JP2003225545A - 水素ガスの選択的透過装置 - Google Patents

水素ガスの選択的透過装置

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JP2003225545A JP2002028155A JP2002028155A JP2003225545A JP 2003225545 A JP2003225545 A JP 2003225545A JP 2002028155 A JP2002028155 A JP 2002028155A JP 2002028155 A JP2002028155 A JP 2002028155A JP 2003225545 A JP2003225545 A JP 2003225545A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸収式冷凍機等密閉空間内で発生する水素ガ
スを能率的に外部へ放出させる。 【解決手段】 凝縮器9に開放窓94を設ける。この窓
94を覆うように水素透過フィルタとしてのパラジウム
薄膜21およびシール部材22,23を設ける。水素透
過手段を薄膜とすることにより大きい水素処理能力が得
られる。シール部材23はビード形状として、締め付け
られたときに、点や線でなく面で薄膜21に当接できる
ようにする。薄膜21およびシール部材22,23を単
純形状にして製造の容易化とシールの確実性を高める。
シール部材22の外側には、パネル状のヒータ25が配
置され、均一に水素透過フィルタが加熱できるようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素ガスの選択的
透過装置に関し、特に、機械装置の運転に伴って発生す
る不凝縮水素ガスを機械装置外へ排出する場合等に用い
ることができる水素ガスの選択的透過装置に関する。
【0002】
【従来の技術】吸収式冷凍サイクルで運転される吸収式
冷凍装置が知られる。例えば、特公平6−97127号
公報には、冷房運転、ヒートポンプ運転による暖房、お
よび直火焚き(ボイラ)運転による暖房という3つのモ
ードで運転できるようにした吸収式冷温水機が開示され
ている。吸収冷凍サイクルは高真空下で行われることか
ら、冷媒中の成分と冷媒流路を形成している金属材料お
よび腐食抑制剤との接触反応によって、ごく微量の水素
ガス等の不凝縮ガスが発生する。この不凝縮ガスは高い
真空度を維持すべき構成部分である吸収器、蒸発器等の
真空度を低下させ、冷暖房の運転効率を著しく低下させ
ることが知られている。したがって、この不凝縮ガスを
機外に放出するメンテナンスが一定期間毎に必要となっ
ていた。
【0003】パラジウムが水素ガスを選択的に透過する
機能を有することに着目して、パラジウム或いはパラジ
ウム合金よりなる水素放出管を備えた水素ガス排出装置
が提案されている(特開平5−9001号公報、特開平
5−79728号公報)。特に、特開平5−79728
号公報の装置では、水素放出管をコイル状に形成して水
素ガス透過面積を大きくする工夫がなされている。
【0004】しかし、これらの従来装置では、パラジウ
ム等を管状に成型したり、さらにそれをコイル状に加工
したりするので、手間がかかるうえ、比較的高価なパラ
ジウムの歩留まりが低くなるという問題点があった。
【0005】これに対して、平板状のパラジウム水素透
過部材を、不凝縮ガスタンクに連通する管の一端にろう
付けした装置が提案されている(特開平11−2812
09号公報)。この装置によれば、パラジウムよりなる
水素透過部材を単純な平板形状にしたので、成型や加工
上の問題点が解消されるうえ、ろう付けにより高い機密
性を確保することもできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記平板状の水素透過
部材を用いた装置には依然として解決すべき問題点があ
る。パラジウムの水素処理能力つまり水素ガスの透過量
はパラジウムの厚さが大きくなるほど低減する。したが
って、所望の透過量を得るためには、パラジウムで製作
される水素透過部材の厚みを小さくすることが望まし
い。
【0007】しかしながら、ろう付けにより密封固定さ
せるためには、製造工程上薄型化が極めて難しいという
