JP2003226580A - 窒化アルミニウム質セラミックスおよび半導体製造用部材 - Google Patents

窒化アルミニウム質セラミックスおよび半導体製造用部材

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JP2003226580A
JP2003226580A JP2002330633A JP2002330633A JP2003226580A JP 2003226580 A JP2003226580 A JP 2003226580A JP 2002330633 A JP2002330633 A JP 2002330633A JP 2002330633 A JP2002330633 A JP 2002330633A JP 2003226580 A JP2003226580 A JP 2003226580A
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aluminum nitride
less
nitride ceramics
volume resistivity
angstroms
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潤 ▲よし▼川
Jun Yoshikawa
Yuji Katsuta
祐司 勝田
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NGK Insulators Ltd
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】窒化アルミニウム質セラミックスの体積抵抗率
を上昇させること。 【解決手段】窒化アルミニウムの格子定数のa軸長が
3.1120オングストローム以上、3.1200オン
グストローム以下であり、c軸長が4.9810オング
ストローム以上、4.9900オングストローム以下で
ある。窒化アルミニウム質セラミックスの室温での体積
抵抗率が1×1014Ω・cm以上である。あいは、窒
化アルミニウム質セラミックスの500℃での体積抵抗
率が1×10 Ω・cm以上であり、700℃での体積
抵抗率が1×10Ω・cm以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、体積抵抗率の高い
窒化アルミニウム質セラミックスおよびこれを利用した
半導体製造用部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】窒化アルミニウム焼結体は、ハロゲンガ
スに対する耐蝕性を有するために、半導体製造装置用の
各種部材の基材として利用されている。また、セラミッ
クヒーターの基材は、使用温度領域において、所定の絶
縁性と熱伝導性とを有するものであることが必要であ
る。窒化アルミニウム焼結体は、絶縁性と高い熱伝導性
とを有していることから、シリコンウエハー加熱用のセ
ラミックヒーターの基材として使用されている。しか
し、緻密質の窒化アルミニウム焼結体の体積抵抗率は、
室温では通常1013Ω・cm近辺であり、例えば50
0℃では10Ω・cm以下になる。このため、例えば
500℃において10Ω・cm以上の体積抵抗率を有
する窒化アルミニウム焼結体が望まれる。
【0003】本出願人は、特開2000−44345号
公報において、マグネシウム成分を窒化アルミニウム原
料粉末へと添加することによって、高い耐蝕性と体積抵
抗率とを有する窒化アルミニウム焼結体を製造すること
を開示した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、マグネシウム
はアルカリ土類金属であり、半導体製造プロセスにおい
ては必ずしも望ましくないとされている。また、一層の
処理プロセスの高温化に対応することまでは難しい。ア
ルカリ金属やアルカリ土類金属の量が少ない系において
体積抵抗率の高い窒化アルミニウム質セラミックスを安
定して得ることは難しい。特に、400℃以上、例えば
500℃において前記のような高い体積抵抗率を有する
窒化アルミニウム質セラミックスを得ることは難しい。
【0005】本発明の課題は、窒化アルミニウム質セラ
ミックスの体積抵抗率を上昇させることである。
【0006】また、本発明の課題は、窒化アルミニウム
質セラミックスの高温領域における体積抵抗率を上昇さ
