JP2001244492A - 放射線検出器 - Google Patents

放射線検出器

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JP2001244492A
JP2001244492A JP2000056713A JP2000056713A JP2001244492A JP 2001244492 A JP2001244492 A JP 2001244492A JP 2000056713 A JP2000056713 A JP 2000056713A JP 2000056713 A JP2000056713 A JP 2000056713A JP 2001244492 A JP2001244492 A JP 2001244492A
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layer
photosensitive plate
ray detector
alloy
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JP2000056713A
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Masahito Sato
正仁 佐藤
Kazuhiko Shima
和彦 島
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Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
Yamanashi Electronics Co Ltd
Original Assignee
Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
Yamanashi Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線感応層としてセレン層を用いている放
射線検出器の感度を向上させることである。 【解決手段】 基体3上にセレン層5と上部電極層6と
を形成してなる放射線検出器において、前記セレン層5
が所定の電気特性を有するセレン又はセレン合金を用い
て形成されたものであり、セレン又はセレン合金の電気
特性が以下の条件を満たすこと。 (条件)6.7×10−3Pa以下の真空度において、
アルミニウム板上にセレン又はセレン合金を1分間に5
μm以下の割合で20分間蒸着し、膜厚60〜70μm
のセレン感光板を製作する。次いで、このセレン感光板
の表面を、暗中でコロナ放電により−700〜−900
vに帯電し、白熱電球を用いて300ルクス秒の光量で
露光した時に、前記セレン感光板の残留電位が−200
v以下となること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療分野、工業分
野、さらには原子力分野などに用いられる放射線検出器
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線(例えばX線)の検出器として
は、X線を光に変換した後に電気信号へ変換する間接変
換方式のものと、X線感応層に入射したX線を直ちに電
気信号に変換する直接変換方式のものなどがある。後者
の直接変換方式の検出器として、例えば図1に示したよ
うに、ガラス板1の上にITO膜(Indium Ti
nOxide)を薄くスパッタリングして下部電極2を
形成し、ガラス板1と下部電極2とで構成される基体3
上にX線感応層としてのセレン層5を設け、さらにその
上に上部電極層6を設けた構造のものが知られている。
なお、符号4はグランド電極である。このような構造か
らなるX線検出器にあっては、下部電極2と上部電極層
6の間に電源7から直流電圧を印加し、その状態でX線
が上部電極層6の上方から照射されるとセレン層5中に
電荷(電子・正孔対)が発生し、下部電極2に集められ
た後にX線照射電流Iとして読み出される。
【0003】また、直接変換方式の他の例として、図2
に示すように、ガラス板1上に約100〜200μm角
の画素9をマトリックス状に多数設けて基体とし、その
上に上述と同様のセレン層5と上部電極層6を設けた構
造のものもある。この基体には各画素9毎にX線を照射
したときに発生する電荷を収集する電荷収集電極10
と、収集した電荷を蓄積する電荷蓄積コンデンサ11
