JP2003232458A - 開閉弁 - Google Patents

開閉弁

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JP2003232458A
JP2003232458A JP2002029788A JP2002029788A JP2003232458A JP 2003232458 A JP2003232458 A JP 2003232458A JP 2002029788 A JP2002029788 A JP 2002029788A JP 2002029788 A JP2002029788 A JP 2002029788A JP 2003232458 A JP2003232458 A JP 2003232458A
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薫 野道
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清治 石井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 供給圧力を高くしても、最大許容流量を大き
くしても、供給ポートと排出ポートとの連通および遮断
を制御する開閉駆動手段の駆動力を小さくできる開閉弁
を提供する。 【解決手段】 供給ポート108、排出ポート110お
よび弁座118が形成されるハウジング101と、ハウ
ジング内に軸線方向に変位自在に保持され、供給ポート
に連なる第1圧力室144と排出ポートに連なる第2圧
力室150とにハウジング内を仕切り、第1圧力室の流
体から軸線方向一方に向かう供給圧力P1を受ける供給
受圧面積の供給受圧面155と、第1圧力室に連なって
供給圧力に保持される背圧力室135の流体から軸線方
向他方に向かう供給圧力を供給受圧面積と同一の背受圧
面積で受ける背受圧面が形成されるピストン102と、
ピストンに軸線方向の駆動力を与えて、供給ポートと排
出ポートとの連通および遮断を制御するばね部材103
およびソレノイド132とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば流体圧装
置に設けられる開閉弁に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、従来の技術の開閉弁1を示す断
面図である。開閉弁1は、ハウジング2内に、軸線方向
に変位自在にピストン3が保持され、ピストン3に軸線
方向一方x1に向かうばね力を与えるばね部材4が設け
られて構成される。ハウジング2には、供給ポート5お
よび排出ポート6が形成され、供給ポート5を外囲して
弁座7が形成される。このようにして、ハウジング2内
が、供給ポート5に連なる第1圧力室10と、排出ポー
ト6に連なる第2圧力室11とに仕切られる。また開閉
弁1は、ハウジング2の外部に、強磁性材料から成るピ
ストン3に軸線方向他方x2に向かう電磁力を与え、ば
ね部材4と協働して、供給ポート5と排出ポート6との
連通および遮断を制御するソレノイド9が設けられる。
【0003】ソレノイド9に通電していない状態では、
ピストン3は、ばね部材4によって軸線方向一方x1に
向かうばね力が与えられて、シート部8が弁座7に着座
する遮断位置に配置され、供給ポート5と排出ポート6
とは遮断される。ソレノイド9に通電している状態で
は、ピストン3は、ソレノイド9によって軸線方向他方
x2に向かう電磁力が与えられて、シート部8が弁座7
から離間する離間位置に配置され、供給ポート5と排出
ポート6とは連通する。このとき、供給ポート5に供給
された供給圧力p1の流体を、排出ポート6から排出す
ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】供給ポート5と排出ポ
ート6とを遮断するためには、ピストン3のシート部8
をハウジング2の弁座7に安定して着座させる必要があ
る。このためには、開閉弁1は、ピストン3が遮断位置
に配置されるときに、ピストン3に働く力の関係が、次
式(a)を満たすように構成する必要がある。k・Δh
>a1・p1 …
(a)
【0005】上式(a)において、a1は、ピストン3
の軸線方向他方x2に供給圧力p1を受ける受圧面積で
あり、kは、ばね部材4のばね定数であり、Δhは、ピ
ストン3が遮断位置に配置されるときの、ばね部材4の
自然状態に対する撓み量である。また上式(a)の左辺
は、ピストン3に軸線方向一方x1に働く力、すなわち
ばね部材4によるばね力k・Δhであり、右辺は、ピス
トン3に軸線方向他方x2に働く力、すなわち供給ポー
ト5に供給される供給圧力p1の流体による力a1・p
1である。開閉弁1では、ピストン3が供給圧力p1を
面積a1の受圧面で軸線方向他方x2にだけ受ける構成
である。したがってシート部8を弁座7に安定して着座
させるには、供給ポート5に供給される流体の供給圧力
p1を高くなるにつれて、ばね部材4のばね力k・Δh
を大きくするように、供給圧力p1に対応して設定しな
ければならない。一方ピストン3を軸線方向他方x2に
向けて駆動するためには、大きなばね力に抗する電磁力
をピストン3に与えることができる大形のソレノイド9
が必要となる。
【0006】また開閉弁1の流量キャパシティ、すなわ
ち最大許容流量を大きくするためには、弁座7の直径を
大きくする必要がある。弁座7の直径を大きくすると、
受圧面積a1が大きくなり、式(a)に示すように、ば
ね力を大きくする必要がある。その結果、ソレノイド9
によるピストン3に与える軸線方向他方x2に向かう電
磁力をより大きくする必要がある。すなわち、より大形
のソレノイド9が必要となる。
【0007】本発明の目的は、供給圧力を高くしても、
最大許容流量を大きくしても、供給ポートと排出ポート
との連通および遮断を制御する開閉駆動手段の駆動力を
小さくできる開閉弁を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、供給ポートおよび排出ポートが形成されるととも
に、弁座が形成されるハウジングと、ハウジング内に軸
線方向に変位自在に保持され、供給ポートに連なる第1
