JP2000337732A - アンモニア吸収式冷凍装置 - Google Patents

アンモニア吸収式冷凍装置

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JP2000337732A
JP2000337732A JP11142458A JP14245899A JP2000337732A JP 2000337732 A JP2000337732 A JP 2000337732A JP 11142458 A JP11142458 A JP 11142458A JP 14245899 A JP14245899 A JP 14245899A JP 2000337732 A JP2000337732 A JP 2000337732A
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憲利 矢川
Tetsuya Matsugami
哲也 松上
Toshitaka Takei
俊孝 武居
Tadahiko Yamamoto
忠彦 山本
Takaya Ishiguro
貴也 石黒
Koichi Yasuo
晃一 安尾
Katsuhiro Kawabata
克宏 川端
Keisuke Tanimoto
啓介 谷本
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    • Y02B30/62Absorption based systems

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンモニア吸収式冷凍装置のコンパクト化を
図る。 【解決手段】 横置きシェル・アンド・チューブ型の吸
収器25では、伝熱管の細径化および高性能化によっ
て、伝熱管群の占める断面積を大幅に縮小し、胴体の下
部を溶液受液器として使用可能にして、外部の溶液受液
器を省略する。凝縮器23および蒸発器24は、プレー
ト型熱交換器を用い、小型化する。冷凍サイクルの構成
要素を枠体31に上下に分けて装着し、全体としてコン
パクト化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンモニア冷媒を
用いて冷凍を行うアンモニア吸収式冷凍装置、特にその
吸収器の構造および装置全体の配置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、図13に示すようなアンモニ
ア吸収式冷凍装置(1)が、廃温水や廃ガス等を含む種
々の熱源を利用して0℃〜−60℃の低温範囲での冷凍
を行うために、広く用いられている。アンモニア吸収式
冷凍装置(1)では、発生器(2)を熱源で加熱して、
冷媒であるアンモニアの蒸気を発生させ、凝縮器(3)
で冷媒を凝縮させたあと、蒸発器(4)で蒸発させ、冷
凍を行う。蒸発器(4)で蒸発した冷媒は、吸収器
(5)で吸収液であるアンモニア水の稀溶液に吸収さ
せ、冷媒を吸収した濃溶液を溶液受液器(6)に貯留す
る。発生器(2)で蒸発する冷媒蒸気には水蒸気も含ま
れるので、精留塔(7)に凝縮器(3)から高純度の冷
媒液をリフラックスポンプ(8)で送込み、発生する冷
媒蒸気の純度を高める。
【0003】溶液受液器(6)に貯留される濃溶液は、
溶液ポンプ(9)によって発生器(2)に送込まれる。
この濃溶液と、発生器(2)から吸収器(5)に送込ま
れる稀溶液とは、溶液熱交換器(10)で熱交換し、濃
溶液は加温され、稀溶液は冷却される。アンモニア吸収
式冷凍装置(1)の各構成要素は、基本的に横置きのシ
ェル・アンド・チューブ型の熱交換器であり、枠体(1
1)に装着され、1つのモジュールを構成する。枠体
(11)には、アンモニア吸収式冷凍装置(1)の運転
制御のための制御盤(12)も設置される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図13に示すようなア
ンモニア吸収式冷凍装置(1)では、構成要素を枠体
(11)に装着してモジュール化し、全体をコンパクト
にまとめようとしている。装置全体がコンパクトにまと
