光を行うアレイ
状の発光素子で構成された第2アレイ光源22と、第3
色(緑)について露光を行うアレイ状の発光素子で構成
された第3アレイ光源23とを備えている。
【0022】第1アレイ光源21から出射される第1光
(赤)の波長領域は、640〜680nmの範囲に設定
されている。また、第2アレイ光源22から出射される
第2光(青)の波長領域は、420〜470nmの範囲
に設定されている。そして、第3アレイ光源23から出
射される第3光(緑)の波長領域は、530〜580n
mの範囲に設定されている。
【0023】ここで、アレイ光源とは、各画素に相当す
る部分で独立して発光制御が可能となっている発光素子
列のことを意味するものである。本実施の形態では、ア
レイ光源として、画素毎に独立して発光制御可能な複数
の発光素子(LEDなど)からなる発光素子列を採用し
ている。
【0024】なお、感光材料である印画紙10は、波長
の短い光に対して高感度とされている。具体的には、波
長の最も短い第2光(青)に対する感度と比較すると、
第3光(緑)に対する感度は約10分の1であり、波長
の最も長い第1光(赤)に対する感度は約100分の1
である。このため、第1アレイ光源21から出射される
第1光(赤)の光量を最大に設定しておく。
【0025】また、本実施の形態に係る画像露光装置
は、図1および図3に示すように、記録色毎のアレイ光
源からの光束を混合して各記録色の光束を同一経路で出
射させるダイクロイックプリズム(光混合手段)30
と、このダイクロイックプリズム30で混合された各記
録色の光束を感光材料に集束させて露光するセルホック
レンズアレイ(光集束手段)40とを備えている。
【0026】ダイクロイックプリズム30は、長尺の三
角柱状の第1透明部材31、長尺の五角柱状の第2透明
部材32、および、長尺の四角柱状の第3透明部材33
を備え、各透明部材の長尺の側面同士が接合されて構成
されたものである。
【0027】各透明部材の材料としては、可視領域の波
長の光線に対して優れた透過性を有するホウケイ酸ガラ
スなどを挙げることができる。本実施の形態では、第1
透明部材31、第2透明部材32および第3透明部材3
3の材料として「BK7」(商品名:ショットグラス社
製)を採用している。
【0028】本実施の形態においては、各アレイ光源の
長さに合わせてダイクロイックプリズム30の長さ(図
1のL)を約100mmに設定している。また、集光効
率を高める目的で、ダイクロイックプリズムの高さ(図
3のH)を約15mmに設定している。すなわち、ダイ
クロイックプリズム30は、全体として細長い柱状体と
されている。
【0029】第1透明部材31は、第1光(赤)が入射
する入射面31aを備える。また、第3透明部材33
は、第3光(緑)が入射する入射面33aを備える。
【0030】一方、第2透明部材32の第2光(青)の
入射面32aには、板状ガラス部材38が接合されてい
る。この板状ガラス部材38の第2光(青)の入射面に
は、第2光(青)のうち波長420〜450nmの領域
に対して90%以上の透過率を有する第3光選択膜39
が設けられている。
【0031】第3光選択膜39によって、第2アレイ光
源22から出射された第2光(青)のうち420〜45
0nmの波長を有する領域が第2透明部材32に入射す
ることとなる。この第3光選択膜39は、後述する波長
制御手段である。なお、第2透明部材32の入射面32
aは、板状ガラス部材38との接合面であるので、非研
磨面とされている。
【0032】第1透明部材31の一の側面31bと第2
透明部材32の一の側面32bとが接合されて、第1接
合面34が形成されている。この第1接合面34には、
波長に応じて光を選択的に透過または反射させる第1光
選択膜35が設けられている。この第1光選択膜35
は、第1光(赤)を透過させるとともに、第2光(青)
を反射させるように機能する。第1光選択膜35は、所
定の金属膜の蒸着によって設けられる。
【0033】また、第2透明部材32の他の側面32c
と第3透明部材33の一の側面33bとが接合されて第
2接合面36が形成されている。この第2接合面36に
は、波長に応じて光を選択的に透過または反射させる第
2光選択膜37が設けられている。この第2光選択膜3
7は、第1光(赤)および第2光(青)を透過させると
ともに、第3光(緑)を反射させるように機能する。第
2光選択膜37は、所定の金属膜の蒸着によって設けら
れる。
【0034】図4は、第2透明部材32に接合される板
状ガラス部材38に設けられた第3光選択膜39と、第
3透明部材33の入射面33aと、第1光選択膜35
と、第2光選択膜37と、が有する特性(光の透過率)
を示す特性図である。この図4においては、第3光選択
