JP2003228890A - フレキシブル光ディスクの製造方法 - Google Patents

フレキシブル光ディスクの製造方法

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JP2003228890A
JP2003228890A JP2002021370A JP2002021370A JP2003228890A JP 2003228890 A JP2003228890 A JP 2003228890A JP 2002021370 A JP2002021370 A JP 2002021370A JP 2002021370 A JP2002021370 A JP 2002021370A JP 2003228890 A JP2003228890 A JP 2003228890A
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disc
inner diameter
disk
stamper
outer diameter
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JP2002021370A
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Shiyouzou Murata
省蔵 村田
Nobuaki Onaki
伸晃 小名木
Yasutomo Aman
康知 阿萬
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】偏心量が極めて小さいフレキシブル光ディスク
をハイサイクルで製造できる量産工法を工夫すること。 【解決手段】ディスクの内径孔を切断加工する工程と、
ディスクに情報を記録するための凹凸又はプリグルーブ
を転写する工程と、ディスクの最終サイズに外径を切断
加工する工程を備えたフレキシブル光ディスクの製造方
法を前提として、上記ディスク状のブランクにプリグル
ーブを転写する工程及びディスクの最終外径の切断加工
工程よりも前に、前記ディスクの内径孔を切断加工する
こと。ディスク状のブランクに内径孔を形成した後に、
この内径孔をプリグルーブ等のパターンを転写する転写
装置のセンターポストに嵌めた状態で、ディスク状のブ
ランクに上記パターンを転写することができるから、上
記内径孔を基準として上記パターンを転写することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光ディスクの製造方
法、殊に、高記録密度光ディスクの製造方法に関するも
のであり、いわゆるフレキシブル光ディスクの内径孔
(中心孔)とプリグルーブとの偏心量を可及的に小さく
し、かつそのばらつきを小さくすることができ、さらに
その生産性を著しく向上させることができるものであ
る。
【0002】
【従来技術及びその問題点】光ディスクは、通常、厚さ
1.2または0.6mmのポリカーボネート基板に記録
膜を成膜して信号を記録再生するものであり、光を記録
面上に正確に集光するためには、対物レンズのディスク
表面に対する高い位置精度を保つ必要があるため、ディ
スク基板を平坦にし、剛性を持たせ、かつ光ピックアッ
プにサーボをかけて上記位置精度を出している。さらに
記録容量を高めるために対物レンズの開口数(NA)を
上げたり、レーザーを短波長化することで、光スポット
を更に小径化しようとする研究開発がなされている。対
物レンズの開口数を上げるためには、ディスク基板のチ
ルト(面振れ)を小さくしなければならない。そのた
め、製造基板の精度を向上させるとともに、ピックアッ
プへチルト(面振れ)サーボを搭載し、記録膜上に0.
1mm程度の薄いカバー層を設け、このカバー側から記
録再生することでチルト(面振れ)マージンを拡大する
ことなどが行われている。光ディスク基板のチルト(面
振れ)を小さくすることは、材料や製法を工夫すること
により可能であるが、この場合は、ディスク基板のコス
トが高くなる。光ピックアップのチルト(面振れ)サー
ボを搭載する場合も同様である。また、光ディスク基板
を通さずに記録膜側から再生する手法も、記録膜面と対
