JP2003228003A - 観察光学系 - Google Patents
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Abstract
短く、機械的構造が簡単で、外径が細く小型で、フォー
カシング及びズーミングが可能な光学系。 【解決手段】 回転対称なレンズG1、G2、OCを有
し、形状可変ミラーDM1、DM2を用いてフォーカシ
ングあるいはズーミングを行う観察光学系であり、複数
枚の形状可変ミラーを用いており、少なくとも一つの可
変ミラーがある状態で自由曲面形状になる、フォーカシ
ングあるいはズーミングを行う観察光学系。
Description
可変焦点回折光学素子、可変偏角プリズム、可変焦点ミ
ラー等の光学特性可変光学素子、及びこれらの光学特性
可変光学素子を含む光学系を備えた、例えば、カメラや
デジタルカメラやTVカメラのファインダー、望遠鏡や
顕微鏡や双眼鏡等の観察光学系、眼鏡、ビデオプロジェ
クター、カメラ、デジタルカメラ、TVカメラ、内視
鏡、カメラ、デジタルカメラ、TVカメラ等の光学装置
に関するものである。
したレンズ、又は成形して製造したレンズを用いてお
り、レンズ自体で焦点距離を変化させることができない
ため、ある光学系においてフォーカシングやズーミング
を行うためには、レンズ群を光軸方向に移動させる必要
があるので、機械的構造が複雑になっている。
にモーター、等を用いていたため、消費電力が大きい、
音がうるさい、応答時間が長く、レンズの移動に時間が
かかる等の欠点があった。
鑑みてなされたものであり、その目的は、カメラやデジ
タルカメラやTVカメラや撮像機能付き携帯電話のファ
インダー、望遠鏡や双眼鏡や顕微鏡等の観察光学系、内
視鏡や監視用カメラや小型のデジタルカメラの撮像光学
系等、これらの光学系において、消費電力が小さく、音
が静かで、応答時間が短く、機械的構造が簡単でコスト
ダウンに寄与すると共に、外径が細く小型であるにもか
かわらず、フォーカシング及びズーミングが可能な光学
系を提供するものである。
目、撮像機能付き携帯電話、ドアスコープ用カメラ、車
載カメラ等にも利用できることは言うまでもない。
に、本発明による観察光学系は、レンズ群の移動を行わ
ずに、形状可変ミラーの形状変化のみを用いて、次の条
件式を満たすズーミングを行うようにしたことを特徴と
する。 0.05<|FTELE/FWIDE|<20 …(103) ここで、FWIDEは、広角時の形状可変ミラーの焦点距
離、FTELEは、望遠時の形状可変ミラーの焦点距離であ
る。
ングあるいはフォーカシングあるいは視度調節を行う際
に、少なくとも一つの形状可変ミラーがある状態で自由
曲面形状になるようにしたことを特徴とする。
の可変ミラーを用いて、ズーミングあるいはフォーカシ
ングを行うようにしたことを特徴とする。
ミラーを形状の変化しない可変ミラー、あるいは可変焦
点レンズとしても良い。
一つであり、表面形状を凸面、平面、凹面に自由に変化
させることで、光学パワー又は収差を自由に変化させる
ことができるミラーである。これによって、撮像系の物
体距離が変化した場合でも、可変ミラーの形状を変化さ
せるだけでピントを合わせることができる。このとき、
可変ミラーの形状は、回転対称な曲面でもよいが、収差
補正をより良く行うためには、回転非対称な自由曲面で
あることが望ましい。
座標系、回転非対称な面について説明する。軸上主光線
が、光学系の第1面に交差するまでの直線によって定義
される光軸をZ軸とし、そのZ軸と直交し、かつ、偏心
光学系を構成する各面の偏心面内の軸をY軸と定義し、
前記光軸と直交し、かつ、前記Y軸と直交する軸をX軸
とする。光線の追跡方向は、物体から像面に向かう順光
線追跡で説明する。
レンズ系では、球面により発生する球面収差と、コマ収
差、像面湾曲等の収差をいくつかの面でお互いに補正し
合い、全体として収差を少なくする構成になっている。
ためには、回転対称非球面等が用いられる。これは、球
面で発生する各種収差自体を少なくするためである。
により発生する回転非対称な収差を回転対称光学系で補
正することは不可能である。この偏心により発生する回
転非対称な収差は、歪曲収差、像面湾曲、さらに、軸上
でも発生する非点収差、コマ収差がある。
する。例えば、無限遠の物点から偏心した凹面鏡に入射
した光線は、凹面鏡に当たって反射結像されるが、光線
が凹面鏡に当たって以降、像面までの後側焦点距離は、
像界側が空気の場合、光線が当たった部分の曲率半径の
半分になる。すると、図41に示すように、軸上主光線
に対して傾いた像面を形成する。このように、回転非対
称な像面湾曲を補正するには回転対称な光学系では不可
能である。
面鏡M自身で補正するには、凹面鏡Mを回転非対称な面
で構成し、この例ではY軸正の方向に対して曲率を強く
(屈折力を強く)し、Y軸負の方向に対して曲率を弱く
(屈折力を弱く)すれば、補正することができる。ま
た、上記構成と同様な効果を持つ回転非対称な面を、凹
面鏡Mとは別に光学系中に配置することにより、少ない
構成枚数でフラットの像面を得ることが可能となる。
外共に回転対称軸を有しない回転非対称面形状の面とす
ることが、自由度が増え収差補正上は好ましい。
する。上記説明と同様に、偏心して配置された凹面鏡M
では、軸上光線に対しても図42に示すような非点収差
が発生する。この非点収差を補正するためには、上記説
明と同様に、回転非対称面のX軸方向の曲率とY軸方向
の曲率を適切に変えることによって可能となる。
明する。上記説明と同様に、偏心して配置された凹面鏡
Mでは、軸上光線に対しても図43に示すようなコマ収
差が発生する。このコマ収差を補正するためには、回転
非対称面のX軸の原点から離れるに従って面の傾きを変
えると共に、Y軸の正負によって面の傾きを適切に変え
ることによって可能となる。
射作用を有する少なくとも1つの面が軸上主光線に対し
偏心し、回転非対称な面形状でパワーを有する構成も可
能である。このような構成をとれば、その反射面にパワ
ーを持たせることで発生する偏心収差をその面自体で補
正することが可能となり、プリズムの屈折面のパワーを
緩めることで、色収差の発生自体を小さくすることがで
きる。
の1つである形状可変ミラー、屈折率可変ミラーの面形
状を回転非対称な面とすることが偏心収差を補正する上
で望ましい。
は、対称面を1面のみ有する面対称自由曲面であること
が好ましい。 ここで、本発明で使用する自由曲面とは以
下の式で定義されるものである。この定義式のZ軸が自
由曲面の軸となる。
項である。
Y−Z面共に対称面を持つことはないが、Xの奇数次項
を全て0にすることによって、Y−Z面と平行な対称面
が1つだけ存在する自由曲面となる。また、Yの奇数次
項を全て0にすることによって、X−Z面と平行な対称
面が1つだけ存在する自由曲面となる。
の(b)式で与えられるZernike多項式がある。
この面の形状は以下の式により定義する。 その定義式の
Z軸がZernike多項式の軸となる。回転非対称面
の定義は、X−Y面に対するZの軸の高さの極座標で定
義され、RはX−Y面内のZ軸からの距離、AはZ軸回
りの方位角で、X軸から測った回転角で表せられる。
お、X軸方向に対称な光学系として設計するには、
D4 ,D5 ,D6 、D10,D11,D12,D13,D14,D
20,D21,D22…を利用する。
があげられる。
項)を考えると、展開したとき、以下の式で表せる。
曲面で面形状が表現されているが、上記(b)式、
(c)式を用いても同様の作用効果を得られるのは言う
までもない。
数時の項を全て0とすることで、Y−Z面と平行な対称
面を持つ自由曲面としている。
状の面の例示のために示したものであり、他のいかなる
定義式に対しても同じ効果が得られることは言うまでも
ない。数学的に同値ならば他の定義で曲面形状を表して
もよい。
説明する。
レンズの構成例について説明する。
る、光学特性可変ミラーを用いたデジタルカメラのケプ
ラー式ファインダーの概略構成図である。本実施例の構
成は、もちろん、銀塩フィルムカメラにも使うことがで
きる。まず、光学特性可変形状鏡409について説明す
る。
ティングされた薄膜(反射面)409aと複数の電極4
09bからなる光学特性可変形状鏡(以下、単に可変形
状鏡と言う。)であり、411は各電極409bにそれ
ぞれ接続された複数の可変抵抗器、412は可変抵抗器
411と電源スイッチ413を介して薄膜409aと電
極409b間に接続された電源、414は複数の可変抵
抗器411の抵抗値を制御するための演算装置、41
5,416及び417はそれぞれ演算装置414に接続
された温度センサー、湿度センサー及び距離センサー
で、これらは図示のように配設されて1つの光学装置を
構成している。
1、及び、プリズム404、二等辺直角プリズム40
5、ミラー406及び可変形状鏡の各面は、平面でなく
てもよく、球面、回転対称非球面の他、光軸に対して偏
心した球面、平面、回転対称非球面、あるいは、対称面
を有する非球面、対称面を1つだけ有する非球面、対称
面のない非球面、自由曲面、微分不可能な点又は線を有
する面等、いかなる形状をしていてもよく、さらに、反
射面でも屈折面でも光に何らかの影響を与え得る面なら
ばよい。以下、これらの面を総称して拡張曲面という。
