JP2003231007A - 刃部交換式切削工具及びこれに装着される刃部 - Google Patents

刃部交換式切削工具及びこれに装着される刃部

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 刃部の偏心が生じず、かつ、刃部の装着状態
を安定して維持する。 【解決手段】 刃部120に端部126及び軸部125
からなるフック部124を形成する。ボルト部140に
フック部124の端部126が通過可能なフック穴14
4を形成する。フック部124の端部126をフック穴
144に挿入して通過させた後、刃部120をボルト部
140に対してねじ込み回転方向Sの前方側に向かって
約90゜回転させたときに、フック穴144の内周縁に
当接する回転力伝達用壁面129をフック部124の軸
部125に形成する。刃部120とボルト部140とが
連結された状態で、刃部120がボルト部140に対し
てねじ込み回転方向Sの後方側に相対回転するのを阻止
するために、フック穴144の内周縁に当接する逆回転
防止用壁面130をフック部124の軸部125に形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、刃部が着脱可能に
工具本体に装着される刃部交換式切削工具に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の刃部交換式切削工具の一
例として、少なくとも一つの切刃を備えた切削部を有す
る刃部の後端側部分と、雄ねじ部を有するボルト部の先
端側部分とが着脱可能に連結され、これら連結された刃
部及びボルト部が、工具本体に穿設された雌ねじ部を有
する取付孔に挿入されているとともに、ボルト部の雄ね
じ部が取付孔の雌ねじ部にねじ込まれていることによ
り、刃部が工具本体の軸線方向の後端側に引き込まれて
着脱可能に装着されているものがある。
【0003】例えば、図22に示すような特許第265
6949号公報に開示されている刃部交換式切削工具1
0があり、これは、刃部20の後端側部分であるテーパ
部21の外周面が切り欠かれることにより、横方向に延
びて開口する凹溝22と舌部23とからなるフック部2
4が形成され、ボルト部30の先端側部分であるテーパ
部31の外周面が切り欠かれることにより、刃部20の
フック部24と対応する形状をなす凹溝32と舌部33
とからなるフック部34が形成されていて、これらフッ
ク部24,34同士を互いに嵌合させることにより、刃
部20とボルト部30とが連結されているものである。
また、刃部20が工具本体11に装着された状態では、
刃部20のテーパ部21の外周面が取付孔12のテーパ
孔13の内周面を押圧している状態となっている。
【0004】ところが、このようなフック部24,34
同士の嵌合によって刃部20とボルト部30とが連結さ
れていると、ボルト部30の雄ねじ部35が取付孔12
の雌ねじ部14にねじ込まれることによってボルト部3
0のフック部34が刃部20を後端側に引き込む力が、
工具本体11の軸線Oに沿わずに、刃部20のテーパ部
21におけるフック部24の凹溝22と反対側(図中白
抜き矢印方向)に偏り、刃部20が工具本体11の軸線
Oに対して偏心してしまうという問題がある。しかも、
刃部20のフック部24が、テーパ部21の中に形成さ
れているため、刃部20のテーパ部21の外周面が取付
孔12のテーパ孔13の内周面を押圧する力も大きく偏
ることとなり、上記の刃部20が偏心する傾向がより顕
著になってしまう。
【0005】このような刃部の偏心を抑制できるものと
しては、例えば、図23に示すようなGB−A−215
8374に開示されている刃部交換式切削工具40があ
る。これは、刃部50の後端側部分51に、その後端面
52に開口するフック穴54と、このフック穴54の先
端側に連なるとともに後端側部分51の外周面53に開
口するフック部収納孔55とが形成されており、ボルト
部60の先端側部分61に、フック穴54を通過可能で
ボルト部60の軸線を2回軸とする回転対称な端部62
及び略円柱状をなす軸部63からなるフック部64が形
成されているものである。
【0006】刃部50を工具本体41に装着する際に
は、取付孔42の雌ねじ部43に対してボルト部60の
雄ねじ部66を適度にねじ込んでおき、刃部50を取付
孔42内に後端側へ向けて挿入することにより、ボルト
部60のフック部64における端部62をフック穴54
からフック部収納孔55内に挿入する。次に、刃部50
をボルト部60に対してねじ込み回転方向S(ボルト部
60の雄ねじ部66を取付孔42の雌ねじ部43にねじ
込むときにボルト部60を工具本体40に対して回転さ
せるときの回転方向)の前方側に所定角度相対回転させ
ると、フック部64の端部62に形成された回転力伝達
用壁面65がフック部収納孔55の外周面53への開口
部の縁56に当接することにより、刃部50から与えら
れる回転力がボルト部60に伝達されて、ボルト部60
の雄ねじ部66が取付孔42の雌ねじ部43にねじ込ま
れる。
【0007】そして、ボルト部60が後端側に引き込ま
れていくと、フック部64の端部62が、フック穴54
の周囲の壁面57、すなわち、フック部収納孔55にお
ける後端側を向く壁面に当接して係止することにより、
刃部50とボルト部60との軸線方向で互いに離間する
方向への相対移動が阻止されて刃部50とボルト部60
とが連結され、刃部50が後端側に引き込まれて着脱可
能に装着されているのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記のような
刃部交換式切削工具40において、刃部50が後端側に
引き込まれて工具本体41に装着されている状態では、
ボルト部60の雄ねじ部66をねじ込む際に刃部50か
ら与えられる回転力をボルト部60に伝達するため、フ
ック部64の端部62に形成された回転力伝達用壁面6
5がフック部収納孔55の外周面53への開口部の縁5
6に当接していなければならない。すると、フック部6
4の端部62をフック穴54からフック部収納孔55に
挿入してから、刃部50をボルト部60に対してねじ込
み回転方向Sの前方側への相対回転させることができる
所定角度がわずかな量で制限されてしまい、ボルト部6
0が後端側に引き込まれたときに、フック穴54の周囲
の壁面57とフック部64の端部62とが互いに接触し
あう面積を十分に大きく確保することが困難となり、刃
部50の装着状態を安定して維持することができなかっ
た。また、フック部64の軸部63が単なる略円柱状に
形成されているために、その剛性を十分に確保できてい
るとは言えず、これによっても安定した刃部50の装着
を維持することが困難となっていた。
【0009】さらに、刃部50を工具本体41から取り
外すため、ボルト部60の雄ねじ部66を取付孔42の
雌ねじ部43から緩めようとするときには、刃部50を
ボルト部60に対してねじ込み回転方向Sの前方側に相
対回転させた所定角度の分だけ、刃部50をボルト部6
0に対してねじ込み回転方向Sの後方側へ相対回転させ
なければ、刃部50から与えられる回転力をボルト部6
0に伝達することができず、刃部50を取り外す際に手
間がかかって操作性が悪いという問題や、刃部50を工
具本体41に装着している状態であっても、この刃部5
0に対してねじ込み回転方向Sの後方側に向かう力が加
わった場合には、刃部50がボルト部60から外れてし
まうおそれがあった。
【0010】また、他の従来技術として、例えば、図2
4に示すようなGB−A−990353に開示されてい
る刃部交換式切削工具70がある。これは、刃部80の
後端側部分に、刃部80の軸線を2回軸とする回転対称
な端部81及び略円柱状をなす軸部82からなる側面視
略T字型をなすフック部83が形成されており、このフ
ック部83をボルト部90に形成されたフック穴91か
らフック部収納孔92内に挿入してから、ボルト部90
の雄ねじ部92を工具本体71の取付孔72の雌ねじ部
73にねじ込むことで、刃部80とボルト部90とが約
90゜相対回転した状態に維持するように、ボルト部9
0が刃部80を後端側に引き込んでいるものである。
【0011】しかしながら、このような刃部交換式切削
工具70では、刃部80とボルト部90との周方向での
相対回転が阻止されることがなく、刃部80の装着作業
中のみならず、刃部80を工具本体71に装着した後で
あったも、刃部80に対して周方向の力がかかった場合
に、刃部80がボルト部90から容易に外れてしまうお
それがあり、極めて操作性が悪いという問題があった。
また、フック部83の軸部82も単なる略円柱状に形成
されているだけであるので、その剛性を十分に確保でき
ないという問題も依然として存在している。
【0012】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、刃部の偏心が生じず、かつ、刃部の装着状態を安定
して維持することができる刃部交換式切削工具及びこれ
に装着される刃部を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決して、
このような目的を達成するために、本発明による刃部交
換式切削工具は、少なくとも一つの切刃を備えた切削部
を有する刃部の後端側部分と、螺合部(雄ねじ部及び雌
ねじ部のうちのいずれか一方)を有する引込部材とが着
脱可能に連結され、これら連結された刃部及び引込部材
が、工具本体に穿設された被螺合部(雄ねじ部及び雌ね
じ部のうちのいずれか他方)を有する取付孔に挿入され
ているとともに、前記引込部材の螺合部が前記取付孔の
被螺合部にねじ込まれていることにより、前記刃部が前
記工具本体の軸線方向の後端側に引き込まれて着脱可能
に装着されている刃部交換式切削工具であって、前記刃
部の後端側部分及び前記引込部材のうちのいずれか一方
には、その端面に開口するフック穴が形成されており、
他方には、前記フック穴を通過可能な端部及び軸部から
なるフック部が形成されているとともに、このフック部
の軸部に、前記フック部の端部を前記フック穴に挿入し
て通過させてから前記刃部を前記引込部材に対して前記
螺合部のねじ込み回転方向の前方側に所定角度相対回転
させたときに、前記フック穴の内周縁に当接して前記刃
部から与えられる回転力を前記引込部材に伝達するため
の回転力伝達用壁面が形成されており、さらに、前記引
込部材の螺合部が前記取付孔の被螺合部にねじ込まれて
前記引込部材が軸線方向の後端側に引き込まれていくと
きに、前記刃部が前記引込部材に対して所定角度相対回
転した状態で、前記フック部の端部が前記フック穴の周
囲の壁面に当接して係止することにより、前記刃部と前
記引込部材との軸線方向で互いに離間する方向への相対
移動が阻止されて前記刃部と前記引込部材とが連結さ
れ、前記刃部が軸線方向の後端側に引き込まれることを
特徴とするものである。このような構成とされた本発明
の刃部交換式切削工具では、刃部と引込部材との連結
が、フック部の端部をフック穴に挿入して通過させてか
ら刃部と引込部材とを所定角度相対回転させた状態で、
フック部の端部をフック穴の周囲の壁面に当接させて係
止することによって行われるため、このフック部の端部
の形状を軸線をn回軸(n≧2)とする回転対称とする
ことができ、これにより、引込部材によって刃部を引き
込む力が偏ることなく、刃部の偏心を生じさせることが
ない。(ここで、回転対称とは、1つの軸のまわりにあ
る図形を回転する対称操作が行われるとき、2π/nラ
ジアン(nは正の整数)の回転で同じ図形がくりかえさ
れる性質をいい、その回転軸をn回軸という。)しか
も、刃部から引込部材に与えられる回転力を伝達するた
めの回転力伝達用壁面がフック部の軸部に形成されてい
ることで、フック部の端部をフック穴に挿入して通過さ
せてから、刃部を引込部材に対してねじ込み回転方向の
前方側に相対回転させるときの所定角度が、フック部の