圧力室と排出ポートに連なる第2圧力室とにハウジング
内を仕切り、第1圧力室の流体から軸線方向一方に向か
う供給圧力を供給受圧面積で受ける供給受圧面と、第1
圧力室に連なって供給圧力に保持される背圧力室の流体
から軸線方向他方に向かう供給圧力を供給受圧面積と同
一の背受圧面積で受ける背受圧面が形成されるピストン
と、ピストンに軸線方向の駆動力を与えて、供給ポート
と排出ポートとの連通および遮断を制御する開閉駆動手
段とを含むことを特徴とする開閉弁である。
【0009】本発明に従えば、ピストンに供給受圧面積
と同一の背受圧面積を有する背受圧面が形成され、この
背受圧面は背圧力室から供給圧力を受けるように構成さ
れる。供給受圧面と背受圧面とは、軸線方向に相互に反
対方向から供給圧力を受ける。これによって供給圧力に
基づいて、ピストンに軸線方向一方に働く力と、ピスト
ンに軸線方向他方に働く力とを釣り合わせて、ピストン
に働く供給圧力による軸線方向の力を相殺することがで
きるので、供給圧力を高くしても、開閉駆動手段が供給
ポートと排出ポートとの連通および遮断を制御するため
に、ピストンに与える軸線方向の駆動力を大きくする必
要がない。
【0010】さらに最大許容流量を大きくするために、
供給圧力を受けるピストンの供給受圧面積を大きくして
も、背受圧面を供給受圧面積と同一の背受圧面積にして
形成することで、供給圧力に基づいて、ピストンに軸線
方向一方に働く力と、ピストンに軸線方向他方に働く力
とを釣り合わせて、ピストンに働く供給圧力による軸線
方向の力を相殺できる。これによって開閉駆動手段が供
給ポートと排出ポートとの連通および遮断を制御するた
めに、ピストンに与える軸線方向の駆動力を大きくする
ことなく、最大許容流量を大きくすることができる開閉
弁を容易に実現することができる。
【0011】請求項2記載の本発明は、ハウジングに設
けられ、ピストンに対して軸線方向に変位自在にピスト
ンに挿入されて、ピストンとの間に背圧力室を形成する
ロッドを含むことを特徴とする。
【0012】本発明に従えば、ハウジングに設けられる
ロッドをピストンに挿入し、ロッドとピストンとの間に
背圧力室を形成することができる。このようにピストン
内にロッドを挿入するだけの簡単な構成によって、開閉
駆動手段が供給ポートと排出ポートとの連通および遮断
を制御するために、ピストンに与える軸線方向の駆動力
を小さくすることができる開閉弁を実現することができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
開閉弁100のピストン102が第1位置に配置される
状態を示す断面図であり、図2は、開閉弁100のピス
トン102が第2位置に配置される状態を示す断面図で
ある。開閉弁100は、供給側から排出側に流体が流下
する流路に介在され、供給側から供給される流体の排出
側への排出を制御する弁である。この開閉弁100は、
ハウジング101と、ピストン102と、ばね部材10
3と、ロッド104と、ソレノイド180とを含んで構
成され、ハウジング101、ピストン102、ばね部材
103およびロッド104は、相互に同軸に設けられ、
それぞれの軸線は、開閉弁100の軸線L10と一致し
ている。
【0014】ハウジング101は、有底円筒状の第1ハ
ウジング体105と、第1ハウジング体105の開口端
部106に外装されて装着され、非磁性材料からなる非
磁性部160および磁性材料からなる磁性部161で構
成される第2ハウジング体113と、第2ハウジング体
113の軸線方向一端部114に内挿されて装着され、
非磁性材料からなるキャップ部材107とを有する。第
1ハウジング体105の開口端部106の外周部と第2
ハウジング体113の軸線方向他端部122の内周部と
の間は、周方向全周にわたってシールが達成されてい
る。また第2ハウジング体113の軸線方向一端部11
4の内周部とキャップ部材107の外周部との間は、周
方向全周にわたってシールが達成されている。第1ハウ
ジング体105の底部109と開口端部106との間の
軸線方向中間部には、半径方向内方に突出して周方向全
周に延びるフランジ状の内向き凸部120が形成され
る。
【0015】キャップ部材107には、軸線L10に沿
って挿通する供給ポート108が形成され、第1ハウジ
ング体105の底部109には、軸線L10に沿って挿
通する排出ポート110が形成される。このようにハウ
ジング101には、軸線方向一端部111に供給ポート
108が形成され、軸線方向他端部112に排出ポート
110が形成される。
【0016】またキャップ部材107には、ハウジング
101の内方に向けて、第1方向X1へ先細状に突出
し、供給ポート108を外囲するように、周方向全周に
延びる円環状の弁座118が形成される。ここで第1方
向X1は、ハウジング101の軸線方向一端部111か
ら他端部112に向かう方向である。
【0017】ピストン102は、強磁性材料からなり、
有底円筒状に形成され、軸線方向一端部である底部11
5側をハウジング101の軸線方向一端部111側に配
置し、軸線方向他端部である開放端部116側をハウジ
ング101の軸線方向他端部112側に配置して、第2
ハウジング体113に保持される。この状態でピストン
102は、軸線L10に沿って、第1方向X1およびそ
の反対の第2方向X2へ変位自在である。
【0018】ロッド104は、大略的に円柱状であっ
て、ハウジング101に保持され、軸線方向一端部12
8側の部分をピストン102内に、ピストン102に対
して、軸線L10に沿って、第1方向X1および第2方
向X2へ変位自在に挿入されている。このロッド104
は、少なくとも軸線方向他端部131がピストン102
から突出した状態で設けられる。ハウジング101の軸
線方向他端部112、すなわち第1ハウジング体105
の底部109には、開口端部106に向かって(第2方
向X2に)凹となる嵌合凹所130が形成される。ロッ
ド104は、この嵌合凹所130に軸線方向他端部13
1が嵌まり込んで保持されている。
【0019】ロッド104の軸線方向一端部128は、
その外周部がピストン102の内周部にシールを達成し
た状態で当接し、ピストン102とロッド104との間
に背圧力室135が形成される。またロッド104は、