問題がある。特に、数10μm程度の薄膜(箔)にして
使用できれば、大きい水素処理能力が期待できるが、こ
のような箔を気密を維持した状態で機械的手段を用いて
取り付ける場合、機械的締め付け部の応力集中が大きく
なること、および薄膜の取り扱いにくさによる組立能率
の低下などが問題となる。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑み、大きい水素
処理能力を有する水素透過部材を、気密を維持した状態
で能率的に被取付箇所へ装着することができる水素ガス
の選択的透過装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決し、目
的を達成するための本発明は、密閉された空間内の流体
のうち水素ガスを透過させて該空間から外部に排出する
水素ガスの選択透過装置において、パラジウムもしくは
パラジウム合金の薄膜および該薄膜の両側に配置される
1対のメッシュ付きシール部材からなる水素透過フィル
タを備え、前記水素透過フィルタが、前記空間に設けら
れる開放窓および該開放窓の周縁領域を覆うように、該
密閉空間の外側に密着して配置されている点に第1の特
徴がある。
【0010】第1の特徴によれば、密閉空間の開放窓の
周縁はシール部材によって密封される。そして、流体の
うち水素ガスのみはパラジウムもしくはパラジウム合金
の薄膜を透過して密閉空間の外部に排出される。特に、
パラジウムもしくはパラジウム合金を薄膜とすることに
より、大きい水素ガス透過能力を発揮させることができ
る。
【0011】また、本発明は、前記シール部材が、板状
でありかつ中心領域および該中心領域に対して段差を有
する周縁領域からなるとともに、前記シール部材の前記
段差を含む周縁領域の形状に適合させた環状の固定部材
と、該固定部材を介して前記水素透過フィルタを前記空
間を規定する部材の外側に締め付け固定する締め付け手
段とを具備した点に第2の特徴がある。
【0012】第2の特徴によれば、シール部材はビード
形状に形成されているので、固定部材を介して締め付け
手段で締め付けられることにより、点ではなく、広い面
で前記水素透過フィルタを押さえることができる。した
がって、薄膜に対する応力集中を小さくして薄膜の寿命
を長くすることができる。
【0013】また、本発明は、前記シール部材が、ステ
ンレス鋼の薄板であり、少なくとも前記段差を含む周縁
領域にはシール用コーティングが施されている点に第3
の特徴がある。第3の特徴によれば、コーティングによ
り密封機能をさらに高めることができる また、本発明は、前記1対のシール部材のうち外側のシ
ール部材に当接配置されるパネル状のヒータ手段を備
え、前記ヒータ手段が、前記固定部材と共に前記締め付
け部材で固定される点に第4の特徴がある。第4の特徴
によれば、パネル状ヒータ手段の熱がシール部材を介し
て前記薄膜に伝達されるので、均一で効率の良い加熱が
可能である。
【0014】さらに、本発明は、前記空間が、蒸発器、
吸収器、再生器、凝縮器等、吸収式冷凍装置内の冷媒循
環経路を形成する空間であり、前記開放窓が、冷媒蒸気
の開放部である点に第5の特徴があり、特に、前記開放
窓が前記凝縮器に形成されている点に第6の特徴があ
る。
【0015】第5および第6の特徴によれば、吸収式冷
凍装置内で発生して冷媒蒸気内に含まれる水素ガスを冷
媒蒸気から抽出して吸収式冷凍装置の外部に排出するこ
とができる。特に第6の特徴によれば、水素ガスが滞留
しやすい凝縮器に形成される開放窓に設けられる水素透
過フィルタで能率的に冷媒蒸気から水素ガスを除去する
ことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明を
詳細に説明する。図8は本発明の一実施形態に係る水素
ガスの選択的透過装置を水素ガス除去装置として備える
吸収式冷凍機の要部構成を示す系統ブロック図である。
吸収式冷凍機の一実施態様として吸収式冷暖房装置を想
定する。蒸発器1には冷媒としてトリフルオロエタノー
ル(TFE)等のフッ化アルコールが、吸収器2には吸
収剤を含む溶液としてDMI(ジメチルイミダゾリジノ
ン)が収容されている。前記冷媒はフッ化アルコールに
限らず非凍結範囲が広くとれるものであればよい。溶液
