JP2003229171A - 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池

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JP2003229171A
JP2003229171A JP2002028215A JP2002028215A JP2003229171A JP 2003229171 A JP2003229171 A JP 2003229171A JP 2002028215 A JP2002028215 A JP 2002028215A JP 2002028215 A JP2002028215 A JP 2002028215A JP 2003229171 A JP2003229171 A JP 2003229171A
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electrolyte solution
hydrogen atom
aqueous
battery
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Masamichi Onuki
正道 大貫
Hiroyuki Oshima
裕之 大島
Katsuya Isada
克哉 諫田
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】過充電防止特性に優れた安全な二次電池を得る
ことのできる非水系電解液を提供する。 【解決手段】リチウム塩が非水系有機溶媒に溶解されて
なる非水系電解液であって、該非水系有機溶媒が下記一
般式(1)で表される部分水素化ナフタレン型化合物を
含有する非水系電解液。 (式中、R1〜R3は、水素原子又は炭化水素基であり、
1とR2又はR2とR3は互いに結合して2価の炭化水素
基を形成していてもよい。R4〜R6は、何れも水素原子
であるか、R4とR5が何れも結合手であって互いに結合
して二重結合を形成しR6が水素原子であるか、又はR4
が水素原子でありR5とR6が何れも結合手であって互い
に結合して二重結合を形成している。R7〜R9は、水素
原子又は炭化水素基であり、R7とR8は互いに結合して
2価の炭化水素基を形成していてもよく、R8とR9は互
いに結合して2価の飽和炭化水素基を形成していてもよ
い。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水系電解液及び
それを用いたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池はエネルギー密度が高
く、しかも自己放電を起こしにくいという利点がある。
そこで近年、携帯電話やノートパソコン、PDA等の民
生用モバイル機器用の電源として広く利用されている。
リチウム二次電池用の電解液は支持電解質であるリチウ
ム塩と非水系の有機溶媒とから構成される。非水系の有
機溶媒は、リチウム塩を解離させるために高い誘電率を
有すること、広い温度領域で高いイオン伝導度を発現さ
せること、電池中で安定であることが要求される。これ
らの要求を一つの溶媒で達成するのは困難であるので、
通常はプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート
等に代表される高沸点溶媒とジメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネート等の低沸点溶媒とを組み合わせて使
用している。これらの有機溶媒は通常の使用条件であれ
ば電池中で安定であるが、電池が過充電状態になると分
解する。時には急激に反応が進行し、熱暴走を引き起こ
し、ついには発火に至る場合すらある。従ってリチウム
電池には過充電防止対策としてPTC、CID、充電保
護回路等の安全装置が設けられているのが通例である。
しかしながらこれらの安全装置は比較的高コストであ
り、また作動が不十分である場合があることから、不燃
性を有する等の本質的に安全な電解液及び、より早期の
段階で安全装置を作動させる電解液が切望されている。
この要求を満たすべく、電解液の中に過充電防止剤を添
加する方法がいくつか開示されている。例えば特許第3
061759号公報には、ビフェニル、1,2−ジメト
キシベンゼン等のモノマーを添加することにより過充電
時にガスを発生させて電気供給切断装置を作動させるこ
とが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年リ
チウムイオン電池がより幅広いユーザー層に浸透してい
くに従い、安全性への要求はますます厳しくなってきて
いる。従って特許第3061759号公報で提案された
添加剤等に代表される既存の添加剤でも満足されず、よ
り安全な段階で過充電を防止することが求められてい
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、非水系電解液に
特定の化合物を含有させることによって電池の過充電防
止特性が大幅に改善されることを見出して、本発明を完
成するに至った。即ち本発明の要旨は、リチウム塩が非
水系有機溶媒に溶解されてなる非水系電解液であって、
該非水系有機溶媒が下記一般式(1)で表される部分水
素化ナフタレン型化合物を含有することを特徴とする非
水系電解液、に存する。
【0005】
【化2】
【0006】(式中、R1〜R3は、水素原子又は炭化水
素基であり、R1とR2又はR2とR3は互いに結合して2
価の炭化水素基を形成していてもよい。R4〜R6は、何
れも水素原子であるか、R4とR5が何れも結合手であっ
て互いに結合して二重結合を形成しR6が水素原子であ
