JP2003223712A - 磁気記録媒体およびそれを用いた磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録媒体およびそれを用いた磁気記録装置

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JP2003223712A
JP2003223712A JP2002015918A JP2002015918A JP2003223712A JP 2003223712 A JP2003223712 A JP 2003223712A JP 2002015918 A JP2002015918 A JP 2002015918A JP 2002015918 A JP2002015918 A JP 2002015918A JP 2003223712 A JP2003223712 A JP 2003223712A
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JP2002015918A
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Mitsutoshi Honda
光利 本田
Takashi Naito
内藤  孝
Tatsumi Hirano
辰巳 平野
Yuzuru Hosoe
譲 細江
Hiroaki Nemoto
広明 根本
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体において、磁性膜中に均一で微
細な磁性粒子を形成して超高密度記録を実現する。 【解決手段】 基板11上に、球状の結晶粒18とそれ
を取り巻く粒界19から構成されている下地膜13を形
成し(図4)、その上にCo層もしくはCoを主相とす
る合金層と、Pt、Pdのうちより選ばれる少なくとも
1種類の金属元素層とを交互に積層した人工格子多層膜
からなる磁性膜14を形成することで(図1)、磁性層
中に熱揺らぎに強く、かつ均一で微細な磁性粒子を形成
する。これにより、超高密度記録が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体および
それを用いた磁気記録装置に係り、特に、大量の情報を
迅速かつ正確に格納するための構造を有する磁気記録媒
体と、該磁気記録媒体を用いた磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会の進展にはめざま
しいものがあり、各種形態の情報を統合したマルチメデ
ィアが急速に普及してきている。これを支える情報記録
装置として磁気記録装置がある。現在、磁気記録装置で
は、記録密度を向上させつつ小型化が図られている。ま
た、それと並行して、磁気記録装置の低価格化が急速に
進められている。
【0003】ところで、磁気記録媒体の高密度化を実現
するためには、 磁気記録媒体と磁気ヘッドとの距離
をつめること、 磁気記録媒体の保磁力を増大させる
こと、 磁気ヘッドの位置決め精度の高性能化、など
が必須の技術となっている。
【0004】中でも、磁気記録媒体においては、高密度
記録を実現するために、保磁力の増大が必須であると同
時に、熱揺らぎに強い磁性膜を形成する必要がある。さ
らに、これに加えて、60Gb/inを超える記録密
度を実現するためには、磁化反転が生じる単位を小さく
しなければならない。そのためには、磁性粒子のサイズ
を微細化することが必要で、これを実現する方法とし
て、磁性膜の下に下地膜を設けることが提案されてい
る。
【0005】その一例として、Journal of
Applied Physics87巻9号の6358
頁に掲載の論文を挙げることができる。これに記載され
た方法では、熱揺らぎに非常に強いCo/Pd超格子多
層膜の下地に、ITO(90In−10Sn
)を成膜することにより、Co/Pd多層膜の特性
が大幅に改善されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、ITOの表面凹凸によって、Co/Pd多
層膜の磁性粒子の粒径制御を行っていると推測される