端部の形状によって制限されてしまうことがなく、この
フック部の端部とフック穴の周囲の壁面とが互いに接触
しあう面積を十分に大きく確保することが可能となり、
刃部の装着状態を安定して維持することができる。加え
て、フック部の軸部に回転力伝達用壁面が形成されてい
ることで、略円柱状をなす従来の軸部と比較したときに
は、回転力伝達用壁面が形成されている分だけ、その断
面積が大きくなって、この軸部の剛性が高めることがで
き、これによっても、刃部の装着状態を安定化させるこ
とが可能となる。
【0014】また、前記フック部の軸部には、前記刃部
が前記引込部材に対して所定角度相対回転しているとと
もに前記フック部の端部が前記フック穴の周囲の壁面に
当接して係止している状態で、前記刃部が前記引込部材
に対して前記螺合部のねじ込み回転方向の後方側に相対
回転するのを阻止するために前記フック穴の内周縁に当
接する逆回転防止用壁面が形成されていることが好まし
い。このような構成とすると、刃部が引込部材に連結さ
れるとともに工具本体の軸線方向の後端側に引き込まれ
て装着されている状態において、フック部の軸部に形成
された回転力伝達用壁面及び逆回転防止用壁面の両方が
フック穴の内周縁に当接することとなるので、これら刃
部と引込部材との周方向での相対移動が阻止され、刃部
から引込部材に与えられるねじ込み回転方向の前方側及
び後方側への回転力が常時伝達される。それゆえ、刃部
を工具本体から取り外すために、刃部を引込部材に対し
てねじ込み回転方向の後方側に回転させると、刃部から
与えられる回転力がロスなく直ちに引込部材に伝達され
るのであり、しかも、刃部が工具本体に装着された状態
において、この刃部に対してねじ込み回転方向の後方側
へ力がかかったとしても、引込部材の螺合部が取付孔の
被螺合部から緩まない限り、刃部が引込部材から外れて
しまうことがない。
【0015】また、前記刃部は、少なくとも一つの切刃
を備えた切削部とこの切削部の後端側に連なるとともに
後端側に向かうにしたがい外径が漸次縮径する略円錐台
状のテーパ部とこのテーパ部の後端側に連なる前記後端
側部分とを有し、前記取付孔は、後端側に向かうにした
がい内径が漸次縮径する略円錐台孔状のテーパ孔とこの
テーパ孔の後端側に位置する被螺合部とを有していて、
前記刃部のテーパ部の外周面が前記取付孔のテーパ孔の
内周面を押圧して、前記刃部が着脱可能に装着されてい
ることが好ましい。このような構成とすると、引込部材
によって刃部が工具本体の軸線方向の後端側に引き込ま
れたときに、刃部のテーパ部の外周面が取付孔のテーパ
孔の内周面を偏りなく均一に押圧するようにでき、刃部
の軸線と工具本体の軸線とを完全に一致させて心出しを
行うことが可能となる。
【0016】また、ワークの切削加工に供されることに
なる切削部を有する刃部について、その剛性の点を考慮
すると、前記刃部の後端側部分に前記フック部が形成さ
れているとともに、前記引込部材に前記フック穴が形成
されていることが好ましい。
【0017】また、本発明による刃部交換式切削工具
は、前記フック部の端部を前記フック穴に挿入して通過
させたときに、前記刃部と前記引込部材とを、これらが
互いに離間する方向へ押圧する押圧部材が設けられてい
ることを特徴とする。このような構成とすると、刃部を
工具本体に装着する際に、あらかじめ引込部材がねじ込
まれた取付孔に対して刃部を後端側に向かって挿入して
ゆき、フック部の端部をフック穴に挿入して通過させる
と、押圧部材によって刃部と引込部材とが軸線方向で互
いに離間する方向へ押圧される。すると、刃部を取付孔
の後端側へ向かって挿入するのにともなって引込部材が
後端側へ押圧され、取付孔の螺合部とこの被螺合部にね
じ込まれた引込部材の螺合部との間に軸線方向で適度な
大きさの押圧力が発生する。これにより、フック部の端
部をフック穴に挿入して通過させた状態で、刃部を引込
部材に対して螺合部のねじ込み回転方向の前方側に所定
角度だけ相対回転させるときには、引込部材が工具本体
に対して周方向で相対回転するのを抑制するような摩擦
力が働くことになるので、刃部のみを工具本体に対して
確実に相対回転させることができ、刃部と引込部材とが
一体に連れ回ってしまうのを抑制して、刃部を引込部材
に対してねじ込み回転方向の前方側に向けてロスなく確
実に所定角度だけ相対回転させることが可能となる。さ
らには、刃部を工具本体に装着する際に、あらかじめ引
込部材を取付孔にねじ込んでおくのではなく、取付孔か
ら取り外した状態の引込部材と刃部とを用意し、フック
部の端部をフック穴に挿入して通過させてから、刃部を
引込部材に対して所定角度だけねじ込み回転方向の前方
側に相対回転させた後、フック部の端部をフック穴に挿
入している力を緩めると、押圧部材によって刃部と引込
部材とが軸線方向で互いに離間する方向に押圧され、自
然とフック部の端部がフック穴の周囲の壁面に当接して
係止している状態となって、これら刃部と引込部材とを
連結できる。そして、これら連結された刃部及び引込部
材とを一体に取付孔にねじ込んでいくことによって刃部
を工具本体に装着することもできるのである。このと
き、前記押圧部材は前記フック部の端部を押圧する頭部
を有していて、前記押圧部材の頭部と前記フック部の端
部とが略点接触する、例えば、前記押圧部材の頭部にお
ける前記フック部の端部に接触する端面及び前記フック
部の端部における前記押圧部材の頭部に接触する端面の
うちの少なくとも一方が、略球面状をなしていることが
好ましく、このような構成とすると、フック部の端部を
フック穴に挿入して通過させてから、刃部を引込部材に
対して螺合部のねじ込み回転方向の前方側に所定角度相
対回転させるときに、過大な力が必要となることがな
い。
【0018】また、本発明による刃部は、本発明の刃部
交換式切削工具に装着される刃部であって、少なくとも
一つの切刃を備えた切削部を有し、後端側部分には、そ
の端面に開口するフック穴が形成されている、あるい
は、前記フック穴を通過可能な端部及び軸部からなるフ
ック部が形成されているとともに、このフック部の軸部
に、前記フック部の端部を前記フック穴に挿入して通過
させてから前記刃部を前記引込部材に対して前記螺合部
のねじ込み回転方向の前方側に所定角度相対回転させた
ときに、前記フック穴の内周縁に当接して前記刃部から
与えられる回転力を前記引込部材に伝達するための回転
力伝達用壁面が形成されていることを特徴とする。
【0019】また、本発明による刃部は、前記後端側部
分に前記フック部が形成されていることが好ましく、こ
のとき、前記フック部の軸部には、前記刃部が前記引込
部材に対して所定角度相対回転しているとともに前記フ
ック部の端部が前記フック穴の周囲の壁面に当接して係
止している状態で、前記刃部が前記引込部材に対して前
記螺合部のねじ込み回転方向の後方側に相対回転するの
を阻止するために前記フック穴の内周縁に当接する逆回
転防止用壁面が形成されていることが好ましい。
【0020】さらに、本発明による刃部は、少なくとも
一つの切刃を備えた切削部とこの切削部の後端側に連な
るとともに後端側に向かうにしたがい外径が漸次縮径す
る略円錐台状のテーパ部とこのテーパ部の後端側に連な
る前記後端側部分とを有していることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付し
た図面を参照しながら説明する。まず、本発明の第1実
施形態を説明する。本第1実施形態による刃部交換式切
削工具100は、図1に示すように、軸線O回りに回転
させられる工具本体110と、この工具本体110に着
脱自在に装着されて固定される刃部120と、刃部12
0を工具本体110に装着するために用いる引込部材と
してのボルト部140とからなるものである。
【0022】工具本体110は、例えばスチール等によ
って、軸線Oを中心とする略円柱状に形成されていると
ともに、その先端面111から後端側に向けて、軸線O
を中心とした取付孔112が穿設されている。この取付
孔112は、工具本体110の先端面111から後端側
に向かって内径が一定の勾配で漸次縮径していく略円錐
台孔状のテーパ孔113と、このテーパ孔113の後端
側に連なるとともに、一定の内径で後端側に向かって延
びる略円柱孔状の収納孔114と、この収納孔114の
後端側に連なる被螺合部としての雌ねじ部115とから
構成されている。
【0023】また、刃部120は、図2に示すように、
例えば超硬合金からなり、少なくとも一つの切刃が最先
端に形成された切削部121と、この切削部121の後
端側に連なるとともに後端側に向かうにしたがい外径が
一定の勾配で漸次縮径していく略円錐台状をなすテーパ
部122と、このテーパ部122の後端側に連なる後端
側部分123とから構成されて、軸線Oを中心として形
成されている。
【0024】そして、刃部120の後端側部分123
は、テーパ部122の後端側に段差部を経て連なる軸部
125と、この軸部125の後端側に連なるとともに刃
部120の後端部をなす端部126とからなるフック部
124とされているのである。フック部124の軸部1
25は、軸線Oを中心とする略正四角柱状を呈してお
り、その4つの側面127…同士が交差する角部のう
ち、軸線Oに関して対向する一対の角部における軸線O
方向の先端側(テーパ部122側)がそれぞれ切り欠か
れることにより、隣接する2つの側面127,127の
それぞれ周方向中央部に切れ上がる曲面部分128,1
28が軸部125の先端側部分に形成されている。
【0025】フック部124の軸部125に形成された
一対の曲面部分128,128は、軸線Oに直交する断
面で見たとき、図2(b)に示すように、それぞれ軸線
Oを中心とする略1/4円弧状をなすように形成されて
おり、これら一対の曲面部分128,128が存在する
ことにより、軸部125における4つの側面127…に
はそれぞれ略L字型をなす平坦面が残されている。
【0026】各曲面部分128のそれぞれがまたがるよ
うに形成された周方向で隣接する2つの側面127,1
27のうち、図中矢印で示すねじ込み回転方向S(これ
については後述する。)の後方側に位置する側面127
Aに形成された略L字型の平坦面において、曲面部分1
28よりもねじ込み回転方向Sの後方側に位置して、テ
ーパ部122に連なる部分から端部126に連なる部分
まで軸部125における軸線O方向の全長に亘って形成
された平坦面が回転力伝達用壁面129とされ、かつ、
曲面部分128の軸線O方向の後端側(端部126側)
に連なる平坦面が逆回転防止用壁面130とされてい
る。
【0027】すなわち、上記の側面127Aにおけるね
じ込み回転方向Sの後方側半分に位置する平坦面が回転
力伝達用壁面129とされているとともに、側面127
Aにおけるねじ込み回転方向Sの前方側半分に位置する
とともに、回転力伝達用壁面129における軸線O方向
の後端側部分のねじ込み回転方向Sの前方側に連なる平
坦面が逆回転防止用壁面130とされているのである。
【0028】また、このフック部124の軸部125の
形状を換言するならば、上記の曲面部分128,128
を外周面とする仮想の略円柱体に対して、回転力伝達用
壁面129及び逆回転防止用壁面130が形成されてい
る分だけ余肉を付けたような形状となっており、軸線O
に直交する断面で見たときにも、曲面部分128,12
8を円弧とする仮想の円よりも回転力伝達用壁面129
や逆回転防止用壁面130が形成されている分だけ断面
積が大きくなっている。なお、これら回転力伝達用壁面
129及び逆回転防止用壁面130の働きについては後
述する。
【0029】そして、フック部124の端部126は、
その端面131(刃部120における後端面)と対向す
るようにして軸線O方向の先端側に向かって見たとき
に、略長方形状をなしていて、この端部126における
長辺側の側面132,132は、回転力伝達用壁面12
9及び逆回転防止用壁面130が形成されていない一対
の側面127B,127Bにおける略L字型の平坦面と
