JP2003231365A - 熱転写画像受容シート - Google Patents

熱転写画像受容シート

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JP2003231365A
JP2003231365A JP2002032496A JP2002032496A JP2003231365A JP 2003231365 A JP2003231365 A JP 2003231365A JP 2002032496 A JP2002032496 A JP 2002032496A JP 2002032496 A JP2002032496 A JP 2002032496A JP 2003231365 A JP2003231365 A JP 2003231365A
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Yoshio Mizuhara
由郎 水原
Kazuyuki Tachibana
和幸 立花
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント後のカールの程度が低く、印画面に
凹みを生じることがなく、かつ高感度で鮮明な画像を受
容できる熱転写画像受容シートの提供。 【解決手段】 シート状支持体(芯材層の両面上にポリ
エステルフィルム層が形成されているもの)の表面上に
昇華染料染着性樹脂を含む画像受容層が形成され、支持
体裏面上に、熱可塑性樹脂(好ましくは密度0.91〜
0.96g/cm3のポリオレフィン樹脂を含む)を押出
しラミネートして形成したカール矯正層(好ましくは厚
さ15〜35μm)が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写画像受容シー
トに関するものである。更に詳しく述べるならば、本発
明は、サーマルプリンター、特に染料熱転写プリンター
に適し、表面が光沢性を有し、画質が良好で、銀塩写真
類似の鮮明かつ高解像度の画像が得られ、しかも、印画
後のカール防止性が良好である熱転写画像受容シート
(以下、単に受容シートと記す)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】染料熱転写プリンターは、染料インクシ
ートに、受容シートの昇華染料に対し染着性を有する樹
脂を含む画像受容層を重ね合わせ、サーマルヘッドなど
から供給される熱により、染料層の所要箇所の染料を所
定濃度だけ画像受容層上に転写して画像を形成するもの
である。染料インクシートとしては、その染料含有層中
にイエロー、マゼンタおよびシアンの各色染料を含む3
色のインクシート、あるいはこれにブラックを加えた4
色のインクシートが用いられる。フルカラー画像を記録
するには、インクシートの各色の染料を、各色画像の形
状に受容シートの画像受容層上に順次に転写して、各色
画像を配置又は重ね合わせる。
【0003】近年、サーマルプリンターの発達と、コン
ピューターによるデジタル画像処理の発達にともない、
得られる画像の品質は格段に向上し、熱転写方式はその
市場を拡大している。代表的なものとしては、印刷又は
デザインの校正刷り又は出力、医療分野における内視鏡
及びCTスキャンの画像出力、アミューズメント分野に
おける顔写真及びカレンダーなどの印画、証明写真分野
においてはIDカード及びクレジットカードにおける画
像の出力等があげられる。また、サーマルヘッドの向上
と温度制御技術の発達にともない、印画の高速化も要求
され、A6サイズ1枚を、30秒以下で印画可能なプリ
ンターも発売されており、今後も、ますます印画速度の
高速化の要求が高まることが予想される。
【0004】サーマルヘッド付プリンターにおいて、良
好なプリント印画を得るための受容シートとして、芯材
層の両面上にミクロボイド層を有するフィルムを貼り合
わせてなる基材上に染料染着性樹脂を主成分として含む
画像受容層を形成した画像受容シートが広く実用されて
いる。上記の様なミクロボイド層を有するフィルムは、
ポリエステル又はポリプロピレンを主成分として含むも
のが一般に使用されている。上記のミクロボイド層を有
するフィルムは、厚さが均一で、適度の柔軟性を有し、