せ、高温領域における絶縁性を確保できるようにするこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、窒化アルミニ
ウムの格子定数のa軸長が3.1120オングストロー
ム以上、3.1200オングストローム以下であり、c
軸長が4.9810オングストローム以上、4.990
0オングストローム以下であり、室温での体積抵抗率が
1×1014Ω・cm以上であることを特徴とする、窒
化アルミニウム質セラミックスに係るものである。
【0008】また、本発明は、窒化アルミニウムの格子
定数のa軸長が3.1120オングストローム以上、
3.1200オングストローム以下であり、c軸長が
4.9810オングストローム以上、4.9900オン
グストローム以下であり、500℃での体積抵抗率が1
×10Ω・cm以上であることを特徴とする、窒化ア
ルミニウム質セラミックスに係るものである。
【0009】また、本発明は、窒化アルミニウムの格子
定数のa軸長が3.1120オングストローム以上、
3.1200オングストローム以下であり、c軸長が
4.9810オングストローム以上、4.9900オン
グストローム以下であり、700℃での体積抵抗率が1
×10Ω・cm以上であることを特徴とする、窒化ア
ルミニウム質セラミックスに係るものである。
【0010】また、本発明は、前記窒化アルミニウム質
セラミックスによって、少なくとも一部が構成されてい
ることを特徴とする、半導体製造用部材に係るものであ
る。
【0011】本発明者は、体積抵抗率の上昇を可能とす
るような窒化アルミニウム質セラミックスの条件につい
て更に検討した。この結果、炭素原子および酸素原子を
窒化アルミニウム粒子の内部に比較的多量に固溶させ、
窒化アルミニウムの格子定数を広げることによって、窒
化アルミニウム結晶それ自体の抵抗値が上昇し、窒化ア
ルミニウム質セラミックスの体積抵抗率の上昇をもたら
し得ることを見出し、本発明に到達した。つまり、窒化
アルミニウム粒子の格子定数を、a軸、c軸ともに所定
の臨界値以上に増大させることで、セラミックスの体積
抵抗率の上昇がもたらされることを見いだした。これ
は、酸素原子や炭素原子の粒子中への固溶に伴って、窒
化アルミニウムの結晶格子が拡張していることを示して
いる。
【0012】前記格子定数は、実施例に記載の強力X線
回折装置を使用して測定するものとする。
【0013】また、窒化アルミニウム質セラミックスの
熱伝導率を上昇させる観点からは、窒化アルミニウムの
格子定数のa軸長は、3.1180オングストローム以
下が好ましく、あるいは、c軸長が4.9860オング
ストローム以下が好ましい。
【0014】また、窒化アルミニウム質セラミックスの
体積抵抗率を一層上昇させるという観点からは、窒化ア
ルミニウムの格子定数のc軸長(c)のa軸長(a)に
対する比率(c/a)が1.6000以下であることが
好ましい。c/aの下限は特に限定されないが、製造し
やすさの観点からは1.5950以上であることが好ま
しい。
【0015】窒化アルミニウムの格子体積の上限は4
2.00×10−24cm 以下とすることが好まし
く、41.90×10−24cm以下とすることが更
に好ましい。
【0016】更に、本発明者は、窒化アルミニウム粒子
内の固溶酸素量(d重量%)の窒化アルミニウム質セラ
ミックス内の炭素含有量(b重量%)に対する比率(d
/b)を0.25以上、2.0以下とすることによっ
て、このセラミックスの室温、高温における体積抵抗率
を一層高くできることを見出した。セラミックスの室
温、高温における体積抵抗率を一層向上させるという観
点からは、d/bを0.4以上とすることが好ましく、
0.5以上とすることが更に好ましい。あるいは、d/
bを1.8以下とすることが好ましく、1.5以下とす
ることが更に好ましい。
【0017】また、本発明者は、窒化アルミニウム粒子
内の固溶酸素量を0.5重量%以下とすることによっ
て、窒化アルミニウム質セラミックスの熱伝導率を著し
く向上させることが可能であることを発見した。これに
よって、窒化アルミニウム質セラミックスの熱伝導率
を、90W/mK以上、更には100W/mK以上に向
上させることが可能である。
【0018】窒化アルミニウム質セラミックスの熱伝導
率を向上させるという観点からは、前記固溶酸素量を
0.4重量%以下とすることが好ましく、0.3重量%
以下とすることが一層好ましい。
【0019】本発明においては、汚染の原因となりやす
いアルカリ金属およびアルカリ土類金属の含有量が0.