軸線方向一端部128を除く部分であって、ピストン1
02内に挿入される部分の外周部は、ピストン102の
内周部との間に半径方向に間隔をあけており、略円環状
のピストン内空間136が形成される。第1ハウジング
体105内には、内向き凸部120よりも第1方向X1
側に、環状の空間141が形成される。
【0020】ピストン102は、軸線方向一端部の端面
部分に、周方向全周に延びる特殊樹脂から成るシート部
142が形成され、このシート部142がキャップ部材
107の弁座118に軸線方向に対向して、周方向全周
に延びる円環状の円環状通路143が形成される(図2
参照)。ピストン102が、図1に示す第1位置に配置
されると、シート部142がキャップ部材107の弁座
118に着座し、このときシート部142と弁座118
との間はシールが達成される。空間140は、円環状通
路143を介して連なる2つの領域144,145を有
する。円環状通路143よりも半径方向内方側となる領
域は、供給ポート108に連なる第1圧力室144であ
る。
【0021】またピストン102の開放端部116を除
く外周部には、軸線方向に延びるとともに半径方向内方
に陥没する溝121が形成される。ハウジング101内
には、第2ハウジング体113の内周面とピストン10
2の溝121とによって囲まれる空間140が形成され
る。さらにピストン102のロッド104の軸線方向一
端部128に当接する部分よりも開口端部116寄りの
部分に、半径方向に挿通する挿通孔147が形成され
る。この挿通孔147によって、空間140とピストン
内空間136とが連通される。
【0022】またロッド104の軸線方向他端部131
およびその付近には、前記軸線方向他端部131におい
て、第1方向X1に開口するとともに半径方向外方に開
口する連通孔148が形成される。この連通孔148に
よって、排出側空間141およびピストン内空間136
が、排出ポート110に連通される。円環状通路143
よりも半径方向外方側の領域145、空間140、ピス
トン内空間136、挿通孔147、排出側空間141お
よび連通孔148を含んで、排出ポート110に連なる
第2圧力室150が構成される。
【0023】またピストン102の底部115には、こ
の底部115を軸線L10に沿って挿通する透孔151
が形成されている。この透孔151によって、第1圧力
室144と、背圧力室135とが連通される。
【0024】このように開閉弁100では、ピストン1
02は、ハウジング101内を、円環状通路143によ
って連なる第1圧力室144と第2圧力室150とに仕
切る。供給ポート108に供給される流体は、図2に示
すようなピストン102が第2位置に配置されるとき、
第1圧力室144から円環状通路143を通過して第2
圧力室150に、具体的には、供給側空間の領域145
に流下し、空間140、挿通孔147、ピストン内空間
136、排出側空間141および連通孔148を経て、
排出ポート110に流下し、排出ポート110から排出
される。
【0025】ばね部材103は、圧縮コイルばねであ
り、第1ハウジング体105とピストン102とが軸線
方向に間隔をあけて形成される円環状のばね収容空間1
23に配置されて、ロッド104に外嵌される状態でハ
ウジング101内に設けられる。ばね収容空間123
は、第1ハウジング体105の内向き凸部120とピス
トン102の開放端部116との間に形成される。ばね
部材103は、軸線方向一端部125がピストン102
の開放端部116に支持され、軸線方向他端部126が
内向き凸部120に支持される。このばね部材103に
よって、ハウジング101に対して第2方向X2に向か
うばね力を、ピストン102に与えることができる。
【0026】ソレノイド132は、強磁性材料からなる
略円筒状のコイルボビン133と、軸線L10を中心に
してコイルボビン133に巻回されるコイル134とを
含んで構成される。ソレノイド132のコイル134に
駆動電流Iを与えない状態では、ピストン102は、ば
ね部材103の第2方向X2に向かうばね力によって、
図1に示すような、ピストン102のシート部142が
キャップ部材107の弁座118に着座する第1位置に
配置される。ソレノイド132のコイル134に駆動電
流Iを与えると、ばね部材103の第2方向X2に向か
うばね力に抗する第1方向X1に向かう電磁力によっ
て、ピストン102が第1方向X1に変位し、図2に示
すような、ピストン102のシート部142がキャップ
部材107の弁座118から離間する第2位置に配置さ
れる。このようにソレノイド132への駆動電流Iの供
給および供給停止によって、ソレノイド132とばね部
材103とが協働して、ピストン102に電磁力および
ばね力を働かせて、ピストン102を変位させて、供給
ポート108と排出ポート110との連通および遮断を
制御することができる。本実施の形態において、開閉駆
動手段は、ばね部材103およびソレノイド132を含
んで構成され、駆動力は、ばね部材103によるばね力
およびソレノイド132による電磁力を含む。
【0027】図3は、開閉弁100を簡略化して示す断
面図である。図1および図2を併せて参照して、ピスト
ン102は、第1圧力室144の流体から第1方向X1
に向かう供給圧力P1を、有効的に受ける供給受圧面積
A1の供給受圧面155を有する。供給受圧面積A1
は、第1圧力室144内の流体から受ける供給圧力P1
が、ピストン102に第1方向X1への力として有効的
に働く面積である。本実施の形態では、ピストン102
は、第1圧力室144内の流体から第1方向X1にだけ
供給圧力P1を受けており、その面積が供給受圧面積A
1となる。
【0028】ピストン102は、第1圧力室144に第
1方向X1側からだけ臨んでおり、第1圧力室144の
流体から第1方向X1にだけ供給圧力P1を受けるの
で、上述のピストン102が第1圧力室144内の流体
から第2方向X2に供給圧力P1を受ける受圧面積は零
となる。したがって供給受圧面積A1は、シート部14
2と協働して円環状通路143を形成する弁座118の
先端部の直径D1を用いて、次式(1)で表される。
【0029】
【数1】
【0030】また背圧力室135は、上述のようにピス
