JP2003229147A - シフト反応触媒の温度調節方法及び温度調節装置並びに燃料電池発電システム - Google Patents

シフト反応触媒の温度調節方法及び温度調節装置並びに燃料電池発電システム

Info

Publication number
JP2003229147A
JP2003229147A JP2002029089A JP2002029089A JP2003229147A JP 2003229147 A JP2003229147 A JP 2003229147A JP 2002029089 A JP2002029089 A JP 2002029089A JP 2002029089 A JP2002029089 A JP 2002029089A JP 2003229147 A JP2003229147 A JP 2003229147A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
catalyst
medium
shift reaction
measuring device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002029089A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoko Kaneko
朋子 金子
Noriko Yoshida
紀子 吉田
Tetsuro Okano
哲朗 岡野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Babcock Hitachi KK, Hitachi Ltd filed Critical Babcock Hitachi KK
Priority to JP2002029089A priority Critical patent/JP2003229147A/ja
Publication of JP2003229147A publication Critical patent/JP2003229147A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】触媒によりCOをCO2に変えるシフト反応部
に触媒を冷却する媒体が循環する流通路に設け、触媒駆
動時には触媒の温度より媒体の温度の方が高く、触媒が
過冷却になり、シフト反応部から出力する改質ガスに含
まれるCOが多くなる。 【解決手段】触媒駆動時には加熱された媒体21が触媒
2Aを循環し、触媒を加熱し、触媒が反応温度に成る駆
動運転状態を速くして、シフト反応部2から出力する改
質ガスに含まれるCOを減少し、燃料電池の電解質の被
毒による破損を少なくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シフト反応におけ
る触媒温度調節方法及び温度調節装置並びに燃料電池発
電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池発電システムは、都市ガスやガ
ソリン等の保有する化学エネルギーを電気エネルギーに
変換するもので、燃料電池本体の他に、都市ガスやガソ
リン等の原燃料から何段かの触媒反応を用いて発電の燃
料である水素を製造する水素製造装置、水素製造装置や
燃料電池から出る排熱を回収する排熱回収装置、燃料電
池からの直流出力を交流に変換する直流交流変換装置な
どから構成される。
【0003】以下に、水素製造装置の内部で進行する改
質反応について、メタンを原料とした場合について説明
する。
【0004】水素製造装置では、まず、改質触媒におい
て(1)式に示す水蒸気改質反応が進行する。通常、反
応温度は750〜850℃であり、ニッケル系や貴金属
系の触媒が使用される。
【0005】 CH4+H2O⇔CO+3H2 (1) この(1)式から分かるように、改質ガスは燃料電池本
体の被毒成分であるCOを含んでいる。これを除去する
ために、続くシフト触媒において(2)式に示すシフト
反応を行わせる。
【0006】 CO+H2O⇔CO2+H2 (2) 上記二つの反応は可逆反応で、反応の度合いは反応速度
と化学平衡により決まる。(2)式に示したシフト反応
は、反応温度が低いほどCO2が生成する方向に反応が
進行するため出口ガスのCO濃度は低くなる。