と、蓄積した電荷を読み取る電気的スイッチ機構として
の薄膜トランジスタ12とが形成されている。このよう
な構造のX線検出器に電圧を印加しX線を照射すること
により、電荷収集電極10に集められた電流により電荷
蓄積コンデンサ11が充電され、ゲートドライバからス
イッチングライン13を通して薄膜トランジスタ12の
ゲート端子に電圧が印加されると、薄膜トランジスタ1
2がオン状態となる。すると前記電荷蓄積コンデンサ1
1に充電された電荷は、薄膜トランジスタ12のソース
端子に接続されている読み出しライン14を介して読み
取られることになる。
【0004】ところで、上記の直接変換方式のX線検出
器は、X線を照射したとき高感度であることを要求され
るが、X線検出器の感度は、下部電極2に流れるX線照
射電流Iの多少によって決まり、多い方が高感度とな
る。また、X線は物質への透過性が強いためにセレン層
5の厚み方向の全域に渡って入り込み、電荷(電子・正
孔対)がセレン層5内の全域で発生する。従って、セレ
ン層5内では電子、正孔の両方の電荷が移動距離の大き
いこと(電荷の移動度の大きいことや電荷が移動中にト
ラップ(捕獲)されないこと)が高感度化のために必要
となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、セレン
層5内に除去できない微量な不純物があると、電荷がセ
レン層5内にトラップされてしまい、結果的に移動距離
が短くなって感度が低下するといった問題がある。
【0006】ところで、X線検出器におけるセレン層5
には、セレン単体又はセレンにテルルやヒ素などを添加
したセレン合金が利用される。セレン単体としては、通
常99.99%以上に精製された高純度セレンが使用さ
れているが、一口に高純度セレンと言っても、原料ロッ
トが異なるとその中に含まれていて除去できない微量な
不純物の種類や濃度に違いが生じ、結果的にX線検出器
の感度に違いが生じるおそれがある。また、セレンにヒ
素を添加したセレン・ヒ素合金を使うことでセレン層5
の耐熱性を良くした場合にも、母材(ヒ素を添加する前
のセレン)として用いられるセレンの中に含まれる微量
な不純物の種類によって感度に違いが生じてしまうとい
った問題がある。
【0007】本願の発明者は、セレン単体及びセレン合
金の不純物濃度と感度との関係を調査したが、不純物量
が微量であるため相関を見い出せなかった。現状では厚
膜のセレン層を形成したX線検出器を製作し、これに電
圧を印加しX線を照射してみて感度の善し悪しを判断す
る程度であり、どのようなセレン単体やセレン合金を使
った時にX線検出器の感度がよくなるかについては明ら
かになっていない。
【0008】そこで本発明の目的は、放射線検出器の感
度を向上させるためにはどのような電気特性を示すセレ
ンを使えばよいかを明らかにすると共に、そのセレンを
用いて放射線検出器のセレン層を形成することで、高感
度の放射線検出器を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る放射線検出器は、基体上にセレン層と
電極層とを形成してなる放射線検出器において、前記セ
レン層が所定の電気特性を有するセレン又はセレン合金
を用いて形成されたものであり、セレン又はセレン合金
の電気特性が以下の条件を満たすことを特徴とする。即
ち、6.7×10−3Pa以下の真空度において、アル
ミニウム板上にセレン又はセレン合金を1分間に5μm
以下の割合で20分間蒸着し、膜厚60〜70μmのセ
レン感光板を製作する。次いで、このセレン感光板の表
面を、暗中でコロナ放電により−700〜−900vの
負の電位に帯電し、白熱電球を用いて300lx・sの
光量で露光した時に、前記セレン感光板の残留電位が−
200v以下となることが条件である。
【0010】本願の発明者は、鋭意検討した結果、放射
線検出器の感度が、セレン層内における電子の移動距離
の大きさに依存していることを見出した。そして、この
電子の移動距離の大きさを、アルミニウム板上に設けた
セレン層の残留電位の大きさで規定した。即ち、アルミ
ニウム板上に設けた膜厚60〜70μmのセレン層を負
の電位に帯電し、これに露光した時の残留電位を−20
0v以下の小さい値に規定した。このことは、放射線照
射により発生した電荷(電子・正孔対)の中で、電子も
極めて移動距離の大きくなることを意味する。元々移動
距離の大きい正孔に加えて電子の移動距離も大きくなる