oudhury 編、Handbook of Michrolithography, Michrom
achining and Michrofabrication, Volume 2:Michromac
hining and Michrofabrication,P495,Fig.8.58, SPIE P
RESS刊やOptics Communication, 140 巻(1997年)P187
〜190 に記載されているメンブレインミラーのように、
複数の電極409bとの間に電圧が印加されると、静電
気力により薄膜409aが変形してその面形状が変化す
るようになっており、これにより、観察者の視度に合わ
せたピント調整ができるだけでなく、さらに、レンズ9
01,902及び/又はプリズム404、二等辺直角プ
リズム405、ミラー406の温度や湿度変化による変
形や屈折率の変化、あるいは、レンズ枠の伸縮や変形及
び光学素子、枠等の部品の組立誤差による結像性能の低
下が抑制され、常に適正にピント調整並びにピント調整
で生じた収差の補正が行われ得る。
図4に示すように、薄膜409aの変形のさせ方に応じ
て選べばよい。
レンズ902及びプリズム404の各入射面と射出面で
屈折され、可変形状鏡409で反射され、プリズム40
4を透過して、二等辺直角プリズム405でさらに反射
され(図1中、光路中の+印は、紙面の裏側へ向かって
光線が進むことを示している。)、ミラー406で反射
され、接眼レンズ901を介して眼に入射するようにな
っている。このように、レンズ901,902、プリズ
ム404,405、及び、可変形状鏡409によって、
本実施例の光学装置の観察光学系を構成しており、これ
らの各光学素子の面形状と肉厚を最適化することによ
り、物体面の収差を最小にすることができるようになっ
ている。
形状は、結像性能が最適になるように演算装置414か
らの信号により各可変抵抗器411の抵抗値を変化させ
ることにより制御される。すなわち、演算装置414
へ、温度センサー415、湿度センサー416及び距離
サンサー417から周囲温度及び湿度並びに物体までの
距離に応じた大きさの信号が入力され、演算装置414
は、これらの入力信号に基づき周囲の温度及び湿度条件
と物体までの距離による結像性能の低下を補償すべく、
薄膜409aの形状が決定されるような電圧を電極40
9bに印加するように、可変抵抗器411の抵抗値を決
定するための信号を出力する。このように、薄膜409
aは電極409bに印加される電圧すなわち静電気力で
変形させられるため、その形状は状況により非球面を含
む様々な形状をとる。なお、距離センサー417はなく
てもよく、その場合、固体撮像素子408からの像の信
号の高周波成分が略最大になるように、デジタルカメラ
の撮像レンズ403を動かし、その位置から逆に物体距
離を算出し、可変形状鏡を変形させて観察者の眼にピン
トが合うようにすればよい。可変形状鏡409はリソグ
ラフィーを用いて作ると加工精度が良く、良い品質のも
のが得られやすく、好ましい。
樹脂で製作すれば、低電圧でも大きな変形が可能である
ので好都合である。なお、プリズム404と可変形状鏡
409を一体的に形成してユニット化すると組み立て上
便利である。
んで反射面409aと変形する電極409kを別に設け
て一体化しているので、製造法がいくつか選べるメリッ
トがある。また、反射面409aで変形する電極409
kを兼ねるようにしても良い。両者が1つになるので、
構造が簡単になるメリットがある。
9の基板上に固体撮像素子408をリソグラフィープロ
セスにより一体的に形成してもよい。
04,405、ミラー406は、プラスチックモールド
等で形成することにより任意の所望形状の曲面を用意に
形成することができ、製作も簡単である。なお、本実施
例の撮像装置では、レンズ901,902がプリズム4
04から離れて形成されているが、レンズ901,90
2を設けることなく収差を除去することができるように
プリズム404,405、ミラー406、可変形状鏡4
09を設計すれば、プリズム404,405、可変形状
鏡409は1つの光学ブロックとなり、組立が容易とな
る。また、レンズ901,902、プリズム404,4
05、ミラー406の一部あるいは全部をガラスで作製
してもよく、このように構成すれば、さらに精度の良い
撮像装置が得られる。可変形状鏡の反射面の形状は自由
曲面にするのが良い。なぜなら、収差補正が容易にで
き、有利だからである。
度センサー415、湿度センサー416、距離センサー
417を設け、温湿度変化、物体距離の変化等も可変形
状鏡409で補償するようにしたが、そうではなくても
よい。つまり、演算装置414、温度センサー415、
湿度センサー416、距離センサー417を省き、観察
者の視度変化のみを可変形状鏡409で補正するように
してもよい。
他の実施例を示す概略構成図である。
電極409bとの間に圧電素子409cが介装されてい
て、これらが支持台423上に設けられている。そし
て、圧電素子409cに加わる電圧を各電極409b毎
に変えることにより、圧電素子409cに部分的に異な
る伸縮を生じさせて、薄膜409aの形状を変えること
ができるようになっている。電極409bの形は、図3
に示すように、同心分割であってもよいし、図4に示す
ように、矩形分割であってもよく、その他、適宜の形の
ものを選択することができる。図2中、424は演算装
置414に接続された振れ(ブレ)センサーであって、
例えばデジタルカメラの振れを検知し、振れによる像の
乱れを補償するように薄膜409aを変形させるべく、
演算装置414及び可変抵抗器411を介して電極40
9bに印加される電圧を変化させる。このとき、温度セ
ンサー415、湿度センサー416及び距離センサー4
17からの信号も同時に考慮され、ピント合わせ、温湿
度補償等が行われる。この場合、薄膜409aには圧電
素子409cの変形に伴う応力が加わるので、薄膜40
9aの厚さはある程度厚めに作られて相応の強度を持た
せるようにするのがよい。
さらに他の実施例を示す概略構成図である。
電極409bの間に介置される圧電素子が逆方向の圧電
特性を持つ材料で作られた2枚の圧電素子409c及び
409c' で構成されている点で、図2に示された実施
例の可変形状鏡とは異なる。すなわち、圧電素子409
cと409c' が強誘電性結晶で作られているとすれ
ば、結晶軸の向きが互いに逆になるように配置される。
この場合、圧電素子409cと409c' は電圧が印加
されると逆方向に伸縮するので、薄膜409aを変形さ
せる力が図2に示した実施例の場合よりも強くなり、結
果的にミラー表面の形を大きく変えることができるとい
う利点がある。
料としては、例えばチタン酸バリウム、ロッシエル塩、
水晶、電気石、リン酸二水素カリウム(KDP)、リン
酸二水素アンモニウム(ADP)、ニオブ酸リチウム等
の圧電物質、同物質の多結晶体、同物質の結晶、PbZ
rO3 とPbTiO3 の固溶体の圧電セラミックス、二
フッ化ポリビニール(PVDF)等の有機圧電物質、上
記以外の強誘電体等があり、特に有機圧電物質はヤング
率が小さく、低電圧でも大きな変形が可能であるので、
好ましい。なお、これらの圧電素子を利用する場合、厚
さを不均一にすれば、上記実施例において薄膜409a
の形状を適切に変形させることも可能である。
質としては、ポリウレタン、シリコンゴム、アクリルエ
ラストマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニリデン共
重合体、ビニリデンフルオライドとトリフルオロエチレ
ンの共重合体等が用いられる。
る合成樹脂、圧電性を有するエラストマー等を用いると
可変形状鏡面の大きな変形が実現できてよい。
歪材料、例えば、アクリルエラストマー、シリコンゴム
等を用いる場合には、圧電素子409cを別の基板40
9c−1と電歪材料409c−2を貼り合わせた構造に
してもよい。
さらに他の実施例を示す概略構成図である。
cが薄膜409aと電極409dとにより挟持され、薄
膜409aと電極409d間に演算装置414により制
御される駆動回路425を介して電圧が印加されるよう
になっており、さらにこれとは別に、支持台423上に
設けられた電極409bにも演算装置414により制御
される駆動回路425を介して電圧が印加されるように
構成されている。したがって、本実施例では、薄膜40
9aは電極409dとの間に印加される電圧と電極40
9bに印加される電圧による静電気力とにより二重に変
形され得、上記実施例に示した何れのものよりもより多
くの変形パターンが可能であり、かつ、応答性も速いと
いう利点がある。
電圧の符号を変えれば、可変形状鏡を凸面にも凹面にも
変形させることができる。その場合、大きな変形を圧電
効果で行い、微細な形状変化を静電気力で行ってもよ
い。また、凸面の変形には圧電効果を主に用い、凹面の
変形には静電気力を主に用いてもよい。なお、電極40
9dは電極409bのように複数の電極から構成されて
もよい。この様子を図6に示した。なお、本願では、圧
電効果と電歪効果、電歪をすべてまとめて圧電効果と述
べている。従って、電歪材料も圧電材料に含むものとす
る。
さらに他の実施例を示す概略構成図である。