5wt%以下であることが好ましく、0.1wt%以下
であることが更に好ましい。
【0020】本発明の窒化アルミニウム質セラミック
ス、特に焼結体には、希土類元素を0.1〜10重量%
含有させることが好ましい。これによって、希土類元素
を添加しない場合に比べて、より低温での焼結で、高い
体積抵抗率を得ることができる。この観点からは、希土
類元素の含有量を0.2重量%以上とすることが好まし
く、8重量%以下とすることが好ましい。希土類元素の
添加は高熱伝導化の効果もある。
【0021】ここで言う希土類元素は、サマリウム、ス
カンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラ
セオジム、ネオジム、プロメチウム、ユーロピウム、ガ
ドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウ
ム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウ
ムの十七元素である。
【0022】好ましくは、希土類金属元素が、イットリ
ウム、ランタン、セリウム、ネオジム、サマリウム、ガ
ドリニウム、ジスプロシウム、エルビウムおよびイッテ
ルビウムからなる群より選ばれた一種以上の元素であ
る。
【0023】半導体用途等の高度に不純物を嫌う用途に
適した高耐蝕性の焼結体を提供するという観点からは、
アルミニウムおよび希土類元素を除く不純物金属元素の
含有量を100ppm以下とすることが好ましく、50
ppm以下とすることが一層好ましい場合がある。
【0024】本発明において、AlN結晶格子のa軸
長、c軸長を大きくする方法は特に限定されない。
【0025】好適な実施形態においては、AlN結晶の
成長過程、あるいは焼結過程において、AlN結晶格子
中に、炭素と酸素とを包含させる。この過程でAlN結
晶格子が微視的に拡張される。
【0026】例えば、窒化アルミニウム原料に対して炭
化ホウ素を適量添加し、焼結させることができる。この
焼結過程においては、窒化アルミニウムが焼結する際
に、炭化ホウ素が気相の窒素と反応して窒化ホウ素を粒
界に生成させるのと共に、炭素が窒化アルミニウム粒子
内に拡散し固溶し、窒化アルミニウム原料中に存在する
酸素成分も固溶するものと思われる。
【0027】窒化アルミニウム原料粉末に対して、窒化
ホウ素粉末を添加し、焼結を行う場合には、窒化アルミ
ニウム粒子の内部への炭素原子や酸素原子の固溶に伴う
体積抵抗率の上昇は見られない。
【0028】更に、本発明者は、窒化アルミニウム原料
粉末に対して炭素粉末を添加し、炭素原子を窒化アルミ
ニウム粒子内に拡散させることを試みた。しかし、この
場合には、炭素原子は消失するか、粒界相に留まり、窒
化アルミニウム粒子への固溶量は少なく、窒化アルミニ
ウム結晶格子を拡張させるには至らなかった。これは、
炭化ホウ素と気相の窒素との反応プロセスに伴って、活
性の高い炭素原子が発生し、窒化アルミニウム粒子内へ
と拡散したことを裏づけているものと思われる。
【0029】なお、特開平5−178671号公報にお
いては、ホウ素換算で0.5重量%の炭化ホウ素(B
C)を窒化アルミニウム粉末に添加し、1800℃で焼
結させることを開示しており、これによって相対密度9
8.9%、熱伝導率153W/m・kの焼結体を得てい
る。この炭化ホウ素は、結晶粒成長を抑制し、表面平滑
性を向上させる目的で添加されており、焼結体の体積抵
抗率との関連は記載されていない。本発明者の検討によ
れば、このような少量の炭化ホウ素の添加では、窒化ア
ルミニウム粒子への炭素原子や酸素原子の固溶は格子定
数を大きく変化させることはなく、体積抵抗率の上昇に
寄与しない。
【0030】本発明における窒化アルミニウム質セラミ
ックスとは、窒化アルミニウム粒子の多結晶体を主体と
するセラミックスを意味している。従って、窒化アルミ
ニウム質セラミックスの製法は限定されず、化学的気相
成長法、物理的気相成長法、有機金属化学的気相成長
法、蒸着法などの気相法であってもよい。好ましくは、
窒化アルミニウム質セラミックスを焼結法によって製造
する。
【0031】窒化アルミニウム質セラミックスにおける
アルミニウムの含有量は、窒化アルミニウム粒子が主相
として存在し得るだけの量である必要があり、好ましく
は35重量%以上であり、更に好ましくは50重量%以
上である。
