JP2003229596A - X線光電変換器 - Google Patents
X線光電変換器Info
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Abstract
変換器を得る。 【解決手段】本発明のX線光電変換器10のX線光導電
層3はセレンを主成分としており、そのハロゲン濃度は
1ppm以下になっている。そのようなX線光電変換器
10では、X線光導電層3で電子の走行性が低下しない
ので、シグナルである信号電流の量が高くなり、かつ、
X線の照射に対する信号電流の応答性が非常に高い。従
って、本発明のX線光電変換器10は41msec以下
の短時間で信号電流を切り替えることが可能であり、残
像も残らないので、動画表示用に用いることができる。
また、電荷収集電極2とX線光導電層3との間に電荷収
集電極5を設けると、ノイズ電流が小さくなるので、X
線光電変換器10から出力される信号電流のディジタル
処理が容易になる。
Description
たX線光導電層にセレンを用いたX線光電変換器の技術
分野に関する。
荷をデジタル化し処理する技術は、産業用や医療用など
幅広く活用されはじめている。一方、X線に光感度を示
す材料としてセレン及びセレン化合物が知られており、
セレンの光導電性を利用するものとして電子写真感光体
は古くから研究されている。
で用いられていたセレンを光導電材料としたX線光電変
換器を作製したところ、X線照射による信号電流量(シ
グナル)が小さく、X線の未照射と照射の切り替え時の
応答性が悪いものであった。
の不都合を解決するために創作されたものであり、その
目的は、信号電流が大きく、かつ、応答性の高いX線光
電変換器を提供するものである。
応答性を悪化させる原因を追求した結果、セレンに含ま
れるハロゲンが多い場合に、信号電流量の低下や応答性
の悪化が生じることがわかった。
ンを主成分として用いる場合、該セレンのハロゲン濃度
を規制することにより、電子の走行性の低下が無く、シ
グナルである信号電流が向上し、かつ、データ読み込み
の高速化に伴うセンサ応答性の向上が実現できることに
なる。更に本発明者等が検討を行った結果、X線光導電
層と電荷収集電極との間に電荷輸送性の高い電荷輸送層
を設けることで、ノイズ電流が低減し、信号電流とノイ
ズ電流との比(S/N比)が向上することがわかった。
載の発明は、基板と、前記基板上に配置された電荷収集
電極と、前記電荷収集電極上に配置されたX線光導電層
と、前記X線光導電層上に配置された上部電極とを有
し、前記電荷収集電極と前記上部電極との間に電圧を印
加した状態でX線を照射すると、前記X線光導電層内に
潜像が形成されるX線光電変換器であって、前記X線光
導電層はセレンを主成分とし、前記X線光導電層に含ま
れるハロゲンの濃度が1ppm以下であることを特徴と
するX線光電変換器である。請求項2記載の発明は、請
求項1記載のX線光電変換器であって、前記電荷収集電
極と前記X線光導電層との間に電荷輸送層が設けられた
ことを特徴とするX線光電変換器である。請求項3記載
の発明は、請求項2記載のX線光電変換器であって、前
記電荷輸送層は三硫化二アンチモンを主成分とすること
を特徴とするX線光電変換器である。
レン化合物の両方を示す。従って、X線光導電層はセレ
ン単体を主成分として含有する場合と、セレン化合物を
主成分として含有する場合と、セレン単体とセレン化合
物の両方を含有する場合とがある。
電変換器の実施形態を示すが、本発明はこれに限定され
るものではない。図7の符号11はX線光電変換器の製
造に用いられる真空加熱蒸着装置の一例を示している。
真空加熱蒸着装置11は真空槽12を有しており、真空
槽12内の底壁側にはるつぼ又はボート等の容器15が
配置されている。
されており、真空排気系14を起動すると、真空槽12
内が真空排気されるようになっている。この真空加熱蒸
着装置11を用いてX線光電変換器を製造するには、先
ず、真空排気系14により真空槽12内を真空排気し、
該真空槽12内に所定真空度の真空雰囲気を形成する。
