JP2001194724A - 投影装置およびこれを備えた写真焼付装置ならびに焼付方法 - Google Patents

投影装置およびこれを備えた写真焼付装置ならびに焼付方法

Info

Publication number
JP2001194724A
JP2001194724A JP2000042034A JP2000042034A JP2001194724A JP 2001194724 A JP2001194724 A JP 2001194724A JP 2000042034 A JP2000042034 A JP 2000042034A JP 2000042034 A JP2000042034 A JP 2000042034A JP 2001194724 A JP2001194724 A JP 2001194724A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
polarization
component
polarized
incident
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000042034A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidetoshi Nishikawa
英利 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritsu Koki Co Ltd
Original Assignee
Noritsu Koki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritsu Koki Co Ltd filed Critical Noritsu Koki Co Ltd
Priority to JP2000042034A priority Critical patent/JP2001194724A/ja
Publication of JP2001194724A publication Critical patent/JP2001194724A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Projection Apparatus (AREA)
  • Projection-Type Copiers In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば液晶表示装置などの光変調素子に表示
した画像を光照射対象に投影する投影手段において、光
源からの光の利用効率を高めた投影装置ならびにこれを
備えた写真焼付装置を提供する。 【解決手段】 光源1から出射した光を、P偏光成分の
光を透過し、S偏光成分の光を所定の方向に反射させる
PBS3に入射させる。PBS3を透過したP偏光成分
の光はそのままLCD6に入射させる。一方、PBS3
で反射されたS偏光成分の光は、ミラー4で反射され、
PBS3でさらに反射される。そして、リフレクタミラ
ー1Bで反射することにより、1/4波長板を往復透過
し、これによりP偏光に変換され、PBS3を透過し、
LCD6に入射する。なお、LCD6は、P偏光を利用
するように光入射側の偏光板を設定しておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液晶表示装
置などの光変調素子に表示した画像を光照射対象に投影
する投影手段、および写真焼付装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示装置に光を照射し、その
透過光あるいは反射光を利用して、液晶表示装置に表示
させた画像をスクリーンなどに投影する投影装置が種々
提案され、実用化されている。このような投影装置は、
液晶プロジェクタとして利用されており、大画面の表示
装置として広く市場に普及している。
【0003】また、上記のような投影装置は、液晶表示
装置に写真画像を表示させ、この写真画像を感光材料と
しての印画紙上に投影することによって焼き付けを行う
写真焼付装置にも適用されている。このような写真焼付
装置は、デジタル画像データからなる写真画像の焼き付
けを行うことが可能であるので、様々な画像処理を施し
た画像を焼き付けることができるという利点を有してい
る。また、昨今急速に普及しているデジタルカメラなど
によって撮影されたデジタル写真画像を焼き付けること
も可能であるという利点をも有している。
【0004】このようなディジタルカメラでは、原画像
の画像データに応じて青、緑、赤の単色光を印画紙に照
射することで、画像の焼き付けが行われている。図12
(a)は、このようなディジタル写真画像を焼き付ける
ための、従来の写真焼付装置の構成を示す説明図であ
る。図12(a)に示す写真焼付装置101は、印画紙
28に対してそれぞれ青,緑,赤の単色光を照射するた
めの青色ヘッド102a、緑色ヘッド102bおよび赤
色ヘッド102cからなる、いわゆるセパレート方式の
露光ヘッドからなる投影装置を備えている。
【0005】そして、各ヘッド102a〜102cは、
ランプ103a〜103c、LCS(Liquid Crystal S
hutter)104a〜104c、屈折率分布型のレンズ
(例えば、日本板硝子社製のセルフォック(登録商標)
レンズ)SL(ロッドレンズアレイ)105a〜105
cを有している。また、各ランプ103a〜103cと
各LCS104a〜104cとの間の光路上には、それ
ぞれ、調光フィルタ106a〜106cが配置されてい
る。
【0006】ランプ103a〜103cは、それぞれ
青、緑、赤の単色光を発生する光源である。LCS10
4a〜104cは、ランプ103a〜103cから照射
される単色光を透過あるいは遮断することで、印画紙に
対する単色光の照射量を制御するものである。また、S
L105a〜105cは、LCS104a〜104cを
透過した単色光を、印画紙28上に結像させるためのも
のである。さらに、調光フィルタ106a〜106c
は、それぞれ、青、緑、赤の補色であるY(イエロ
ー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の各色の透過量を
制御するフィルタからなり、各単色光の色の純度を上昇
させるために設けられている。
【0007】そして、この写真焼付装置101では、印
画紙28を矢印方向に移動させながらランプ103a〜
103cから単色光を発生させ、画像データに応じてL
CS104a〜104cにおける光透過状態を制御する
ことで、印画紙28に画像を焼き付けるようになってい
る。
【0008】また、図12(b)に示すように、上記従
来の写真焼付装置101が備えるLCS104a〜10
4cには、各露光画素に対応した、入射した光の透過お
よび遮断を制御するシャッター部が複数設けられてい
る。各シャター部は、印画紙28の搬送方向と直交する
方向に、2列に交互に配置された構成となっている。こ
のような構成により、印画紙28上に焼き付けられた画
像における、隣り合う画素同士の端部が重なるように露
光することが可能となる。LCS104a〜104c
は、このようなシャッター部の配列を有することによ
り、印画紙28上に焼き付けられた画像において、隣り
合う画素同士の間に、未露光部としての隙間が生じるこ
とを防ぐことができるようになっている。
【0009】上記のような投影装置において、液晶表示
装置に光を透過させて画像を投影する構成の場合、液晶
表示装置としては上記LCS104a〜104cのよう
に透過型のものが用いられる。このような透過型の液晶
表示装置は、次のような構成となっている。2枚の透光
性の基板が対向するように配置され、これらの基板の間
隙に液晶が挟持されている。また、各画素毎に液晶の配
向状態を変化させることができるように、上記の各基板
には電極が形成されている。そして、上記の各基板の外
側の面には、偏光板がそれぞれ設けられている。
【0010】このような構成の液晶表示装置において、
光源から出射された光は、入射側の偏光板において、そ
の偏光軸の方向に平行な偏光成分のみが透過され、各画
素における液晶の配向状態に応じて偏光方向が回転し、
出射側の偏光板において、その偏光軸の方向に平行な成
分のみが透過される。このように、液晶表示装置から画
像光として出射される光は、光源から出射された光にお
ける特定の偏光成分によるものとなっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】液晶表示装置は、上記
のように、光源からの光のうち、特定の偏光成分のみを
利用することによって画像の表示を行っており、その他
の偏光成分の光は、画像の表示に利用されることなく、
入射側の偏光板などにおいて反射・拡散されていること
になる。したがって、たとえ、液晶層自体の透過率やそ
の他液晶表示装置の構成部品の透過率が100パーセン
トであったとしても、上記のような変調原理によって、
画像の表示に使われる光は、光源からの光の半分程度ま
たはそれ以下しか利用されていない。液晶表示装置の種
類によっては、実際の透過率が20%程度であるという
場合もある。
【0012】すなわち、液晶表示装置は、光の利用効率
が悪いという欠点を有していることになる。よって、上
記のように投影装置に適用した場合には、光源の出力を
大きくするなどの対応が必要となり、装置自体のコスト
の上昇、ならびにランニングコストの上昇などを招くこ
とになる。また、光源の出力を上げることによって、光
源から発生する熱に対する対策も必要となる。
【0013】また、液晶表示装置には、視角特性に関す
る問題もある。すなわち、液晶表示装置から出射される
画像光は、その出射の方向に応じて明るさが異なってお
り、これによって、投影される画像にはムラが生じてい
ることになる。ここで、液晶表示装置を備えた投影装置
を利用した写真焼付装置において発生する視角特性によ
るムラについて、図11を参照しながら説明する。
【0014】図11は、従来の写真焼付装置の概略構成
を示す斜視図である。該写真焼付装置は、光源としての
ランプ51、BGR回転フィルタ52、液晶表示装置5
3、および焼付レンズ54を備えた構成となっている。
【0015】ランプ51は、青色、緑色、赤色の全ての
光の成分を含んだ白色光を出射するものであり、例えば
ハロゲンランプなどによって構成される。BGR回転フ
ィルタ52は、回転可能な円盤状のフレームにおいて、
中心から放射状に3分割された領域に、青色光、緑色
光、赤色光のそれぞれを透過させるフィルタが設けられ
た構成となっており、ランプ51から印画紙55に到る
光軸上に、各色のフィルタが順次選択的に配置される。
液晶表示装置53は、上記で示したような透過型の液晶
表示装置によって構成されており、上記のBGR回転フ
ィルタ52において光軸上に配置されているフィルタの
色に対応した画像が表示される。焼付レンズ54は、液
晶表示装置53から出射した光を一旦集光し、印画紙5
5上に投影するためのものである。
【0016】以上のような構成の写真焼付装置によって
画像の焼き付けを行うと、液晶表示装置53の視角特性
によって、印画紙55上の、例えば、図11中に示すA
の領域付近で光量が少なく、Bの領域付近で光量が多く
なり、焼き付け画像に濃度差が生じてしまうことにな
る。
【0017】このような視角特性によるムラは、前記し
た液晶プロジェクタにおいても発生するものであるが、
液晶表示装置を備えた投影装置を利用した写真焼付装置
において特に顕著に表れる。これは、印画紙の発色特性
が、光量の増減に敏感であることに起因するものであ
る。
【0018】このような視角特性によるムラを抑制する
ために、従来では、液晶表示装置における表示面上にお
いて視角特性によって光量が多くなっている領域の光量
を落とすような構成をとっていた。光量を落とす方法と
しては、光源と液晶表示装置との間に、部分的に透過率
が異なるディフューザを配置する方法などがある。しか
しながら、このような方法では、光量の大きい領域にお
いて光量を落とすようにムラを抑制しているので、さら
に光量の損失を大きくしてしまうという問題を有してい
る。
【0019】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、例えば液晶表示装置など
の光変調素子に表示した画像を光照射対象に投影する投
影手段において、光源からの光の利用効率を高めた投影
装置ならびにこれを備えた写真焼付装置を提供すること
にある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の投影装置は、入射する光を、互い
に異なる第1および第2の偏光成分の光に分離する偏光
分離手段と、上記偏光分離手段によって分離された第1
の偏光成分の光の少なくとも一部を、第2の偏光成分の
光に変換する偏光変換手段と、上記偏光分離手段によっ
て分離された第2の偏光成分の光および上記偏光変換手
段によって変換された第2の偏光成分の光の透過状態
を、入力される画像データに応じて各画素毎に変調させ
る光変調手段と、上記光変調手段から出射される光を、
光照射対象に投影する投影手段とを備えていることを特
徴としている。
【0021】上記の構成において、投影手段によって光
照射対象に投影させる画像を表示する光変調手段は、特
定の偏光成分の光を利用することによって、画像データ
に応じて各画素毎に光の透過状態を変調させるものとな
っている。したがって、あらゆる偏光成分を有する自然
偏光を発する光源からの光を、そのまま光変調手段に照
射した場合には、特定の偏光成分以外の偏光成分の光は
利用されないことになり、光の利用効率としては低いも
のとなる。そこで、上記の構成では、まず偏光分離手段
によって、入射する光が、互いに異なる第1および第2
の偏光成分の光に分離され、第2の偏光成分の光が光変
調手段に照射される。そして、偏光分離手段によって分
離された第1の偏光成分の光の少なくとも一部が、偏光
変換手段によって第2の偏光成分の光に変換され、その
後、光変調手段に照射される。
【0022】また、上記偏光分離手段は、入射する光を
上記のように第1および第2の偏光成分に分離するの
で、上記偏光分離手段によって分離された後、偏光変換
手段によって変換されなかった第1の偏光成分の光を、
再び上記偏光分離手段に入射させて、該偏光分離手段に
よって第2の偏光成分の光から分離することもできる。
