JP2003230804A - 水中油型シリコーンエマルション消泡剤組成物の安定化方法 - Google Patents

水中油型シリコーンエマルション消泡剤組成物の安定化方法

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JP2003230804A
JP2003230804A JP2002030912A JP2002030912A JP2003230804A JP 2003230804 A JP2003230804 A JP 2003230804A JP 2002030912 A JP2002030912 A JP 2002030912A JP 2002030912 A JP2002030912 A JP 2002030912A JP 2003230804 A JP2003230804 A JP 2003230804A
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polysaccharide
silicone emulsion
oil
silicone
emulsion
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Tomomi Kuromiya
友美 黒宮
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Hakuto Co Ltd
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  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消泡効果が優れ、かつ長期保存してもエマル
ションの増粘・分離を少なくするシリコーンエマルショ
ン消泡剤組成物の安定化方法を提供する。 【解決手段】 フコース、グルコース、グルクロン酸、
ラムノースを構成単糖として含む多糖類を水中油型シリ
コーンエマルション消泡剤組成物に含有させることを特
徴としており、多糖類は、アルカリゲネス レータス
B−16株細菌の産生物が特に好ましく、シリコーンオ
イルに対し0.1〜5重量%(乾燥固形分として)加え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消泡効果を高く維
持したまま、長期間増粘・分離を少なく保存することが
できる水中油型シリコーンエマルション消泡剤組成物
(以降、単に「シリコーンエマルション消泡剤」と記
す)の安定化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にジメチルポリシロキサン、メチル
フェニルポリシロキサン等のシリコーンオイルは、化学
的に安定で反応性がほとんどなく、表面張力が低く、撥
水性を有し、安全性が高いことから化学工業、石油工
業、織物工業、食品工業、医薬品工業などの各種工程や
廃水処理施設での発泡抑制、消泡に広く利用されてい
る。
【0003】このとき、シリコーンオイルをそのまま使
用することもあるが、消泡効果を高めるために水中油型
のエマルションにすることが多い。水中油型のエマルシ
ョンにするには、シリコーンオイルを界面活性剤の存在
下に水に加えて激しく攪拌してエマルションとする。し
かし、シリコーンオイルは、疎水性で表面張力が低いた
めにエマルションとして長期間保持するとエマルション
表面にシリコーンオイルが浮いたり、シリコーンオイル
と水が分離し、消泡効果性を低下させるのみならず、分
離したシリコーンが製品に汚れやオイルスポットなどの
障害を引き起こすことがある。
【0004】そこで、界面活性剤を多く加えたり、特殊
な乳化剤を用いてシリコーンエマルションの安定性を上
げることがあるが、界面活性剤は一般に発泡性であり、
界面活性剤の使用量を多くすると、消泡効果を悪くし、
消泡効果の持続性が悪くなる欠点がある。また、シリコ
ーンオイルにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイ
ドを付加した変性オルガノポリシロキサンとして使用す
る方法(特公昭52−19836号公報、特公昭52−
22638号公報、特公昭55−23084号公報、特
開平6−142410号公報、特開平6−142411
号公報など)の提案があるが、シリコーンオイルの持つ