して反射面の形状を変化させ得るようにしたもので、支
持台423の内部底面上には永久磁石426が、頂面上
には窒化シリコン又はポリイミド等からなる基板409
eの周縁部が載置固定されており、基板409eの表面
にはアルミニウム等の金属コートで作られた薄膜409
aが付設されていて、可変形状鏡409を構成してい
る。基板409eの下面には複数のコイル427が配設
されており、これらのコイル427はそれぞれ駆動回路
428を介して演算装置414に接続されている。した
がって、各センサー415,416,417,424か
らの信号によって演算装置414において求められる光
学系の変化に対応した演算装置414からの出力信号に
より、各駆動回路428から各コイル427にそれぞれ
適当な電流が供給されると、永久磁石426との間に働
く電磁気力で各コイル427は反発又は吸着され、基板
409e及び薄膜409aを変形させる。
る量の電流を流すようにすることもできる。また、コイ
ル427は1個でもよいし、永久磁石426を基板40
9eに付設しコイル427を支持台423の内部底面側
に設けるようにしてもよい。また、コイル427はリソ
グラフィー等の手法で作るとよく、さらに、コイル42
7には強磁性体よりなる鉄心を入れるようにしてもよ
い。
図8に示すように、場所によって変化させたコイル42
8’とすることにより、基板409e及び薄膜409a
に所望の変形を与えるようにすることもできる。また、
コイル427は1個でもよいし、また、これらのコイル
427には強磁性体よりなる鉄心を挿入してもよい。
さらに他の実施例を示す概略構成図である。
は鉄等の強磁性体で作られており、反射膜としての薄膜
409aはアルミニウム等からなっている。この場合、
薄膜コイルを設けなくてもすむから、構造が簡単で、製
造コストを低減することができる。また、電源スイッチ
413を切換え兼電源開閉用スイッチに置換すれば、コ
イル427に流れる電流の方向を変えることができ、基
板409e及び薄膜409aの形状を自由に変えること
ができる。図10は本実施例におけるコイル427の配
置を示し、図11はコイル427の他の配置例を示して
いるが、これらの配置は、図7に示した実施例にも適用
することができる。なお、図12は、図7に示した実施
例において、コイル427の配置を図11に示したよう
にした場合に適する永久磁石426の配置を示してい
る。すなわち、図12に示すように、永久磁石426を
放射状に配置すれば、図7に示した実施例に比べて、微
妙な変形を基板409e及び薄膜409aに与えること
ができる。また、このように電磁気力を用いて基板40
9e及び薄膜409aを変形させる場合(図7及び図9
の実施例)は、静電気力を用いた場合よりも低電圧で駆
動できるという利点がある。
たが、ミラーの形を変形させるのに、図6の例に示すよ
うに、2種類以上の力を用いてもよい。つまり静電気
力、電磁力、圧電効果、磁歪、流体の圧力、電場、磁
場、温度変化、電磁波等のうちから2つ以上を同時に用
いて可変形状鏡を変形させてもよい。つまり2つ以上の
異なる駆動方法を用いて光学特性可変光学素子を作れ
ば、大きな変形と微細な変形とを同時に実現でき、精度
の良い鏡面が実現できる。
る、光学装置に適用可能な可変形状鏡409を用いた撮
像系、例えば携帯電話のデジタルカメラ、カプセル内視
鏡、電子内視鏡、パソコン用デジタルカメラ、PDA用
デジタルカメラ等に用いられる撮像系の概略構成図であ
る。
と、レンズ902と、固体撮像素子408と、制御系1
03とで一つの撮像ユニット104を構成している。本
実施例の撮像ユニット104では、レンズ902を通っ
た物体からの光は可変形状鏡409で集光され、固体撮
像素子408の上に結像する。可変形状鏡409は、光
学特性可変光学素子の一種であり、可変焦点ミラーとも
呼ばれている。
可変形状鏡409を変形させることでピント合わせをす
ることができ、レンズをモータ等で駆動する必要がな
く、小型化、軽量化、低消費電力化の点で優れている。
また、撮像ユニット104は本発明の撮像系としてすべ
ての実施例で用いることができる。また、可変形状鏡4
09を複数用いることでズーム、変倍の撮像系、光学系
を作ることができる。
を用いたトランスの昇圧回路を含む制御系の構成例を示
している。特に積層型圧電トランスを用いると、小型化
できてよい。昇圧回路は本発明のすべての電気を用いる
可変形状鏡、可変焦点レンズに用いることができるが、
特に静電気力、圧電効果を用いる場合の可変形状鏡、可
変焦点レンズに有用である。なお、可変形状鏡409で
ピント合わせを行うためには、たとえば固体撮像素子4
08に物体像を結像させ可変形状鏡409の焦点距離を
変化させつつ物体像の高周波成分が最大になる状態を見
つければよい。高周波成分を検出するには、例えば固体
撮像素子408にマイクロコンピュータ等を含む処理装
置を接続し、その中で高周波成分を検出すればよい。
実施例に係る、マイクロポンプ180で流体161を出
し入れし、ミラー面を変形させる可変形状鏡188の概
略構成図である。本実施例によれば、ミラー面を大きく
変形させることが可能になるというメリットがある。
ロマシンの技術で作られた小型のポンプで、電力で動く
ように構成されている。
例としては、熱変形を利用したもの、圧電材料を用いた
もの、静電気力を用いたものなどがある。
プの一実施例を示す概略構成図である。本実施例のマイ
クロポンプ180では、振動板181は静電気力、圧電
効果等の電気力により振動する。図15では静電気力に
より振動する例を示しており、図15中、182,18
3は電極である。また、点線は変形した時の振動板18
1を示している。振動板181の振動に伴い、2つの弁
184,185が開閉し、流体161を右から左へ送る
ようになっている。
189が流体161の量に応じて凹凸に変形すること
で、可変形状鏡として機能する。可変形状鏡188は流
体161で駆動されている。流体としては、シリコンオ
イル、空気、水、ゼリー、等の有機物、無機物を用いる
ことができる。
状鏡、可変焦点レンズなどにおいては、駆動用に高電圧
が必要になる場合がある。その場合には、例えば図13
に示すように、昇圧用のトランス、あるいは圧電トラン
ス等を用いて制御系を構成するとよい。
い部分にも設けておくと、可変形状鏡の形状を干渉計等
で測定する場合に、基準面として使うことができ便利で
ある。
点レンズの原理的構成を示す図である。この可変焦点レ
ンズ511は、第1,第2の面としてのレンズ面508
a,508bを有する第1のレンズ512aと、第3,
第4の面としてのレンズ面509a,509bを有する
第2のレンズ512bと、これらレンズ間に透明電極5
13a,513bを介して設けた高分子分散液晶層51
4とを有し、入射光を第1,第2のレンズ512a,5
12bを経て収束させるものである。透明電極513
a,513bは、スイッチ515を介して交流電源51
6に接続して、高分子分散液晶層514に交流電界を選
択的に印加するようにする。なお、高分子分散液晶層5
14は、それぞれ液晶分子517を含む球状、多面体等
の任意の形状の多数の微小な高分子セル518を有して
構成し、その体積は、高分子セル518を構成する高分
子および液晶分子517がそれぞれ占める体積の和に一
致させる。
えば球状とする場合、その平均の直径Dを、使用する光
の波長をλとするとき、例えば、 2nm≦D≦λ/5 …(1) とする。すなわち、液晶分子517の大きさは、2nm
程度以上であるので、平均の直径Dの下限値は、2nm
以上とする。また、Dの上限値は、可変焦点レンズ51
1の光軸方向における高分子分散液晶層514の厚さt
にも依存するが、λに比べて大きいと、高分子の屈折率
と液晶分子517の屈折率との差により、高分子セル5
18の境界面で光が散乱して高分子分散液晶層514が
不透明になってしまうため、後述するように、好ましく
はλ/5以下とする。可変焦点レンズが用いられる光学
製品によっては高精度を要求しない場合もあり、そのと
きDはλ以下でよい。なお、高分子分散液晶層514の
透明度は、厚さtが厚いほど悪くなる。
のネマティック液晶分子を用いる。この液晶分子517
の屈折率楕円体は、図17に示すような形状となり、 nox=noy=no …(2) である。ただし、no は常光線の屈折率を示し、noxお
よびnoyは、常光線を含む面内での互いに直交する方向
の屈折率を示す。
15をオフ、すなわち高分子分散液晶層514に電界を
印加しない状態では、液晶分子517が様々な方向を向
いているので、入射光に対する高分子分散液晶層514
の屈折率は高く、屈折力の強いレンズとなる。これに対
し、図18に示すように、スイッチ515をオンとして
高分子分散液晶層514に交流電界を印加すると、液晶
分子517は、屈折率楕円体の長軸方向が可変焦点レン
ズ511の光軸と平行となるように配向するので、屈折
率が低くなり、屈折力の弱いレンズとなる。
電圧は、例えば、図19に示すように、可変抵抗器51
9により段階的あるいは連続的に変化させることもでき
る。このようにすれば、印加電圧が高くなるにつれて、
液晶分子517は、その楕円長軸が徐々に可変焦点レン
ズ511の光軸と平行となるように配向するので、屈折
力を段階的あるいは連続的に変えることができる。