【0023】このように、光源を出射した光のほとんど
を、光変調手段における画像の表示に利用することが可
能となり、光の利用効率を大幅に向上させることができ
る。よって、光照射対象に照射する光の光量をある程度
大きくするために、光源の出力を大きくするなどの対応
が不要となり、装置自体のコストの上昇、ならびにラン
ニングコストの上昇などを抑制することが可能となる。
また、光源の出力を上げることによって対応する場合に
生じる、光源から発生する熱に対する対策も不要とな
る。
【0024】上記の課題を解決するために、請求項2記
載の投影装置は、光源と、上記光源から出射した光を、
互いに異なる第1および第2の偏光成分の光に分離する
偏光分離手段と、上記偏光分離手段によって分離された
第1の偏光成分の光を、第2の偏光成分の光に変換する
偏光変換手段と、上記偏光分離手段によって分離された
第2の偏光成分の光および上記偏光変換手段によって変
換された第2の偏光成分の光を利用して、入力される画
像データに応じて、各画素毎に光の透過状態を変調させ
る光変調手段と、上記光変調手段から出射される光を、
光照射対象に投影する投影手段とを備えていることを特
徴としている。
【0025】上記の構成において、投影手段によって光
照射対象に投影させる画像を表示する光変調手段は、特
定の偏光成分の光を利用することによって、画像データ
に応じて各画素毎に光の透過状態を変調させるものとな
っている。したがって、あらゆる偏光成分を有する自然
偏光を発する光源からの光を、そのまま光変調手段に照
射した場合には、特定の偏光成分以外の偏光成分の光は
利用されないことになり、光の利用効率としては低いも
のとなる。そこで、上記の構成では、まず偏光分離手段
によって、光源からの光が、互いに異なる第1および第
2の偏光成分の光に分離され、第2の偏光成分の光が光
変調手段に照射される。そして、偏光分離手段によって
分離された第1の偏光成分の光が、偏光変換手段によっ
て第2の偏光成分の光に変換され、その後、光変調手段
に照射される。
【0026】したがって、光源を出射した光のほとんど
を、光変調手段における画像の表示に利用することが可
能となり、光の利用効率を大幅に向上させることができ
る。よって、光照射対象に照射する光の光量をある程度
大きくするために、光源の出力を大きくするなどの対応
が不要となり、装置自体のコストの上昇、ならびにラン
ニングコストの上昇などを抑制することが可能となる。
また、光源の出力を上げることによって対応する場合に
生じる、光源から発生する熱に対する対策も不要とな
る。
【0027】請求項3記載の投影装置は、請求項1また
は2記載の構成において、上記光変調手段が、液晶表示
装置であり、該液晶表示装置における光の入射側の偏光
板が、上記の第2の偏光成分の光を透過するように設け
られていることを特徴としている。
【0028】上記の構成によれば、技術的に完成度の高
い液晶表示装置によって、各画素における光の偏光状態
を変調させているので、信頼度が高く、かつ、画像情報
を忠実に反映した画像光を感光材料上に照射することが
できる。
【0029】請求項4記載の投影装置は、請求項1ない
し3のいずれか1項に記載の構成において、上記偏光分
離手段が、第2の偏光成分の光を透過し、第1の偏光成
分の光を所定の方向に反射させる偏光ビームスプリッタ
によって構成され、上記偏光変換手段が、上記光源と上
記偏光ビームスプリッタとの間の領域に配置された1/
4波長板によって構成されており、上記偏光ビームスプ
リッタによって反射された第2の偏光成分の光が再び上
記偏光ビームスプリッタに入射するように反射させるミ
ラーと、光源の近傍に設けられるとともに、反射面が、
上記光源と上記偏光ビームスプリッタとを結ぶ光軸に垂
直となっているリフレクタミラーとを備え、上記光源と
上記偏光ビームスプリッタとを結ぶ光軸の延長上に、上
記光変調手段が配置されていることを特徴としている。
【0030】上記の構成によれば、光源を出射し、偏光
ビームスプリッタにおいて透過した第2の偏光成分の光
は、そのまま光変調手段に照射されることになる。一
方、光源を出射し、偏光ビームスプリッタにおいて反射
した第1の偏光成分の光は、上記ミラーにおいて反射さ
れ、上記偏光ビームスプリッタにおいて光源方向にさら
に反射され、上記1/4波長板を通過する。その後、1
/4波長板によって1/4波長分だけ偏光成分の位相が
ずれた光は、光源の近傍に設けられたリフレクタミラー
において反射され、再び上記1/4波長板を通過するこ
とによって第2の偏光成分に変換される。そして、第2
の偏光成分に変換された光は、偏光ビームスプリッタを
透過して光変調手段に照射されることになる。
【0031】したがって、光源を出射し、偏光ビームス
プリッタにおいて透過した第2の偏光成分の光と、光源
を出射し、偏光ビームスプリッタにおいて反射した第1
の偏光成分の光が上記の構成によって第2の偏光成分に
変換された光とが、光変調手段に対して、ほぼ同じ領域
および照射方向で照射されることになる。よって、光変
調手段において利用される第2の偏光成分の光の単位面
積あたりの光量を大きくすることが可能となる。
【0032】また、1/4波長板は、例えば1/2波長
板よりも安価な部材であるので、1/2波長板によって
偏光方向を変換する構成よりもコストを低く抑えること
ができる。
【0033】請求項5記載の投影装置は、請求項4記載
の構成において、上記リフレクタミラーにおける特定の
領域において、上記光源と上記偏光ビームスプリッタと
を結ぶ光軸の方向に対する反射光量を減じていることを
特徴としている。
【0034】上記の構成によれば、例えば、リフレクタ
ミラーにおける特定の領域の反射面の形状を変化させた
り、反射率を変化させたりすることによって、その特定
の領域から反射される、第1の偏光成分から第2の偏光
成分に変換される光の光量を変化させることが可能とな
る。したがって、例えば、投影手段を投影レンズによっ
て構成する際に、光照射対象での周辺部の光量の減少が
生じる場合でも、特定の領域を中心近傍に設定すること
によって、光照射対象での周辺部の光量のみを増大させ
る構成とすることが可能となる。すなわち、光照射対象
において光量のむらが生じている場合に、その光量むら
を抑制するように、リフレクタミラーにおける特定の領
域における、上記光源と上記偏光ビームスプリッタとを
結ぶ光軸の方向に対する反射光量を減じることによっ
て、均一な光を光照射対象に照射することが可能とな
る。
【0035】請求項6記載の投影装置は、請求項1ない
し3のいずれか1項に記載の構成において、上記偏光分
離手段が、第2の偏光成分の光を透過し、第1の偏光成
分の光を所定の方向に反射させる偏光ビームスプリッタ
によって構成され、上記偏光変換手段が、偏光面回転手
段によって構成され、上記偏光ビームスプリッタによっ
て反射された第1の偏光成分の光を上記偏光面回転手段
が配置されている方向に反射させるミラーをさらに備
え、上記ミラーから偏光面回転手段を透過することによ
って第2の偏光成分に変換された光と、上記偏光ビーム
スプリッタを透過した第2の偏光成分の光とが、上記光
変調手段に照射されることを特徴としている。
【0036】上記の構成によれば、光源を出射し、偏光
ビームスプリッタにおいて透過した第2の偏光成分の光
と、光源を出射し、偏光ビームスプリッタにおいて反射
した第1の偏光成分の光が上記の構成によって第2の偏
光成分に変換された光とが、光変調手段に対して照射さ
れることになり、光の利用効率を向上させることが可能
となる。
【0037】請求項7記載の投影装置は、請求項1、
2、3、6のいずれか1項に記載の構成において、上記
光変調手段に、特定の光入射方向による透過光量が低く
なる視角特性が存在しており、この特定の光入射方向
と、上記偏光分離手段によって分離された第2の偏光成
分の光、あるいは、上記偏光変換手段によって変換され
た第2の偏光成分に変換された光の、上記光変調手段に
対する入射方向とを一致させることを特徴としている。
【0038】上記の構成によれば、光変調手段における
視角特性によって、透過光量が低くなる光入射方向で、
偏光分離手段によって分離された第2の偏光成分の光、
あるいは、偏光変換手段によって変換された第2の偏光
成分に変換された光を光変調手段に入射させることにな
るので、光照射対象における、視角特性に基づく光量む
らを抑制することが可能となる。
【0039】請求項8記載の投影装置は、請求項1ない
し3のいずれか1項に記載の構成において、上記偏光分
離手段が、上記第1の偏光成分の光を反射する第1偏光
反射面と、上記第2の偏光成分の光を反射する第2偏光
反射面とを有する偏光ビームスプリッタによって構成さ
れ、上記偏光変換手段が、偏光面回転手段によって構成
され、上記第2偏光反射面において反射された第2の偏
光成分の光が、そのまま上記光変調手段に照射される一
方、上記第1偏光反射面において反射された第1の偏光
成分の光が、上記偏光面回転手段を透過した後に上記光
変調手段に照射されることを特徴としている。
【0040】上記の構成によれば、光源を出射し、偏光
ビームスプリッタにおける第2偏光反射面において反射
された第2の偏光成分の光と、光源を出射し、偏光ビー
ムスプリッタにおける第1偏光反射面で反射され、偏光
面回転手段によって第2の偏光成分に変換された光と
が、光変調手段に対して照射されることになり、光の利
用効率を向上させることが可能となる。
【0041】請求項9記載の投影装置は、請求項8記載
の構成において、上記偏光面回転手段が、該偏光面回転
手段を透過することによって第2の偏光成分に変換され
た光が上記光変調手段の特定の領域にのみ照射されるよ
うな形状となっていることを特徴としている。
【0042】上記の構成によれば、例えば、光変調手段
の特性によるむらや、投影手段の特性によるむらなどに
よって、光照射対象において光量むらが生じている場合
に、光量が減少している領域にのみ、偏光面回転手段を
透過することによって第2の偏光成分に変換された光が
照射されるように、偏光面回転手段の形状を設定するこ
とができる。よって、光照射対象に対して、均一な光を
照射することが可能となる。
【0043】請求項10記載の投影装置は、請求項1な
いし3のいずれか1項に記載の構成において、上記偏光
分離手段が、第2の偏光成分の光を透過し、第1の偏光
成分の光を、上記第2の偏光成分の光の進行方向に対し
所定の分離角度をなす方向に進行させて分離する偏光分
離プリズムによって構成され、上記偏光変換手段が、該
偏光分離プリズムによって分離された第1および第2の
偏光成分の光のうち第1の偏光成分の光のみを受光する
位置に配置された偏光面回転手段によって構成されると
共に、光路変換手段を備えており、上記光路変換手段
は、上記偏光変換手段から出射した偏光変換後の光と上
記第2の偏光成分の光とが、上記光変調手段における同
位置に入射するように、上記偏光変換後の光および/ま
たは上記第2の偏光成分の光を導くものであり、上記光
照射対象に対し走査露光を行うことを特徴としている。
【0044】上記の構成によれば、偏光分離手段として
偏光分離プリズムを用いることで、第1の偏光成分の光
と第2の偏光成分の光とを、所望の比較的小さい分離角
度で確実に分離することができる。従って、第1の偏光
成分の光と第2の偏光成分の光とを互いに直交する方向
に分離する通常のビームスプリッタ等を用いた場合と比
較して、各部材を、例えば、印画紙搬送方向においてよ
りコンパクトに配置できるため、走査露光により好適で
あると共に、装置全体としての薄型化を図ることができ
る。
【0045】請求項11記載の投影装置は、請求項1な
いし3のいずれか1項に記載の構成において、上記偏光
分離手段が、光の入射側において第2の偏光成分の光を
透過し、第1の偏光成分の光を反射する輝度上昇フィル
ムによって構成され、上記偏光変換手段が、上記偏光分
離手段における光の入射側に配置された拡散フィルムに
よって構成されており、上記偏光変換手段により変換さ
れた第2の偏光成分の光を上記偏光分離手段に入射させ
る反射手段を備えていると共に、上記光照射対象に対し
走査露光を行うことを特徴としている。
【0046】上記の構成によれば、偏光分離手段とし
て、上記輝度上昇フィルムを用い、偏光手段として該輝
度上昇フィルムの光入射側に配置された拡散フィルムを
用いることにより、光源から光変調手段までの距離を大
幅に減少させることができる。また、偏光分離手段とし
て通常の偏光ビームスプリッタ等を用いる場合と異なり
光軸方向と直交する方向に反射手段等を設ける必要がな
いので、走査露光における副走査方向での薄型化を図る
ことができる。このため、場所を取らずに光変調手段へ
の入射光を増加することができるので、装置全体として
の小型化、薄型化を図ることができ、よりコンパクトな
走査露光用の投影装置を提供することができる。
【0047】また、上記の構成によれば、反射手段が上
記偏光変換手段により変換された第2の偏光成分の光を
上記偏光分離手段に再度照射させるので、該偏光分離手
段による第1と第2の偏光成分の光の選別を繰返し行う
ことができる。これにより、上記偏光分離手段によって
分離された第1の偏光成分の光を、最大限、第2の偏光
成分の光に変換した後、選択的に光変調手段に取り込む
ことができるので、光の利用効率をさらに向上させるこ
とができる。
【0048】さらには、偏光変換手段として拡散フィル
ムを用いることにより、光源に由来する光の強度分布の
ムラ(光源ムラ)を解消することもできる。
【0049】請求項12記載の投影装置は、請求項11
記載の構成において、上記反射手段が上記拡散フィルム
であることを特徴としている。
【0050】上記の構成によれば、上記拡散フィルムが
上記反射手段をも兼ねることとなるので、装置全体とし
ての薄型化をさらに図ることができ、さらにコンパクト
な走査露光用の投影装置を提供することができる。
【0051】請求項13記載の投影装置は、請求項1な
いし12のいずれか1項に記載の構成において、上記光
変調手段における光入射側の偏光方向と、第2の偏光成
分の光の偏光面とが平行であることを特徴としている。
【0052】上記の構成によれば、上記光変調手段の偏
光方向を、第2の偏光成分の光の偏光面に対し平行とす
ることで、上記光変調手段への第2の偏光成分の光の入
射時における光量ロスが発生することがないので、上記
偏光分離プリズムを用いて走査露光を行う場合の光の利
用効率を最も高めることができる。