【0032】また、窒化アルミニウム質セラミックスに
おける窒化アルミニウム成分の含有量は、80重量%以
上が好ましく、90重量%以上が更に好ましい。
【0033】窒化アルミニウム質セラミックス中のホウ
素原子の含有量を0.5重量%以上とし、炭素原子の含
有量を0.1重量%以上とすることによって、前述した
窒化アルミニウム粒子の抵抗値上昇を促進できる。この
観点からは、ホウ素原子の含有量を0.8重量%以上と
することが更に好ましく、あるいは、炭素原子の含有量
を0.3重量%以上とすることが更に好ましい。
【0034】また、ホウ素原子の含有量を10重量%以
下とすることによって、窒化アルミニウム質セラミック
スの熱伝導率を高くすることができる。この観点から
は、ホウ素原子の含有量を5重量%以下とすることが更
に好ましい。また、炭素原子の含有量を2.5重量%以
下とすることによって、窒化アルミニウム質セラミック
スの熱伝導率を高くすることができる。この観点から
は、炭素原子の含有量を1.5重量%以下とすることが
更に好ましい。
【0035】好適な実施形態においては、炭素原子とホ
ウ素原子との比率(C/B)を重量比で0.1以上、
0.5以下とする。これによって、窒化アルミニウム質
セラミックスの体積抵抗率が一層上昇する。
【0036】本発明においては、窒化アルミニウム質セ
ラミックスの室温における体積抵抗率を1×1014Ω
・cm以上とすることができる。更に、これを5×10
14Ω・cm以上とすることができ、特には1×10
15Ω・cm以上にすることが可能である。
【0037】また、本発明においては、窒化アルミニウ
ム質セラミックスの500℃での体積抵抗率を1×10
Ω・cm以上とすることができる。更に、これは、5
×10Ω・cm以上とすることが可能である。
【0038】また、本発明においては、窒化アルミニウ
ム質セラミックスの700℃での体積抵抗率を1×10
Ω・cm以上とすることができる。更に、これは、5
×10Ω・cm以上とすることが可能である。
【0039】好適な実施形態においては、窒化アルミニ
ウム質セラミックスの開気孔率が5%以下であり、更に
好ましくは0.1%以下である。
【0040】好適な実施形態においては、本発明の窒化
アルミニウム質セラミックスの熱伝導率が30W/m・
K以上である。熱伝導率の上限は特にないが、通常は1
50W/m・k以下である。
【0041】好適な実施形態においては、窒化アルミニ
ウム質セラミックスが、窒化ホウ素を主体とする粒界相
を有する。窒化ホウ素以外には、次の結晶相が生成する
場合がある。 (1)希土類元素とアルミニウムとの複合酸化物相。好
ましくは、ガーネット結晶構造またはペロブスカイト結
晶構造を有する複合酸化物相。 (2)希土類元素のホウ化物。
【0042】窒化アルミニウムの原料は、直接窒化法、
還元窒化法、アルキルアルミニウムからの気相合成法な
どの種々の製法によるものを使用できる。
【0043】窒化アルミニウムの原料粉末に対して、炭
化ホウ素を添加できる。また、希土類元素を添加する場
合には、希土類元素の酸化物の他、硝酸塩、硫酸塩、シ
ュウ酸塩、アルコキシド等の加熱によって希土類元素酸
化物を生成する化合物(希土類元素酸化物の前駆体)を
添加できる。この前駆体は、粉末の状態で添加できる。
また、硝酸塩、硫酸塩などの化合物を溶剤に溶解させて
溶液を得、この溶液を原料粉末に添加できる。このよう
に、前記前駆体を溶媒中に溶解させた場合には、窒化ア
ルミニウム粒子間に希土類元素を高度に分散させること
ができる。
【0044】焼結体の成形は、乾式プレス、ドクターブ
レード法、押し出し、鋳込み、テープ成形法等、公知の
方法を適用できる。
【0045】調合工程においては、溶剤中に窒化アルミ
ニウム原料粉末を分散させ、この中に炭化ホウ素および
希土類元素化合物を、前記した酸化物粉末や溶液の形で
添加することができる。混合を行う際には、単純な攪拌
によっても可能であるが、前記原料粉末中の凝集物を解
砕する必要がある場合には、ポットミル、トロンメル、
アトリッションミル等の混合粉砕機を使用できる。添加
物として、粉砕用の溶媒に対して可溶性のものを使用し
た場合には、混合粉砕工程を行う時間は、粉末の解砕に
必要な最小限の短時間で良い。また、ポリビニルアルコ
ール等のバインダー成分を添加することができる。
【0046】この混合用溶剤を乾燥する工程は、スプレ
ードライ法が好ましい。また、真空乾燥法を実施した後