からなる基板1を真空槽12内に搬入する。この基板1
の片面には、予めITO(インジウム・錫酸化物)薄膜
からなる電荷収集電極2が形成されており、基板1の電
荷収集電極2が形成された面を下に向けた状態で、基板
1を容器15内の天井側に配置する。
下のセレンからなる成膜材料が予め収容されており、容
器15に設けられた不図示の加熱手段に通電して容器1
5を昇温させると、容器15内のセレンが加熱によって
蒸発し、真空雰囲気中にセレン粒子が蒸気として放出さ
れる。
荷収集電極2の表面に到達すると、電荷収集電極2の表
面にセレンの薄膜からなるX線光導電層が形成される
(真空加熱蒸着法)。X線光導電層が形成された状態の
基板1を別の真空加熱蒸着装置へ搬入し、成膜材料とし
て金を用いて真空加熱蒸着を行い、X線光導電層の表面
に金薄膜からなる上部電極を形成する。
に上部電極4が形成されてなるX線光電変換器を示して
いる。以上は、電荷収集電極2の表面にX線光導電層3
を形成する場合について説明したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、例えば図2に示すX線光電変換
器20のように、電荷収集電極2とX線光導電層3との
間に電荷輸送層5を設けると、ノイズ電流を低くするこ
とができる。
うに、電荷収集電極2とX線光導電層3との間に下引き
層6を設けることもできる。更に、図4に示すX線光電
変換器40のように上部電極4の表面に上引き層7を設
けたり、図5に示すX線光電変換器50のように上部電
極4の表面に保護層8を設けることもできる。
電変換器に上記電荷輸送層5と、下引き層6と、上引き
層7と、保護層8とを設けることもできる。更に上記電
荷輸送層5はX線光導電層3と上部電極4との間に設け
ることもでき、X線光導電層3をはさんで両側に電荷輸
送層5を設けることもできる。本発明に用いる基板1と
しては、板状のガラスなどが主に用いられる。
ルミニウム、ITO(インジウム・錫酸化物)などを用
いることができる。この電極はX線照射領域を覆うよう
に一様に形成してもよく、また、マトリクス状やストラ
イプ状に形成してもよい。また、基板1と電荷収集電極
2の間にトンジスタを設けたTFT(薄膜トランジス
タ)としてもよい。
1ppm以下のセレンを主成分として含有する。セレン
化合物としては、セレンテルル化合物、セレンヒ素化合
物などを用いることができる。X線光導電層3中に含有
されるハロゲン濃度としては1ppm以下であればよい
が、応答性をより高める為には0.5ppm以下が好ま
しく、更には0.2ppm以下がより好ましい。
よって異なるが、真空蒸着、スパッタリング、CVDな
どによって形成できる。形成されたX線光導電層の膜厚
も、用いる材料によって異なるが、50μm以上200
0μm以下程度に形成する。X線光導電層3に含有され
るハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など
が確認されており、1種類の元素が含有される場合もあ
るが複数種類の元素が含有される場合もある。
出す。 2)ハロゲンのガスを硝酸銀溶液と反応させ、ハロゲン
化銀として析出させる。 3)得られたハロゲン化銀をろ過回収し、ハロゲン化銀
を定量し、ハロゲン濃度とする。
ニウム、ITO(酸化インジウム錫)などを用いること
ができる。本発明に用いることができる電荷輸送層5
は、X線光電変換器に電界を与えたときの電流値(ノイ
ズ電流)を低減する効果がある。電荷輸送層5の材料と
しては、三硫化二アンチモン、テルル化亜鉛カドミニウ
ムなどの無機材料を用いることができ、電荷移動性を示
す有機材料を用いることもできる。
成分とする電荷輸送層5は、ノイズ電流の低減効果が著
しく高い。本発明に用いることができる下引き層6とし
ては、シランカップリング剤を加水分解して生成される
熱硬化性のケイ素化合物や酸化セリウム、セレン砒素化
合物、有機高分子などを用いることができる。
び保護層8としては、シランカップリング剤を加水分解