が、ITOの表面凹凸の周期に著しい分布が生じるた
め、ITOの上部に成膜した磁性膜中に微小な粒子や粗
大化した粒子が混在して柱状に成長してしまうという問
題点が生じた。
【0007】そのため、磁化を反転させて情報を記録す
る場合に、微小な粒子は周囲の磁性粒子から漏洩磁界の
影響を受け、逆に粗大化した粒子は周囲の磁性粒子に相
互作用を及ぼすために、60Gb/inを超える超記
録密度を行なう場合、安定した記録が行なえないという
問題が生じた。
【0008】本発明の目的は、このような従来技術の問
題点に鑑み、磁気記録媒体において、磁性膜の粒子を微
細化して、超高密度記録を実現可能とすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、情報を記録するために、基板上に下地膜
を形成し、該下地膜の上に磁性膜を形成した磁気記録媒
体であって、前記下地膜は無数の球状粒子を有する構造
であることを特徴とするものである。本発明によれば、
磁気記録媒体において、下地膜の球状粒子を反映して磁
性膜粒子も微細化するため、超高密度記録が可能とな
る。
【0010】また、前記下地膜は無数の結晶粒子とそれ
を取り巻く粒界とから構成され、該粒界の表面層から該
結晶粒子の円球状ないしは楕円球状の一部が突出した突
出部を有する構造でもよい。本構造によれば、下地膜の
突出した円球状ないしは楕円球状の突出部によって、そ
の上に形成した磁性膜に微細な凹凸が形成されるので、
磁気記録領域が微細化され、超高密度記録が得られる。
【0011】また、前記磁性膜は、前記下地膜の上に磁
性層と非磁性層とを交互に積層した多層膜とすることも
できるし、前記下地膜と前記磁性膜とを交互に積層した
多層構造とすることもできる。本発明者らの実験によれ
ば、いずれの場合も磁性膜は下地膜の球状粒子を反映し
て微細化し、超高密度記録が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。本発明の実施形態の概要は、
図1および図4〜5に示すように、磁気記録媒体の基板
11上の下地膜13に、無数の微細で均一な球状粒子1
8が形成されていることである。
【0013】この球状粒子18が周囲の粒界19から突
出して球状突出部が形成され、この上部に形成した磁性
膜14は、球状突出部を反映して微細な粒子構造を持つ
ことになり、超高密度磁気記録が可能となる。
【0014】〔実施形態1〕 図1は作製した磁気記録
媒体の断面模式図である。この磁気記録媒体は、基板1
1上に、軟磁性膜12、下地膜13、磁性膜14、保護
膜15、潤滑膜16を、順に形成した構造を有してい
る。
【0015】磁気記録媒体用の基板11として、直径
2.5インチのガラス基板を用いた。この基板11上に
モル比で94CoZrTaの合金をターゲットとし
て用い、純Arを放電ガスとして軟磁性膜12を形成し
た。スパッタ時のArガス圧は5mTorr、投入DC
電力は400W/100mmφ、膜厚は400nmとし
た。
【0016】下地膜13としては、CoOとSiO
TiOの混合物を選択した。スパッタ時のArガス圧
は2mTorr、投入RF電力は600W/100mm
φとした。下地膜の膜厚は下表に示すとおり、0.5〜
20nmで作製した。
【0017】磁性膜14は、超構造多層膜(人工格子
膜)を、Co層とPt層とを交互に積層することにより
作製した。CoとPtの投入電力をそれぞれ120W、
240Wとし、膜厚がCo3ÅPt8Åの周期になるよ
うに2層積層した。Arガス圧は12mTorrとし
た。最後に形成した保護膜15はCとし、膜厚5nmと
した。
【0018】表1〜表3に、下地膜の金属酸化物成分の
組成をCoOとし、ガラス化成分の組成をST(ST:
SiO2、TiO2を重量比で4:6で混合したもの)
と固定して、金属酸化物成分とガラス化成分の成分比
率、下地膜の膜厚を変化させたときの下地膜の粒子の平
均粒径、粒径の標準偏差を平均粒径で割った値、断面か
ら見た粒子の形状、磁性膜の平均粒径、磁性膜の粒径の
標準偏差を平均粒径で割った値、保磁力などの磁気特
性、R/W特性の結果を示した。なお、表1は膜厚0.