に、乾燥粉末をフルイに通してその粒度を調整すること
が好ましい。
【0047】粉末を成形する工程においては、円盤形状
の成形体を製造する場合には、金型プレス法を使用でき
る。成形圧力は、100kgf/cm以上とすること
が好ましいが、保型が可能であれば、特に限定はされな
い。粉末の状態でホットプレスダイス中に充填すること
も可能である。
【0048】本発明の焼結体は、ホットプレス焼成によ
ることが好ましく、被焼成体を50kgf/cm以上
の圧力下でホットプレス焼結させることが好ましい。
【0049】焼結温度は限定されないが、好ましくは1
700〜2200℃であり、更に好ましくは、1750
℃以上、あるいは,2100℃以下であり、最も好まし
くは1750℃−2050℃である。
【0050】焼結時の昇温工程においては、1400〜
1700℃の温度で保持することが好ましく、これによ
ってセラミックスの熱伝導率が向上する。
【0051】本発明の窒化アルミニウム質セラミックス
は、シリコンウエハーの処理装置や液晶ディスプレイ製
造装置のような半導体製造装置内の各種部材として、好
適に用いることができる。この半導体製造装置とは、半
導体の金属汚染が懸念されるような、幅広い半導体製造
プロセスにおいて使用される装置のことを意味してい
る。これには、成膜装置の他、エッチング装置、クリー
ニング装置、検査装置が含まれる。
【0052】また、本発明の窒化アルミニウム質セラミ
ックスは、400℃以上の最高温度に暴露されるような
高温用部材として利用でき、高温でもある程度の絶縁性
を有している。
【0053】半導体製造用部材は、特に好ましくは、半
導体製造装置用のサセプター等の耐蝕性部材である。ま
た、この耐蝕性部材中に金属部材を埋設してなる金属埋
設品に対して好適である。耐蝕性部材としては、例えば
半導体製造装置中に設置されるサセプター、リング、ド
ーム等を例示できる。サセプター中には、抵抗発熱体、
静電チャック電極、高周波発生用電極等を埋設できる。
【0054】本発明の窒化アルミニウム質セラミックス
は、前記のように高温下での体積抵抗率が高いことか
ら、高温領域で使用するセラミックヒーターに対して特
に好適である。こうしたセラミックヒーターは、例えば
400℃以上の温度で好適に使用でき、更には1000
℃の最高温度まで好適に使用できる。
【0055】また、本発明の窒化アルミニウム質セラミ
ックスは、700℃においても10〜10Ω・cm
程度の体積抵抗率を有しているので、このような高温領
域においても静電チャック用基材として有用である。即
ち、ジョンソン−ラーベック力を利用した静電チャック
では、高吸着力と高応答性を得るために、基材材料の体
積抵抗率を1×10Ω・cm以上、1 ×1013Ω・
cm以下に制御することが望ましい。この点、本発明の
窒化アルミニウム質セラミックスは、例えば300〜8
00℃、特には400〜700℃の温度範囲において、
このような体積抵抗率を示すので、高温領域での使用に
好適である。また、室温において高抵抗であるため、ク
ーロン力を利用した静電チャック用基材としても有用で
ある。
【0056】
【実施例】(実験A) (1)AlN/BC/Y混合粉末の調製 AlN粉末は、市販の還元窒化粉末を使用した。BC粉
末は、市販の高純度、平均粒径2μm以下のものを使用
した。Y粉末は、市販の純度99.9%以上、平
均粒径1μm以下のものを使用した。
【0057】各粉末を、表1、表3に示す各重量比とな
るよう秤量した。ただし、窒化アルミニウムの量を10
0重量部とし、BCおよびYの添加量は重量部
単位で示した。イソプロピルアルコールを溶媒とし、ナ
イロン製のポット及び玉石を用いて4時間湿式混合し
た。混合後スラリーを取り出し、窒素雰囲気中110℃
で乾燥し、原料粉末を作製した。なお、調合粉末の「重
量部」は、AlN 、BC、Y粉末とも不純物含有
量を無視して算出した割合を示す。
【0058】(2)成形、焼成 (1)により得た原料粉末を200kgf/cmの圧
力で一軸加圧成形し、直径φ50mm、厚さ20mm程
度の円盤状成形体を作製し、焼成用黒鉛モールドに収納
した。
【0059】焼成はホットプレスを用い、プレス圧力は
200kgf/cmである。焼成温度1800〜20
00℃で4 時間保持し、冷却した。一部の材料では、焼
成温度まで昇温する前に、1500℃または1700℃
の温度で20時間の途中キープを導入した。雰囲気は、