についてはDMIに限らず非結晶範囲が広く取れるもの
であり、TFEつまり冷媒よりも高い常圧沸点を有し、
冷媒を吸収しうる吸収剤であればよい。
【0017】蒸発器1と吸収器2とは、蒸発(冷媒)通
路を介して互いに流体的に連結されており、これら蒸発
器1および吸収器2を、例えば30mmHg程度の低圧環
境下に保持すると蒸発器1内の冷媒が蒸発し、この冷媒
蒸気は前記蒸発通路を介して吸収器2内に入る。吸収器
2内では吸収剤溶液が冷媒蒸気を吸収して吸収冷凍動作
が行われる。蒸発通路には、冷媒蒸気中に残存するミス
ト(霧状の冷媒)を加熱して蒸気化させるとともに、凝
縮器9から送給される冷媒の温度を下げる働きをする予
冷器18が設けられる。
【0018】バーナ7が点火されると、再生器3によっ
て吸収器2内の溶液濃度が高められる(バーナおよび再
生器ならびに溶液濃縮については後述する)。吸収器2
内の高濃度溶液が冷媒蒸気を吸収すると蒸発器1内の冷
媒が蒸発し、その蒸発時の潜熱によって蒸発器1内が冷
却される。蒸発器1には冷水が通過する管路1aが通っ
ている。管路1aを流れる冷水としてはエチレングレコ
ール又はプロピレングレコール水溶液を使用するのが好
ましい。管路1aの一端(図では出口端)は第1の四方
弁V1の#1開口に、その他端(図では入口端)は第2
の四方弁V2の#1開口にそれぞれ連結される。
【0019】冷媒はポンプP1によって蒸発器1内に設
けられた散布手段1bに導かれ、冷水が通過している管
路1a上に散布される。冷媒は管路1a内の冷水から蒸
発熱を奪って冷媒蒸気となり、冷媒で熱を奪われた管路
1a内の冷水はその温度が降下する。冷媒蒸気は前記蒸
発通路を通って吸収器2に流入する。蒸発器1内の冷媒
は散布手段1bに導かれるほか、その一部はフィルタ4
を通って精留器6にも給送される。蒸発器1とフィルタ
4との間には流量調節弁V5が設けられている。
【0020】前記フッ化アルコールの蒸気つまり冷媒蒸
気が吸収器2の溶液に吸収されると、吸収熱によって該
溶液の温度は上昇する。溶液の吸収能力は該溶液の温度
が低いほど、また、溶液濃度が高いほど大きい。そこ
で、該溶液の温度上昇を抑制するため、吸収器2の内部
には冷却水が通る管路2aが設けられる。管路2aの一
端(図では出口端)は凝縮器9内を通した後、ポンプP
3を介して第1の四方弁V1の#2開口に、管路2aの
他端(図では入口端)は第2の四方弁V2の#2開口に
それぞれ連結される。管路2aを通過する冷却水とし
て、前記冷水と同じ水溶液を使用する。
【0021】溶液はポンプP2によって吸収器2内に設
けられた散布手段2bに導かれ、管路2a上に散布され
る。その結果、溶液は管路2aを通っている冷却水で冷
却される。一方、冷却水は熱を吸収するのでその温度が
上昇する。吸収器2内の溶液が冷媒蒸気を吸収し、その
吸収剤濃度が低下すると吸収能力が低下する。そこで、
再生器3および精留器6によって吸収剤溶液から冷媒蒸
気を分離発生させることにより、溶液の濃度を高めて吸
収能力を回復させる。
【0022】吸収器2で冷媒蒸気を吸収して希釈された
溶液つまり希液は前記散布手段2bに導かれるほか、ポ
ンプP2により管路7bを通じて精留器6に給送され再
生器3へと流下する。ポンプP2と再生器3とをつなぐ
管路7bには開閉弁V3が設けられている。再生器3に
は吸収器2から供給される希液を加熱するバーナ7が設
けられている。バーナ7はガスバーナが好ましいが、他
の型式のどのような加熱手段であってもよい。
【0023】再生器3で加熱され、冷媒蒸気が抽出され
て濃度が高められた溶液(濃液)は、管路7aを通って
吸収器2に戻される。管路7a上には開閉弁V4が設け
られている。濃液は散布手段2cによって管路2a上に
散布される。
【0024】再生器3に給送された希液がバーナ7で加
熱されると、冷媒蒸気が発生する。この冷媒蒸気に混入
された吸収剤溶液は精留器6で分離され、より一層純度
を高められた冷媒蒸気が凝縮器9へ給送される。冷媒蒸
気は凝縮器9で冷却されて凝縮液化され、前記予冷器1
8、減圧弁11を経由して蒸発器1に戻される。この冷
媒は管路1a上に散布される。
【0025】凝縮器9から蒸発器1に供給される蒸気の
純度は極めて高くなってはいるが、還流冷媒中にごくわ