物レンズの距離が0.1mm程度しか確保できない。こ
のような条件下で、回転する通常の光ディスク(比較的
剛性が高いもの)と対物レンズとの衝突を防ぐために面
振れを極力小さくしなければならず、そのための対策と
して、ディスクのチャッキング精度を向上させて面振れ
を小さくする対策があるが、これもコストアップにつな
がる。
【0003】そこで、光ディスクそのものを高剛性のも
のにしてその機械的精度を高くするのではなく、ディス
クを可撓性材料で製造したもの、すなわち、フレキシブ
ル光ディスクを媒体として記録、再生を行うものがあ
る。このものは図1に示すように、フレキシブル光ディ
スク30の記録再生面に対物レンズ31を対向させ、記
録面の反対側面に円筒状のガイド32を対向させて、フ
レキシブル光ディスク30を回転させ、このフレキシブ
ル光ディスク30の高速回転によって円筒状ガイド31
の先端面との間にエアベアリング33を形成し、このエ
アベアリング33の空気層(例えば厚さ数μm)を介し
て、非接触で円筒状ガイド31の先端面によってフレキ
シブル光ディスク30の上面を正確にガイドするもので
ある。これによって、フレキシブル光ディスク30は、
空気力学的に円筒状ガイドに対して対物レンズ31と対
向する部分において一定位置に保持され、その結果、対
物レンズ31に対して一定位置に保持されるから、対物
レンズ31に対するチルトが限りなく0に近い状態を保
持しながら回転することになる。
【0004】上記のフレキシブル光ディスク30の基板
を製作するための従来工法として、PETフィルムなど
のフレキシブルシートをロールトゥーロール(roll
to roll)方式で搬送させながら、シート表面
に熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂を塗布して、当該
塗布面にスタンパの微細凹凸パターンを転写し、熱硬化
させてから記録膜を成膜する熱プレス法や、同じくフレ
キシブルシート表面に紫外線硬化型樹脂を塗布して、当
該塗布面にスタンパの微細パターンを転写し、紫外線硬
化させてから記録膜を成膜する2P法(Photo P
olymerization。特許第2942430
号)がある。そして、従来は、厚さ50〜100μmの
シートに、プリグルーブ等の微細パターンを転写した、
厚さ5〜30μmの転写層を積層したフレキシブルシー
ト(厚さは例えば100μm程度)を専用の打ち抜き加
工機で内径、外径を打ち抜き加工して、所定の内径、外
径のフレキシブルディスク基板を製作している。この場
合、打ち抜き加工された内径孔とプリグルーブとの偏心
量を60μm以下(オレンジブック規格)にする必要が
あるので、フレキシブルシート表面に設けた位置決めマ
ーク等を顕微鏡によりモニターしながら調心して打ち抜
き加工しなければならず、そのため、打ち抜き作業をフ
レキシブルシート1枚1枚について行わざるを得なな
い。シート1枚1枚について調心した後、打ち抜き加工
されるので、打ち抜き加工された内径孔とプリグルーブ
との偏心量はばらつき、その結果、ディスク基板の品質
のばらつきが大きくなることが避けられず、また、この
打ち抜き加工のためのリードタイムが長く、生産能率が
低い。
【0005】特開平5−174432号公報に記載され
たものは、スタンパに対して2P樹脂を転写するガラス
板に4方向からロッドを押し当てることで偏心を除去し
ているが、リードタイムが長く、しかも、剛体のガラス
円板にしか適用することができない。また、記録膜、保
護膜等を成膜(形成)すると、成膜応力によりフレキシ
ブルシートが変形しやすいので、最終ディスク形状に仕
上がったフレキシブルシートが変形しないように成膜す
ることは極めて困難である。
【0006】
【解決しようとする課題】この発明の課題は、従来工法
の問題点を解消すべく、偏心量(RadialRuno
ut量)が極めて小さいフレキシブル光ディスクをハイ
サイクルで製造できる量産工法を工夫することである。
【0007】
【解決手段1】(請求項1に対応)上記課題を解決する
ために講じた手段は、ディスクの内径孔を切断加工する
工程と、ディスクに情報を記録するための凹凸又はプリ
グルーブを転写する工程と、ディスクの最終サイズに外