【0007】図1に、一般的にシフト反応に使用される
Cu−Zn−Al触媒を用いた場合の反応温度と出口C
O濃度の関係を示す(平成12年度固体高分子形燃料電
池研究開発成果報告会要旨集、p167、2001
年)。
【0008】この触媒の最適反応温度は、200〜25
0℃である。触媒シフト反応は反応速度が遅いため、反
応温度が低すぎると反応が平衡に到達せず、図1に示し
たように、結果として改質ガスのCO濃度は高くなる。
【0009】一方、反応温度が高すぎても、平衡制約を
受けてCO濃度は高くなる。また、反応速度が遅いため
に触媒層内を通過するガスと触媒とが接触する接触時間
つまりSV値は低い方が望ましい。即ち、触媒層全体で
みたSV値は十分であっても、部分的に最適温度よりも
低温の部分があると、実質的なSV値が上昇し、結果と
してCO濃度は高くなる。従って、必要最小限の触媒量
で高い反応率を得るためには、触媒層の全領域が最適反
応温度になっていることが望ましい。
【0010】ところが、シフト反応は発熱反応であるた
め、触媒層の出口部分を最適温度にするために、シフト
部に導入する前にガス温度は温度上昇を見込んで冷却し
たり、触媒層全体を最適温度範囲にするために触媒層内
部に冷却手段を設けて除熱を行っていた(特開平6−2
90801号公報等)。触媒層内部の冷却に用いる冷却
媒体としては、燃料電池の冷却媒体を兼ねた加圧水を用
いていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】燃料電池が固体高分子
型燃料電池のように作動温度が70〜80℃の燃料電池
による発電システムでは、冷却媒体の温度はそれより低
くする必要がある。ところが、そのような温度の冷却媒
体をシフト触媒の冷却に用いると、伝熱管と触媒とが接
する伝熱壁の近傍は冷媒温度に近い温度まで過冷却さ
れ、最適反応温度である200〜250℃を大きく下回
る領域が生じる。その結果、実質的なSV条件が高くな
り、出口CO濃度は減少せず平衡値に達しなかった。
【0012】本発明の目的は、シフト反応部から出力さ
れたCO濃度を減少させたシステムを小型化した触媒の
温度調節方法及び温度調節装置並びに燃料電池発電シス
テムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明による触媒の温度調節方法は、触媒の存在下
でCOとH2OからH2とCO2を生成するシフト反応を
行なう際に、触媒を伝熱管内に媒体を流して冷却し、シ
フト反応部に流入する媒体の温度、或いは温度と流量を
調節して、シフト反応部の生成ガス出口近傍における触
媒の温度が200〜250℃に保持されるようにするこ
とにある。
【0014】媒体に液体を用いる場合、シフト反応部に
流入する媒体の温度を190〜220℃にし、流量制御
を行うことで前記した200〜250℃の触媒温度を達
成することができる。
【0015】つまり、触媒の最適温度とシフト反応部に
流入する媒体の温度との温度差が50℃以内、好ましく
は20℃以内になるようにすることでシフト反応部に適
した温度範囲に保持することができる。
【0016】このようにシフト反応部の触媒温度と媒体
温度の温度差を50℃以内、好ましくは20℃以内にす
れば、伝熱壁の近傍の触媒でも過冷却されることがなく
なるため、上述したような問題が解消できる。従来は媒
体として水や温水が使われており、伝熱壁近傍が過冷却
され実質的なSV値が増大するために、過剰な量の触媒
を充填せざるを得なかった。
【0017】しかし、沸点が220℃の液体を媒体とし
て使用することにより、媒体の設定温度を触媒の最適温
度に近い値に設定でき、前述した問題を回避できる。
【0018】本発明によるシフト反応触媒の温度調節装
置は、シフト反応部を媒体により冷却或いは加熱するた
めに、内部を媒体が流れるようにした伝熱管を備える。
伝熱管の両端はシフト反応部の外部で恒温槽に接続され
る。恒温槽には媒体の加熱手段および冷却手段が備えら
れる。また、シフト反応部に流入する媒体の温度並びに
流量を計測する装置と、シフト反応部における生成ガス
出口近傍の触媒温度を計測する装置および、媒体温度と
触媒温度の計測値を受けて媒体流量調節弁の開度および
恒温槽の媒体温度を調節する制御器を有する。
【0019】また、本発明による燃料電池発電システム
は、炭化水素或いはアルコール類から触媒の存在下で水