面一になる平坦面によって構成されており、また、端部
126における短辺側の側面133,133は、回転力
伝達用壁面129及び逆回転防止用壁面130が形成さ
れている一対の側面127A,127Aから外方に一段
突出するとともに、軸線Oを中心とした略円柱体の外周
面の一部となるような曲面によって構成されている。
【0030】ここで、フック部124の端部126にお
ける短辺側の側面133,133が、一対の側面127
A,127Aから外方に向かって一段突出していること
により、このフック部124の端部126には、一対の
側面127A、127Aから屹立してフック部124の
端部126における短辺側の側面133,133に交差
するとともに軸線O方向の先端側を向く壁面134,1
34が形成されている。なお、このフック部124の端
部126を含めたフック部124全体が、軸線Oを2回
軸とする回転対称となっている。
【0031】一方、ボルト部140は、図3に示すよう
に、例えばスチールからなり、略円柱状をなす先端側部
分141と、この先端側部分141の後端側に連なる螺
合部としての雄ねじ部142とから構成されて、軸線O
を中心として形成されている。ボルト部140の先端側
部分141には、その端面143(ボルト部140にお
ける先端面)に開口するフック穴144が形成されてい
るとともに、このフック穴144の後端側と連通するよ
うに、軸線Oを中心とした一定の内径を有する略円柱孔
状をなすフック部収納孔145が形成されている。
【0032】そして、フック穴144は、先端側部分1
41の端面143と対向するようにして軸線O方向の後
端側に向かって見たときに、略長方形状をなしていて、
このフック穴144における軸線O側(径方向内方側)
を向く壁面における長辺側の壁面、すなわち、フック穴
144の内周縁における長辺側の壁面146,146
は、互いに所定距離を介して離間する一対の平坦面とさ
れており、また、フック穴144の内周縁における短辺
側の壁面147,147は、フック部収納孔145の内
周面と面一とされて、軸線Oを中心とした略円柱体の外
周面の一部となるような曲面によって構成されている。
【0033】ここで、このフック穴144は、上記のよ
うな略長方形状をなしていることによって、刃部120
におけるフック部124の端部126と対応した形状を
なしており、フック部124の端部126及び軸部12
5がちょうど通過可能な大きさに設定されている。
【0034】また、フック穴144の内周縁における短
辺側の壁面147,147のみがフック部収納孔145
の内周面と面一となるように形成されていることから、
フック部収納孔145の内周面から屹立してフック穴1
44の内周縁における長辺側の壁面146,146に交
差するとともに軸線O方向の後端側を向く壁面148,
148が、このフック穴144の周囲に位置するように
形成されている。なお、このフック穴144及びフック
部収納孔145を含めたボルト部140の先端側部分1
41全体が、軸線Oを2回軸とする回転対称となってい
る。
【0035】上記のような構成をなす刃部120が工具
本体110に装着されている状態においては、刃部12
0の後端側部分123をなすフック部124の端部12
6が、ボルト部140の先端側部分141に形成された
フック穴144に挿入されて通過させられ、このフック
穴144の後端側に位置するフック部収納孔145内に
収容されている。
【0036】また、略長方形状をなすフック部124の
長手方向と略長方形状をなすフック穴144の長手方向
とが約90゜の交差角度で交差している、すなわち、刃
部120とボルト部140との位相が約90゜異なって
いる状態となっている(フック部124の端部126の
長手方向とフック穴144の長手方向とが一致している
状態にあるときを、刃部120とボルト部140との位
相が一致していると考える。)。
【0037】さらに、フック部124の端部126にお
ける軸線O方向の先端側を向く壁面134が、フック穴
144の周囲に位置して軸線O方向の後端側を向く壁面
148と対向するように配置されるとともに互いに当接
していることにより、これら刃部120とボルト部14
0との軸線O方向で互いに離間する方向への相対移動が
阻止されている。
【0038】加えて、フック部124の軸部125にお
ける後端側部分(端部126側の部分)がフック穴14
4内に収容され、かつ、この軸部125に形成された回
転力伝達用壁面129の後端側部分と逆回転防止用壁面
130との両方がフック穴144の内周縁における長辺
側の壁面146,146に対向するように配置されて互
いに当接していることにより、これら刃部120とボル
ト部140との周方向での相対移動が阻止されている。
【0039】このようにして軸線O方向で互いに離間す
る方向への相対移動及び周方向での相対移動が阻止され
て連結状態とされた刃部120及びボルト部140は、
工具本体110に穿設された取付112に対し、刃部1
20の略円錐台状をなすテーパ部122が、取付孔11
2の略円錐台孔状をなすテーパ孔113内に収容され、
刃部120の後端側部分123(フック部124)とボ
ルト部140の先端側部分141とが、取付孔112の
略円柱孔状をなす収納孔114内に収容されるように挿
入されており、ボルト部140の雄ねじ部142が、取
付孔112の雌ねじ部115にねじ込まれている。
【0040】そして、ボルト部140の雄ねじ部142
が取付孔112の雌ねじ部115にねじ込まれているこ
とで、ボルト部140の先端側部分141に連結された
後端側部分123を有する刃部120が、取付孔112
内で軸線O方向の後端側に引き込まれている。これによ
り、刃部120のテーパ部122の外周面の略全面が、
取付孔112のテーパ孔113の内周面の略全面を押圧
して、刃部120の軸線Oと工具本体110の軸線Oと
が一致させられて心出しが行われ、刃部120が工具本
体110に着脱自在に装着されて固定されているのであ
る。
【0041】次に、刃部120を工具本体110に装着
する工程を説明する。まず、図4に示すように、あらか
じめ、取付孔112の雌ねじ部115に対して、ボルト
部140の雄ねじ部142を所定量ねじ込んでおき、こ
のねじ込まれたボルト部140の略長方形状をなすフッ
ク穴144の長手方向と刃部120のフック部124の
略長方形状をなす端部126の長手方向とを一致させる
(交差角度0゜)、すなわち、刃部120とフック部1
40との位相を一致させながら、刃部120を取付孔1
12の後端側へ向かって、刃部120のテーパ部122
の外周面が取付孔112のテーパ孔113の内周面に当
接するまで挿入していくことにより、刃部120とボル
ト部140とを軸線O方向で互いに近づけていく。
【0042】すると、フック部124の端部126がち
ょうど通過できる大きさに形成されているフック穴14
4に、フック部124の端部126が挿入されて通過さ
せられる。その後、フック部124の軸部125の一対
の側面127B,127Bにおける略L字型の平坦面を
フック穴144の内周縁における長辺側の壁面146,
146に沿わせながら、刃部120の挿入を続けていく
ことにより、刃部120とボルト部140との位相が一
致させられた状態が維持されつつ、図5に示すように、
フック部124の端部126がフック部収納孔145内
に位置し、かつ、フック部124の軸部125の先端側
部分、すなわち、曲面部分128,128が形成されて
いる部分がフック穴144内に位置した状態となる。
【0043】このとき、軸部125の側面127B,1
27Bの略L字型をなす平坦面における先端側部分が、
フック穴144の内周縁における長辺側の壁面146,
146と対向して配置されて互いに当接しており、軸部
125の側面127A,127Aにおける先端側部分
(回転力伝達用壁面129及び曲面部分128)が、フ
ック穴144の内周縁における短辺側の壁面147,1
47と対向して配置された状態となっている。なお、こ
の状態では、フック部124の端部126における軸線
O方向の先端側を向く壁面134と、フック穴144の
周囲に位置して軸線O方向の後端側を向く壁面148と
が、フック部124における端部126と曲面部分12
8との間の軸線O方向に沿った距離よりも大きい距離t
を介して離間している。
【0044】ここで、フック穴144の内周縁における
長辺側の壁面146,146に対向する位置に配置され
た軸部125の一対の側面127B,127Bの先端側
部分において、そのねじ込み回転方向Sの後方側半分に
曲面部分128,128が存在していることにより、こ
のボルト部140の雄ねじ部142を取付孔112の雌
ねじ部115にねじ込むときにボルト部140を工具本
体110に対して回転させるときの回転方向、すなわ
ち、雄ねじ部142のねじ込み回転方向Sの前方側へ、
刃部120をボルト部140に対して相対回転させるこ
とが可能となっている。
【0045】これにより、図6に示すように、刃部12
0をボルト部140に対して軸線O回りにねじ込み回転
方向Sの前方側に回転させていくと、図7に示すよう
に、この刃部120がボルト部140に対して所定角度
(本第1実施形態においては約90゜)だけねじ込み回
転方向Sの前方側に相対回転させられたときに、フック
部124の軸部125の一対の側面127A,127A
に形成された回転力伝達用壁面129,129における
先端側部分がフック穴144の内周縁における長辺側の
壁面146,146に当接することになる。
【0046】この回転力伝達用壁面129における先端
側部分がフック穴144の内周縁における長辺側の壁面
146に当接している状態について、より詳しく説明す
ると、フック穴144の内周縁における長辺側の壁面1
46,146が対向している一対の側面127A,12
7Aの先端側部分のそれぞれには、ねじ込み回転方向S
の前方側半分に曲面部分128が位置し、かつ、ねじ込
み回転方向Sの後方側半分に回転力伝達用壁面129が
存在している状態となっており、この回転力伝達用壁面
129がフック穴144の内周縁における長辺側の壁面
146のねじ込み回転方向Sの後方側部分に当接してい
るのである。
【0047】また、このように、刃部120がボルト部
140に対して、フック部124の端部126をフック
穴144に挿入して通過させてから約90゜だけねじ込
み回転方向Sの前方側に相対回転させられることによ
り、フック部124の端部126の長手方向とフック穴
144の長手方向との交差角度が約90゜となり、刃部
120とボルト部140との位相も約90゜異なる状態
となっている。
【0048】上記のように、フック部124の軸部12
5に形成された回転力伝達用壁面129が、フック穴1
44の内周縁における長辺側の壁面146のねじ込み回
転方向Sの後方側部分に当接していることによって、刃
部120のボルト部140に対するねじ込み回転方向S
の前方側への相対回転が阻止される。これにより、刃部
120をねじ込み回転方向Sの前方側へ回転させ続けて
いくと、刃部120から与えられる回転力が、回転力伝
達用壁面129,129からフック穴144の内周面に
おける長辺側の壁面146,146を介してボルト部1
40に確実に伝達され、刃部120とボルト部140と
が一体に回転させられて、ボルト部140の後端側部分
に形成された雄ねじ部142が取付孔112の雌ねじ部
115にねじ込まれていく。
【0049】その後、ボルト部140は、その雄ねじ部
142が取付孔112の雌ねじ部115にねじ込まれる
のにともない、取付孔112内で軸線O方向の後端側に
引き込まれていくが、刃部120は、そのテーパ部12
2の外周面が取付孔112のテーパ孔の内周面に当接し
ていることで、工具本体110に対し、軸線O方向で同
じ位置に維持されたままとなる。
【0050】このように、刃部120の工具本体110
に対して軸線O方向の後端側へ向かう相対移動が阻止さ
れつつ、ボルト部140のみが工具本体110に対して
