JP2003225730A - 深孔穿孔パンチ - Google Patents
深孔穿孔パンチInfo
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Abstract
減らすとともに、精度の良い深孔を加工出来るように
し、また、パンチの長寿命化が図れるようにする。 【解決手段】 冷間後方押出し用パンチ8の成形ランド
Aと逃げ部Cとの間に、成形ランドAより小径で且つ逃
げ部Cより大径のガイド部Bを設ける。この際、成形ラ
ンドAの直径をD(mm)、パンチ8の面圧をσ(kg/mm2)、
パンチ8のヤング率をE(kg/mm2)、パンチ8のポアソン
比をM、マージンをα(mm)とした場合に、ガイド部Bの
半径を、成形ランドAの半径よりδ1=0.005〜σ
DM/2E(mm)小さくし、また、逃げ部Cの半径を、成
形ランドAの径よりδ2=σDM/2E+α(mm)小さく
する。また、パンチにかかる側面荷重/下面荷重比を
n、塑性変形に伴い素材に生じる抵抗面圧をσ0(kg/m
m2)とした場合に、パンチ先端からガイド部B末端まで
の距離LをnπσD/4σ0(mm)とする。
Description
より素材に孔明け加工を行う際、パンチの自己ガイド性
を向上させ、パンチの長寿命化を図る技術に関する。
孔明け加工を行うような穿孔パンチとして、先端部から
基端部まで均一な径のパンチや、先端部に1〜5mm程
度の成形ランドを残し、それ以外の箇所を小径にして逃
げ部にしたようなパンチが知られている。
を穿設する場合、前者のように等径のパンチで加工する
と、摩擦抵抗が大きくなりすぎるという問題があり、後
者のように先端部の成形ランド以外の箇所を逃げ部にし
て素材に接触しないようにすると、自己ガイド性がなく
なって加工時に孔の曲りが生じやすくなり、また、パン
チが座屈しやすくなって早期破損を招き易くなるという
問題がある。
を減らすとともに、精度の良い深孔を加工出来るように
し、また、パンチの長寿命化が図れるようにすることを
目的とする。
本発明は、先端部に大径の成形ランドが形成され、基端
側に成形ランドより小径の逃げ部が形成される冷間後方
押出し用の深孔穿孔パンチにおいて、成形ランドと逃げ
部の間に、成形ランドより小径で且つ逃げ部より大径の
ガイド部を形成するようにした。
形ランドより小径で逃げ部より大径のガイド部を設け、
このガイド部を素材の成形孔に接触させることにより、
パンチの先端部を支持するようにすれば、パンチの両端
が支持された状態になり、自己ガイド性が向上して、孔
の曲りやパンチの剛性低下による座屈等を避けることが
できる。また、逃げ部ではパンチが素材に接触しないた
め、摩擦抵抗が増えすぎるような不具合がない。
径をD(mm)、パンチの面圧をσ(kg/mm2)、
パンチのヤング率をE(kg/mm2)、パンチのポア
ソン比をM、マージンをα(mm)とした場合に、ガイ
ド部の半径を、成形ランドの半径より0.005〜σD
M/2E(mm)小さい径にし、また、逃げ部の半径
を、成形ランドの径よりσDM/2E+α(mm)小さ
い径にするようにした。
は、パンチ先端面で素材を押圧しながら孔明けする際、
パンチの半径が横に膨らむ量であり、理論上、ガイド部
の半径が成形ランドの半径より丁度σDM/2E小さく
なるような値にすると、成形孔の径とガイド部の径が一
致することになる。このため、ガイド部の径は、σDM
/2E(mm)より小さく、また0.005(mm)よ
り大きい値とし、加工中、ガイド部が素材の成形孔に適
度な力で接触するようにして、パンチの倒れ防止や方向
性を持たせると同時に、大きな摩擦抵抗にならないよう
にする。ここで、0.005(mm)という値は経験値
であり、これ以下にすると、パンチのガイド性や方向性
が損なわれるような値である。また、逃げ部の径は、素
材Wの成形孔に接触させないため、σDM/2Eにマー
ジン量を勘案して、σDM/2E+α(mm)小さくす
る。このαも経験値等により決定する。
/下面荷重比をn、塑性変形に伴い素材に生じる抵抗面