蒸気改質反応によりH2を含む改質ガスを生成する改質
部と、前記改質ガスに含まれるCOを触媒の存在下でC
2に変えるシフト反応部と、改質ガスに含まれるH2
空気により発電を行う燃料電池とを有する燃料電池発電
システムにおいて、前記シフト反応触媒の温度調節装置
を備える。
【0020】前記制御部では、媒体温度計測器により測
定される媒体の温度が190〜220℃の範囲内の所望
の温度になるように前記恒温槽の温度を決定し、前記シ
フト反応部に設けられた触媒温度計測器により計測され
るシフト触媒の温度が200〜250℃の範囲内好まし
くは該範囲内の所望の温度になるように前記流量調節弁
の開度を決定する。
【0021】CO除去を行うシフト反応部は、燃料電池
における発電の安定性に関わる重要な部分である。本発
明によれば、水或いは温水を用いた温度調節方法におい
て、従来問題となっていた触媒層内の温度分布の不均一
が大幅に改善されるため、制御部品を減らすことが可能
となり制御の簡略化が図れる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を実
施例に基づき説明する。図2は、本発明の一実施例であ
る燃料電池発電システムの概略構成を例示する図であ
る。
【0023】本実施例の燃料電池発電システムは、主
に、水蒸気改質反応により都市ガスからCOと水素を含
む改質ガスを製造する改質部1と、改質ガスに含まれる
COを触媒2A(例えばCu−Zn−Al)の存在下で
CO2に変えるシフト反応部2と、シフト反応部2を出
た改質ガスに残存するCOを除去するCO除去部3と、
燃料電池4と、燃料電池4で発電される直流出力を交流
に変換する直流交流変換装置5を具備する。
【0024】シフト反応部2内には媒体循環流路である
配管(伝熱管22)が配備されている。配管22内には
触媒2Aを冷却したり或いは加熱したりする媒体21が
循環している。配管22は恒温槽6と接続されて閉ルー
プを形成している。恒温槽6には、媒体21を所定の温
度に保つために加熱及び冷却する機能が備えられてい
る。配管22には媒体21を循環するための循環ポンプ
7とシフト反応部2に流入する媒体21の温度を計測す
る温度計測器12と、シフト反応部を流れる媒体21の
流量を調節する流量調節弁13とが設置されている。シ
フト反応部の生成ガス出口近傍には、触媒の温度計測器
11が設置されている。
【0025】本実施例の発電システムには、更に改質ガ
スを冷却水で冷却する冷却器8、冷却器9及び冷却器1
0が備えられている。
【0026】温度計測器11と温度計測器12にて計測
された値は制御部2Bに送られ、制御部2Bではこれら
の値に基いて流量調節弁13の開度及び恒温槽6の温度
を決定する。恒温槽6は冷却部6A及び加熱部6Bとを
有し、夫々制御部2Bに接続している。加熱部6Bは深
夜電力を利用して恒温槽内の媒体を加熱して貯えておく
か、或いは電器ヒータ等の加熱部6Bにより媒体を加熱
する。
【0027】本実施例の改質部1は、主に燃焼触媒(例
えばPd−B−Al23)と改質触媒(例えばLi−L
a−Al23)から構成され、原料ガスの入口側に配置
した燃焼触媒において原燃料である都市ガスの一部を燃
焼し、発生した熱によりガスの出口側に配置した改質触
媒が加熱されて、残った都市ガスと水蒸気による水蒸気
改質反応が進行する。
【0028】改質部1において生成した改質ガスは、冷
却器8において所定の温度まで冷却されて、シフト反応
部2に導入される。シフト反応部2の触媒2A層には、
内部を媒体21が循環する配管22が埋設されている。
制御部2Bは、温度計測器12により計測される温度情
報を元に、シフト反応部に流入する媒体が所望の温度に
なっているか否かを判断する。これに基いて恒温槽内の
媒体21が加熱或いは冷却され所定温度に調節される。
【0029】システムの起動時には、加熱部6Bにより
媒体21は所定の温度好ましくは190℃〜220℃に
加熱される。これにより触媒2Aがシフト反応を行なう
に適した240℃近傍の温度に加熱される。媒体の温度
が所定の温度(190℃〜220℃)の範囲外になる
と、触媒2Aはシフト反応の最適反応温度例えば240
℃近傍に至らず、シフト反応が効率良く行なわれない。
【0030】触媒2Aが所定の温度つまり最適反応温度
に達するまでの間は、媒体21の温度よりも触媒2Aの