径を切断加工する工程を備えたフレキシブル光ディスク
の製造方法を前提として、上記ディスク状のブランクに
プリグルーブを転写する工程及びディスクの最終外径の
切断加工工程よりも前に、前記ディスクの内径孔を切断
加工することである。
【0008】
【作用】ディスク状のブランクに内径孔を形成した後
に、この内径孔をプリグルーブ等のパターンを転写する
転写装置のセンターポールに嵌めた状態で、ディスク状
のブランクに上記パターンを転写することができるか
ら、上記内径孔を基準として上記パターンを転写するこ
とができる。したがって、フレキシブル光ディスク基板
の内径孔とプリグルーブとの偏心量を小さくすることが
できる。すなわち、先に打ち抜き加工されて内径孔を基
準にしてプリグルーブの転写加工をすることになり、内
径孔に対して必然的に調心された状態で、プリグルーブ
が転写されることになる。
【0009】
【解決手段2】(請求項2に対応)解決手段2は、解決
手段1を前提として、そのディスクの内径孔を切断加工
する工程において、複数枚のフレキシブルシートを重ね
て、これらの内径孔を一度に切断加工することである。
【作用】フレキシブルシートを多数枚重ねて、最終ディ
スクサイズになるように内径孔加工を同時に行うこと
で、フレシブルシートの内径のばらつきのない状態で、
能率的に内径孔の打ち抜き加工が行われる。
【0010】
【解決手段3】(請求項3に対応)解決手段3は、解決
手段1又は解決手段2を前提として、上記ディスクの内
径孔を切断加工する工程よりも前に、ディスクの最終外
径よりも大きい外径に切断加工することである。
【0011】
【作用】フレキシブルシートを多数枚重ねて、最終ディ
スクサイズになるように内径孔加工を一度に行う際に、
予め多数枚のフレキシブルシートを重ねて、最終ディス
クサイズよりも大きい径での切断加工を一度に行うこと
で、その後の転写加工、記録膜の成膜を行う上で必要な
外径を確保することでき、また、外径が円形であるか
ら、転写加工、記録膜の成形加工を行う上でのハンドリ
ングが容易である。
【0012】
【解決手段4】(請求項4に対応)解決手段4は解決手
段3を前提として、ディスクに情報を記録するための凹
凸又はプリグルーブを転写するためのパターンを有する
スタンパを、予めトラック中心を内径孔中心に合わせて
加工し、スタンパの内径をディスクの最終内径と同等に
し、スタンパの外径をディスクの最終外径よりも大きく
したことである。
【0013】
【作用】スタンパ内径をトラック中心と合わせて加工
し、スタンパの内径をディスクの最終内径と同等にして
いるので、転写加工用の回転テーブルのセンターポール
にスタンパ内径及びフレキシブルシートの内径を嵌合さ
せて、スタンパ及びフレキシブルシートを転写加工用回
転テーブルに装着することができ、これによって、スタ
ンパのトラックとディスク状のブランクの内径孔が上記
センターポールによって機械的、自動的に調心されるこ
とになる。
【0014】
【実施態様1】(請求項5に対応)この実施態様1は解
決手段4について、ディスク状のブランクにスタンパの
パターンを転写する装置のセンターポール外径とディス
ク外径加工装置のセンターポール外径が同等であり、上
記転写装置のセンターポールと前記スタンパ内径孔のク
リアランス及び、上記転写装置のセンターポールとディ
スク状のブランクの内径孔とのクリアランスが、0.0
1mm以上乃至0.03mm以下であることである。
【作用】フレキシブル光ディスク基板に転写するスタン
パは、予めトラック中心と内径中心を合わせて加工され
ており、スタンパ内径は最終ディスクサイズと同等であ
り、外径は最終ディスクサイズより大きい。フレキシブ
ル光ディスク基板を転写する装置のセンターポール外径
は外径加工装置のセンターポール外径と同等であり、セ
ンターポール外径とスタンパ内径とのクリアランス及
び、センターポールの外径とフレキシブルシートの内径
とのクリアランスを0.01mm以上、0.03mm以
下とすることで、センターポールによって、スタンパの
プリグルーブとフレキシブルシートの内径孔とが機械
的、必然的に正確に調心され、プリグルーブの偏心の少
ない状態で、プリグルーブの転写がなされる。