るか、又はR4が水素原子でありR5とR6が何れも結合
手であって互いに結合して二重結合を形成している。R
7〜R9は、水素原子又は炭化水素基であり、R7とR8
互いに結合して2価の炭化水素基を形成していてもよ
く、R8とR9は互いに結合して2価の飽和炭化水素基を
形成していてもよい。) また本発明の他の要旨は、上記非水系電解液を用いたこ
とを特徴とするリチウム二次電池、に存する。
【0007】上記の部分水素化ナフタレン型化合物を含
有する電解液を用いると、過充電状態の比較的早期にガ
スが発生するため、CID等の電池内圧を感知して電流
遮断する安全装置が設けられている電池においては、よ
り安全な段階で過充電を停止することができる。上記の
部分水素化ナフタレン型化合物を含有する電解液がガス
を発生するメカニズムの詳細は不明であるが、部分水素
化ナフタレン環からの脱水素反応が関与しているものと
推定される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳述する。本発明の非水系電解液は、非水系有機溶媒
にリチウム塩が溶解され、さらに部分水素化ナフタレン
型化合物が含有されているものである。本発明では下記
一般式(1)で表される部分水素化ナフタレン型化合物
を添加剤として使用する。
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R1〜R3は、水素原子又は炭化水
素基であり、R1とR2又はR2とR3は互いに結合して2
価の炭化水素基を形成していてもよい。R4〜R6は、何
れも水素原子であるか、R4とR5が何れも結合手であっ
て互いに結合して二重結合を形成しR6が水素原子であ
るか、又はR4が水素原子でありR5とR6が何れも結合
手であって互いに結合して二重結合を形成している。R
7〜R9は、水素原子又は炭化水素基であり、R7とR8
互いに結合して2価の炭化水素基を形成していてもよ
く、R8とR9は互いに結合して2価の飽和炭化水素基を
形成していてもよい。) 上記一般式(1)において、R1〜R3は、水素原子又は
炭化水素基であり、該炭化水素基としてはメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアル
キル基、ビニル基、アリル基等の炭素数2〜4のアルケ
ニル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、
プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基等が挙げられ
る。またR1とR2又はR2とR3は互いに結合して、例え
ばトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン
基等の2価の炭化水素基を形成していてもよい。また、
4〜R6は、何れも水素原子であるか、R4とR5が何れ
も結合手であって互いに結合して二重結合を形成しR6
が水素原子であるか、又はR4が水素原子でありR5とR
6が何れも結合手であって互いに結合して二重結合を形
成している。さらに、R7〜R9は、水素原子又は炭化水
素基であり、該炭化水素基としてはメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル
基、ビニル基、アリル基等の炭素数2〜4のアルケニル
基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、プロ
ピル基等の炭素数1〜3のアルキル基等が挙げられる。
7とR8は互いに結合して、例えばトリメチレン基、テ
トラメチレン基、ペンタメチレン基、プロペニレン基、
2−ブテン−1,4−ジイル基等の2価の炭化水素基を
形成していてもよく、R8とR9は互いに結合して、例え
ばトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン
基等の2価の飽和炭化水素基を形成していてもよい。
【0011】上記部分水素化ナフタレン型化合物として
は、例えば1,2−ジヒドロナフタレン、9,10−ジ
ヒドロフェナンスレン等の分子内に1,2−ジヒドロナ
フタレン環構造を有するもの、例えば1,4−ジヒドロ
ナフタレン等の分子内に1,4−ジヒドロナフタレン環
構造を有するもの、及び、例えば1,2,3,4−テト
ラヒドロナフタレン、1,2,3,4,5,6,7,8
−オクタヒドロフェナンスレン、1,2,3,4,5,
6,7,8−オクタヒドロアントラセン等の分子内に
1,2,3,4―テトラヒドロナフタレン環構造を有す
るもの等が挙げられる。これらの添加剤は2種類以上を
混合して使用してもよい。上記部分水素化ナフタレン環
化合物の添加量は特に限定されないが、非水系電解液に
対して通常、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜
5重量%である。添加量が多すぎるとイオン伝導度が低
下してレート特性などの電池特性が低下する傾向にあ
る。また添加量が少な過ぎる場合は、充分な過充電防止
効果が発現しない。
【0012】本発明で支持電解質として使用されるリチ
ウム塩としては、特に制限はないが、例えばLiP
6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAl
Cl4、LiClO4、CF3SO3Li、C49SO3
i、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3
SO22NLi、(C25SO22NLiなどのリチウ
ム塩が挙げられる。特に、溶媒に溶けやすくかつ高い解
離度を示すLiPF6、LiBF4、CF3SO3Li及び