子分散液晶層514に電界を印加しない状態での、液晶
分子517の平均屈折率nLC' は、図17に示すように
屈折率楕円体の長軸方向の屈折率をnz とすると、およ
そ (nox+noy+nz )/3≡nLC' …(3) となる。また、上記(2) 式が成り立つときの平均屈折率
nLCは、nz を異常光線の屈折率ne と表して、 (2no +ne )/3≡nLC …(4) で与えられる。このとき、高分子分散液晶層514の屈
折率nA は、高分子セル518を構成する高分子の屈折
率をnP とし、高分子分散液晶層514の体積に占める
液晶分子517の体積の割合をffとすると、マックス
ウェル・ガーネットの法則により、 nA =ff・nLC' +(1−ff)nP …(5) で与えられる。
512aおよび512bの内側の面、すなわち高分子分
散液晶層514側の面の曲率半径を、それぞれR1 およ
びR 2 とすると、可変焦点レンズ511の焦点距離f1
は、 1/f1 =(nA −1)(1/R1 −1/R2 ) …(6) で与えられる。なお、R1 およびR2 は、曲率中心が像
点側にあるとき、正とする。また、レンズ512aおよ
び512bの外側の面による屈折は除いている。つま
り、高分子分散液晶層514のみによるレンズの焦点距
離が、(6) 式で与えられる。
層514に電界を印加した状態での、高分子分散液晶層
514の屈折率nB は、 nB =ff・no ' +(1−ff)nP …(8) で与えられるので、この場合の高分子分散液晶層514
のみによるレンズの焦点距離f2 は、 1/f2 =(nB −1)(1/R1 −1/R2 ) …(9) で与えられる。なお、高分子分散液晶層514に、図1
8におけるよりも低い電圧を印加する場合の焦点距離
は、(6) 式で与えられる焦点距離f1 と、(9) 式で与え
られる焦点距離f2 との間の値となる。
晶層514による焦点距離の変化率は、 |(f2 −f1 )/f2 |=|(nB −nA )/(nB −1)| …(10) で与えられる。したがって、この変化率を大きくするに
は、|nB −nA |を大きくすればよい。ここで、 nB −nA =ff(no ' −nLC' ) …(11) であるから、|no ' −nLC' |を大きくすれば、変化
率を大きくすることができる。実用的には、nB が、
1.3〜2程度であるから、 0.01≦|no ' −nLC' |≦10 …(12) とすれば、ff=0.5のとき、高分子分散液晶層51
4による焦点距離を、0.5%以上変えることができる
ので、効果的な可変焦点レンズを得ることができる。な
お、|no ' −nLC' |は、液晶物質の制限から、10
を越えることはできない。
説明する。「Solar Energy Material s and Solar Cell
s 」31巻,Wilson and Eck,1993, Eleevier Science Pub
lishers B.v. 発行の第197 〜214 頁、「Transmission
variation using scattering/tra nsparent switching
films」には、高分子分散液晶の大きさを変化させたと
きの透過率τの変化が示されている。そして、かかる文
献の第206 頁、図6には、高分子分散液晶の半径をrと
し、t=300μm、ff=0.5、nP =1.45、
nLC=1.585、λ=500nmとするとき、透過率
τは、理論値で、r=5nm(D=λ/50、D・t=
λ・6μm(ただし、Dおよびλの単位はnm、以下も
同じ))のときτ≒90%となり、r=25nm(D=
λ/10)のときτ≒50%になることが示されてい
る。
推定してみると、透過率τがtの指数関数で変化すると
仮定して、t=150μmの場合の透過率τを推定して
みると、r=25nm(D=λ/10、D・t=λ・1
5μm)のときτ≒71%となる。また、t=75μm
の場合は、同様に、r=25nm(D=λ/10、D・
t=λ・7.5μm)のときτ≒80%となる。
て十分実用になる。したがって、例えば、t=75μm
の場合は、D≦λ/5で、十分な透過率が得られること
になる。
は、nP の値がnLC' の値に近いほど良くなる。一方、
no ' とnP とが異なる値になると、高分子分散液晶層
514の透過率は悪くなる。図16の状態と図18の状
態とで、平均して高分子分散液晶層514の透過率が良
くなるのは、 nP =(no ' +nLC' )/2 …(14) を満足するときである。
として使用するものであるから、図16の状態でも、図
18の状態でも、透過率はほぼ同じで、かつ高い方が良
い。そのためには、高分子セル518を構成する高分子
の材料および液晶分子517の材料に制限があるが、実
用的には、 no ' ≦nP ≦nLC' …(15) とすればよい。
さらに緩和され、 D・t≦λ・60μm …(16) であれば良いことになる。なぜなら、フレネルの反射則
によれば、反射率は屈折率差の2乗に比例するので、高
分子セル518を構成する高分子と液晶分子517との
境界での光の反射、すなわち高分子分散液晶層514の
透過率の減少は、およそ上記の高分子と液晶分子517
との屈折率の差の2乗に比例するからである。
585の場合であったが、より一般的に定式化すると、 D・t≦λ・15μm・(1.585−1.45)2 /(nu −nP )2 …(17) であればよい。ただし、(nu −nP )2 は、(nLC'
−nP )2 と(no ' −nP )2 とのうち、大きい方で
ある。
化を大きくするには、ffの値が大きい方が良いが、f
f=1では、高分子の体積がゼロとなり、高分子セル5
18を形成できなくなるので、 0.1≦ff≦0.999 …(18) とする。一方、ffは、小さいほどτは向上するので、
上記(17)式は、好ましくは、 4 ×10-6〔μm〕2 ≦D・t≦λ・45μm・(1.585−1.45)2/(nu −nP )2 …(19) とする。なお、tの下限値は、図16から明らかなよう
に、t=Dで、Dは、上述したように2nm以上である
ので、D・tの下限値は、(2×10-3μm)2、すな
わち4×10-6〔μm〕2 となる。
が成り立つのは、「岩波科学ライブラリー8 小惑星が
やってくる」向井正著,1994,岩波書店発行の第58頁に
記載されているように、Dが10nm〜5nmより大き
い場合である。また、Dが500λを越えると、光の散
乱は幾何学的となり、高分子セル518を構成する高分
子と液晶分子517との界面での光の散乱がフレネルの
反射式に従って増大するので、Dは、実用的には、 7nm≦D≦500λ …(20) とする。
11を用いたデジタルカメラ用の撮像光学系の構成を示
すものである。この撮像光学系においては、物体(図示
せず)の像を、絞り521、可変焦点レンズ511およ
びレンズ522を介して、例えばCCDよりなる固体撮
像素子523上に結像させる。なお、図20では、液晶
分子の図示を省略してある。
19により可変焦点レンズ511の高分子分散液晶層5
14に印加する交流電圧を調整して、可変焦点レンズ5
11の焦点距離を変えることより、可変焦点レンズ51
1およびレンズ522を光軸方向に移動させることな
く、例えば、無限遠から600mmまでの物体距離に対
して、連続的に合焦させることが可能となる。
素子の一例の構成を示す図である。
な第1,第2の面532a,532bを有する第1の透
明基板532と、光の波長オーダーの溝深さを有する断
面鋸歯波状のリング状回折格子を形成した第3の面53
3aおよび平坦な第4の面533bを有する第2の透明
基板533とを有し、入射光を第1,第2の透明基板5
32,533を経て出射させるものである。第1,第2
の透明基板532,533間には、図16で説明したと
同様に、透明電極513a,513bを介して高分子分
散液晶層514を設け、透明電極513a,513bを
スイッチ515を経て交流電源516に接続して、高分
子分散液晶層514に交流電界を印加するようにする。
子531に入射する光線は、第3の面533aの格子ピ
ッチをpとし、mを整数とすると、 psin θ=mλ …(21) を満たす角度θだけ偏向されて出射される。また、溝深
さをh、透明基板533の屈折率をn33とし、kを整数
とすると、 h(nA −n33)=mλ …(22) h(nB −n33)=kλ …(23) を満たせば、波長λで回折効率が100%となり、フレ
アの発生を防止することができる。
を求めると、 h(nA −nB )=(m−k)λ …(24) が得られる。したがって、例えば、λ=500nm、n
A =1.55、nB =1.5とすると、 0.05h=(m−k)・500nm となり、m=1,k=0とすると、 h=10000nm=10μm となる。この場合、透明基板533の屈折率n33は、上
記(22)式から、n33=1.5であればよい。また、可変
焦点回折光学素子531の周辺部における格子ピッチp
を10μmとすると、θ≒2.87°となり、Fナンバ
ーが10のレンズを得ることができる。
分子分散液晶層514への印加電圧のオン・オフで光路
長が変わるので、例えば、レンズ系の光束が平行でない
部分に配置して、ピント調整を行うのに用いたり、レン
ズ系全体の焦点距離等を変えるのに用いることができ
