JP2003222970A - 高吸光度高色素収率シアンカプラーを含有している走査可能な写真要素 - Google Patents

高吸光度高色素収率シアンカプラーを含有している走査可能な写真要素

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JP2003222970A
JP2003222970A JP2002368681A JP2002368681A JP2003222970A JP 2003222970 A JP2003222970 A JP 2003222970A JP 2002368681 A JP2002368681 A JP 2002368681A JP 2002368681 A JP2002368681 A JP 2002368681A JP 2003222970 A JP2003222970 A JP 2003222970A
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silver
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Jared B Mooberry
ベン ムーベリー ジャレッド
Wojciech Kazimierz Slusarek
カジミエルツ スルサレク ウォイシーチ
David Thomas Southby
トーマス サウスビー デイビッド
David Howard Levy
ハワード レビー デイビッド
Xiqiang Yang
ヤン シキアン
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Eastman Kodak Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 これまでに発見されたカプラーよりも高い、
酸化された現像主薬との反応性を呈し、かつ、より高吸
光度の色素を提供する、安定な高色素収率カプラーを含
有しているフォトサーモグラフィー用要素に対する要求
が存在する。 【解決手段】 異なる波長領域において個々の感度を有
する少なくとも3種の感光性ユニットを含んでなるカラ
ー写真要素であって、前記ユニットの少なくとも1種が
感光性ハロゲン化銀乳剤、バインダー、および式Iによ
って表されるカプラーを含んでなり、 COUP−(T)m −L−DYE’ (I) 上式中、明細書に記載されているように、COUPは、
酸化された現像主薬と反応して第1のシアン色素を形成
することが可能であり、同じ色相の第2の色素を形成す
る放出可能な基にカップリング位置において結合されて
いる、カプラー親基である、カラー写真要素

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀乳剤
と、処理時に普通の発色色素に加えて高吸光度色素(例
えば、メチレンブルー)を放出する関連する高色素収率
シアンカプラーとを含有している走査可能なカラー写真
要素またはフォトサーモグラフィー用要素に関する。
【0002】
【従来の技術】MooberryおよびSingerの米国特許第 4,8
40,884号明細書には、概して、従来の湿式アルカリ性写
真処理において、酸化された発色現像主薬と反応して、
カプラー親から1種の色素を形成し、かつ第2の色素ま
たは第2の色素の先駆物質(通常は、高吸光度メチン色
素)を放出する高色素収率(HDY)カプラーが開示さ
れている。所定の銀のレイダウンにおいて通常の2種の
同等のカプラーに匹敵するこのようなHDYカプラーを
使用することによって、カプラーコーティングの塗布量
を低減することができ、かつ/または濃度の増大を達成
することができる。米国特許第 5,457,004号明細書に
は、メチン色素発色団およびスルホンアミド−可溶化カ
プラー部分を有する高色素収率カプラー(とりわけ、イ
エローカプラー)が記載されている。改良された高色素
収率(HDY)カプラーが、Mooberry他によって、米国
特許第 6,132,944号明細書において開示されている。こ
の特許には、カップリング部位においてアシルオキシ基
によって結合されている放出色素を含有している高色素
収率カプラーであって、ここで、当該カプラーが、pK
aが 8.8未満のアリールヒドロキシ基、スルファモイル
基、またはスルホンアミド基を含有している、高色素収
率カプラーが開示されている。
【0003】(a)写真要素における高い色素濃度の形
成を可能とし、(b)写真要素における高濃度の画像改
質化合物の使用によるコントラストの増大(改良された
画像につながる)を可能とし、そして(c)画質を低下
させること無く写真要素におけるより低いハロゲン化銀
濃度を可能とする、カプラーに対する継続的な要求が存
在する。そのうえ、より高い濃度を形成するカプラーの
使用により、カプラーのレイダウンを抑え、画像解像度
を改良することが可能となる。
【0004】より高い濃度は、高い反応性によって、並
びにカプラーによって形成および放出される色素の高い
吸光度によって達成することができる。
【0005】とりわけフォトサーモグラフィー用システ
ムに関連する、もう1つの問題は、とりわけシアン色素
およびイエロー色素について、適切な濃度を達成するこ
とである。フォトサーモグラフィー用システムは、露光
後に、加熱によって実質的に乾燥した状態で処理するこ
とができるように構成されている熱処理可能な感光性要
素を必要とする。しかしながら、乾式のまたは実質的に
乾式のカラーフォトサーモグラフィー用システムの現像
においては、はるかに大きい挑戦が必要とされるので、
現在までの活動の殆どは、とりわけ健康像形成およびマ
イクロフィッシュの領域における、黒白フォトサーモグ
ラフィー用システムに限られてきた。
【0006】最後に、感光性像形成要素の構成における
もう1つの問題は、3種すべての色記録において同等の
濃度形成能力および一貫した安定性を有するシアン、イ
エロー、およびマゼンタの色記録を形成することであ
り、これは、フォトサーモグラフィー用システムにおい
て、とりわけ困難である場合がある。色素画像が実質的
に乾燥したゼラチン中でのブロックト現像主薬と色素形
成カプラーとの反応を必要とするフォトサーモグラフィ
ー用システムに残されている大きい問題は、如何にして
スピードを高め、種々の色素画像を容易にするかという
ことである。
【0007】この出願の発明に関連する先行技術文献情
報としては次のものがある。
【特許文献1】米国特許第 4,840,884号明細書
【特許文献2】米国特許第 5,457,004号明細書
【特許文献3】米国特許第 6,132,944号明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記問題を解決するた
めに、これまでに発見されたカプラーよりも高い、酸化
された現像主薬との反応性を呈し、かつ、より高吸光度
の色素を提供する、安定な高色素収率カプラーを含有し
ているフォトサーモグラフィー用要素に対する要求が存
在する。
【0009】
【課題を解決するための手段】これらの問題および他の
問題は、本発明の実施によって克服することができる。
感光性カラー写真システムに好都合な特定のシアンHD
Yカプラーが見出された。詳細には、ある種類のシアン
HDYカプラーが、塩基が存在しない状態における熱処
理で、高い色素濃度を生ずることが示された。より明確
には、このようなカプラーは、普通の発色色素(吸光度
=30,000)に加えて、メチレンブルーなどの高吸光度係
数の第2の色素(吸光度= 100,000)を生成する。
【0010】
【発明の実施の形態】好ましくは、本発明のHDYカプ
ラーは、カプラーのみによって形成される色素の吸光度
の 1.5倍を超える総合吸光度を有する2種の色素を形成
する。
【0011】本発明は、走査を目的とするフィルムに、
またはカラーフォトサーモグラフィー用フィルムにおけ
る使用に、とりわけ有用である。第1に、より高い色素
濃度の達成は、上記に説明されているように、カラーフ
ォトサーモグラフィー用システムにおいて、より大きい
問題である。第2に、走査のみを目的とするフィルムに
おいては、色相のより大きい変動を許容することができ
る。
【0012】1つの態様において、上記HDYカプラー
を使用して、例えば、メチレンブルーまたは同様の色素
を放出することによって、シアンの色相を生成させる。
メチレンブルー放出HDYカプラーは、還元、ホスゲン
化、および適当なカプラー中間体への結合によって、市
販のメチレンブルーから容易に合成することができる。
1つの態様において、ブロックトp-フェニレンジアミン
現像主薬と関連させて、フォトサーモグラフィー用要素
のシアン記録において、このようなHDYシアンカプラ
ーを使用することが好都合であることが見出された。
【0013】また、本発明は、式Iによって表されるカ
プラーを関連して有する感光性ハロゲン化銀乳剤層を含
有している写真要素にも関する。また、本発明は、本発
明に係るHDYカプラーの製造方法にも関する。
【0014】本発明は、基材の少なくとも一方の表面
に、以下の式によって表される少なくとも1種の化合物
を塗布することを必要とする。 COUP−(T)m −L−DYE’ (I)
【0015】上式中、COUPは、酸化された発色現像
主薬とカップリングして第1のシアン色素を形成するこ
とが可能な写真用カプラー残基であり、Tは、タイミン
グ基であり、mは、0〜2、好ましくは0または1の整
数であり、Lは、−OC(=O)−、−OC(=S)