圧をσ0(kg/mm2)とした場合に、パンチ先端から
ガイド部末端までの距離LをnπσD/4σ0(mm)
に設定し、nを0.3〜1にするようにした。ここでL
を長くし過ぎると、成形孔に接触するガイド部の接触領
域が増えて摩擦抵抗が増大し、Lを短くし過ぎると、成
形孔に接触するガイド部の接触領域が減って、パンチの
横ずれや方向性等を正しく規制することができない。こ
のため、上記式により適切な長さに設定する。
重比nが0.3〜1の範囲であると、加工中のパンチの
自己ガイド性が適切に得られ、しかも摩擦力も軽減出来
る。ここで、n=1は、パンチにかかる側面拘束荷重と
下面荷重が同一であることを意味し、nが1であると、
パンチを押し込む際にパンチの方向性を正しく規制でき
るものと思われるが、nを1以上にすると、パンチにか
かる側面拘束荷重が下面荷重より大きくなって、パンチ
の自己ガイド性の点からは無駄が生じるようになるとと
もに、摩擦抵抗が増えすぎて好ましくない。一方、n=
0.3は、パンチにかかる側面拘束荷重が下面荷重の3
割(約1/3)であることを意味し、nを0.3以下に
すると、側面拘束荷重が不足してパンチの自己ガイド性
が損なわれるようになる。このため、nを0.3〜1の
範囲に設定する。
した図面に基づき説明する。ここで図1は本発明に係る
深孔穿孔パンチが適用される鍛造型の一例を示す説明図
で、左半分は加工前の状態図、右半分は加工後の状態
図、図2はパンチの拡大図、図3はパンチ先端部の諸元
等を説明するための拡大図、図4はパンチの座屈荷重を
示す説明図である。
押出しにより素材に深孔を形成する際、一回の工程で精
度の良い深孔の穿孔が行われるようにしており、素材の
成形孔によりパンチの先端部をガイドしながら、両端支
持の状態で孔明け加工が出来るようにされている。
用される鍛造型1について説明すると、図1に示すよう
に、下型2の受圧板3によって支持されるダイス4に対
して、上型5の主ホルダ6に分割ホルダ7で保持される
パンチ8が上下動自在にされており、ダイス4の中央部
には、素材Wを収容するためのダイス孔9が設けられ、
このダイス孔9の上方の開口部10には、ガイドブッシ
ュ11が挿入自在にされるとともに、ダイス孔9の下方
の受圧板3には、カウンタノックアウトパンチ12が設
けられている。
8を挿通せしめてパンチ8外周部をガイドし得るような
ガイド孔が形成され、素材Wに孔が明けられるまでの当
初の間において、パンチ8の先端部をガイドして、パン
チ8の座屈限界を高めるようにしている。尚、上型5の
主ホルダ6の周囲には、安全カバー15が設けられてい
る。
大径の成形ランドAを備えており、この成形ランドAに
隣接して、成形ランドAよりやや小径のガイド部Bが形
成されるとともに、このガイド部Bに隣接して、ガイド
部Bより小径の逃げ部Cが形成されている。
嵌めによって逃げ部Cに嵌め込まれており、その内径
は、逃げ部Cの径より若干大きい径で、且つ、少なくと
も成形ランドAの外径より小さい径とされている。この
ため、ガイドブッシュ11は、逃げ部Cの外周部を摺動
自在にされ、また、パンチ8を引上げる際には、ガイド
ブッシュ11の内径が、ガイド部Bまたは成形ランドA
の端部に係合して、一緒に引上げられるようにしてい
る。
れる箇所は、図1に示すように、後方押出し加工の際
に、素材Wがせり上げる量を見越して、加工前の素材W
の上端面より若干上方の位置とし、この実施例では、最
終的に素材Wの後方押出し部分に押されてガイドブッシ
ュ11が僅かに持ち上げられるような位置としている。
尚、このガイドブッシュ11の位置は、最終的な素材W
の後方押出し部分に接触するような位置でなく、クリア
ランスをもって近接するような位置であっても良い。
口部10の内壁は、2〜10度程度の範囲で傾斜する外
開きの傾斜面としており、ガイドブッシュ11を引き抜
く際にも、円滑に引き抜くことが出来るようにするとと
もに、摩擦力によって開口部10に位置決めすることが
出来るようにしている。
いて、図3に基づき説明する。前記成形ランドAは、素