して生成される熱硬化性のケイ素化合物などを用いるこ
とができる。本発明のX線光電変換器はX線を電気信号
に変換するものであり、X線センサーやX線画像処理装
置などに用いることができる。その中でも特に動画処理
装置に用いると、本発明のX線光電変換器の特徴である
優れた応答性及び高いS/N比により、リアルタイムな
動画処理と鮮明な処理画像を得ることができる。その場
合には、例えば、画像処理の為に本発明のX線光電変換
器を画素として2次元配置させ、各画素から得られた電
気信号を処理する処理回路を設ける。
明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではな
い。 <実施例1>ガラス基板1上にITOからなる電荷収集
電極2を形成したものを上述した真空加熱蒸着装置11
の真空層12内に設置した。予め容器15内にはハロゲ
ン濃度が0.1ppmのセレンを成膜材料として収容さ
れており、該容器15の加熱手段に所定電流を流し、容
器15と共にセレンを300分間加熱し、電荷収集電極
2表面に膜厚500μmの無定形セレン膜からなるX線
光導電層3を形成した。
を別の真空加熱蒸着装置へ搬入し、容器に収容された金
を2分間加熱して、X線光導電層3の表面に膜厚0.1
μmの金薄膜からなる上部電極4を形成し、実施例1の
X線光電変換器10を作製した。このX線光電変換器1
0よりX線光導電層3を取り出し、上述したハロゲン濃
度の分析法により、X線光導電層3を構成する無定形セ
レンのハロゲン濃度を測定したところ、そのハロゲン濃
度は成膜材料と同じ0.1ppmであった。
が1ppmのセレンを用いた以外は、実施例1と同じ条
件で実施例2のX線光電変換器10を作製した。実施例
1と同じ条件でX線光導電層3のハロゲン濃度を測定し
たところ、そのハロゲン濃度は1ppmであった。
1を真空加熱蒸着装置へ搬入し、成膜材料として三硫化
二アンチモンを用いて真空加熱蒸着を行い、電荷収集電
極2の表面に膜厚3μmの三硫化二アンチモン薄膜から
なる電荷輸送層5を成膜した。
5の表面にX線光導電層3を形成し、更に実施例1と同
じ条件でX線光導電層3の表面に上部電極4を形成し
て、実施例3のX線光電変換器10を得た。実施例1と
同じ条件でX線光導電層3のハロゲン濃度を測定したと
ころ、そのハロゲン濃度は0.1ppmであった。
が1ppmのセレンを用いた以外は実施例3と同じ条件
で、電荷輸送層5を有する実施例4のX線光電変換器1
0を作製した。実施例1と同じ条件でX線光導電層3の
ハロゲン濃度を測定したところ、そのハロゲン濃度は1
ppmであった。
が2ppmのセレンを用いた以外は、実施例1と同じ条
件で比較例1のX線光電変換器を作製した。実施例1と
同じ条件でX線光導電層のハロゲン濃度を測定したとこ
ろ、そのハロゲン濃度は2ppmであった。
が2ppmのセレンを用いた以外は、実施例3と同じ条
件で電荷輸送層を有する比較例2のX線光電変換器を作
製した。実施例1と同じ条件でX線光導電層のハロゲン
濃度を測定したところ、そのハロゲン濃度は2ppmで
あった。次に、これら実施例1〜4、比較例1、2のX
線光電変換器10を用いて、下記に示す「X線応答試
験」を行った。
光電変換器10の上部電極4に電源回路67を接続し、
電荷収集電極2に電流検出回路68を接続した。電流検
出回路68は電流計69を有しており、電流検出回路6
8が電荷収集電極2に接続されることで、電荷収集電極
2に流れる電流を2msec毎に測定可能になってい
る。
導電層3に15V/μmの電界を与え、該電界を維持し
た状態で、電源回路67の起動から20msec後にX
線照射装置61を起動し、X線管電圧80kV、X線管
電流30mAの条件で線量1.8R/分のX線65を上
部電極4の表面に20msec間照射した後、X線65
の照射を終了し、X線65を照射しない状態で更に60
msec間電界を維持した。このときのX線照射の開始
(ON)と終了(OFF)のタイミングを図8に示す。
導電層3の面積を除して単位電流値(単位:A/c
m2)を求め、更に単位電流値と、電源回路67を起動