−、−SC(=O)−、および−SC(=S)−からな
る群より選ばれる結合基であり、そしてDYE’は、C
OUPにおけるカップリング部位からの放出時に、第2
の色素(「DYE化合物」)、または、次に第2の色素
に転化されるロイコ色素などの色素先駆物質(「p−D
YE」)を形成する基であって、この第2の色素は上記
第1の色素と同じ色(シアン)である。上記カプラーC
OUPは、カップリング部位において、任意選択的なタ
イミング基および結合基(好ましくは、OC=O)によ
って、上記DYE’基における窒素原子に結合されてい
る。1つの態様において、DYE’は以下の式によって
表される。
【0016】
【化3】
【0017】上式中、R2 およびR3 は、独立に、上記
DYE化合物においてシアンの色相が得られるように選
ばれる有機もしくは無機の置換基であり、このDYE化
合物は、主に 600〜 700nmの範囲で吸収する。好ましく
は、R2 およびR3 はC1 〜C10(1〜10個の炭素原子
を有する)有機置換基であり、より好ましくは、置換も
しくは未置換のアルキル、アリール、アルコキシ、ヒド
ロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、
およびアセトアミド基(好ましくは1〜10個の炭素原
子、より好ましくは1〜6個の炭素原子を有する)から
なる群より独立に選ばれ、そして複数の有機R2 基また
は複数の有機R3 基が、飽和、不飽和、または芳香族の
環(例えば、炭素環および複素環(好ましくはC1 〜C
10環))を形成していてもよい。好ましくは、nおよび
pは両方とも1であり、R2 およびR3 は構造式IIにお
ける窒素原子に対してパラであり、nおよびpは、独立
に、0〜4の整数であり、そしてQは、O、S、または
NR’であって、ここで、R’は、Hまたは置換もしく
は未置換のアルキル基もしくはアリール基である。
【0018】最後に、本発明はまた、像形成要素および
像形成方法をも提供する。1つの態様において、カラー
フォトサーモグラフィー用要素を露光させ、その後、こ
の要素を加熱して、現像する。
【0019】本発明の1つの態様は、輻射線感受性ハロ
ゲン化銀、ブロックト現像主薬、ブロックが取り除かれ
た現像主薬の酸化生成物と前記化合物との反応時に画像
色素を形成する少なくとも1種のシアンカプラー、親水
性バインダーを含んでなる発色フォトサーモグラフィー
用要素であって、上記シアンカプラーが画像形成時に改
良された濃度を提供する、発色フォトサーモグラフィー
用要素に関する。
【0020】上記カラーフォトサーモグラフィー用要素
は、熱活性化時に分解して(すなわち、ブロックが取り
除かれる)、反応により色素を形成する現像主薬を放出
するブロックト現像剤を含んでなる。この熱活性化は、
少なくとも60℃、好ましくは少なくとも80℃、より好ま
しくは 100℃の温度において行われる。乾式処理の態様
においては、熱活性化は、80〜 180℃、好ましくは 100
〜 160℃の温度において起こるのが好ましい。完全には
乾式ではない現像(「実質的に乾式」)システムにおい
ては、熱活性化は、添加される水の存在下で、60〜 140
℃の温度において起こるのが好ましく、この水は、すべ
ての像形成層を十分に膨潤させるには不十分な量で使用
される。好ましくは、添加される水は、5〜9のpHを
有する、非常に酸性でも、非常に塩基性でもないもので
ある。本発明の1つの好ましい態様において、フォトサ
ーモグラフィー用要素は、銀供与体として作用する、少
なくとも1種の有機銀塩(錯体を含む)を含んでなる。
【0021】さらに、本発明は、本発明に係るシアンカ
プラーと関連してブロックト現像主薬を有する、像様露
光されたフォトサーモグラフィー用要素を熱現像する工
程を有する画像形成方法にも関する。上記ブロックト現
像主薬は、熱活性化時に分解して現像主薬を放出し、そ
の酸化された形が上記カプラーと反応して、現像画像を
形成する。本発明の1つの態様において、上記現像画像
を走査して、前記現像画像から第1の電子的画像再現
(もしくは「電子的記録」)を形成させ、前記第1の電
子的記録をディジタル化して、ディジタル画像を形成さ
せ、前記ディジタル画像を修飾して、第2の電子的画像
再現を形成させ、そして前記第2の電子的画像再現を記
憶、伝送、印刷、または表示することによって、ポジテ
ィブ画像を形成させることができる。
【0022】さらに、本発明は、分解して現像主薬を放
出するブロックト現像主薬およびシアンHDYカプラー
を含む像形成層が塗布されている支持体を含んでなる感
光性フォトサーモグラフィー用要素を含有しているワン
−タイム−ユース−カメラ(OTUC)にも関する。こ
の放出される現像主薬は、上記要素の像形成層中の本発
明のシアンカプラーと反応する。さらに、本発明は、カ
メラ中で露光された要素を熱処理するためのヒーターを
有するワン−タイム−ユース−カメラにおいて、このよ
うな感光性写真要素を像様露光させる工程を有する画像
形成方法にも関する。
【0023】本発明の1つの態様において、感光性ハロ
ゲン化銀乳剤層を含有している写真要素は、式III によ
って表されるカプラーを関連して有する。
【0024】
【化4】
【0025】上式中、COUPは、酸化された発色現像
主薬とカップリングして第1のシアン色素を形成するこ
とが可能な写真用カプラー残基であり、Tは、タイミン
グ基であり、mは、0〜2の整数であり、Lは、−OC
(=O)−、−OC(=S)−、−SC(=O)−、お
よび−SC(=S)−からなる群より選ばれる結合基で
あって、mが0ではない場合にはTが、またはmが0で
ある場合にはLが、COUPのカップリング部位に結合
されており、そしてR2 およびR3 は、独立に選ばれる
有機もしくは無機の置換基であり、好ましくは、置換も
しくは未置換のアルキル、アリール、アルコキシ、ヒド
ロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、
およびアセトアミド基(好ましくは1〜10個の炭素原
子、より好ましくは1〜6個の炭素原子を有する)から
なる群より独立に選ばれ、そして複数のR2 基およびR
3 基が、飽和、不飽和、または芳香族の環(例えば、炭
素環および複素環)を形成していてもよく、nおよびp
は、独立に、0〜4、好ましくは両方とも1または2の
整数であり、そしてQは、O、S、またはNR’であっ
て、ここで、R’は、Hまたは置換もしくは未置換のア
ルキル基もしくはアリール基である。
【0026】本発明のCOUPは、カプラーの親部分で
ある。これは、従来の方法において酸化された発色現像
主薬と化合して着色画像色素を形成する、カプラーの部
分である。種々のタイプの親カプラーを、より十分に以
下に記載する。
【0027】より明確には、L(または,存在する場合
には、T)は、カップリング部位において、上記第2の
色素の結合形態にCOUPを結合するのに役立つ基であ
る。Lは、現像処理時にカプラーが発色現像主薬と酸化
的にカップリングする際にカプラーから−L−DYE’
または−(T)m −L−DYE’が開裂するのを可能と
するような化学式を有する。COUPは、酸化された現
像主薬と化合して、上記第1の色素を形成し、次に、フ
ラグメント−L−DYE’または−(T)m −L−DY
E’がCOUPから解放される。Lに好適な基は、−O
C(O)−、−OC(S)−、−SC(O)−、−SC
(S)−である。このような基は、COUPまたはタイ
ミング基(存在する場合)からの上記フラグメントの開
裂を可能とし、処理時にDYE’から開裂する。また、
このような基は、カプラーを写真要素において不変なも
のとしつつ、カプラーが、要素中の光の透過を過度に妨
げないように、色素の色相をシフトさせるのにも役立
つ。
【0028】Tは、0〜2というmの値の範囲によって
示されているように、存在していなくてもよく、また
は、1または2個のこのようなタイミング基を表してい
てもよい。このような基は当該技術分野においてよく知
られており、例えば、(1)ヘミアセタールの開裂反応
を利用する基(米国特許第 4,146,396号、特開昭 60-24
9148号、同 60-249149号)、(2)共役系に沿った電子
移動反応を利用する基(米国特許第 4,409,323号、同
4,421,845号、特開昭 57-188035、同58-98728号、同 58
-209736号、同 58-209738号)、(3)イミノケタール
の開裂を利用する基(米国特許第 4,546,073号)、
(4)カプラー反応後にカプラーまたは還元剤として機
能する基(米国特許第 4,438,193号、同 4,618,571号)
および(5)分子内求核置換反応を使用する基(米国特
許第 4,248,962号)が含まれる。本発明のL−DYE’
基が任意選択的に結合するタイミング基は、L−DY
E’の放出を可能とするならば、いずれの基であっても
よい。前述の基(5)は、L−DYE’を放出するため
の基としては好適ではないけれども、2個のタイミング
基の配列の初めとして役立つことができる。他のタイミ
ング基は、一般に、−L−DYE’を放出するのに好適
である。(2)および列挙されている特許に記載されて
いるタイミング基がもっとも好ましい。一般に、これら
は、環(1または2個のアルキル基で任意選択的に置換
されていてもよい)上のメチル基と共役している位置に
ある置換もしくは未置換の芳香族ヒドロカルビル環また
は複素環に結合している酸素原子へのCOUPまたは別
のタイミング基からの結合からなり、メチル基がL−D