膜39、入射面33a、第1光選択膜35(P偏光およ
びS偏光)および第2選択膜37(P偏光およびS偏
光)の各々の光の透過率を示す6種類のグラフに、各々
の符号を付している。
【0035】この図4に示されるとおり、第3光選択膜
39は、第2光(青)に対して良好な透過率を有してい
る。また、入射面33aは、第3光(緑)に対して良好
な透過率を有している。
【0036】また、図4に示されるとおり、第1光選択
膜35は、第1光(赤)(波長640〜680nm)の
S偏光およびP偏光双方に対して、高い透過率を有す
る。一方、第1光選択膜35は、第2光(青)(波長4
20〜450nm)のS偏光およびP偏光双方に対し
て、透過率が低く設定されている。すなわち、第1光選
択膜35は、第2光(青)(波長420〜450nm)
のS偏光およびP偏光双方に対して、高い反射率を有す
る。
【0037】また、図4に示されるとおり、第2光選択
膜37は、第1光(赤)(波長640〜680nm)の
S偏光およびP偏光双方に対して、高い透過率を有す
る。また、第2光(青)(波長420〜450nm)の
S偏光およびP偏光双方に対して、高い透過率を有す
る。一方、第2光選択膜37は、第3光(緑)(波長5
30〜580nm)のS偏光およびP偏光双方に対し
て、透過率が低く設定されている。すなわち、第2光選
択膜37は、第3光(緑)(波長530〜580nm)
のS偏光およびP偏光双方に対して、高い反射率を有す
る。
【0038】すなわち、第2アレイ光源22から出射さ
れる第2光(青)の偏光面が揃っておらずP偏光とS偏
光とが入り交じっている場合においても、第1光選択膜
35において、第2光(青)を良好に反射させることが
できる。また、第3アレイ光源23から出射される第3
光(緑)の偏光面が揃っておらずP偏光とS偏光とが入
り交じっている場合においても、第2光選択膜37にお
いて、第3光(緑)を良好に反射させることができる。
【0039】本実施の形態においては、図4に示すとお
り、第2光選択膜37でP偏光が透過から反射へ切り替
わる際の波長(約510nm)と、第2光選択膜37で
S偏光が透過から反射へ切り替わる際の波長(約485
nm)とに差異が生じている。これら波長間の差異領域
(波長約485〜約510nm)を、以下、「第1差異
領域A」と称することとする。ここで、第2光選択膜3
7でP偏光(S偏光)が透過から反射へ切り替わる際の
波長とは、第2光選択膜37の透過率が100%から徐
々に低下して50%に達した時点での波長を意味する。
【0040】本実施の形態に係る画像露光装置において
は、この第1差異領域Aに、第2光の波長域が含まれな
いようにする波長制御手段を備えている。
【0041】この波長制御手段とは、すでに述べた第3
光選択膜39である。すなわち、第2アレイ光源22か
ら出射された第2光(青)(波長420〜470nm)
は、波長制御手段である第3光選択膜39によって、波
長420〜450nmの領域が透過されることとなる。
この領域(波長420〜450nm)は、図4に示した
第1差異領域A(波長約485〜約510nm)に含ま
れていない。
【0042】このため、第2光(青)がP偏光およびS
偏光の双方を含んでいる場合においても、第2光(青)
のP偏光とS偏光の平均化に起因する光の利用効率低下
現象が発生することがない。
【0043】ここで、第2アレイ光源22から出射され
た第2光(青)(波長420〜470nm)が、波長制
御手段である第3光選択膜39を通過するときに、若干
光量が低下するが、前記したように第2光(青)に対す
る印画紙10の感度は良好であるため、総体的にみれ
ば、光の利用効率の低下を防ぐことができる。
【0044】なお、図4から明らかなように、第1差異
領域A(波長約485〜約510nm)の左側には、第
2光選択膜37のS偏光に対する透過率が急激に低下す
る点αが存在する。本実施の形態においては、この点α
に対応する波長は約470nmである。第2光選択膜3
7に入射する第2光(青)の波長領域内に、点αに対応
する波長が含まれる場合には、第2光選択膜37におけ
る第2光(青)の透過率が急激に低下して、光の利用効
率が予想外に低下するおそれがある。
【0045】しかし、本実施の形態では、波長制御手段
である第3光選択膜39によって、第2アレイ光源22
から出射された第2光(青)(波長420〜470n
m)のうち、波長420〜450nmの領域が透過する
こととなる。従って、第2光選択膜37に入射する第2
光(青)の波長領域内に、点αに対応する波長(約47
0nm)が含まれることがないので、光の利用効率が予
想外に低下するおそれがない。
【0046】なお、波長制御手段である第3光選択膜3