められれば、装置全体を工場で製造し、装置を設置する
現場で全工程の組立を行う場合よりも、効率よく、かつ
信頼性を高くすることができるからである。
【0005】しかしながら図13に示すアンモニア吸収
式冷凍装置(1)では、枠体(11)の上部に吸収器
(5)と溶液受液器(6)とを2段に配置する必要があ
る。溶液受液器(6)の下方には溶液ポンプ(9)が配
置され、そのヘッド圧を得るため、溶液受液器(6)か
ら溶液ポンプ(9)までに約2m程度の高さを必要とす
るからである。溶液受液器(6)に吸収液を自然落下で
移行させるためには、吸収器(5)は、溶液受液器
(6)よりもさらに上方に配置する必要がある。このた
め、アンモニア吸収式冷凍装置(1)をモジュール化し
て一体化しても、全体の小型化には限界があり、特に高
さを低減することが困難である。
【0006】本発明の目的は、装置全体の高さを低くし
て、小形化を図ることができるアンモニア吸収式冷凍装
置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、発生器(2
2)、凝縮器(23)、蒸発器(24)、吸収器(2
5)、精留塔(27)、および溶液ポンプ(29)を、
冷凍サイクルを形成する主要な構成要素として含むアン
モニア吸収式冷凍装置(21)において、吸収器(2
5)は、シェル・アンド・チューブ型熱交換器としての
構造を有し、横置き型の胴体(42)の上部に伝熱管
(43)群が配置され、胴体(42)の下部に溶液受液
器として機能する空間(51)が設けられることを特徴
とするアンモニア吸収式冷凍装置である。
【0008】本発明に従えば、シェル・アンド・チュー
ブ型熱交換器としての構造を有する吸収器(25)の横
置き型の胴体(42)の上部に伝熱管(43)群が配置
され、胴体(42)の下部に溶液受液器として機能する
空間(51)が設けられる。各伝熱管(43)を細径化
および高性能化することによって、伝熱効率を高めれ
ば、伝熱管(43)群として必要な胴体(42)内での
空間の容積を小さくすることができる。したがって、従
来の吸収器と同様な容積の胴体(42)でも、伝熱管
(43)群の下方に空間(51)を設けることができ、
この空間(51)に伝熱管(43)群に散布し、冷媒を
吸収した溶液を貯留し、溶液受液器としての機能を発揮
させることができる。溶液受液器としての機能を吸収器
(25)の胴体(42)内で果すことができるので、外
部に溶液受液器を設置する必要はなく、アンモニア吸収
式冷凍サイクルの小形化を図ることができる。
【0009】また本発明で、前記吸収器(25)の伝熱
管(43)群は直管であり、各伝熱管(43)の軸線方
向の両端は、前記胴体(42)の軸線方向両端に配置さ
れる管板(44,45)に接続され、管板(44,4
5)の外部には、冷却水配管を取外すことなく蓋(4
6,47)が開閉可能なジャケット(48,48′)が
設けられ、ジャケット(48,48′)を介して冷却水
が供給および排出されることを特徴とする。
【0010】本発明に従えば、吸収器(25)の伝熱管
(43)群は直管であり、軸線方向の両端は、胴体(4
2)の軸線方向両端に配置される管板(44,45)に
接続される。蓋(46,47)を開放することによっ
て、冷却水配管を取外すことなく、伝熱管(43)の開
口端を開放し、伝熱管(43)内部の開放点検が可能に
なり、ブラシを挿入しての清掃も容易に行うことができ
る。
【0011】また本発明は、前記冷凍サイクルの構成要
素を装着し、前記蒸発器(24)および前記吸収器(2
5)が上部に、蒸発器(24)上端が吸収器(25)の
前記溶液受液器として機能する空間(51)よりも高い
位置となるように配置される枠体(31)と、該枠体
(31)の上部で、蒸発器(24)上端と、吸収器(2
5)の前記溶液受液器として機能する空間(51)との
中間高さに装着されるブリード熱交換器(26)とをさ
らに含み、前記凝縮器(23)および前記蒸発器(2
4)は、プレート型熱交換器としての構造を有して該枠
体(31)の上部に装着され、前記溶液ポンプ(29)
および前記発生器(22)は、該枠体(31)の下部に
装着されることを特徴とする。