温度の方が低いため、恒温槽6の加熱部6Aで加熱され
媒体21が触媒2Aを予熱し続けることにより、触媒2
Aの起動時に配管22に接する触媒2Aが過冷却になら
ず、触媒2Aを予熱した分、触媒2Aが最適反応温度に
達するのが速くなり、触媒2AでCOをCO2に変換す
る変換効率がよくなり、シフト反応部2から出力される
COが少なくなり、CO除去部3に使用する触媒量が少
なくなり、CO除去部3及び燃料電池発電システムを小
型化することができる。
【0031】一方、触媒2Aが所定の温度つまり最適反
応温度に達する定常運転中には、制御部2Bにより加熱
部6Bを冷却器6Aに切替えて、冷却された媒体21が
シフト反応部2を循環し、触媒2Aを冷却して最適反応
温度に成るように制御する。触媒2Aの最適反応温度よ
り多少外れる時には、制御部2Bにより流量調節弁13
の開度を調節して、媒体の流量を調節し触媒2Aの最適
反応温度を維持し、触媒2AでCOをCO2に変換する
変換効率をよくして、シフト反応部2から出力される改
質ガスのCOを少なくする。
【0032】シフト反応部2を出た改質ガスは、冷却器
9において所定の温度まで冷却されて、CO除去部3に
導入される。CO除去部3には、CO除去用触媒(例え
ばRu−Al23)が充填されており、改質ガスのCO
濃度は数ppmまで低減される。CO除去部3を出たC
OとH2とを含む改質ガスは、冷却器10において燃料
電池4の作動温度まで冷却され、燃料電池4のアノード
に供給される。改質ガスはCO除去部3でCOが除去さ
れているので、燃料電池4の電解質はCOにより破損さ
れ難くい。
【0033】燃料電池4のカソードには空気が供給され
る。この他に、燃料電池4には、電池電極を加湿するた
めの水が供給される様になっている他、冷却水が供給さ
れ常に一定の作動温度となる様になっている。燃料電池
4の直流出力は、直流交流変換装置5で交流電流に変換
され、負荷で消費される。
【0034】次に、シフト反応部2の温度制御方法につ
いて説明する。シフト反応部2の出口における改質ガス
中のCO濃度は、ガス温度とSV値により決まる。即
ち、SV値がほぼ一定の条件では、ガス温度のみに依存
し、ガス温度の制御により出口CO濃度を制御可能であ
る。
【0035】本実施例では、シフト反応部2の改質ガス
の出口部に温度計測器11を設置して、CO濃度制御の
指標となるシフト反応部2内及び改質ガス温度等を計測
し、計測結果は制御部2Bに入力される。制御部2Bに
より、温度計測器11で計測した温度データに基づき流
量調節弁13の開度を調節し、入力された温度データが
240℃よりも高い場合は、流量調節弁13の開度を大
にして、媒体21の循環流量を増大し、240℃に制御
する。
【0036】一方、入力された温度データが240℃よ
りも低い場合には、制御部2Bにより、流量調節弁13
の開度を小に制御して、媒体21の循環流量を減少さ
せ、240℃に制御する。
【0037】また媒体21の温度は、温度計測器12で
計測した温度が220℃になるように恒温槽6で調節し
た。媒体21としては、シリコーンオイルを使用した
が、これに限定されるものではなく、使用温度以上の沸
点を有する液体ならば使用可能である。
【0038】また制御部2Bにより媒体21の温度を1
90℃〜220℃の範囲内に制御して、シフト反応部2
内に循環すれば、シフト反応部2内では最適反応温度で
ある240℃近傍を維持できるので、シフト反応部2か
ら出力された改質ガスのCO濃度が低くなり、燃料電池
の電解質が被毒されにく破損し難くなる。
【0039】媒体21としてシリコーンオイルを用い、
温度を220℃に調節して用いた時の、温度計測器11
で計測されたシフト反応部2内の出口における改質ガス
の温度と、シフト反応部2の出口における改質ガス中の
CO濃度との関係を図3に黒丸で示す。媒体21の流量
を絞っていくと、改質部1の出口におけるガス温度は上
昇し、最適反応温度240℃付近でCO濃度はほぼ理論
平衡値に達し、最小となった。このとき、ガス温度とC
O濃度は一義的な関係が得られた。
【0040】一方、比較例として、媒体21の温度を温
度計測器12の位置で80℃に調節し、温度計測器11
の位置で改質ガスの温度が240℃になるように流量調
節弁13の開度を調節した時のシフト反応部2の出口に