してからの経過時間との関係を示す出力電流波形を求め
た。図9〜図12の符号L1〜L4はそれぞれ実施例1〜
4について得られた出力電流波形を示しており、図1
3、図14の符号L5、L6はそれぞれ比較例1、2につ
いて得られた出力電流波形を示している。
ており、図9〜図14の横軸は電源回路67を起動して
からの経過時間(msec)を示している。図9〜12
から明らかなように、実施例1〜4のX線光電変換器1
0では、単位電流値がX線のON、OFFの変化に遅れ
ることなく変化し、40msecという短時間で単位電
流値がゼロからピークへ、ピークからゼロへと切り替わ
っている。
から表示装置へ信号電力を出力する場合に、40mse
c毎に表示画像を切り替えることが可能であり、残像も
残らないことになる。一般に、1秒間のコマ数が24以
上、即ち、1コマの表示時間が0.041秒(41ms
ec)以下であれば人間の目に動画として認識されると
言われているので、実施例1〜4のようにX線光導電層
3のハロゲン濃度が1ppm以下であれば、動画用とし
て実用可能な程応答性が高いことがわかる。
比較例1、2のX線光電変換器では、単位電流値のピー
クが現れるのが非常に遅く、ピークにおける単位電流値
も低い。また、比較例1、2では、X線照射終了から2
0msecを経過したときであっても、単位電流値が下
がりきっておらず、応答性が極めて悪いことがわかる。
即ち、X線光導電層3のハロゲン濃度が1ppmを超え
る場合には、40msecという短時間でX線のON、
OFFを繰り返した場合に、画像が切り替わらずに残像
として残ってしまい、動画表示に用いるには不適なこと
がわかる。
かかわらず、X線光導電層3のハロゲン濃度が1ppm
以下であれば、X線光電変換器10の応答性が動画表示
が可能な程に高くなることがわかる。更に、ハロゲン濃
度の異なる成膜材料を用い、下記実施例5〜10のX線
光電変換器10を作成した。
濃度がそれぞれ0.5ppm、0.2ppmのセレンを
用いた以外は、実施例1と同じ条件でX線光導電層3を
形成し、電荷輸送層5を有しない実施例5、6のX線光
電変換器10を得た。実施例1と同じ条件で各X線光導
電層3のハロゲン濃度を測定したところ、ハロゲン濃度
はそれぞれ0.5ppm、0.2ppmであった。
度が0.2ppmであり、かつ、ドーパントである砒素
の濃度が0.5重量%のセレンを用いた以外は実施例1
と同じ条件でX線光導電層3を形成し、電荷輸送層を有
しない実施例7のX線光電変換器10を得た。実施例1
と同じ条件でX線光導電層3のハロゲン濃度を測定した
ところ、ハロゲン濃度は0.2ppmであった。
濃度がそれぞれ0.5ppm、0.2ppmのセレンを
用いた以外は実施例3と同じ条件でX線光導電層3を作
製し、電荷輸送層5を有する実施例8、9のX線光電変
換器10を得た。実施例1と同じ条件で各X線光導電層
3のハロゲン濃度を測定したところ、ハロゲン濃度はそ
れぞれ0.5ppm、0.2ppmであった。
濃度が0.2ppmであり、かつ、ドーパントである砒
素の濃度が0.5重量%のセレンを用いた以外は実施例
3と同じ条件でX線光導電層3を形成し、電荷輸送層を
有する実施例10のX線光電変換器10を得た。実施例
1と同じ条件で各X線光導電層3のハロゲン濃度を測定
したところ、ハロゲン濃度は0.2ppmであった。
0と、上記実施例1〜4のX線光電変換器10を用いて
下記に示す条件で「電荷量」と、「ノイズ電流」と、
「シグナル電流」と、「S/N比」とを求めた。
て、上記「X線応答試験」と同じ条件で出力電流波形を
求め、20msecから40msecまでの間(X線照
射開始から終了までの間)に得られる電荷量を下記数式
(1)により求めた。
単位面積当たりの電流量(A/cm 2)であり、tはデ
ータの採取時間を示す。尚、電荷量の値が大きい程、X
線光電変換器10から表示装置へ信号電流を出力した場
合に、該表示画像で表示される画像が鮮明になることを
示している。
に示すように回路接続する。10V/μmの電界を与え