9は、空気との界面を有するため、厚さの調整や層構成
が自在であるので、波長の制御を行い易いという利点を
有する。
【0047】なお、図4に示すとおり、第2光選択膜3
7でP偏光が反射から透過へ切り替わる際の波長(約5
90nm)と、第2光選択膜37でS偏光が反射から透
過へ切り替わる際の波長(約635nm)とにも、差異
が生じている。これら波長間の差異領域(波長約590
〜約635nm)を、以下、「第2差異領域B」と称す
ることとする。ここで、第2光選択膜37でP偏光(S
偏光)が反射から透過へ切り替わる際の波長とは、第2
光選択膜37の透過率が0%から徐々に上昇して50%
に達した時点での波長を意味する。
【0048】ここで、第1光(赤)は、第1アレイ光源
21によって波長が640〜680nmと設定されてお
り、この波長領域(640〜680nm)は、第2差異
領域B(波長約590〜約635nm)に含まれていな
い。従って、第1光(赤)がP偏光およびS偏光の双方
を含んでいる場合においても、第1光(赤)のP偏光と
S偏光の平均化に起因する光の利用効率低下現象が発生
することがない。
【0049】また、第3光(緑)は、第3アレイ光源2
3によって波長が530〜580nmと設定されてお
り、この波長領域(530〜580nm)は、第1差異
領域Aおよび第2差異領域Bに含まれていない。従っ
て、第3光(緑)がP偏光およびS偏光の双方を含んで
いる場合においても、第3光(緑)のP偏光とS偏光の
平均化に起因する光の利用効率低下現象が発生すること
がない。
【0050】なお、各透明部材の側面同士を接合する
際、および、第2透明部材32に板状ガラス部材38を
接合する際には、接着剤を用いることができる。接着剤
の種類としては、アクリル系樹脂(特に、アクリル系紫
外線硬化樹脂)などを挙げることができる。
【0051】また、第1光選択膜35を設けるには、ま
ず、第1透明部材31の一の側面31bまたは第2透明
部材32の一の側面32bに所定の金属膜を蒸着によっ
て設ける。次いで、第1透明部材31の一の側面31b
と第2透明部材32の一の側面32bとを接着剤によっ
て接合する。
【0052】また、第2光選択膜37を設けるには、ま
ず、第2透明部材32の他の側面32cまたは第3透明
部材33の一の側面33bに所定の金属膜を蒸着によっ
て設ける。次いで、第2透明部材32の他の側面32c
または第3透明部材33の一の側面33bとを接着剤に
よって接合する。
【0053】次に、このようにして構成されたダイクロ
イックプリズム30を用いた光混合の手順を説明する。
【0054】まず、第1アレイ光源21から出射される
第1光(赤)を第1透明部材31で、第2アレイ光源2
2から出射される第2光(青)を第2透明部材32で、
第3アレイ光源23から出射される第3光(緑)を第3
透明部材33で、それぞれ受ける。次いで、第1光選択
膜35によって、第1光(赤)を第2透明部材31側に
透過させるとともに、第1光選択膜35を透過させた第
1光(赤)と同じ方向に第2光(青)を反射させる。続
いて、第2光選択膜37によって、第1光(赤)および
第2光(青)を第3透明部材33側に透過させて出射さ
せるとともに、第2光選択膜37を透過させて出射させ
る第1光(赤)および第2光(青)と同じ方向に第3光
(緑)を反射させて出射させる。以上の手順により、光
混合を行うことができる。
【0055】また、ダイクロイックプリズム30で光混
合された出射光は、図1および図2に示すように、光集
束手段であるセルホックレンズアレイ40により、印画
紙10に集束して露光するように構成されている。
【0056】また、図5は、第1の実施の形態に係る画
像露光装置の電気的構成を示す機能ブロック図である。
なお、この図5においては、すでに説明した図1ないし
図3と同一の構成には同一番号を付してある。
【0057】図5に示すように、本実施の形態に係る画
像露光装置は、各部を制御する制御手段としてのCPU
50と、外部からの画像データを受けて色別のアレイ光
源駆動用の画像信号を生成するヘッドドライバコントロ
ール回路(HDC回路)60と、HDC回路31からの
第1の色の画像信号を受けて階調に応じて第1アレイ光
源21の発光素子を発光させる発光信号を生成するヘッ
ドドライバ回路(HD回路)71と、HDC回路32か
らの第2の色の画像信号を受けて階調に応じて第2アレ
イ光源22の発光素子を発光させる発光信号を生成する
ヘッドドライバ回路(HD回路)72と、HDC回路3
3からの第3の色の画像信号を受けて階調に応じて第3
アレイ光源23の発光素子を発光させる発光信号を生成
するヘッドドライバ回路(HD回路)73と、駆動モー
タや駆動ローラ12a、12b、12cおよび12dな