(CF3SO22NLiからなる群から選ばれるリチウ
ム塩は好適に用いられる。また非水系電解液中のリチウ
ム塩の濃度は、非水系電解液に対して通常0.5〜2m
ol/Lの範囲で使用するのが好ましい。
【0013】本発明で用いる非水系有機溶媒としては、
リチウム塩を溶解させることができる限り特に限定はさ
れないが、なかでも高いイオン導電性を発現させる溶媒
として、通常、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエ
チルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネー
ト(EMC)、メチルプロピルカーボネート、エチルプ
ロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類、エチレン
カーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(P
C)、ブチレンカーボネート(BC)等の環状カーボネ
ート類、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボ
ネート等の不飽和カーボネート類、1,2−ジメトキシ
エタン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、γ−ブ
チロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル
類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等の
鎖状エステル類が好ましく用いられる。
【0014】これらの有機溶媒は、通常、適切な物性を
達成するように混合して使用される。例えば一般に上記
鎖状カーボネート類と上記環状カーボネート類とを併用
するのが好ましい。また上記鎖状カーボネート類の中で
も特にエチルメチルカーボネート、メチルプロピルカー
ボネート、エチルプロピルカーボネート等の非対称カー
ボネートを混合使用するのは好ましい。そのなかでもエ
チルメチルカーボネートは粘度が低いためリチウムの移
動性を高めるだけでなく、沸点が比較的高いため揮散し
にくくて取り扱いやすく、またLiとの反応も少ないの
で好適に用いられる。またビニレンカーボネート、ビニ
ルエチレンカーボネート等の不飽和カーボネート類を混
合使用すると、これらの不飽和カーボネート類は初期充
電時に還元されやすく、安定な界面保護皮膜(SEI)
を形成するのに寄与するので好ましい。本発明の非水系
電解液を調製するに際し、非水系電解液の各原料は、予
め脱水しておくのが好ましい。水分量は通常50ppm
以下、好ましくは30ppm以下とするのがよい。水が
多量に存在すると、水の電気分解及びリチウム金属との
反応、リチウム塩の加水分解などが起こる可能性があ
り、電池用の電解質として不適当な場合がある。脱水の
手段に特に制限はないが、溶媒などの液体の場合はモレ
キュラーシーブ等を用いればよい。またリチウム塩など
の固体の場合は分解が起きる温度以下で乾燥すればよ
い。
【0015】本発明における非水系電解液はリチウム二
次電池用の非水系電解液として有用である。以下、本発
明のリチウム二次電池について説明する。本発明の非水
系電解液を適用しうるリチウム二次電池の基本的構成
は、従来公知のリチウム二次電池と同様であり、正極と
負極とが多孔膜及び本発明の非水系電解液を介してケー
スに収納されて構成される。本発明の二次電池に使用さ
れる正極及び負極は、電池の種類に応じて適宜選択すれ
ばよいが、少なくとも正極、負極に対応した活物質を含
有する。また、活物質を固定するためのバインダーを含
有してもよい。
【0016】本発明のリチウム二次電池に使用できる正
極活物質としては、例えば、Fe、Co、Ni、Mn等
の遷移金属を有する酸化物、リチウムとの複合酸化物、
硫化物等の無機化合物が挙げられる。具体的には、Mn
O、V25、V613、TiO2等の遷移金属酸化物、ニ
ッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リ
チウムなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物、Ti
2、FeSなどの遷移金属硫化物が挙げられる。ま
た、正極活物質として、例えばポリアニリン等の導電性
ポリマー等の有機化合物を挙げることもできる。無論、
上記の活物質の複数種を混合して用いてもよい。活物質
が粒状の場合の粒径は、レ−ト特性、サイクル特性等の
電池特性が優れる点で通常1〜30μm、好ましくは1
〜10μm程度である。
【0017】本発明のリチウム二次電池に使用できる負
極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金を使用
することもできるが、リチウムイオンを吸蔵放出可能な
化合物としてコークス,アセチレンブラック、メゾフェ
ーズマイクロビーズ、グラファイト等の炭素質物質を使
用するのが特に好ましい。粒状の負極活物質の粒径は、
初期効率、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性が優
れる点で、通常1〜50μm、好ましくは15〜30μ
m程度である。
【0018】また、上記炭素質物質を有機物等と混合・
焼成した材料、あるいはCVD法等を用いて、少なくと
も表面の一部に上記炭素質物に比べて非晶質の炭素を形
成した材料もまた、炭素質物質として好適に使用するこ
とができる。上記有機物としては、軟ピッチから硬ピッ
チまでのコールタールピッチ;乾留液化油等の石炭系重
質油;常圧残油、減圧残油等の直留系重質油;原油、ナ