ずかに混在する吸収剤成分が長時間の運転サイクルによ
って蓄積し、蒸発器1内の冷媒の純度が徐々に低下する
ことは避けられない。蒸発器1から冷媒のごく一部をフ
ィルタ4を介して精留器6に給送し、再生器3から生じ
る冷媒蒸気と共に再び純度を上げるためのサイクルを経
るようにすることによって冷媒純度の低下が抑制され
る。
【0026】再生器3から出た管路7a中の高温濃液
は、吸収器2と精留器6を連結する管路の中間に設けら
れた熱交換器12により、吸収器2から出た希液と熱交
換して冷却された後、吸収器2内に散布される。一方、
熱交換器12で予備的に加熱された希液は精留器6へ給
送される。こうして熱効率の向上が図られているが、さ
らに、還流される前記濃液の熱を吸収器2または凝縮器
9から出た管路2a内の冷却水に伝達するための熱交換
器(図示せず)を設けることにより、吸収器2に還流さ
れる濃液の温度をより一層低下させ、冷却水温度はさら
に上げることができるような構成をとってもよい。
【0027】前記冷水または冷却水を外気と熱交換する
ための顕熱交換器14には管路4a、室内機15には管
路3aが設けられている。管路3a、4aの各一端(図
では入口端)は第1の四方弁V1の#3および#4開口
に、その他端(図では出口端)は第2の四方弁V2の#
3および#4開口にそれぞれ連結される。室内機15は
冷暖房を行う室内に備えられるもので、冷風または温風
の吹出し用ファン(両者は共通)10と吹出し出口(図
示せず)とが設けられる。前記顕熱交換器14は室外に
置かれ、ファン19で強制的に外気との熱交換が行われ
る。
【0028】蒸発器1には冷媒の量を感知するレベルセ
ンサL1、冷媒の温度を感知する温度センサT1、およ
び蒸発器1内の圧力を感知する圧力センサPS1が設け
られている。吸収器2には溶液の量を感知するレベルセ
ンサL2が設けられている。凝縮器9には、凝縮した冷
媒の量を感知するレベルセンサL9、冷媒の温度を感知
する温度センサT9、および凝縮器9内の圧力を感知す
る圧力センサPS9が設けられている。顕熱交換機1
4、再生器3、および室内機15にはそれぞれ温度セン
サT14、T3およびT15が設けられている。顕熱交
換機14の温度センサT14は外気温度を感知し、室内
機15の温度センサT15は冷暖房をする室内の温度を
感知する。また、再生器3の温度センサT3は溶液の温
度を感知する。
【0029】冷房運転時には、第1の四方弁V1および
第2の四方弁V2を切り替え、それぞれの#1および#
3開口を連通させる一方で、#2および#4開口を連通
させる。この切り替えにより、冷媒が散布されて温度が
下げられた冷水が室内機15の管路3aへ導かれて室内
の冷房が行われる。
【0030】一方、暖房運転時には、前記第1の四方弁
V1および第2の四方弁V2を切り替え、それぞれの#
1および#4開口を連通させ、#2および#3開口を連
通させる。この切り替えにより、暖められた冷却水が室
内機15の管路3aへ導かれて室内の暖房が行われる。
【0031】暖房運転時に、外気温度が極端に低くなる
と、顕熱交換器14を介して外気から熱を汲み上げ難く
なり、暖房能力が低下する。このようなときのために、
凝縮器9と再生器3(または精留器6)との間をバイパ
スする環流通路9aおよび開閉弁17を設けている。す
なわち、外気からの熱の汲み上げが困難なときには、吸
収冷凍サイクル運転は停止して、再生器3で発生した蒸
気を凝縮器9との間で環流させ、バーナ7による加熱熱
量を凝縮器9内で効率よく管路2a内の冷却水に伝導さ
せられる直火焚き運転により前記冷却水を昇温させて暖
房能力を向上させる。
【0032】続いて、上記冷暖房装置に設けられる水素
ガス除去装置について説明する。図3は水素ガス除去装
置が取り付けられる凝縮器の斜視図である。凝縮器9は
凝縮した冷媒を溜める膨出部91を有する略直方体の筺
体であり、膨出部91を下方にして横長に配置される。
凝縮器9の長手方向の一側面は、連結用のフランジ92
を有する連結部93を介して精留器6の頂部と結合され
る。連結部93は精留器6および凝縮器9間で流体の交
流が可能な管継手を構成する。
【0033】連結部93が設けられる側とは反対側寄り
の正面には、開口(開放窓)94が設けられる。開放窓
94の周囲には詳細を後述する水素ガス除去装置を取り