しかもセルロース繊維からなる紙に比べて熱伝導度が低
いなどの特徴があり、このため、均一で濃度の高い転写
画像が得られるという長所があった。
【0005】印画の高速化にともない、印画濃度階調を
得ることが難しくなり、特に、高濃度階調では短時間に
高いエネルギーをインクシートに印加する必要が生じて
いる。ポリエステルを主成分として含むミクロボイド層
は耐熱性が高いため、高濃度部でもミクロボイド層は潰
れることがなく、このため画像受容層上に良好な画像が
得られる。しかしポリプロピレンを主成分として含むミ
クロボイド層は耐熱性が低いため、高濃度印画部ではミ
クロボイド層が潰れ、印画面に凹みを生じるため、印画
品質が低下するという問題点もある。
【0006】また、芯材層の両面にミクロボイド層を有
するフィルムを貼り合わせてなる基材上に染料染着性樹
脂を主成分として含む画像受容層を形成した受容シート
では、プリント時にサーマルヘッドの熱を受けて、画像
受容層側のフィルム層のみが熱収縮を起こして、受容シ
ートにカール現象が発生し(以下、このカールを単にプ
リントカールと記す)、記録画像を受容した受容シート
の商品価値を著しく低下させるという欠点が顕著になっ
ている。
【0007】そこで、芯材層の両面上にミクロボイド層
を有するフィルムを貼り合わせてなる基材上に、染料染
着性樹脂を主成分として含む画像受容層が形成されてい
る受容シートにおいて、芯材層の表裏両面上のフィルム
層の厚さ及び表裏のフィルム層の熱収縮性に差をつける
ことによってプリントカールを矯正することが知られて
いる。つまり、画像受容層は通常塗工方式によって形成
するが、この塗工工程の乾燥の熱によってフィルムの熱
収縮を発現させ、表裏の熱収縮力をコントロールするこ
とによって適正なカール防止性にするものである。
【0008】しかし、この場合、画像受容層を塗工、乾
燥する際に付与される熱により受容シートの4隅角のう
ち、対角線上にある2つの隅角部が同一方向(画像受容
層側)に湾曲して持ち上がるカール状態(以下、これを
単にネジレカール状態と記す)を生じ、記録済みの受容
シートの商品価値を著しく低下させるという欠点を生ず
る。ネジレカールを生ずる理由は以下のように考えられ
る。すなわち、芯材層上のミクロボイド層を有する表裏
面フィルムは2軸延伸によって形成されるため、フィル
ムは延伸時にボーイング現象を生じ、フィルムの中央部
はMDまたはTD方向の収縮率が最大となるが、フィル
ムの端部ではMDまたはTD方向と、はずれた方向の収
縮率が最大となる。このようなフィルムの端部を使用し
て得られた基材を用いて受容シートを製造すると、画像
受容層の形成時のフィルム層の熱収縮がMDまたはTD
の方向から外れた方向に生ずるため、画像受容層の塗工
工程においてネジレカールを生じるのである。また、特
開平8−11444号公報において、支持体裏面に樹脂
層を形成して、カールを防止する方法が開示されている
が、印画部に凸みを生じる場合などがあり、外観は必ず
しも十分ではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、サーマルプ
リンター、特に染料熱転写プリンターに対して、高感
度、高画質であり、鮮明な画像が形成でき、かつ、印画
部の凹みがなく、プリント後のカールが良好な熱転写画
像受容シートを提供しようとするものである。本発明
は、染料熱転写プリンターに有用であるのみでなく、溶
融インク転写方式などの各種サーマルプリンターにも実
用し得る熱転写画像受容シートを提供しようとするもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の熱転写画像受容
シートは、シート状支持体と、前記支持体の表面上に形
成され、かつ昇華染料に対して染着性を有する樹脂を主
成分として含む画像受容層と、前記支持体の裏面上に形
成されたカール矯正層とを有し、前記シート状支持体
が、芯材層と、その表裏両面上に積層されたポリエステ
ルフィルム層とから構成され、かつ前記カール矯正層
が、前記シート状支持体の裏面側ポリエステルフィルム
層上に、熱可塑性合成樹脂を、溶融押し出しラミネート
して形成されたものであることを特徴とするものであ
る。本発明の熱転写画像受容シートにおいて、前記カー