YE’または第2のタイミング基に結合している。
【0029】芳香族複素環を含有しているこのような基
の1つの例は、以下のものである。
【0030】
【化5】
【0031】上式中、R9 〜R12は、独立に、水素また
は上記カップリング反応および放出反応もしくはそれに
よって形成される色素の性質に悪影響を及ぼさない置換
基である。
【0032】特に有用なタイミング基は、以下の式によ
って表される。
【0033】
【化6】
【0034】上式中、Aはカプラーに結合しており、上
記タイミング基の他端にある第四級炭素はL結合に結合
しており、ここで、Aは、O、S、もしくはスルホンア
ミド(N−SO223)であり、R21およびR22は、個
々に、水素、または置換もしくは未置換のアルキル(例
えば、メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、またはt-
ブチル)、もしくはアリール(例えば、置換または未置
換のフェニル)であり、X7 は、カプラーに悪影響を及
ぼさない置換基であり、そしてnは、0、1、2、3、
または4である。
【0035】R23は、置換基、概してアルキルまたはア
リールである。概して、R21およびR22は水素である。
概して、X7 は電子求引基または電子供与基(例えば、
メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、t-ブチル、およ
びエイコシルなどのアルキル、塩素および臭素などのハ
ロゲン、ニトロ、カルバミル、アシルアミド、スルホン
アミド、スルファモイル、スルホ、カルボキシル、シア
ノ、およびメトキシおよびエトキシなどのアルコキシ、
アシル、スルホニル、ヒドロキシ、アルコキシカルボニ
ル、並びにアリールオキシ)である。
【0036】好ましいタイミング基には、以下のものが
含まれる。
【0037】
【化7】
【0038】上式中、X7aは、水素、塩素、メチルスル
ホンアミド(NHSO2 CH3 )、−COOCH3 、−
NHCOCH3 、−CONHCH3 、−COHNCH2
COOH、−COOH、またはCON(CH32 であ
る。
【0039】芳香族ヒドロカルビル基をベースとするも
う1種の好ましいタイミング基は、以下の式を有する。
【0040】
【化8】
【0041】上式中、Zは、ニトロ、シアノ、アルキル
スルホニル、スルファモイル(−SO2 NR2 )、およ
びスルホンアミド(−NRSO2 R)基からなる群より
選ばれ、Rは、水素またはアルキルなどの置換基であ
り、R13、R11、およびR12は、独立に、水素またはカ
ップリング反応および放出反応もしくはそれによって形
成される色素の性質に悪影響を及ぼさない置換基であ
る。
【0042】上記タイミング基およびDYE’は、任意
選択的に、反応、核酸、または置換の速度を変更するこ
とができる置換基(例えば、ハロゲン(例えば、フルオ
ロ、クロロ、ブロモ、またはヨード)、ニトロ、1〜20
個の炭素原子を有するアルキル、アシル、カルボキシ、
カルボキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキ
シカルボンアミド、アルキルカルバミル、スルホアルキ
ル、アルキルスルホンアミド、およびアルキルスルホニ
ル、可溶化基、バラスト基など)を含有していてもよ
い。例えば、可溶化基は拡散の速度を増大させ、バラス
ト基は拡散の速度を低減する。
【0043】本発明の好ましい態様において、上記カプ
ラーは、以下の式IIIAによって表される。
【0044】
【化9】
【0045】上式中、Aは、OまたはSであり、Qは、
O、S、またはNR’であって、ここで、R’は、水
素、アルキル、またはアリール基であり、そして、R
2 、R3、n、およびpは、上述のものと同様である。
【0046】本発明のCOUPは、上記カプラーの親部
分である。これは、従来の方法において酸化された発色
現像主薬と化合して着色画像色素を形成する、カプラー
の部分である。種々のタイプのカプラーを、より十分に
以下に記載する。本発明の好ましい態様において、上記
COUP基は、高級光度の色素または色素先駆物質(例
えば、ロイコ色素)を放出するものである。同様に、上
記式IAにおける結合基は、DYE’の必要なN結合を考
慮すると、カルバミルオキシ基として見ることができ
る。
【0047】好ましい態様において、DYE’は、シア
ン色素(すなわち、酸化された現像主薬との反応時にC
OUPによって形成されるものと同じ色)を生成する。
シアンDYE’部分がアシルオキシ基によってカプラー
に付加されている場合、それは、好都合なことに、目に
見えない紫外領域にシフトされ、像様様式にCOUPか
ら分離されない限り、および分離されるまでは、無色の
ままである。好ましい態様において、上記DYE’は、
放出される際にロイコ色素を形成する。次に、このロイ
コ色素は、水素および一対の電子の除去を必要とする酸
化によって形成される着色色素に転化される。
【0048】本発明のカプラーの1つの有用な態様は、
下記構造式IVによって表される。
【0049】
【化10】
【0050】上式中、上記式において、R4 は、R5
相互連結されて、それらが結合している窒素原子といっ
しょに、フェノチアジン、フェノキサジン、およびフェ
ナジン、またはそれらの誘導体の群から選ばれる環構造
を形成している。
【0051】上記R4 およびR5 の誘導体は、上記環構
造上の、少なくとも構造式IVにおける窒素に関してパラ
および/または擬パラの位置に、電子供与性である基を
含有しているのが好ましい。
【0052】好ましくは、上記パラまたは擬パラの位置
にある基は、アルキル基、アラルキル基、アリール基、
アルカリール、OR6 、SR6 、またはNR78 であ
り、ここで、各々のR6 、R7 、およびR8 は、個々
に、水素または通常は1〜8個の炭素原子、好ましくは
1〜4個の炭素原子を含有しているアルキル基である。
また、上記基は、望まれる場合には、R4 およびR5
環の上の他の位置に存在していてもよい。
【0053】上記アルキル基は、通常は1〜22個の炭素
原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有している。
いくつかのアルキル基の例は、メチル、エチル、ブチ
ル、アミル、およびヘキシルである。いくつかのアラル
キル基の例には、トリル、キシリル、およびクミルが含
まれる。上記アリール基は、6〜14個の炭素原子を含有
しており、フェニル、ナフチル、およびアントラシル(a
nthracyl) が含まれる。アルカリール基の例はベンジル
である。
【0054】本発明に従って用いられる好ましいDY
E’化合物は、以下の式によって表される。
【0055】
【化11】
【0056】上式中、Qは、SまたはOまたはNRであ
り、上記式の各々のR10およびR11は、個々に、電子を
供与することが可能な基であって、好ましくは、S
12、OR13、およびNR1415の群から選ばれる。各
々のR12、R13、およびR14は、個々に、水素または一
般に1〜8個の炭素原子を含有しているアルキル基であ
る。もっとも好ましいR10およびR11基は、OH、N
(CH32 、およびN(C 252 である。
【0057】放出および酸化の後にメチレンブルーを形
成する、本発明の範囲内で特に好ましいシアンDYE’
の例は、以下の式によって表される。
【0058】
【化12】
【0059】本発明の範囲内の化合物は、以下の例にお
いて例示されているように、当業者によって調製され得
る。
【0060】上記第1および第2の色素は、高色素収率
カプラーにおいて、同じシアンの色である。同じ色と
は、それらが、互いの75nm以内に吸収極大を有すること
を意味する。第1の色素は、現像過程までは形成されな
い。第2の色素は、上記ロイコDYE’がOC=Oを介
してカプラーの残りに結合されている限りは非可視(無
色)領域にシフトされているけれども、空気、酸化され
た現像主薬、ハロゲン化銀、または他の酸化剤によって
放出および酸化されると着色される。
【0061】酸化された発色現像主薬との反応時にシア
ン色素を形成するカプラーは、米国特許第 2,772,162
号、同 2,895,826号、同 3,002,836号、同 3,034,892
号、同 2,474,293号、同 2,423,730号、同 2,367,531
号、同 3,041,236号、および同 4,333,999号の各明細書
などの、代表的な特許明細書および刊行物に記載されて
いる。
【0062】好ましくは、このようなカプラーは、酸化
された発色現像主薬との反応時にシアン色素を形成し、
カップリング位置(すなわち、4位における炭素原子)
に結合されている−(T)m −L−(DYE’)を有す
るフェノールおよびナフトールである。以下の構造式に
おいて、Yは、本発明に従って上記に規定されているよ
うに−(T)m −L−(DYE’)であるカップリング
オフ基を表す。好ましいこのようなカプラー部分の構造
式は、以下の通りである。
【0063】
【化13】
【0064】
【化14】
【0065】上式中、R13、R15、R16、R17、および
18は、バラスト基を表し、そしてR12およびR14は、
1種以上のハロゲン(例えば、クロロ、フルオロ)、低
級アルキル(例えば、メチル、エチル、ブチル)、低級
アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ)
基、またはバラスト基を表す。Wは、CまたはSのいず