おける改質ガス中のCO濃度との関係を図3の○で示し
た。
【0041】温度センサ11で計測される改質温度が一
定になる様に流量調節弁13の開度を調節しても、改質
ガスの温度は240℃で安定せず、また、改質ガスの温
度を一定にしても、CO濃度は一義的に決まらなかっ
た。これは、触媒層が80℃近くまで過冷却されている
部分から240℃以上の部分までの広い温度分布を有し
ており、その分布も常に一定ではないためと考えられ
る。
【0042】このように、本発明によれば、水或いは温
水を用いた冷却方法において問題となっていた触媒層内
の温度分布の不均一がほとんど生じないため、CO濃度
を最小にできると共に、従来の様に複数の計測点を用い
た温度制御が不要となり、温度制御の簡略化が図れ、こ
の分、CO濃度を最小にできる。
【0043】また、本発明によれば、水素製造装置の起
動時には、恒温槽で加熱した冷媒を循環することにより
触媒層のヒートアップができ、触媒層が最適反応温度に
達する起動時間の短縮が図れる。
【0044】次に、本発明の別の実施例であるシフト触
媒の冷却方法を備えた水素製造装置100について図4
を用いて説明する。
【0045】図4に示した水素製造装置100は、改質
部1、シフト反応部2、CO除去部3、冷却器8及び冷
却器9を一つの反応器に内蔵している。シフト反応部2
には蛇管式の冷却用の配管22が触媒2A層内に埋設さ
れている。シフト反応部2の温度制御の方法は上述した
通りである。配管22の構造は、蛇管式に限定されず、
多管式、積層型などでもよい。
【0046】このように本発明によれば、シフト触媒層
の全域を最適温度に制御できるため、必要最低限の触媒
量で高い反応率が得られるため、本実施例に示したよう
な一体型の水素製造装置において最大のメリットとなる
装置のコンパクト化が図れる。また、シフト反応部の温
度計測点としては出口部に温度計測器11のみでよいた
め、全体システムの簡略化と装置コストの低減が図れ
る。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、シフト
反応部の温度制御によりCO濃度を燃料電池の電解質が
被毒により破損し難い量に調節できると共に、CO濃度
の計測手段が不用になりイニシャルコストの低減が図れ
る。また、触媒起動時には、触媒層の温度よりも媒体の
温度の方が高いため、加熱された媒体が触媒層を予熱
し、触媒の反応温度に達する起動時間の短縮した分、C
Oを減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のCu−Zn−Al触媒を用いた場合の反
応温度と出口CO濃度の関係を示す特性図。
【図2】本発明の一実施例として示した燃料電池発電シ
ステムの概略構成図。
【図3】図2のシフト反応部内の出口におけるガス温度
とCO濃度の関係を示す特性図。
【図4】本発明の他の実施例として示した水素製造装置
の概略構成図。
【符号の説明】
1…改質部、2…シフト反応部、2A…触媒、2B…制
御部、3…CO除去部、4…燃料電池、5…直流交流変
換装置、6…恒温槽、6A…冷却部、6B…加熱部、7
…循環ポンプ、8,9,10…冷却器、11,12…温
度計測器、13…流量調節弁、21…媒体、22…配
管、100…水素製造装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 紀子 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 岡野 哲朗 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉事業所内 Fターム(参考) 4G040 EA02 EA03 EA06 EB32 5H027 AA02 BA01 BA17 KK28 KK48 MM16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒の存在下でCOとH2OからH2とC
    2を生成するシフト反応を行う際の該触媒の温度調節
    方法であり、前記触媒と伝熱壁を介して接触する媒体に
    より該触媒を冷却或は加熱して、シフト反応による生成
    ガスの出口近傍における前記触媒の温度を200〜25
    0℃に保持するようにしたことを特徴とするシフト反応
    触媒の温度調節方法。