る。
(24)式は、実用上、 0.7mλ≦h(nA −n33)≦1.4mλ …(25) 0.7kλ≦h(nB −n33)≦1.4kλ …(26) 0.7(m−k)λ≦h(nA −nB )≦1.4(m−k)λ …(27) を満たせば良い。
可変焦点レンズもある。図22および図23は、この場
合の可変焦点眼鏡550の構成を示すものであり、可変
焦点レンズ551は、レンズ552および553と、こ
れらレンズの内面上にそれぞれ透明電極513a,51
3bを介して設けた配向膜539a,539bと、これ
ら配向膜間に設けたツイストネマティック液晶層554
とを有して構成し、その透明電極513a,513bを
可変抵抗器519を経て交流電源516に接続して、ツ
イストネマティック液晶層554に交流電界を印加する
ようにする。
ク液晶層554に印加する電圧を高くすると、液晶分子
555は、図23に示すようにホメオトロピック配向と
なり、図22に示す印加電圧が低いツイストネマティッ
ク状態の場合に比べて、ツイストネマティック液晶層5
54の屈折率は小さくなり、焦点距離が長くなる。
ク状態における液晶分子555の螺旋ピッチPは、光の
波長λに比べて同じ程度か十分小さくする必要があるの
で、例えば、 2nm≦P≦2λ/3 …(28) とする。なお、この条件の下限値は、液晶分子の大きさ
で決まり、上限値は、入射光が自然光の場合に、図22
の状態でツイストネマティック液晶層554が等方媒質
として振る舞うために必要な値であり、この上限値の条
件を満たさないと、可変焦点レンズ551は偏光方向に
よって焦点距離の異なるレンズとなり、これがため二重
像が形成されてぼけた像しか得られなくなる。
プリズムの構成を示すものである。この可変偏角プリズ
ム561は、第1,第2の面562a,562bを有す
る入射側の第1の透明基板562と、第3,第4の面5
63a,563bを有する出射側の平行平板状の第2の
透明基板563とを有する。入射側の透明基板562の
内面(第2の面)562bは、フレネル状に形成し、こ
の透明基板562と出射側の透明基板563との間に、
図16で説明したと同様に、透明電極513a,513
bを介して高分子分散液晶層514を設ける。透明電極
513a,513bは、可変抵抗器519を経て交流電
源516に接続し、これにより高分子分散液晶層514
に交流電界を印加して、可変偏角プリズム561を透過
する光の偏角を制御するようにする。なお、図24
(a)では、透明基板562の内面562bをフレネル
状に形成したが、例えば、図24(b)に示すように、
透明基板562および563の内面を相対的に傾斜させ
た傾斜面を有する通常のプリズム状に形成することもで
きるし、あるいは図21に示した回折格子状に形成する
こともできる。回折格子状に形成する場合には、上記の
(21)〜(27)式が同様にあてはまる。
例えば、TVカメラ、デジタルカメラ、フィルムカメ
ラ、双眼鏡等のブレ防止用として有効に用いることがで
きる。この場合、可変偏角プリズム561の屈折方向
(偏向方向)は、上下方向とするのが望ましいが、さら
に性能を向上させるためには、2個の可変偏角プリズム
561を偏向方向を異ならせて、例えば図25に示すよ
うに、上下および左右の直交する方向で屈折角を変える
ように配置するのが望ましい。なお、図24および図2
5では、液晶分子の図示を省略してある。
用いた可変焦点ミラーを示すものである。この可変焦点
ミラー565は、第1,第2の面566a,566bを
有する第1の透明基板566と、第3,第4の面567
a,567bを有する第2の透明基板567とを有す
る。第1の透明基板566は、平板状またはレンズ状に
形成して、内面(第2の面)566bに透明電極513
aを設け、第2の透明基板567は、内面(第3の面)
567aを凹面状に形成して、該凹面上に反射膜568
を施し、さらにこの反射膜568上に透明電極513b
を設ける。透明電極513a,513b間には、図16
で説明したと同様に、高分子分散液晶層514を設け、
これら透明電極513a,513bをスイッチ515お
よび可変抵抗器519を経て交流電源516に接続し
て、高分子分散液晶層514に交流電界を印加するよう
にする。なお、図26では、液晶分子の図示を省略して
ある。
ら入射する光線は、反射膜568により高分子分散液晶
層514を折り返す光路となるので、高分子分散液晶層
514の作用を2回もたせることができると共に、高分
子分散液晶層514への印加電圧を変えることにより、
反射光の焦点位置を変えることができる。この場合、可
変焦点ミラー565に入射した光線は、高分子分散液晶
層514を2回透過するので、高分子分散液晶層514
の厚さの2倍をtとすれば、上記の各式を同様に用いる
ことができる。なお、透明基板566または567の内
面を、図21に示したように回折格子状にして、高分子
分散液晶層514の厚さを薄くすることもできる。この
ようにすれば、散乱光をより少なくできる利点がある。
するため、電源として交流電源516を用いて、液晶に
交流電界を印加するようにしたが、直流電源を用いて液
晶に直流電界を印加するようにすることもできる。ま
た、液晶分子の方向を変える方法としては、電圧を変化
させること以外に、液晶にかける電場の周波数、液晶に
かける磁場の強さ・周波数、あるいは液晶の温度等を変
化させることによってもよい。以上に示した実施形態に
おいて、高分子分散液晶は液状ではなく固体に近いもの
もあるので、その場合はレンズ512a,512bの一
方、透明基板532、レンズ538、レンズ552,5
53の一方、図24(a)における透明基板563、図
24(b)における透明基板562,563の一方、透
明基板566,567の一方はなくてもよい。
質の屈折率が変化することで、光学素子の焦点距離等が
変化するタイプの光学素子のメリットは、形状が変化し
ないため機械設計が容易である、機械的構造が簡単にな
る、等である。
施例に係る、可変焦点レンズ140を用いた撮像ユニッ
ト141の概略構成図である。撮像ユニット141は本
発明の撮像系として用いることができる。
ンズ140とで、撮像レンズを構成している。そして、
この撮像レンズと固体撮像素子408とで撮像ユニット
141を構成している。可変焦点レンズ140は、透明
部材142と圧電性のある合成樹脂等の柔らかい透明物
質143とで、光を透過する流体あるいはゼリー状物質
144を挟んで構成されている。
は、シリコンオイル、弾性ゴム、ゼリー、水等を用いる
ことができる。透明物質143の両面には透明電極14
5が設けられており、回路103を介して電圧を加える
ことで、透明物質143の圧電効果により透明物質14
3が変形し、可変焦点レンズ140の焦点距離が変わる
ようになっている。
わった場合でも光学系をモーター等で動かすことなくフ
ォーカスができ、小型、軽量、消費電力が少ない点で優
れている。
6は流体をためるシリンダーである。また、透明物質1
43の材質としては、ポリウレタン、シリコンゴム、ア
クリルエラストマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビ
ニリデン(PVDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニ
リデン共重合体、ビニリデンフルオライドとトリフルオ
ロエチレンの共重合体等が用いられる。
る合成樹脂、圧電性を有するエラストマー等を用いると
可変焦点レンズ面の大きな変形が実現できてよい。 可
変焦点レンズには透明な圧電材料を用いるとよい。
0は、シリンンダー146を設けるかわりに、図28に
示すように、支援部材147を設けてシリンダー146
を省略した構造にしてもよい。
挟んで、透明物質143の一部の周辺部分を固定してい
る。本実施例によれば、透明物質143に電圧をかける
ことによって、透明物質143が変形しても、図29に
示すように、可変焦点レンズ140全体の体積が変わら
ないように変形するため、シリンダー146が不要にな
る。なお、図28、図29中、148は変形可能な部材
で、弾性体、アコーディオン状の合成樹脂または金属等
でできている。
逆に印加すると透明物質143は逆向きに変形するので
凹レンズにすることも可能である。
ば、アクリルエラストマー、シリコンゴム等を用いる場
合は、透明物質143を透明基板と電歪材料を貼り合わ
せた構造にするとよい。
他の実施例に係る、マイクロポンプ160で流体161
を出し入れし、レンズ面を変形させる可変焦点レンズ1
67の概略構成図である。
ロマシンの技術で作られた小型のポンプで、電力で動く
ように構成されている。流体161は、透明基板163
と、弾性体164との間に挟まれている。図30中、1
65は弾性体164を保護するための透明基板で、設け
なくてもよい。
例としては、熱変形を利用したもの、圧電材料を用いた
もの、静電気力を用いたものなどがある。
ンプ180を、例えば、図30に示す可変焦点レンズに
用いるマイクロポンプ160のように、2つ用いればよ
い。
点レンズなどにおいては、駆動用に高電圧が必要になる
場合がある。その場合には、昇圧用のトランス、あるい
は圧電トランス等を用いて制御系を構成するとよい。特
に積層型圧電トランスを用いると小型にできてよい。