【0015】
【実施態様2】(請求項6に対応)この実施態様2は解
決手段4又は解決手段6によるフレキシブル光ディスク
の製造方法において、ディスク状のブランクにスタンパ
のパターンを転写する装置のセンターポールにスタンパ
の内径孔を嵌めてスタンパをセットした後、当該スタン
パに紫外線硬化型樹脂を塗布し、上記ディスク状のブラ
ンクの内径孔を上記センターポールに嵌めて、当該ディ
スク状のブランクを上記紫外線硬化樹脂上に載せ、この
状態で転写装置のテーブルを回転させて紫外線硬化型樹
脂を延展させ、上記テーブルを回転させながら、または
テーブルを停止させた状態で紫外線を照射し、その後、
ディスク基板をスタンパから剥離して取り外すことであ
る。
【作用】スタンパのパターンを転写する転写装置のセン
ターポールにスタンパをセットした後、紫外線硬化型樹
脂を塗布し、その上にディスク状のブランクを載せてセ
ットした状態で上記転写装置のテーブルを回転させて上
記紫外線硬化型樹脂を延展させ、その後、上記テーブル
を回転させながら、または停止させた状態で紫外線を照
射して上記紫外線硬化型樹脂を硬化させ、その後、スタ
ンパから剥離して取り外すことで、ディスク状のブラン
クの内径孔に対する偏心量が極めて小さいプリグルーブ
が転写されたフレキシブル光ディスク基板を安定的、能
率的に製作することができる。
【0016】
【実施態様3】(請求項7に対応)この実施態様3は解
決手段1乃至解決手段6によるフレキシブル光ディスク
の製造方法において、スタンパからプリグルーブを転写
し、ディスクの最終外径より大きい半径方向位置で上記
ディスク基板に放射方向外方の張力を付与して、当該デ
ィスク基板を放射方向に均等に緊張させ、放射方向に均
等に緊張した状態でディスク基板に記録膜を成膜するこ
とである。
【作用】ディスク基板を最終外径より大きい半径位置で
放射方向外方に張力を与えて、ディスク基板を均等に緊
張させ、この状態で記録層等を成膜することにより、フ
レキシブル光ディスクの局部的な変形を防止し、フォー
カシング、トラッキングのサーボ特性が安定するフレキ
シブル光ディスクが製作される。
【0017】
【実施態様4】(請求項8に対応)この実施態様4は解
決手段7によるフレキシブル光ディスクの製造方法にお
いて、スタンパからプリグルーブを転写した上記ディス
ク基板の内径孔を、転写面の反対面側から被覆した状態
で、上記転写面に記録膜を成膜することである。
【作用】スタンパから転写されたディスク基板の内径孔
を、転写面の反対面側から被覆してから記録膜を成膜す
ることにより、記録膜が転写面の裏面側に回り込むこと
が上記被覆で阻止されるから、記録膜が転写面の裏面側
に形成されることを防止することができる。
【0018】
【実施の形態】この発明によるフレキシブル光ディスク
は、図2のフロー図に示す順に加工されて製作される。
すなわち、フレキシブルシートブランクxを多数重ねた
状態で最終ディスク外径よりも大径に一度に切断加工し
て円板状のブランクa(円板状シート)にし、重ねられ
た円板状のブランクaを最終ディスク内径孔と同径に一
度に切断加工(内径加工)して、ディスク状のブランク
b(ディスク状のシート)にし、このディスク状のブラ
ンクbにプリグルーブを転写してディスク基板cにし、
このディスク基板cの転写層に記録膜(又は記録膜等)
を形成してディスクブランクdにし、記録膜(又は記録
膜等)を形成したディスクブランクdを多数枚重ねて最
終外径に一度に切断加工(外径加工)して、フレキシブ
ルディスクにする。上記の内径加工による内径は、転写
装置のセンターポールの外径に対して0.01mm以上
乃至0.03mm以下の範囲で大きい。次いで、図面を
参照して実施例を説明する。
【0019】
【実施例1】スタンパの微細パターンをフレキシブルシ
ート5(図2における「ディスク状のブランクb」と同
じ)に転写する際、転写装置のセンターポール1(回転
テーブルのセンターポール)の外径に合わせて、内径が
センターポール外径よりも0.01〜0.03mmの範
囲で大きく、その大きさが違う数種類のスタンパを用意
しておいて、適宜内径のスタンパ2を選択してこれを回