ル矯正層用熱可塑性合成樹脂が、0.91〜0.96g
/cm3 の密度を有するポリオレフィン樹脂を主成分とし
て含み、前記カール矯正層が、15〜35μmの厚さを
有することが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の熱転写画像受容シートの
画像受容層において、良好な感度が得られる理由として
は、支持体に熱伝導率が低いポリエステルフィルムが使
用されていることがあげられる。また、プリント後の良
好なカール防止性が得られる理由としては、プリント時
に、支持体の、画像受容層側のフィルム層の熱収縮によ
って発生するカール形成応力の発生を予測して、プリン
ト前の受容シートのカール形成性がコントロールされて
いるためである。
【0012】本発明の受容シートにおいて、プリント時
に、ネジレカールが生じない理由としては、シート状支
持体において、芯材層の表裏両面にポリエステルフィル
ムが積層されていることにより表裏が、ほぼ対称でかつ
フラットな貼合体をつくり、この貼合体の裏面上に、熱
可塑性合成樹脂を押し出しラミネート法により形成され
たカール矯正層の熱収縮性が等方性を有しているためで
ある。押し出しラミネートによって形成された樹脂層
は、溶融状態から固体状態に変化する冷却過程で収縮
し、この収縮力によってシートに収縮の応力が発生す
る。このとき、押し出しラミネートにおいて、ダイから
押し出されたシート状樹脂流は自由落下によって支持体
の裏面上に接触し、クーリングロールにより冷却されて
固化して固化樹脂層が形成される。このとき、樹脂層に
は延伸などの外力の負荷がなく、また、加工速度に拘り
なく等方的に収縮する。このように収縮応力が等方的に
発生するため、得られた受容シートにはネジレカールは
発生しないのである。
【0013】上記収縮力は、カール矯正層の収縮率、弾
性率及び厚さによってコントロールすることができる。
この収縮率はカール矯正層を形成する樹脂の種類及び結
晶性によって変化する。例えばポリエチレン樹脂が用い
られる場合、その結晶性が高いほど、固化したときの体
積は小さくなり、かつ、弾性率も高くなるため、収縮力
が大きくなる傾向にある。
【0014】本発明の受容シートにおいて、シート状支
持体の表面上に設けられる画像受容層は、昇華染料に対
する染着性の高い樹脂を主成分として含み、必要によ
り、さらに、架橋剤、融着防止剤、および紫外線吸収剤
等の1種以上を適宜加えた塗液をシート状支持体の表面
上に塗布し、これを乾燥して形成される。染料染着性の
高い樹脂としては、例えばセルロース系樹脂(例えば、
セルロースアセテートブチレート、及びセルローストリ
アセテートなど)、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリ
エステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート
樹脂)、ポリカーボネート系樹脂(例えば、ポリジアリ
ールカーボネート)、アクリル系樹脂(例えば、ポリア
クリル酸メチル)、ポリ塩化ビニル樹脂等が用いられ
る。画像受容層中には、本発明の効果を妨げない範囲内
において、必要に応じ、架橋剤、シリコーンオイル、有
色顔料、有色染料、蛍光染料、可塑剤、酸化防止剤、顔
料、紫外線吸収剤等が添加されていてもよい。架橋剤と
して、イソシアネート化合物およびエポキシ化合物等を
用いることができ、紫外線吸収剤としてはベンゾトリア
ゾール系、ベンゾフェノン系、フェニルサリシレート系
およびシアノアクリレート系紫外線吸収性化合物等が用
いられる。また融着防止剤として滑剤および離型剤等が
用いられ、例えば、アミノ変性もしくはヒドロキシ変性
シリコーンオイル、アクリルシリコーン樹脂などのシリ
コーン系樹脂、シリコーンオイルとイソシアネートのプ
レポリマー、シリコーン化合物、フッ素化合物、燐酸エ
ステル化合物、および脂肪酸エステル化合物等である。
これら受容層成分は架橋剤を介して架橋反応を起こすも
のが望ましい。
【0015】画像受容層の塗工量は、1〜12g/m2
であることが好ましく、より好ましくは3〜10g/m
2 の範囲内に調節される。画像受容層の塗工量が1g/