素子の他の実施例であって圧電材料200を用いた可変
焦点レンズ201の概略構成図である。
の材料が用いられており、圧電材料200は、透明で柔
らかい基板202の上に設けられている。なお、基板2
02には、合成樹脂、有機材料を用いるのが望ましい。
を介して電圧を圧電材料200に加えることで圧電材料
200は変形し、図31において凸レンズとしての作用
を持っている。
形成しておき、かつ、2つの透明電極59のうち、少な
くとも一方の電極の大きさを基板202と異ならせてお
く、例えば、一方の透明電極59を基板202よりも小
さくしておくと、電圧を切ったときに、図32に示すよ
うに、2つの透明電極59が対向する所定部分だけが凹
状に変形して凹レンズの作用を持つようになり、可変焦
点レンズとして動作する。
が変化しないように変形するので、液溜が不要になると
いうメリットがある。
の一部分を圧電材料で変形させて、液溜を不要としたと
ころに大きなメリットがある。
るが、透明基板163,165はレンズとして構成して
も、或いは平面で構成してもよい。
素子のさらに他の実施例であって圧電材料からなる2枚
の薄板200A,200Bを用いた可変焦点レンズの概
略構成図である。
Aと200Bの材料の方向性を反転させることで、変形
量を大きくし、大きな可変焦点範囲が得られるというメ
リットがある。
明基板である。
極59は基板202よりも小さく形成されている。
基板202、薄板200,200A,200Bの厚さを
不均一にして、電圧を掛けたときの変形のさせかたをコ
ントロールしてもよい。
することができ、便利である。
さらに他の実施例を示す概略構成図である。
ばシリコンゴムやアクリルエラストマー等の電歪材料2
06を用いて構成されている。
には、図34に示すように、凸レンズとして作用し、電
圧を上げると、図35に示すように、電歪材料206が
上下方向に伸びて左右方向に縮むので、焦点距離が伸び
る。従って、可変焦点レンズとして動作する。
源を必要としないので消費電力が小さくて済むというメ
リットがある。
ンズに共通して言えるのは、レンズとして作用する媒質
の形状が変化することで、可変焦点を実現していること
である。屈折率が変化する可変焦点レンズに比べ、焦点
距離変化の範囲が自由に選べる、大きさが自由に選べ
る、等のメリットがある。
素子のさらに他の実施例であってフォトメカニカル効果
を用いた可変焦点レンズの概略構成図である。
弾性体208,209でアゾベンゼン210が挟まれて
おり、アゾベンゼン210には、透明なスペーサー21
1を経由して光が照射されるようになっている。
波長がλ1 ,λ2 の例えばLED、半導体レーザー等の
光源である。
図37(a)に示すトランス型のアゾベンゼンに照射さ
れると、アゾベンゼン210は、図37(b)に示すシ
ス型に変化して体積が減少する。このため、可変焦点レ
ンズ214の形状はうすくなり、凸レンズ作用が減少す
る。
ベンゼン210に照射されると、アゾベンゼン210は
シス型からトランス型に変化して、体積が増加する。こ
のため、可変焦点レンズ214の形状は厚くなり、凸レ
ンズ作用が増加する。
4は可変焦点レンズとして作用する。
性体208,209の空気との境界面で光が全反射する
ので外部に光がもれず、効率がよい。なお、レンズとし
て利用する光の波長は可視光に限らず赤外光等でもよ
い。また、アゾベンゼン210としては、アゾベンゼン
と他の液体の混合物を用いてもよい。
に他の実施例を示す概略構成図である。本実施例では、
デジタルカメラに用いられるものとして説明する。な
お、図38中、411は可変抵抗器、414は演算装
置、415は温度センサー、416は湿度センサー、4
17は距離センサー、424は振れセンサーである。
ラストマー等の有機材料からなる電歪材料453と間を
隔てて分割電極409bを設け、電歪材料453の上に
順に電極452、変形可能な基板451を設け、さらに
その上に入射光を反射するアルミニウム等の金属からな
る反射膜450を設けて構成されている。
を電歪材料453と一体化した場合に比べて、反射膜4
50の面形状が滑らかになり、光学的に収差を発生させ
にくくなるというメリットがある。
の配置は逆でも良い。
あるいはズームを行う釦であり、可変形状鏡45は、釦
449を使用者が押すことで反射膜450の形を変形さ
せて、変倍あるいは、ズームをすることができるように
演算装置414を介して制御されている。
からなる電歪材料のかわりに既に述べたチタン酸バリウ
ム等の圧電材料を用いてもよい。
とであるが、反射面の変形する部分を反射面に垂直な方
向から見た時の形は、軸上光線の入射面の方向に長い形
状、例えば楕円、卵形、多角形、等にするのが良い。な
ぜなら図13の例のように可変形状鏡は斜入射で用いる
場合が多いが、このとき発生する収差を抑えるために
は、反射面の形状は回転楕円面、回転放物面、回転双曲
面に近い形が良く、そのように可変形状鏡を変形させる
ためには、反射面の変形する部分を反射面に垂直な方向
から見た時の形を、軸上光線の入射面の方向に長い形状
にしておくのが良いからである。
なお、各実施例の構成パラメータは後に示す。
のZ軸を、物体中心を通り、物体面に垂直な直線で定義
する。 このZ軸と直交する方向をY軸とし、このY軸、
Z軸と右手直交座標系を構成する軸をX軸とする。
面の偏心を行っており、また、各回転非対称自由曲面の
唯一の対称面をY−Z面としている。
行う面をk面とするとき、k−1面の面頂位置からZ軸
方向に面間隔の分だけ移動した点とする。
の面頂位置のシフト(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向を
それぞれX,Y,Z)と、その面の中心軸(自由曲面に
ついては、前記(a)式のZ軸)のX軸、Y軸、Z軸そ
れぞれを中心とするティルト(それぞれα,β,γ
(°))で与えられる。なお、その場合、αとβの正は
それぞれの軸の正方向に対して反時計回りを、γの正は
Z軸の正方向に対して時計回りを意味する。
フト、αティルト、βティルト、γティルトの順であ
る。
センタアンドリターンで行われる。つまり、k面が偏心
していたときに、k+1面の面頂位置は、偏心前のk面
の面頂位置からZ軸方向に面間隔の分だけ移動した点と
する。
系の座標系は、反射面の回転角がαのとき、反射前の座
標系を2α+180°だけ回転させたものとして定義す
る。これによって、光学系のZ軸正方向に沿って光線が
進行することになる。
角端での光路図に示すように、形状可変ミラーを用いた
ケプラー式ズームファインダーである。
た正メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた負メニ
スカスレンズからなる負のパワーを持つレンズ群G1、
物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凸正レ
ンズからなる正のパワーを持つレンズ群G2を通過した
後、形状可変ミラーDM1、DM2でそれぞれ反射され
て光路が約90°曲げられ、ダハプリズムDPの直前で
中間像を結ぶ。 その後、プリズムへの入射面が凸面、プ
リズムからの射出面が平面のダハプリズムDPで中間像
の左右を反転し、物体側に凸面を向けた正メニスカスレ
ンズ1枚からなり物体側の面が非球面の接眼レンズOC
で中間像を拡大する。そして、射出光はフィルターFを
通った後に射出瞳EPに到達する。 人間の眼を射出瞳E
Pの位置に持ってくることで、拡大された中間像を観察
することができる。
ことなく、形状可変ミラーDM1とDM2の形状のみを
変化させて、ズーム比1. 7倍の変倍が可能な光学系と
なっている。
であり、対物系の焦点距離は、広角端で12.33m
m、標準状態で16.08mm、望遠端で20.96m
mである。また、画角は広角端で32.46°、標準状
態で25.1°、望遠端で19.44°である。視度
は、−0.5ディオプタ−となっている。
ミラーを2枚用いているので、ズーミング時の像面にお
けるピント移動が抑えられるメリットがある。もちろ
ん、光学系の中に3枚以上の形状可変ミラーを配置して
もよい。
ーDM1の間のレンズ系G1、G2がレトロフォーカス
系をなしており、ダハプリズムDPの直前の中間像まで
のバックフォーカスを長くして、形状可変ミラーDM
1、DM2を入れるスペースを確保している。
M1、DM2をペンタプリズムの反射面と等価な位置に
配置してある。 このように配置することで、入射光と出
射光の角度を90°曲げることができ、さらに、それぞ
れの形状可変ミラーDM1、DM2への入射光軸の角度
を22.5°と小さくできるので、形状可変ミラーDM
1、DM2の有効反射面積と収差を小さくできるメリッ
トがある。
軸上主光線を含む広角端での光路図に示すように、形状
可変ミラーを用いたケプラー式ズームファインダーであ
る。
形状可変ミラーDM1、DM2の形状を変えたものであ
り、視度が−0.5ディオプタ−から−4ディオプター
に変化している。このように、可変ミラーDM1、DM
2の形状を変化するだけで、ファインダーの視度調整を
することができる。
であり、対物系の焦点距離は、広角端で13.24m
m、標準状態で17.31mm、望遠端で22.50m
mである。また、画角は広角端で32.46°、標準状