トン102内にロッド104の軸線方向他端部128が
挿入されることによって形成されており、ピストン10
2は、背圧力室135内の流体から第2方向X2に向か
う供給圧力P1を、有効的に受ける背受圧面積A4の背
受圧面156を有する。背受圧面積A4は、背圧力室1
35内の流体から受ける供給圧力P1が、ピストン10
2を第2方向X2への力として有効的に働く面積であ
る。本実施の形態では、ピストン102は、背圧力室1
35内の流体から第2方向X2だけでなく第1方向X1
にも供給圧力P1を受けており、背受圧面積A4は、背
圧力室135内の流体から第2方向X2に供給圧力P1
を受ける受圧面積から、ピストン102が背圧力室13
5内の流体から第1方向X1に供給圧力P1を受ける受
圧面積を減算した面積である。
【0031】この背受圧面積A4は、ロッド104の軸
線方向一端部128の軸線L10に垂直な断面の面積と
同一であって、ロッド104の軸線方向他端部131を
除く部分の外径D2を用いて、次式(2)で表される。
【0032】
【数2】
【0033】弁座118の先端部の直径D1と、ロッド
104の軸線方向一端部128の外径D2とは同一であ
って、したがって供給受圧面積A1と背受圧面積A4と
は同一である。このようにピストン102は、第1圧力
室144内の流体から供給圧力P1を第1方向X1に受
ける供給受圧面155の供給受圧面積A1と同一の背受
圧面積A4を有し、背圧力室135内の流体から第2方
向X2に向かう供給圧力P1を受ける背受圧面156を
有する。
【0034】またピストン102は、第2圧力室150
内の流体から第2方向X2に向かう排出圧力P2を、有
効的に受ける第1排出受圧面積A3の第1排出受圧面1
57を有する。第1排出受圧面積A3は、第2圧力室1
50内の流体から受ける排出圧力P2が、ピストン10
2に第2方向X2への力として有効的に働く面積であ
る。本実施の形態では、ピストン102は、第2圧力室
150、詳細には、排出側空間141に開放端部116
が部分的に第2方向X2側から臨んでおり、排出側空間
141の流体からは第2方向X2にだけ排出圧力P2を
受ける。したがって第1排出受圧面積A3は、ピストン
102の開放端部116の最大外径D3を直径とする円
からロッド104の軸線方向他端部131を除く部分の
断面の面積、すなわち背受圧面積A4を減算した面積で
あって、次式(3)で表される。
【0035】
【数3】
【0036】またピストン102は、第2圧力室150
内の流体から第1方向X1に向かう排出圧力P2を、有
効的に受ける第2排出受圧面積A2の第2排出受圧面1
58を有する。第2排出受圧面積A2は、第2圧力室1
50内の流体から受ける排出圧力P2が、ピストン10
2に第1方向X1への力として有効的に働く面積であ
る。本実施の形態では、ピストン102は、第2圧力室
150、詳細には、供給側空間の円環状通路143の外
方側領域145に底部115が部分的に第1方向X1側
から臨んでおり、前記外方側領域145の流体からは第
1方向X1にだけ排出圧力P2を受ける。したがって第
2排出受圧面積A2は、ピストン102の供給側空間の
円環状通路143の外方側領域145に臨む部分の最大
外径D4を直径とする円から供給受圧面積A1を減算し
た面積であって、次式(4)で表される。
【0037】
【数4】
【0038】ピストン102の開放端部116の最大外
径D3と、ピストン102の供給側空間の円環状通路1
43の外方側領域145に臨む部分の最大外径D4とは
同一であって、したがって第1排出受圧面積A3と第2
排出受圧面積A2とは同一である。このようにピストン
102は、第2圧力室150内の流体から排出圧力P2
を第2方向X2に受ける第1排出受圧面157の第1排
出受圧面積A3と同一の第2排出受圧面積A2を有し、
第2圧力室150内の流体から第1方向X1に向かう排
出圧力P2を受ける第2排出受圧面158を有する。換
言すれば、ピストン102の底部115を除く部分の外
周部は、直径D3(=D4)の円筒状に形成される。
【0039】また開閉弁100では、ピストン102に
働く軸線方向の力の釣り合いは、次式(5)のように表
される。 (A1−A4)P1+(A2−A3)P2+Fs=K(ΔH+Z) …(5)
【0040】ここで、Kは、ばね部材103のばね定数
であり、ΔHは、図1に示されるばね部材103の第1
位置での自然状態からの撓み量である。またZは、ピス
トン102の図1に示される第1位置からの第1方向X
1への変位量である。
【0041】本実施の形態の開閉弁100では、上述の
ようにピストン背圧力室135を形成して、ピストン1
02が供給圧力P1を背受圧面積A4で、第2方向Xに
受けるように構成し、これによってピストン102が第
1方向X1に受ける供給圧力P1による力と、ピストン
102が第2方向X2に受ける供給圧力P1による力と
を釣り合わせて、ピストン102に働く供給圧力P1に
よる軸線方向の力を相殺することができる。従来の構成
では、供給圧力を高くすると、安定してピストンを弁座
に着座させるために、その供給圧力によってピストンに
働く力に抗するような大きさのばね力をピストンに与え
るばね力の大きなばね部材を用いる必要があり、ピスト
ンを弁座から離間するときには、このような大きなばね
力に抗する大きな電磁力を与えることができるようにソ
レノイドを大形化しなければならない。本実施の形態の
開閉弁100では、ピストン102に働く供給圧力P1
による軸線方向の力が相殺されるので、供給圧力P1を
高くしても、安定してピストン102のシート部142
を弁座118に着座させて第1位置に配置するために、
ばね部材103のばね力を大きくする必要がない。これ
に伴って、ピストン102のシート部142を弁座11
8から離間させて第2位置に配置するために、ソレノイ
ド132がピストン102に与える電磁力を大きくする
必要がなく、ソレノイド102を小形化することがで
き、開閉弁100の半径方向寸法を小さく抑えることが
できる。
【0042】つまり供給受圧面積A1と背受圧面積A4
とを同一とする、換言すれば弁座118の先端部の直径
D1とロッド104の軸線方向他端部131を除く部分
の外径D2とを同一とすることによって、上式(5)に