ことで、放射線検出器が高感度になるのである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
に係る放射線検出器の実施形態をX線検出器について詳
細に説明する。X線検出器の基本構成は、図1及び図2
に示した従来のものとほとんど同じであるが、図1及び
図2の中で示されたセレン層5が、所定の電気特性を有
するセレン単体又はセレン合金により形成された点で異
なる。
【0012】本発明に係るX線検出器で用いられる基体
としては、図1に示したようにガラス板1などの絶縁物
上に導電性の下部電極2を設けたものの他、アルミニウ
ム板などをそのまま導電性基体として用いる場合、また
図2に示したようにガラス板1などの絶縁物上に画素9
をマトリックス状に設けたものなどがある。また、セレ
ン層5は、所定の電気特性を有するものであれば、セレ
ン単体のみならず、セレンとヒ素、セレンとテルルなど
のセレン合金、さらにはナトリウム(Na)、リチウム
(Li)などのアルカリ金属を添加した添加物セレンな
どによって形成することができる。
【0013】上記基体上に形成されるセレン層5の膜厚
は、約200〜1500μmの範囲が望ましい。膜厚が
200μmより薄いとX線に対する量子効率が下がって
十分な感度を得ることができない一方、1500μmよ
り厚くなるとセレン層5内でトラップされる電荷が多く
なり、X線に対する応答性が悪くなるからである。
【0014】上部電極層6の材料としては、金、銀、ア
ルミニウム、ニッケル等の導電材があり、蒸着法などに
よって形成することができる。上部電極層6の厚みは、
0.01〜3.0μmの範囲が望ましい。
【0015】図1に示した構造のX線検出器において
は、基体3とセレン層5との間に中間層を設けることも
できる。この中間層をポリカーボネート樹脂の有機膜で
形成した場合には、基体3に対するセレン層5の接着性
が向上する。また、中間層を酸化セリウム(CeO
などの無機膜によって形成した場合には、下部電極2か
らセレン層5への電荷注入を阻止することができ、暗電
流を低減する役目を果たす。さらに、セレン層5と上部
電極層6との間に中間層を設けてもよい。この中間層を
三硫化アンチモンの薄層で形成した場合には、上部電極
層6からセレン層5への電荷の注入が阻止されて暗電流
が低減する。
【0016】次に、本発明におけるセレン又はセレン合
金が有する所定の電気特性について説明する。先ず、セ
レン感光板を製作するためのセレンの蒸着方法と残留電
位の測定方法を述べる。
【0017】1.蒸着方法 セレンの電気特性を知るために、アルミニウム板上にセ
レンを蒸着して、セレン感光板を製作する。図3に真空
蒸着装置15を示す。この真空蒸着装置15の真空槽1
6内の下部には蒸発源容器17が配置され、その中に蒸
発源となるセレン粒子18が散布される。蒸発源容器1
7の裏側には温度センサ19が取り付けられ、セレン粒
子18の温度制御を行なう。蒸発源容器17の上方には
ステンレス支持体20が設置され、その下面にアルミニ
ウム板21が密着支持される。アルミニウム板21と蒸
発源容器17との距離は170mmである。ステンレス
支持体20は2枚のステンレス板20a,20bで構成
され、両者の間にはステンレス板20a,20bを加熱
するヒータ22が挟持されている。また、ステンレス支
持体20の下面には温度センサ23が取り付けられ、ア
ルミニウム板21の温度制御を行なう。
【0018】上記アルミニウム板21は、厚み1.2m
mの市販品を大きさ55mm×55mmに切断して使用した
ものである。セレンを蒸着する表面は、表面粗さRz
(十点平均粗さ)が0.4μm以下の平滑な面である。
このようなアルミニウム板21として、例えば、純度9
9.80%以上である住友金属製のA85H26LF
(商品名)がある。アルミニウム板21の表面の油脂分
を取り除くために有機溶剤中で超音波洗浄するのが望ま
しい。
【0019】上記蒸発源容器17は、図4に示したよう
に、厚み0.25mmのステンレス材を用いて箱型に形
成したもので、上部が開放された直方体形状である。蒸
発源容器17の両側の短辺には電源取付用の電極片24
a,24bが形成されている。蒸発源容器17の大きさ
は長辺(L1)×短辺(L2)×深さ(H)が140mm
×40mm×10mmであり、また電極片24a,24bを
含めた全体の長辺(L3)は180mmである。蒸発源
容器17は前記電極片24a,24bを介して交流電流
によって加熱される。