本来の消泡効果が得られなくなる。
【0005】そのために、シリコーンオイルが有する優
れた消泡効果を発揮しながら、長期間にわたり増粘・分
離が少ないシリコーンエマルション消泡剤が望まれてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記事情に鑑み、本発
明の目的は、シリコーンエマルション消泡剤組成物の優
れた消泡効果を維持し、かつ長期保存したときの増粘・
分離を少なくするシリコーンエマルション消泡剤組成物
の安定化方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の多
糖類にエマルション安定化効果のあることの知見から、
この技術をシリコーンエマルション消泡剤組成物に応用
することにより目的を達成できることを見出し本発明を
完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の請求項1は、シリコー
ンエマルション消泡剤組成物の安定化方法に係り、少な
くともフコース、グルコース、グルクロン酸、ラムノー
スを構成単糖として含む多糖類を含有させることを特徴
としている。
【0009】請求項2は、請求項1記載のシリコーンエ
マルション消泡剤組成物の安定化方法に係り、多糖類が
アルカリゲネス レータス B−16株細菌の産生物で
あることを特徴としている。
【0010】請求項3は、請求項1記載のシリコーンエ
マルション消泡剤組成物の安定化方法に係り、多糖類が
シリコーンオイルに対して0.1〜5重量%(乾燥固形
分として)加えることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、シリコーンエマルショ
ン消泡剤組成物に特定の多糖類を配合することに特徴が
ある。シリコーンエマルション消泡剤組成物は、通常の
方法によりシリコーンオイルを界面活性剤の存在下に水
に加えて激しく攪拌して製造され、本発明の多糖類はそ
のエマルション製造過程で加えられる。
【0012】シリコーンオイルは、シロキサン結合を主
鎖とし、側鎖にアルキル基、アリール基などを持つ重合
体であり、代表的な例を挙げると、ジメチルポリシロキ
サン、両末端にヒドロキシル基を持ったジメチルポリシ
ロキサン、エチルメチルポリシロキサン、ジエチルポリ
シロキサン、ハイドロジエンメチルポリシロキサン、メ
チルフェニルポリシロキサン、ジメチルシロキサン−メ
チル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、ジメ
チルシロキサン−メチル(ポリオキシエチレン−ポリオ
キシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキ
サン−アルコキシ(炭素数4〜12)メチルシロキサン
共重合体などである。シリコーンエマルション消泡剤に
用いるには、通常、粘度が100,000(mPa・
s:25℃)以下のものが選ばれ、0.5〜50重量%
(対全量)配合される。
【0013】シリコーンエマルション消泡剤組成物には
さらに、エマルション形成、安定性を補助し、さらに消
泡効果を改善する目的で微粉末シリカが加えられること
がある。この場合、微粉末シリカは、予めシリコーンオ
イルに添加してシリカ−シリコーンオイル分散液とし、
これを用いてエマルション化して調製される。使用され
るシリカは、沈降シリカ、シリカキセロゲル、ヒューム
ドシリカ、有機シリル基で処理した表面変性シリカなど
である。
【0014】この他、ケロシン、パラフィンオイル、芳
香族系炭化水素油など親油性有機溶剤、高級脂肪酸、高
級アルコール、アルキレンオキサイド付加物など消泡効
果を高める化合物、キサンタンガム、ウエランガム、メ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの増
粘剤、防腐剤、キレート剤、緩衝剤などを配合すること
がある。本発明が対象とするシリコーンエマルション消
泡剤組成物は、上記のような一般にシリコーンエマルシ
ョン消泡剤組成物として使用される全てを包含してい
る。
【0015】本発明に用いられる多糖類は、少なくとも
フコース、グルコース、グルクロン酸、ラムノースを構
成単糖として含む多糖類であり、好ましくは下記式
(1)に示されるようなグルコース、グルクロン酸、ラ