転テーブル3にセットし、その後、スタンパ2上に紫外
線硬化型樹脂4を塗布する。そして、センターポール1
の外径に対する内径孔の大きさの差が0.03mmのフ
レキシブルシート5を紫外線硬化型樹脂上に重ねておい
て回転テーブル3を高速回転させて、紫外線硬化型樹脂
4をスタンパ2とフレキシブルシート5の間に均等に延
展させる。回転テーブル3を高速回転させ紫外線硬化型
樹脂4を延展させてから、回転テーブル3を回転させな
がら、または回転を停止させて、紫外線を照射して紫外
線硬化型樹脂4を硬化させる。このとき、紫外線硬化型
樹脂4にスタンパのプリグルーブ等のパターンが転写さ
れる。このようにスタンパのパターンが転写された紫外
線硬化型樹脂の転写層6を備えたディスク基板をスタン
パ2から剥離させて、これをスタンパ2から取り外す。
取り外されたディスク基板5d(フレキシブルシート5
に転写層が積層されたもの)の外径は光ディスク(最終
製品)の正規の外径に対して十分に大きい。その後、ス
タンパの微細パターンが転写された面すなわち転写面7
の反対側の面に、密着性が弱いシール状の保護シート8
を貼り付けて、ディスク基板5aの内径孔9を被覆し、
外径が異なる同心円の二重リング(小径リングと大径リ
ング)のうちの小径リング10上に、上記ディスク基板
5aを、転写面7を上にしてセットする。この例におい
ては、光ディスクの外径が120mmであるのに対し
て、ディスク基板5dの外径は160mmであるから、
小径リング10がディスク基板5dによって覆われ、図
5に示すようにその外縁が小径リング10からはみ出し
た状態になる。そこで、小径リングに大径リング11を
嵌めて、大径リングを引っ張って、ディスク基板5dを
放射方向に均等に緊張させる。すなわち、大径リング1
1が小径リングに嵌め合わされることによって、小径リ
ング10上にセットされたディスク基板5dが、大径リ
ングによって半径方向外方に引っ張られて、放射方向に
緊張された状態で二重リング10,11に固定される。
この状態で、ディスク基板5dには弛みが全くなく、所
定の張力をもって張った状態であることが必要である。
【0020】なお、ディスク基板5dの上記緊張力は大
径リング11の小径リングに対する嵌め合いのかたさ
や、大径リング11のはめ込み高さによって変わるの
で、嵌め合わせや分解の難易、さらに、上記の観点を考
慮して嵌め合いかたさを、適宜選択する必要がある。ま
た、ディスク基板5dの弾性変形領域であれば、当該デ
ィスク基板5dの形状保持(変形防止)の観点からは、
所定以上の張力であっても特に問題はないが、弱すぎて
も、強すぎても放射方向緊張の均一性が害される可能性
があるので、この観点から、上記放射方向緊張の強さを
適宜選択することが肝要である。
【0021】二重リングによって所定の放射方向張力を
加えた状態にセットした後、転写面7に記録膜等を形成
する。記録幕を形成した後、内径孔9を被覆している上
記シート8を剥がし、二重リング10,11を解体して
二重リングから取り外す。このようにして作られたもの
(図2におけるディスクブランクd)の内径孔9を外径
加工機のセンターポール(外径加工機のセンターポール
の外径は、転写装置のセンターポールの外径と等しい)
に嵌めて重ね合わせて外径加工機に順次セットする。そ
して、外径加工機のセンターポールにセットされた多数
枚のディスクブランク(ディスク基板5dに記録膜を成
膜したもの)を、最終ディスク外径サイズに一度に切断
加工(外径加工)して、フレキシブル光ディスク(最終
製品)とする。
【0022】以上のように、内径孔のセンターポール外
径に対する大きさが0.03mm(本発明における最も
悪い条件)のディスク状のブランクbを用い、センター
ポール外径に対する中心孔径の差が様々に異なる種々の
スタンパを用いて製作した多数のフレキシブル光ディス
クについて、その内径孔とそのトラックとの偏心量を測
定した。その結果、スタンパ中心孔径のセンターポール
外径に対する差と、上記偏心量との関係は図7に示すと
おりである。フレキシブル光ディスクの内径孔とそのト
ラックとの偏心量の最大許容値0.06mmを満たすに
は、スタンパ内径のセンターポールに対するクリアラン
スが、ディスク状のブランクbの内径孔のセンターポー