室温から1000℃までは真空とし、1000℃から焼
成温度までは1.5kgf/cmの窒素ガスを導入し
た。
【0060】(3)評価 得られた焼結体を加工し、以下の評価を行った。 (相対密度) (嵩密度)×100/(調合組成から算
出した理論密度)により算出した。嵩密度は純水を利用
したアルキメデス法によって測定した。 (体積抵抗率) JIS C2141 に準じた方法により、真空
雰囲気下で室温から400℃程度まで測定した。試験片
形状はφ50×1mm とし、主電極径20mm、ガード電極内
径30mm、ガード電極外径40mm、印加電極径45mmとなるよ
う各電極を銀で形成した。印加電圧は500 V/mmと
し、電圧印加後1 分時の電流を読みとり、体積抵抗率を
算出。 (曲げ強度) JIS R1601 による室温四点曲げ強度を測
定した。 (熱伝導率) レーザーフラッシュ法により熱拡散率を
測定し、算出した。比熱には窒化アルミニウムの物性値
753 J/kg・Kを採用した。 (格子定数) 格子定数既知のAlを内部標準と
してWPPD法により測定。測定条件はCuK α1 (Geインシ
デントモノクロメーターにより単色化)、50kV、300mA
、2 θ=30−120°:回転対陰極型X線回折装置
「理学電機製「RINT」」 (炭素量:b重量%) 高周波加熱赤外線吸収法により
定量した。 (結晶相) X線回折装置により同定した。測定条件は
CuK α、50kV、300mA、2 θ=10〜70°:回転対陰
極型X線回折装置「理学電機製「RINT」」(微構造
観察) EPMAにより各元素の分布状態を解析した。 (粒子内酸素量:d重量%) 焼結体全体の酸素量を化
学分析によって得た。誘導結合プラズマ(ICP )発光ス
ペクトル分析によりY量を定量した。このY量をY
量に換算し、Y量に含まれる酸素量を算出し
た。そして、焼結体全体の酸素量(化学分析値)から、
量に含まれる酸素量を引き算し、粒子内酸素量
の算出値(a重量%)を得た。 (d/b) 高周波加熱赤外線吸収法により、焼結体の
炭素量(b重量%)を定量した。そして、上述のdをb
によって除した。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】以下、各例の実験結果を検討する。 (実施例1)原料粉末組成は、AlN/BC/Y
=100/3.4/2(重量部)である。この粉末を
成形し、昇温速度1000℃/時間で昇温し、1500
で20時間の途中キープ後、2000℃で4時間焼成
し、密度3.19g/cm、開気孔率0.02%の緻
密体を得た。
【0066】室温(25℃)での体積抵抗は3×10
15Ω・cmであり、500℃での体積抵抗率は1×10
10Ω・cmであり、700℃での体積抵抗率は2×1
Ω・cmであった。ただし、「3×1015」Ω・
cmは、「3E+15」Ω・cmと表記し、他の部分で
も同様の表記法を採用した。
【0067】実施例1の試料の強度は325MPaであり、高
強度である。また、熱伝導率は58W/m・kであった。
AlN粒内に異種原子が多く固溶したため、低熱伝導化
したためである。X線回折測定により、構成相としてAl
N 、BN、YB4 が同定された。
【0068】 EPMA による焼結体中のB、C、O、N、
Yの分布を図1に示す。参考として比較例5の試料にお
ける分布を図2に示した。図において明るい部分ほど、
各元素が多く存在する状態を示す(右端色調スケール参
照) 。図1より、実施例1では、CおよびOがAlN 粒内
に多く存在していることが分かる。B成分のAlN 粒内へ
の顕著な固溶は認められなかった。
【0069】実施例1の試料のAlN 格子定数を表2に示
す。通常のAlN 材料と比較して、実施例1の試料では、
a軸、c軸ともに著しく膨張しており、AlN 粒内への異
種原子の固溶が示唆される。EPMAより、固溶元素はCお
よびO原子であることが分かる。AlN結晶の格子が拡張
することで、電気伝導キャリアの濃度を低下させるか、
あるいは固溶により生じた結晶欠陥が、キャリアの移動
を阻害したものと推定される。
【0070】(実施例2〜8)実施例2は、原料粉末組
成は実施例1と同じであるが、昇温過程において150
0℃でのキープを行っていない。この場合には、体積抵
抗率はほとんど変化しないが、熱伝導率が若干低下す
る。実施例3、4においては、製造条件およびイットリ
ア添加量は、実施例2と同じであるが、BCを減少さ