5nmと1nm、表2は3nmと7nm、表3は15n
mと20nmの場合を示している。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】各評価は次のようにして行なった。下地膜
のTEM像観察を行なったところ、球状あるいはラメラ
状の結晶粒が点在する構造が観測された。そこで、得ら
れた表面あるいは断面TEM像から結晶粒1個1個の面
積を計算し、その面積を有する円を仮定し、その直径を
もって粒径とした。
【0023】1つの試料から100〜300個程度の結
晶粒の粒径を解析し、標準偏差を計算した。なお、表中
で平均粒径、標準偏差が空白のものは、平面TEMにお
いて、粒子と粒界の境界がはっきりしなかったため、値
が算出できなかったことを示す。
【0024】また、磁性膜の平均粒径も同様の方法を用
いて算出した。粒子の形状は、平均TEMだけでは正確
に把握することができないため、断面TEMを観察し、
得られた断面TEM像により粒子の形状を判断した。磁
気特性は、振動式磁束計(VSM)により、また、磁区
の大きさはMFM(磁気力顕微鏡)により評価した。以
上の特性の測定は、磁気記録媒体に潤滑膜を塗布せずに
行なった。
【0025】R/W特性は、磁気記録媒体に潤滑膜を塗
布し、図2に示す磁気記録装置を作製して評価した。こ
の磁気記録装置は、図2(a)に概略平面図を、図2
(b)にそのA−A断面図を示すように、磁気記録媒体
駆動部32により回転駆動される磁気記録媒体31と、
磁気ヘッド駆動部34により駆動されて磁気記録媒体3
1に対して記録および再生を行なう磁気ヘッド33と、
磁気ヘッド33の記録信号および再生信号を処理する記
録再生信号処理系35とを備えている。
【0026】記録には2.1Tの高飽和磁束密度の軟磁
性膜を備えるリング型磁気ヘッドを用い、再生にはピン
バルブ磁気抵抗効果型ヘッドを用いた。ヘッド面と磁性
膜14の最表面との距離は10nmとした。
【0027】まずこの結果を、粒子の形状から考察す
る。等質構造であった資料NO.5の下地膜の断面模式
図を図3に示す。このように、粒子と粒界とが明確に区
別されていない構造であった。
【0028】次に、膜厚が3nmで球状の試料NO.1
2の下地膜の断面模式図を図4に示す。また、膜厚が1
5nmで球状の試料NO.33の下地膜の断面模式図を
図5に示す。これらの図のように、球状構造において
は、粒界19に球状の形状をした結晶粒18が整列した
構造(図4)や、積層した構造(図5)をしていた。な
お、断面TEMにおいて観測された球状粒子を楕円状に
近似すると、長軸と短軸との比は0.7以上となってい
た。
【0029】次に、柱状の試料NO.31の下地膜の断
面模式図を図6に示す。この図のように、柱状構造にお
いては、粒子19中に結晶粒18が基板界面から柱状に
成長した構造をしていた。なお、断面TEMにおいて観
測された柱状粒子を楕円状に近似すると、長軸と短軸と
の比はいずれも0.7未満であった。
【0030】次に、ラメラ構造の試料NO.41の下地
膜の断面模式図を図7に示した。この図のように、ラメ
ラ構造においては、粒界19中に結晶粒18がランダム
な方向を向いて成長した構造をしていた。2つの相はい
ずれも結晶質ではなく、非晶質であった。なお、これら
の図において、記号の11は基板、13は結晶粒、19
は粒界を示す。
【0031】ここで、粒子の形状と特性を比較すると、
粒子が球状の場合、磁性膜が下地膜を反映して磁性膜の
平均粒径が4〜7nm程度で、標準偏差を粒径で割った
値も10〜15%と非常に良好となり、保磁力2.6k
Oe以上、R/W特性が35db以上と、いずれも良好
となった。
【0032】一方、等質構造、柱状、あるいはラメラの
状態の場合は、磁性膜が下地膜の粒径を反映しなかった
ため、磁性膜の粒径が12〜15nm程度、標準偏差を
平均粒径で割った値も40%程度と非常に大きくなって
しまった。そのため、保磁力1.4kOe以下、R/W
特性も10db程度と、いずれも良好な特性が得られな
かった。
【0033】以上のことから、下地膜は球状粒子または
球状粒子が積み重なった構造が好ましい構造であること
がわかった。この球状粒子が周囲の粒界から球状突出部
を形成し、これを反映して磁性膜の粒子が微細化するも
のと推察できる。
【0034】この結果を平均粒径から見ると、1〜7n
mが必ず好条件となっていたが、3〜7nmの方が、保
磁力やR/W特性が若干上昇していた。これは、粒径が
1〜7nmでは、磁性膜の粒子が下地膜の粒子1個では
なく、2個以上から成長するものが含まれるためと考え
られる。
【0035】また、膜厚でみると、膜厚が1〜7nmの