どからなる印画紙搬送機構80とを備えている。
【0058】ここで、図5に示したように構成された本
実施の形態に係る画像露光装置の動作説明を行う。
【0059】まず、CPU50は印画紙搬送機構80に
よって印画紙10を所定の速度で送り出す。次いで、外
部のカメラや画像処理回路などからのカラーの画像デー
タは、HDC回路60において色別の画像信号に分解さ
れる。この場合に、従来では、アレイ光源の配置と印画
紙10の搬送速度に応じて色ごとに発光のタイミングを
ずらしていたが、第1の実施の形態例においてはタイミ
ングをずらす必要はない。
【0060】すなわち、色別の画像信号を、同じタイミ
ングでHD回路71ないし73に供給すればよい。例え
ば、HDC回路60はR、B、Gに色分解を行って、R
画像信号をHD回路71に、B画像信号をHD回路72
に、G画像信号をHD回路73に供給する。
【0061】次いで、HDC回路60から同じタイミン
グで色別の画像信号を受けたHD回路71ないし73
は、画像信号の階調に応じてアレイ光源の発光素子を発
光させる発光信号を生成する。このような発光信号をH
D回路71ないし73より受けた第1アレイ光源21な
いし第3アレイ光源23は、それぞれ同じタイミング
で、色別の画像信号に応じた発光を行う。
【0062】このような第1アレイ光源21〜第3アレ
イ光源23における同一タイミングの発光は、複数の入
射端からダイクロイックプリズム30内に入射する。そ
して、ダイクロイックプリズム30の第1光選択膜35
および第2光選択膜37における光の透過および反射に
より、複数の色の入射光が混合されて一つの出射端から
出射光として出力される。
【0063】すなわち、従来は、各アレイ光源が複数列
であるためのタイミング調整、RBG各色別配置用タイ
ミング調整、および、各色の露光を行う搬送面内の搬送
方向と垂直な方向への移動を抑える機構を必要としてい
たが、本実施の形態では不要になる。
【0064】従って、記録色ごとのアレイ光源からの光
束は1つにまとめられて1ラインとしての露光がなされ
るので、光量の損失無くプリズムによる光混合を行うと
共に、駆動回路の構成やタイミング制御を容易にし、搬
送速度にムラが生じても色ずれを生じることがない画像
露光装置を実現することができる。すなわち、レーザビ
ームのように拡散せずに遠距離まで到達する光ビームと
は異なって拡散性の強い光束であるにもかかわらず、印
画紙10上で各アレイ光源からの光束を一致させること
が可能になる。
【0065】画像データに基づいて露光が完了した印画
紙10は、カッター13により所定の大きさに切断され
て、図示していない現像装置で現像される。
【0066】本実施の形態に係る画像露光装置において
は、第2光選択膜37においてP偏光が透過から反射へ
切り替わる際の波長と、S偏光が透過から反射へ切り替
わる際の波長との差異領域(第1差異領域A)に、第2
光(青)の波長領域が含まれないようにする波長制御手
段(第3光選択膜39)を備えるので、第2光(青)が
P偏光とS偏光との双方を含んでいる場合においても、
光の利用効率が低下することがない。
【0067】また、本実施の形態に係る画像露光装置お
いては、波長制御手段として、第2光(青)を入射させ
るように第2透明部材32の表面に露出させて設けられ
た第3光選択膜39を採用している。この第3光選択膜
39は、空気との界面を有するため、膜の厚さを自在に
調整することができる。従って、第1差異領域Aが、第
2光選択膜37の層構成によって変動した場合でも、そ
の変動にあわせて最適な膜構成をすることができる。こ
の結果、きわめて正確な波長制御が可能となる。
【0068】なお、第2光選択膜37の層構成によっ
て、第1差異領域Aが波長約440nm〜510nmな
どと広がって、第2光(青)の波長領域と重なる部分が
多い場合には、第3光選択膜39の膜を厚くして波長を
制御することができるが、却って光の利用効率が低下す
る場合がある。このような場合には、逆に第3光選択膜
39を設けず、第2光(青)の波長領域を、広がった第
1差異領域A内に対応させても差し支えない。この場合
でも、印画紙10の第2光(青)に対する感度が高いた
め、光の利用効率の低下の影響は小さい。
【0069】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、第2光選
択膜においてP偏光が透過から反射へ切り替わる際の波
長とS偏光が透過から反射へ切り替わる際の波長との差
異領域に、第2光の波長領域が含まれないようにする波
長制御手段を備えるので、第2光がP偏光とS偏光との
双方を含んでいる場合においても、光の利用効率が低下
することがない。