付けるための座面941が設けられ、この座面941に
は取り付け用のねじ孔942が複数(ここでは6個)形
成される。開放窓94は水素ガス除去装置によって塞が
れる。
【0034】凝縮器9の正面には、凝縮器9内に設けら
れる図示しない熱交換器を貫通する管の端部2eが突出
している。この管端部2eは冷却水の管路2aに結合さ
れる。前記連結部93が設けられる側とは反対側の側面
には管継手9fが設けられる。この管継手9fは冷媒を
蒸発器1に給送するための管路9bに連結される。前記
膨出部91の下面には、冷媒を精留器9に環流させる環
流通路9aと連結される管継手9gが設けられる。
【0035】図1は、水素ガス除去装置の分解図、図2
は水素ガス除去装置を取り付けた状態を示す凝縮器の要
部断面図である。図1において、水素ガス除去装置20
は、水素透過薄膜21ならびに水素透過薄膜21の両側
(図中上下)に配置される外側シール部材22および内
側シール部材23からなる水素透過フィルタを含む。外
側シール部材22の外側つまり凝縮器9の表面から遠い
側には固定用部材24が配置される。水素透過薄膜21
を含むこれらの部材は、パネル状のヒータ25とともに
板ばね26を介して、ボルト27により凝縮器9の座面
941に一括して取り付けられる。板ばね26およびボ
ルト27は水素透過フィルタの締め付け手段を構成す
る。
【0036】水素透過薄膜21は水素ガスを透過するこ
とができるパラジウムもしくはパラジウムを含む合金か
らなる薄膜(箔)であり、例えば、厚さは10〜30μ
mである。シール部材22,23は略円形の金属薄板、
例えばステンレス鋼の薄板であり、中心部つまり水素透
過薄膜21に対向する領域には多数の小孔が穿たれてメ
ッシュを形成している。シール部材22,23はその中
心部にメッシュを有して水素ガスを通過可能にする一
方、その周縁部分は、当接する隣接部材との間の気密を
高めるため、ボルト27用の貫通孔以外は孔や凹凸がな
い滑らかな表面に仕上げられる。
【0037】シール部材22,23のうち一方(この例
ではシール部材23)は、周縁部が中心部に対して段差
を有する形状(ビード形状)であり、段差部231を有
する。シール部材23は、固定用部材24が取り付けら
れて座面941に押圧されたときに段差部231が撓ん
で一平面となるように変形する。その結果、水素透過薄
膜21はシール部材22,23により比較的広い面で支
持されて高い気密程度を有することができるとともに、
運転中の凝縮器9内部の圧力変動に対して支持部の特定
部分への局部的な応力の集中を受けることが回避され
る。すなわち、水素透過薄膜21は、圧力変動によるシ
ール部材22,23の動きによる機械的ストレスを受け
ることが少ない。さらに、シール部材22,23は、気
密機能を一層高めるため、表面にコーティング、例え
ば、30〜40μmの錫メッキを施すのがよい。
【0038】固定用部材24は環状であり、中央部に円
形パネル状のヒータ25が収まるように環状の内径が決
定される。板ばね26は、各ボルト27毎または複数の
ボルト27単位に設けられた小片であってもよいし、組
立状態でヒータ25の周縁付近に係合できるよう、ヒー
タ25の外周より小さい内径を有する環状に形成された
ものであってもよい。
【0039】シール部材22,23、固定用部材24、
板ばね26の周縁部近傍には、ボルト27が貫通可能な
ように孔が形成される。ボルト27は座面941に設け
られたねじ孔942の数に合わせた個数、つまり6本用
意され、同様にシール部材22,23等の孔も6個形成
される。
【0040】図2に示すように、水素ガス除去装置20
はボルト27をねじ孔942に螺合させることによって
凝縮器9の座面941に密着し、凝縮器9から外面への
突出量は小さくコンパクトに装着される。凝縮器9内で
発生する水素ガスはシール部材のメッシュを通して機外
に排出されるとともに、シール部材22,23の気密作
用により凝縮器9内は所定の真空度に維持される。
【0041】図4は外側シール部材の正面図である。シ
ール部材22の中心領域S1(網目模様で表示)がメッ
シュ領域であり、このメッシュ領域S1には、例えば直
径0.5mmの小孔が多数設けられる。そして、このメ
ッシュ領域S1の外周の気密領域(気密を保持する機能