フサ等の熱分解時に副生する分解系重質油(例えばエチ
レンヘビーエンド)等の石油系重質油が挙げられる。ま
た、これらの重質油を200〜400℃で蒸留して得ら
れた固体状残渣物を、1〜100μmに粉砕したものも
使用することができる。さらに塩化ビニル樹脂や、焼成
によりフェノール樹脂やイミド樹脂となるこれらの樹脂
前駆体も使用することができる。
【0019】正極又は負極に使用できるバインダーとし
ては、耐候性、耐薬品性、耐熱性、難燃性等の観点から
各種の材料が挙げられる。具体的には、シリケート、ガ
ラスのような無機化合物や、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ−1,1−ジメチルエチレンなどのアルカン
系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの不
飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、
ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなど
の環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリ
メタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリア
クリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアク
リル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化
ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系
樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニド
などのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニ
ルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマー;
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含
有ポリマー;ポリアニリンなどの導電性ポリマーなどが
使用できる。また上記のポリマーなどの混合物、変成
体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフ
ト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用でき
る。これらの樹脂の重量平均分子量は、通常1万〜30
0万、好ましくは10万〜100万程度である。分子量
が低すぎると電極の強度が低下する傾向にある。一方、
分子量が高すぎると粘度が高くなり、電極の形成が困難
になることがある。好ましいバインダー樹脂は、フッ素
系樹脂、CN基含有ポリマーである。
【0020】バインダーの使用量は、活物質100重量
部に対して通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部
以上であり、また通常30重量部以下、好ましくは20
重量部以下である。バインダーの量が少なすぎると電極
の強度が低下する傾向にあり、バインダーの量が多すぎ
るとイオン伝導度が低下する傾向にある。電極中には、
電極の導電性や機械的強度を向上させるため、導電性材
料、補強材など各種の機能を発現する添加剤、粉体、充
填材などを含有させてもよい。導電性材料としては、上
記活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれ
ば特に制限はないが、通常、アセチレンブラック、カー
ボンブラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属のフ
ァイバー、箔などが挙げられる。補強材としては各種の
無機、有機の球状、繊維状フィラーなどが使用できる。
【0021】電極は、活物質やバインダー等の構成成分
と溶剤とを含む塗料を塗布・乾燥することによって形成
することができる。電極の厚さは、通常1μm以上、好
ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以
上、最も好ましくは40μm以上であり、また通常20
0μm以下、好ましくは150μm以下、さらに好まし
くは100μm以下である。薄すぎると塗布が困難にな
り均一性が確保しにくくなるだけでなく、電池の容量が
小さくなりすぎることがある。一方、あまりに厚すぎる
とレート特性が低下しすぎることがある。
【0022】正極及び負極の少なくとも一方の電極は、
通常集電体上に形成される。集電体としては、各種のも
のを使用することができが、通常は金属や合金が用いら
れる。具体的には、正極の集電体としては、アルミニウ
ムやニッケル、SUS等が挙げられ、負極の集電体とし
ては、銅やニッケル、SUS等が挙げられる。好ましく
は、正極の集電体としてアルミニウムを使用し、負極の
集電体として銅を使用する。正負極層との結着効果を向
上させるため、これら集電体の表面を予め粗面化処理し
ておくのが好ましい。表面の粗面化方法としては、ブラ
スト処理や粗面ロールにより圧延するなどの方法、研磨
剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線な
どを備えたワイヤ−ブラシなどで集電体表面を研磨する
機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられ
る。
【0023】また、電池の重量を低減させる、即ち重量
エネルギー密度を向上させるために、エキスパンドメタ
ルやパンチングメタルのような穴あきタイプの集電体を
使用することもできる。この場合、その開口率を変更す
ることで重量も自在に変更可能となる。また、このよう
な穴あけタイプの集電体の両面に活物質を存在させた場
合、この穴を通しての塗膜のリベット効果により塗膜の
剥離がさらに起こりにくくなる傾向にあるが、開口率が
あまりに高くなった場合には、塗膜と集電体との接触面
積が小さくなるため、かえって接着強度は低くなること
がある。
【0024】集電体の厚さは、通常1μm以上、好まし
くは5μm以上であり、通常100μm以下、好ましく
は50μm以下である。あまりに厚すぎると、電池全体
の容量が低下しすぎることになり、逆に薄すぎると取り
扱いが困難になることがある。本発明の非水系電解液
は、これを高分子によってゲル化して半固体状にしても
よい。半固体状電解質における上記非水系電解液の使用
量は、半固体状電解質の総量に対して、通常30重量%
以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは7
5重量%以上であり、また通常99.95重量%以下、
好ましくは99重量%以下、さらに好ましくは98重量
%以下とする。使用量が多すぎると、非水系電解液の保
持が困難となり液漏れが生じやすくなり、逆に少なすぎ
ると充放電効率や容量の点で不十分となることがある。
【0025】正極と負極との間には、短絡を防止する上
で、多孔性のスペーサが設けられているのが好ましい。
即ち、この場合、非水系電解液は、多孔性のスペーサに
含浸されて使用される。スペーサの材料としては、ポリ
エチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンや、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン等を用
いることができるが、好ましくはポリオレフィンであ
る。スペーサの厚さは、通常1μm以上、好ましくは5
μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、また
通常50μm以下、好ましくは40μm以下、さらに好
ましくは30μm以下である。多孔膜が薄すぎると、絶
縁性や機械的強度が悪化することがあり、厚すぎるとレ
ート特性等の電池性能が悪化するばかりでなく、電池全
体としてのエネルギー密度が低下することがある。スペ
ーサの空孔率としては、通常20%以上、好ましくは3
5%以上、さらに好ましくは45%以上であり、また通
常90%以下、好ましくは85%以下、さらに好ましく
は75%以下である。空孔率が小さすぎると膜抵抗が大
きくなりレート特性が悪化する傾向にある。また大きす
ぎると膜の機械的強度が低下し絶縁性が低下する傾向に
ある。スペーサの平均孔径は、通常0.5μm以下、好
ましくは0.2μm以下であり、また通常0.05μm
以上である。あまりに大きいと短絡が生じやすくなり、
小さすぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が悪化する
ことがある。
【0026】リチウム二次電池の構造は特に限定される
ものではなく、コイン型電池、円筒型電池、角型電池な
どが挙げられるが、現行の円筒型電池のようにCID等
の電池内圧を感知して電流遮断する安全装置が設けられ
ていることが好ましい。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の具体的態様を
更に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれ
らの実施例により限定されるものではない。 実施例1 [正極の製造]コバルト酸リチウム(LiCoO2)9
0重量%とポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%
とアセチレンブラック5重量%を混合し、N−メチルピ
ロリドンを加えスラリー状にしたものをアルミニウムか
らなる集電体の片面に塗布・乾燥して正極を得た。
【0028】[負極の製造]グラファイト粉末87.4
重量%とPVdF9.7重量%とアセチレンブラック
2.9重量%を混合し、N−メチルピロリドンを加えス
ラリー状にしたものを銅からなる集電体の両面に塗布・
乾燥して負極を得た。 [電解液の調合]LiPF6を1.25mol/Lの割
合で含有するエチレンカーボネートとジメチルカーボネ
ートとエチルメチルカーボネートの混合溶媒(混合体積
比2:3:3)100重量部にビニレンカーボネート2
重量部を加えたものをベース電解液とし、これに1,
2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロフェナンス
レン4重量部を加えて電解液とした。
【0029】[リチウム二次電池の製造]上記正極、負
極、及び膜厚16μm、空孔率45%、平均孔径0.0
5μmのポリエチレン製2軸延伸多孔膜フィルムに、そ
れぞれ前記電解液を塗布・含浸させた後、負極、セパレ
ータ、正極、セパレータ、負極の順に積層した。こうし
て得られた電池要素を、まずPETフィルムで挟んだ
後、アルミニウム層の両面を樹脂層で被覆したラミネー
トフィルムに正極負極の端子を突設させつつ、真空封止
してシート状のリチウム二次電池を作製した。さらに電
極間の密着性を高めるためにシリコンゴム及びガラス板
でシート状電池を挟んだ上で0.35kg/cm2で加
圧した。図1に二次電池の概略断面図を示す。
【0030】[電池評価]コバルト酸リチウムの1時間