軸線O方向の後端側に向かって相対移動されていくこと
により、これら刃部120とボルト部140とが軸線O
方向で互いに離間する方向へ相対移動させられる。
【0051】そして、刃部120とボルト部140との
軸線O方向で互いに離間する方向への相対移動にともな
って、フック部124の軸部125に形成された回転力
伝達用壁面129の先端側部分に当接しているフック穴
144の内周縁における長辺側の壁面146が、回転力
伝達用壁面129との当接を維持しながら後端側に向か
ってこの回転力伝達用壁面120に沿って移動させられ
ていく。
【0052】すると、回転力伝達用壁面129の後端側
部分には、そのねじ込み回転方向Sの前方側に連なっ
て、この回転力伝達用壁面129と面一な逆回転防止用
壁面130が形成されていることにより、フック穴14
4の内周縁における長辺側の壁面146が回転力伝達用
壁面129及び逆回転防止用壁面130の両方に対向し
て配置されて互いに当接した状態となる。
【0053】それゆえ、回転力伝達用壁面129がフッ
ク穴144の内周縁における長辺側の壁面146のねじ
込み回転方向Sの後方側部分と当接することによって、
刃部120のボルト部140に対するねじ込み回転方向
Sの前方側への相対回転が阻止され、かつ、逆回転防止
用壁面130がフック穴144の内周縁における長辺側
の壁面146のねじ込み回転方向Sの前方側部分と当接
することによって、刃部120のボルト部140に対す
るねじ込み回転方向Sの後方側への相対回転が阻止され
て、これら刃部120とボルト部140との周方向での
相対移動が阻止される。つまり、刃部120をねじ込み
回転方向Sの前方側及び後方側へ回転させたときの回転
力がボルト部に対して常時伝達される状態となるのであ
る。
【0054】また、同じく、刃部120とボルト部14
0との軸線O方向で互いに離間する方向への相対移動に
ともなって、フック部収納孔145内に収容されている
フック部124の端部126における軸線O方向の先端
側を向く壁面134と、フック穴144の周囲に位置し
て軸線O方向の後端側を向く壁面148との間の軸線O
方向での距離tが次第に小さくなっていく。
【0055】引き続き、刃部120をねじ込み回転方向
Sの前方側へ回転させていくことにより、ついには、図
8に示すように、フック部124の端部126における
軸線O方向の先端側を向く壁面134とフック穴の周囲
に位置して軸線O方向の後端側を向く壁面148とが当
接し、これら刃部120とボルト部140との軸線O方
向で互いに離間する方向への相対移動が阻止されるので
ある。
【0056】このようにして、刃部120とボルト部1
40との軸線O方向で互いに離間する方向への相対移動
が阻止されることで、ボルト部140の雄ねじ部142
が取付孔112の雌ねじ部115にねじ込まれてボルト
部140が取付孔112内で軸線O方向の後端側へ引き
込まれるのにともない、これと連結された刃部120も
軸線O方向の後端側へ引き込まれ、刃部120のテーパ
部122の外周面が取付孔112のテーパ孔113の内
周面を押圧して、刃部120が工具本体110に対して
装着されて固定される。
【0057】一方、刃部120を工具本体110から取
り外す工程としては、まず、刃部120をボルト部14
0の雄ねじ部142のねじ込み回転方向Sの後方側に向
かって軸線O回りに回転させる。ここで、刃部120が
ボルト部140と連結されて工具本体110に装着され
た状態においては、フック部124の軸部125に形成
された逆回転防止用壁面130が、フック穴144の内
周縁における長辺側の壁面146のねじ込み回転方向S
の前方側部分に当接していることにより、刃部120を
ねじ込み回転方向Sの後方側へ回転させるときの回転力
が直ちにボルト部140に伝達される。
【0058】そのまま、刃部120をねじ込み回転方向
Sの後方側へ回転させていくことによって、この刃部1
20と連結されたボルト部140に対してねじ込み回転
方向Sの後方側への回転力が伝達され、これにより、刃
部120のテーパ部122の外周面による取付孔112
のテーパ孔113の内周面に対する押圧が解除されると
ともに、ボルト部140の雄ねじ部142が取付孔11
2の雌ねじ部115から緩んでいく。
【0059】続いて、刃部120を、そのテーパ部12
2の外周面が取付孔112のテーパ孔113の内周面と
当接する状態を維持しながら、ねじ込み回転方向Sの後
方側へ回転させていくと、回転力伝達用壁面129及び
逆回転防止用壁面130の両方に対向して配置されて互
いに当接した状態となっているフック穴144の内周縁
における長辺側の壁面146,146を、図7に示すよ
うに、フック部124の軸部125の一対の側面127
A,127Aの先端側部分と対向する位置まで先端側に
向かって回転力伝達用壁面129,129に沿うように
移動させることが可能となる。
【0060】すると、この軸部125の一対の側面12
7A,127Aの先端側部分には、回転力伝達用壁面1
29,129のねじ込み回転方向Sの前方側に連なるよ
うに一対の曲面部分128,128が形成されているこ
とから、刃部120をボルト部140に対してねじ込み
回転方向Sの後方側へ相対回転させることが可能となる
のである。
【0061】そして、図6に示すように、刃部120を
ボルト部140に対してねじ込み回転方向Sの後方側へ
向かって約90゜相対回転させることにより、フック部
124の端部126の長手方向とフック穴144の長手
方向とが一致させられて、刃部120とボルト部140
との位相が一致させられる。これにより、刃部120を
軸線O方向の先端側へ向かって引き抜くことで、フック
部収納孔145に挿入されているフック部124の端部
125をフック穴144から先端側へ抜き出すことが可
能となり、刃部120を工具本体110から取り外すこ
とができる。
【0062】このような構成とされた刃部交換式切削工
具100においては、工具本体110の後端側が工作機
械の回転軸に取り付けられて、軸線O回りに回転させら
れることにより、刃部120の最先端に位置する切刃に
よってワークの切削加工が行われる。
【0063】ここで、ボルト部140の雄ねじ部142
を取付孔112の雌ねじ部115に対してねじ込む際に
ボルト部140を工具本体110に対して回転させると
きのねじ込み回転方向Sは、この切削加工の際の工具本
体110の軸線O回りの回転方向Tと逆になる、すなわ
ち、ねじ込み回転方向Sの前方側が工具回転方向Tの後
方側となるように、これら雄ねじ部142及び雌ねじ部
115が形成されている。つまり、切削加工の際に刃部
120の切削部121が受ける切削抵抗によって、ボル
ト部140の雄ねじ部142が緩むことがないように考
慮されているのである。
【0064】上記のような構成とされた本第1実施形態
による刃部交換式切削工具100によれば、刃部120
とボルト部140との連結が、フック部124の端部1
26をフック穴144に挿入して通過させてから刃部1
20とボルト部140とを約90゜だけ相対回転させた
状態で、フック部124の端部126における軸線O方
向の先端側を向く壁面134,134をフック穴144
の周囲に位置して軸線O方向の後端側を向く壁面14
8,148に当接して係止することによって行われる。
そして、このフック部124の端部126が、軸線Oを
n回軸(本第1実施形態では、n=2)とする回転対称
とされていることにより、ボルト部140が刃部120
を軸線O方向の後端側に引き込むときの力を軸線O方向
に沿ったものとすることができ、工具本体110に対す
る刃部120の偏心を生じさせることがない。
【0065】とくに、刃部120が工具本体110に装
着されている状態においては、刃部120のテーパ部1
22の外周面が取付孔112のテーパ孔113の内周面
を押圧しているため、ボルト部140によって刃部12
0が軸線O方向の後端側に引き込まれたときに、刃部1
20のテーパ部122の外周面が取付孔112のテーパ
孔113の内周面を押圧する力を偏りなく均一なものと
することができるので、刃部120の軸線Oと工具本体
110の軸線Oとを完全に一致させて心出しが行われ、
高い精度が必要とされる切削加工においても十分な対応
が可能となり、また、良好な動バランスを得ることがで
きる。
【0066】しかも、刃部120のフック部124が軸
線Oを回転軸とする回転対称とされているとともに、ボ
ルト部140の先端側部分141も軸線Oを回転軸とす
る回転対称とされていることから、刃部交換式切削工具
100を構成する部材(工具本体100,刃部120,
ボルト部140)のすべてが回転対称となって、それら
の重心が軸線Oと一致しているので、工具本体110が
軸線O回りに高速回転させられるときでも、遠心力によ
る偏心が生じることがない。
【0067】さらに、刃部120からボルト部140に
与えられる回転力を伝達するための回転力伝達用壁面1
29がフック部124の軸部125に形成されているこ
とにより、フック部124の端部126をフック穴14
4からフック部収納孔145内に挿入してから、刃部1
20をボルト部140に対してねじ込み回転方向Sの前
方側に相対回転させる所定角度が、フック部120の端
部140によって制限されてしまうことがない。それゆ
え、軸線Oをn回軸とする回転対称な端部126におけ
る軸線O方向の先端側を向く壁面134が、フック穴1
44の周囲に位置する軸線O方向の後端側を向く壁面1
48に当接して互いに接触しあう面積をより大きく設定
することができ、刃部120の装着状態を安定して維持
することができる。
【0068】例えば、本第1実施形態においては、フッ
ク部124の端部126が、軸線Oを2回軸(n=2)
とする回転対称に形成されているため、刃部120をボ
ルト部140に対してねじ込み方向Sの前方側に向かっ
て180゜/n(=90゜)だけ相対回転させたとき
に、回転力伝達用壁面129,129をフック穴144
の内周縁における長辺側の壁面147,147に当接さ
せることで、フック部124の端部126における軸線
O方向の先端側を向く壁面134と、フック穴144の
周囲に位置して軸線O方向の後端側側を向く壁面148
との接触面積がより大きくなるように図られているので
ある。
【0069】また、フック部124の軸部125の一対
の側面127A,127Aにおける軸線O方向の後端
側、かつ、ねじ込み回転方向Sの前方側部分に、逆回転
防止用壁面130,130が形成されているため、刃部
120とボルト部140とが互いに連結されて、この刃
部120が軸線O方向の後端側に引き込まれて工具本体
110に装着されている状態においては、フック部12
4の軸部125に形成された回転力伝達用壁面129及
び逆回転防止用壁面130の両方がフック穴144の内
周縁における長辺側の壁面146,146に当接した状
態となり、これら刃部120とボルト部140との周方
向での相対移動が抑制されて、刃部120から与えられ
るねじ込み回転方向Sの前方側及び後方側への回転力
(周方向での回転力)が常時ボルト部140に伝達され
る。
【0070】それゆえ、刃部120を工具本体110か
ら取り外す際、刃部120をねじ込み回転方向Sの後方
側に回転させたときには、刃部120から与えられる回
転力がロスなく直ちにボルト部140に伝達されるの
で、刃部120の装着工程における操作性の向上を図る
ことができる。しかも、刃部120が工具本体140に
装着されている状態において、刃部120とボルト部1
40との周方向での相対移動が阻止されていることによ
り、この工具本体110に装着された刃部120に対
し、たとえ、ねじ込み回転方向Sの後方側へ回転させら
れるような力がかかったとしても、ボルト部140の雄
ねじ部142が取付孔112の雌ねじ部115から緩ま
ない限り、刃部120がボルト部140から外れてしま
うおそれがない。
【0071】また、フック部124の軸部126に回転
力伝達用壁面129や逆回転防止用壁面が形成されてい