2未満では、画像受容層が基材表面を完全に覆うこと
ができず、画質の低下をまねいたり、サーマルヘッドの
加熱により画像受容層とインクシートが接着してしまう
融着トラブルが発生することがある。一方、画像受容層
の塗工量が12g/m 2 を越えると、その効果が飽和し
不経済であるばかりでなく、画像受容層の強度が不足し
たり、受容層の厚みが増し基材の断熱効果が十分に発揮
されず、画像濃度が低下することがある。
【0016】カール矯正層の主成分をなす熱可塑性合成
樹脂として、ポリオレフィンを主成分として含み、密度
0.91〜0.96g/cm3のポリオレフィン樹脂を用い
ることが好ましく、その密度は0.93〜0.96g/cm
3であることがより好ましい。ポリオレフィン樹脂の密
度が0.91g/cm3未満であると、それをラミネートす
る際の溶融樹脂層の収縮率が過度に小さくなり、また、
その弾性率が過度に低くなることがあるため、カール矯
正層としての効果が不十分になることがある。また、そ
れが0.96g/cm3を越えると、支持体のポリエステル
フィルム層と、カール矯正層との接着性が不十分になる
ことがあり、また、押し出しラミネートによって形成さ
れるカール矯正層の膜厚を均一にコントロールすること
が難しく、カールの発生防止をコントロールすることが
困難となることがある。
【0017】また、カール矯正層形成のための押し出し
ラミネート温度は、270℃〜330℃であることが好
ましい。それが270℃未満の場合、形成される溶融樹
脂層の収縮率が小さく、カール矯正の効果が小さくなる
ことがあり、また、ポリエステルフィルムとの接着性が
不十分になることがある。また、その押出しラミネート
温度が330℃を越える場合には、ポリオレフィンを主
成分とした熱可塑性樹脂が熱分解し、溶融樹脂の粘度が
低下し、このため、カール矯正層の膜厚を制御できない
などの不具合が生ずることがある。カール矯正層の塗工
量は、5〜50g/m2 が好ましく、15〜35g/m
2がより好ましい。また、カール矯正層の厚さとして
は、5〜50μmが好ましく、15〜35μmがより好
ましい。塗工量5g/m2 未満の場合には、カール矯正
層としての効果が十分に発揮されないことがあり、また
50g/m2 を越える場合には、効果が飽和して不経済
であり、受容シート全体の厚さが過大となることがあ
る。
【0018】カール矯正層には、有機または無機フィラ
ー等の摩擦係数調整剤を必要に応じて配合することが出
来る。有機フィラーとしては、ナイロンパウダー、セル
ロースパウダーおよびユリア樹脂パウダー等を使用する
ことができる。無機フィラーとしては、シリカパウダー
および硫酸バリウムパウダー等を用いることができる。
また、必要に応じて種々の帯電防止剤やアンチブロッキ
ング剤などの添加物をさらに含まれていてもよく、例え
ばアンチブロッキング剤として脂肪酸アミドなどを用い
ることができる。
【0019】本発明の受容シートのカール矯正層の裏面
上には、接着剤として有効な樹脂を含む裏面樹脂層が形
成されてもよい。この接着性樹脂は、裏面樹脂層とカー
ル矯正層との間の接着強度向上、受容シートのプリント
搬送性、及び画像受容層面の傷つき防止の為にも有効な
ものである。このような接着性樹脂としては、アクリル
樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹
脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポ
リビニルアセタール樹脂等、並びにこれらの樹脂の反応
硬化物を用いることができる。
【0020】裏面樹脂層の塗工量は、0.3〜10g/
2 の範囲内にあることが好ましく、1〜5g/m2
あることがより好ましい。裏面樹脂層の塗工量が0.3
g/m2 未満であると、受容シートが擦れた時に画像受
容層の損傷を十分に防止できないことがあり、また、塗
膜欠陥が発生し、表面電気抵抗値が過度に高くなること
もある。またそれが10g/m2 を越えると、その効果
が飽和して経済的に不利になることがある。
【0021】本発明の受容シートの裏面樹脂層には、帯
電防止剤としてカチオン系、アニオン系、ノニオン系の
導電性高分子材料および導電性無機顔料が含まれていて