【0020】前記蒸発源容器17の中に散布されるセレ
ン粒子18の量は、アルミニウム板21に蒸着されたセ
レンの膜厚が60〜70μmの範囲となるように調整さ
れる。
【0021】セレンを蒸着する際の蒸着速度(1分間当
たりのアルミニウム板へ付着するセレン層膜厚)を5μ
m以下とし、かつ蒸着時間(蒸発源電源をオンにし、蒸
発源電源をオフにするまでの時間)を20分間とし、こ
の間にセレンがほぼ全量蒸発するような一定の蒸発源温
度で行う。本実施形態では、セレン単体及びナトリウム
を添加したセレンでは270℃、セレン・テルル合金及
びセレン・ヒ素合金では280℃の一定温度で行った。
本発明ではこの蒸発源温度条件を、検査しようとするセ
レンについて予め見つけておき、その条件で蒸着するこ
とが必要である。但し、蒸着速度が5μm以上になった
り、蒸着時間20分を経過してもセレンが蒸発源容器1
7の中に残っているときには、蒸発源温度を変更するこ
とで対応できる。
【0022】セレン感光板を製作する際、蒸発源容器1
7に通電する初期電流は約90Aが適当であり、室温か
ら蒸発源温度に達するのに要する時間は約1〜4分であ
る。なお、立ち上がり時間が上述の範囲に入らないとき
には初期電流を変更することで対応できる。
【0023】蒸発源容器17の温度制御およびアルミニ
ウム板21の温度制御は、前述したようにそれぞれの温
度センサ19,23で測定した値に基づいて行われる。
予め、ステンレス支持体20とアルミニウム板21との
温度の相関を取っておき、ステンレス支持体20の温度
を制御することにより、アルミニウム板21の温度を3
9〜43℃に制御する。なお、蒸発源電源をオンにした
ときに、ステンレス板を加熱するヒータの電源をオフに
し、以後は加熱しない方法で行う。
【0024】真空槽16内の空気は油回転ポンプと油拡
散ポンプによって排気され、6.7×10−3Pa(5
×10−5Torr)の真空度になった時点で蒸発源容器1
7の電源を入れて蒸着を開始する。アルミニウム板21
に蒸着されたセレン層の膜厚は、55mm×55mmの
アルミニウム板21の中央で測定して60〜70μmの
範囲に規定される。膜厚がこの範囲より大きいと残留電
位が高くなり、一方小さいと残留電位が低くなる傾向を
示すからである。膜厚60〜70μmの範囲では残留電
位がほぼ同じである。
【0025】アルミニウム板21を取り付けるためのス
テンレス支持体20は、縦×横×厚みの大きさが約17
0mm×200mm×4mmであり、前述したように同一形
状の2枚のステンレス板20a,20bの間にシリコン
ラバー製のヒータ22を挟持したものである。なお、ヒ
ータ22がはシリコンラバーに限定されないのは勿論で
ある。
【0026】2.残留電位の測定方法 上記セレンが蒸着されたアルミニウム板(セレン感光
板)は安定化処理が行われ、所定時間放置した後、図5
及び図6に示したような測定装置25によって残留電位
の測定が行われる。この測定装置25は、セレン感光板
26を載置する円形のターンテーブル27を備える。タ
ーンテーブル27は、中心軸Aを回転中心として3.5
秒で1回転する。ターンテーブル27の上方にはコロナ
帯電器28が配置され、その下をセレン感光板26が通
過した時にコロナ放電によってセレン表面が帯電する。
セレン感光板26が表面電位計のプローブ29の真下に
達したときターンテーブル27が停止する。停止してか
ら5秒後の電位を露光前の帯電電位として測定する。そ
の直後に、図6に示すように前記プローブ29の上方に
設けられた露光装置30によって照射し、所定時間露光
した後の電位を残留電位とする。露光装置30は白熱電
球を光源としており、白熱電球とプローブ29との間に
設置されたシャッタ31の開閉動作によって所定時間照
射する。
【0027】上述した安定化処理の方法としては、セレ
ン感光体を暗中に24時間放置した後、図5に示した測
定装置25によって正帯電(約600v)と蛍光灯によ
る放電とを50回繰り返すものである(蛍光灯はターン
テーブル27上に配置してあるが、図示してない)。負
帯電は、安定化処理終了後、さらに暗中に24時間放置
した後に測定される。測定時の雰囲気温度は約24℃で
ある。露光前の帯電電位は、−700〜−900vの範
囲に設定される。この範囲より大きいと残留電位が高く
なり、反対に小さいと残留電位が低くなる傾向を示すか
らである。−700〜−900vの範囲では残留電位が
ほぼ同じである。