【0012】本発明に従えば、凝縮器(23)および蒸
発器(24)には、プレート型熱交換器を用いる。凝縮
器(23)および蒸発器(24)は、プレート型熱交換
器を採用しているので、小形でコンパクトに形成するこ
とができる。吸収器(5)には、内部に溶液受液器の機
能が設けられ、外部に溶液受液器を配置する必要がない
ので、枠体(31)に構成要素を装着して形成される冷
凍装置の全体も、高さを低くし、全体をコンパクトに形
成することができる。蒸発器(24)の上端は吸収器
(26)の前記溶液受液器として機能する空間(51)
より高い位置に配置され、中間の高さにブリード熱交換
器(26)が配置されるので、ブリード冷媒液を自然落
下で蒸発器(24)から吸収器(25)に流すことがで
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1、図2、図3、図4および図
5は、本発明の実施の一形態としてのアンモニア吸収式
冷凍装置(21)の概略的な構成を示す。図1、図2、
図3、および図4は、装置全体の構成を、正面視、左側
面視、平面視、および斜視した状態をそれぞれ示す。図
5は、配管系統を示す。
【0014】図1〜図4に示すように、アンモニア吸収
式冷凍装置(21)としての冷凍サイクルは、発生器
(22)、凝縮器(23)、蒸発器(24)、吸収器
(25)、ブリード熱交換器(26)、精留塔(2
7)、リフラックスポンプ(28)、溶液ポンプ(2
9)および溶液熱交換器(30)等を含んで構成され、
各構成要素は枠体(31)に装着されて一体的なモジュ
ールが形成される。枠体(31)には、アンモニア吸収
式冷凍装置(21)の運転の制御を行う制御盤(32)
も設けられる。また、冷凍サイクルの構成要素として
は、冷媒過冷却器(33)、気液分離器(34)および
冷媒受液器(35)も含まれ、枠体(31)で支持され
る。
【0015】枠体(31)の上部には、吸収器(2
5)、凝縮器(23)、蒸発器(24)、ブリード熱交
換器(26)、冷媒過冷却器(33)および気液分離器
(34)が配置される。吸収器(25)は横置きのシェ
ル・アンド・チューブ型の熱交換器であり、内部に溶液
受液器としての機能を有するので、独立した溶液受液器
を備える必要はない。凝縮器(23)および蒸発器(2
4)は、プレート型熱交換器としての構造を有し、伝熱
効率を高めて小形化することができる。蒸発器(24)
の上端は、吸収器(25)内部で溶液受液器としての機
能を有する部分よりも高い位置となるように配置され
る。ブリード熱交換器(26)は、蒸発器(24)の上
端と、吸収器(25)の溶液受液器部分との中間高さに
配置される。
【0016】枠体(31)の下部には、発生器(2
2)、リフラックスポンプ(28)、溶液ポンプ(2
9)、溶液熱交換器(30)、冷媒受液器(35)およ
び制御盤(32)が配置される。枠体(31)の下方か
ら上方にわたって、精留塔(27)が立設される。
【0017】図5の配管系統で示すように、発生器(2
2)でアンモニア水溶液は加熱され、アンモニアと水と
の混合水蒸気が精留塔(27)下部に送られる。精留塔
(27)からは、精留に利用されたアンモニア水溶液が
発生器(22)上部に戻される。この溶液は、発生器
(22)で加熱され、高温の稀溶液になって溶液熱交換
器(30)に送られる。精留塔(27)は、発生器(2
2)より送られてくる純度の低い、たとえば50〜60
%の冷媒ガスを、高純度99.8%のアンモニアガスに
濃縮する。精留塔(27)内には、バブルキャプ式等の
トレイを多段に設置してある。各トレイでは、アンモニ
アの純度の高い濃溶液とアンモニアおよび水の混合蒸気
とが気液接触し、混合蒸気中の水蒸気は濃溶液中に吸収
され、その時に発生する凝縮熱で濃溶液中のアンモニア
がガス化する。このような過程をトレイの各段毎に繰返
すことによって、高純度のアンモニアガスが得られる。
【0018】凝縮器(23)は、99.8%のアンモニ
アガスを冷却して凝縮させる。凝縮したアンモニア液の
一部はリフラックスポンプ(28)によって精留塔(2
7)の頂部に送られ、精留のために利用される。凝縮器