れであってもよく(WがCである場合にはjは1であ
り、WがSである場合にはjは2である)、そしてR19
は、アルキルまたはアルコキシであるのが好ましい。
【0066】以下は、本発明の写真要素において有用な
カプラーの例である。
【0067】
【化15】
【0068】
【化16】
【0069】
【化17】
【0070】
【化18】
【0071】
【化19】
【0072】
【化20】
【0073】
【化21】
【0074】特に断らない限り、「置換されている」ま
たは「置換基」という用語の使用は、水素以外のいずれ
の基または原子をも意味する。さらに、「基」という用
語が使用される場合、それは、置換基が置換可能な水素
を含有している場合には、写真用途に必要な性質を置換
基が破壊しない限り、その置換基の未置換の形のみなら
ず、本明細書において挙げられているいずれの基(複数
であってもよい)でさらに置換されている形をも包含す
るものと解される。好適には、この基はハロゲンであっ
てもよく、または炭素、珪素、酸素、窒素、燐、または
硫黄の原子によって分子の残りに結合されているもので
あってもよい。
【0075】上記置換基は、例えば、ハロゲン(例え
ば、塩素、臭素、または弗素);ニトロ;ヒドロキシ
ル;シアノ;カルボキシルであってもよく;あるいは、
【0076】アルキル(例えば、直鎖もしくは分岐鎖ま
たは環式アルキル)(例えば、メチル、トリフルオロメ
チル、エチル、t-ブチル、 3-(2,4-ジ -t-ペンチルフェ
ノキシ) プロピル、およびテトラデシル);アルケニル
(例えば、エチレン、2-ブテン);アルコキシ(例え
ば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、2-メ
トキシエトキシ、s-ブトキシ、ヘキシルオキシ、2-エチ
ルヘキシルオキシ、テトラデシルオキシ、 2-(2,4-ジ -
t-ペンチルフェノキシ) エトキシ、および2-ドデシルオ
キシエトキシ);アリール(例えば、フェニル、4-t-ブ
チルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ナフチ
ル);アリールオキシ(例えば、フェノキシ、2-メチル
フェノキシ、α−またはβ−ナフチルオキシ、および4-
トリルオキシ);
【0077】カルボンアミド(例えば、アセトアミド、
ベンズアミド、ブチルアミド、テトラデカンアミド、α
-(2,4-ジ -t-ペンチルフェノキシ) アセトアミド、α-
(2,4-ジ -t-ペンチルフェノキシ) ブチルアミド、α-(3
-ペンタデシルフェノキシ)-ヘキサンアミド、α-(4-ヒ
ドロキシ -3-t-ブチルフェノキシ)-テトラデカンアミ
ド、2-オキソ−ピロリジン -1-イル、2-オキソ -5-テト
ラデシルピロリン -1-イル、N-メチルテトラデカンアミ
ド、N-スクシンイミド、N-フタルイミド、2,5-ジオキソ
-1-オキサゾリジニル、3-ドデシル -2,5-ジオキソ -1-
イミダゾリル、およびN-アセチル -N-ドデシルアミノ、
エトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミ
ノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、ヘキサデシルオ
キシカルボニルアミノ、2,4-ジ -t-ブチルフェノキシカ
ルボニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、 2,5-(ジ
-t-ペンチルフェニル) カルボニルアミノ、p-ドデシル
−フェニルカルボニルアミノ、p-トリルカルボニルアミ
ノ、N-メチルウレイド、N,N-ジメチルウレイド、N-メチ
ル -N-ドデシルウレイド、N-ヘキサデシルウレイド、N,
N-ジオクタデシルウレイド、N,N-ジオクチル-N'-エチル
ウレイド、N-フェニルウレイド、N,N-ジフェニルウレイ
ド、N-フェニル -N-p-トリルウレイド、 N-(m-ヘキサデ
シルフェニル) ウレイド、 N,N-(2,5-ジ -t-ペンチルフ
ェニル) -N'-エチルウレイド、およびt-ブチルカルボン
アミド);
【0078】スルホンアミド(例えば、メチルスルホン
アミド、ベンゼンスルホンアミド、p-トリルスルホンア
ミド、p-ドデシルベンゼンスルホンアミド、N-メチルテ
トラデシルスルホンアミド、N,N-ジプロピル−スルファ
モイルアミノ、およびヘキサデシルスルホンアミド);
スルファモイル(例えば、N-メチルスルファモイル、N-
エチルスルファモイル、N,N-ジプロピルスルファモイ
ル、N-ヘキサデシルスルファモイル、N,N-ジメチルスル
ファモイル、N-[3-(ドデシルオキシ) プロピル]スルフ
ァモイル、N-[4-(2,4-ジ -t-ペンチルフェノキシ) ブチ
ル] スルファモイル、N-メチル -N-テトラデシルスルフ
ァモイル、およびN-ドデシルスルファモイル);カルバ
モイル(例えば、N-メチルカルバモイル、N,N-ジブチル
カルバモイル、N-オクタデシルカルバモイル、N-[4-(2,
4-ジ -t-ペンチルフェノキシ) ブチル] カルバモイル、
N-メチル -N-テトラデシルカルバモイル、およびN,N-ジ
オクチルカルバモイル);
【0079】アシル(例えば、アセチル、 (2,4-ジ -t-
アミルフェノキシ) アセチル、フェノキシカルボニル、
p-ドデシルオキシフェノキシカルボニル、メトキシカル
ボニル、ブトキシカルボニル、テトラデシルオキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニ
ル、3-ペンタデシルオキシカルボニル、およびドデシル
オキシカルボニル);スルホニル(例えば、メトキシス
ルホニル、オクチルオキシスルホニル、テトラデシルオ
キシスルホニル、2-エチルヘキシルオキシスルホニル、
フェノキシスルホニル、2,4-ジ -t-ペンチルフェノキシ
スルホニル、メチルスルホニル、オクチルスルホニル、
2-エチルヘキシルスルホニル、ドデシルスルホニル、ヘ
キサデシルスルホニル、フェニルスルホニル、4-ノニル
フェニルスルホニル、およびp-トリルスルホニル);ス
ルホニルオキシ(例えば、ドデシルスルホニルオキシ、
およびヘキサデシルスルホニルオキシ);スルフィニル
(例えば、メチルスルフィニル、オクチルスルフィニ
ル、2-エチルヘキシルスルフィニル、ドデシルスルフィ
ニル、ヘキサデシルスルフィニル、フェニルスルフィニ
ル、4-ノニルフェニルスルフィニル、およびp-トリルス
ルフィニル);
【0080】チオ(例えば、エチルチオ、オクチルチ
オ、ベンジルチオ、テトラデシルチオ、 2-(2,4-ジ -t-
ペンチルフェノキシ) エチルチオ、フェニルチオ、2-ブ
トキシ-5-t-オクチルフェニルチオ、およびp-トリルチ
オ);アシルオキシ(例えば、アセチルオキシ、ベンゾ
イルオキシ、オクタデカノイルオキシ、p-ドデシルアミ
ドベンゾイルオキシ、N-フェニルカルバモイルオキシ、
N-エチルカルバモイルオキシ、およびシクロヘキシルカ
ルボニルオキシ);アミン(例えば、フェニルアニリ
ノ、2-クロロアニリノ、ジエチルアミン、ドデシルアミ
ン);イミノ(例えば、 1-(N-フェニルイミド) エチ
ル、N-スクシンイミド、または3-ベンジルヒダントイニ
ル);
【0081】ホスフェート(例えば、ジメチルホスフェ
ートおよびエチルブチルホスフェート);ホスフィット
(例えば、ジエチルホスフィットおよびジヘキシルホス
フィット);複素環式基、複素環式オキシ基、または複
素環式チオ基(これらの各々は置換されていてもよく、
酸素、窒素、および硫黄からなる群より選ばれる少なく
とも1種のヘテロ原子と炭素原子とを含んでなる3〜7
員の複素環を含有している)(例えば、2-フリル、2-チ
エニル、2-ベンゾイミダゾリルオキシ、または2-ベンゾ
チアゾリル);第四級アンモニウム(例えば、トリエチ
ルアンモニウム);およびシリルオキシ(例えば、トリ
メチルシリロキシ)などの基(さらに置換されていても
よい)であってもよい。
【0082】望まれる場合には、これらの置換基は、そ
れら自体が、上述の置換基でさらに1回以上置換されて
いてもよい。使用される個々の置換基は、特定の用途に
望まれる写真特性を達成するように当業者が選ぶことが
でき、例えば、疎水基、可溶化基、ブロッキング基、放
出基または放出可能基などを含むことができる。分子が
2個以上の置換基を有する場合には、特に断らない限
り、これらの置換基がいっしょに結合して、縮合環など
の環を形成していてもよい。一般に、上記の基およびそ
れらの置換基は、48個以下の炭素原子、概して1〜36個
の炭素原子、および通常は24個未満の炭素原子を有する
ものを含んでいるけれども、選択される個々の置換基に
よっては、より大きい数も可能である。
【0083】本発明の材料は、当該技術分野において知
られているいずれの方法およびいずれの組み合わせで使
用してもよい。概して、本発明の材料は、溶融物に導入
され、本明細書に記載されている層として支持体上に塗
布されて、写真要素の一部を形成する。
【0084】本発明において有用な色素形成カプラー
は、当該技術分野において知られているいずれの手法で
像形成部材に導入してもよい。これらの方法には、水中
油形乳剤(写真技術分野においては「分散体」として口
語的に知られている)として、逆相乳剤として、固体粒
子分散体として、多相分散体として、分子分散体もしく
は"Fisher"分散体として、またはポリマー装填分散体も
しくは装填ラテックス分散体としての導入が含まれるけ