おける左辺第一項を零にする(A1−A4=0)ことが
でき、ピストン102に働く供給圧力P1による力をな
くすことができる。これに加えてさらに、第1排出受圧
面積A3と第2排出受圧面積A2とを同一とする、換言
すればピストン102の供給側空間の円環状通路143
の外方側領域145に臨む部分の最大外径D4とピスト
ン102の開放端部116の最大外径D3とを同一とす
ることによって、上式(5)における左辺第二項を零に
する(A2−A3=0)ことができ、ピストン102に
働く供給圧力P2による力をもなくすことができる。し
たがってソレノイド132は、ばね部材103の第2方
向X2に向かうばね力に抗する電磁力をピストン102
に与えればよく、ピストン102に働く供給圧力P1お
よび排出圧力P2による力を考慮する必要がなく、ソレ
ノイド132を小形化することができる。
【0043】また流量キャパシティ、すなわち最大許容
流量を大きくするために、供給圧力P1を受けるピスト
ン201の供給受圧面積A1を大きくしても、背受圧面
156を供給受圧面積A1と同一の背受圧面積A4にし
て形成することで、供給圧力P1に基づいて、ピストン
102に第1方向X1に働く力と、ピストン102に第
2方向に働く力とを釣り合わせて、ピストン102に働
く供給圧力P1による軸線方向の力を相殺できる。これ
によってばね部材103が供給ポート108と排出ポー
ト110とを遮断するためにピストン102に与えるば
ね力を小さくすることができ、これによってソレノイド
132が供給ポート108と排出ポート110とを連通
するためにピストン102に与える電磁力を大きくする
ことがない。
【0044】またロッド104を設けて、ピストン10
2内に部分的に挿入する構成とすることによって、簡単
な構成によって、背圧力室135を形成し、上述の効果
が得られる開閉弁100を容易に実現することができ
る。さらにピストン102とロッド104との間のピス
トン内空間136を流体が流下する通路として利用する
ことによって、ピストン102に空間140の領域14
4と空間141とを連通するための軸線方向に延びる通
路を穿設する必要がなく、構成が簡単であり、複雑な加
工を必要としないので、容易に製造することができる。
また通路の穿設に伴なうピストン102の強度低下がな
いので、ピストン102の肉厚(半径方向寸法)を小さ
く抑えることができ、これによっても、開閉弁100の
半径方向寸法を小さくすることができる。もちろんピス
トン102に空間140の領域144と空間141とを
連通するための軸線方向に延びる通路を穿設する構成
も、本発明に含まれることは言うまでもない。
【0045】このような開閉弁100は、たとえば消防
士が火災現場などで背負う酸素を収容したタンクなどの
高圧タンクに設け、高圧タンク内の酸素を外部に排出す
るための開閉弁として用いることができる。このような
高圧タンクに内蔵化して用いる場合、高圧タンクは、強
度の観点から半径方向寸法を小さくする必要があり、上
述のように半径方向寸法を小さく抑えることができる開
閉弁100は、好適である。
【0046】上述の実施の形態は、本発明の例示に過ぎ
ず、本発明の範囲内で構成を変更することができる。た
とえばハウジング101とロッド104とは一体に形成
されてもよい。また本実施の形態では、開閉駆動手段
は、ばね部材103およびソレノイド132を含んで構
成するとしたが、これに限ることなく、ピストン102
に軸線方向の駆動力を与えることができる構成であれば
よい。また用途は、上述の消防士が背負うタンク以外の
高圧タンクに設けてもよく、たとえば電気自動車などに
搭載される燃料電池を構成するためのガスを収容するタ
ンクに設けるようにしてもよい。またタンク以外の流体
圧装置に設けるようにしてもよい。流体は、気体であっ
てもよいし、液体であってもよい。
【0047】図4は、開閉弁100と減圧弁20とを組
合わせた弁装置200を示す断面図である。弁装置20
0は、開閉弁100によって供給ポート108から供給
された流体の排出および排出の停止を切換えるととも
に、減圧弁20によって供給された流体を減圧しながら
外部に排出する。
【0048】図5は、減圧弁20を拡大して示す断面図
である。減圧弁20は、一次側から二次側に流体が流下
する流路に介在され、供給される一次圧力(以後「一次
圧」と略して表記することがある)P3の流体を、一次
圧P3よりも低い二次圧(以後「二次圧」と略して表記
することがある)P4に減圧して排出する弁である。こ
の減圧弁20は、ハウジング21と、ピストン22と、
ばね部材23と、ロッド24とを含んで構成され、ハウ
ジング21、ピストン22、ばね部材23およびロッド
24は、相互に同軸に設けられ、それぞれの軸線は、減
圧弁20の軸線L1と一致している。
【0049】ハウジング21は、有底円筒状のハウジン
グ本体25と、ハウジング本体25の開口端部26に内
挿されて装着されるキャップ部材27とを有する。キャ
ップ部材27は、ハウジング本体25に対して、軸線L
1まわりに回転して、軸線L1沿って螺進および螺退自
在に螺着され、軸線方向の位置を調節自在に設けられ
る。ハウジング本体25の内周部とキャップ部材27の
外周部との間は、周方向全周にわたってシールが達成さ
れている。
【0050】キャップ部材27には、軸線L1に沿って
挿通する一次ポート28が形成され、ハウジング本体2
5の底部29には、軸線L1に沿って挿通する二次ポー
ト30が形成される。このようにハウジング21には、
軸線方向一端部31に一次ポート28が形成され、軸線
方向他端部32に二次ポート30が形成される。
【0051】またキャップ部材27には、ハウジング2
1の内方に向けて、軸線方向一方X1へ先細状に突出
し、一次ポート28を外囲するように、周方向全周に延
びる円環状の突起片38が形成される。ここで軸線方向
一方X1は、ハウジング21の軸線方向一端部31から
他端部32に向かう方向である。
【0052】ピストン22は、有底円筒状に形成され、
軸線方向一端部である底部35側をハウジング21の軸
線方向一端部31側に配置し、軸線方向他端部である開
放端部36側をハウジング21の軸線方向他端部32側
に配置して、ハウジング21内に保持される。この状態