ムノースからなる繰返し構造の主鎖からなり、主鎖中の
1つのグルコースに1つのフコースが分岐した構造から
なっている多糖類である。
【0016】
【化1】
【0017】上記式(1)の多糖類は、例えばアルカリ
ゲネス レータスB−16株細菌(FERM BP−2
015号)の産生物として得ることができる。アルカリ
ゲネス レータスB−16株細菌は、通常の微生物培養
方法で培養され、培養後、該培養液にアセトン、エタノ
ール、イソプロピルアルコールなどの有機溶媒を入れる
と産出多糖類が不溶解物として析出する。析出物を分離
して多糖類を得ることができる。
【0018】微生物は一般に2種以上の多糖類を産生す
ることが多いが、本発明の効果を妨げるものでなけれ
ば、他種の多糖類が含まれていても差し支えない。例え
ば、アルカリゲネス レータスB−16株細菌の産出多
糖類には少なくとも2種の多糖類が含まれていることが
確かめられている。すなわち、培養液から分離した多糖
類の構成単糖の比率はモル比でフコース:グルコース:
グルクロン酸:ラムノース=1:(0.5〜4):
(0.5〜2):(0.5〜2)であるが、2種の多糖
類を分離すると、一つは、前記一般式(1)に示すよう
なグルコース、グルクロン酸、ラムノースからなる繰返
し構造の主鎖中にある1つのグルコースに1つのフコー
スが分岐した構造を有する多糖類であり、他はフコース
とマンノースを繰り返し単位とする多糖類である。前者
は、本発明の多糖類であり、フコース:グルコース:グ
ルクロン酸:ラムノースの単糖構成比は1:2:1:1
であり、分子量は10程度の高分子成分である〔19
98年度日本農芸化学会大会要旨集、371頁参照〕。
後者は、フコースとマンノースが1:1の繰り返し構造
の多糖類であり、分子量が10〜10の低分子成分
である〔Y.Nohata,J.Azuma,R.Ku
rane,Carbohydrate Researc
293,(1996)213〜222参照〕。この
低分子成分は本発明の多糖類の範囲外であるが、本発明
の安定化効果を妨げるようなことはなく、シリコーンエ
マルション消泡剤組成物中に含まれても何ら差し支えな
い。
【0019】多糖類は、その乾燥固形分としてシリコー
ンオイルに対して0.1〜5重量%、好ましくは0.3
〜3重量%、より好ましくは0.5〜1重量%の割合で
配合される。この配合量は、シリコーンエマルション消
泡剤組成物の安定化効果の上から決められたものであ
り、5重量%を超えて配合しても目的とする効果に特に
悪い影響は及ぼさないが、それ以上効果が大きくなるこ
とが期待できず、経済的に利益が得られないことが多
い。
【0020】疎水性のシリコーンオイルを安定なエマル
ションとして形成させるには、通常、界面活性剤が使用
される。これに用いられる界面活性剤は、既に広く知ら
れており、代表的なものとしてポリオキシエチレン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステ
ルなどがある。界面活性剤の量は、界面活性剤の種類、
シリコーンオイルの種類などにより異なるが、通常0.
1〜3%である。しかし、本発明の多糖類を使用するこ
とにより、界面活性剤を従来に比べて少ない量で、エマ
ルションをより安定にすることができる。
【0021】本発明に係るシリコーンエマルション消泡
剤組成物の製造方法は限定するものではなく、多糖類と
界面活性剤を入れた水を激しく攪拌しながらシリコーン
オイルを加えていく方法、水に多糖類、界面活性剤、シ
リコーンオイルを加えてから激しく撹拌する方法、シリ
コーンオイルに界面活性剤を入れて撹拌しながら多糖類
水溶液を加える方法などがあり、これらの方法は適宜選
ばれる。微粉末シリカが加えるときには、微粉末シリカ
は予めシリコーンオイルに添加してシリカ−シリコーン
オイル分散液とし、これを用いてエマルション化するの
がよい。
【0022】代表的な方法を具体的に説明すると、水に
多糖類および界面活性剤を加えて均一水溶液とし、これ
を40〜70℃に加温してホモミキサーにて約5,00
0rpmで攪拌しながらシリコーンオイルを加えてエマ
ルション化する。撹拌を継続しながら、レーザー回折式
粒度分布計LP−500(堀場製造所(株)製)などで
エマルション粒子の粒径を測定し、平均粒子径が1〜5
0μm、好ましくは2〜20μmとなるまで撹拌を続け
る。温度は、使用するシリコーンオイルの粘度、多糖