れども、これらに限定されるものではない。上記HDY
カプラーは、多色画像の所望の形成を可能とするいずれ
の濃度において、上記部材において用いることもできる
けれども、50〜3000 mg/m2の上記HDYカプラーを上記
部材に適用するのが好ましく、 200〜 800 mg/m2の上記
HDYカプラーを上記部材に適用するのがより好まし
い。
【0085】上記像形成部材は、内型溶媒をさらに含ん
でなっていてもよい。1つの態様において、上記HDY
カプラーは、このような溶媒中の乳剤として提供され
る。この態様において、写真技術分野において「カプラ
ー溶媒」として知られているいずれの高沸点有機溶媒を
用いることもできる。この状況において、この溶媒は、
加工助剤として作用する。あるいは、上記溶媒を別個に
導入することもできる。いずれの状況においても、上記
溶媒は、カプラー安定化剤、色素安定化剤、反応性増強
剤もしくは反応性抑制剤、または色相シフト剤(いずれ
も写真技術分野において知られている)としても機能す
ることができる。さらに、補助溶媒を用いて、上記カプ
ラー溶媒における上記HDYカプラーの溶解を助けるこ
ともできる。カプラー溶媒およびそれらの使用の詳細に
ついては、前述の参考文献およびリサーチディスクロー
ジャー(Research Disclosure) 、アイテム 37038(199
5)、セクションIX、Solvents、およびセクションXI、S
urfactants に記載されている。カプラー溶媒のいくつ
かの具体例には、燐酸トリトリル、燐酸ジブチル、N,N-
ジエチルドデカンアミド、N,N-ジブチルドデカンアミ
ド、燐酸トリス (2-エチルヘキシル) 、アセチルクエン
酸トリブチル、2,4-ジ -t-ペンチルフェノール、酢酸 2
-(2-ブトキシエトキシ) エチル、および1,4-シクロヘキ
シルジメチレンビス(2-エチルヘキサノエート) が含ま
れるけれども、これらに限定されるものではない。米国
特許第 4,808,502号および同 4,973,535号の各明細書に
おいてMerkel他によって開示されているように、カプラ
ー溶媒およびベヒクルの選択が、形成される色素の色相
に影響を及ぼす場合がある。概して、水素結合供与能力
を有する材料は色素を深色シフトさせることができ、水
素結合受容能力を有する材料は色素を浅色シフトさせる
ことができる。さらに、低い分極率を有する材料の使用
により、ひとりでに、色素の色相の浅色シフトを促進さ
せ、かつ、色素の凝集を促進させることができる。カプ
ラーのバラストが、色相におけるシフトを伴いつつ、色
素および色素−カプラー混合物が自己溶媒として機能す
ることを可能とすることが多いことも認められている。
種々の材料の分極率、並びに水素結合供与能力および受
容能力については、Kamlet他によって、J. Org. Chem.,
48, 2877-87 (1983) に記載されている。
【0086】形成される画像が人間による観察を目的と
するものである場合、少なくとも1種の像形成層がシア
ン色素を形成するものであり、少なくとも1種の他の像
形成層がマゼンタ色素を形成するものであり、そして少
なくとも1種の第3の像形成層がイエロー色素を形成す
るものである。ゆえに、好ましくは、各々のカプラー
が、ブロックト現像主薬と、反応的に関連して、存在し
ている。しかしながら、形成される画像が走査されるべ
きものである場合、他の異なる色に着色された色素を生
成させることも可能である。異なる色に着色されると
は、形成される色素の極大吸収の波長が少なくとも50nm
は異なることを意味する。これらの色素の極大吸収波長
が少なくとも65nmは異なるのが好ましく、それらの極大
吸収波長が少なくとも80nmは異なるのがより好ましい。
上記シアン色素に加えて、マゼンタおよびイエローの色
素が形成されるのがさらに好ましい。好ましくは、シア
ン色素形成現像主薬、マゼンタ色素形成現像主薬、およ
びイエロー色素形成現像主薬を用いて、同じカプラーか
ら、それぞれ、シアン、マゼンタ、およびイエローの色
素を形成させる。もう1つの態様において、黒色色素形
成現像主薬をさらに用いる。さらにもう1つの態様にお
いて、多種のシアン色素形成現像主薬、マゼンタ色素形
成現像主薬、およびイエロー色素形成現像主薬を個々に
用いて、より広い色域を形成させたり、より大きいビッ
ト深度の色を形成させたりすることもできる。
【0087】シアン色素は、概して、 580〜 700nmのと
ころに極大吸収を有する色素であり、好ましくは極大吸
収は 590〜 680nmにあり、より好ましくはピーク吸収は
600〜 670nmにあり、もっとも好ましくはピーク吸収は
605〜 655nmにある。マゼンタ色素は、 500〜 580nmの
ところに極大吸収を有する色素であり、好ましくは極大
吸収は 515〜 565nmにあり、より好ましくはピーク吸収
は 520〜 560nmにあり、もっとも好ましくはピーク吸収
は 525〜 555nmにある。イエロー色素は、 400〜 500nm
のところに極大吸収を有する色素であり、好ましくは極
大吸収は 410〜480nmにあり、より好ましくはピーク吸
収は 435〜 465nmにあり、もっとも好ましくはピーク吸
収は 445〜 455nmにある。
【0088】好ましい態様において、カラーネガティブ
要素は、もっぱら走査されて3種の別個の電子的な色記
録を生成することを目的としている。従って、生成され
る画像色素の実際の色相はまったく重要ではない。不可
欠なことは、層ユニットの各々において生成される色素
画像が、残りの層ユニットの各々によって生成されるも
のと識別可能であるということのみである。この識別能
力を提供するために、層ユニットの各々が、異なるスペ
クトル領域に存在する吸収ピーク半値幅を有する画像色
素を生成するように選択される1種以上の色素画像形成
カプラーを含有していることが企図されている。青、
緑、または赤の光の記録層ユニットが、焼き付けにおけ
る使用を目的とするカラーネガティブ要素において従来
行われているように、スペクトルの青、緑、または赤の
領域に吸収ピーク半値幅を有するイエロー、マゼンタ、
またはシアンの色素を形成するか、または、層ユニット
中の画像色素の各吸収ピーク半値幅が実質的に同一の広
がりを持たない波長範囲にわたって広がる限り、スペク
トルの他のいずれかの好都合な領域における吸収ピーク
半値幅が、近紫外( 300〜 400nm)から可視光および近
赤外( 700〜1200nm)の範囲にわたるかどうかは重要で
はない。「実質的に同一の広がりを持たない波長範囲」
という用語は、各々の画像色素が、別の画像色素の吸収
ピーク半値幅によって占められていない少なくとも25
(好ましくは50)nmのスペクトル領域を超えて広がる吸
収ピーク半値幅を呈することを意味する。理想的には、
画像色素は、互いに排他的な吸収ピーク半値幅を呈す
る。
【0089】写真要素における上記1種以上の現像主薬
および上記1種以上の色素形成カプラーの濃度および量
は、概して、極大吸収において、少なくとも 0.7の濃
度、好ましくは少なくとも 1.0の濃度、より好ましくは
少なくとも 1.3の濃度、もっとも好ましくは少なくとも
1.6の濃度を有する色素の形成を可能とするように選択
されるであろう。さらに、これらの色素は、概して、 4
00〜 900nmの領域において、70〜 170nmの半分の高さで
の帯域幅(HHBW)を有するであろう。好ましくは、
このHHBWは、 150nm未満、より好ましくは 130nm未
満、もっとも好ましくは 115nm未満であろう。好ましい
色素の色相のさらなる詳細については、McInerney 他に
よって、米国特許第 5,679,139号、同 5,679,140号、同
5,679,141号、および同 5,679,142号の各明細書に記載
されている。
【0090】上記写真要素において、HDYカプラーに
加えて、他のカプラーをも使用してもよい。カップリン
グオフ基は、当該技術分野においてよく知られている。
このような基は、カプラーの化学当量(すなわち、それ
が2当量カプラーであるか、または4当量カプラーであ
るか)を定めることができ、または、カプラーの反応性
を変更することができる。このような基は、カプラーか
らの放出後に、例えば、色素形成、色素色相調整、現像
促進または現像抑制、漂白促進または漂白抑制、電子移
動促進、色補正などの機能を発揮することによって、写
真記録材料におけるカプラーが塗布される層または他の
層に好都合な影響を及ぼすことができる。
【0091】カップリング部位に水素が存在すると4当
量カプラーが提供され、別のカップリングオフ基が存在
すると通常は2当量カプラーが提供される。このような
カップリングオフ基の代表的な部類には、例えば、クロ
ロ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロ−オキシ、ス
ルホニルオキシ、アシルオキシ、アシル、ヘテロシクリ
ル、スルホンアミド、メルカプトテトラゾール、ベンゾ
チアゾール、メルカプトプロピオン酸、ホスホニルオキ
シ、アリールチオ、およびアリールアゾが含まれる。こ
れらのカップリングオフ基は、当該技術分野において、
例えば、米国特許第 2,455,169号、同 3,227,551号、同
3,432,521号、同 3,467,563号、同 3,617,291号、同
3,880,661号、同 4,052,212号、および同 4,134,766号
の各明細書;並びに英国特許第 1,466,728号、同 1,53