【0053】請求項14記載の写真焼付装置は、請求項
1ないし13のいずれか1項に記載の投影装置を備え、
上記光変調手段に、焼き付けを行うべき画像を表示させ
るとともに、上記光照射対象が、感光材料であることを
特徴としている。
【0054】上記の構成によれば、光源を出射した光の
ほとんどを、光変調手段における画像の表示に利用する
ことが可能となり、光の利用効率を大幅に向上させるこ
とができる。よって、感光材料に照射する光の光量をあ
る程度大きくするために、光源の出力を大きくするなど
の対応が不要となり、装置自体のコストの上昇、ならび
にランニングコストの上昇などを抑制することが可能と
なる。また、光源の出力を上げることによって対応する
場合に生じる、光源から発生する熱に対する対策も不要
となる。
【0055】また、光変調手段の特性による光量むら
や、投影手段に特性による光量むらが生じるような構成
であっても、これらを抑制するような構成とすることに
よって、従来のように光量を落とすことなく、より均一
な光を感光材料上に照射することが可能となる。したが
って、光量の増減に敏感に反応する感光材料に対して
も、むらのない良質な焼き付け画像を提供することが可
能となる。
【0056】請求項15記載の焼付方法は、特定の偏光
成分のみを入射光として選択し、画像データに応じて該
入射光の透過状態を変調させた後、変調後の光を光照射
対象に投影する焼付方法において、光源から出射された
光を、互いに異なる第1および第2の偏光成分の光に分
離し、分離された第1の偏光成分の光の少なくとも一部
を、第2の偏光成分の光に変換し、上記分離された第2
の偏光成分の光と上記変換された第2の偏光成分の光と
を入射光として利用することにより、上記入射光の光量
を増加させることを特徴としている。
【0057】上記の構成によれば、光源からの光が、互
いに異なる第1および第2の偏光成分の光に分離され
る。そして、分離された第1の偏光成分の光の少なくと
も一部が、第2の偏光成分の光に変換される。
【0058】したがって、光源を出射した光のほとんど
を、上記入射光としてその透過状態を変調させ、画像の
表示に利用することが可能となり、光の利用効率を大幅
に向上させることができる。よって、光照射対象に照射
する光の光量をある程度大きくするために、光源の出力
を大きくするなどの対応が不要となり、装置自体のコス
トの上昇、ならびにランニングコストの上昇などを抑制
することが可能となる。また、光源の出力を上げること
によって対応する場合に生じる、光源から発生する熱に
対する対策も不要となる。
【0059】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について図1ないし図4に基づいて説明すれば、
以下のとおりである。
【0060】図1は、本実施形態に係る写真焼付装置の
概略構成を示す側面図である。該写真焼付装置は、光源
1、1/4波長板2、PBS(Polarizing Beam Splitt
e:偏光ビームスプリッタ)3、ミラー4、カラーフィ
ルタ5、LCD(Liquid Crystal Display :液晶表示装
置)6、および焼付レンズ(投影手段)7を備えた構成
となっている。光源1と印画紙(感光材料)8とを結ぶ
光軸上には、1/4波長板2、PBS3、カラーフィル
タ5、LCD6、および焼付レンズ7がこの順で配置さ
れている。また、ミラー4は、PBS3が配置されてい
る位置において、光源1と印画紙8とを結ぶ光軸の方向
に垂直な方向に配置されている。
【0061】光源1は、例えばハロゲンランプなどから
構成される複数のランプ1A…、および、ランプ1A…
同士の間の領域およびその周辺領域を埋めるように設け
られたリフレクタミラー1Bとを備えている。また、図
示はしていないが、ランプ1A…およびリフレクタミラ
ー1Bを所定位置に支持するとともに、ランプ1A…に
電力を供給するためのソケット部なども設けられてい
る。
【0062】ランプ1A…から発せられる光は、青色、
緑色、赤色の各色成分の光を全て含んだ光であり、やや
赤みがかった白色光となっている。やや赤みがかった白
色光であるのは、印画紙8において、赤色の発色特性が
他の色に比べて弱いことを補うためである。リフレクタ
ミラー1Bは、その反射面が、ランプ1A…から出射さ
れる光の光軸に垂直となるように平面状に設けられてい
る。
【0063】1/4波長板2は、水晶などの複屈折をも
つ結晶によって構成されており、入射した光に対して、
その垂直成分および水平成分の波長にπ/2(1/4波
長)の位相差を生じさせるものである。すなわち、入射
光が直線偏光であれば、出射光は円偏光となり、入射光
が円偏光であれば、出射光は直線偏光となる。この1/
4波長板2は、光源1と印画紙8とを結ぶ光軸に平行な
方向の光に対して位相差を生じさせるように配置されて
いる。なお、1/4波長板は、1/2波長板に比べてそ
の厚みがほぼ半分となっており、その分1/2波長板よ
りも安価な部品となっている。したがって、1/2波長
板を設ける構成よりも装置自体のコストが低くなってい
る。
【0064】PBS3は、2個の直角プリズムのどちら
か一方の斜面に偏光膜(誘電体多層膜コート)を施し、
接着して立方体にしたものである。このPBS3に光を
入射させると、P偏光(第2の偏光成分の光)と呼ばれ
る偏光成分は、偏光膜を通過して、光軸方向を曲げるこ
となく直進し、S偏光(第1の偏光成分の光)と呼ばれ
る偏光成分は、偏光膜において、入射光の光軸に対して
垂直な方向に反射することになる。なお、S偏光が反射
される方向が、ミラー4が配置されている方向となるよ
うに、PBS3の配置方向が設定されている。
【0065】ミラー4は、PBS3によって分離された
S偏光を反射させて、同じ光路を通って再びPBS3に
入射させるものである。このミラー4としては、選択透
過性などがなく、可視光成分の光を反射させる機能を有
していればどのようなものを用いてもよい。
【0066】カラーフィルタ5は、青(B)、緑
(G)、赤(R)の各色フィルタを有する回転板であ
り、回転時には、光源1と印画紙8とを結ぶ光路上にい
ずれか一つの色フィルタが位置するようになっている。
これにより、青色光、緑色光、赤色光を順に印画紙8に
照射してカラーの画像1コマを焼き付けることが可能と
なっている。
【0067】LCD6は、透過型の液晶表示装置によっ
て構成されており、次のような構成となっている。2枚
の透光性の基板が対向するように配置され、これらの基
板の間隙に液晶が挟持されている。また、各画素毎に液
晶の配向状態を変化させることができるように、上記の
各基板には電極が形成されている。そして、上記の各基
板の外側の面には、偏光板がそれぞれ設けられている。
なお、これらの構成については、図1において図示はし
ていない。また、このLCD6は、カラーフィルタ5に
おいて、光路上に配置されているフィルタの色に対応し
た画像データを表示することになる。
【0068】焼付レンズ7は、LCD6から出射した光
を一旦集光し、印画紙8上に投影するためのものであ
る。なお、画像を焼き付ける印画紙8のサイズに応じ
て、焦点距離の異なる焼付レンズ7を切り換えて用いる
構成としてもよいし、焼付レンズ7をズームレンズによ
って構成してもよい。
【0069】次に、上記の構成のうち、図2に示す構
成、すなわち、光源1、1/4波長板2、PBS3、ミ
ラー4、およびLCD6に注目し、光源1から出射され
る光の経路について、図3(a)ないし(j)を参照し
ながら、以下に説明する。なお、図3(a)ないし
(j)のそれぞれに示されている構成は、すべて図2に
示す構成と対応している。
【0070】まず、図3(a)に示すように、光源1か
ら出射される光は、あらゆる方向の偏光成分を有する自
然偏光となっている。このような自然偏光が1/4波長
板2に入射しても、図3(b)に示すように、自然偏光
の状態は変化せずに、そのまま自然偏光として1/4波
長板を透過する。
【0071】1/4波長板2を出射した自然偏光は、P
BS3に入射し、偏光膜において、P偏光成分(P波)
とS偏光成分(S波)とに分離され、図3(c)に示す
ように、P波は直進してLCD6に入射し、S波はほぼ
90°屈折してミラー4に入射する。そして、図3
(d)に示すように、LCD6に入射したP波は、LC
D6に表示されている画像に応じて偏光方向が変化し、
出射側の偏光板の偏光軸に平行な成分のみが画像光とし
て出射される。一方、ミラー4に入射したS波は、ミラ
ー4の反射面において正反射し、再びPBS3に入射す
る。
【0072】ミラー4からPBS3に入射したS波は、
偏光膜において反射されて、図3(e)に示すように、
1/4波長板2に向けてPBS3を出射する。1/4波
長板2に入射したS波は、図3(f)に示すように、複
屈折効果によって円偏光に変換され、光源1に向けて出
射される。
【0073】1/4波長板2から光源1方向に出射され
た円偏光は、光源1におけるリフレクタミラー1Bにお
いて正反射され、図3(g)に示すように、再び1/4
波長板2に入射する。そして、1/4波長板2におい
て、図3(h)に示すように、複屈折効果によって、円
偏光状態からP波に変換され、PBS3に向けて出射さ
れる。
【0074】PBS3に入射したP波は、偏光膜におい
て屈折することなく、そのまま直進し、図3(i)に示
すように、LCD6に向けて出射される。そして、図3
(j)に示すように、LCD6に入射したP波は、LC
D6に表示されている画像に応じて偏光方向が変化し、
出射側の偏光板の偏光軸に平行な成分のみが画像光とし
て出射される。
【0075】以上のように、上記の構成によれば、光源
1を出射し、1/4波長板2を透過した光のうち、P波
成分の光は、PBS3を直進、透過してLCD6に入射
する。一方、光源1を出射し、1/4波長板2を透過し
た光のうち、S波成分の光は、PBS3の偏光膜におい
て反射され、ミラー4で正反射することによって、光路
を逆行する。そして、1/4波長板2を透過し、光源1
における反射によって、再び1/4波長板2を透過す
る。すなわち、1/4波長板2を2回透過することによ
って、S波はP波に変換されることになる。つまり、光
源1を出射した自然偏光としての光のうち、P波成分
は、そのままLCD6に入射し、S波成分は、P波に変
換されてLCD6に入射することになる。
【0076】よって、LCD6の光の入射側の偏光板
を、P波を透過するように設定しておけば、光源1を出
射した光のうち、従来では利用できなかったS波成分の
光をもLCD6における画像の表示に利用することが可
能となるので、光の利用効率を大きく向上させることが
可能となる。したがって、写真焼付装置において、光源
1の出力を比較的小さくすることが可能となり、装置自
体のコストおよびランニングコストの低下、ならびに、
光源1による発熱の低下を実現することができる。
【0077】次に、図1に示す写真焼付装置の焼付動作
について説明する。光源1を出射した光は、1/4波長
板2、PBS3、およびミラー4の構成によって、上記
で説明した作用により、その大部分がP波に変換され
る。P波に変換された光は、カラーフィルタ5におい
て、光路上に配置されているフィルタの色成分の光に変
換される。フィルタを透過した光は、カラーフィルタ5
において選択されている色成分に応じた画像を表示して
いるLCD6を透過することによって、その色成分の画
像光が、焼付レンズ7を介して印画紙8上に投影され
る。そして、所定の時間間隔毎に、カラーフィルタ5に
おいて選択されているフィルタ、およびLCD6に表示
している画像を順次切り換え、各色成分の画像光を印画
紙8上に重ねて露光することによって、印画紙8上にカ
ラー画像が焼き付けられる。
【0078】なお、上記の写真焼付装置における露光方
式としては、LCD6として、画素が行方向および列方
向に複数並べられた面状のものを用い、印画紙8を静止
した状態で1コマ分の画像を焼き付ける面露光方式を採
用してもよいし、LCD6として、画素が1列または数
列分並べられたライン状のものを用い、印画紙8を搬送
させながらLCD6に表示させる画像を変化させること
によって画像を焼き付ける走査露光方式を採用してもよ
い。
【0079】次に、図1に示す写真焼付装置とは異なる
構成について、図4を参照しながら説明する。図1に示
す写真焼付装置においては、焼付レンズ7によって画像
光を印画紙8上に投影しているが、このように、レンズ
を用いて画像光を拡大投影する場合には、投影された画
像の周辺部の光量が若干低下してしまうという問題があ
る。図4に示す写真焼付装置は、この問題を解決する構
成となっており、図1に示す構成と比較して、光源1の
構成が異なっているものであり、その他の構成は、図1
に示す構成と同様となっている。
【0080】図4に示す構成において、光源1は、ラン
プ1Cと、リフレクタミラー1Dと、凹面リフレクタ1
Eとを備えた構成となっている。凹面リフレクタ1E
は、凹面状の反射面を有しており、ランプ1Cにおける
光の出射方向に対して背後となる位置に配置されてい
る。この凹面リフレクタ1Eの反射面は、ランプ1Cを
出射した光が、LCD6の画像表示領域に照射されるよ
うな形状に設計されている。一方、リフレクタミラー1
Dは、光源1から印画紙8に到る光軸に対して垂直とな
るように、平面状に反射面が形成されており、凹面リフ
レクタ1Eの外側領域に設けられている。
【0081】このような構成の場合、光源1を出射し、
1/4波長板2を透過した光のうち、P波成分の光は、
図1の構成と同様に、そのまま直進し、カラーフィルタ
5を介してLCD6に入射する。一方、S波成分の光
は、ミラー4において反射し、PBS3、1/4波長板
2を透過した後に、リフレクタミラー1Dにおいては、
図1の構成と同様に正反射されるが、凹面リフレクタ1
Eにおいては、凹面状の反射面によって、光源1から印
画紙8に到る光軸の方向とは異なる方向に反射されるこ
とになる。すなわち、LCD6に照射される光の領域に
おいて、リフレクタミラー1DによってS波からP波に
変換された光が照射されることになる周辺領域は、中心
近傍の領域に比べて明るくなる。
【0082】このように、光源1を上記のような構成に
することによって、LCD6に照射される光の領域のう
ち、周辺部の光量を増大させることが可能となる。した
がって、図4に示す写真焼付装置によれば、焼付レンズ
7によって投影された画像の周辺部の光量の低下を抑制
することができる。
【0083】なお、図1に示すような構成におけるリフ