当たりの放電量を138mAh/gとし、これと評価用
リチウム二次電池の正極の活物質量とから放電速度1C
を求めてレート設定をした上で、0.2Cで4.2Vま
で充電した後、0.2Cで3Vまで放電し初期のフォー
メーションを行った。ついで0.5Cで4.2Vまで充
電した後、負極端子に熱電対を付けて2Cの電流値で過
充電を開始した。21分後(SOC170%に相当)に
電池の温度を測定すると共に、通電を停止した。ついで
ガスの発生量をエタノール浴に電池を漬けて浮力を測定
(アルキメデスの原理)して求めた。結果を表−1に示
した。
【0031】実施例2 添加剤として1,2,3,4,5,6,7,8−オクタ
ヒドロフェナンスレンの代わりに1,4−ジヒドロナフ
タレンを添加した電解液を使用したこと以外は実施例1
と同様にしてリチウム二次電池を作製し、実施例1と同
様の電池特性試験を実施した。結果を表−1に示した。
【0032】比較例1 1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロフェナ
ンスレンを添加しない電解液を使用したこと以外は実施
例1と同様にしてリチウム二次電池を作製し、実施例1
と同様の電池特性試験を実施した。結果を表−1に示し
た。 比較例2 1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロフェナ
ンスレンの代わりに特許第3061759号で開示され
ているビフェニルを添加した電解液を使用したこと以外
は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製し、実
施例1と同様の電池特性試験を実施した。結果を表−1
に示した。ガス発生量の点で実施例1及び2に及ばない
ことが判明した。
【0033】
【表1】
【0034】表−1から明らかなように、本発明の非水
系電解液を用いれば過充電の初期の段階でガスが多量に
発生するので、円筒型電池等の、電池内圧を感知して電
流遮断するタイプの電池においてより安全な状態で電流
遮断することが可能となる。また過充電初期の発熱が大
きいため、セパレーターの溶融またはPTC素子により
電流遮断する角型の電池においても安全性が向上する。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、過充電防止特性に優れ
た安全な二次電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したリチウム二次電池の構造を示
す概略断面図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 セパレータ 4 PETフィルム 5 シリコンゴム 6 ガラス板 7 ラミネートフィルム 8 封止材つきリード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 諫田 克哉 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ02 AJ12 AK02 AK03 AK05 AK16 AL07 AL08 AL12 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ04 DJ09 HJ01 HJ02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム塩が非水系有機溶媒に溶解され
    てなる非水系電解液であって、該非水系有機溶媒が下記
    一般式(1)で表される部分水素化ナフタレン型化合物
    を含有することを特徴とする非水系電解液。 【化1】 (式中、R1〜R3は、水素原子又は炭化水素基であり、
    1とR2又はR2とR3は互いに結合して2価の炭化水素
    基を形成していてもよい。R4〜R6は、何れも水素原子
    であるか、R4とR5が何れも結合手であって互いに結合
    して二重結合を形成しR6が水素原子であるか、又はR4
    が水素原子でありR5とR6が何れも結合手であって互い
    に結合して二重結合を形成している。R7〜R9は、水素
    原子又は炭化水素基であり、R7とR8は互いに結合して
    2価の炭化水素基を形成していてもよく、R8とR9は互
    いに結合して2価の飽和炭化水素基を形成していてもよ
    い。)
  2. 【請求項2】 部分水素化ナフタレン型化合物の含有量
    が非水系電解液に対して0.1〜10重量%である、請
    求項1に記載の非水系電解液。
  3. 【請求項3】 非水系有機溶媒が、不飽和カーボネート
    を含有する、請求項1又は2に記載の非水系電解液。
  4. 【請求項4】 非水系有機溶媒が、非対称カーボネート
    を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の非水系電
    解液。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の非水系
    電解液を用いたことを特徴とするリチウム二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011046092A1 (ja) 2009-10-14 2011-04-21 宇部興産株式会社 リチウム二次電池及びそれに用いられる非水電解液
WO2023277164A1 (ja) * 2021-06-30 2023-01-05 昭和電工マテリアルズ株式会社 電解液用添加剤、電解液、及び電気化学デバイス

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