ル外径に対するクリアランス0.03mmを差し引いた
残り、すなわち0.03mm未満であればよいが、スタ
ンパ内径のセンターポールに対するクリアランスの大き
さと、上記偏心量の大きさとの相関は、図7に示す如く
であるから、スタンパ2の内径が転写装置のセンターポ
ールの外径に対して0.03mm以下であれば、光ディ
スクの上記偏心量がオレンジブック規格を満足すること
が図7から読み取れる。
【0023】
【実施例2】この実施例2は、実施例1と同様にフレキ
シブル光ディスクを製造したものである。ただし、スタ
ンパの内径は転写装置のセンターポールの外径よりも
0.03mmだけ大きく、センターポールの外径に対す
る内径孔が異なる種々のディスク状のブランクを用い
た。このようにして製作した多数のフレキシブル光ディ
スクの内径孔とそのトラックとの偏心量を測定した結
果、フレキシブルシートの孔径のセンターポール外径に
対する差(クリアランス)と、上記偏心量との関係は図
8に示すとおりである。ディスク状のブランクの内径孔
の転写装置のセンターポールの外径に対する差(クリア
ランス)が0.03mm以内であれば、上記偏心量がオ
レンジブック規格を満足することが図8から読み取れ
る。
【0024】
【比較例1】比較例1は実施例1と同様にしてフレキシ
ブル光ディスクを製造したものである。ただし、この比
較例においては、スタンパ内径を転写装置のセンターポ
ールの外径よりも0.05mm大きくし、センターポー
ル外径に対する差が異なる種々の内径孔を備えたディス
ク状のブランクを用いたものである。このようにして製
作したフレキシブル光ディスクの上記偏心量の測定結果
は、図9に示すとおりである。この場合、全てのフレキ
シブル光ディスクが、オレンジブック規格を満足し得な
いことが図9から読み取れる。また、転写装置のセンタ
ーポールの外径と、ディスク状のブランクの内径孔との
クリアランスを0.01mmより小さくすると、ディス
ク状のブランクの内径面がセンターポールと擦り合い易
く、その結果、ディスク状のブランクが変形し、あるい
は破断するので、その内径孔との上記クリアランスを小
さくすることによって上記偏心量を基準内に収めること
はできない。
【0025】
【比較例2】この比較例2は、実施例1と同様にしてフ
レキシブル光ディスクを製作したものである。ただし、
ディスク状のブランクの内径孔は、センターポールの外
径より0.05mm大きい。このようにして製作したフ
レキシブル光ディスクについて上記偏心量を測定した結
果は、図10に示す如くである。この場合、センターポ
ールからのスタンパの着脱を繰り返すと、スタンパの内
径は摩耗し、内径が変化したり、折れ曲がったりするの
で、スタンパの中心孔とのセンターポールとのクリアラ
ンスを小さくすることによって上記偏心量を基準内に収
めることはできない。
【0026】
【発明の効果】この発明の効果を、主な請求項に係る発
明毎に整理すると、次のとおりである。 1.請求項1に係る発明の効果 請求項1に係る発明は、内径孔を形成した後に、内径孔
を基準としてプリグルーブパターンを転写することによ
り、フレキシブル光ディスク基板の内径とプリグルーブ
の偏心量を小さくすることができる。
【0027】2.請求項2に係る発明の効果 請求項2に係る発明は、フレキシブルシートを多数枚重
ねて、最終ディスクサイズになるように内径加工を同時
に行うことにより、フレシブルシートの内径のばらつき
がなくなり、製造フローのリードタイムを短縮できる。
【0028】3.請求項3、請求項4に係る発明の効果 請求項3、請求項4に係る発明は、多数枚のフレキシブ
ルシートを重ねて、最終ディスクサイズになるように内
径加工を同時に行う際に、予め多数枚のフレキシブルシ
ートを重ねて、最終ディスクサイズよりも大きい径で外
径加工を同時に行うことにより、シートが円盤状になる
のでその取扱いが容易であり、また、位置出しが容易
で、内径加工を短時間で行うことができる。
【0029】4.請求項5に係る発明の効果 請求項5に係る発明は、フレキシブル光ディスク基板を
転写するスタンパは、予めトラック中心とその内径孔中
心とを合致させて加工されており、スタンパの内径孔は