レクタミラー1Bにおいて、反射面の中心近傍の領域の
反射光量を減少させたような構成、例えば、反射面の中
心近傍の領域を曇らせるなどの処理をすることによって
も、図4に示す構成と同様の効果を奏することができ
る。
【0084】以上に示した本実施形態においては、写真
焼付装置としての構成について説明したが、本発明は、
若干構成を変えることによって、液晶プロジェクタとし
ても適用することが可能である。すなわち、例えば図1
に示す写真焼付装置において、カラーフィルタ5をなく
すとともに、LCD6をカラー表示可能な液晶表示装置
に変更し、焼付レンズ7を投影レンズに変更し、印画紙
8の代わりにスクリーンを設けることによって、液晶プ
ロジェクタを構成することができる。このように液晶プ
ロジェクタを構成することによって、光源の光の利用効
率を向上することが可能となる。したがって、光源の出
力を比較的小さくすることができるので、装置自体のコ
ストおよびランニングコストを低下させるとともに、光
源による発熱の問題も抑制することができる。また、図
4に示すような構成の光源を用いれば、スクリーンに投
影された画像における周辺部の光量の低下の問題も抑制
することが可能となる。
【0085】〔実施の形態2〕本発明の実施の他の形態
について図5および図6に基づいて説明すれば、以下の
とおりである。
【0086】本実施形態に係る写真焼付装置は、画像を
表示させる液晶表示装置に視角特性が存在し、印画紙上
に照射される画像において、その場所によって光量にむ
らが生じてしまうことを抑制するための構成となってい
る。
【0087】図5は、本実施形態に係る写真焼付装置の
概略構成を示す斜視図であり、図6は、図5における矢
印Pの方向から見た際の側面図である。該写真焼付装置
は、光源11、PBS12、ミラー13、偏光面回転フ
ィルム14、カラーフィルタ15、LCD16、および
焼付レンズ17を備えた構成となっている。光源11と
印画紙18とを結ぶ光軸上には、PBS12、カラーフ
ィルタ15、LCD16、および焼付レンズ17がこの
順で配置されている。また、ミラー13は、PBS12
が配置されている位置において、光源11と印画紙18
とを結ぶ光軸の方向に垂直な方向に配置されており、偏
光面回転フィルム14は、ミラー13とカラーフィルタ
15とを結ぶ光軸上に配置されている。
【0088】光源11は、例えばハロゲンランプなどか
ら構成されるランプ、ランプから出射した光をPBS1
2が配置されている領域に反射させるように凹面の反射
面が形成されたリフレクタ、および、ランプおよびリフ
レクタを所定位置に支持するとともに、ランプに電力を
供給するためのソケット部などによって構成されてい
る。上記のランプから発せられる光は、青色、緑色、赤
色の各色成分の光を全て含んだ光であり、やや赤みがか
った白色光となっている。やや赤みがかった白色光であ
るのは、印画紙18において、赤色の発色特性が他の色
に比べて弱いことを補うためである。
【0089】PBS12は、実施の形態1で示したPB
S3と同様のものであり、光を入射させると、P偏光と
呼ばれる偏光成分は、偏光膜を通過して、光軸方向を曲
げることなく直進し、S偏光と呼ばれる偏光成分は、偏
光膜において、入射光の光軸に対して垂直な方向に反射
することになる。なお、S偏光が反射される方向が、ミ
ラー13が配置されている方向となるように、PBS1
2の配置方向が設定されている。
【0090】ミラー13は、PBS12によって分離さ
れたS偏光をカラーフィルタ15ならびにLCD16が
配置されている方向に反射させるものである。このミラ
ー13としては、選択透過性などがなく、可視光成分の
光を反射させる機能を有していればどのようなものを用
いてもよい。
【0091】偏光面回転フィルム14は、入射した光に
対して、その垂直成分および水平成分の波長にπ(1/
2波長)の位相差を生じさせるものである。すなわち、
偏光面回転フィルム14に入射したS偏光は、πの位相
差が生じることによって、P偏光として偏光面回転フィ
ルム14を出射することになる。この偏光面回転フィル
ム14は、その法線方向が、ミラー13からカラーフィ
ルタ15ならびにLCD6に到る光軸に平行となるよう
に配置されている。なお、この偏光面回転フィルム14
の代わりに、水晶などから構成される半波長板を設けた
構成としても構わない。すなわち、入射した光に対し
て、その垂直成分および水平成分の波長にπの位相差を
生じさせるものであれば、偏光面回転フィルム14を代
替することが可能である。
【0092】カラーフィルタ15、LCD16、および
焼付レンズ17は、前記した実施の形態1におけるカラ
ーフィルタ5、LCD6、および焼付レンズ17とほぼ
同様の構成となっている。
【0093】次に、光源11から出射される光の経路に
ついて、以下に説明する。光源11から出射される光
は、あらゆる方向の偏光成分を有する自然偏光となって
いる。この自然偏光が、PBS12に入射し、偏光膜に
おいて、P偏光成分(P波)とS偏光成分(S波)とに
分離され、P波は直進してカラーフィルタ15ならびに
LCD16に入射し、S波はほぼ90°屈折してミラー
13に入射する。
【0094】ミラー13に入射したS波は、ミラー13
の反射面において反射し、偏光面回転フィルム14に入
射する。そして、この偏光面回転フィルム14におい
て、S波はP波に変換され、その後、カラーフィルタ1
5ならびにLCD16に対して所定の角度でP波が入射
する。
【0095】以上のように、上記の構成によれば、光源
11を出射した光のうち、P波成分の光は、PBS12
を直進、透過してLCD16に入射する。一方、光源1
1を出射した光のうち、S波成分の光は、PBS12の
偏光膜において反射され、ミラー13および偏光面回転
フィルム14を経由することによってP波に変換され、
LCD16の光入射面の法線方向に対して所定の角度を
なしてLCD16に入射する。
【0096】よって、LCD16の光の入射側の偏光板
を、P波を透過するように設定しておけば、光源1を出
射した光のうち、従来では利用できなかったS波成分の
光をもLCD16における画像の表示に利用することが
可能となるので、光の利用効率を大きく向上させること
が可能となる。したがって、写真焼付装置において、光
源1の出力を比較的小さくすることが可能となり、装置
自体のコストおよびランニングコストの低下、ならび
に、光源1による発熱の低下を実現することができる。
【0097】また、上記のように、光源11を出射した
光のうち、P波成分の光は、LCD16に対して垂直に
入射する一方、S波成分の光は、ミラー13および偏光
面回転フィルム14を経由することによってP波に変換
された後に、LCD16に対して所定の角度で入射する
ことになる。よって、LCD16の視角特性において、
光の透過率が低くなる入射角方向と、偏光面回転フィル
ム14から出射されるP波のLCD16に対する入射方
向を一致させれば、LCD16において視角特性によっ
て光量が低下する領域の光量を増大させることが可能と
なる。すなわち、例えば、前記した図11に示すよう
に、印画紙上におけるAの領域付近で光量が少なく、B
の領域付近で光量が多くなっている場合に、Aの領域付
近での光量が多くなるようにPBS12、ミラー13、
および偏光面回転フィルム14を配置すれば、焼き付け
画像における濃度むらを抑制することができる。
【0098】次に、図5および図6に示す写真焼付装置
の焼付動作について説明する。光源11を出射した光
は、PBS12、ミラー13、および偏光面回転フィル
ム14の構成によって、上記で説明した作用により、L
CD16に対して垂直に入射するP波と、LCD16に
対して所定の角度で入射するP波に変換される。P波に
変換された光は、カラーフィルタ15において、光路上
に配置されているフィルタの色成分の光に変換される。
フィルタを透過した光は、カラーフィルタ15において
選択されている色成分に応じた画像を表示しているLC
D16を透過することによって、その色成分の画像光
が、焼付レンズ17を介して印画紙18上に投影され
る。そして、所定の時間間隔毎に、カラーフィルタ15
において選択されているフィルタ、およびLCD16に
表示している画像を順次切り換え、各色成分の画像光を
印画紙18上に重ねて露光することによって、印画紙1
8上にカラー画像が焼き付けられる。
【0099】〔実施の形態3〕本発明の実施のさらに他
の形態について図7ないし図10に基づいて説明すれ
ば、以下のとおりである。
【0100】図7は、本実施形態に係る写真焼付装置の
概略構成を示す斜視図である。該写真焼付装置は、第1
レンズアレイ21、PBS22、第2レンズアレイ2
3、カラーフィルタ24、LCD25、および焼付レン
ズ26を備えた構成となっている。また、図示はしてい
ないが、上記写真焼付装置は、ハロゲンランプなどによ
って構成される光源を備えており、この光源によって、
第1レンズアレイ21に対して自然光が照射されてい
る。光源から出射した光は、第1レンズアレイ21を通
ってPBS22に入射し、PBS22においてその光軸
の方向を曲げられて、第2レンズアレイ23、カラーフ
ィルタ24、LCD25、および焼付レンズ26を透過
し、印画紙27に到達する。
【0101】第1レンズアレイ21は、透光性の基板上
に複数のマイクロレンズがマトリクス状に形成されたも
のである。すなわち、第1レンズアレイ21に照射され
る光は、各マイクロレンズに対応する光領域に分割され
ることになる。
【0102】PBS22は、実施の形態1および2で示
したPBSとは若干構成および機能が異なっており、1
つの直角プリズムの傾斜面に、S偏光反射面22AとP
偏光反射面22Bが所定の間隔をおいて形成されている
構成となっている。なお、本実施形態においては、S偏
光反射面22Aの外側に所定の間隔をおいてP偏光反射
面22Bが形成された構成となっているが、これらの反
射面の配置が逆の構成としても構わない。
【0103】このような構成のPBS22に対して光を
入射させると、S偏光と呼ばれる偏光成分は、S偏光反
射面22Aにおいて反射され、光軸をほぼ90°曲げら
れてPBS22を出射する。一方、P偏光と呼ばれる偏
光成分は、S偏光反射面22Aを透過した後、P偏光反
射面22Bにおいて反射され、光軸をほぼ90°曲げら
れてPBS22を出射する。
【0104】第2レンズアレイ23は、第1レンズアレ
イ21と同様に、透光性の基板上に複数のマイクロレン
ズがマトリクス状に形成されたものである。なお、第1
レンズアレイ21は、入射される光を、各マイクロレン
ズに対応する光領域に分割することを目的としている
が、第2レンズアレイ23では、複数の光束として入射
される光を、各マイクロレンズによって、LCD25の
表示領域内に、むらのない均一な光として導くことを目
的としている。
【0105】また、第2レンズアレイ23の光入射面に
は、図7において縦方向に並ぶ縞状に、偏光面回転フィ
ルム23A…が形成されている。偏光面回転フィルム2
3Aは、入射した光に対して、その垂直成分および水平
成分の波長にπ(1/2波長)の位相差を生じさせるも
のである。すなわち、偏光面回転フィルム23Aに入射
したP偏光は、πの位相差が生じることによって、S偏
光として偏光面回転フィルム23Aを出射することにな
る。図9は、第2レンズアレイ23の光入射面において
偏光面回転フィルム23A…が形成されている状態を示
す平面図である。図9に示すように、1本の縞を形成す
る偏光面回転フィルム23の横幅と、偏光面回転フィル
ム23同士の間隔の幅とは、ほぼ等しくなるように設定
されている。
【0106】カラーフィルタ24、LCD25、および
焼付レンズ26は、前記した実施の形態1および2にお
けるカラーフィルタ、LCD、および焼付レンズとほぼ
同様の構成となっている。
【0107】次に、光源から出射される光の経路につい
て、以下に説明する。光源から出射された自然偏光は、
第1レンズアレイ21に入射し、各マイクロレンズによ
って複数の光領域に分割される。各マイクロレンズから
出射される光領域は、PBS22に入射し、まずS偏光
反射面22AにおいてS偏光成分が反射され、続いてP
偏光反射面22BにおいてP偏光成分が反射される。す
なわち、第1レンズアレイ21において、同じマイクロ
レンズから出射された光は、PBS22を出射する際に
は、それぞれ光軸が所定の距離だけずれたS偏光および
P偏光に変換されていることになる。
【0108】そして、S偏光成分の光は、第2レンズア
レイ23に直接入射し、P偏光成分の光は、偏光面回転
フィルム23Aを介して第2レンズアレイ23に入射す
る。このように、第1レンズアレイ21における各マイ
クロレンズの焦点距離は、各マイクロレンズ内を透過し
た光束が、PBS22においてS偏光とP偏光とに分離
された後に、そのS偏光成分が、第2レンズアレイ23
における偏光面回転フィルム23Aが設けられていない
領域に照射され、そのP偏光成分が偏光面回転フィルム
23Aが設けられている領域に照射されるように設定さ
れている。
【0109】偏光面回転フィルム23Aに入射したP偏
光は、偏光面回転フィルム23Aを透過する際にS偏光
に変換され、第2レンズアレイ23から出射される。ま
た、偏光面回転フィルム23Aを介さないで第2レンズ
アレイ23に入射したS偏光は、その偏光状態のままで
第2レンズアレイ23から出射される。すなわち、第2
レンズアレイ23から出射する光は、そのほとんどがS
偏光となっており、このS偏光が、以降のカラーフィル
タ24ならびにLCD25に入射する。
【0110】以上のように、上記の構成によれば、光源
を出射した光は、第1レンズアレイ21において複数の
光束に分割され、各光束は、PBS22においてP偏光
とS偏光とに光軸が分離され、偏光面回転フィルム23
Aおよび第2レンズアレイ23の作用によって、そのほ
とんどがS偏光に変換されて、LCD25に入射するこ
とになる。
【0111】よって、LCD25の光の入射側の偏光板
を、S波を透過するように設定しておけば、光源を出射
した光のうち、従来では利用できなかったP波成分の光
をもLCD25における画像の表示に利用することが可
能となるので、光の利用効率を大きく向上させることが
可能となる。したがって、写真焼付装置において、光源
の出力を比較的小さくすることが可能となり、装置自体
のコストおよびランニングコストの低下、ならびに光源
による発熱の低下を実現することができる。