類、界面活性剤の種類に応じて攪拌混合し易い温度に調
整すれば良く、通常20〜70℃である。また、攪拌時
間は、エマルション粒径が目的とする値に達すればよ
く、通常5分〜5時間である。エマルション化に用いら
れる攪拌装置は、羽根型攪拌機、ディゾルバー、ホモミ
キサー、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、ニー
ダー、ラインミキサーなどがあり、適宜選択して用いら
れる。
【0023】本発明のシリコーンエマルション消泡剤組
成物においては、上記に説明した以外の、増粘剤、消泡
効果を有する界面活性剤や高級アルコール、防腐剤、キ
レート剤、緩衝剤等を配合することがあるが、本発明の
効果を妨げない範囲においてこれらの添加は何ら妨げる
ものではない。
【0024】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。
【0025】〔試験に用いた多糖類〕 (A−1:アルカリゲネス レータスB−16株細菌の
産出多糖類(粗製品))グルコース〔和光純薬工業
(株)製、試薬〕40.0g、リン酸水素二カリウム
〔和光純薬工業(株)製、試薬〕4.0g、リン酸二水
素カリウム〔和光純薬工業(株)製、試薬〕2.0g、
塩化ナトリウム〔和光純薬工業(株)製、試薬〕0.1
g、硫酸マグネシウム〔和光純薬工業(株)製、試薬〕
0.2g、硝酸カリウム〔和光純薬工業(株)製、試
薬〕1.0g、イーストエキストラクト〔オキソイド
(OXOID)社製〕1.5gをイオン交換水に溶解
し、水酸化ナトリウムあるいは硫酸を用いpH6.5に
調整し、全量を1リットルとした。この水溶液150m
Lを500mLの三角フラスコに取り、オートクレーブ
により加熱滅菌(121℃、15分間)した後、室温ま
で戻し、アルカリゲネスレータスB−16株(FERM
BP−2015号)を1白金耳接種し、30℃にて6
日間振とう培養(180rpm)した。培養終了後、培
養物に約3倍容量のイソプロピルアルコールを加えて攪
拌混合し、析出した凝集物を濾過、回収、減圧下にて乾
燥してアルカリゲネス レータスB−16株細菌の産出
多糖類(A−1)を得た。この多糖類は、フコース、グ
ルコース、グルクロン酸、ラムノースをモル比1:2:
1:1で構成される多糖類を主成分とし、この他フコー
スとマンノースをモル比1:1で構成される多糖類を含
み、その存在比は7:1(重量比)である。尚、構成単
糖類は、多糖類を硫酸で加水分解した後高速液体クロマ
トグラフィー(HPLC)により分析した。
【0026】(A−2:上記A−1の精製品)多糖類:
A−1の0.5重量%水溶液を調製し、水酸化ナトリウ
ム水溶液でpHを12とした。この水溶液をイオン交換
樹脂「ダイヤイオンHPA−75(OH−)(商品
名)」(日本錬水(株)製)のカラムを用いて8Ru以
下で処理し、さらに濾過助剤「ラジオライトRL70
0」と5μmメンブランフイルターで濾過し、タンパク
質、核酸、微生物類を除去した。濾液を希塩酸にてpH
が7にしてから減圧濃縮し、アセトンを投入して多糖類
を沈澱させ、さらに10倍量のアセトンで洗浄し、フコ
ース:グルコース:グルクロン酸:ラムノース=1:
2:1:1で構成され、分子量が5,000万の多糖類
(A−2)を得た。
【0027】〔シリコーンオイル〕 B−1:ジメチルポリシロキサン(粘度50mPa・
s、25℃)〔信越化学工業(株)製〕 B−2:ジメチルポリシロキサン(粘度100mPa・
s、25℃)〔信越化学工業(株)製〕 B−3:ジメチルポリシロキサン(粘度50,000m
Pa・s、25℃)〔信越化学工業(株)製〕 B−4:メチルフェニルポリシロキサン(粘度500m
Pa・s、25℃)〔日本ユニカ(株)製〕 B−5:ハイドロジンメチルポリシロキサン(粘度20
0mPa・s、25℃)〔東芝シリコーン(株)製〕 B−6:ジメチルポリシロキサン・メチル(ポリオキシ
エチレン)シロキサン共重合体(粘度1,600mPa
・s、25℃)〔東レ・ダウ・コーニング・シリコーン
(株)製、「SH3775C」(商品名)〕
【0028】〔界面活性剤〕 C−1:ソルビタンモノオレエート〔花王(株)製、
「レオドールSP−S10」(商品名)〕 C−2:ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート
〔花王(株)製、「レオドールTW−O120」(商品
名)〕 C−3:ショ糖脂肪酸エステル〔第一工業製薬(株)
製、「DKエステルM−160」(商品名)〕 C−4:ステアリン酸ポリオキシエチレン40モル付加
物〔日光ケミカルズ(株)製、「MYS−40」(商品
名)〕
【0029】〔その他〕 D−1:微粉末シリカ(粒径1.5〜2.5μm)〔日
本シリカ工業(株)製、「ニップシールL−250」
(商品名)〕 D−2:キサンタンガム〔三晶(株)製、「ケルザン−
T」(商品名)〕 D−3:ウェランガム〔三晶(株)製、「KIA96」
(商品名)〕 D−4:グリセリン〔関東化学(株)製、試薬〕
【0030】〔シリコーンエマルション消泡剤組成物の
製造〕シリコーンエマルション消泡剤組成物−3:20
0mL容器にシリコーンオイル(B−1)100gを入
れ、攪拌下に微粉末シリカ(D−1)2.5gを加えて
均一に分散させ、微粉末シリカのシリコーンオイル分散
液とした。また別途、2,000mL容器に水892g
を入れ、プロペラ型攪拌機を用い100rpmで撹拌し
ながら、多糖類(A−1)0.5g、界面活性剤(C−
1)と界面活性剤(C−4)を各々2.5gを加えて均
一溶液とし70℃に加温した。この水溶液をホモミキサ
ー〔特殊機化工業(株)製、「TKオートホモミキサー
M型」(商品名)〕で6,000rpmで撹拌しなが
ら先に調製した微粉末シリカのシリコーンオイル分散液
を投入し、5分間ミキシングしてエマルションとした。
さらにプロペラ型攪拌機を用いて200rpmで撹拌を
続けて30℃まで冷却し、さらに粒子径が2〜20μm
となるまで、攪拌を続けシリコーンエマルション消泡剤
組成物−3を得た。尚、粒子径の測定は、レーザー回折
式粒度分布計〔堀場製造所(株)製、「LP−50
0」〕によって行なった。
【0031】その他のシリコーンエマルション消泡剤組
成物:同様の操作によりその他のシリコーンエマルショ
ン消泡剤組成物を製造した。尚、比較例に用いたシリコ
ーンエマルション消泡剤組成物21〜31には、多糖類
(A−1、A−2)を加えていない。それぞれの組成を
表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】〔経時安定性試験〕100mL共栓付メス
シリンダーにシリコーンエマルション消泡剤組成物を1
00mL、200mL広口瓶にシリコーンエマルション
消泡剤組成物200mLを入れ、栓をして45℃の恒温
器内に静置した。90日後に100mL共栓付メスシリ
ンダー内のシリコーンエマルション消泡剤組成物の上部
に浮上したシリコーンオイル層の体積および下部の分離
した水層の体積を測定した。同様に200mL広口瓶中
のシリコーンエマルション消泡剤組成物の粘度をBL型
回転粘度計〔(株)トキメック〕を用い、25℃、60
rpmで測定した。
【0034】
【表2】
【0035】この結果から、本発明の多糖類を加えたシ
リコーンエマルション消泡剤組成物(実施例)は、製造
90日後でもシリコーンオイルの浮上やエマルションの
分離が少なく、多糖類を加えない場合(比較例)に比べ
安定性が優れることが確認できた。
【0036】〔加熱安定性試験〕100mL耐熱瓶にシ
リコーンエマルション消泡剤組成物70mlを入れ軽く
栓をしてオートクレーブ中125℃で20分間加熱処理
を行った。室温まで冷却した後、シリコーンエマルショ
ン消泡剤組成物のエマルション分離の程度を調べた。エ
マルション分離程度の評価は、目視評価によりエマルシ
ョンの分離が確認できない場合を「熱安定性:○」と
し、半透明〜透明な水層が確認できた場合、あるいは表
層に透明なシリコーンオイルの浮上、分離が確認できた
場合を「熱安定性:×」とした。結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】この結果から、本発明の多糖類を加えたシ
リコーンエマルション消泡剤組成物(実施例)は、上記
加熱処理ではシリコーンオイルの浮上やエマルションの
分離が認められず、また粘度の上昇も少なく、多糖類を
加えない場合(比較例)に比べ安定性が良いことが確認
できた。
【0039】〔消泡試験1〕針葉樹(N材)と広葉樹
(L材)を1:1(重量)で混合してパルプを蒸解して
いるパルプ工場連続蒸解釜の向流式3段ドラムウオッシ
ャーより第1段目フィルター濾液(固形分濃度:10.