せている。このように、BCの添加量を減少させて
も、高抵抗材料が得られ、熱伝導率は高くなった。
【0071】実施例5においては、製造条件およびイッ
トリア添加量は実施例2、3 、4 と同じであるが、B
Cの添加量を増加させた。本例でも高抵抗材料が得られ
た。しかし、BCの添加量を増加させても、高抵抗化
の効果にはあまり変化がなく、熱伝導率は低下する。
【0072】実施例6においては、製造条件およびB4
C添加量は実施例2と同じであり、イットリアは無添
加である。このように希土類元素無添加でも高抵抗材料
が得られる。しかし、緻密化のためには2000℃程度
の焼成温度が必要であり、製造上高コストになる。
【0073】実施例7、8では、熱伝導率が92、11
4W/mKと非常に大きくなった。実施例7、8では、
粒子内酸素量が低く、0.5重量%以下になっている。
これに対して、実施例1〜6においては粒子内酸素量は
相対的に高くなっており、粒子内酸素量と熱伝導率との
間に明確な相関が見られた。
【0074】そして、実施例1〜8において、a軸長が
3.1120オングストローム以上であり、c軸長が
4.9810オングストローム以上である。また、a/
bが0.25〜2.0の範囲内であった。
【0075】(比較例1〜5)比較例1は、助剤無添加
系のAlN 焼結体である。AlN 格子定数はJCPDS 値(N
o.25−1133)に近く、実施例の試料と比べて小
さく、高抵抗とはならない。
【0076】比較例2では、原料粉末組成はAlN/B
C/Y=100/0.6/2(重量部)であ
る。BC 添加量が少なく、AlN 格子定数はJCPDS値に対
して、ある程度変化するものの、高抵抗化の効果が小さ
い。
【0077】比較例3では、BCの代わりに、市販の
高純度BN粉末を使用し、焼結体特性を比較した。原料
粉末組成はAlN/BN/Y=100/8.5/
2(重量部) である。AlN 以外の構成相は、BN相および
YAlO相であり、BC添加材料と類似している。しか
し、BN添加量が8.5重量部と非常に多いのにも関わ
らず、500 ℃での抵抗が2×10Ω・cmと低い。Al
N 格子定数のJCPDS 値に対する変化は小さい。
【0078】比較例4では、B4 Cの代わりに、市販
の高純度C粉末を使用し、焼結体特性を比較した。原料
粉末組成はAlN/C/Y=100/0.6/2
(重量部)である。500 ℃での抵抗は6×10Ω・c
mと低い。熱伝導率は163W/m・kと高く、AlN 格
子定数のJCPDS 値に対する変化は小さい。従って、C添
加材料ではAlN 粒内へのCの固溶は起こりにくいと考え
られる。
【0079】比較例5は、EPMA測定用のリファレン
ス材料であり、通常のAlN 材料である、Y添加Al
N を用いた。熱伝導率は174W/m・kと高く、AlN
格子定数のJCPDS 値に対する変化は小さい。図2のEPMA
像より、C、OのAlN 粒内への固溶は少ない。
【0080】(実験B)実験Aと同様にして窒化アルミ
ニウム焼結体を製造した。ただし、実験Aにおいて、混
合粉末を窒素雰囲気中110℃で乾燥し、原料粉末を作
製した後に、この原料粉末を450℃で20時間熱処理
することによって仮焼し、仮焼物を粉砕して仮焼粉末を
得た。この仮焼粉末を、実験Aと同様にして成形および
焼成した。原料粉末の配合と焼成条件とは、表5に示す
ように変更した。得られた焼結体についての測定結果を
表5、表6に示す。
【0081】
【表5】
【0082】
【表6】
【0083】この結果から分かるように、本発明に従っ
て窒化アルミニウム結晶格子のa軸長、c軸長を制御す
ることで、室温、500℃,700℃において高い体積
抵抗率が得られる。
【0084】(実験C)比較例として、実験Aと同様に
して焼結体を製造した。ただし、原料粉末はAlN粉末
のみとし、BC粉末もイットリア粉末も添加しなかっ
た。焼成時の最高温度は1900℃とし、1900℃で
の保持時間は4時間とした。この結果、以下の測定結果
を得た。 室温での体積抵抗率 5.0×1012Ω・cm 500℃での体積抵抗率 2.0×10Ω・cm 曲げ強度 400 MPa 熱伝導率 96W/m・K a軸長 3.1117オングストローム c軸長 4.9783オングストローム 格子体積 41.743×10−24cm c/a
【0085】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、窒