1,927号、同 1,533,039号の各明細書、および英国特許
出願公開明細書第2,066,755A号、および同2,017,704A号
に記載されている。
【0092】酸化された発色現像主薬との反応時にシア
ン色素を形成するカプラーなどの画像色素形成カプラー
が要素に含まれていてもよい。これらのカプラーは、以
下の代表的な特許明細書および刊行物に記載されてい
る。"Farbkuppler-eine Literature Uebersicht"(Agfa
Mitteilungen 発行)Band III, pp. 156-175 (1961)並
びに米国特許第 2,367,531号、同 2,423,730号、同 2,4
74,293号、同 2,772,162号、同 2,895,826号、同 3,00
2,836号、同 3,034,892号、同 3,041,236号、同 4,333,
999号、同 4,746,602号、同 4,753,871号、同 4,770,98
8号、同 4,775,616号、同 4,818,667号、同 4,818,672
号、同 4,822,729号、同 4,839,267号、同 4,840,883
号、同 4,849,328号、同 4,865,961号、同 4,873,183
号、同 4,883,746号、同 4,900,656号、同 4,904,575
号、同 4,916,051号、同 4,921,783号、同 4,923,791
号、同 4,95O,585号、同 4,971,898号、同 4,990,436
号、同 4,996,139号、同 5,008,180号、同 5,015,565
号、同 5,011,765号、同 5,011,766号、同 5,017,467
号、同 5,045,442号、同 5,051,347号、同 5,061,613
号、同 5,071,737号、同 5,075,207号、同 5,091,297
号、同 5,094,938号、同 5,104,783号、同 5,178,993
号、同 5,813,729号、同 5,187,057号、同 5,192,651
号、同 5,200,305号、同 5,202,224号、同 5,206,130
号、同 5,208,141号、同 5,210,011号、同 5,215,871
号、同 5,223,386号、同 5,227,287号、同 5,256,526
号、同 5,258,270号、同 5,272,051号、同 5,306,610
号、同 5,326,682号、同 5,366,856号、同 5,378,596
号、同 5,380,638号、同 5,382,502号、同 5,384,236
号、同 5,397,691号、同 5,415,990号、同 5,434,034
号、同 5,441,863号の各明細書、欧州特許第0 246 616
号、同 0 250 201号、同 0 271 323号、同 0 295 632
号、同 0 307 927号、同 0 333 185号、同 0 378 898
号、同 0 389 817号、同 0 487 111号、同0 488 248
号、同 0 539 034号、同 0 545 300号、同 0 556 700
号、同 0 556 777号、同 0 556 858号、同 0 569 979
号、同 0 608 133号、同 0 636 936号、同0 651 286
号、同 0 690 344号の各明細書、独国特許出願公開明細
書第 4,026,903号、同 3,624,777号、および同 3,823,0
49号。概して、このようなカプラーは、フェノール、ナ
フトール、またはピラゾロアゾールである。
【0093】酸化された発色現像主薬との反応時にマゼ
ンタ色素を形成するカプラーは、以下の代表的な特許明
細書および刊行物に記載されている。"Farbkuppler-ein
e Literature Uebersicht"(Agfa Mitteilungen 発行)
Band III, pp. 126-156 (1961)並びに米国特許第 2,31
1,082号、および同 2,369,489号、同 2,343,701号、同
2,600,788号、同 2,908,573号、同 3,062,653号、同 3,
152,896号、同 3,519,429号、同 3,758,309号、同 3,93
5,015号、同 4,540,654号、同 4,745,052号、同4,762,7
75号、同 4,791,052号、同 4,812,576号、同 4,835,094
号、同 4,840,877号、同 4,845,022号、同 4,853,319
号、同 4,868,099号、同 4,865,960号、同4,871,652
号、同 4,876,182号、同 4,892,805号、同 4,900,657
号、同 4,910,124号、同 4,914,013号、同 4,921,968
号、同 4,929,540号、同 4,933,465号、同4,942,116
号、同 4,942,117号、同 4,942,118号、同 4,959,480
号、同 4,968,594号、同 4,988,614号、同 4,992,361
号、同 5,002,864号、同 5,021,325号、同5,066,575
号、同 5,068,171号、同 5,071,739号、同 5,100,772
号、同 5,110,942号、同 5,116,990号、同 5,118,812
号、同 5,134,059号、同 5,155,016号、同5,183,728
号、同 5,234,805号、同 5,235,058号、同 5,250,400
号、同 5,254,446号、同 5,262,292号、同 5,300,407
号、同 5,302,496号、同 5,336,593号、同5,350,667
号、同 5,395,968号、同 5,354,826号、同 5,358,829
号、同 5,368,998号、同 5,378,587号、同 5,409,808
号、同 5,411,841号、同 5,418,123号、同5,424,179号
の各明細書、欧州特許第 0 257 854号、同 0 284 240
号、同 0 341204号、同 347,235号、同 365,252号、同
0 422 595号、同 0 428 899号、同 0428 902号、同 0 4
59 331号、同 0 467 327号、同 0 476 949号、同 0 487
081号、同 0 489 333号、同 0 512 304号、同 0 515 1
28号、同 0 534 703号、同 0554 778号、同 0 558 145
号、同 0 571 959号、同 0 583 832号、同 0 583 834
号、同 0 584 793号、同 0 602 748号、同 0 602 749
号、同 0 605 918号、同 0622 672号、同 0 622 673
号、同 0 629 912号、同 0 646 841号、同 0 656 561
号、同 0 660 177号、同 0 686 872号の各明細書、国際
公開公報第90/10253号、同92/09010号、同92/10788号、
同92/12464号、同93/01523号、同93/02392号、同93/023
93号、同93/07534号、英国特許出願第 2,244,053号明細
書、日本国特許出願第 03192-350号明細書、独国特許出
願公開明細書第 3,624,103号、同 3,912,265号、および
同 40 08 067号の各明細書。概して、このようなカプラ
ーは、酸化された発色現像主薬との反応時にマゼンタ色
素を形成するピラゾロン、ピラゾロアゾール、またはピ
ラゾロベンゾイミダゾールである。
【0094】酸化された発色現像主薬との反応時にイエ
ロー色素を形成するカプラーは、以下の代表的な特許明
細書および刊行物に記載されている。"Farbkuppler-ein
e Literature Uebersicht"(Agfa Mitteilungen 発行)
Band III, pp. 112-126 (1961)並びに米国特許第 2,29
8,443号、同 2,407,210号、同 2,875,057号、同 3,048,
194号、同 3,265,506号、同 3,447,928号、同 4,022,62
0号、同 4,443,536号、同 4,758,501号、同 4,791,050
号、同 4,824,771号、同 4,824,773号、同 4,855,222
号、同 4,978,605号、同 4,992,360号、同 4,994,361
号、同 5,021,333号、同 5,053,325号、同 5,066,574
号、同 5,066,576号、同 5,100,773号、同 5,118,599
号、同 5,143,823号、同 5,187,055号、同 5,190,848
号、同 5,213,958号、同 5,215,877号、同 5,2l5,878
号、同 5,217,857号、同 5,219,716号、同 5,238,803
号、同 5,283,166号、同 5,294,531号、同 5,306,609
号、同 5,328,818号、同 5,336,591号、同 5,338,654
号、同 5,358,835号、同 5,358,838号、同 5,360,713
号、同 5,362,617号、同 5,382,506号、同 5,389,504
号、同 5,399,474号、同 5,405,737号、同 5,411,848
号、同 5,427,898号の各明細書、欧州特許第 0 327 976
号、同 0 296 793号、同 0 365 282号、同 0 379 309