ることで、略円柱状をなす従来形状の軸部と比較した場
合に、回転力伝達用壁面129,129や逆回転防止用
壁面130,130が形成されている分だけ、その断面
積が大きくなって、このフック部124の軸部125の
剛性が高められ、これによっても、刃部120の装着状
態を安定化させることが可能となる。
【0072】次に、本発明の第2実施形態を説明する
が、上述の第1実施形態と同様の部分には、同一の符号
を用いてその説明を省略する。本第2実施形態による刃
部交換式切削工具200は、第1実施形態とほぼ同様の
構成をなすものであり、その相違点は、フック部の軸部
に逆回転防止用壁面が形成されていないことである。
【0073】この刃部交換式切削工具200の刃部22
0は、図9に示すように、その後端側部分123をなす
フック部224の軸部225が、軸線Oを中心とする略
正四角柱状を呈しており、軸部225の4つの側面22
7…同士が交差する角部のうち、軸線Oに関して対向す
る一対の角部の全長がそれぞれ切り欠かれることによ
り、隣接する2つの側面227,227のそれぞれ周方
向中央部に切れ上がる曲面部分228,228が軸線O
方向に沿って軸部225の全長に亘って形成されている
ものである。
【0074】また、フック部224の軸部225に形成
された一対の曲面部分228,228は、軸線Oに直交
する断面で見たとき、図9(b)に示すように、それぞ
れ軸線Oを中心とする略1/4円弧状をなすように形成
されており、これら一対の曲面部分228,228が存
在することにより、軸部225における4つの側面22
7…にはそれぞれ軸線O方向に沿って延びる平坦面が残
されている。
【0075】そして、各曲面部分228のそれぞれがま
たがるように形成された周方向で隣接する2つの側面2
27,227のうち、ねじ込み回転方向Sの後方側に位
置する側面227Aに形成された平坦面、すなわち、曲
面部分128よりもねじ込み回転方向Sの後方側に位置
して、テーパ部122に連なる部分から端部126に連
なる部分まで軸部125における軸線O方向の全長に亘
って形成された平坦面が回転力伝達用壁面129とされ
ているのである。
【0076】このような軸部225及び端部126から
なるフック部224を有する刃部220を工具本体11
0に装着するには、図10〜図13まで順を追って示さ
れているように、基本的に、上述した第1実施形態の図
4〜図8まで順を追って説明したのと同様に行われる。
【0077】ここで、本第2実施形態による刃部交換式
切削工具200では、刃部220のフック部224の軸
部225における一対の側面227A,227Aに、逆
回転防止用壁面が形成されていないことから、刃部22
0が工具本体110に装着された状態において、図13
(b)に示すように、フック穴144の内周縁における
長辺側の壁面146,146が対向している軸部225
の一対の側面227A,227Aにおける後端側部分に
は、そのねじ込み回転方向Sの前方側部分に曲面部分2
28,228が形成されているとともに、ねじ込み回転
方向Sの後方側部分に回転力伝達用壁面129が形成さ
れている。
【0078】これにより、刃部220を工具本体110
に装着した状態であっても、刃部220をボルト部14
0に対してねじ込み回転方向Sの後方側に向けて所定角
度(約90゜)だけ相対回転させることが可能となって
しまう。しかしながら、ねじ込み回転方向Sを、工具本
体110の軸線O回りの回転方向Tと逆にする、すなわ
ち、刃部220が受ける切削抵抗によって、刃部220
がねじ込み回転方向Sの前方側に向けて回転させられる
力を受けるようにすることにより、刃部220がボルト
部140に対してねじ込み回転方向Sの後方側へ相対移
動させられるような力が加わることがなく、刃部220
がボルト部140から外れてしまうことを防止できるの
である。
【0079】次に、本発明の第3実施形態を説明する
が、上述の第1及び第2実施形態と同様の部分には、同
一の符号を用いてその説明を省略する。本第3実施形態
による刃部交換式切削工具は、第1及び第2実施形態と
同様の構成をなすものであり、その相違点は、フック部
における端部及び軸部の形状とフック穴の形状である。
【0080】この刃部交換式切削工具300の刃部32
0は、図14に示すように、フック部324の軸部32
5が、軸線Oを中心とする略正三角柱状を呈しており、
軸部325の3つの側面327…同士が交差する角部が
それぞれ切り欠かれることにより、3つの回転力伝達用
壁面329…が軸線O方向に沿って軸部325の全長に
亘って形成されている。
【0081】そして、フック部324の端部326は、
端面331(刃部320における後端面)と対向するよ
うにして軸線O方向の先端側に向かって見たときに、略
三角形状をなしていて、この略三角形状をなす端部32
6の3つの角部がそれぞれ、軸部325に形成された3
つの回転力伝達用壁面229…よりも外方に突出させら
れ、これにより、端部326に軸線O方向の先端側を向
く壁面334が形成されているのである。なお、このフ
ック部324の端部326も含めたフック部324全体
が、軸線Oを3回軸とする回転対称となっている。
【0082】また、ボルト部340の先端側部分341
には、図15に示すように、その端面343に開口する
フック穴344が形成されているとともに、このフック
穴344の後端側と連通するように、軸線Oを中心とし
た一定の内径を有する略円柱孔状をなすフック部収納孔
345が形成されている。
【0083】そして、フック穴344は、端面343と
対向するようにして軸線O方向の後端側に向かって見た
ときに、フック部324の端部326と対応して、これ
がちょうど通過可能な大きさに設定された略三角形状を
なしている。なお、このフック穴344及びフック部収
納孔345を含めたボルト部340の先端側部分341
全体が、軸線Oを3回軸とする回転対称となっている。
【0084】このような第3実施形態では、フック部3
25の端部326が略三角形状をなして、軸線Oを3回
軸(n=3)とする回転対称となっていることから、刃
部320とボルト部340との連結が、フック部324
の端部326をフック穴344に挿入して通過させてか
ら、刃部320をボルト部340に対してねじ込み回転
方向Sの前方側に向かって180゜/n(=60゜)だ
け相対回転させたときに、フック部324の軸部325
に形成された3つの回転力伝達用壁面329…のそれぞ
れが、フック穴344の内周縁における3つの壁面34
6…に当接するようになっているのである。
【0085】なお、この第3実施形態による刃部交換式
切削工具の刃部320について、そのフック部324の
軸部325に、逆回転防止用壁面が形成されていてもよ
いことはもちろんである。
【0086】次に、本発明の第4実施形態を説明する
が、上述の第1乃至第3実施形態と同様の部分には、同
一の符号を用いてその説明を省略する。本第4実施形態
による刃部交換式切削工具400は、第1乃至第3実施
形態と同様の構成をなすものであり、その相違点は、フ
ック部の端部をフック穴に挿入して通過させたときに、
刃部とボルト部とを、これらが互いに離間する方向へ押
圧する押圧部材が設けられていることである。
【0087】この刃部交換式切削工具400は、図16
に示すように、そのボルト部140におけるフック部収
納孔145の底面149、すなわち、フック部収納孔1
45における軸線O方向の先端側を向く壁面からボルト
部140の後端面150まで貫通形成された押圧部材収
納孔470内に押圧部材460が収容されているもので
ある。
【0088】押圧部材収納孔470は、フック部収納孔
145の底面149から一定の内径で軸線O方向の後端
側の延びる略円柱孔状をなす頭部収納孔471と、この
頭部収納容孔471の後端側に連なり、頭部収納孔47
1の内径よりも小さい一定の内径で軸線O方向の後端側
に延びてボルト部140の後端面150に開口する軸部
収納孔472とから構成されて、軸線Oを中心として形
成されている。この押圧部材収納孔470における頭部
収納孔471の内径が軸部収納孔472の内径よりも大
きく設定されていることにより、これら頭部収納孔47
1と軸部収納孔472との連結部分には軸線O方向の先
端側を向く壁面からなる段差部473が形成されてい
る。
【0089】一方、押圧部材460は、押圧体461と
バネ467とから構成されており、押圧体461は、一
定の外径を有する略円柱状をなす頭部462と、この頭
部462の後端側に連なり、頭部462の外径よりも小
さい一定の外径を有する略円柱状をなす軸部464とか
ら構成されて、軸線Oを中心として形成されている。こ
の押圧体461における頭部462の外径が軸部464
の外径よりも大きく設定されていることにより、これら
頭部462と軸部464との連結部分に、軸線O方向の
後端側を向く壁面からなる段差部465が形成されてい
る。
【0090】また、押圧体461における頭部462の
端面463(先端面)は、軸線O付近が最先端となるよ
うに、軸線O方向の先端側に向かって凸となる略球面状
をなしている。さらに、押圧体461における軸部46
4の後端側部分には、その外周面から径方向外方へ一段
突出するような形状となるように略リング型をなす止め
輪466が取り付けられている。
【0091】そして、この押圧部材460は、押圧体4
61における軸部464が押圧部材収納孔470におけ
る軸部収納孔472内に収容されているとともに、押圧
体461における頭部462が押圧部材収納孔470に
おける軸部収納孔472内に収容されている。
【0092】さらに、押圧体461における段差部46
5(軸線O方向の後端側を向く壁面)と、押圧部材収納
孔470における段差部473(軸線O方向の先端側を
向く壁面)との間に、押圧体461の軸部464を周回
するようにしてバネ467が介在させられていて、これ
ら段差部465,473が軸線O方向で互いに離間する
方向へ押圧されている。すなわち、押圧体451がボル
ト部140に対して軸線O方向の先端側へ向かって付勢
されているのである。なお、バネ467のバネ定数は、
2[N/m]〜20[N/m]の範囲に設定されてい
る。
【0093】ここで、押圧部材収納孔470における軸
部収納孔472に収容されている押圧体461の軸部4
64は、その後端側部分がボルト部140の後端面15
0から軸線O方向の後端側へ突出させられているととも
に、この突出部分に止め輪466が取り付けられてい
る。これにより、バネ467によって押圧されてボルト
部140に対して軸線O方向の先端側へ向かって付勢さ
れている押圧体461における頭部462の位置が、図
16における下半分に示されるように、フック穴144
のすぐ後端側のフック部収納孔145内で制限されてい
る。
【0094】このような構成とされた本第4実施形態に
よる刃部交換式切削工具400では、刃部120を工具
本体110に装着する際に、刃部120のフック部12
4の端部126を、あらかじめ取付孔112にねじ込ま
れたボルト部140のフック穴144からフック部収納
孔145内に挿入すると、このフック部収納孔145内
に挿入されたフック部124の端部126の端面131
が、押圧部材460における押圧体461の頭部462
の端面463と接触する。
【0095】このとき、フック部124の端部126の
端面131は軸線Oに直交する平坦面とされる一方、こ
の端面131と接触している押圧体461の頭部462
の端面463が、軸線O付近が最先端となるように軸線
O方向の先端側に向かって凸となる略球面状を呈してい
ることから、これら端部126の端面131と頭部46
2の端面463とが、軸線O付近にて略点接触している
だけの状態となっている。
【0096】このまま、フック部124の端部126の
フック穴144への挿入を続けていくと、図16の上半
分に示されるように、このフック部124の端部126
によって、軸線O方向の先端側へ付勢されている押圧部