でピストン22は、軸線L1に沿って、軸線方向一方X
1およびその反対の軸線方向他方X2へ変位自在であ
る。
【0053】ハウジング21の軸線方向両端部31,3
2間の軸線方向中間部39には、半径方向内方に突出し
て周方向全周に延びるフランジ状の内向き凸部40が形
成され、この内向き凸部40の内周部に、ピストン22
の底部35および開口端部36間の軸線方向中間部37
における外周部が、シールを達成した状態で当接してい
る。またピストン22の開口端部36には、半径方向外
方に突出して周方向全周に延びるフランジ状の外向き凸
部41が形成され、この外向き凸部41の外周部が、ハ
ウジング21の軸線方向中間部39における内向き凸部
40よりも軸線方向他端部32寄りの部分の内周部に、
シールを達成した状態で当接している。
【0054】ばね手段であるばね部材23は、圧縮コイ
ルばねであり、ハウジング21とピストン22とが半径
方向に間隔をあけて形成される円環状のばね収容空間4
3に配置されて、ピストン22に外嵌される状態でハウ
ジング21内に設けられる。ばね収容空間43は、内向
き凸部40と外向き凸部41との間に形成され、ハウジ
ング21に形成される大気開放孔44によって大気に開
放されている。
【0055】ばね部材23は、軸線方向一端部45が内
向き凸部40に支持され、軸線方向他端部46が外向き
凸部41に支持される。このばね部材23によって、ハ
ウジング21に対して軸線方向一方X1に向かうばね力
を、ピストン22に与えることができる。
【0056】ロッド24は、大略的に円柱状であって、
ハウジング21に保持され、軸線方向一端部48側の部
分をピストン22内に、ピストン22に対して、軸線L
1に沿って、軸線方向一方X1および軸線方向他方X2
へ変位自在に挿入されている。このロッド24は、少な
くとも軸線方向他端部51がピストン22から突出した
状態で設けられ、この軸線方向他端部51は、残余の部
分に比べて外径が大きく形成されており、ピストン22
の開口端部36を軸線方向に支持することができるよう
に構成されている。
【0057】ハウジング21の軸線方向一端部32、し
たがってハウジング本体25の底部29には、開口端部
26に向かって(軸線方向他方X2に)凹となる嵌合凹
所50が形成される。ロッド24は、この嵌合凹所50
に軸線方向他端部51が嵌まり込んで保持されている。
【0058】ロッド24の軸線方向一端部48は、その
外周部がピストン22の内周部にシールを達成した状態
で当接し、ピストン22とロッド24との間に背圧力室
55が形成される。またロッド24は、軸線方向一端部
48を除く部分であって、ピストン22内に挿入される
部分の外周部は、ピストン22の内周部との間に半径方
向に間隔をあけており、円環状のピストン内空間56が
形成される。
【0059】このような減圧弁20では、上述のように
ピストン22の外周部が、2箇所において、ハウジング
21の内周部に、周方向全周にわたってシールを達成し
た状態で当接している。ハウジング21内には、ハウジ
ング21とピストン22との間に、内向き凸部40より
も軸線方向他方X2側に、有底筒状の空間60が形成さ
れるとともに、外向き凸部41よりも軸線方向一方X1
側に、環状の空間61が形成される。
【0060】ピストン22は、軸線方向一端部の端面部
分に、周方向全周に延びる特殊樹脂から成るシート部6
2が形成され、このシート部62がキャップ部材27の
突起片38に軸線方向に対向して、周方向全周に延びる
円環状のオリフィス63が形成される。空間60は、オ
リフィス63を介して連なる2つの領域64,65を有
する。オリフィス63よりも半径方向内方側となる領域
は、一次ポート28に連なる一次圧力室64である。
【0061】またピストン22には、軸線方向中間部3
7のロッド24の軸線方向一端部48に当接する部分よ
りも開口端部36寄りの部分に、内外に挿通する挿通孔
67が形成される。この挿通孔67によって、空間60
のオリフィスよりも半径方向外方側の領域65と、ピス
トン内空間56とが連通される。
【0062】またロッド24の軸線方向他端部51およ
びその付近には、軸線方向他端部51において、軸線方
向一方X1に開口するとともに半径方向外方に開口し、
軸線方向他端部51付近のピストン22内に挿入される
部分において、半径方向外方に開口する連通孔68が形
成される。この連通孔68によって、二次側空間61
と、ピストン内空間56とが連通されるとともに、これ
ら二次側空間61およびピストン内空間56が、二次ポ
ート30に連通される。オリフィス63よりも半径方向
外方側の領域65、空間61、ピストン内空間56、挿
通孔67および連通孔68を含んで、二次ポート30に
連なる二次圧力室70が構成される。
【0063】またピストン22の底部35には、この底
部35を軸線L1に沿って挿通する透孔71が形成され
ている。この透孔71によって、一次圧力室64と、背
圧力室55とが連通される。
【0064】このように減圧弁20では、ピストン22
は、ハウジング21内を、オリフィス63によって連な
る一次圧力室64と二次圧力室70とに仕切る。一次ポ
ート28に供給される流体は、一次圧力室64からオリ
フィス63を通過して二次圧力室70に、具体的には、
一次側空間の領域65に流下し、挿通孔67、ピストン
内空間56および連通孔68を経て、二次ポート30に
流下し、二次ポート30から吐出される。このように減
圧弁20を流体が流下するとき、ピストン22は、ロッ
ド24の軸線方向他端部51との間に軸線方向に間隔を
あける。
【0065】流体がオリフィス63を通過するとき、流
体の圧力が低下される。言い換えるならば、流体は、一
次圧力室64から、オリフィス63を通過することによ
って減圧されて、二次圧力室70に流下する。したがっ
て一次ポート28、一次圧力室64および背圧力室55
内の流体は、一次圧P3を有し、二次ポート30および
二次圧力室70内の流体は、一次圧P3よりも低い二次
圧P4を有する。
【0066】図6は、減圧弁20を簡略化して示す断面
図である。図5を併せて参照して、ピストン22は、一
次圧力室64の流体から軸線方向一方X1に向かう一次
圧P3を、有効的に受ける一次受圧面積B1の一次受圧