号、同 0 415 375号、同 0 437 818号、同 0 447 969
号、同 0 542 463号、同 0 568 037号、同 0 568 196
号、同 0 568 777号、同 0 570 006号、同 0 573 761
号、同 0 608 956号、同 0 608 957号、および同 0 628
865号の各明細書。このようなカプラーは、概して、開
鎖ケトメチレン化合物である。
【0095】酸化された発色現像主薬との反応時に無色
の生成物を形成するカプラーは、以下の代表的な特許明
細書に記載されている。英国特許第 861,138号明細書、
米国特許第 3,632,345号、同 3,928,041号、同 3,958,9
93号、および同 3,961,959号の各明細書。概して、この
ようなカプラーは、酸化された発色現像主薬との反応時
に無色の生成物を形成する環状カルボニル含有化合物で
ある。
【0096】前述のものに加えて、いわゆる「ユニバー
サル」カプラーまたは「ウォッシュアウト (washout)」
カプラーを用いてもよい。これらのカプラーは画像色素
形成に寄与しない。従って、例えば、未置換カルバモイ
ルを有するナフトール、または2位もしくは3位が低分
子量置換基で置換されているものを用いてもよい。この
タイプのカプラーは、例えば、米国特許第 5,026,628
号、同 5,151,343号、および同 5,234,800号の各明細書
に記載されている。
【0097】カプラーの組み合わせを使用するのが有用
である場合があり、その中のいずれが、米国特許第 4,3
01,235号、同 4,853,319号、および同 4,351,897号の各
明細書に記載されているものなどの既知のバラスト基ま
たはカップリングオフ基を含有していてもよい。カプラ
ーは、例えば、米国特許第 4,482,629号明細書に記載さ
れている、可溶化基を含有していてもよい。また、カプ
ラーを、(例えば、層間補正のレベルを調整するため
に)「不正 (wrong)」着色カプラーと関連して使用して
もよく、カラーネガ用途においては、欧州特許第 213,4
90号明細書、特開昭58-172,647号公報、米国特許第 2,9
83,608号、同 4,070,191号、および同 4,273,861号の各
明細書、独国出願第 2,706,117号および同 2,643,965号
の各明細書、英国特許第 1,530,272号明細書、並びに日
本国特許出願第 58-113935号明細書に記載されているも
のなどのマスキングカプラーと関連して使用してもよ
い。望まれる場合には、これらのマスキングカプラー
は、シフトまたはブロックされていてもよい。
【0098】概して、カプラーは、銀に対するモル比が
0.05〜 1.0、一般には 0.1〜 0.5の状態で、ハロゲン化
銀乳剤に導入される。通常、カプラーは、溶媒のカプラ
ーに対する質量比が 0.1〜10.0、概して 0.1〜 2.0の状
態で、高沸点有機溶媒中に分散されるけれども、永久カ
プラー溶媒をまったく使用しない分散体が用いられる場
合もある。
【0099】本発明の材料を、例えば、漂白または定着
する処理工程を促進するか、さもなければ改質して画質
を改良する、写真用途に有用な基(PUG)を放出する
材料と関連して使用してもよい。欧州特許第 193,389
号、同 301,477号の各明細書、米国特許第 4,163,669
号、同 4,865,956号、および同 4,923,784号の各明細書
に記載されているものなどの漂白促進剤放出型カプラー
が有用である場合がある。また、核生成剤、現像促進
剤、またはそれらの先駆物質(英国特許第 2,097,140
号、同 2,131,188号)、電子移動剤(米国特許第 4,85
9,578号、同 4,912,025号)、カブリ防止剤および混色
(color-mixing)防止剤(例えば、ヒドロキノン、アミノ
フェノール、アミン、没食子酸の誘導体;カテコール;
アスコルビン酸;ヒドラジド;スルホンアミドフェノー
ル;並びに非色形成カプラー)と関連して使用すること
も企図されている。
【0100】また、本発明の材料を、水中油形分散体、
ラテックス分散体、または固体粒子分散体のいずれかと
して、コロイド状銀ゾルまたはイエロー、シアン、およ
び/もしくはマゼンタのフィルター色素を含んでなるフ
ィルター色素層と組み合わせて使用してもよい。さら
に、本発明の材料を(例えば、米国特許第 4,366,237
号、欧州特許第96,570号、米国特許第 4,420,556号、お
よび同 4,543,323号の各明細書に記載されている)「ス
ミアリング(smearing)」カプラーと共に使用してもよ
い。また、上記組成物を、例えば、日本国特許出願第61
/258,249号明細書または米国特許第 5,019,492号明細書
に記載されている保護形態で、ブロックまたは塗布して
もよい。
【0101】さらに、本発明の材料を、「現像抑制剤放
出型」化合物(DIR)などのPUGを放出する画像改
質化合物と組み合わせて使用してもよい。本発明の組成
物と組み合わせると有用なDIRは当該技術分野におい
て知られており、例は、米国特許第 3,137,578号、同
3,148,022号、同 3,148,062号、同 3,227,554号、同 3,
384,657号、同 3,379,529号、同 3,615,506号、同 3,61
7,291号、同 3,620,746号、同 3,701,783号、同 3,733,
201号、同 4,049,455号、同 4,095,984号、同 4,126,45
9号、同 4,149,886号、同 4,150,228号、同 4,211,562
号、同 4,248,962号、同 4,259,437号、同 4,362,878
号、同 4,409,323号、同 4,477,563号、同 4,782,012
号、同 4,962,018号、同 4,500,634号、同 4,579,816
号、同 4,607,004号、同 4,618,571号、同 4,678,739
号、同 4,746,600号、同 4,746,601号、同 4,791,049
号、同 4,857,447号、同 4,865,959号、同 4,880,342
号、同 4,886,736号、同 4,937,179号、同 4,946,767
号、同 4,948,716号、同 4,952,485号、同 4,956,269
号、同 4,959,299号、同 4,966,835号、同 4,985,336号
の各明細書、並びに英国特許公開第 1,560,240号、同
2,007,662号、同 2,032,914号、同 2,099,167号の各明
細書、独国特許第 2,842,063号、同 2,937,127号、同
3,636,824号、同 3,644,416号の各明細書、並びに欧州
特許公開第 272,573号、同 335,319号、同 336,411号、
同 346,899号、同 362,870号、同 365,252号、同 365,3
46号、同 373,382号、同 376,212号、同 377,463号、同
378,236号、同 384,670号、同396,486号、同 401,612
号、同 401,613号の各明細書に記載されている。
【0102】また、このような化合物は、"Developer-I
nhibitor-Releasing (DIR) Couplers for Color Photog
raphy", C. R. Barr, J. R. Thirtle and P. W. Vittum
Photographic Science and Engineering, Vol. 13,
p. 174 (1969)においても開示されている。一般に、現
像抑制剤放出型(DIR)カプラーは、カプラー部分と
抑制剤カップリングオフ部分(IN)とを含んでいる。
抑制剤放出型カプラーは、抑制剤の放出を遅らせるタイ
ミング部分または化学的スイッチをも含んでいる遅延タ
イプのもの(DIARカプラー)であってもよい。典型
的な抑制剤部分の例は、オキサゾール、チアゾール、ジ
アゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジア
ゾール、オキサチアゾール、チアトリアゾール、ベンゾ
トリアゾール、テトラゾール、ベンゾイミダゾール、イ
ンダゾール、イソインダゾール、メルカプトテトラゾー
ル、セレノテトラゾール、メルカプトベンゾチアゾー
ル、セレノベンゾチアゾール、メルカプトベンゾオキサ
ゾール、セレノベンゾキサゾール、メルカプトベンゾイ
ミダゾール、セレノベンゾイミダゾール、ベンゾジアゾ
ール、メルカプトオキサゾール、メルカプトチアジアゾ
ール、メルカプトチアゾール、メルカプトトリアゾー
ル、メルカプトオキサジアゾール、メルカプトジアゾー
ル、メルカプトオキサチアゾール、テルロテトラゾー
ル、またはベンゾイソジアゾールである。好ましい態様
において、抑制剤部分または抑制剤基は、以下の式から
選ばれる。
【0103】
【化22】
【0104】上式中、RI は、炭素原子1〜8個の直鎖
および分岐鎖のアルキル基、ベンジル基、フェニル基、
およびアルコキシ基からなる群より選ばれ、これらの基
は、このような置換基をまったく含有していないか、ま
たは1種もしくはそれ以上含有しており;RIIは、RI
および−SRI から選ばれ;RIII は、炭素原子が1〜
5個の直鎖または分岐鎖のアルキル基であって、mは1
〜3であり;そしてR IVは、水素、ハロゲン、並びにア