化アルミニウム質セラミックスの体積抵抗率を上昇させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 EPMA による実施例1の試料中のB、C、O、
N、Yの分布を示す。
【図2】 EPMA による比較例5の試料中のB、C、O、
N、Yの分布を示す。
フロントページの続き Fターム(参考) 3K034 AA02 BA06 BA14 JA01 3K092 PP20 RF11 RF27 VV06 VV19 4G001 BA09 BA23 BA36 BB33 BB36 BB42 BC51 BC52 BD23 BD38 BE01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化アルミニウムの格子定数のa軸長が
    3.1120オングストローム以上、3.1200オン
    グストローム以下であり、c軸長が4.9810オング
    ストローム以上、4.9900オングストローム以下で
    あり、室温での体積抵抗率が1×1014Ω・cm以上
    であることを特徴とする、窒化アルミニウム質セラミッ
    クス。
  2. 【請求項2】窒化アルミニウムの格子定数のa軸長が
    3.1120オングストローム以上、3.1200オン
    グストローム以下であり、c軸長が4.9810オング
    ストローム以上、4.9900オングストローム以下で
    あり、500℃での体積抵抗率が1×10Ω・cm以
    上であることを特徴とする、窒化アルミニウム質セラミ
    ックス。
  3. 【請求項3】窒化アルミニウムの格子定数のa軸長が
    3.1120オングストローム以上、3.1200オン
    グストローム以下であり、c軸長が4.9810オング
    ストローム以上、4.9900オングストローム以下で
    あり、700℃での体積抵抗率が1×10Ω・cm以
    上であることを特徴とする、窒化アルミニウム質セラミ
    ックス。
  4. 【請求項4】窒化アルミニウムの格子定数のc軸長
    (c)のa軸長(a)に対する比率(c/a)が1.6
    000以下であることを特徴とする、請求項1〜3のい
    ずれか一つの請求項に記載の窒化アルミニウム質セラミ
    ックス。
  5. 【請求項5】窒化アルミニウムの格子体積が41.77
    〜42.07×10−2 cmであることを特徴とす
    る、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の窒化
    アルミニウム質セラミックス。
  6. 【請求項6】窒化アルミニウム粒子内固溶酸素量(d重
    量%)の前記窒化アルミニウム質セラミックスの炭素含
    有量(b重量%)に対する比率(d/b)が0.25以
    上、2.0以下であることを特徴とする、請求項1〜5
    のいずれか一つの請求項に記載の窒化アルミニウム質セ
    ラミックス。
  7. 【請求項7】アルカリ金属およびアルカリ土類金属の含
    有量が1wt%以下であることを特徴とする、請求項1
    〜6のいずれか一つの請求項に記載の窒化アルミニウム
    質セラミックス。
  8. 【請求項8】400℃以上の温度で使用されることを特
    徴とする、請求項1〜7のいずれか一つの請求項に記載
    の窒化アルミニウム質セラミックス。
  9. 【請求項9】焼結体であることを特徴とする、請求項1
    〜8のいずれか一つの請求項に記載の窒化アルミニウム
    質セラミックス。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれか一つの請求項に
    記載の窒化アルミニウム質セラミックスによって、少な
    くとも一部が構成されていることを特徴とする、半導体
    製造用部材。
  11. 【請求項11】前記窒化アルミニウム質セラミックスか
    らなる基材と、この基材中に埋設されている金属部材と
    を備えていることを特徴とする、請求項10記載の半導
    体製造用部材。
  12. 【請求項12】セラミックヒーターであることを特徴と
    する、請求項10または11記載の半導体製造用部材。
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