場合、R/W特性が40dB以上と、さらに良好な特性
を示していた。磁気特性などの他の特性が殆ど変わらな
いことから下地膜の膜厚が10nm以上では、軟磁性膜
と磁性膜との距離が大きくなったことにより、S/N比
が低下したものと考えられる。
【0036】次に、表4に、金属酸化物成分またはガラ
ス化成分の構成元素を変化させた実験結果を示す。本例
では、金属酸化物成分とガラス化成分との重量比を、表
1〜3において、特性が向上していた試料NO.19に
相当する重量比8:2に固定し、金属酸化物のCoO
を、FeO、MnO、NiOに、あるいは、ガラス化成
分のTiOを、Al、ZnOに変化させた。
【0037】また、組成の比較例として、ITOを下地
膜として選択した場合も検討した。このうち、試料N
O.43とNO.44が比較例として、それぞれITO
(90In−10SnO(wt%))、Au、
SiOの混合薄膜(Au+15mol%SiO)を
4nm成膜した試料、試料NO.45〜NO.47が金属
酸化物の組成を変化させた試料、試料NO.48、NO.
49がガラス化成分を変化させた試料である。
【0038】
【表4】
【0039】まず、比較例として成膜した結果を見る
と、平均粒径が大きく、しかもその分布が非常にばらつ
いていることがわかった。その結果、磁気特性やR/W
特性のいずれも良好な特性は得られなかった。この原因
としては、ITOやAu、SiOの粒径の分布がばら
ついているために、良好な特性が得られなかったものと
推測される。
【0040】また、金属酸化物の組成を変化させた試料
を見ると、MnO、FeO、CoO、NiOの順に平均
粒径が小さくなる様子が観測されたものの、その他の特
性は殆ど変化せず、ともに良好であった。
【0041】さらに、ガラス化成分の組成を変化させた
試料をみると、TiO、Al 、ZnOの順に、
平均粒径が大きくなる様子が観測されたが、金属酸化物
成分を変化させた場合の実験と同様に、特性はいずれの
試料においても良好であった。
【0042】ここでは磁性膜としてCo/Pt人工格子
多層膜の例を示したが、Co/Pd人工格子多層膜を用
いても同様の結果が得られた。なお、基板は、ガラス基
板以外にAlやAl合金などの金属基板を用いても、ガ
ラス、Al、Al合金の基板上に、NiPをメッキ法に
より形成した基板を用いても同様の効果が得られた。
【0043】また、本検討で最も特性の良好であった試
料NO.19は、100Gb/in の信号に対しても
30dBを示し、高密度記録に対応可能であることがわ
かった。
【0044】以上により本例の結果をまとめると、下地
膜の結晶粒が球状の場合に、磁気特性およびR/W特性
が良好になることがわかった。この条件は平均粒径で見
ると1〜7nmに対応する条件である。さらに、下地膜
の膜厚が1〜7nmとなると、R/W特性がさらに向上
して良好な結果が得られることがわかった。
【0045】〔実施形態2〕 本例では、下地膜の平滑
性を変化させたときの磁性膜の特性を調べるため、下地
膜の成膜後、逆スパッタを行なって、下地膜表面の平滑
性を変化させた。
【0046】下地膜としては、表2の試料NO.19に
相当する条件を用いて、この膜を逆スパッタした。逆ス
パッタ条件は、パワー100W、Arガス圧3Paと
し、逆スパッタ時間を変化させることで平滑性を変化さ
せた。表5に、逆スパッタ時間を0秒から120秒まで
変化させたときの、Ra、磁気特性、R/W特性の結果
を示す。各評価法は表1と同様とした。
【0047】
【表5】
【0048】逆スパッタ時間の増加に伴い、最表面のR
aが増加していた。断面TEMでは、基板および軟磁性
膜に凹凸が観測されなかったが、下地膜の表面形状にお
いて、下地膜の粒子の部分が凸部、粒界の部分が凹部と
なっており、下地膜の凹凸を反映して、上部の磁性膜や
保護膜に凹凸が観測され、逆スパッタにより、各層の凹
凸が大きくなるのが観測された。
【0049】断面TEMの結果から参照すると、AFM
で観察されたRaの増加は、下地膜のRaの変化に対応
すると考えられる。逆スパッタを行なってRaが0.1
nm以上になった試料NO.201〜208は、磁気特
性およびR/W特性が共に向上した。
【0050】しかし、逆スパッタ時間を120秒行なっ
た試料NO.209では、Raが0.65nmと、凹凸が
非常に大きくなったため、磁気ヘッドの浮上量が20n
mと上昇して、磁気ヘッド磁性膜間距離が増加して、R
/W特性が低下した。この結果、表面の凹凸のRaは、
0.1〜0.4nmであると、さらに特性が向上すること
がわかった。
【0051】〔実施形態3〕 本例では、下地膜と磁性
膜とを、そのまま交互に積層させた場合の結果について