を持たせた平滑表面領域)にはボルト孔271が6カ所
設けられる。
【0042】図5は内側シール部材の正面図、図6はA
−A位置の拡大断面図である。シール部材23の中心領
域S2はシール部材22と同様、メッシュ領域である
が、このメッシュ領域S2は、リブ領域232によって
区切られた小さいメッシュ領域からなる。シール部材2
3は凝縮器9内の負圧により凝縮器9側に撓むような力
を受ける。そこで、この力による撓みを抑制するため小
孔がないリブ領域232を設けて強度を維持させてい
る。したがって、負圧の影響が少ない外側のシール部材
22にはリブを設けていない。メッシュ領域S2の外周
の気密領域にはボルト孔272が6カ所設けられる。
【0043】シール部材23の段差部231の段差Dは
シール部材23の板厚tと同じ程度(例えば0.2m
m)とし、勾配面の長さIは例えば1.5mmとする。
シール部材22,23には、全体にコーティングを設け
るのがよいが、少なくともシール部材22,23の中心
領域つまりメッシュ領域S1,S2を除いた部分とする
のがよい。例えば、シール部材23では、段差部231
を含む範囲Pに錫メッキが施される(図6参照)。外側
シール部材22および内側シール部材23は、単純な形
状であるため、プレス加工やエッチング加工により容易
に加工できる。
【0044】図7は固定用部材の平面図である。固定用
部材24は単純な環状板であり、前記ねじ孔942に対
応する孔273が6カ所に設けられる。
【0045】上記構成により、吸収式冷凍装置内の冷媒
蒸気は、凝縮器9の開放窓94を通じて開放されようと
するが、該開放窓94を封止している水素透過フィルタ
20の作用により、水素ガスのみが選択的に透過されて
凝縮器9の外部に排出される。すなわち、冷媒蒸気は内
側シール部材23のメッシュ領域S2を通過し、このう
ち水素ガスだけが水素透過薄膜21を透過する。そし
て、この水素ガスは外側シール部材22のメッシュ領域
S1を通過し、さらにヒータ25と外側シール部材22
の間を通過して外部に排出される。
【0046】外側シール部材22には、ヒータ25が当
接しているので、このヒータ25の熱は外側シール部材
22を介して水素透過薄膜21に容易に伝達される。し
たがって、熱効率がよいし、パネル状のヒータ25の広
い面を介して熱伝搬されるので、水素透過薄膜21を均
一に加熱することもできる。
【0047】本実施形態では、吸収式冷凍装置内の冷媒
蒸気から水素ガスを選択的に透過させて外部に放出する
水素ガス除去装置としての水素ガスの選択透過装置を説
明した。しかし、本発明は、このような適用範囲に限ら
ず、水素ガスを含む気体が発生する空間ないし該気体が
密封された空間から選択的に水素ガスを抽出するプロセ
ス装置に広く適用することができる。
【0048】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1〜請求項4の発明によれば、密閉された空間内の水素
ガスを、水素透過能力が高められるパラジウムもしくは
パラジウム合金の薄膜を使用して能率的に抽出すること
ができまた、高価なパラジウム材料を大幅削減すること
ができる。特に、シール部材は薄膜であり薄板化し、か
つ形状が単純であるため、シール性能のばらつきを押さ
えることができる。また、シール部材は製造容易な薄板
単純形状であるため、プレス加工やエッチング加工が容
易であり、製造コストの低減を図ることができる。さら
に、請求項2の発明によれば、ビード形状のシール部材
により薄膜に対する局部的な応力集中を回避して長寿命
化を図ることができるし、密閉空間と外部との所定の圧
力差に対し、メッシュの密度を調整して対応することが
できる。
【0049】また、請求項3の発明によれば、密閉され
た空間と外部とのシール性能をより高めることができ
る。請求項4の発明によれば、水素ガスを透過させる薄
膜を能率的に、しかも均一に加熱することができるの
で、水素透過能力を高めることができる。
【0050】さらに、請求項5および請求項6の発明に
よれば、吸収式冷凍装置内で発生する水素ガスを能率的
に排出することができるので、水素ガスの増加を防いで
吸収式冷凍装置内の圧力を所定の真空度に維持すること
ができる。特に、請求項6の発明によれば、冷媒蒸気が