【0028】露光装置30から照射した時にセレン表面
における照度は50ルクスである。照射を6秒間続ける
ことで300ルクス秒の露光量となる。セレン層の電位
の測定は、光を透過するタイプのプローブ29を用いた
表面電位計で測定する。露光装置30の光源である白熱
電球は白色光であり、フィラメントの色温度は約285
0Kである。例えば一般照明用として用いられる白色塗
装電球があり、形式はLw100V54Wなどである。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 (実施例1)前記の方法によりセレン感光板を製作し、
残留電位が−10vであったセレンを用いる。一方、大
きさ100mm×100mm、厚さ0.7mmのガラス板
(コーニング社製 製品番号7059)の上に薄いIT
O膜からなる大きさ60mm×60mmの下部電極を形成
して基体とした。この基体上に残留電位が−10vであ
る上述のセレンを用いて、真空度6.7×10−3Pa
(5×10−5Torr)以下で、大きさ80mm×80mm
のセレン層を500μmの厚みに形成した。この時の蒸
発源温度は290℃、基体の温度は55〜60℃、蒸着
時間は約4.5時間であった。さらに、その上に真空蒸
着によって大きさ60mm×60mmの金層を0.1μm
の厚みに形成して上部電極層とし、図1に示したような
X線検出器を作製した。なお、前記上部電極層6は、セ
レン層5を挟んで下部電極2と対向する位置にある。
【0030】(実施例2)上記実施例1におけるセレン
に代えて、残留電位が−40vであるセレンを用いた他
は、実施例1と同様な方法でX線検出装置を作製した。
【0031】(実施例3)上記実施例1におけるセレン
に代えて、残留電位が−80vであるセレンを用いた他
は、実施例1と同様な方法でX線検出装置を作製した。
【0032】(実施例4)上記実施例1におけるセレン
に代えて、残留電位が−200vであるセレンを用いた
他は、実施例1と同様な方法でX線検出装置を作製し
た。
【0033】(実施例5)上記実施例1におけるセレン
に代えて、残留電位が−50vであるセレン・ヒ素合金
(ヒ素濃度0.1重量%)を用い、また蒸発源温度を3
00℃にした他は、実施例1と同様な方法でX線検出器
を作製した。
【0034】(実施例6)上記実施例1におけるセレン
に代えて、残留電位が−60vであるナトリウムを添加
したセレン(ナトリウム濃度70ppm)を用いた他
は、実施例1と同様な方法でX線検出器を作製した。
【0035】(実施例7)上記実施例1におけるセレン
に代えて、残留電位が−90vであるセレン・テルル合
金(テルル濃度0.5重量%)を用いた他は、実施例1
と同様な方法でX線検出器を作成した。
【0036】(実施例8)上記実施例2における基体の
代わりに、ガラス板の大きさが100mm×100mm
で、その上に画素をマトリックス状(画素サイズ150
μm角)に設けた基体を使用した他は、実施例2と同様
な方法で図2に示すX線検出器を作製した。各画素9は、
入射したX線によりセレン層5に発生した電荷を収集す
るITOよりなる電荷収集電極10と、収集した電荷を
蓄積する電荷蓄積コンデンサ11と、蓄積した電荷を読
み取る電気的スイッチである薄膜トランジスタ12とを
有する。
【0037】(実施例9)上記実施例3における基板の
代わりに、ガラス板の大きさが100mm×100mm
で、その上に画素をマトリックス状(画素サイズ150
μm角)に設けた基体を使用した他は、実施例3と同様
な方法でX線検出器を作製した。
【0038】(実施例10)上記実施例2において、セ
レン層と上部電極層との間に厚み約0.1μmの三硫化
アンチモン層を中間層して設けた他は、実施例2と同様
な方法でX線検出器を作製した。
【0039】(実施例11)上記実施例2において、セ
レン層の膜厚を1000μmとした他は、実施例2と同
様な方法でX線検出器を作製した。
【0040】
【比較例】(比較例1)上記実施例1におけるセレンに
代えて、残留電位が−250vであるセレンを用いた他
は、実施例1と同様な方法でX線検出器を作製した。
【0041】(比較例2)上記実施例1におけるセレン
に代えて、残留電位が−450vであるセレンを用いた
他は、実施例1と同様な方法でX線検出器を作製した。
【0042】(比較例3)上記実施例5におけるセレン
に代えて、残留電位が−250vであるセレン・ヒ素合
金(ヒ素濃度0.1重量%)を用いた他は、実施例5と