示す。図8は、本例で作製した磁気記録媒体の断面模式
図である。この磁気記録媒体は、ガラス基板11上に、
軟磁性膜12を積層し、その後、下地膜13と磁性膜1
4とを20層繰り返し積層し、最後に保護膜15、潤滑
膜16を順に形成した構造とした。
【0052】下地膜は、表2の試料NO.19に相当す
る成膜条件を用いた。磁性膜14としては、Coのみを
使用し、下地膜3nm、磁性膜1nmの周期になるよう
に20層積層した。Arガス圧を12mTorrとし
た。最後に形成した保護膜15はCとし、膜厚5nmと
した。
【0053】磁性膜14は、Coのみを成膜したが、そ
の他の成膜条件は実施形態1の場合と同様とした。その
結果を表6に示す。この場合も、表1と同様な方法で測
定を行なった。
【0054】
【表6】
【0055】表6において、試料NO.1、NO.19
は、表1〜表2に示した試料であり、NO.301は本
方法を用いて成膜した試料である。この結果から、本方
法で作製した試料NO.301は、No.19とほぼ同等
の特性が得られていることがわかった。以上のことか
ら、下地と磁性膜とを交互に成膜することによっても、
同等の効果が得られることがわかった。
【0056】〔実施形態4〕 本例では、磁気ヘッドに
光学系の回路を装着して、レーザ光を照射しながらR/
W特性を調べた。このときの磁気ヘッドの様子を図9に
示す。図9において、記号の20はレーザ光を集光する
ための対物レンズ、21は再生ヘッド、22は磁気コイ
ル、23は記録ヘッドの芯部分、24は装着するレーザ
光源である。
【0057】レーザ光は、発振波長640nmの半導体
レーザを用い、パワー5mWで磁性膜に対して垂直方向
から照射した。本例で使用した対物レンズのNA(Nu
merical Aperture)は0.85とし
た。R/W特性は、レーザ光を信号にしたがって照射し
て磁性層を加熱しながら、記録ヘッドによって記録し、
記録した信号を再生用ヘッドによって再生する方法を用
いた。
【0058】本例においても、試料NO.33に相当す
る成膜条件を用いた。その結果、60Gb/inch
の信号に対して、レーザ照射によって熱揺らぎに強くな
った効果を反映して、65dBと高い再生出力が得られ
ることがわかった。以上より、記録ヘッドにレーザ光発
振装置を付随させることで、高い再生出力が得られるこ
とがわかった。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、磁気記録媒体におい
て、球状結晶粒から構成される下地膜により、磁性膜中
に均一で微細な磁性粒子を形成できるので、磁気記録媒
体の超高密度記録を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気記録媒体の断面模式図である。
【図2】磁気記録装置の概略図である。
【図3】下地表面のTEM観察結果を示す模式図であ
る。
【図4】下地膜の断面を示す模式図である。
【図5】下地膜の断面を示す模式図である。
【図6】下地膜の断面を示す模式図である。
【図7】下地膜の断面を示す模式図である。
【図8】磁気記録媒体の断面模式図である。
【図9】磁気ヘッドの概略図である。
【符号の説明】
11 基板 12 軟磁性膜 13 下地膜 14 磁性膜 15 保護膜 16 潤滑膜 18 結晶粒 19 粒界 20 レーザ光集光対物レンズ 21 再生ヘッド 22 磁気コイル 23 記録ヘッドの芯部分 24 レーザ光源 31 磁気記録媒体 32 磁気記録媒体駆動部 33 磁気ヘッド 34 磁気ヘッド駆動部 35 記録再生信号処理系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 辰巳 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 細江 譲 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 根本 広明 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5D006 BB01 BB07 BB08 CA01 CA05 DA03 EA03 FA00 5E049 AA04 AC05 BA06 CB02 DB12

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報を記録するために、基板上に下地膜
    を形成し、該下地膜の上に磁性膜を形成した磁気記録媒
    体であって、前記下地膜は無数の球状粒子を有する構造
    であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 情報を記録するために、基板上に下地膜