  2. 【請求項2】 触媒の存在下でCOとH2OからH2とC
    2を生成するシフト反応を実施する際の該触媒の温度
    調節装置であって、該触媒が充填された層に媒体流路と
    なる伝熱管を配し、該伝熱管の両端を該層の外部で恒温
    槽に接続して該恒温槽と該層の間を媒体が循環する媒体
    循環流路を形成し、該恒温槽から該層に向かう媒体流路
    に媒体の温度を計測する温度計測器と流量調節弁を備
    え、該恒温槽に媒体を冷却する手段と加熱する手段とを
    備え、該層にシフト反応による生成ガスの出口近傍にお
    ける触媒の温度を計測する温度計測器を備え、前記媒体
    の温度計測器と前記触媒の温度計測器からの信号を受け
    て前記媒体の流量調節弁及び前記恒温槽の温度を制御す
    る制御部を備え、前記媒体の温度計測器で計測された媒
    体の温度が所望の温度になるように前記恒温槽の冷却手
    段と加熱手段を制御し、前記触媒の温度計測器で計測さ
    れた前記触媒が充填される層の温度が所望の温度になる
    ように前記媒体の流量調節弁の開度を調節することを特
    徴とするシフト反応触媒の温度調節装置。
  3. 【請求項3】 触媒の存在下で炭化水素或いはアルコー
    ル類から水蒸気改質反応によりH2を含む改質ガスを生
    成する改質部と、前記改質ガスに含まれるCOを触媒の
    存在下でCO2に変えるシフト反応部と、改質ガスに含
    まれるH2と空気により発電を行う燃料電池とを具備す
    る燃料電池発電システムにおいて、前記シフト反応部に
    媒体を流すための伝熱管を配してその両端を該シフト反
    応部の外部で恒温槽に接続し、該恒温槽から該シフト反
    応部に至る該伝熱管に媒体の流量調節弁と温度計測器を
    備え、該恒温槽に媒体を加熱或いは冷却するための手段
    を備え、該シフト反応部に生成ガス出口近傍における触
    媒の温度を計測する温度計測器を備え、該触媒温度計測
    器と該媒体温度計測器からの信号を受けて前記媒体の流
    量調節弁の開度および前記恒温槽の媒体の温度を制御す
    る制御部を備え、前記媒体温度計測器により測定される
    媒体の温度が190〜220℃の範囲内の所望の温度に
    なるように前記恒温槽に備えられた加熱手段或いは冷却
    手段を操作し、前記触媒温度計測器により計測されたシ
    フト触媒の温度が200〜250℃の範囲内の所望の温
    度になるように前記流量調節弁の開度を調節するように
    したことを特徴とする燃料電池発電システム。
JP2002029089A 2002-02-06 2002-02-06 シフト反応触媒の温度調節方法及び温度調節装置並びに燃料電池発電システム Pending JP2003229147A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002029089A JP2003229147A (ja) 2002-02-06 2002-02-06 シフト反応触媒の温度調節方法及び温度調節装置並びに燃料電池発電システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002029089A JP2003229147A (ja) 2002-02-06 2002-02-06 シフト反応触媒の温度調節方法及び温度調節装置並びに燃料電池発電システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003229147A true JP2003229147A (ja) 2003-08-15

Family

ID=27750019

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002029089A Pending JP2003229147A (ja) 2002-02-06 2002-02-06 シフト反応触媒の温度調節方法及び温度調節装置並びに燃料電池発電システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003229147A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007051865A (ja) * 2005-08-19 2007-03-01 Modine Mfg Co 中間の蒸気過熱経路を備える水蒸発器