(23)はプレート型であるので、凝縮した冷媒液は、
冷媒受液器(35)に貯留される。冷媒過冷却器(3
3)では、凝縮器(23)からの温かい冷媒液と、蒸発
器(24)からの冷たい冷媒ガスとを熱交換させ、冷媒
液を過冷却状態にして冷凍効率を向上させる。蒸発器
(24)では、冷媒であるアンモニア液が被冷却媒体で
あるブラインから熱を奪い、蒸発してガス化する。蒸発
した冷媒ガスの純度は100%である。したがって、沸
騰している冷媒液側の純度は99.8%よりも低下す
る。蒸発器(24)内の冷媒液純度を96〜98%程度
に保つため、蒸発器(24)内の冷媒液を、冷媒循環流
量の4〜5%程度、ブリード熱交換器(26)にブリー
ド冷媒として放出する。ブリード熱交換器(26)は、
ブリード冷媒の冷熱回収を図るため、冷媒過冷却器(3
3)からの冷媒液をさらに過冷却する。ブリード冷媒
は、熱交換によってガス化し、吸収器(25)で吸収さ
れる。
【0019】溶液熱交換器(30)は、発生器(22)
からの高温稀溶液と吸収器(25)からの低温濃溶液と
を熱交換させて、発生器(22)の必要熱量を削減させ
るとともに、吸収器(25)へは低温の稀溶液を送るこ
とによって、吸収器(25)の吸収性能を向上させる。
吸収器(25)では、吸収力の強い稀溶液を吸収器伝熱
管上に散布し、伝熱管上の溶液フィルムで冷媒ガスを吸
収する。溶液ポンプ(29)は吸収器(25)からの濃
溶液を高圧部の発生器(22)に送るために設けられ、
約200m水柱のヘッドが必要である。
【0020】容量制御弁(36)は、被冷却ブラインの
温度を制御するために、アンモニア濃溶液の循環流量を
調整する。冷凍負荷に比例した溶液循環流量に絞るた
め、温度検出器(37)で冷却したブラインの温度を検
出し、温度コントローラ(38)で容量制御弁(36)
の弁開度を比例制御する。容量制御弁(39)は、冷凍
負荷に応じた入熱量を発生器(22)に供給するために
設けられ、温度検出器(40)が検出する高温稀溶液の
温度に応じて、温度コントローラ(41)が容量制御弁
(39)の弁開度を比例制御する。
【0021】図6および図7は、図1〜図4に示す吸収
器(25)の概略的な構成を示す。図6は斜視、図7は
断面視した状態をそれぞれ示す。
【0022】吸収器(25)は、基本的に、横置きのシ
ェル・アンド・チューブ型熱交換器型としての構造を有
する。円筒状の胴体(42)内で上部には、直管状の伝
熱管(43)が多数配置され、群を形成している。各伝
熱管(43)の軸線は、胴体(42)の軸線と平行であ
る。胴体(42)の軸線方向両端は、管板(44,4
5)で閉鎖され、各伝熱管(43)の両端は、管板(4
4,45)を貫通している。管板(44,45)の外部
には蓋(46,47)がそれぞれ設けられ、各伝熱管
(43)の開口部を覆う。蓋(46,47)は、ボルト
の締結を緩めて外すことによって、容易に開くことがで
きる。蓋(46,47)を開くと、各伝熱管(43)の
開口端が露出し、各伝熱管(43)内にブラシを挿入し
て、管内の洗浄を確実に行うことができる。また、開放
点検も容易になる。
【0023】胴体(42)の軸線方向の一端側の管板
(44)の外部には、各伝熱管(43)に冷却水を供給
し、吸収熱で加温された冷却水を排出するためのジャケ
ット(48)が設けられる。ジャケット(48)には、
冷却水配管を接続するための冷却水入口(49)および
冷却水出口(50)が設けられる。ジャケット(48)
の軸線方向の長さは極力短くして、ジャケット(48)
に蓋(46)を設ける。胴体(42)の軸線方向の他端
側は、ジャケット(48′)を蓋(47)で覆い、水室
を形成する。冷却水入口(49)および冷却水出口(5
0)がジャケット(48,48′)の側面に設けられて
いるので、蓋(46,47)を取外すことなくジャケッ
ト(48,48′)の端面を開放することができる。胴
体(42)の下部には、伝熱管(43)群を配置しない
空間(51)を設け、従来の溶液受液器としての役割を
果させる。
【0024】図8は、本実施形態で吸収器兼溶液受液器
として一体化された吸収器(25)の構成と、従来の吸