材460の押圧体461が軸線O方向の後端側へ押し込
まれ、バネ467が縮んでいく。すると、バネ467自
身の復元力により、バネ467の後端が接触している段
差部473が形成された押圧部材収納孔470を有する
ボルト部140と、バネ467の先端が接触している段
差部473が形成された押圧体461の頭部462に接
触している刃部120とが、軸線O方向で互いに離間す
る方向へ押圧される。
【0097】すなわち、刃部120を取付孔112の後
端側へ向かって挿入してゆき、フック部124の端部1
26をフック穴144からフック部収納孔145内に挿
入するのにともない、ボルト部140が軸線O方向の後
端側に押圧され、このボルト部140の雄ねじ部142
と取付孔112の雌ねじ部115との間に軸線O方向で
適度な大きさの押圧力が発生することとなる。
【0098】それゆえ、フック部124の端部126を
フック部収納孔145に挿入するとともに、刃部120
をボルト部140に対してねじ込み回転方向Sの前方側
に所定角度だけ相対回転させるときには、ボルト部14
0が工具本体110に対して周方向で相対回転するのを
抑制するような摩擦力が働くのである。
【0099】このように、ボルト部140と工具本体1
10との周方向での相対移動を抑制するような摩擦力が
雄ねじ部142と雌ねじ部115との間に発生している
ことから、刃部120のみを工具本体110に対して確
実にねじ込み回転方向Sの前方側へ相対回転させること
ができ、刃部120とボルト部140とが一体に連れ回
ってしまうのを抑制できる。つまり、刃部120をボル
ト部140に対してねじ込み回転方向Sの前方側に確実
に所定角度だけ相対回転させることができ、刃部120
を工具本体110へ装着する際の操作性を向上させるこ
とが可能となる。
【0100】とくに、押圧部材460の頭部462とフ
ック部124の端部126が軸線O付近で略点接触して
いることにより、フック部124の端部126をフック
穴144よりフック部収納孔145内に挿入してから、
刃部120をボルト部140に対してねじ込み回転方向
Sの前方側に所定角度相対回転させようとするときに、
押圧部材460の頭部462の端面463からフック部
124の端部126の端面131への回転トルクがほど
んど伝達されなくなる。これにより、刃部120をボル
ト部140に対して所定角度だけ相対回転させるときに
過大な力が必要となることなく、さらなる操作性の向上
を図ることができる。
【0101】なお、この第4実施形態による刃部交換式
切削工具400では、フック部124の端部126の端
面131が平坦面とされるとともに、押圧部材460の
頭部462の端面463が軸線O方向の先端側に凸とな
る略球面状とされているが、、これに限定されることは
なく、端部126の端面131が軸線O方向の後端側に
向かって凸となる略球面状とされるとともに、頭部46
2の端面463が平坦面とされていてもよいし、さらに
は、端部126の端面131が軸線O方向の後端側に凸
となる略球面状とされるとともに、頭部462の端面4
63が軸線O方向の先端側に凸となる略球面状とされて
いても構わない。
【0102】また、刃部120とボルト部140とを軸
線O方向で互いに離間する方向へ押圧するために用いら
れるバネ467のバネ定数が、2[N/m]〜20[N
/m]の範囲に設定されていることにより、ボルト部1
40の雄ねじ部142と取付孔112の雌ねじ部115
との間に適度な押圧力が発生させられている。
【0103】このバネ467のバネ定数が、バネ467
のバネ定数が、2[N/m]より小さくなってしまう
と、フック部124の端部126をフック穴144より
フック部収納孔145に挿入したときに、ボルト部14
0を工具本体110に対して軸線O方向の後端側へ押し
付けるための十分な押圧力が得られなくなり、ボルト部
140の雄ねじ部142と取付孔112の雌ねじ部11
5との間に生じる摩擦力が不足して、刃部120とボル
ト部140との連れ回り現象が生じてしまうおそれがあ
る。
【0104】逆に、バネ467のバネ定数が、20[N
/m]より大きくなってしまうと、フック部124の端
部126をフック穴144よりフック部収納孔145内
に挿入して、刃部120をボルト部140に対してねじ
込み回転方向Sの前方側に相対回転させることが可能な
状態にするまでに、刃部120を取付孔112に挿入す
るための力が大きくなりすぎ、かえって操作性の低下が
生じてしまうおそれがある。
【0105】なお、上述した刃部120の装着工程で
は、あらかじめボルト部140の雄ねじ部142を取付
孔112の雌ねじ部115にねじ込んでから、このボル
ト部140のフック穴144に対して、刃部120のフ
ック部124を挿入して通過させているが、本第4実施
形態では、押圧部材460がボルト部140に設けられ
ていることによって、取付孔112から取り外した状態
のボルト部140と刃部120とを互いに連結してか
ら、これら連結された刃部120及びボルト部140と
を一体的に取付孔112にねじ込んでいくことも可能で
ある。
【0106】つまり、刃部120のフック部124の端
部126を、取付孔112から取り外した状態のボルト
部140のフック穴144を通過させてフック部収納孔
145内に挿入してから、刃部120をボルト部140
に対して所定角度だけねじ込み回転方向Sの前方側に相
対回転させると、押圧部材460によってこれら刃部1
20とボルト部140とが軸線O方向で互いに離間する
方向へ押圧されていることにより、自然と、フック部1
24の端部126における軸線O方向の先端側を向く壁
面134とフック穴144の周囲に位置して軸線O方向
の後端側を向く壁面148とを互いに当接させて、これ
ら刃部120とボルト部140との軸線O方向で互いに
離間する方向への相対移動が阻止された状態とすること
ができる。
【0107】そして、これら連結された刃部120及び
ボルト部140とを取付孔112に挿入するとともに、
刃部120をねじ込み回転方向Sの前方側に回転させて
いくことにより、刃部120とボルト部140とが一体
的にねじ込まれ、刃部120を工具本体110に装着す
ることができる。
【0108】ここで、とくに、フック部124の軸部1
25に逆回転防止用壁面130が形成されていると、刃
部120とボルト部140との軸線O方向で互いに離間
する方向への相対移動が阻止されて連結された状態で
は、これら刃部120とボルト部140との周方向での
相対移動が阻止されることから、刃部120をボルト部
140から取り外すためには、刃部120とボルト部1
40とを軸線O方向で互いに近づける方向に力を加える
とともに、刃部120をボルト部140のねじ込み回転
方向Sの後方側へ所定角度だけ相対回転させなければな
らない。
【0109】それゆえ、取付孔112から取り外したボ
ルト部140と刃部120とを連結したとしても、これ
ら刃部120とボルト部140との連結が容易に解除さ
れることをなくすことができる。また、周方向での相対
移動が阻止されていることから、刃部120とボルト部
140とを連結した状態のまま、工具本体110の取付
孔112から取り外すこともできるのである。
【0110】次に、本発明の第5実施形態を説明する
が、上述の第1乃至第4実施形態と同様の部分には、同
一の符号を用いてその説明を省略する。本第5実施形態
による刃部交換式切削工具500は、上述の第1実施形
態と同様の構成をなすものであり、その相違点は、ボル
ト部の形状にある。
【0111】この刃部交換式切削工具500におけるボ
ルト部540は、図17に示すように、その外周面に雄
ねじ部542が形成された略リング型状をなすように軸
線Oを中心として形成されたものである。ボルト部54
0には、その端面543(先端面)に開口するフック穴
544が形成されているとともに、このフック穴544
の後端側が、ボルト部540の後端面550に開口させ
られている。
【0112】つまり、フック穴544が、ボルト部54
0の軸線O方向での全長に亘って軸線Oを中心として貫
通形成されているのである。また、フック穴544の周
囲に位置して軸線O方向の後端側を向く壁面が、ボルト
部540の後端面550をなすことになる。
【0113】刃部120を工具本体110に装着する際
には、フック部124の端部126をフック穴544に
挿入して通過させてから、刃部120をボルト部140
に対してねじ込み回転方向Sの前方側へ所定角度相対回
転させた後、続いて刃部120をボルト部140に対し
てねじ込み回転方向Sの前方側に回転させていくことに
より、ボルト部140の雄ねじ部542が取付孔112
の雌ねじ部115にねじ込まれてボルト部140が取付
孔112内で軸線O方向の後端側に引き込まれていく。
【0114】すると、刃部120のフック部124の端
部126における軸線O方向の先端側を向く壁面134
が、フック穴544の周囲に位置して軸線O方向の後端
側を向く壁面(ボルト部540の後端面550)に当接
することにより、刃部120とボルト部540との軸線
O方向で互いに離間する方向への相対移動が阻止され
て、刃部120が工具本体110の後端側に引き込まれ
て装着されるのである。
【0115】また、この第5実施形態による刃部交換式
切削工具500において、第4実施形態のように、刃部
120とボルト部540とを軸線O方向で互いに離間す
る方向へ押圧する押圧部材を設けたい場合には、例え
ば、刃部120におけるテーパ部122とフック部12
4の軸部125との連結部分に形成された軸線O方向の
後端側を向く壁面からなる段差部と、ボルト部540に
おける軸線O方向の先端側を向く端面543(先端面)
との両方に接触して、これらを軸線O方向で互いに離間
する方向へ押圧するように押圧部材を設けることができ
る。
【0116】なお、上記の各実施形態においては、フッ
ク部の端部が、軸線Oを2回軸あるいは3回軸とする回
転対称となっているが、これに限定されることなく、フ
ック部の端部が、軸線Oをn回軸(n≧4)とする回転
対称であっても構わない。しかし、フック部の端部とフ
ック穴の周囲の壁面との接触面積について考慮すると、
上記の各実施形態で説明したように、n=3あるいはn
=4が適当である。
【0117】また、上記の各実施形態では、刃部の形状
を説明上分かりやすくするために簡略化して記載してい
るが、例えば、第1実施形態による刃部交換式切削工具
100の刃部120の詳細な形状を示すと、図18に示
すようになる。
【0118】すなわち、刃部120の切削部121に
は、軸線Oに関して互いに反対側に位置するようにし
て、軸線O方向の後端側に向かうにしたがい工具回転方
向Tの後方側に向かってねじれる一対の切屑排出溝12
1A,121Aが形成されており、これら切屑排出溝1
21A,121Aにおける工具回転方向Tの前方側を向
く壁面の先端側部分がすくい面とされるとともに、この
すくい面と先端逃げ面との交差稜線部に、刃部120の
最先端をなし、かつ、軸線Oを挟んで互いに反対側に位
置して軸線O近傍から外周側へ向かって延びる一対の切
刃121B,121Bが形成されている。
【0119】さらに、この切削部分121において、一
対の切屑排出溝121A,121A間に位置する外周面
には、軸線Oに関して互いに反対側に位置するとともに
互いに平行となるように、一対の平坦面121C,12
1Cが形成されており、これら一対の平坦面121C,
121Cが、刃部120をボルト部140に対して相対
回転させるときにスパナをかける部分となっている。
【0120】また、刃部120のフック部124の端部
126について、その軸線O方向の先端側を向く壁面1
34,134は、軸線Oを中心とし、頂点が軸線O方向
の先端側を向く仮想の略円錐体Vの周面の一部をなすよ
うな曲面として形成されている。すなわち、上記の第1
実施形態で説明したときに用いた図面では、この軸線O
方向の先端側を向く壁面134,134が軸線Oと直交
して延在しているように見えるが、実際には、これら軸