たまま、その状態で暗所放置し10分後に検出される電
流値をノイズ電流(pA/cm2)とする。尚、X線光
電変換器10より得られる電気信号をデジタル化処理す
る為にはノイズ電流が50pA/cm2以下が有利であ
る。
管電圧80kVで線量としては1.8R/minの一様
なX線を照射させ照射1分後にX線光電変換器に流れる
電流値をシグナル電流(nA/cm2)とする。尚、X
線光電変換器より得られる電気信号をデジタル化処理す
る為には70nA/cm2以上が有利である。
流の比を表す値であり、S/N比が高いほどデジタル化
処理が容易であり好ましい。S/N比は、以下の数式に
よって求められる。 S/N比=シグナル電流×1000/ノイズ電流 (小
数点以下は四捨五入) 上記、「電荷量」、「ノイズ電流」、「シグナル電
流」、「S/N比」の各試験で得られた値のうち、電荷
輸送層5を有しない実施例1、2、5〜7について得ら
れた値を下記表1に、電荷輸送層5を有する実施例3、
4、8〜10について得られた値を下記表2に記載す
る。
濃度が5.0ppm、3.0ppmのセレンを用いた以
外は実施例1と同じ条件でX線光導電層を形成し、電荷
輸送層を有しない比較例3、4のX線光電変換器を得
た。実施例1と同じ条件で各X線光導電層のハロゲン濃
度を測定したところ、ハロゲン濃度はそれぞれ5.0p
pm、3.0ppmであった。
濃度が5.0ppm、3.0ppmのセレンを用いた以
外は実施例3と同じ条件でX線光導電層を形成し、電荷
輸送層を有する比較例5、6のX線光電変換器を得た。
実施例1と同じ条件で各X線光導電層のハロゲン濃度を
測定したところ、ハロゲン濃度はそれぞれ5.0pp
m、3.0ppmであった。
上記比較例1、2のX線光電変換器とを用いて上記実施
例1〜5と同じ条件で「電荷量」と、「ノイズ電流」
と、「シグナル電流」、「S/N比」とを求めた。電荷
輸送層を有しない比較例1、3、4で得られた値を上記
表1に、電荷輸送層を有する比較例2、5、6で得られ
た値を上記表2にそれぞれ記載した。
0のX線光電変換器10では、比較例1〜6に比べて電
荷量が大きく、X線光導電層3に添加するドーパントの
有無や、電荷輸送層5の有無にかかわらず、X線光導電
層3のハロゲン濃度が1ppm以下であれば、表示画像
が鮮明になることがわかる。
うに、ハロゲン濃度が同じであっても電荷輸送層5を有
する実施例3、4、8、9は、電荷輸送層5を有しない
実施例1、2、5、6に比べてノイズ電流が小さく、結
果としてS/N比が高くなっている。これらのことか
ら、電荷輸送層5を有する場合には、X線光電変換器1
0のS/N比が高く、ディジタル処理が容易なことがわ
かる。
濃度が1ppm以下である本発明は、シグナル電流が大
きく、立上り及び立下りの時間が短い。特に、電荷収集
電極とX線光導電層との間に電荷輸送層を設けると、ノ
イズ電流が低くなり、結果としてS/N比が高く、X線
光電変換器からの信号電流のディジタル化が容易にな
る。このように優れたX線光電変換器を動画処理装置に
用いると、リアルタイムな動画処理と鮮明な処理画像画
を得ることができる。
す図
熱蒸着装置の一例を示す断面図
Claims (3)
- 【請求項1】基板と、前記基板上に配置された電荷収集
電極と、前記電荷収集電極上に配置されたX線光導電層
と、前記X線光導電層上に配置された上部電極とを有
し、 前記電荷収集電極と前記上部電極との間に電圧を印加し
た状態でX線を照射すると、前記X線光導電層内に潜像
が形成されるX線光電変換器であって、 前記X線光導電層はセレンを主成分とし、 前記X線光導電層に含まれるハロゲンの濃度が1ppm
以下であることを特徴とするX線光電変換器。 - 【請求項2】前記電荷収集電極と前記X線光導電層との
間に電荷輸送層が設けられたことを特徴とする請求項1
記載のX線光電変換器。 - 【請求項3】前記電荷輸送層は三硫化二アンチモンを主
成分とすることを特徴とする請求項2記載のX線光電変
換器。
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