もよい。導電性高分子材料としては、カチオン系ポリマ
ーを用いることが好ましく、カチオン系ポリマーとして
は、一般的にポリエチレンイミン、カチオン性モノマー
を含むアクリル系重合体、カチオン変性アクリルアミド
系重合体およびカチオン澱粉等を用いることが好まし
く、また導電性無機顔料としては、酸化物及び/又は硫
化物などの化合物を含む半導体顔料、および前記半導体
顔料粒子が酸化亜鉛、アルミナなどにより被覆されてい
る無機顔料などが挙げられる。前記半導体顔料には、酸
化銅(I)、酸化亜鉛、硫化亜鉛および炭化珪素などの
顔料が包含され、被覆層を有する半導体顔料としては半
導体酸化錫を粒子の表面を酸化チタンおよび/又はチタ
ン酸カリウムなどにより被覆された無機顔料が包含され
る。
【0022】本発明の受容シートの裏面樹脂層には、必
要により有機フィラー及び/又は無機フィラー等の摩擦
係数調整剤をさらに含ませてもよい。有機フィラーとし
ては、ナイロンパウダー、セルロースパウダーおよびユ
リア樹脂パウダー等を使用することができる。無機フィ
ラーとしては、シリカパウダーおよび硫酸バリウムパウ
ダー等を用いることができる。
【0023】本発明の受容シートにおいて、シート状支
持体の厚さは100〜300μmであることが好まし
い。この厚さが100μm未満であると、その機械的強
度が不十分となり、かつそれを用いて得られる受容シー
トの剛度が不十分となり、印画の際に生ずる受容シート
のカールを十分に防止できないことがある。またシート
状支持体の、厚さが300μmを越えると、得られる受
容シートの厚さが過大になるため、プリンター内の受容
シート収容枚数の低下をまねいたり、あるいは逆にプリ
ンターの容積増大を招き、プリンターのコンパクト化を
困難にする等の問題を生ずることがある。本発明におい
ては、芯材の両面にポリエステルフィルムを積層したシ
ート状支持体を用い、かつ得られる受容シートの圧縮弾
性率を50MPa以下とすることが好ましく、より好ま
しくは10〜45MPaである。サーマルプリンターで
受容シートに画像をプリントする際に、サーマルヘッド
の押圧による印画面の凹みを生じることがなく、かつ感
度、画質、画像鮮明性等に優れた受容シートが得られ
る。受容シートの圧縮弾性率を50MPaを越える場合
には、画質が悪くなることや、印画面に凹みを生じた
り、搬送ロールのニップによる圧痕を生じて、商品価値
が低下することがある。
【0024】本発明の受容シートを用いることにより、
サーマルヘッドによる印画面の凹みが著しく改善される
理由としては、芯材フィルムの両面に耐熱性が良好で凹
みにくいポリエステルフィルムを用い、かつ受容シート
全体の圧縮弾性率が十分低くなるように芯材層を選択す
ることにより、表層のポリエステルフィルムがサーマル
ヘッドの押圧を受けても、受容シート内部で圧力を吸収
することが可能となり相乗効果が得られるためと考えら
れる。同時に表面層のポリエステルフィルムは、耐熱性
や、表面の平滑性が優れ、熱伝導率が低く、かつ、受容
シートの圧縮弾性率が十分に低いため、サーマルヘッド
とプラテンロールに挟まれたときに受容シート内部が適
度に変形し、サーマルヘッドと受容シートの密着性が向
上し、優れた記録感度、画質が得られるものである。
【0025】本発明において、支持体の表裏両面層の形
成に用いられるポリエステルフィルムはテレフタル酸お
よびエチレングリコールからなるホモポリマー、また
は、テレフタル酸、エチレングリコールに第三成分を共
重合させたコポリマーが使用できる。このようなコポリ
マーは公知であり、第三成分としては、p−ヒドロキシ
安息香酸などのオキシカルボン酸、イソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、ポリプ
ロピレングリコール、テトラメチレングリコールなどの
アルキレングリコール、エチレングリコールなどのポリ
アルキレングリコールなどが用いられる。また、ポリエ
ステルフィルムは延伸されたものであることが好まし
く、この延伸ポリエステルフィルムは、クッション性及
び断熱性を高めるために多数のミクロボイドを含む、ミ
クロボイド層を有していることが好ましい。受容シート
の圧縮弾性率をほぼ50MPa以下にコントロールする