最終ディスクサイズと同等であり、外径は最終ディスク
サイズより大きく、また、フレキシブル光ディスク基板
を転写する装置のセンターポールの外径は外径加工装置
のセンターポールの外径と同等であり、センターポール
の外径とスタンパの内径のクリアランス及び、センター
ポールの外径とフレキシブルシート(ディスク状のブラ
ンク)の内径孔とのクリアランスが、0.01mm以上
乃至0.03mm以下であることにより、フレキシブル
光ディスク基板の内径とプリグルーブとが、上記センタ
ーポールに嵌めてセットされるとき、機械的、自動的に
調心されるので、その偏心量を簡単、容易に小さくする
ことができる。
【0030】5.請求項6に係る発明の効果 請求項6に係る発明は、ディスク基板にスタンパのパタ
ーンを転写する装置のセンターポールにスタンパをセッ
トした後、紫外線硬化型樹脂を塗布し、その上にディス
ク状のブランクを載せて、転写装置のテーブルを回転さ
せて紫外線硬化型樹脂を延展させ、その後、紫外線を照
射して紫外線硬化型樹脂を硬化させてから、スタンパか
ら剥離することにより、内径とプリグルーブなどの転写
されたパターンとの偏心量が極めて小さいフレキシブル
光ディスクを製作することができる。
【0031】6.請求項7に係る発明の効果 請求項7に係る発明は、ディスク基板を最終外径サイズ
より大きい半径位置において緊張力を付与させながら記
録層を成膜することにより、フレキシブル光ディスクの
局部的な変形を防止でき、平坦性が良く、フォーカシン
グ、トラッキングのサーボ特性の安定したフレキシブル
光ディスクを製作することができる。
【0032】7.請求項8に係る発明の効果 請求項8に係る発明は、スタンパから転写されたフレキ
シブル光ディスク基板の内径を転写面の反対側面から被
覆した状態で、転写面に記録膜を成膜することにより、
記録膜が転写面の裏面側に形成されることを防止でき、
高品質なフレキシブル光ディスクを製作することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、フレキシブル光ディスクとドライブ(ピッ
クアップの対物レンズ)の関係を模式的に示す断面図で
ある。
【図2】は、フレキシブル光ディスクの製造フローを示
す模式図である。
【図3】は、ディスク転写装置のグルーブ転写プロセス
を模式的に示す断面図である。
【図4】(A)は、ディスク転写装置のグルーブ転写プ
ロセスにおいて転写層が形成された状態を模式的に示す
断面図、(B)は図(A)におけるセンターポールとフ
レキシブルシート(ディスク状のブランク)の内径孔と
のクリアランスを示す一部の拡大図である。
【図5】は、本発明の記録膜成膜時のフレキシブルシー
トの保持方法を模式的に示す断面図である。
【図6】は、本発明を適用できる多層光ディスクの層構
成を模式的に示す断面図である。
【図7】は、実施例1のフレキシブル光ディスクのスタ
ンパ内径の転写装置のセンターポール外径に対するクリ
アランスの大きさと、フレキシブル光ディスクの内径孔
と転写されたパターンの偏心量との関係を示す図であ
る。
【図8】は、フレキシブルシート(ディスク状のブラン
ク)の内径孔のセンターポールに対する大きさと、フレ
キシブル光ディスクの内径孔と転写されたトラックの偏
心量との関係を示す図である。
【図9】は、比較例1のフレキシブルシート(ディスク
状のブランク)の内径孔のセンターポールに対する大き
さと、フレキシブル光ディスクの内径孔と転写されたパ
ターンの偏心量との関係を示す図である。
【図10】は、比較例2のフレキシブル光ディスクのス
タンパ内径孔の転写装置のセンターポール外径に対する
クリアランスの大きさと、フレキシブルシート(ディス
ク状のブランク)の内径孔と転写されたパターンの偏心
量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1:センターポール 2:スタンパ 3:回転テーブル 4:紫外線硬化樹脂 5:ディスク状のブランク 6:転写層 7:転写面 8:保護シート 9:内径孔 10:小径リング 11:大径リング 30:フレキシブル光ディスク 31:対物レンズ 32:円筒状ガイド