態で25.1°、望遠端で19.44°である。視度
は、−4ディオプタ−となっている。
ことなく、形状可変ミラーDM1とDM2の形状のみを
変化させて、ズーム比1. 7倍の変倍が可能な光学系と
なっている。
角端での光路図に示すように、図39のファインダーの
中間像面までの光学系を取り出したものに相当する光学
系で、撮像系として使用できる例である。
凹面を向けた正メニスカスレンズと、物体側に凸面を向
けた負メニスカスレンズからなる負のパワーを持つレン
ズ群G1、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ
と、両凸正レンズからなる正のパワーを持つレンズ群G
2を通過した後、形状可変ミラーDM1、DM2でそれ
ぞれ反射されて光路が約90°曲げられ、像面Iに結像
する。
焦点距離は、広角端で11.92mm、標準状態で1
5.54mm、望遠端で20.26mmである。また、
画角は広角端で32.46°、標準状態で25.1°、
望遠端で19.44°°である。
ことなく、形状可変ミラーDM1とDM2の形状のみを
変化させて、ズーム比1. 7倍の変倍が可能な撮像光学
系となっている。
DM2の変形の自由度を増すために、形状可変ミラーD
M1、DM2をミラー面に対して垂直方向に移動させて
いる。このようにミラー面の並進を変数にとることで、
ズーム比を大きくしたままで収差を適正な範囲に抑えた
設計が可能になる。
を示すが、本発明で使用する自由曲面とは前記の式
(a)で定義されるものである。その定義式のZ軸が自
由曲面の軸となる。
る回転対称非球面である。
し、YをZと垂直な方向にとる。ここで、Rは近軸曲率
半径、Kは円錐定数、A、B、C、D、…はそれぞれ4
次、6次、8次、10次の非球面係数である。この定義
式のZ軸が回転対称非球面の軸となる。
タを示す。なお、以下の表中の“FFS”は自由曲面、
“ASS”は非球面、“DM”は可変ミラー、“EP”
は射出瞳面をそれぞれ示す。また、面形状、偏心に関し
て、“WE”、“ST”、“TE”はそれぞれ広角端、
標準状態、望遠端を示す。
面、非球面等に関する項は0である。屈折率について
は、d線(波長587.56nm)に対するものを表記
してある。長さの単位はmmである。
の何れか1つ以上を満たすと、小型、高性能のズーミン
グ可能な観察光学系が得られるので、なお良い。
のレンズ第1面から可変ミラー直前までのレンズ群(以
後、これを撮像系レンズ群と呼ぶ。)の焦点距離をF
TOT としたときに、ある状態で、 0≦|PDFM ×FTOT |<10 …(101) を満たすことが望ましい。
ラーの変形量を適正な範囲で抑えられるので、形状可変
ミラーで反射された光線の偏心収差を小さくすることが
できる。
DFM は、形状可変ミラー面の自由曲面XY多項式の2次
の項であるC4 又はC6 を4倍したもので定義する。
形状可変ミラーを含めた光学系のパワー及び焦点距離
は、C4 から求めたものとC6 から求めたものの2種類
があるが、少なくとも一方が式(101)以下の条件式
を満たしていれば良いものとする。
い。
ーの焦点距離をFWIDE、望遠側に変倍したときの形状可
変ミラーの焦点距離をFTELEとしたときに、ある状態
で、 0.05<|FTELE/FWIDE|<20 …(103) を満たすことが望ましい。式(103)を満たすこと
で、形状可変ミラーの変形量を適正な範囲で抑えること
ができる。
FWIDE及びFTELEは、形状可変ミラーのパワーPDFM の
逆数で定義する。この場合、C4 から求めた焦点距離と
C6から求めた焦点距離の2種類があるが、上述したよ
うに、少なくとも一方が条件式を満たしていれば良い。
長をD1、撮像系レンズ群の焦点距離をFTOT としたと
きに、ある状態で、 0.1<D1/FTOT <5 …(105) を満たすことが望ましい。
変ミラーの間隔をとることで、ズーム比を大きくするこ
とができる。
面までの空気換算長をD2、撮像系レンズ群の焦点距離
をFTOT としたときに、ある状態で、 0.1<D2/FTOT <5 …(107) を満たすことが望ましい。
ーを配置することで、屈曲光学系の光路を妨げることな
く、光学系のコンパクト化を容易に行うことができる。
ができ、収差補正の点でさらに良い。
中間像面までの距離をCJ、撮像系レンズ群の焦点距離
をFTOT としたときに、ある状態で、 0.5<CJ/FTOT <10 …(109) を満たすことが望ましい。
な光学系を構成することができる。
2ωとしたときに、ある状態で、 10°<2ω<67° …(111) を満たすことが望ましい。
角をとることで、カメラのファインダーに適した光学系
になる。
ワーを持つレンズ群の焦点距離をF N 、撮像系レンズ群
の焦点距離をFTOT としたときに、ある状態で、 0.1<|FN |/FTOT <10 …(113) を満たすことが望ましい。
を持つレンズ群の焦点距離を選ぶことで、レトロフォー
カスタイプの光学系にすることが容易になり、形状可変
ミラーを入れるスペースを確保することができる。|F
N |/FTOT が下限の0.1を下回ると、ペッツバール
和がマイナスに行き過ぎ、像面湾曲収差の補正が著しく
困難になる。また、|FN |/FTOT が上限の10を上
回ると、最終レンズ面から固体撮像素子までの距離が大
きく取れなくなるので、形状可変ミラーを光学系に配置
することが困難になる。 あるいは、広角にすることが困
難になる。
い。
ーを持つレンズ群の焦点距離をFPとしたときに、ある
状態で、 0.1<|FP |/FTOT <10 …(115) を満たすことが望ましい。
持つレンズ群の焦点距離を選ぶことで、可変ミラーを配
置するスペースを保ちながら、レンズ系の全長を短くす
ることができる。
で、なお良い。
式(a)の自由曲面の係数C4 において、物体距離が異
なる2状態で異なる符号になっても良い。そのようにC
4 をとることで、C4 が同符号の場合よりも、物体距離
が変化したときのミラー面の変形量を小さく抑えること
ができる。
て、物体距離が異なる2状態で異なる符号になっても良
い。
おいて、物体距離が近点では可変ミラーの収束作用が強
くなり、物体距離が遠点では、可変ミラーの収束作用が
弱くなることが望ましい。
の自由曲面の係数C4 とC6 において、ある状態で、 0. 01<C6 /C4 <10 …(117) を満たすことが望ましい。
形量を適正な範囲に抑えることができ、変形を素早く、
容易に行うことができる。
に良い。
態で、それぞれの自由曲面係数C4が異符号であっても
良い。そのようにすることで、2つの可変ミラーでレト
ロフォーカスタイプから望遠タイプのパワー配置をとれ
るので、ズーム比を大きくすることができる。
係数C6 が異符号であっても良い。
の自由曲面の係数C8 とC10において、ある状態で、 0. 01<C10/C8 <10 …(119) を満たすことが望ましい。
形量をあまり大きくせずに、光学系の像位置による像面
の違いを適正な範囲内で抑えることができる。
に良い。
13において、ある状態で、 0. 01<|C13/C11|<100 …(121) を満たすことが望ましい。
形量をあまり大きくせずに、光学系の子午面外の物体位
置に対する結像の収差を適正な範囲内で抑えることがで
きる。
るので、さらに良い。
15において、ある状態で、 0. 01<|C15/C11|<10 …(123) を満たすことが望ましい。
形量をあまり大きくせずに、視野周辺の像面湾曲の高次
の収差補正を行うことができる。
で、さらに良い。
ける主光線と光軸の交わる位置が、2つの可変ミラーの
間に位置していることが望ましい。このようにすること
で、可変ミラーの変形量を大きくすることなく、ズーム
比を大きく取れることができる。また、広角端と望遠端
における収差を適正な範囲に抑えることができる。な
お、ここでの光軸とは、軸上主光線のことを指す。
変ミラーの片方のみを変形させても良いし、両方を同時
に変形させても良い。片方の可変ミラーを変形させる場
合は、素早い調整が可能になり、また、両方の可変ミラ
ーを変形させる場合は、収差をより良く抑えた調整が可
能になる。
固定としたが、必ずしも固定する必要はなく、周辺部が
変動しても良い。
電駆動方式、電磁駆動方式、圧電効果を用いた方式等、
本願で示したどのタイプを用いても良い。静電駆動方式
を用いれば、ミラー駆動時の消費電力を低く抑えること
ができるので良い。電磁駆動方式を用いれば、ミラー駆
動の制御を行いやすいので良い。
01)〜(110)、(113)〜(116)に関する
パラメータの値を示す。
ておく。
含む装置のことである。光学装置単体で機能しなくても
よい。つまり、装置の一部でもよい。
装置、照明装置、信号処理装置等が含まれる。
デジタルカメラ、ロボットの眼、レンズ交換式デジタル
一眼レフカメラ、テレビカメラ、動画記録装置、電子動
画記録装置、カムコーダ、VTRカメラ、電子内視鏡等
がある。デジカメ、カード型デジカメ、テレビカメラ、
VTRカメラ、動画記録カメラなどはいずれも電子撮像
装置の一例である。
眼鏡、双眼鏡、ルーペ、ファイバースコープ、ファイン
ダー、ビューファインダー等がある。
イ、ビューファインダー、ゲームマシン(ソニー社製プ
レイステーション)、ビデオプロジェクター、液晶プロ