収器と溶液受液器とを用いる構成とを比較して示す。図
8(a)に示すように、本実施形態の吸収器(25)で
は、胴体(41)の胴内径が約900mmで胴長さが約
3500mmの胴体(31)の両側の管板(44,4
5)を蓋(46,47)で覆う。
【0025】図8(b)は、本実施形態と同様に、10
0USRTの定格で、図15に示す吸収器(5)および
溶液受液器(6)に必要なサイズを示す。胴内径は、吸
収器(5)が750mm、溶液受液器(6)が600m
mとなる。胴長さは、ともに5000mmとなる。吸収
器(5)と溶液受液器(6)との間には、300mmの
隙間が必要である。設置に必要な容積は、吸収器(5)
に2.1立方メートル、溶液受液器(6)に1.6立方
メートル、接続スペースとして1.0立方メートルの合
計4.7立方メートルとなる。
【0026】図8(a)と図8(b)とを比較すると、
本実施形態の吸収器(25)では、従来の吸収器(5)
と溶液受液器(6)とを用いる構成に比較して、容積が
約50%にコンパクト化されていることが判る。このよ
うなコンパクト化は、伝熱管(43)の細径化および高
性能化によって、伝熱管(43)群の占める断面積を従
来よりも大幅に縮小することが可能になったことに由来
する。
【0027】図9は、本実施形態の吸収器(25)と従
来の吸収器(5)とのジャケット構造の比較を示す。図
9(a)に示す本実施形態のジャケット(48)では、
冷却水入口(49)および冷却水出口(50)が上下に
引出され、冷却水入口(49)および冷却水出口(5
0)への冷却水配管などの接続状態に関係なく、蓋(4
6)を開ければ、直ちに伝熱管(43)の開口端を露出
させることができる。図9(b)に示す従来の吸収器
(5)のジャケット(48a)では、冷却水入口(49
a)および冷却水出口(50a)が蓋(46a)に設け
られ、蓋(46a)を外すには冷却水入口(49a)お
よび冷却水出口(50a)への冷却水配管を外す必要が
ある。
【0028】図10は、図1〜図4に示す凝縮器(2
3)および蒸発器(24)として用いるプレート型熱交
換器の内部構成を示す。図10(a)は部分的な積層構
造、図10(b)は熱交換の基本的構造をそれぞれ示
す。熱交換器の内部は、間隔を開けて配置される複数の
伝熱板(52)によって、複数の層に分けられる。複数
の伝熱板(52)の全体に、水・ブライン流入路(5
3)、水・ブライン流出路(54)、冷媒流入路(5
5)および冷媒流出路(56)が貫通して形成される。
伝熱板(52)の端部は、2つずつ気密に溶接される。
各組の伝熱板(52)間の隙間は、ガスケット(57)
によって封止される。
【0029】冷媒流入路(55)および冷媒流出路(5
6)は、伝熱板(52)の端部が溶接されて袋状に形成
される層を貫通する部分に冷媒の流入および流出が可能
な透孔を有し、冷媒流入路(55)から冷媒流出路(5
6)に冷媒が流れる。水・ブライン流入路(53)およ
び水・ブライン流出路(54)は、伝熱板(52)の端
部がガスケット(57)で封止されて形成される層を貫
通する部分に冷却水またはブラインの流入および流出が
可能な透孔を有し、水・ブライン流入路(53)から水
・ブライン流出路(54)に冷却水またはブラインが流
れる。すなわち、凝縮器(23)では、冷媒と冷却水と
が交互に流れ、蒸発器(24)では、冷媒とブラインと
が交互に流れる。
【0030】図11および図12は、図1〜図4に示す
蒸発器(24)の構造を示す。凝縮器(23)も実質的
に同等の構造を有する。図11は正面視、、図12は左
側面視した状態をそれぞれ示す。複数の伝熱板(52)
およびガスケット(57)は、固定フレーム(58)と
遊動フレーム(59)との間に挟持される。遊動フレー
ム(59)は、固定フレーム(58)と支柱(60)と
の間に掛渡されたバー(61)によって案内され、支柱
(60)側に移動することができる。遊動フレーム(5
9)が支柱(60)側に移動すると、固定フレーム(5
8)と遊動フレーム(59)との間隔が開き、伝熱板
(52)とガスケット(57)の挟持状態は解消され
る。伝熱板(52)およびガスケット(57)の挟持状