材Wにパンチ8を押し込んで孔明け加工を行う際、最初
に素材Wに当接して直接加工に携わる部分であり、通
常、先端面からの距離aが1〜5mm程度に設定される
が、本実施例の場合、2mmとしている。また、この成
形ランドAの直径Dは、本実施例の場合、26(mm)
程度としている。
パ部t1を介してガイド部Bが連なっており、このガイ
ド部Bは、素材Wに孔明け加工を行う際、成形孔に接触
してパンチ8をガイドする機能を持たせ、またガイドす
る際、過大な抵抗にならないようにしている。このた
め、ガイド部Bの径は、成形ランドの直径をD(m
m)、パンチ8の面圧をσ(kg/mm2)、パンチ8
のヤング率をE(kg/mm2)、パンチ8のポアソン
比をMとした場合、成形ランドAの径に較べて、片側で
δ1=0.005〜σDM/2E(mm)小さい径にし
ている。また、パンチ先端面からガイド部B基端側まで
の距離L(mm)は、パンチにかかる側面荷重/下面荷
重比をn、塑性変形に伴い素材Wに生じる抵抗面圧をσ
0(kg/mm2)とした場合に、L=nπσD/4σ0
(mm)の位置に設定し、nを0.3〜1にしている。
m)という値は、パンチに軸方向荷重が加わった際、パ
ンチが径方向に膨らむ量であり、δ1をこれより少なく
することにより、加工中、ガイド部Bの外周部が素材W
の成形孔に対して、適度の力で接触するようにし、また
ガイド部Bの接触面積に関与するLの長さを上記値に設
定することで、パンチの自己ガイド性を向上させるよう
にしている。因みに、本実施例では、δ1を0.05
(mm)程度とし、Lを30(mm)程度としている。
t2を介して逃げ部Cが連なっており、この逃げ部Cで
は、外周部が素材Wの成形孔に接触しないようにするこ
とで、パンチ8の摩擦抵抗を減少させるようにしてい
る。そしてこの逃げ部Cの径は、ガイド部Bの径よりも
小さくなるようにし、成形ランドAの径に較べて、片側
でδ2=σDM/2E+α(mm)小さい径にしてい
る。因みに、本実施例では、δ2を0.1(mm)程度
にすることにより、逃げ部Cの径を25.8(mm)程
度にしている。
について説明する。上型5を上昇させた状態で、ダイス
4のダイス孔9に素材Wを投入し、ガイドブッシュ11
をダイス孔9入口の開口部10に挿入する。そして、パ
ンチ8の先端が素材W上面に達して加工が開始される時
点では、ガイドブッシュ11によりパンチ8の先端部付
近が支持されるようにしており、パンチ8の両端を支持
した状態で座屈限界を高めた状態で加工が開始されるよ
うにしている。
設加工するが、パンチ8の先端部が素材Wに明けられた
成形孔の内部に入り込むようになると、パンチ8の先端
部はガイド部Bによって素材Wにガイドされるようにな
り、両端支持の状態が継続し、パンチ8の座屈限界は低
下せず、深孔を穿設することができる。また、逃げ部C
では、その外周部が素材Wの成形孔に接触せず、摩擦抵
抗が増大するような不具合はない。
を、オイラーの座屈応力の計算式と、材料自体の限界応
力の組み合わせから求めたものである。すなわち、孔径
をD、孔の深さをLとした場合、L/D=3、5、7の
各孔を穿設するため、片持ちのパンチで穿設する場合
と、両端支持のパンチで穿設する場合の構造上(片持ち
式、または両端支持式)の座屈応力(σcr)と、材料自
体の座屈応力(σcr)を組合せると、例えば、高速度鋼
の片持ち式のパンチでL/D=3の孔を穿設する場合、
構造上の座屈応力が310kg/mm2で、材料自体の
座屈応力が300kg/mm2であるため、低い値の3
00kg/mm2が限界値となり、高速度鋼の片持ち式
のパンチでL/D=7の孔を穿設する場合、構造上の座
屈応力が57kg/mm2で、材料自体の座屈応力が3
00kg/mm2であるため、低い値の57kg/mm2
が限界値となる。
チでL/D=7の孔を穿設する場合、構造上の座屈応力
が390kg/mm2で、材料自体の座屈応力が300
kg/mm2であるため、低い値の300kg/mm2が
限界値となる。また、超硬の両端支持式のパンチでL/