ためには、延伸ポリエステルフィルムの圧縮弾性率が1
0〜80MPaであることが好ましく、10〜50MP
aがより好ましい。ミクロボイドを形成するには、ポリ
エステル樹脂中に非相溶性樹脂及び/又はフィラーの粒
子を均一に分散させ、この樹脂組成物から形成されたフ
ィルムを延伸することによって得られる。ポリエステル
樹脂に対する非相溶性樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポ
リブタジエン、ポリアクリロニトリル、及びそれらの共
重合体などが挙げられるが、これらに限られるわけでは
ない。ポリエステルフィルムに含まれるフィラーとして
は、例えば炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チ
タン、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミ
ノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、クレー、マ
イカ、タルク、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどが挙
げられるが、これらは単一種で用いられてもよく、或は
その二種類以上の混合物でもよい。延伸ポリエステルフ
ィルム層の厚さは10〜75μmであることが好ましい
が、より好ましくは20〜55μmである。表裏両面ポ
リエステルフィルム層のポリエステルフィルムの厚さに
ついては、特に限定するものではないが、両フィルム層
の厚さをほぼ等しくすることにより、カール制御が容易
となる。
【0026】本発明のシート状支持体において、芯材層
の圧縮弾性率を45MPa以下にするのが好ましく、2
0MPa以下がより好ましく、特に3〜10MPaの範
囲が好ましい。さらに、表面に積層されるポリエステル
フィルムに比較して芯材層の圧縮弾性率が低い方が好ま
しい。また芯材層の厚さは50〜200μmが好まし
く、70〜150μmがより好ましい。芯材層基材の具
体例としては、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレ
ン)、ナイロン、ポリウレタン、ポリブタジエン等を主
成分とするプラスチックフィルムや、これらのプラスチ
ックフィルムに顔料や異なる樹脂を添加し、延伸して多
孔質にした合成紙、又は発泡剤を含有せしめ、発泡させ
たフィルム等が挙げられる。また、パルプを主成分とし
熱膨張性粒子を含有する低密度紙なども使用され、低密
度紙の密度は0.2〜0.7g/cm3 程度が好まし
い。
【0027】上記の中でも、ポリエチレンやポリプロピ
レンなどのポリオレフィンフィルムが好ましく使用さ
れ、ポリオレフィン樹脂と無機顔料を主成分とする2軸
延伸した空隙(ミクロボイド)を有する多層構造の合成
紙がより好ましく使用される。さらに、前記の材料を単
体で使用するだけでなく、ドライラミネート法、ウエッ
トラミネート法、溶融ラミネート法等の公知の方法によ
り、前記のシート状基材の2種以上を貼り合わせて多層
構造にしたものも使用でき、その組み合わせは限定され
ない。
【0028】前記シート状支持体において、芯材層の表
裏両面上に、ポリエステルフィルム層を形成するには、
接着剤(例えばウレタン系接着剤、アクリル系接着剤)
を用いるドライラミネート法、ポリエチレン又はポリプ
ロピレンの押し出しラミネート法などの方法及び装置を
用いることができる。本発明の受容シートの受容層やそ
の他の被覆層は、バーコーター、グラビアコーター、カ
ンマコーター、ブレードコーター、エアーナイフコータ
ー、カーテンコーター、ダイコーターなどのコーターを
用いて塗工、乾燥して形成することができる。
【0029】
【実施例】本発明をさらに下記実施例により詳細に説明
するが、勿論本発明はこれによって限定されるものでは
ない。尚、実施例中の「部」および「%」は、すべて
「質量部」および「質量%」を示す。
【0030】実施例1 芯材層として厚さ95μmの合成紙(商標:ユポFPG
95、ユポ・コーポレーション製、圧縮弾性率7MP
a)を使用し、その両面上に、無機顔料を含有し、二軸
延伸された厚さ50μmの多層構造延伸ポリエステルフ