線O方向の先端側を向く壁面134,134は、径方向
外方に向かうにしたがい軸線O方向の後端側へ向かって
傾斜しているのである。
【0121】加えて、これら軸線O方向の先端側を向く
壁面134,134は、フック部124の軸部125に
おける一対の側面127A,127Aに対して、断面
(側面127Aに直交し、かつ、軸線Oと平行な断面)
で見たときに曲率半径が0.02〜0.2mmに設定さ
れた円弧状(あるいは楕円弧状)をなす曲面134A,
134Aを介して滑らかに接続されている。
【0122】また、このようなフック部124の端部1
26の形状に対応するように、ボルト部140の先端側
部分141において、そのフック穴144の周囲に位置
して軸線O方向の後端側を向く壁面148,148も、
軸線Oを中心とし、頂点が軸線O方向の先端側を向く仮
想の略円錐体Vの周面の一部をなすような曲面として形
成され、径方向外方に向かうにしたがい軸線O方向の後
端側へ向かって傾斜している。
【0123】そして、上記のような構成の刃部120と
ボルト部140とが互いに連結されて、これら刃部12
0とボルト部140との軸線O方向で互いに離間する方
向への相対移動及び周方向での相対移動が阻止されてい
る状態においては、図19に示すように、軸線Oを中心
とし、頂点が軸線O方向の先端側を向く仮想の略円錐体
Vの周面の一部となる曲面とされた壁面134,134
及び壁面148,148同士が互いに密着させられてい
るのである。
【0124】上述したように、フック部124の端部1
26における軸線O方向の先端側を向く壁面134,1
34と、フック穴144の周囲に位置して軸線O方向の
後端側を向く壁面148,148とを、上記の略円錐体
Vの周面の一部をなすようにしているのは、これら壁面
134,134,148,148を径方向外方に向かう
にしたがい軸線O方向の後端側へ向かうように傾斜させ
ることによって、互いの接触面積を、軸線Oに直交して
延在する壁面同士を接触させる場合と比較して増大させ
るためである。このように、接触面積を増大させること
によって面圧が下がり、これら壁面134,134,1
48,148が形成された部分の塑性変形を防止するこ
とができる。
【0125】また、これら壁面134,134,14
8,148は仮想の略円錐体Vの周面の一部をなしてい
るために、刃部120とボルト部140との連結状態に
おいては、刃部120とフック部140との位相が正確
に90゜異なる状態ではなく、多少位相がずれていたと
しても、この連結状態に悪影響を及ぼすことがない。
【0126】このようにしたのは、刃部120が例えば
粉末合金法で製造される場合には、焼結時の変形がある
ため、刃部120とボルト部140との連結状態におい
て、フック部124における回転力伝達用壁面129及
び逆回転防止用壁面130と、フック穴144の内周縁
における長辺側の壁面146との間に、実際には、図1
9に示すような、多少の隙間(クリアランス)が設定さ
れるためである。つまり、刃部120とボルト部140
との位相が90゜から多少ずれていたとしても、これら
回転力伝達用壁面129及び逆回転防止用壁面130
が、フック穴144の内周縁における長辺側の壁面14
6と正常に接触することが必要になるからである。
【0127】さらに、フック部124における軸部12
5の一対の側面127A,127Aと、端部126の軸
線O方向の先端側を向く壁面134,134との連結部
分を曲面134A,134Aによって接続するようにし
たのは、この連結部分に応力集中が発生しやすいことに
起因している。ここで、曲面134Aについて、断面の
円弧(楕円弧)の曲率半径が0.02mmより小さくな
ると、この連結部分をなす曲面134Aに応力集中を生
じさせてしまい、刃部120が超硬合金等の脆性材料で
構成されていることから、破損のおそれが生じてしま
う。一方、曲率半径が0.2mmより大きくなっても、
軸線O方向の先端側を向く壁面134,134の面積を
小さく設定せざるを得なくなり、面圧の増大を招いてし
まうおそれが生じる。
【0128】なお、上述のような刃部120の詳細な形
状が、第2乃至第5実施形態についても言えることはも
ちろんである。
【0129】また、上記の各実施形態では、工具本体
を、その全体がスチールによって構成されたものとして
説明しているが、これに限定されることなく、例えば、
工具本体の取付孔における少なくとも雌ねじ部を含む一
部分をスチールによって構成し、工具本体の他の部分を
超硬合金によって構成することも考えられる。例えば、
図20に示す変形例のように、工具本体110を、取付
孔112における雌ねじ部115が形成されたスチール
からなる第1工具本体部分160と、超硬合金からなる
第2工具本体部分170とを互いに接合したものとする
ことができるのである。
【0130】第1工具本体部分160はスチールからな
る多段略円柱状をなしていて、工具本体110の後端面
116をなす後端面164を備えた後端部分161と、
この後端部分161の先端側に一段縮径して連なるとと
もに、その先端面163から後端側に向けて雌ねじ部1
65が穿設された先端部分162とを有している。一
方、第2工具本体部分170は超硬合金からなる略円筒
状をなしていて、工具本体110の先端面111をなす
先端面171から後端面172まで貫通する貫通孔17
3を有している。
【0131】そして、第1工具本体部分160の先端部
分162を、第2工具本体部分170の貫通孔173の
後端面172への開口部からこの貫通孔173内に、第
2工具本体部分170の後端面172と第1工具本体部
分160の後端部分161とが当接するまで挿入した
後、これら第1工具本体部分160と第2工具本体部分
170とを互いに接合することによって、工具本体11
0が構成されている。これにより、第2工具本体部分1
70の貫通孔173における先端側部分によって取付孔
112のテーパ部113及び収納孔114が構成され、
第1工具本体160の雌ねじ部165によって取付孔1
12の雌ねじ部115が構成されているのである。
【0132】このような工具本体110を用いた刃部交
換式切削工具では、超硬合金からなる第1工具本体部分
160によって、工具本体110全体の剛性を高めるこ
とが可能でありながらも、スチールからなる第2工具本
体部分170には、容易に雌ねじ部115を形成でき
る。なお、第1工具本体部分160と第2工具本体部分
170との接合に関しては、何らその接合手段を問うこ
とはないが、例えば、ロウ付けによって接合することが
考えられる。
【0133】また、上記の各実施形態では、刃部を工具
本体の軸線方向の後端側に引き込むための引込部材とし
てボルト部を用いており、引込部材が螺合部としての雄
ねじ部を有しているとともに、この雄ねじ部が、取付孔
の被螺合部としての雌ねじ部にねじ込まれていくような
構成としているが、これに限定されることなく、引込部
材に螺合部としての雌ねじ部を形成するとともに、取付
孔に被螺合部としての雄ねじ部を形成しておくことも可
能である。
【0134】例えば、図21に示す変形例のようなもの
が考えられる(上述の第1実施形態と同様の部分には、
同一の符号を用いてその説明を省略する。)。この変形
例においては、刃部120と連結されるとともに刃部1
20を軸線O方向の後端側に引き込むための引込部材6
40が略円柱状をなしていて、その先端側部分141
に、フック穴144及びフック部収納孔145が形成さ
れ、かつ、後端側部分に、フック部収納孔145の底面
149から引込部材640の後端面641まで貫通する
ような螺合部としての雌ねじ部642が形成されてい
る。
【0135】そして、引込部材640に対応するよう
に、工具本体610には、取付孔112の収納孔114
の後端側に連なるとともに工具本体610の後端面61
1まで貫通する固定ボルト収納孔612が形成されてい
て、この固定ボルト収納孔612に固定ボルト613が
挿入されて固定されているのである。固定ボルト613
は、先端側部分に被螺合部としての雄ねじ部614が形
成されていて、また、その後端側に順次連なるように、
軸部615,頭部616が形成されている。
【0136】この固定ボルト613が固定ボルト収納孔
612に挿入されている状態においては、固定ボルト6
13の頭部616が、固定ボルト収納孔612における
後端面611への開口部として形成されて一段拡径した
段差部617内に収納され、固定ボルト613の軸部6
15が、固定ボルト収納孔612内に収容され、さら
に、固定ボルト613の雄ねじ部614が、軸線O方向
の先端側に突出させられるようにして取付孔112の収
納孔114内に収容されている。また、工具本体610
の外周面から取付孔112の固定ボルト収納孔612ま
で貫通形成された孔部に挿入された固定ボルト固定用ね
じ618によって、この固定ボルト613の固定ボルト
収納孔612内での軸線O方向及び周方向での移動が阻
止されている。
【0137】これにより、取付孔112の収納孔114
内に収容された状態となっている固定ボルト613の雄
ねじ部614が、取付孔112における被螺合部をなし
ているのであり、この雄ねじ部614に対して、引込部
材640の後端側部分に形成された雌ねじ部642がね
じ込まれるのである。なお、この変形例において、螺合
部のねじ込み回転方向Sとは、引込部材640における
螺合部としての雌ねじ部642を取付孔112における
被螺合部としての雄ねじ部614に対してねじ込むとき
に、引込部材640を工具本体610に対して軸線O回
りに回転させるときの回転方向となる。
【0138】このような引込部材640及び工具本体6
10を用いた刃部交換式切削工具では、固定ボルト61
3をスチールによって構成し、かつ、これを除く工具本
体610の他の部分を超硬合金によって構成すること
で、上述したような図20に示す工具本体の変形例と同
様に、工具本体610全体の剛性を高めつつも、被螺合
部としての雄ねじ部614を形成することを容易化でき
る。
【0139】さらに、上記の各実施形態及び変形例で
は、刃部の後端側部分に端部及び軸部からなるフック部
が形成され、ボルト部(引込部材)の先端側部分にフッ
ク部の端部及び軸部が通過可能な大きさのフック穴が形
成されているが、これに限定されることなく、刃部の後
端側部分に、その端面に開口するフック穴とこの先端側
に連通するフック部収納孔を形成し、かつ、ボルト部
(引込部材)の先端側部分に、端部及び軸部からなるフ
ック部を形成するようにしてもよい。
【0140】
【発明の効果】このような構成とされた本発明の刃部交
換式切削工具によれば、刃部と引込部材との連結が、フ
ック部の端部をフック穴に挿入して通過させてから刃部
と引込部材とを所定角度相対回転させた状態で、フック
部の端部をフック穴の周囲の壁面に当接させて係止する
ことによって行われるため、このフック部の端部の形状
を軸線をn回軸(n≧2)とする回転対称とすることに
より、引込部材によって刃部を引き込む力に偏りが生じ
ることなく、刃部の偏心を生じさせない。また、刃部か
ら引込部材に与えられる回転力を伝達するための回転力
伝達用壁面がフック部の軸部に形成されていることで、
フック部の端部をフック穴に挿入して通過させてから、
刃部を引込部材に対してねじ込み回転方向の前方側に相
対回転させるときの所定角度が、フック部の端部の形状
によって制限されず、これにより、フック部の端部とフ
ック穴の周囲の壁面とが互いに接触しあう面積を十分に
大きく確保して、刃部の装着状態を安定して維持するこ
とができる。さらには、フック部の軸部に回転力伝達用
壁面が形成されていることで、略円柱状をなす従来の軸
部と比較して、回転力伝達用壁面が形成されている分だ
け断面積を大きくでき、フック部の軸部の剛性を高め
て、刃部の装着状態をより安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態による刃部交換式切
削工具を示す一部破断斜視図である。