【0112】次に、図7に示す写真焼付装置の焼付動作
について説明する。光源を出射した光は、第1レンズア
レイ21、PBS22、および第2レンズアレイ23の
構成によって、上記で説明した作用により、その大部分
がS波に変換される。S波に変換された光は、カラーフ
ィルタ24において、光路上に配置されているフィルタ
の色成分の光に変換される。フィルタを透過した光は、
カラーフィルタ24において選択されている色成分に応
じた画像を表示しているLCD25を透過することによ
って、その色成分の画像光が、焼付レンズ26を介して
印画紙27上に投影される。そして、所定の時間間隔毎
に、カラーフィルタ24において選択されているフィル
タ、およびLCD25に表示している画像を順次切り換
え、各色成分の画像光を印画紙27上に重ねて露光する
ことによって、印画紙27上にカラー画像が焼き付けら
れる。
【0113】次に、図7に示す写真焼付装置とは異なる
構成について、図8を参照しながら説明する。図8に示
す写真焼付装置は、画像を表示させるLCD25に視角
特性が存在し、印画紙上に照射される画像において、そ
の場所によって光量にむらが生じてしまうことを抑制す
るための構成となっている。該写真焼付装置は、図7に
示す構成と比較して、第2レンズアレイ23における偏
光面回転フィルタ23Aの形状が異なっているものであ
り、その他の構成は、図7に示す構成と同様となってい
る。
【0114】図10は、第2レンズアレイ23の光入射
面において偏光面回転フィルム23A…が形成されてい
る状態を示す平面図である。図10に示すように、1本
の縞を形成する偏光面回転フィルム23Aの横幅と、偏
光面回転フィルム23A同士の間隔の幅とは、ほぼなど
しくなるように設定されているとともに、図10におい
て、およそ右下半分の領域にのみ偏光面回転フィルム2
3A…が形成されている。
【0115】このような構成とすることによって、PB
S22を出射したP偏光のうち、図10における右下半
分の領域を透過したP偏光のみがS偏光に変換され、左
上半分の領域を透過したP偏光は、そのまま第2レンズ
アレイ23から出射されることになる。この場合、第2
レンズアレイ23から出射した光のうち、P偏光は、L
CD25の入射側偏光板によって反射されることになる
ので、偏光面回転フィルム23Aを透過してS偏光とな
った光が照射される領域のみにおいて、その光量が増大
されることになる。
【0116】したがって、LCD25の視角特性によっ
て、印画紙27に対して出射する光量が低くなるLCD
25上の領域に、P偏光からS偏光に変換された光が照
射されるように、偏光面回転フィルム23A…を形成す
れば、LCD25において視角特性によって光量が低下
する領域の光量を増大させることが可能となる。すなわ
ち、例えば、前記した図11に示すように、印画紙上に
おけるAの領域付近で光量が少なく、Bの領域付近で光
量が多くなっている場合に、Aの領域付近での光量が多
くなるように偏光面回転フィルム23A…を第2レンズ
アレイ23の入射面側に設けることによって、焼き付け
画像における濃度むらを抑制することができる。
【0117】なお、図10に示す偏光面回転フィルム2
3A…においては、図10における右下半分の領域にお
いて、それぞれ同じ横幅で形成されているが、例えば、
図10において、第2レンズアレイ23の全ての領域に
偏光面回転フィルム23A…を縞状に設けるとともに、
右下から左上にかけて、徐々に偏光面回転フィルム23
A…の横幅を狭くするような構成としてもよい。この場
合には、右下の領域に対応するLCD25での領域から
の出射光は、その光量が強く、左上にいくにしたがっ
て、徐々に光量が低下するように設定されることにな
る。このようにすれば、LCD25における視角特性に
よる光量の低下を、より自然な状態で補償することがで
きる。
【0118】また、焼付レンズ7によって画像光を印画
紙8上に投影する際に生じる、投影された画像の周辺部
の光量の低下の問題を抑制するために、第2レンズアレ
イ23の光入射面において、その周辺部のみに偏光面回
転フィルム23A…を縞状に設けた構成とすることもで
きる。この場合には、周辺部に設けられた偏光面回転フ
ィルム23A…を透過したP偏光のみがS偏光に変換さ
れるので、LCD25から出射される画像光の周辺部の
光量が増大され、焼付レンズ7によって投影された画像
の周辺部の光量の低下を抑制することができる。また、
この場合にも、周辺部から中心部へ近づくほど、偏光面
回転フィルム23A…の横幅を狭くする構成とすること
によって、投影された画像の周辺部の光量の低下を、よ
り自然な状態で補償することができる。
【0119】〔実施の形態4〕本発明の実施のさらに他
の形態について図13に基づいて説明すれば、以下のと
おりである。
【0120】本実施形態に係る写真焼付装置は、図12
(a)に示す、上記従来の写真焼付装置101と同様
に、印画紙に対してそれぞれ青,緑,赤の単色光を照射
するための青色ヘッド、緑色ヘッドおよび赤色ヘッドか
らなる、いわゆるセパレート方式(タンデム方式)の露
光ヘッドからなる、走査露光用の投影装置を備えてい
る。
【0121】図13は、本実施の形態にかかる投影装置
における1ヘッド分、すなわち、例えば、赤色ヘッド部
分のみを抜粋してその概略構成を示した斜視図である。
該写真焼付装置は、光源31、分光プリズム33(偏光
分離プリズム)、半波長板(1/2波長板、偏光面回転
手段)32、ミラー34(光路変換手段)、LCS3
5、およびロッドレンズアレイ36を備えた構成となっ
ている。光源31と、印画紙28とを結ぶ光軸上には、
分光プリズム33、半波長板32、ミラー34、LCS
35、およびロッドレンズアレイ36がこの順で配置さ
れている。また、本実施の形態の写真焼付装置では、光
源31からLCS35までの距離は、100〜200m
m程度に設定されている。さらに、図示はされないが、
光源31とLCS35との間の適当な位置に、赤の補色
であるC(シアン)の色の透過量を制御するフィルタか
らなる調光フィルタが、単色光の色の純度を上昇させる
ために設けられている。
【0122】赤色ヘッド部分における光源31は、赤色
の光を発する複数のLED(LightEmitting Diode)に
より構成されている。これらのLEDは、それぞれ、走
査露光における主走査方向に沿って複数並んで配置され
ている。各LEDは、それぞれ、主走査方向に10m
m、印画紙搬送方向(走査露光における副走査方向)に
10mm程度の大きさに設定されている。なお、前述の
ように、本実施の形態の写真焼付装置には、緑色および
青色ヘッドについても上記赤色ヘッドと同様の構成を有
する緑および青の光をそれぞれ発するLEDよりなる光
源が備えられている。
【0123】分光プリズム33は、例えば光学用方解石
や水晶などからなる同一形状の2つの直角プリズムを、
互いの傾斜面において接合した直方体の形状を有してお
り、その長軸方向が主走査方向に平行となるように配置
されている。この分光プリズム33は、複屈折を利用し
て、入射光を2つの互いに直交するP波(縦偏光成分の
光、第2の偏光成分の光)とS波(横偏光成分の光、第
1の偏光成分の光)とに所定の分離角度で分離すること
ができる。
【0124】分光プリズム33としては、例えば、ウオ
ラストンプリズム(シグマ光機(株)製)などを用いる
ことができる。ウオラストンプリズムを用いた場合は、
少なくとも300〜2200nmの範囲の波長の光につ
いて、上記のような分離を行うことができる。また、上
記分離角度は、入射光の波長により多少変化するが、概
ね3°〜20°程度が一般的である。したがって、分光
プリズム33による分離角度は、上記範囲内を目安とし
て、投影装置の各構成部材の配置条件その他を考慮して
適宜設定すればよい。
【0125】半波長板32は、主走査方向に細長い、例
えば水晶などの板状部材より形成されており、板面の法
線方向が光軸と平行となるように、すなわち、板面が分
光プリズム33の出射面に平行となるように、該出射面
側近傍に配置されている。
【0126】半波長板32は、図13に示されるよう
に、上記分光プリズム33によって分離されたP波が該
半波長板32の上方をそのままLCS35方向に直進す
る一方、所定の分離角度で分離されたS波が該半波長板
32に入射するような位置に配置されている。より具体
的には、本実施の形態の分光プリズム33では、P波と
S波とが3°の分離角度をなして分離するので、該分離
角度をなした2つの光線のうち、S波の光線のみが半波
長板32に入射する位置に該半波長板32が配置されて
いる。そして、図13に示すように、半波長板32に入
射したS波は、半波長板32を透過することにより、π
の位相差が生じ、P波となって半波長板32を出射す
る。
【0127】ミラー34は、上記半波長板32を出射し
S波から変換されたP波を反射して、その反射光が、上
記分光プリズム33においてS波から分離され分光プリ
ズム33から直接LCS35に入射するP波と、LCS
35への入射箇所において合流するような位置に配置さ
れている。
【0128】LCS35は、各シャッター部毎に、赤色
成分の画像データに基づいて、光源31から各シャッタ
ー部に入射する赤色の単色光を透過あるいは遮断するこ
とで、印画紙に対する赤色の単色光の照射量を制御す
る。なお、上述のように、緑色ヘッドおよび青色ヘッド
についても、それぞれ緑色、青色成分の画像データに基
づいて対応する単色光を制御するLCSが備えられてい
る。
【0129】また、各シャター部は、主走査方向に、2
列に交互に配置された構成となっている。このような構
成により、印画紙28上に焼き付けられた画像におけ
る、隣り合う画素同士の端部が重なるように露光するこ
とが可能となる。上記2列のシャッター部のピッチは、
一方の列のシャッター部の中心から他方の列のシャッタ
ー部の中心までの距離が約170μmに設定されてい
る。LCS35は、このようなシャッター部の配列を有
することにより、印画紙28上に焼き付けられた画像に
おいて、隣り合う画素同士の間に、未露光部としての隙
間が生じることを防ぐことができるようになっている。
【0130】ロッドレンズアレイ36は、複数列からな
るロッドレンズの列が、主走査方向に平行な方向に配置
された構成となっている。ロッドレンズとは、円柱形状
または直方体形状などからなる中実のレンズであり、円
柱の軸方向に垂直な断面において、中心部へいくほど屈
折率が大きくなっているものである。そして、ロッドレ
ンズアレイ36において共役となる焦点距離にある1点
から出射した光は、結像面においてもある1点に集束す
るとともに、その位置も変化しないことを特徴としてい
る。すなわち、光の出射点とロッドレンズアレイ36と
の相対位置に影響されることなく、光の出射点の位置と
結像点の位置とが1対1で対応することになる。なお、
ロッドレンズアレイ36としては、上述したセルフォッ
クレンズの他、同様の機能を有するものであればどのよ
うなものを用いてもよく、例えば、リコー光学株式会社
製のルーフミラーレンズアレイ(登録商標)などを用い
ることも可能である。
【0131】次に、光源31から出射される光の経路に
ついて、以下に説明する。本実施の形態の写真焼付装置
では、光源31から出射された自然偏光は、分光プリズ
ム33に入射し、接合面において、分離角度3°をなし
て、互いに直交する2種類の偏光成分、つまり、P波お
よびS波に分離される。
【0132】すなわち、図13に示すように分光プリズ
ム33に入射したP波は、光軸方向を曲げることなく直
進して分光プリズム33を出射する。その後、P波は、
半波長板32に入射することなく、半波長板32の上方
を通過し、LCS35に入射する。
【0133】一方、S波は、上記P波の直進方向に対し
3°の角度をなす方向に進行して、半波長板32に入射
する。S波は、半波長板32を透過することでその波長
にπの位相差を生じてP波に変換された後、ミラー34
において反射する。
【0134】ミラー34の配置位置は、ミラー34にお
いて反射した変換後のP波が、分光プリズム33から直
進したP波と、LCS35上の同じシャッター部に、上
記直進したP波とは異なる角度で入射するように設定さ
れている。すなわち、異なる2方向から、同じシャッタ
ー部にP波が入射することとなる。
【0135】ロッドレンズアレイ36は、上記異なる2
方向からLCS35の同じシャッター部に入射した各P
波を、印画紙28上の同一の位置に結像させる機能を有
している。
【0136】以上のように、上記の構成によれば、光源
31を出射した光のうち、P波は、分光プリズム33を
直進、透過してLCS35に入射する。一方、光源31
を入射した光のうち、S波は、分光プリズム33によっ
て上記P波の直進方向と所定角度をなす方向に進行する
ことで分離された後、半波長板32を経由することによ
ってP波に変換されてLCS35に入射する。
【0137】したがって、LCS35の入射側の偏光板
を、P波のみを透過するように設定しておけば、光源3
1を出射した光のうち、従来では利用できなかったS波
をもLCS35における画像データに基づく画像表示に
利用することができるので、光の利用効率を大きく向上
させることが可能となる。したがって、写真焼付装置に
おいて、光源31の出力を比較的小さくすることが可能
となり、装置自体のコストおよびランニングコストの低
下、ならびに、光源31による発熱の低下を実現するこ
とができる。
【0138】また、上記走査露光を行う投影装置の場合
には、偏光分離手段(上記では、分光プリズム33)に
より分離された偏光成分のうち、いずれか一方の偏光面
が、走査露光における主走査方向に平行となるように、
該偏光分離手段を配置してもよい。光源からの光を、互
いに直交する2つの偏光成分に分離するという偏光分離
手段による偏光分離の機構を考慮すれば、上記のような
配置とすることにより、光源からの光を走査露光に最も
効率的に用いることができる。
【0139】また、LCS35の入射側偏光板の偏光方
向は、P波の偏光面と平行な方向とする構成とすること
ができる。仮に、上記偏光方向がP波の偏光面と平行な
方向でないとすると、入射光の一部がカットされること
による光量ロスが起こることとなる。これに対して、上
記のような構成とすることにより、光量ロスが起こるこ
とがないので、最も効率良く光を利用することが可能と
なる。
【0140】本実施の形態の写真焼付装置によれば、偏
光分離手段として分光プリズム33を用いることで、P