凝縮液化する最終地点であることから水素ガスが滞留し
やすい凝縮器で能率的に水素ガスを除去することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 水素ガス除去装置の分解図である。
【図2】 水素ガス除去装置を組み付けた凝縮器の断面
図である。
【図3】 水素ガス除去装置を取り付ける凝縮器の斜視
図である。
【図4】 外側シール部材の正面図である。
【図5】 内側シール部材の正面図である。
【図6】 内側シール部材のA−A断面図である。
【図7】 固定部材の正面図である。
【図8】 本発明の一実施形態に係る水素ガス除去装置
を含む吸収式冷暖房装置の構成を示す系統図である。
【符号の説明】
1…蒸発器、 2…吸収器、 3…再生器、 9…凝縮
器、 14…顕熱交換器、 15…室内機、 19…フ
ァン、 20…水素ガス除去装置、 21…水素透過薄
膜、 22…外側シール部材、 23…内側シール部
材、 24…固定部材、 25…ヒータ、 26…板ば
ね、 27…ボルト、 94…開放窓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸田 茂 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 茅沼 秀高 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 4D006 GA41 MA03 MC02 PA04 PB19 PB66

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉された空間内の流体のうち水素ガス
    を透過させて該空間から外部に排出する水素ガスの選択
    透過装置において、 パラジウムもしくはパラジウム合金の薄膜および該薄膜
    の両側に配置される1対のメッシュ付きシール部材から
    なる水素透過フィルタを備え、 前記水素透過フィルタが、前記空間に設けられる開放窓
    および該開放窓の周縁領域を覆うように、該密閉空間の
    外側に密着して配置されていることを特徴とする水素ガ
    スの選択的透過装置。
  2. 【請求項2】 前記シール部材が、板状でありかつ中心
    領域および該中心領域に対して段差を有する周縁領域か
    らなるとともに、 前記シール部材の前記段差を含む周縁領域の形状に適合
    させた環状の固定部材と、 該固定部材を介して前記水素透過フィルタを前記空間を
    規定する部材の外側に締め付け固定する締め付け手段と
    を具備したことを特徴とする請求項1記載の水素ガスの
    選択的透過装置。
  3. 【請求項3】 前記シール部材が、ステンレス鋼の薄板
    であり、少なくとも前記段差を含む周縁領域にはシール
    用コーティングが施されていることを特徴とする請求項
    1または2記載の水素ガスの選択的透過装置。
  4. 【請求項4】 前記1対のシール部材のうち外側のシー
    ル部材に当接配置されるパネル状のヒータ手段を備え、 前記ヒータ手段が、前記固定部材と共に前記締め付け部
    材で前記空間を規定する部材に固定されることを特徴と
    する請求項2または3記載の水素ガスの選択的透過装
    置。
  5. 【請求項5】 前記空間が、冷媒を収容する蒸発器と、
    該蒸発器で発生した冷媒蒸気を吸収剤溶液で吸収する吸
    収器と、前記吸収剤溶液の吸収剤濃度を回復させるため
    前記吸収剤溶液を加熱して冷媒蒸気を抽出する再生器
    と、該再生器で抽出された冷媒蒸気を凝縮させて前記蒸
    発器へ供給する凝縮器と、これらを連結する管路とを含
    む吸収冷凍装置内の部材内空間であり、 前記開放窓が、冷媒蒸気の開放部であることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の水素ガスの選択的透
    過装置。
  6. 【請求項6】 前記開放窓が前記凝縮器に形成されてい
    ることを特徴とする請求項5記載の水素ガスの選択的透
    過装置。
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