ィルム(商標:50E63S、東レ製、圧縮弾性率50
MPa)をウレタン系接着剤によりドライラミネート方
式により積層、貼合して、シート状支持体を作製した。
この支持体の裏面側ポリエステルフィルム層上に、ポリ
エチレン樹脂(商標:ペトロセン204、東ソー製)を
押し出しラミネートによって35μmの厚さになるよう
に形成してカール矯正層を積層した。前記支持体の、カ
ール矯正層に対し反対側(表面側)のポリエステルフィ
ルム上に、下記組成の画像受容層用塗液を、固形分塗工
量が8g/m2になるように塗工し、乾燥(120℃、
1分間)して画像受容層を形成した。さらに、このシー
トをロール形態に巻き取り、50℃のオーブン中に24
時間保持して、イソシアネートによるポリエステル樹脂
の架橋を促進し、受容シートを得た。 (画像受容層塗工用液) ポリエステル樹脂(商標:バイロン200、東洋紡社製) 100部 シリコーン樹脂(商標:KF101、信越化学工業社製) 3部 イソシアネート(商標:タケネートD−140N、武田薬品社製) 5部 トルエン 300部
【0031】次に、カール矯正層の裏面上に、下記裏面
樹脂層用塗液を、固形分塗工量が3g/m2となるよう
に塗工し、乾燥(120℃、1分間)して裏面樹脂層を
形成し、受容シートを得た。 (裏面樹脂層用塗液) ポリビニルアセタール樹脂溶液(商標:エスレックKX−1、積水化学工業社製 ) 25部 ポリアクリル酸エステル樹脂溶液(商標:ジュリマーAT613、日本純薬社製 ) 12部 ナイロン樹脂粒子(平均粒径:7μm、シントーファイン社製) 3部 シリコーン樹脂(商標:KF101、信越化学工業社製) 15部 ステアリン酸亜鉛分散物(商標:Z−7−30、中京油脂社製) 3.3部 カチオン系導電性ポリマー(商標:ケミスタット9800、三洋化成社製) 5.9部 水 42.1部 イソプロピルアルコール 55.7部
【0032】実施例2 カール矯正層の形成のためにエチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂(商標:ウルトラセン725、東ソー製)を使
用し、その厚さを25μmとしたことを除き、その他は
実施例1と同様にして受容シートを作製した。
【0033】実施例3 実施例1と同様にして受容シートを作製した。但し、カ
ール矯正層をポリエチレン樹脂(商標:ニポロンハード
2400、東ソー製)を使用して形成し、その厚さを1
5μmとした。
【0034】実施例4 実施例1と同様にして受容シートを作製した。但し、カ
ール矯正層をポリエチレン樹脂(商標:ニポロンハード
2400、東ソー製)を使用して形成し、その厚さを3
5μmにした。
【0035】実施例5 実施例1と同様にして受容シートを作製した。但し、カ
ール矯正層を、ポリプロピレン樹脂(商標:ジェイレッ
クスHD、日本ポリオレフィン製)を使用して形成し、
その厚さを35μmとした。
【0036】実施例6 芯材層として厚さ110μmのポリプロピレン系フィル
ム(商標:ピュアソフティHR111、出光社製、圧縮
弾性率38MPa)を使用した以外は実施例2と同様に
して受容シートを作製した。
【0037】実施例7 芯材層として厚さ150μmの合成紙(商標:ユポFP
G150、ユポ・コーポレーション製、圧縮弾性率6M
Pa)を使用し、ポリエステルフィルムとして厚さ12
μmの透明フィルム(商標:エンブレット、ユニチカ社
製、圧縮弾性率78MPa)を使用した以外は実施例2
と同様にして受容シートを作製した。
【0038】比較例1 実施例1と同様にして受容シートを作製した。但し、芯
材層としてコート紙(商標:OKトップコート、10
4.7g/m2、王子製紙製、圧縮弾性率95MPa)
を使用し、その両面上に、無機顔料を含有し、二軸延伸
された厚さ60μmの多層構造延伸ポリプロピレンフィ
ルム(商標:ユポFPU60、ユポ・コーポレーション
製、圧縮弾性率7MPa)をウレタン系接着剤でドライ
ラミネート方式により積層、貼合した。
【0039】比較例2 カール矯正層を設けなかったことを除き、その他は実施
例1と同様にして受容シートを作製した。
【0040】比較例3 芯材層として厚さ100μmのポリエステルフィルム
(商標:エンブレット、ユニチカ社製、圧縮弾性率90