波とS波とを、上記のように比較的小さい分離角度で確
実に分離することができる。従って、P波とS波とを互
いに直交する方向に分離する通常のビームスプリッタを
用いた場合と比較して、各部材を、例えば、印画紙搬送
方向においてよりコンパクトに配置できるため、走査露
光により好適であると共に、写真焼付装置全体としての
薄型化および軽量化を図ることができる。
【0141】次に、図13に示す写真焼付装置の焼付動
作について説明する。光源31を出射した赤色の単色光
は、分光プリズム33、半波長板32、およびミラー3
4を備える構成によって、上記で説明した作用により、
その大部分がP波に変換される。P波に変換された光
は、赤色成分に応じた画像を表示しているLCS35を
透過することによって、その色成分の画像光が、ロッド
レンズアレイ36を介して印画紙28上に投影される。
次いで、印画紙28が所定の搬送速度で搬送方向に沿っ
て搬送されると共に、緑色ヘッドおよび青色ヘッドにお
いても同様の焼付動作を行うことにより、各色成分の画
像光を印画紙28上に重ねて露光することで、印画紙2
8上にカラー画像が焼き付けられる。
【0142】〔実施の形態5〕本発明のさらに他の実施
の形態について図14ないし図16に基づいて説明すれ
ば、以下のとおりである。なお、実施の形態4と同一の
機能を有する部材には、同一の符号を付し、その説明を
省略する。
【0143】図14は、本実施の形態の写真焼付装置が
備える投影装置における1ヘッド分、すなわち、例え
ば、赤色ヘッド部分のみを抜粋してその概略構成を示し
た斜視図である。該写真焼付装置は、光源としての光源
31、拡散フィルム43、輝度上昇フィルム44、LC
S35、およびロッドレンズアレイ36を備えた構成と
なっている。光源31と、印画紙28とを結ぶ光軸上に
は、拡散フィルム43、輝度上昇フィルム44、LCS
35、およびロッドレンズアレイ36がこの順で配置さ
れている。
【0144】輝度上昇フィルム44は、透過軸に平行な
偏光成分を透過させ、透過軸に垂直な偏光成分を反射さ
せる機能を有する反射型偏光性フィルムである。従っ
て、輝度上昇フィルム44を用いれば、入射光のうち、
例えば、P波を選択的に透過させる一方、S波を反射さ
せることができる。輝度上昇フィルム44としては、例
えば、3M社製のDBEF(Dual Brightn
ess Enhancement Film)などを用
いることができる。
【0145】拡散フィルム43は、拡散機能を有すると
共に、位相差板、すなわち、偏光面回転手段としての機
能を有するフィルムである。従って、上記輝度上昇フィ
ルム44の入射面側に貼合することで、輝度上昇フィル
ム44の入射面において選択的に反射されたS波の位相
差をπずらしてP波に変換させると共に、偏光変換後の
P波を反射して再び輝度上昇フィルム44に入射させる
ことができる。
【0146】次に、光源31から出射される光の経路に
ついて、以下に説明する。本実施の形態の写真焼付装置
では、光源31から出射された自然偏光は、拡散フィル
ム43を透過した後、輝度上昇フィルム44の入射面に
おいて、P波のみが透過し、S波が反射することにより
P波とS波が分離される。
【0147】輝度上昇フィルム44の入射面において反
射したS波は、拡散フィルム43に入射する。拡散フィ
ルム43は、位相差板としての機能を有しており、入射
したS波のうち少なくとも一部はP波に偏光変換されて
反射し、輝度上昇フィルム44を透過することができ
る。一方S波のうち、P波に偏光変換されなかった成分
は、上記と同様に輝度上昇フィルム44において選択的
に反射する。以上のような経緯を繰り返すことで、本来
ならば輝度上昇フィルム44を透過できず利用できなか
ったS波をP波に変換させて再利用(光リサイクル)す
ることが可能となる。
【0148】また、上記拡散フィルム43は、輝度上昇
フィルム44の光入射側に配置され、偏光変換後のP波
を反射して再び輝度上昇フィルム44に入射させること
ができる反射手段としての機能をも有するため、拡散フ
ィルム43により変換されたP波を輝度上昇フィルム4
4に再度照射する。このような構成により、輝度上昇フ
ィルム44によるP波とS波との選別を繰返し行うこと
ができる。これにより、上記輝度上昇フィルム44によ
って分離されたS波を、最大限、P波に変換した後、選
択的にLCS35に利用することができるので、光の利
用効率をさらに向上させることができる。
【0149】本実施の形態では、上記のように拡散フィ
ルム43が反射手段としての機能をも有する構成とし
た。しかしながら、反射手段は、別の箇所に設けられて
いてもよく、たとえば、光源31として用いられる各L
EDの背後およびその周辺領域等に設けられたミラーで
あってもよい。
【0150】したがって、LCS35の入射側の偏光板
を、P波のみを透過するように設定しておけば、光源3
1を出射した光のうち、従来では利用できなかったS波
をもLCS35における画像データに基づく画像表示に
利用することができるので、光の利用効率を大きく向上
させることが可能となる。したがって、写真焼付装置に
おいて、光源31の出力を比較的小さくすることが可能
となり、装置自体のコストおよびランニングコストの低
下、ならびに、光源31による発熱の低下を実現するこ
とができる。
【0151】また、本実施の形態では、偏光分離手段と
して輝度上昇フィルム44が、また、偏光変換手段とし
て拡散フィルム43が用いられており、しかも両者を貼
合した構成であるため、例えば、偏光分離手段として通
常のビームスプリッタなどを用いる場合や、偏光変換手
段として半波長板などを用いる場合と比較して、場所を
取らずにLCS35への入射光を増加できるため、写真
焼付装置の薄型化、軽量化がさらに容易となる。
【0152】以上では、印画紙28に対してそれぞれ
青,緑,赤の単色光を照射するための青色ヘッド、緑色
ヘッドおよび赤色ヘッドからなる、いわゆるセパレート
方式(タンデム方式)の露光ヘッドからなる、走査露光
用の投影装置について説明した。以下では、上記のよう
な輝度上昇フィルム44および拡散フィルム43を用い
て、上記と同様に光リサイクルを行うことができる、1
ヘッドタイプの露光方式を用いる走査露光用の写真焼付
装置について説明する。
【0153】図15は、1ヘッドタイプの露光方式を用
いる写真焼付装置の概略構成を示す斜視図である。該写
真焼付装置は、光源41、調光フィルタユニット48、
カラーホイール49、インテグレーターロット60、光
ファイバー束50、および露光ヘッド61を備えてい
る。
【0154】光源41は、例えばハロゲンランプなどの
白色光を発するランプによって構成されている。調光フ
ィルタユニット48は、イエロー(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)の各色に対応した調光フィルタを
備えた構成となっている。これらの調光フィルタを適宜
光路上に挿入することによって、光源41を出射した光
の調光を行っている。
【0155】カラーホイール49は、円板形のホイール
を備えており、その中心から放射方向に3など分する領
域に、赤色、緑色、青色のそれぞれに対応した略扇形形
状の3つのフィルタが設けられた構成となっている。そ
して、光源41からの光が上記フィルタのいずれかの領
域を透過できように、回転軸を中心に回転するようにな
っている。
【0156】光ファイバー束50は、カラーホイール4
9を透過した光を露光ヘッド61に導くものである。こ
の光ファイバー束50は、多数の光ファイバーから構成
されており、導光を行うとともに、スポット状の光領域
を、直線状に並んだ複数の点光源に変換している。
【0157】露光ヘッド61は、LCS35とロッドレ
ンズアレイ36とを備えた構成となっている。ロッドレ
ンズアレイ36は、LCS35の光の出射側に設けられ
ている。
【0158】図16は、露光ヘッド61を主走査方向に
矢視した矢視断面図である。図16に示すように、LC
S35の入射面と輝度上昇フィルム44とが、また、輝
度上昇フィルム44の入射面と拡散フィルム43とがそ
れぞれ貼合されている。
【0159】上記のような構成の写真焼付装置における
焼付動作は次のようになる。LCS35は、画像データ
に基づいて駆動され、光ファイバー束50を介して送ら
れる光源41からの光によって、印画紙28を露光す
る。露光動作時には、印画紙28は、LCS35の駆動
に同期した速度で搬送され、走査露光方式によって焼付
が行われる。
【0160】上記のような構成を備えることにより、図
15に示すような1ヘッドタイプの写真焼付装置におい
ても、場所を取らずに光の利用効率を大きく向上させ
て、走査露光を行うことができる。
【0161】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の投影装置
は、入射する光を、互いに異なる第1および第2の偏光
成分の光に分離する偏光分離手段と、上記偏光分離手段
によって分離された第1の偏光成分の光の少なくとも一
部を、第2の偏光成分の光に変換する偏光変換手段と、
上記偏光分離手段によって分離された第2の偏光成分の
光および上記偏光変換手段によって変換された第2の偏
光成分の光の透過状態を、入力される画像データに応じ
て各画素毎に変調させる光変調手段と、上記光変調手段
から出射される光を、光照射対象に投影する投影手段と
を備えている構成である。
【0162】投影手段によって光照射対象に投影させる
画像を表示する光変調手段は、特定の偏光成分の光を利
用することによって、画像データに応じて各画素毎に光
の透過状態を変調させるものとなっている。したがっ
て、あらゆる偏光成分を有する自然偏光を発する光源か
らの光を、そのまま光変調手段に照射した場合には、特
定の偏光成分以外の偏光成分の光は利用されないことに
なり、光の利用効率としては低いものとなる。そこで、
上記の構成では、まず偏光分離手段によって、入射する
光が、互いに異なる第1および第2の偏光成分の光に分
離され、第2の偏光成分の光が光変調手段に照射され
る。そして、偏光分離手段によって分離された第1の偏
光成分の光の少なくとも一部が、偏光変換手段によって
第2の偏光成分の光に変換され、その後、光変調手段に
照射される。
【0163】また、上記偏光分離手段は、入射する光を
上記のように第1および第2の偏光成分に分離するの
で、上記偏光分離手段によって分離された後、偏光変換
手段によって変換されなかった第1の偏光成分の光を、
再び上記偏光分離手段に入射させて、該偏光分離手段に
よって第2の偏光成分の光から分離することもできる。
【0164】このように、光源を出射した光のほとんど
を、光変調手段における画像の表示に利用することが可
能となり、光の利用効率を大幅に向上させることができ
る。よって、光照射対象に照射する光の光量をある程度
大きくするために、光源の出力を大きくするなどの対応
が不要となり、装置自体のコストの上昇、ならびにラン
ニングコストの上昇などを抑制することが可能となる。
また、光源の出力を上げることによって対応する場合に
生じる、光源から発生する熱に対する対策も不要となる
という効果を奏する。
【0165】請求項2記載の投影装置は、光源と、上記
光源から出射した光を、互いに異なる第1および第2の
偏光成分の光に分離する偏光分離手段と、上記偏光分離
手段によって分離された第1の偏光成分の光を、第2の
偏光成分の光に変換する偏光変換手段と、上記偏光分離
手段によって分離された第2の偏光成分の光および上記
偏光変換手段によって変換された第2の偏光成分の光を
利用して、入力される画像データに応じて、各画素毎に
光の透過状態を変調させる光変調手段と、上記光変調手
段から出射される光を、光照射対象に投影する投影手段
とを備えている構成である。
【0166】これにより、光源を出射した光のほとんど
を、光変調手段における画像の表示に利用することが可
能となり、光の利用効率を大幅に向上させることができ
る。よって、光照射対象に照射する光の光量をある程度
大きくするために、光源の出力を大きくするなどの対応
が不要となり、装置自体のコストの上昇、ならびにラン
ニングコストの上昇などを抑制することが可能となると
いう効果を奏する。また、光源の出力を上げることによ
って対応する場合に生じる、光源から発生する熱に対す
る対策も不要となるという効果を奏する。
【0167】請求項3記載の投影装置は、請求項1また
は2記載の構成において、上記光変調手段が、液晶表示
装置であり、該液晶表示装置における光の入射側の偏光
板が、上記の第2の偏光成分の光を透過するように設け
られている構成である。
【0168】これにより、請求項1の構成による効果に
加えて、技術的に完成度の高い液晶表示装置によって、
各画素における光の偏光状態を変調させているので、信
頼度が高く、かつ、画像情報を忠実に反映した画像光を
感光材料上に照射することができるという効果を奏す
る。
【0169】請求項4記載の投影装置は、請求項1ない
し3のいずれか1項に記載の構成において、上記偏光分
離手段が、第2の偏光成分の光を透過し、第1の偏光成
分の光を所定の方向に反射させる偏光ビームスプリッタ
によって構成され、上記偏光変換手段が、上記光源と上
記偏光ビームスプリッタとの間の領域に配置された1/
4波長板によって構成されており、上記偏光ビームスプ
リッタによって反射された第2の偏光成分の光が再び上
記偏光ビームスプリッタに入射するように反射させるミ
ラーと、光源の近傍に設けられるとともに、反射面が、
上記光源と上記偏光ビームスプリッタとを結ぶ光軸に垂
直となっているリフレクタミラーとを備え、上記光源と
上記偏光ビームスプリッタとを結ぶ光軸の延長上に、上
記光変調手段が配置されている構成である。
【0170】これにより、請求項1ないし3のいずれか
1項に記載の構成による効果に加えて、光源を出射し、
偏光ビームスプリッタにおいて透過した第2の偏光成分
の光と、光源を出射し、偏光ビームスプリッタにおいて
反射した第1の偏光成分の光が上記の構成によって第2
の偏光成分に変換された光とが、光変調手段に対して、
ほぼ同じ領域および照射方向で照射されることになる。
よって、光変調手段において利用される第2の偏光成分
の光の単位面積あたりの光量を大きくすることが可能と
なるという効果を奏する。
【0171】また、1/4波長板は、例えば1/2波長
板よりも安価な部材であるので、1/2波長板によって
偏光方向を変換する構成よりもコストを低く抑えること