同様な方法でX線検出器を作製した。
【0043】上記の実施例1〜11及び比較例1〜3の
基礎となったセレン感光板の膜厚、帯電電位、残留電位
などセレン感光板における電気特性の結果を表1に示
す。また、実施例1〜11及び比較例1〜3におけるX
線検出器に対して、上部電極層と基体との間にセレン層
5の膜厚1μm当たり7vの電圧を印加して、暗電流
(X線を照射しないときの電流で電圧を印加して5分経
過した後の値)と上部電極層6の上方からX線を管電圧
80Kvで1700mR/分の線量で照射したときのX
線照射電流を測定した。なお、電圧を印加する際、上部
電極層5に正(+)極性の電圧を印加し、また電流値は
単位面積に換算した。X線検出器における電気特性の結
果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】上記の表より、実施例11を除いたセレン
層の膜厚500μmのX線検出器で比較すると、本発明
のX線検出器は、比較例のX線検出器と比べて2倍以上
のX線照射電流が得られ高感度である。一方暗電流は、
比較例のX線検出器と比べて同等である。従って、X線
検出器のS/N比(X線照射電流Sと暗電流Nとの比)
も大きくなる。
【0046】なお、上述の実施形態はX線検出器での場
合について述べたが、本発明はこれに限定されるもので
なく、一般の放射線検出器にも適用できるものである。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る放射
線検出器によれば、上述した所定の電気特性を持つセレ
ン又はセレン合金を放射線感応層として用いたので、高
感度でS/N比の大きい放射線検出器が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線検出器の一実施形態を示す概
念図である。
【図2】本発明に係るX線検出器の他の実施形態を示す
概念図である。
【図3】セレン感光板を製作する真空蒸着装置の概略図
である。
【図4】セレン粒子を収容する蒸発源容器の概略図であ
る。
【図5】感光板の電気特性を測定する機器の平面概念図
である。
【図6】感光板の電気特性を測定する機器の正面概念図
である。
【符号の説明】
1 ガラス板 2 下部電極 3 基体 5 セレン層 6 上部電極層 9 画素 10 電荷収集電極 11 電荷蓄積容量 12 薄膜トランジスタ 13 スイッチングライン 15 真空蒸着装置 17 蒸発源容器 21 アルミニウム板 26 セレン感光板 30 露光装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島 和彦 山梨県甲府市宮原町1014番地 山梨電子工 業株式会社内 Fターム(参考) 2G088 EE01 EE27 FF02 GG21 JJ05 JJ37 LL11 LL15 4M118 AA01 AB10 BA05 CA15 CB05 CB14 EA01 FB09 FB13 FB16 GA10 5F088 AA20 AB01 BA01 BA03 BB06 BB07 BB10 CA05 EA02 GA02 LA08

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上にセレン層と電極層とを形成して
    なる放射線検出器において、 前記セレン層が所定の電気特性を有するセレン又はセレ
    ン合金を用いて形成されたものであり、セレン又はセレ
    ン合金の電気特性が以下の条件を満たすことを特徴とす
    る放射線検出器。(条件)6.7×10−3Pa以下の
    真空度において、アルミニウム板上にセレン又はセレン
    合金を1分間に5μm以下の割合で20分間蒸着し、膜
    厚60〜70μmのセレン感光板を製作する。次いで、
    このセレン感光板の表面を、暗中でコロナ放電により−
    700〜−900vに帯電し、白熱電球を用いて300
    ルクス秒の光量で露光した時に、前記セレン感光板の残
    留電位が−200v以下となること。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102148281A (zh) * 2010-02-05 2011-08-10 中国科学院物理研究所 一种具有快响应高灵敏度和低噪声的紫外光探测器

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