    を形成し、該下地膜の上に磁性膜を形成した磁気記録媒
    体であって、前記下地膜は無数の結晶粒子とそれを取り
    巻く粒界とから構成され、該粒界の表面層から該結晶粒
    子の円球状ないしは楕円球状の一部が突出した突出部を
    有する構造であることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記磁性膜は、前記下地膜の上に、磁性
    層と非磁性層とを交互に積層した多層膜である請求項1
    〜2のうちいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記下地膜と前記磁性膜とを、交互に積
    層した多層構造を有する請求項1〜2のうちいずれか1
    項に記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記下地膜の結晶粒子は、楕円に近似し
    たときの長軸と短軸との比が0.7以上である請求項1
    〜4のうちいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記磁性膜は、Co層もしくはCoを主
    相とする磁性金属層を有する請求項1〜5のうちいずれ
    か1項に記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記磁性膜は、PtもしくはPdより選
    ばれる少なくとも1種類の金属元素が主成分である非磁
    性層を有する請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の
    磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記下地膜は、CoO、FeO、NiO
    のうちのいずれか1つ以上から選ばれる第1酸化物成
    分、および/または、SiO、Al、ZnO、
    TiOのうちのいずれか1つ以上から選ばれる第2酸
    化物成分を含有する請求項1〜7のうちいずれか1項に
    記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記下地膜は、膜厚が1nm〜7nmで
    ある請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の磁気記録
    媒体。
  10. 【請求項10】 前記下地膜の球状粒子は、平均粒径が
    1nm〜7nmで、粒径の標準偏差を平均粒径で除した
    値が25%以下である請求項1〜9のうちいずれか1項
    に記載の磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 前記下地膜の球状粒子は、粒径が3n
    m〜7nmである請求項1〜10のうちいずれか1項に
    記載の磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】 前記磁気記録媒体表面の平滑度が、
    0.1nm〜0.4nmである請求項1〜11のうちいず
    れか1項に記載の磁気記録媒体。
  13. 【請求項13】 磁気記録媒体と、該磁気記録媒体を駆
    動する磁気記録媒体駆動部と、該磁気記録媒体に対して
    情報を記録および再生する磁気ヘッドと、該磁気ヘッド
    を駆動する磁気ヘッド駆動部と、該磁気ヘッドの記録信
    号および再生信号を処理する記録再生信号処理系とを備
    える磁気記録装置において、前記磁気記録媒体は、請求
    項1〜12のうちいずれか1項に記載の磁気記録媒体で
    あることを特徴とする磁気記録装置。
  14. 【請求項14】 前記磁気ヘッドは、レーザ光を発振す
    るレーザ発振手段と、該レーザ光を集光するための対物
    レンズとを装着している請求項13に記載の磁気記録装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7494726B2 (en) 2004-07-07 2009-02-24 Fuji Electric Device Technology Co., Ltd. Perpendicular magnetic recording medium, method of manufacturing same, and magnetic recording device

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