MPa)を使用した以外は比較例1と同様にして受容シ
ートを作製した。
【0041】試験評価方法 上記各実施例および比較例で得られた受容シートについ
て、それぞれ下記性能を下記方法により測定し評価し
た。得られた結果を表1に示す。
【0042】1.プリントカール特性値測定法 プリント前の受容シート(A5サイズ:148mm×21
0mm)を平面上に載置し、4角隅の頂点の平面からの距
離(mm)をJIS1級の定規で測定し、4測定値の最大
値をもってプリント前の受容シートのカール特性を表す
パラメーターとした。なお画像受容層面を上向きにして
載置したときのカールを+値とし、受容層面を下向きに
して載置したときのカールを−値とした。次に、厚さ6
μmのポリエステルフィルムの上に昇華性染料をバイン
ダーとともに含むインク層を設けたイエロー、マゼン
タ、シアンの3色それぞれのインクシートを市販の熱転
写ビデオプリンター(商標:UP50、ソニー製)を用
いて、受容シートに接触させ、マクベス反射濃度計(商
標:RD−914、Kollmorgen社製)での光
学濃度(黒)が2.0に相当する濃度になるよう印加エ
ネルギーを調整して全面黒色にベタ印画した。プリント
完了後、受容シートを5分間放置し、プリント前と同様
にしてカール特性を測定し、プリント後のカール特性値
とした。
【0043】2.受容シートの印画部の凹み 厚さ6μmのポリエステルフィルムの上に昇華性染料を
バインダーとともに含むインク層を設けたイエロー、マ
ゼンタ、シアンの3色それぞれのインクシートを市販の
熱転写ビデオプリンター(商標:UP50、ソニー製)
を用いて受容シートに接触させ、所定の画像を受容シー
トに熱転写させ、各色の中間調の単色および色重ねの画
像をプリントした。この受容シート上に転写された記録
画像について、マクベス反射濃度計RD−914を用い
て、光学濃度(黒)が2.0に相当する階調部分の凹み
について目視観察した。凹みの見えないものを○、凹み
の著しいものを×と表示した。
【0044】
【表1】
【0045】表1に示されているように、本発明に係る
実施例1〜5の本発明の熱転写画像受容シートは、高感
度であり、鮮明で高画質の染料画像を受容することがで
き、かつ、プリント後のカール及び、印画部の凹み、搬
送ロールのニップによる圧痕の発生などの問題が少ない
ものであった。比較例の受容シートは、印画部の凹み防
止性、印画後のカール発生などの少なくとも1項目にお
いて不十分なものであった。
【0046】
【発明の効果】本発明の受容シートは、各種のサーマル
プリンターに使用された時、加熱印画後のカールの発生
がなく、サーマルヘッド圧より印画面に凹みを生じるこ
とがなく、かつ高感度、高画質で、鮮明な画像形成の可
能な受容シートであり、実用的に価値の高いものであ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状支持体と、前記支持体の表面上
    に形成され、かつ昇華染料に対して染着性を有する樹脂
    を主成分として含む画像受容層と、前記支持体の裏面上
    に形成されたカール矯正層とを有し、 前記シート状支持体が、芯材層と、その表裏両面上に積
    層されたポリエステルフィルム層とから構成され、かつ
    前記カール矯正層が、前記シート状支持体の裏面側ポリ
    エステルフィルム層上に、熱可塑性合成樹脂を、溶融押
    し出しラミネートして形成されたものであることを特徴
    とする熱転写画像受容シート。
  2. 【請求項2】 前記カール矯正層用熱可塑性合成樹脂
    が、0.91〜0.96g/cm3 の密度を有するポリオ
    レフィン樹脂を主成分として含み、前記カール矯正層
    が、15〜35μmの厚さを有する、請求項1に記載の
    熱転写画像受容シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012096498A (ja) * 2010-11-05 2012-05-24 Tomoegawa Paper Co Ltd 両面印刷用熱転写受像シートおよびその製造方法

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