面75を有する。一次受圧面積B1は、ピストン22が
一次圧力室64内の流体から軸線方向一方X1に一次圧
P3を受ける受圧面積から、ピストン22が一次圧力室
64内の流体から軸線方向他方X2に一次圧P3を受け
る受圧面積を減算した面積であって、一次圧力室64内
の流体から受ける一次圧P3が、ピストン22を軸線方
向一方X1への力として有効的に働く面積である。
【0067】ピストン22は、一次圧力室64に軸線方
向一方X1側からだけ臨んでおり、一次圧力室64の流
体から軸線方向一方X1にだけ一次圧P3を受ける。し
たがって一次受圧面積B1は、シート部62と協働して
オリフィス63を形成する突起片38の先端部の直径E
1を用いて、次式(6)で表される。
【0068】
【数5】
【0069】また背圧力室55は、上述のようにピスト
ン22内にロッド24の軸線方向一端部48が挿入され
ることによって形成されており、ピストン22は、背圧
力室55内の流体から軸線方向他方X2に向かう一次圧
P3を、有効的に受ける背受圧面積B4の背受圧面76
を有する。背受圧面積B4は、ピストン22が背圧力室
55内の流体から軸線方向他方X2に一次圧P3を受け
る受圧面積から、ピストン22が背圧力室55内の流体
から軸線方向一方X1に一次圧P3を受ける受圧面積を
減算した面積であって、背圧力室55内の流体から受け
る一次圧P3が、ピストン22を軸線方向他方X2への
力として有効的に働く面積である。この背受圧面積B4
は、ロッド24の軸線方向一端部48の軸線L1に垂直
な断面の面積と同一であって、ロッド24の軸線方向一
端部48の外径E2を用いて、次式(7)で表される。
【0070】
【数6】
【0071】突起片38の先端部の直径E1と、ロッド
24の軸線方向一端部48の外径E2は、同一であっ
て、したがって一次受圧面積B1と有効背受圧面積B4
とは同一である。このようにピストン22は、一次圧力
室64内の流体から一次圧P3を軸線方向一方X1に受
ける一次受圧面75の一次受圧面積B1と同一の有効背
受圧面積B4を有し、背圧力室55内の流体から軸線方
向他方X2に向かう一次圧P3を受ける背受圧面76を
有する。
【0072】またピストン22は二次圧力室70内の流
体から軸線方向他方X2に向かう二次圧P4を有効的に
受ける受圧面積B3−B2の二次受圧面80を有する。
【0073】また、ピストン22が二次圧力室70内の
流体から軸線方向他方X2に二次圧P4を受ける受圧面
積B3は、ピストン22の二次側空間61に臨む部分の
最大外径である外向き凸部41の外径E3を直径とする
円からロッド24の軸線方向他端部48の軸線L1に垂
直な断面の面積(=B4)を減算した面積であって、次
式(8)で表される。
【0074】
【数7】
【0075】ピストン22が二次圧力室70内の流体か
ら軸線方向一方X1に二次圧P4を受ける受圧面積B2
は、ピストン22の一次側空間のオリフィス63の外方
側領域65に臨む部分の最大外径E4を直径とする円か
ら一次受圧面積B1を減算した面積であって、次式
(9)で表される。
【0076】
【数8】
【0077】図7は、減圧弁20の二次圧P4を示すグ
ラフであって、図7(1)は、一次圧P3と二次圧P4
との関係を示し、図7(2)は、流量Qと二次圧P4と
の関係を示す。減圧弁20では、ピストン22に働く力
の釣り合いから、二次圧P4は、次式(10)のように
表される。
【0078】
【数9】
【0079】ここで、Kaは、ばね部材23のばね定数
であり、ΔHaは、図6に示されるばね部材23の初期
状態での自然状態からの撓み量である。またZaは、ピ
ストン22の図6に示される初期状態からの軸線方向他
方X2への変位量であって、式(10)で表されるよう
に、一次圧P3と、減圧弁20を流下する流体の流量Q
との関数で表される。
【0080】以上のように上述の減圧弁20では、上述
のように背圧力室55を形成して、ピストン22が一次
圧P3を背受圧面積B4で、軸線方向他方X2に受ける
ように構成し、これによってピストン22が軸線方向一
方X1に受ける一次圧P3による力と、ピストン22が
軸線方向他方X2に受ける一次圧P3による力とを釣り
合わせることができる。つまり一次受圧面積B1と背受
圧面積B4とを同一とし、上式(10)における右辺第
二項の分子を零にする(B1−B4=0)ことができ、
一次圧P3が変化しても、式(10)における右辺第二
項の値を一定値(=0)として、右辺第一項だけが変化
する式となるようにすることができる。したがって図7
(1)に示すように、ピストン22に背受圧面76を形
成しない、従来の構成に比べて、一次圧P3の変化量Δ
P3に対する二次圧P4の変化量ΔP4を大幅に低減す
ることができる。
【0081】また減圧弁20では、流量キャパシティ、
すなわち最大許容流量を大きくするために、突起片38
の先端部の直径E1を大きくして、一次受圧面積B1が
大きくなっても、背受圧面積B4を大きくすれば、一次
圧P3の変化量ΔP3に対する二次圧P4の変化量ΔP
4を小さく抑えることができる。したがって最大許容流
量を大きくするために、ピストン22に背受圧面76を
形成しない場合のように、ピストン22の二次圧P4を
軸線方向他方X2に受ける受圧面積B3を大きくする必
要がなく、ピストン22の最大外径である外向き凸部4
1の外径E3を大きくする必要がない。したがって減圧
弁20の半径方向寸法を小さく抑えることができる。こ
のように流量Qに拘わらず、減圧弁20の半径方向寸法
を小さく抑えた上、一次圧P3の変化量ΔP3に対する
二次圧P4の変化量ΔP4を小さく抑えることができ
る。
【0082】またロッド24を設けて、ピストン22内
に部分的に挿入する構成とすることによって、簡単な構
成によって、背圧力室55を形成し、上述の効果が得ら
れる減圧弁20を容易に実現することができる。さらに
ピストン22とロッド24との間のピストン内空間56
を流体が流下する通路として利用することによって、ピ
ストン22に空間60の領域64と空間61とを連通す
るための軸線方向に延びる通路を穿設する必要がなく、
構成が簡単であり、複雑な加工を必要としないので、容
易に製造することができる。また通路の穿設に伴なうピ