ジェクター、頭部装着型画像表示装置(head mo
unted display:HMD)、PDA(携帯
情報端末)、携帯電話等がある。
ボ、自動車のヘッドライト、内視鏡光源、顕微鏡光源等
がある。
ソコン、ゲームマシン、光ディスクの読取・書込装置、
光計算機の演算装置等がある。
撮像素子、写真フィルム等を指す。また、平行平面板は
プリズムの1つに含まれるものとする。観察者の変化に
は、視度の変化を含むものとする。被写体の変化には、
被写体となる物体距離の変化、物体の移動、物体の動
き、振動、物体のぶれ等を含むものとする。
に対して偏心した球面、平面、回転対称非球面、あるい
は対称面を有する非球面、対称面を1つだけ有する非球
面、対称面のない非球面、自由曲面、微分不可能な点、
線を有する面等、いかなる形をしていても良い。反射面
でも、屈折面でも、光になんらかの影響を与えうる面な
らば良い。
呼ぶことにする。
ズ、可変形状鏡、面形状の変わる偏光プリズム、頂角可
変プリズム、光偏向作用の変わる可変回折光学素子、つ
まり可変HOE,可変DOE等を含む。
ず、収差量が変化するような可変レンズも含むものとす
る。可変形状鏡についても同様である。
回折等の光偏向作用が変化しうるものを光学特性可変光
学素子と呼ぶ。情報発信装置とは、携帯電話、固定式の
電話、ゲームマシン、テレビ、ラジカセ、ステレオ等の
リモコンや、パソコン、パソコンのキーボード、マウ
ス、タッチパネル等の何らかの情報を入力し、送信する
ことができる装置を指す。
ンのモニター、ディスプレイも含むものとする。
れる。
は、特許請求の範囲に記載された発明の他に、次に示す
ような特徴も備えている。
変ミラーを用いてフォーカシングあるいはズーミングを
行う観察光学系。
て、フォーカシングあるいはズーミングを行う観察光学
系。
グを行う際に、少なくとも一つの可変ミラーが、ある状
態で自由曲面形状になることを特徴とする観察光学系。
がある状態で15°以上30°以内であることを特徴と
する可変ミラーを有する観察光学系。
パワーを持つレンズ群とを有し、物体から観察光学系へ
の軸上入射光線と、射出瞳からの軸上出射光線が、ある
状態で略平行(±5°以内)であることを特徴とする可
変ミラーを有する観察光学系。
パワーを持つレンズ群とを有すレトロフォーカス型レン
ズ系の後方に可変ミラーを配置し、ズーミングあるいは
フォーカシングを行う可変ミラーを有する観察光学系。
状をあらわすC4 がある状態で異なる符号になる2状態
を含む可変ミラーを有する観察光学系。
状をあらわすC6 がある状態で異なる符号になる2状態
を含む可変ミラーを有する観察光学系。
角側に変倍したときの可変ミラーの焦点距離をFWIDE、
望遠側に変倍したときの可変ミラーの焦点距離をFTELE
としたときに、ある状態で、 0.05<|FTELE/FWIDE|<20 …(103) である可変ミラーを有する観察光学系。
可変ミラーのパワーをPDFM 、光学系のレンズ第1面か
ら可変ミラー直前までのレンズ群の焦点距離をFTOT と
したときに、ある状態で、 0≦|PDFM ×FTOT |<1 …(101) を満たす可変ミラーを有する観察光学系。
換算長をD1、撮像系レンズ群の焦点距離をFTOT とし
たときに、ある状態で、 0.1<D1/FTOT <5 …(105) を満たす可変ミラーを有する観察光学系。
中間像面までの空気換算長をD2、撮像系レンズ群の焦
点距離をFTOT としたときに、ある状態で、 0.1<D2/FTOT <5 …(107) を満たす可変ミラーを有する観察光学系。
から中間像面までの距離をCJ、撮像系レンズ群の焦点
距離をFTOT としたときに、ある状態で、 0.5<CJ/FTOT <10 …(109) を満たす可変ミラーを有する観察光学系。
角を2ωとしたときに、ある状態で、 10°<2ω<67° …(111) を満たす可変ミラーを有する観察光学系。
面形状をあらわすC4 、C6 がある状態で、 0. 01<C6 /C4 <10 …(117) である可変ミラーを有する観察光学系。
面形状をあらわすC8 、C10がある状態で、 0. 01<C10/C8 <10 …(119) である可変ミラーを有する観察光学系。
面形状をあらわすC11、C133がある状態で、 0. 01<|C15/C11|<10 …(123) である可変ミラーを有する観察光学系。
面形状をあらわすC11、C15がある状態で、 0. 05<|C15/C11|<5 …(124) である可変ミラーを有する観察光学系。
パワーを持つレンズ群の焦点距離をFN 、撮像系レンズ
群の焦点距離をFTOT としたときに、ある状態で、 0.1<|FN |/FTOT <10 …(113) を満たす可変ミラーを有する観察光学系。
のパワーを持つレンズ群の焦点距離をFP としたとき
に、ある状態で、 0.1<|FP |/FTOT <10 …(115) を満たす可変ミラーを有する観察光学系。
における主光線と光軸の交わる位置が、2つの可変ミラ
ーの間に位置している可変ミラーを有する観察光学系。
つの可変ミラーを変形させて調整を行う可変ミラーを有
する観察光学系。
面形状をあらわすC4 が、物体距離が異なる2状態で異
なる符号になる可変ミラーを有する観察光学系。
面形状をあらわすC6 が、物体距離が異なる2状態で異
なる符号になる可変ミラーを有する観察光学系。
物体距離が近点では可変ミラーの収束作用が強くなり、
物体距離が遠点では可変ミラーの収束作用が弱くなるこ
とを特徴とする可変ミラーを有する観察光学系。
る状態で、それぞれの自由曲面係数C4 が異符号である
ことを特徴とする可変ミラーを有する観察光学系。
る状態で、それぞれの自由曲面係数C6 が異符号である
ことを特徴とする可変ミラーを有する観察光学系。
において、観察光学系を撮像光学系に置き換えた撮像光
学系。
に記載された光学系を用いた光学装置。
形状可変ミラーを用いることにより、レンズ群を前後に
駆動することなく、ミラーの表面形状を変化させるだけ
で、ズーミングやフォーカシングを行うことができる観
察光学装置等を提供することができる。
性ミラーを用いたデジタルカメラのケプラー式ファイン
ダーの概略構成図である。
を示す概略構成図である。
態を示す説明図である。
形態を示す説明図である。
実施例を示す概略構成図である。
実施例を示す概略構成図である。
実施例を示す概略構成図である。
度の状態を示す説明図である。
実施例を示す概略構成図である。
例を示す説明図である。
置例を示す説明図である。
の配置を図11に示したようにした場合に適する永久磁
石426の配置を示す説明図である。
に適用可能な可変形状鏡409を用いた撮像系、例えば
携帯電話のデジタルカメラ、カプセル内視鏡、電子内視
鏡、パソコン用デジタルカメラ、PDA用デジタルカメ
ラ等に用いられる撮像系の概略構成図である。
る、マイクロポンプ180で流体161を出し入れし、
レンズ面を変形させる可変形状鏡188の概略構成図で
ある。
例を示す概略構成図である。
を示す図である。
体を示す図である。
状態を示す図である。
を可変にする場合の一例の構成を示す図である。
タルカメラ用の撮像光学系の一例の構成を示す図であ
る。
の構成を示す図である。
レンズを有する可変焦点眼鏡の構成を示す図である。
の印加電圧を高くしたときの液晶分子の配向状態を示す
図である。
の構成を示す図である。
説明するための図である。
焦点ミラーの一例の構成を示す図である。
る、可変焦点レンズ140を用いた撮像ユニット141
の概略構成図である。
形例を示す説明図である。
す説明図である。
に係る、マイクロポンプ160で流体161を出し入れ
し、レンズ面を変形させる可変焦点レンズ167の概略
構成図である。
実施例であって圧電材料200を用いた可変焦点レンズ
201の概略構成図である。
説明図である。
に他の実施例であって圧電材料からなる2枚の薄板20
0A,200Bを用いた可変焦点レンズの概略構成図で
ある。
実施例を示す概略構成図である。
説明図である。
に他の実施例であってフォトニカル効果を用いた可変焦
点レンズの概略構成図である。
るアゾベンゼンの構造を示す説明図であり、(a)はト
ランス型、(b)はシス型を示している。
例を示す概略構成図である。
ケプラー式ズームファインダーの軸上主光線を含む広角
端での光路図である。
光学系の軸上主光線を含む広角端での光路図である。
明するための概念図である。
明するための概念図である。
明するための概念図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 複数枚の形状可変ミラーを用いて、フォ
ーカシングあるいはズーミングを行う観察光学系。 - 【請求項2】 フォーカシングあるいはズーミングを行
う際に、少なくとも一つの可変ミラーが、ある状態で自
由曲面形状になることを特徴とする観察光学系。 - 【請求項3】 何れかの可変ミラーについて、広角側に
変倍したときの可変ミラーの焦点距離をFWIDE、望遠側
に変倍したときの可変ミラーの焦点距離をF TELEとした
ときに、ある状態で、 0.05<|FTELE/FWIDE|<20 …(103) である可変ミラーを有する観察光学系。
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