ができるという効果を奏する。
【0172】請求項5記載の投影装置は、請求項4記載
の構成において、上記リフレクタミラーにおける特定の
領域において、上記光源と上記偏光ビームスプリッタと
を結ぶ光軸の方向に対する反射光量を減じている構成で
ある。
【0173】これにより、請求項4の構成による効果に
加えて、例えば、リフレクタミラーにおける特定の領域
の反射面の形状を変化させたり、反射率を変化させたり
することによって、その特定の領域から反射される、第
1の偏光成分から第2の偏光成分に変換される光の光量
を変化させることが可能となる。したがって、光照射対
象において光量のむらが生じている場合に、その光量む
らを抑制するように、リフレクタミラーにおける特定の
領域における、上記光源と上記偏光ビームスプリッタと
を結ぶ光軸の方向に対する反射光量を減じることによっ
て、均一な光を光照射対象に照射することが可能となる
という効果を奏する。
【0174】請求項6記載の投影装置は、請求項1ない
し3のいずれか1項に記載の構成において、上記偏光分
離手段が、第2の偏光成分の光を透過し、第1の偏光成
分の光を所定の方向に反射させる偏光ビームスプリッタ
によって構成され、上記偏光変換手段が、偏光面回転手
段によって構成され、上記偏光ビームスプリッタによっ
て反射された第1の偏光成分の光を上記偏光面回転手段
が配置されている方向に反射させるミラーをさらに備
え、上記ミラーから偏光面回転手段を透過することによ
って第2の偏光成分に変換された光と、上記偏光ビーム
スプリッタを透過した第2の偏光成分の光とが、上記光
変調手段に照射される構成である。
【0175】これにより、請求項1ないし3のいずれか
1項の構成による効果に加えて、光源を出射し、偏光ビ
ームスプリッタにおいて透過した第2の偏光成分の光
と、光源を出射し、偏光ビームスプリッタにおいて反射
した第1の偏光成分の光が上記の構成によって第2の偏
光成分に変換された光とが、光変調手段に対して照射さ
れることになり、光の利用効率を向上させることが可能
となるという効果を奏する。
【0176】請求項7記載の投影装置は、請求項1、
2、3、6のいずれか1項に記載の構成において、上記
光変調手段に、特定の光入射方向による透過光量が低く
なる視角特性が存在しており、この特定の光入射方向
と、上記偏光分離手段によって分離された第2の偏光成
分の光、あるいは、上記偏光変換手段によって変換され
た第2の偏光成分に変換された光の、上記光変調手段に
対する入射方向とを一致させる構成である。
【0177】これにより、請求項1、2、または6の構
成による効果に加えて、光変調手段における視角特性に
よって、透過光量が低くなる光入射方向で、偏光分離手
段によって分離された第2の偏光成分の光、あるいは、
偏光変換手段によって変換された第2の偏光成分に変換
された光を光変調手段に入射させることになるので、光
照射対象における、視角特性に基づく光量むらを抑制す
ることが可能となるという効果を奏する。
【0178】請求項8記載の投影装置は、請求項1ない
し3のいずれか1項に記載の構成において、上記偏光分
離手段が、上記第1の偏光成分の光を反射する第1偏光
反射面と、上記第2の偏光成分の光を反射する第2偏光
反射面とを有する偏光ビームスプリッタによって構成さ
れ、上記偏光変換手段が、偏光面回転手段によって構成
され、上記第2偏光反射面において反射された第2の偏
光成分の光が、そのまま上記光変調手段に照射される一
方、上記第1偏光反射面において反射された第1の偏光
成分の光が、上記偏光面回転手段を透過した後に上記光
変調手段に照射される構成である。
【0179】これにより、請求項1ないし3のいずれか
1項の構成に加えて、光源を出射し、偏光ビームスプリ
ッタにおける第2偏光反射面において反射された第2の
偏光成分の光と、光源を出射し、偏光ビームスプリッタ
における第1偏光反射面で反射され、偏光面回転手段に
よって第2の偏光成分に変換された光とが、光変調手段
に対して照射されることになり、光の利用効率を向上さ
せることが可能となるという効果を奏する。
【0180】請求項9記載の投影装置は、請求項8記載
の構成に加えて、上記偏光面回転手段が、該偏光面回転
手段を透過することによって第2の偏光成分に変換され
た光が上記光変調手段の特定の領域にのみ照射されるよ
うな形状となっている構成である。
【0181】これにより、請求項8の構成による効果に
加えて、光量が減少している領域にのみ、偏光面回転手
段を透過することによって第2の偏光成分に変換された
光が照射されるように、偏光面回転手段の形状を設定す
ることができるので、光照射対象に対して、均一な光を
照射することが可能となるという効果を奏する。
【0182】請求項10記載の投影装置は、請求項1な
いし3のいずれか1項に記載の構成において、上記偏光
分離手段が、第2の偏光成分の光を透過し、第1の偏光
成分の光を、上記第2の偏光成分の光の進行方向に対し
所定の分離角度をなす方向に進行させて分離する偏光分
離プリズムによって構成され、上記偏光変換手段が、該
偏光分離プリズムによって分離された第1および第2の
偏光成分の光のうち第1の偏光成分の光のみを受光する
位置に配置された偏光面回転手段によって構成されると
共に、光路変換手段を備えており、上記光路変換手段
は、上記偏光変換手段から出射した偏光変換後の光と上
記第2の偏光成分の光とが、上記光変調手段における同
位置に入射するように、上記偏光変換後の光および/ま
たは上記第2の偏光成分の光を導くものであり、上記光
照射対象に対し走査露光を行う構成である。
【0183】これにより、偏光分離手段として偏光分離
プリズムを用いることで、第1の偏光成分の光と第2の
偏光成分の光とを、所望の比較的小さい分離角度で確実
に分離することができる。従って、第1の偏光成分の光
と第2の偏光成分の光とを互いに直交する方向に分離す
る通常のビームスプリッタ等を用いた場合と比較して、
各部材を、例えば、印画紙搬送方向においてよりコンパ
クトに配置できるため、走査露光により好適であると共
に、装置全体としての薄型化を図ることができるという
効果を奏する。
【0184】請求項11記載の投影装置は、請求項1な
いし3のいずれか1項に記載の構成において、上記偏光
分離手段が、光の入射側において第2の偏光成分の光を
透過し、第1の偏光成分の光を反射する輝度上昇フィル
ムによって構成され、上記偏光変換手段が、上記偏光分
離手段における光の入射側に配置された拡散フィルムに
よって構成されており、上記偏光変換手段により変換さ
れた第2の偏光成分の光を上記偏光分離手段に入射させ
る反射手段を備えていると共に、上記光照射対象に対し
走査露光を行う構成である。
【0185】これにより、偏光分離手段として、上記輝
度上昇フィルムを用い、偏光手段として該輝度上昇フィ
ルムの光入射側に配置された拡散フィルムを用いること
により、光源から光変調手段までの距離を大幅に減少さ
せることができる。また、偏光分離手段として通常の偏
光ビームスプリッタ等を用いる場合と異なり光軸方向と
直交する方向に反射手段等を設ける必要がないので、走
査露光における副走査方向での薄型化を図ることができ
る。このため、場所を取らずに光変調手段への入射光を
増加することができるので、装置全体としての小型化、
薄型化を図ることができ、よりコンパクトな走査露光用
の投影装置を提供することができる。
【0186】また、上記の構成によれば、反射手段が上
記偏光変換手段により変換された第2の偏光成分の光を
上記偏光分離手段に再度照射させるので、該偏光分離手
段による第1と第2の偏光成分の光の選別を繰返し行う
ことができる。これにより、上記偏光分離手段によって
分離された第1の偏光成分の光を、最大限、第2の偏光
成分の光に変換した後、選択的に光変調手段に取り込む
ことができるので、光の利用効率をさらに向上させるこ
とができるという効果を奏する。さらには、拡散効果を
併せ持つ偏光変換フィルム、例えば、偏光変換フィルム
表面に微小な凹凸を有するものを用いることにより、光
源ムラを解消できるという効果を奏する。
【0187】請求項12記載の投影装置は、請求項11
記載の構成において、上記反射手段が上記拡散フィルム
である構成である。
【0188】これにより、請求項10記載の構成による
効果に加えて、上記拡散フィルムが上記反射手段をも兼
ねることとなるので、装置全体としての薄型化をさらに
図ることができ、さらにコンパクトな走査露光用の投影
装置を提供できるという効果を奏する。
【0189】請求項13記載の投影装置は、請求項1な
いし12のいずれか1項に記載の構成において、上記光
変調手段における光入射側の偏光方向と、第2の偏光成
分の光の偏光面とが平行であることを特徴としている。
【0190】これにより、上記光変調手段の偏光方向
を、第2の偏光成分の光の偏光面に対し平行とすること
で、上記光変調手段への第2の偏光成分の光の入射時に
おける光量ロスが発生することがないので、上記偏光分
離プリズムを用いて走査露光を行う場合の光の利用効率
を最も高めることができるという効果を奏する。
【0191】請求項14記載の写真焼付装置は、請求項
1ないし13のいずれか1項に記載の投影装置を備え、
上記光変調手段に、焼き付けを行うべき画像を表示させ
るとともに、上記光照射対象が、感光材料である構成で
ある。
【0192】上記の構成によれば、光源を出射した光の
ほとんどを、光変調手段における画像の表示に利用する
ことが可能となり、光の利用効率を大幅に向上させるこ
とができる。よって、感光材料に照射する光の光量をあ
る程度大きくするために、光源の出力を大きくするなど
の対応が不要となり、装置自体のコストの上昇、ならび
にランニングコストの上昇などを抑制することが可能と
なるという効果を奏する。また、光源の出力を上げるこ
とによって対応する場合に生じる、光源から発生する熱
に対する対策も不要となるという効果を奏する。
【0193】また、光変調手段の特性による光量むら
や、投影手段に特性による光量むらが生じるような構成
であっても、これらを抑制するような構成とすることに
よって、従来のように光量を落とすことなく、より均一
な光を感光材料上に照射することが可能となる。したが
って、光量の増減に敏感に反応する感光材料に対して
も、むらのない良質な焼き付け画像を提供することが可
能となるという効果を奏する。
【0194】請求項15記載の焼付方法は、特定の偏光
成分のみを入射光として選択し、画像データに応じて該
入射光の透過状態を変調させた後、変調後の光を光照射
対象に投影する焼付方法において、光源から出射された
光を、互いに異なる第1および第2の偏光成分の光に分
離し、分離された第1の偏光成分の光の少なくとも一部
を、第2の偏光成分の光に変換し、上記分離された第2
の偏光成分の光と上記変換された第2の偏光成分の光と
を入射光として利用することにより、上記入射光の光量
を増加させることを特徴としている。
【0195】これにより、光源からの光が、互いに異な
る第1および第2の偏光成分の光に分離される。そし
て、分離された第1の偏光成分の光の少なくとも一部
が、第2の偏光成分の光に変換される。したがって、光
源を出射した光のほとんどを、上記入射光としてその透
過状態を変調させ、画像の表示に利用することが可能と
なり、光の利用効率を大幅に向上させることができる。
よって、光照射対象に照射する光の光量をある程度大き
くするために、光源の出力を大きくするなどの対応が不
要となり、装置自体のコストの上昇、ならびにランニン
グコストの上昇などを抑制することが可能となる。ま
た、光源の出力を上げることによって対応する場合に生
じる、光源から発生する熱に対する対策も不要となると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る写真焼付装置の概
略構成を示す側面図である。
【図2】上記写真焼付装置の構成要素の一部を示す側面
図である。
【図3】同図(a)ないし(j)は、図2に示す構成に
おける、光源から出射される光の経路を示す説明図であ
る。
【図4】図1に示す写真焼付装置の他の構成例を示す側
面図である。
【図5】本発明の実施の他の形態に係る写真焼付装置の
概略構成を示す斜視図である。
【図6】図5に示す写真焼付装置の側面図である。
【図7】本発明の実施のさらに他の形態に係る写真焼付
装置の概略構成を示す斜視図である。
【図8】図7に示す写真焼付装置の他の構成例を示す斜
視図である。
【図9】図7に示す写真焼付装置が備える第2レンズア
レイおよび偏光面回転フィルムの配置関係を示す平面図
である。
【図10】図8に示す写真焼付装置が備える第2レンズ
アレイおよび偏光面回転フィルムの配置関係を示す平面
図である。
【図11】従来の写真焼付装置の概略構成を示す斜視図
である。
【図12】(a)は、ディジタル写真画像を焼き付ける
ための、従来の写真焼付装置の構成を示す説明図であ
る。(b)は、上記従来の写真焼付装置のLCSのシャ
ッター部の配列を示す説明図である。
【図13】本発明の実施のさらに他の形態に係る写真焼
付装置の概略構成を示す斜視図である。
【図14】本発明の実施のさらに他の形態に係る写真焼
付装置の概略構成を示す斜視図である。
【図15】本発明の実施のさらに他の形態に係る写真焼
付装置の概略構成を示す斜視図である。
【図16】図15に示す写真焼付装置の露光ヘッドの構
成を説明するための走査露光における主走査方向の矢視
断面図である。
【符号の説明】
1・11・31・41 光源 1A ランプ 1B・1D リフレクタミラー 1E 凹面リフレクタ 2 1/4波長板 3・12 PBS(偏光ビームスプリッタ) 4・13・34 ミラー 5・15・24 カラーフィルタ 6・16・25 LCD(液晶表示装置) 7・17・26 焼付レンズ(投影手段) 8・18・27・28 印画紙(感光材料) 14 偏光面回転フィルム(偏光面回転手段) 21 第1レンズアレイ 22 PBS(偏光ビームスプリッタ) 22A S偏光反射面(第1偏光反射面) 22B P偏光反射面(第2偏光反射面) 23 第2レンズアレイ 23A 偏光面回転フィルム(偏光面回転手段) 32 半波長板(偏光面回転手段) 33 偏光分離プリズム(偏光分離手段) 35 LCS(光変調手段) 36 ロッドレンズアレイ(投影手段) 43 拡散フィルム(偏光変換手段) 44 輝度上昇フィルム(偏光分離手段)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入射する光を、互いに異なる第1および第