フロントページの続き (72)発明者 阿萬 康知 東京都大田区中馬込1丁目3番6号株式会 社リコー内 Fターム(参考) 5D121 AA01 AA02 AA06 CA10 DD13 EE22 EE23 EE26 EE27 EE28 GG02 GG10 GG24 JJ01 JJ07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディスクの内径孔を切断加工する工程と、
    ディスクに情報を記録するための凹凸又はプリグルーブ
    を転写する工程と、ディスクの最終サイズに外径を切断
    加工する工程を備えたフレキシブル光ディスクの製造方
    法において、 上記ディスク状のブランクにプリグルーブを転写する工
    程及びディスクの最終外径の切断加工工程よりも前に、
    前記ディスクの内径孔を切断加工することを特徴とする
    フレキシブル光ディスクの製造方法。
  2. 【請求項2】上記ディスクの内径孔を切断加工する工程
    において、複数枚のフレキシブルシートを重ねて、これ
    らの内径孔を一度に切断加工することを特徴とする請求
    項1のフレキシブル光ディスクの製造方法。
  3. 【請求項3】上記ディスクの内径孔を切断加工する工程
    よりも前に、ディスクの最終外径よりも大きい外径に切
    断加工することを特徴とする請求項1又は請求項2のフ
    レキシブル光ディスクの製造方法。
  4. 【請求項4】ディスクに情報を記録するための凹凸又は
    プリグルーブを転写するためのパターンを有するスタン
    パを、予めトラック中心を内径孔中心に合わせて加工
    し、スタンパの内径をディスクの最終内径と同等にし、
    スタンパの外径をディスクの最終外径よりも大きくした
    ことを特徴とする請求項3のフレキシブル光ディスクの
    製造方法。
  5. 【請求項5】ディスク状のブランクにスタンパのパター
    ンを転写する装置のセンターポール外径とディスク外径
    加工装置のセンターポール外径が同等であり、上記転写
    装置のセンターポールと前記スタンパ内径孔のクリアラ
    ンス及び、上記転写装置のセンターポールとディスク状
    のブランクの内径孔とのクリアランスが、0.01mm
    以上乃至0.03mm以下であることを特徴とする請求
    項4のフレキシブル光ディスクの製造方法。
  6. 【請求項6】ディスク状のブランクにスタンパのパター
    ンを転写する装置のセンターポールにスタンパの内径孔
    を嵌めてスタンパをセットした後、当該スタンパに紫外
    線硬化型樹脂を塗布し、上記ディスク状のブランクの内
    径孔を上記センターポールに嵌めて、当該ディスク状の
    ブランクを上記紫外線硬化樹脂上に載せ、この状態で転
    写装置のテーブルを回転させて紫外線硬化型樹脂を延展
    させ、上記テーブルを回転させながら、またはテーブル
    を停止させた状態で紫外線を照射して上記紫外線硬化型
    樹脂を硬化させ、その後、ディスク基板をスタンパから
    剥離して取り外すことを特徴とする請求項4乃至5のフ
    レキシブル光ディスクの製造方法。
  7. 【請求項7】スタンパからプリグルーブを転写し、ディ
    スクの最終外径より大きい半径方向位置で上記ディスク
    基板に放射方向外方の張力を付与して、当該ディスク基
    板を放射方向に均等に緊張させ、放射方向に均等に緊張
    した状態でディスク基板に記録膜を成膜することを特徴
    とする請求項6のフレキシブル光ディスクの製造方法。
  8. 【請求項8】スタンパからプリグルーブを転写した上記
    ディスク基板の内径孔を、転写面の反対面側から被覆し
    た状態で、上記転写面に記録膜を成膜することを特徴と
    する請求項7のフレキシブル光ディスク基板の製造方
    法。
  9. 【請求項9】請求項7乃至請求項8のフレキシブル光デ
    ィスクの製造方法により製造されたフレキシブル光ディ
    スク。
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