ストン22の強度低下がないので、ピストン22の肉厚
(半径方向寸法)を小さく抑えることができ、これによ
っても、減圧弁20の半径方向寸法を小さくすることが
できる。もちろんピストン22に空間60の領域64と
空間61とを連通するための軸線方向に延びる通路を穿
設する構成も、本発明に含まれることは言うまでもな
い。
【0083】また本実施の形態では、突起片38が形成
されるキャップ部材27を、ハウジング本体25に対す
る軸線方向に位置を調節できるので、突起片38とピス
トン22のシート部62との軸線方向間隔を調節するこ
とができ、一次圧P3に対する二次圧P4の減圧比を調
節することができる。
【0084】上述の減圧弁20の説明は一例に過ぎず、
構成を変更することができる。たとえばハウジング21
とロッド24とは一体に形成されてもよい。
【0085】図4に示す弁装置200は、開閉弁100
の軸線方向他端部112を減圧弁20のキャップ部材2
7に内挿されて連結されて構成される。このとき、開閉
弁100の軸線L10と減圧弁20の軸線L1とが同軸
となるとともに、開閉弁100の軸線方向他端部112
と減圧弁20のキャップ部材27は、シール部材を配設
してシールが達成される。またこのとき、開閉弁100
の排出ポート110と減圧弁20の一次ポート28とは
連通しており、排出圧力P2と一次圧P3とは等しい。
【0086】このような弁装置200において、開閉弁
100の供給ポート108から供給される供給圧力P1
の流体は、開閉弁100によって排出ポート110への
排出を制御され、排出ポート110から排出された一次
圧P3の流体は、減圧弁20の一次ポート28に供給さ
れ、減圧弁20によって二次圧P4に減圧されて、二次
ポート30から排出される。
【0087】このような弁装置200は、たとえば消防
士が火災現場などで背負う酸素を収容したタンクなどの
高圧タンクに設け、高圧タンク内の酸素を、減圧しなが
ら外部に排出するための弁装置として用いることができ
る。このような高圧タンクに内蔵化して用いる場合、高
圧タンクは、強度の観点から半径方向寸法を小さくする
必要があり、上述のように半径方向寸法を小さく抑える
ことができる弁装置200は、極めて好適である。
【0088】上述の弁装置200の説明は一例に過ぎ
ず、構成を変更することができる。また用途は、上述の
消防士が背負うタンク以外の高圧タンクに設けてもよ
く、たとえば電気自動車などに搭載される燃料電池を構
成するためのガスを収容するタンクに設けるようにして
もよい。またタンク以外の流体圧装置に設けるようにし
てもよい。流体は、気体であってもよいし、液体であっ
てもよい。
【0089】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、供給圧
力を高くしても、開閉駆動手段が供給ポートと排出ポー
トとの連通および遮断を制御するために、ピストンに与
える軸線方向の駆動力を大きくする必要がない。また開
閉駆動手段が供給ポートと排出ポートとの連通および遮
断を制御するために、ピストンに与える軸線方向の駆動
力を大きくすることなく、最大許容流量を大きくするこ
とができる開閉弁を容易に実現することができる。
【0090】請求項2記載の本発明によれば、ピストン
内にロッドを挿入するだけの簡単な構成によって、開閉
駆動手段が供給ポートと排出ポートとの連通および遮断
を制御するために、ピストンに与える軸線方向の駆動力
を小さくすることができる開閉弁を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の開閉弁100のピスト
ン102が第1位置に配置される状態を示す断面図であ
る。
【図2】開閉弁100のピストン102が第2位置に配
置される状態を示す断面図である。
【図3】開閉弁100を簡略化して示す断面図である。
【図4】開閉弁100と減圧弁20とを組合わせた弁装
置200を示す断面図である。
【図5】減圧弁20を拡大して示す断面図である。
【図6】減圧弁20を簡略化して示す断面図である。
【図7】減圧弁20の二次圧P4を示すグラフであっ
て、図7(1)は、一次圧P3と二次圧P4との関係を
示し、図7(2)は、流量Qと二次圧P4との関係を示
す。
【図8】従来の技術の開閉弁1を示す断面図である。
【符号の説明】
100 開閉弁 101 ハウジング 102 ピストン 103 ばね部材 104 ロッド 108 供給ポート 110 排出ポート 118 弁座 132 ソレノイド 135 背圧力室 144 第1圧力室 150 第2圧力室 155 供給受圧面 156 背受圧面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H059 AA04 BB11 BB34 CA04 CD05 CF14 EE13 FF05 FF17 3H106 DA07 DA23 DB02 DB12 DB22 DB32 DC02 DC17 DD02 EE23 GA25 GB06 KK12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給ポートおよび排出ポートが形成され
    るとともに、弁座が形成されるハウジングと、 ハウジング内に軸線方向に変位自在に保持され、供給ポ
    ートに連なる第1圧力室と排出ポートに連なる第2圧力
    室とにハウジング内を仕切り、第1圧力室の流体から軸
    線方向一方に向かう供給圧力を供給受圧面積で受ける供
    給受圧面と、第1圧力室に連なって供給圧力に保持され
    る背圧力室の流体から軸線方向他方に向かう供給圧力を
    供給受圧面積と同一の背受圧面積で受ける背受圧面が形
    成されるピストンと、 ピストンに軸線方向の駆動力を与えて、供給ポートと排
    出ポートとの連通および遮断を制御する開閉駆動手段と
    を含むことを特徴とする開閉弁。
  2. 【請求項2】 ハウジングに設けられ、ピストンに対し
    て軸線方向に変位自在にピストンに挿入されて、ピスト
    ンとの間に背圧力室を形成するロッドを含むことを特徴
    とする請求項1記載の開閉弁。
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