D=7の孔を穿設する場合、構造上の座屈応力が790
kg/mm2で、材料自体の座屈応力が500kg/m
m2であるため、低い値の500kg/mm2が限界値に
なる。すなわち、高速度鋼、超硬いずれのパンチの場合
も、L/D=7程度までの深さの孔であれば、両端支持
式のパンチにより、材料自体の座屈応力まで高めること
が出来る。
て座屈限界の向上や、パンチの長寿命化が図れることが
明らかであり、また、自己ガイド性の向上によって、加
工精度の向上も図れる。
されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載し
た事項と実質的に同一の構成を有し、同一の効果を奏す
るものは本発明の技術的範囲に属する。
チは、パンチの成形ランドと逃げ部との間に、成形ラン
ドより小径で且つ逃げ部より大径のガイド部を形成する
ようにしたため、素材に孔明け加工を実施中、パンチの
両端が支持された状態になり、孔の曲りやパンチの剛性
低下による座屈等の不具合を避けることができる。この
際、ガイド部の径と逃げ部の径を所定範囲にすることに
より、摩擦抵抗を増大させることなく、しかも適切にガ
イドされるようになる。また、ガイド部の長さを所定の
範囲に設定すればより好適である。
型の一例を示す説明図で、左半分は加工前の状態図、右
半分は加工後の状態図
部、C…逃げ部。
Claims (3)
- 【請求項1】 先端部に大径の成形ランドが形成され、
基端側に成形ランドより小径の逃げ部が形成される冷間
後方押出し用の深孔穿孔パンチであって、前記成形ラン
ドと逃げ部の間に、成形ランドより小径で且つ逃げ部よ
り大径のガイド部が形成されることを特徴とする深孔穿
孔パンチ。 - 【請求項2】 パンチの成形ランドの直径をD(m
m)、パンチの面圧をσ(kg/mm2)、パンチのヤ
ング率をE(kg/mm2)、パンチのポアソン比を
M、マージンをα(mm)とした場合に、前記ガイド部
の半径を、成形ランドの半径より0.005〜σDM/
2E(mm)小さい径にし、また、前記逃げ部の半径
を、成形ランドの径よりσDM/2E+α(mm)小さ
い径にしたことを特徴とする請求項1に記載の深孔穿孔
パンチ。 - 【請求項3】 パンチにかかる側面荷重/下面荷重比を
n、塑性変形に伴い素材に生じる抵抗面圧をσ0(kg
/mm2)とした場合に、パンチ先端からガイド部末端
までの距離LをnπσD/4σ0(mm)に設定し、n
を0.3〜1にすることを特徴とする請求項1又は請求
項2に記載の深孔穿孔パンチ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002025873A JP3853226B2 (ja) | 2002-02-01 | 2002-02-01 | 深孔穿孔パンチ |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2002025873A JP3853226B2 (ja) | 2002-02-01 | 2002-02-01 | 深孔穿孔パンチ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003225730A true JP2003225730A (ja) | 2003-08-12 |
JP3853226B2 JP3853226B2 (ja) | 2006-12-06 |
Family
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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---|---|
JP (1) | JP3853226B2 (ja) |
-
2002
- 2002-02-01 JP JP2002025873A patent/JP3853226B2/ja not_active Expired - Fee Related
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