【図2】 (a)は本発明の第1実施形態による刃部
交換式切削工具の刃部を示す斜視図、(b)は(a)の
部分切断図である。
【図3】 (a)は本発明の第1実施形態による刃部
交換式切削工具のボルト部(引込部材)を示す斜視図、
(b)は(a)における部分切断図である。
【図4】 (a)は本発明の第1実施形態による刃部
交換式切削工具の刃部の装着工程を示す部分切断斜視
図、(b)は(a)の状態における刃部交換式切削工具
の一部破断断面図、(c)は(b)におけるA−A線断
面図である。
【図5】 (a)は本発明の第1実施形態による刃部
交換式切削工具の刃部の装着工程を示す部分切断斜視
図、(b)は(a)の状態における刃部交換式切削工具
の一部破断断面図、(c)は(b)におけるB−B線断
面図、(d)は(b)におけるC−C線断面図である。
【図6】 本発明の第1実施形態による刃部交換式切
削工具の刃部の装着工程を示す部分切断斜視図である。
【図7】 (a)は本発明の第1実施形態による刃部
交換式切削工具の刃部の装着工程を示す部分切断斜視
図、(b)は(a)の状態における刃部交換式切削工具
の一部破断断面図、(c)は(b)におけるD−D線断
面図、(d)は(b)におけるE−E線断面図である。
【図8】 (a)は本発明の第1実施形態による刃部
交換式切削工具の刃部の装着工程を示す部分切断斜視
図、(b)は(a)の状態における刃部交換式切削工具
の一部破断断面図、(c)は(b)におけるF−F線断
面図、(d)は(b)におけるG−G線断面図である。
【図9】 (a)は本発明の第2実施形態による刃部
交換式切削工具の刃部を示す斜視図、(b)は(a)の
部分切断図である。
【図10】 (a)は本発明の第2実施形態による刃
部交換式切削工具の刃部の装着工程を示す一部破断断面
図、(b)は(a)におけるH−H線断面図である。
【図11】 (a)は本発明の第2実施形態による刃
部交換式切削工具の刃部の装着工程を示す一部破断断面
図、(b)は(a)におけるI−I線断面図、(c)は
(a)におけるJ−J線断面図である。
【図12】 (a)は本発明の第2実施形態による刃
部交換式切削工具の刃部の装着工程を示す一部破断断面
図、(b)は(a)におけるK−K線断面図、(c)は
(a)におけるL−L線断面図である。
【図13】 (a)は本発明の第2実施形態による刃
部交換式切削工具の刃部の装着工程を示す一部破断断面
図、(b)は(a)におけるM−M線断面図、(c)は
(a)におけるN−N線断面図である。
【図14】 本発明の第3実施形態による刃部交換式
切削工具の刃部を示す斜視図である。
【図15】 (a)は本発明の第3実施形態による刃
部交換式切削工具のボルト部(引込部材)を示す斜視
図、(b)は(a)における部分切断図である。
【図16】 本発明の第4実施形態による刃部交換式
切削工具の刃部を示す一部破断断面図である。
【図17】 本発明の第5実施形態による刃部交換式
切削工具を示す一部破断断面図である。
【図18】 本発明の実施形態による刃部交換式切削
工具の刃部の詳細な形状を示す斜視図である。
【図19】 本発明の実施形態による刃部交換式切削
工具の刃部とボルト部(引込部材)とが連結されたとき
の詳細な状態を説明するための要部拡大断面図である。
【図20】 本発明の実施形態による刃部交換式切削
工具の工具本体の変形例を示す一部破断断面図である。
【図21】 本発明の実施形態による刃部交換式切削
工具の工具本体及び引込部材の変形例を示す一部破断断
面図である。
【図22】 従来の刃部交換式切削工具の一例を示す
断面図である。
【図23】 (a)は従来の刃部交換式切削工具の一
例を示す一部破断断面図、(b)は(a)におけるX−
X線断面図である。
【図24】 (a)は従来の刃部交換式切削工具の一
例を示す一部破断断面図、(b)は(a)におけるY−
Y線断面図である。
【符号の説明】
100,200,300,400,500 刃部交換式
切削工具 110 工具本体 112 取付孔 115 雌ねじ部(被螺合部) 120,220,320 刃部 124,224,324 フック部 125,225,325 軸部 126,326 端部 129,329 回転力伝達用壁面 130 逆回転防止用壁面 140,340,540 ボルト部(引込部材) 142,542 雄ねじ部(螺合部) 144,344,544 フック穴 145,345 フック部収納孔 460 押圧部材 462 頭部 O 軸線 S ねじ込み回転方向 T 工具回転方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 隆広 茨城県結城郡石下町大字古間木1511番地 三菱マテリアル株式会社筑波製作所内 Fターム(参考) 3C022 KK01 PP00 3C032 CC02 CC17

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの切刃を備えた切削部
    を有する刃部の後端側部分と、螺合部を有する引込部材
    とが着脱可能に連結され、これら連結された刃部及び引
    込部材が、工具本体に穿設された被螺合部を有する取付
    孔に挿入されているとともに、前記引込部材の螺合部が
    前記取付孔の被螺合部にねじ込まれていることにより、
    前記刃部が前記工具本体の軸線方向の後端側に引き込ま
    れて着脱可能に装着されている刃部交換式切削工具であ
    って、 前記刃部の後端側部分及び前記引込部材のうちのいずれ
    か一方には、その端面に開口するフック穴が形成されて
    おり、他方には、前記フック穴を通過可能な端部及び軸
    部からなるフック部が形成されているとともに、このフ
    ック部の軸部に、前記フック部の端部を前記フック穴に
    挿入して通過させてから前記刃部を前記引込部材に対し
    て前記螺合部のねじ込み回転方向の前方側に所定角度相
    対回転させたときに、前記フック穴の内周縁に当接して
    前記刃部から与えられる回転力を前記引込部材に伝達す
    るための回転力伝達用壁面が形成されており、 さらに、前記引込部材の螺合部が前記取付孔の被螺合部
    にねじ込まれて前記引込部材が軸線方向の後端側に引き
    込まれていくときに、前記刃部が前記引込部材に対して
    所定角度相対回転した状態で、前記フック部の端部が前
    記フック穴の周囲の壁面に当接して係止することによ
    り、前記刃部と前記引込部材との軸線方向で互いに離間
    する方向への相対移動が阻止されて前記刃部と前記引込
    部材とが連結され、前記刃部が軸線方向の後端側に引き
    込まれることを特徴とする刃部交換式切削工具。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の刃部交換式切削工具
    において、 前記フック部の軸部には、前記刃部が前記引込部材に対
    して所定角度相対回転しているとともに前記フック部の
    端部が前記フック穴の周囲の壁面に当接して係止してい
    る状態で、前記刃部が前記引込部材に対して前記螺合部
    のねじ込み回転方向の後方側に相対回転するのを阻止す
    るために前記フック穴の内周縁に当接する逆回転防止用
    壁面が形成されていることを特徴とする刃部交換式切削
    工具。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の刃部
    交換式切削工具において、 前記刃部は、少なくとも一つの切刃を備えた切削部とこ
    の切削部の後端側に連なるとともに後端側に向かうにし
    たがい外径が漸次縮径する略円錐台状のテーパ部とこの
    テーパ部の後端側に連なる前記後端側部分とを有し、 前記取付孔は、後端側に向かうにしたがい内径が漸次縮
    径する略円錐台孔状のテーパ孔とこのテーパ孔の後端側
    に位置する被螺合部とを有していて、 前記刃部のテーパ部の外周面が前記取付孔のテーパ孔の
    内周面を押圧して、前記刃部が着脱可能に装着されてい
    ることを特徴とする刃部交換式切削工具。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記
    載の刃部交換式切削工具において、 前記刃部の後端側部分に前記フック部が形成されている
    とともに、前記引込部材に前記フック穴が形成されてい
    ることを特徴とする刃部交換式切削工具。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記
    載の刃部交換式切削工具において、 前記フック部の端部を前記フック穴に挿入して通過させ
    たときに、 前記刃部と前記引込部材とを、これらが互いに離間する
    方向へ押圧する押圧部材が設けられていることを特徴と
    する刃部交換式切削工具。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の刃部交換式切削工具
    において、 前記押圧部材は前記フック部の端部を押圧する頭部を有
    していて、前記押圧部材の頭部と前記フック部の端部と
    が略点接触することを特徴とする刃部交換式切削工具。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の刃部交換式切削工具
    において、 前記押圧部材の頭部における前記フック部の端部に接触
    する端面及び前記フック部の端部における前記押圧部材
    の頭部に接触する端面のうちの少なくとも一方が、略球
    面状をなしていることを特徴とする刃部交換式切削工
    具。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれかに記
    載の刃部交換式切削工具に装着される刃部であって、 少なくとも一つの切刃を備えた切削部を有し、 後端側部分には、その端面に開口するフック穴が形成さ
    れている、あるいは、前記フック穴を通過可能な端部及
    び軸部からなるフック部が形成されているとともに、こ
    のフック部の軸部に、前記フック部の端部を前記フック
    穴に挿入して通過させてから前記刃部を前記引込部材に
    対して前記螺合部のねじ込み回転方向の前方側に所定角
    度相対回転させたときに、前記フック穴の内周縁に当接
    して前記刃部から与えられる回転力を前記引込部材に伝
    達するための回転力伝達用壁面が形成されていることを
    特徴とする刃部。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の刃部において、 前記後端側部分に前記フック部が形成されていることを
    特徴とする刃部。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の刃部において、 前記フック部の軸部には、前記刃部が前記引込部材に対
    して所定角度相対回転しているとともに前記フック部の
    端部が前記フック穴の周囲の壁面に当接して係止してい
    る状態で、前記刃部が前記引込部材に対して前記螺合部
    のねじ込み回転方向の後方側に相対回転するのを阻止す
    るために前記フック穴の内周縁に当接する逆回転防止用
    壁面が形成されていることを特徴とする刃部。
  11. 【請求項11】 請求項8乃至請求項10に記載の刃
    部交換式切削工具において、 少なくとも一つの切刃を備えた切削部とこの切削部の後
    端側に連なるとともに後端側に向かうにしたがい外径が
    漸次縮径する略円錐台状のテーパ部とこのテーパ部の後
    端側に連なる前記後端側部分とを有していることを特徴
    とする刃部。
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