態での締付けは、ボルト(62)およびナット(63)
によって行われる。ボルト(62)およびナット(6
3)による締付けを外せば、ガスケット(57)で封止
されている水・ブライン側を分離して取外し、洗浄等の
メンテナンスを容易に行うことができる。全溶接構造で
あると、取外すことができず、薬品での洗浄しかできな
いのに比較し、保守が極めて容易となる。
【0031】固定フレーム(58)には、図11の水・
ブライン流入路(53)に接続される水・ブライン入口
(64)、水・ブライン流出路(54)に接続される水
・ブライン出口(65)、冷媒流入路(55)に接続さ
れる冷媒入口(66)、および冷媒流出路(56)に接
続される冷媒出口(67)が設けられる。
【0032】本実施形態のアンモニア吸収式冷凍機(2
1)では、熱交換を行う流体の流量がほぼ同程度である
凝縮器(23)と蒸発器(24)とにプレート型熱交換
器を採用し、小形かつ高効率の熱交換を行わせることが
できる。熱交換を行う流体の体積流量に差がある吸収器
(25)および冷媒過冷却器(33)などの熱交換器で
は、プレート型を採用すると、体積流量の大きい流体側
の流速を極めて大きくなり、動力の損失が増えてしまう
ので、シェル・アンド・チューブ型を採用する。このよ
うに、冷凍サイクルを構成する熱交換器の構造を使い分
けることによって、全体としてコンパクトで高効率なベ
ストマッチの状態のアンモニア吸収式冷凍装置(21)
を得ることができる。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、シェル・
アンド・チューブ型熱交換器としての構造を有する吸収
器(25)の横置き型の胴体(42)の上部に配置され
る伝熱管(43)群での伝熱効率を高めれば、胴体(4
2)の下部に溶液受液器として機能する空間(51)を
設けても、従来の吸収器と同様な容積の胴体(42)で
も、伝熱管(43)群の下方に設けられる空間(51)
に溶液受液器としての機能を発揮させることができる。
吸収器(25)の外部に溶液受液器を設置する必要はな
く、アンモニア吸収式冷凍サイクルを構成する冷凍装置
の小形化を図ることができる。
【0034】また本発明によれば、胴体(42)の軸線
方向の一端に配置される管板(44)に設けられる蓋
(46)を開ければ、管板(44)に接続される直管の
伝熱管(43)の開口端を開放し、伝熱管(43)内部
の開放点検や、ブラシを挿入しての清掃も容易に行うこ
とができる。
【0035】また本発明によれば、凝縮器(23)およ
び蒸発器(24)では、ほぼ同量の2種の流体間での熱
交換が行われるので、プレート型熱交換器を用いて 、
小形でコンパクトに形成することができる。吸収器
(5)には、内部に溶液受液器の機能が設けられ、外部
に溶液受液器を配置する必要がないので、枠体(31)
に構成要素を装着して形成される冷凍サイクルの全体
も、高さを低くし、全体をコンパクトに形成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態としてのアンモニア吸収
式冷凍装置(21)の正面図である。
【図2】図1のアンモニア吸収式冷凍装置(21)の左
側面図である。
【図3】図1のアンモニア吸収式冷凍装置(21)の平
面図である。
【図4】図1のアンモニア吸収式冷凍装置(21)の斜
視図である。
【図5】図1のアンモニア吸収式冷凍装置(21)の配
管系統図である。
【図6】図1の吸収器(25)の概略的な斜視図であ
る。
【図7】図6の吸収器(25)の側面図である。
【図8】図1の吸収器(25)と従来の吸収器(5)お
よび溶液受液器(6)の組合せとを比較する簡略化した
正面図である。
【図9】図1の吸収器(25)と従来の吸収器(5)の
ジャケット構造を比較する部分的な正面図である。
【図10】図1の凝縮器(23)および蒸発器(24)
としてのプレート型熱交換器の基本的な構成を示す部分
的な斜視図および簡略化した正面断面図である。
【図11】図1の蒸発器(24)の正面図である。
【図12】図11の蒸発器(24)の左側面図である。
【図13】従来からのアンモニア吸収式冷凍装置の簡略