【0070】請求項2記載の発明によれば、波長制御手
段が、第2光を入射させるように第2透明部材の表面に
露出させて設けられた第3光選択膜であり、この第3光
選択膜は、空気との界面を有するため、膜の厚さを自在
に調整することができる。従って、第2光選択膜におい
てP偏光が透過から反射へ切り替わる際の波長とS偏光
が透過から反射へ切り替わる際の波長との差異領域が、
第2光選択膜の層構成によって変動した場合でも、その
差異領域の変動にあわせて最適な膜構成をすることがで
きる。この結果、きわめて正確な波長制御が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像露光装置の主要
部の構成を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像露光装置の全体
の構成を示す概略側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像露光装置のダイ
クロイックプリズムの具体的構成を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る画像露光装置のダイ
クロイックプリズムの第3選択膜(波長制御手段)、第
2透明部材の入射面、第1光選択膜および第2光選択膜
の特性を示す特性図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像露光装置の全体
の電気的構成を示す機能ブロック図である。
【図6】従来の画像露光装置の画像形成の様子を示す説
明図である。
【図7】従来のダイクロイックプリズムにより光混合を
行う様子を示す説明図である。
【符号の説明】
10 印画紙 11 ペーパーマガジン 12a〜12d 駆動ローラ 13 カッター 21〜23 アレイ光源 30 ダイクロイックプリズム 31 第1透明部材 31a 入射面 31b 一の側面 31c 他の側面 32 第2の透明部材 32b 一の側面 32c 他の側面 33 第3透明部材 33a 入射面 33b 一の側面 33c 他の側面 34 第1接合面 35 第1光選択膜 36 第2接合面 37 第2光選択膜 38 板状ガラス部材 39 第3光選択膜 40 セルホックレンズアレイ 50 CPU 60 HDC回路 70 HD回路 80 印画紙搬送機構 100 印画紙 210 アレイ光源(R) 220 アレイ光源(G) 230 アレイ光源(B) 300 ダイクロイックプリズム 310 第1透明部材 320 第2透明部材 330 第3透明部材 340 第1光選択膜 350 第2光選択膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1、第2および第3発光素子列から出射
    される第1、第2および第3光を用いて感光材料に画像
    を露光する画像露光装置において、 前記第1、第2および第3光を混合してライン状の出射
    光を形成する光混合部品と、 前記ライン状の出射光が前記感光材料に露光されて形成
    される露光ラインを、この露光ラインに対してほぼ直角
    な方向に移動させるように、前記感光材料または前記光
    混合部品の少なくとも一方を移動させる移動手段と、を
    備え、 前記光混合部品は、 前記第1、第2および第3光を各々受ける3つの透明部
    材が接合されてなり、 前記各透明部材は、 前記第1、第2および第3光を透過または反射させて1
    方向に出射させるための第1および第2光選択膜が各々
    設けられた第1および第2接合面を備え、前記第1光選
    択膜は、前記第1光を透過させるとともに透過させた前
    記第1光と同じ方向に前記第2光を反射させるものであ
    り、前記第2光選択膜は、前記第1および第2光を透過
    させるとともに透過させた前記第1および第2光と同じ
    方向に前記第3光を反射させるものであって、 前記第2光選択膜においてP偏光が透過から反射へ切り
    替わる際の波長とS偏光が透過から反射へ切り替わる際
    の波長との差異領域に、前記第2光の波長領域が含まれ
    ないようにする波長制御手段を備える、ことを特徴とす
    る画像露光装置。
  2. 【請求項2】前記波長制御手段は、 前記第2透明部材の表面に露出させて設けられ、前記第
    2発光素子列から出射される第2光を入射させる第3光
    選択膜である、ことを特徴とする請求項1記載の画像露
    光装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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