0重量%、液温:85℃)を採取し、4倍に希釈して試
験液とした。試験は、図1に示す自作の保温循環式消泡
評価装置を用い、試験液量:1,000ml、保持温
度:65℃、循環流量:7リットル/分、試験時間:1
0分の条件で、シリコーンエマルション消泡剤組成物は
マイクロシリンジでシリコーンオイル分として10mg
となるように試験液に添加した後循環を始め、循環開始
から1分後、5分後、10分後の泡高を測定した。泡高
が低いものが消泡効果に優れていると評価した。結果を
表4に示した。
【0040】
【表4】
【0041】本発明の多糖類を加えたシリコーンエマル
ション消泡剤組成物(実施例)は、試験開始から循環1
0分後に至るまで安定して優れた消泡効果を示したが、
多糖類を加えないシリコーンエマルション消泡剤組成物
(比較例)は、循環開始から1分後は十分な消泡効果を
示すが、5分後、10分後には消泡効果が低下し、消泡
効果の持続性に欠けることが認められた。
【0042】〔消泡試験2〕ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル硫酸ナトリウム〔日本油脂(株)製、「パー
ソフトEK」(商品名)〕の0.1%水溶液を調製し、
30℃に加温して消泡試験用の試験液とした。この試験
液100mLをブレンダー〔オスター社製、(「オスタ
ーブレンダー BV−4型」〕の250mLカップ容器
に入れ、マイクロシリンジにてシリコーンエマルション
消泡剤組成物をシリコーンオイル分として20mgとな
るように添加し、密栓した後回転数10,000rpm
で30秒間ミキシングした。ミキシングの後、200m
Lメスシリンダーに移し替えて30秒後の泡を含む供試
液の見掛けの体積を測定した。シリコーンエマルション
消泡剤組成物は製造直後のもの、および製造後90日経
過したものをそれぞれ別個に行ない、シリコーンエマル
ション消泡剤組成物の長期保存による消泡効果への影響
を比較した。結果を表5に示した。
【0043】
【表5】
【0044】本発明の多糖類を加えたシリコーンエマル
ション消泡剤組成物(実施例)は、製造後90日経過し
た製品でも消泡効果が優れていることを確認できた。
【0045】
【発明の効果】本発明の方法により、シリコーンエマル
ション消泡剤組成物を長期間の保管してもシリコーンオ
イルの分離や製品の増粘・分離が少なく、安定性を高
め、消泡効果の持続性の向上させることができる。これ
により安定した消泡効果が得られ、工程の安定化、さら
には製品品質の向上となり産業に寄与することが大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験に用いた消泡評価装置の構成を示す概念図
である。
【符号の説明】
1:循環ポンプ 2:発泡試験筒(アクリル製・全容量2000mL) 3:循環ライン 4:試験液 5:泡

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともフコース、グルコース、グル
    クロン酸、ラムノースを構成単糖として含む多糖類を含
    有させることを特徴とする水中油型シリコーンエマルシ
    ョン消泡剤組成物の安定化方法。
  2. 【請求項2】 多糖類が、アルカリゲネス レータス
    B−16株細菌の産生物である請求項1記載の水中油型
    シリコーンエマルション消泡剤組成物の安定化方法。
  3. 【請求項3】 多糖類が、シリコーンオイルに対して
    0.1〜5重量%(乾燥固形分として)加える請求項1
    記載の水中油型シリコーンエマルション消泡剤組成物の
    安定化方法。
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