化した正面図および右側面図である。
【符号の説明】
21 アンモニア吸収式冷凍装置 22 発生器 23 凝縮器 24 蒸発器 25 吸収器 26 ブリード熱交換器 27 精留塔 28 リフラックスポンプ 29 溶液ポンプ 31 枠体 33 冷媒過冷却器 42 胴体 43 伝熱管 44,45 管板 46,47 蓋 48,48′ ジャケット 51 空間 52 伝熱板 53 水・ブライン流入路 54 水・ブライン流出路 55 冷媒流入路 56 冷媒流出路 57 ガスケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松上 哲也 東京都港区海岸1丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内 (72)発明者 武居 俊孝 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 山本 忠彦 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 石黒 貴也 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 安尾 晃一 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 川端 克宏 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 谷本 啓介 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 Fターム(参考) 3L093 AA01 BB01 BB21 BB29 DD09 EE04 EE17 GG02 HH02 HH11 JJ02 KK03 LL05 MM02 MM08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発生器(22)、凝縮器(23)、蒸発
    器(24)、吸収器(25)、精留塔(27)、および
    溶液ポンプ(29)を、冷凍サイクルを形成する主要な
    構成要素として含むアンモニア吸収式冷凍装置(21)
    において、 吸収器(25)は、 シェル・アンド・チューブ型熱交換器としての構造を有
    し、 横置き型の胴体(42)の上部に伝熱管(43)群が配
    置され、 胴体(42)の下部に溶液受液器として機能する空間
    (51)が設けられることを特徴とするアンモニア吸収
    式冷凍装置。
  2. 【請求項2】 前記吸収器(25)の伝熱管(43)群
    は直管であり、 各伝熱管(43)の軸線方向の両端は、前記胴体(4
    2)の軸線方向両端に配置される管板(44,45)に
    接続され、 管板(44,45)の外部には、冷却水配管を取外すこ
    となく蓋(46,47)が開閉可能なジャケット(4
    8,48′)が設けられ、ジャケット(48,48′)
    を介して冷却水が供給および排出されることを特徴とす
    る請求項1記載のアンモニア吸収式冷凍装置。
  3. 【請求項3】 前記冷凍サイクルの構成要素を装着し、
    前記蒸発器(24)および前記吸収器(25)が上部
    に、蒸発器(24)上端が吸収器(25)の前記溶液受
    液器として機能する空間(51)よりも高い位置となる
    ように配置される枠体(31)と、 該枠体(31)の上部で、蒸発器(24)上端と、吸収
    器(25)の前記溶液受液器として機能する空間(5
    1)との中間高さに装着されるブリード熱交換器(2
    6)とをさらに含み、 前記凝縮器(23)および前記蒸発器(24)は、プレ
    ート型熱交換器としての構造を有して該枠体(31)の
    上部に装着され、 前記溶液ポンプ(29)および前記発生器(22)は、
    該枠体(31)の下部に装着されることを特徴とする請
    求項1または2記載のアンモニア吸収式冷凍装置。
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