    2の偏光成分の光に分離する偏光分離手段と、 上記偏光分離手段によって分離された第1の偏光成分の
    光の少なくとも一部を、第2の偏光成分の光に変換する
    偏光変換手段と、 上記偏光分離手段によって分離された第2の偏光成分の
    光および上記偏光変換手段によって変換された第2の偏
    光成分の光の透過状態を、入力される画像データに応じ
    て各画素毎に変調させる光変調手段と、 上記光変調手段から出射される光を、光照射対象に投影
    する投影手段とを備えていることを特徴とする投影装
    置。
  2. 【請求項2】光源と、 上記光源から出射した光を、互いに異なる第1および第
    2の偏光成分の光に分離する偏光分離手段と、 上記偏光分離手段によって分離された第1の偏光成分の
    光を、第2の偏光成分の光に変換する偏光変換手段と、 上記偏光分離手段によって分離された第2の偏光成分の
    光および上記偏光変換手段によって変換された第2の偏
    光成分の光を利用して、入力される画像データに応じ
    て、各画素毎に光の透過状態を変調させる光変調手段
    と、 上記光変調手段から出射される光を、光照射対象に投影
    する投影手段とを備えていることを特徴とする投影装
    置。
  3. 【請求項3】上記光変調手段が、液晶表示装置であり、
    該液晶表示装置における光の入射側の偏光板が、上記の
    第2の偏光成分の光を透過するように設けられているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の投影装置。
  4. 【請求項4】上記偏光分離手段が、第2の偏光成分の光
    を透過し、第1の偏光成分の光を所定の方向に反射させ
    る偏光ビームスプリッタによって構成され、上記偏光変
    換手段が、上記光源と上記偏光ビームスプリッタとの間
    の領域に配置された1/4波長板によって構成されてお
    り、上記偏光ビームスプリッタによって反射された第2
    の偏光成分の光が再び上記偏光ビームスプリッタに入射
    するように反射させるミラーと、光源の近傍に設けられ
    るとともに、反射面が、上記光源と上記偏光ビームスプ
    リッタとを結ぶ光軸に垂直となっているリフレクタミラ
    ーとを備え、上記光源と上記偏光ビームスプリッタとを
    結ぶ光軸の延長上に、上記光変調手段が配置されている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記
    載の投影装置。
  5. 【請求項5】上記リフレクタミラーにおける特定の領域
    において、上記光源と上記偏光ビームスプリッタとを結
    ぶ光軸の方向に対する反射光量を減じていることを特徴
    とする請求項4記載の投影装置。
  6. 【請求項6】上記偏光分離手段が、第2の偏光成分の光
    を透過し、第1の偏光成分の光を所定の方向に反射させ
    る偏光ビームスプリッタによって構成され、上記偏光変
    換手段が、偏光面回転手段によって構成され、上記偏光
    ビームスプリッタによって反射された第1の偏光成分の
    光を上記偏光面回転手段が配置されている方向に反射さ
    せるミラーをさらに備え、上記ミラーから偏光面回転手
    段を透過することによって第2の偏光成分に変換された
    光と、上記偏光ビームスプリッタを透過した第2の偏光
    成分の光とが、上記光変調手段に照射されることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の投影装
    置。
  7. 【請求項7】上記光変調手段に、特定の光入射方向によ
    る透過光量が低くなる視角特性が存在しており、この特
    定の光入射方向と、上記偏光分離手段によって分離され
    た第2の偏光成分の光、あるいは、上記偏光変換手段に
    よって変換された第2の偏光成分に変換された光の、上
    記光変調手段に対する入射方向とを一致させることを特
    徴とする請求項1、2、3、6のいずれか1項に記載の
    投影装置。
  8. 【請求項8】上記偏光分離手段が、上記第1の偏光成分
    の光を反射する第1偏光反射面と、上記第2の偏光成分
    の光を反射する第2偏光反射面とを有する偏光ビームス
    プリッタによって構成され、上記偏光変換手段が、偏光
    面回転手段によって構成され、上記第2偏光反射面にお
    いて反射された第2の偏光成分の光が、そのまま上記光
    変調手段に照射される一方、上記第1偏光反射面におい
    て反射された第1の偏光成分の光が、上記偏光面回転手
    段を透過した後に上記光変調手段に照射されることを特
    徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の投影
    装置。
  9. 【請求項9】上記偏光面回転手段が、該偏光面回転手段
    を透過することによって第2の偏光成分に変換された光
    が上記光変調手段の特定の領域にのみ照射されるような
    形状となっていることを特徴とする請求項8記載の投影
    装置。
  10. 【請求項10】上記偏光分離手段が、第2の偏光成分の
    光を透過し、第1の偏光成分の光を、上記第2の偏光成
    分の光の進行方向に対し所定の分離角度をなす方向に進
    行させて分離する偏光分離プリズムによって構成され、
    上記偏光変換手段が、該偏光分離プリズムによって分離
    された第1および第2の偏光成分の光のうち第1の偏光
    成分の光のみを受光する位置に配置された偏光面回転手
    段によって構成されると共に、光路変換手段を備えてお
    り、上記光路変換手段は、上記偏光変換手段から出射し
    た偏光変換後の光と上記第2の偏光成分の光とが、上記
    光変調手段における同位置に入射するように、上記偏光
    変換後の光および/または上記第2の偏光成分の光を導
    くものであり、上記光照射対象に対し走査露光を行うこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の投影装置。
  11. 【請求項11】上記偏光分離手段が、光の入射側におい
    て第2の偏光成分の光を透過し、第1の偏光成分の光を
    反射する輝度上昇フィルムによって構成され、上記偏光
    変換手段が、上記偏光分離手段における光の入射側に配
    置された拡散フィルムによって構成されており、上記偏
    光変換手段により変換された第2の偏光成分の光を上記
    偏光分離手段に入射させる反射手段を備えていると共
    に、上記光照射対象に対し走査露光を行うことを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の投影装
    置。
  12. 【請求項12】上記反射手段が上記拡散フィルムである
    ことを特徴とする請求項11記載の投影装置。
  13. 【請求項13】上記光変調手段における光入射側の偏光
    方向と、第2の偏光成分の光の偏光面とが平行であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記
    載の投影装置。
  14. 【請求項14】請求項1ないし13のいずれか1項に記
    載の投影装置を備え、上記光変調手段に、焼き付けを行
    うべき画像を表示させるとともに、上記光照射対象が、
    感光材料であることを特徴とする写真焼付装置。
  15. 【請求項15】特定の偏光成分のみを入射光として選択
    し、画像データに応じて該入射光の透過状態を変調させ
    た後、変調後の光を光照射対象に投影する焼付方法にお
    いて、光源から出射された光を、互いに異なる第1およ
    び第2の偏光成分の光に分離し、分離された第1の偏光
    成分の光の少なくとも一部を、第2の偏光成分の光に変
    換し、上記分離された第2の偏光成分の光と上記変換さ
    れた第2の偏光成分の光とを入射光として利用すること
    により、上記入射光の光量を増加させることを特徴とす
    る焼付方法。
JP2000042034A 1999-10-28 2000-02-18 投影装置およびこれを備えた写真焼付装置ならびに焼付方法 Withdrawn JP2001194724A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000042034A JP2001194724A (ja) 1999-10-28 2000-02-18 投影装置およびこれを備えた写真焼付装置ならびに焼付方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30665799 1999-10-28
JP11-306657 1999-10-28
JP2000042034A JP2001194724A (ja) 1999-10-28 2000-02-18 投影装置およびこれを備えた写真焼付装置ならびに焼付方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001194724A true JP2001194724A (ja) 2001-07-19

Family

ID=26564806

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000042034A Withdrawn JP2001194724A (ja) 1999-10-28 2000-02-18 投影装置およびこれを備えた写真焼付装置ならびに焼付方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001194724A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004354881A (ja) * 2003-05-30 2004-12-16 Seiko Epson Corp 照明装置および投射型表示装置
JP2004354880A (ja) * 2003-05-30 2004-12-16 Seiko Epson Corp 照明装置および投射型表示装置
JP2006154602A (ja) * 2004-12-01 2006-06-15 Seiko Epson Corp 光源装置及び画像表示装置
US7360900B2 (en) 2004-03-10 2008-04-22 Seiko Epson Corporation Illuminating apparatus, image display apparatus, and projector
JP2009251258A (ja) * 2008-04-07 2009-10-29 Nikon Corp 照明装置及びプロジェクタ

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004354881A (ja) * 2003-05-30 2004-12-16 Seiko Epson Corp 照明装置および投射型表示装置
JP2004354880A (ja) * 2003-05-30 2004-12-16 Seiko Epson Corp 照明装置および投射型表示装置
JP4599809B2 (ja) * 2003-05-30 2010-12-15 セイコーエプソン株式会社 照明装置および投射型表示装置
US7360900B2 (en) 2004-03-10 2008-04-22 Seiko Epson Corporation Illuminating apparatus, image display apparatus, and projector
JP2006154602A (ja) * 2004-12-01 2006-06-15 Seiko Epson Corp 光源装置及び画像表示装置
JP2009251258A (ja) * 2008-04-07 2009-10-29 Nikon Corp 照明装置及びプロジェクタ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3298437B2 (ja) 光学素子、偏光照明装置および投写型表示装置
US5267029A (en) Image projector
JP3060049B2 (ja) 画像投射装置
US6795249B2 (en) Reflective time-division image projector having a transmission color wheel
JP3747621B2 (ja) カラー投影表示装置
US10101647B2 (en) Illuminator and projector
JPH11271744A (ja) カラー液晶表示装置
CN112147836B (zh) 一种光源系统及显示设备
JP2010204333A (ja) プロジェクター
KR20040024124A (ko) 두 액정 판넬 컬러 스위칭 투사 장치
CN114563906B (zh) 光源光学系统,光源单元,光源装置以及图像显示装置
KR100636089B1 (ko) 반사형 칼라 프로젝터
CN108345160B (zh) 一种投影显示系统
EP0435288B1 (en) Image projector
JP2001194724A (ja) 投影装置およびこれを備えた写真焼付装置ならびに焼付方法
TW201835672A (zh) 光學系統
JPH1082959A (ja) 投写型映像表示装置
JPH1039258A (ja) 単一偏光変換素子及び投射型表示装置
JP2004053641A (ja) 偏光照明光学系およびこれを用いた投写型表示装置
JP2007333773A (ja) プロジェクタ
JP3424598B2 (ja) 焼付装置ならびにこれを備えた写真処理装置
JP3713969B2 (ja) 投写型表示装置
JP2907054B2 (ja) カラー表示装置
KR0141548B1 (ko) 액정 투사형 화상표시 장치
JP3298579B2 (ja) 偏光照明装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070501