JP2008247701A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Ihi Corp 燃料処理装置の運転制御方法及び装置
KR101148566B1 (ko) 2009-10-19 2012-05-23 주식회사 효성 시프트 반응기 온도 제어 장치, 이를 포함하는 연료 전지 시스템 및 이를 이용한 시프트 반응기 온도 제어 방법
KR20160049717A (ko) * 2014-10-28 2016-05-10 세종공업 주식회사 열전소자를 이용한 자체온도제어형 프록스 유닛 및 이동형 연료전지 발전기

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007051865A (ja) * 2005-08-19 2007-03-01 Modine Mfg Co 中間の蒸気過熱経路を備える水蒸発器
JP2008247701A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Ihi Corp 燃料処理装置の運転制御方法及び装置
KR101148566B1 (ko) 2009-10-19 2012-05-23 주식회사 효성 시프트 반응기 온도 제어 장치, 이를 포함하는 연료 전지 시스템 및 이를 이용한 시프트 반응기 온도 제어 방법
KR20160049717A (ko) * 2014-10-28 2016-05-10 세종공업 주식회사 열전소자를 이용한 자체온도제어형 프록스 유닛 및 이동형 연료전지 발전기
KR101654748B1 (ko) 2014-10-28 2016-09-22 세종공업 주식회사 열전소자를 이용한 자체온도제어형 프록스 유닛 및 이동형 연료전지 발전기

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1167256A (ja) 燃料電池システム
JP2003313003A (ja) 燃料改質システムとその暖機装置
JP4933818B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池システムの運転方法
JP3921477B2 (ja) 単管円筒式改質器およびその運転方法
JP3903710B2 (ja) 燃料改質器およびそれを用いた固体高分子型燃料電池発電装置
JP2006219328A (ja) 水素生成装置及びそれを用いた燃料電池システム
JP5140443B2 (ja) 燃料電池モジュール及び燃料電池モジュールの運転方法
JP2003229147A (ja) シフト反応触媒の温度調節方法及び温度調節装置並びに燃料電池発電システム
EP1883130B1 (en) Heat management of carbon monoxide remover and reformer for fuel cell
JP2937656B2 (ja) 燃料電池発電システム
JP2003086210A (ja) 固体高分子型燃料電池発電装置とその運転方法
WO2005077820A1 (ja) 燃料改質装置
JP3490877B2 (ja) 燃料電池用改質装置の起動方法
JP2001313053A (ja) 燃料電池システム
JP2001176527A (ja) 燃料電池システム及び燃料電池コジェネレーションシステム
JP5162989B2 (ja) 改質装置
JP2004115321A (ja) 改質装置
JP3515438B2 (ja) Co除去装置及び燃料電池発電システム
JP2004196611A (ja) 燃料改質装置及び燃料電池システム
JP2634188B2 (ja) リン酸型燃料電池発電装置
JP3927310B2 (ja) 一酸化炭素除去器
JP2005216615A (ja) 燃料処理装置及び燃料電池発電システム
JPH10324501A (ja) 一酸化炭素除去装置及び一酸化炭素除去装置の起動方法
JP3669672B2 (ja) 水素製造装置の運転方法
JP7238190B2 (ja) 発電装置、制御装置及び制御プログラム