ルコキシ基、フェニル基、およびカルボンアミド基、−
COORV 、および−NHCOORV からなる群より選
ばれる(ここで、RV は、置換および未置換のアルキル
基およびアリール基から選ばれる)。
【0105】概して、現像抑制剤放出型カプラーに含ま
れているカプラー部分は、それが配置されている層に対
応する画像色素を形成するけれども、異なるフィルム層
と関連するものとして、異なる色を形成してもよい。ま
た、現像抑制剤放出型カプラーに含まれているカプラー
部分が、無色の生成物および/または従来の処理時に写
真材料から洗い出される生成物を形成することが有用で
ある場合もある(いわゆる「ユニバーサル」カプラ
ー)。
【0106】カプラーなどの化合物は、処理における化
合物の反応時に、直接的に、またはタイミング基もしく
は結合基によって間接的に、PUGを放出することがで
きる。タイミング基は、分子内求核置換反応を使用する
基(米国特許第 4,248,962号)、共役系に沿った電子移
動反応を利用する基(米国特許第 4,409,323号、同 4,4
21,845号、同 4,861,701号、および日本国特許出願第 5
7-188035号、同58-98728号、同 58-209736号、同 58-20
9738号)、カプラー反応後にカプラーまたは還元剤とし
て機能する基(米国特許第 4,438,193号、同 4,618,571
号)、および上述の特徴を兼備する基などのPUGを遅
延放出させる。概して、タイミング基は下式の1種であ
る。
【0107】
【化23】
【0108】上式中、INは抑制剤部分であり、RVII
は、ニトロ基、シアノ基、アルキルスルホニル基、スル
ファモイル基、およびスルホンアミド基からなる群より
選ばれ、aは0または1であり、そしてRVIは、置換お
よび未置換のアルキル基並びにフェニル基からなる群よ
り選ばれる。各々のタイミング基の酸素原子は、DIA
Rのそれぞれのカプラー部分のカップリングオフ位置に
結合されている。
【0109】また、上記タイミング基または結合基は、
非共役鎖に沿った電子移動によって機能するものであっ
てもよい。結合基は、当該技術分野において、種々の名
称で知られている。それらは、しばしば、ヘミアセター
ル開裂反応もしくはイミノケタール開裂反応を利用する
ことが可能な基、または米国特許第 4,546,073号のよう
なエステル加水分解に起因する開裂反応を利用すること
が可能な基と称されてきた。この非共役鎖に沿った電子
移動は、概して、比較的速い分解を引き起こし、二酸化
炭素、ホルムアルデヒド、または他の低分子量副生物を
生成する。これらの基は、欧州特許第 464,612号、同 5
23,451号、米国特許第 4,146,396号の各明細書、特開昭
60-249148号公報、および同 60-249149号公報において
例示されている。
【0110】本発明の実施において有用な典型的なカラ
ーネガティブフィルムの構成を、以下の要素SCN−1
によって説明する。
【0111】
【0112】支持体の構成についての詳細は、当該技術
分野においてよく理解されている。有用な支持体の例
は、ポリビニルアセタールフィルム、ポリスチレンフィ
ルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチ
レンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィル
ム、および同類のフィルムおよび樹脂状材料、並びに
紙、布、ガラス、金属、および予想される処理条件に耐
える他の支持体である。上記要素は、例えば、フィルタ
ー層、中間層、オーバーコート層、下塗り層、ハレーシ
ョン防止層などのさらなる層を含有していてもよい。接
着性を高めるための下塗り層を含む透明支持体および反
射式支持体の構成が、リサーチディスクロージャー、19
96年9月、第 389号、アイテム 38957(以降、「リサー
チディスクロージャーI」と称する)のセクションXVに
おいて開示されている。
【0113】また、本発明の写真要素は、リサーチディ
スクロージャー、アイテム 34390、1992年11月、に記載
されている磁気記録材料、または米国特許第 4,279,945
号および同 4,302,523号の各明細書に記載されている、
透明支持体の下側にある、磁性粒子を含有している層な
どの透明磁気記録層をも含むことが有用である場合があ
る。
【0114】上記方式において、青、緑、および赤の記
録層ユニットBU、GU、およびRUの各々は、1層以
上の親水性コロイド層から形成され、少なくとも1種の
輻射線感受性ハロゲン化銀乳剤(現像主薬を含む)およ
び、特定の態様においては、共通の色素形成カプラーを
含有している。上記緑記録ユニット、および赤記録ユニ
ットが、高い記録ラチチュードおよび低い画像粒状度を
提供するように、少なくとも2種の記録層サブユニット
に細分されていることが好ましい。もっとも単純な企図
される構成において、上記層ユニットまたは層サブユニ
ットの各々は、乳剤およびカプラーを含有している単一
の親水性コロイド層を含んでなる。層ユニットまたは層
サブユニット中に存在するカプラーが乳剤含有層以外の
親水性コロイド層において塗布されている場合は、その
カプラー含有親水性コロイド層は、現像時に、酸化され
た発色現像主薬を乳剤から受容するように配置される。
この場合、通常は、カプラー含有層は、乳剤含有層に隣
接する親水性コロイド層である。
【0115】優秀な画像鮮鋭度を確保し、製造およびカ
メラにおける使用を容易にするためには、増感された層
のすべてを支持体の同じ面に配置するのが好ましい。ス
プールの形態の場合、要素は、カメラ中で巻き出される
際に、露光が、増感された層を担時している支持体の面
に当たる前に、増感された層のすべてに当たるように巻
かれているであろう。さらに、要素上に露光される画像
の優秀な鮮鋭度を確保するには、支持体上の層ユニット
の全厚を制御すべきである。一般に、支持体の露光面上
の増感された層、中間層、および保護層の全厚は35μm
未満である。もう1つの態様において、両面塗りフィル
ムにおけるように、支持体の両側に配置されている増感
層を用いることもできる。
【0116】走査のために設計されたフィルムなどの、
本発明の好ましい態様において、処理される写真フィル
ムは、カラーマスキングカプラー、内型永久Dmin 調整
色素、および内型永久ハレーション防止色素を限られた
量のみ含有している。一般に、このようなフィルムは、
0.6ミリモル/m2 以下の総量、好ましくは 0.2ミリモル
/m2 以下の量、より好ましくは0.05ミリモル/m2 以下の
量、もっとも好ましくは0.01ミリモル/m2 以下の量のカ
ラーマスキングカプラーを含有している。
【0117】上記内型永久Dmin 調整色素は、一般に、
0.2ミリモル/m2 以下の総量、好ましくは 0.1ミリモル
/m2 以下の量、より好ましくは0.02ミリモル/m2 以下の
量、もっとも好ましくは 0.005ミリモル/m2 以下の量で
存在する。
【0118】上記内型永久ハレーション防止濃度は、
青、緑、または赤の濃度が 0.6以下、より好ましくは
青、緑、または赤の濃度が 0.3以下、さらにより好まし
くは青、緑、または赤の濃度が 0.1以下、もっとも好ま
しくは青、緑、または赤のステータスM濃度が0.05以下
である。
【0119】カラーマスキングカプラー、永久ハレーシ
ョン防止濃度、および内型永久Dmin 調整色素の量を制
限することにより、 350〜 750nmの領域における、処理
後の、フィルムの光学濃度が低減され、それにより、像
様露光され処理されたフィルムのその後の走査およびデ
ィジタル化が改良されるようになる。
【0120】全体として、内型カラーマスキングカプラ
ー、内型永久Dmin 調整色素、およびハレーション防止
の量および支持体の光学濃度を制御することによって可
能となる制限されたDmin 並びに色調スケール濃度によ
り、走査ノイズ(高い光学濃度において増大する)を制
限し、かつ走査されるべきフィルムの全体としての信号
対雑音特性を改良することができるようになる。色補正
を提供するディジタル補正工程により、フィルムにおけ
るカラーマスキングカプラーに対する必要性が回避され
る。
【0121】従来の輻射線感受性ハロゲン化銀乳剤の中
から、いずれの好都合なものを選んでも、上記層ユニッ
ト内に導入して使用して、本発明の分光吸収率を提供す
ることができる。もっとも一般的には、少量のヨウ化物
を含有している高臭化物乳剤が用いられる。より高い処
理速度を実現するには、高塩化物乳剤を用いることがで
きる。輻射線感受性の塩化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨ
ウ塩化銀、塩臭化銀、臭塩化銀、ヨウ塩臭化銀、および
ヨウ臭塩化銀の粒子は、すべて企図されている。これら
の粒子は、等軸晶系または不等軸晶系(例えば、平板
状)のいずれであってもよい。平板状粒子乳剤(平板状
粒子が全粒子投影面積の少なくとも50%(好ましくは少
なくとも70%、最適には少なくとも90%)を占めるも
の)は、粒状度に関してスピードを高めるのに特に好都
合である。平板状であるとみなされるためには、粒子
は、その厚みに対するその等価円直径(ECD)の比が
少なくとも2である平行な2つの主面を必要とする。特
に好ましい平板状粒子乳剤は、平均アスペクト比が少な
くとも5、最適には平均アスペクト比が8を超える、平
板状粒子を有するものである。平板状粒子の好ましい平
均厚みは 0.3μm 未満である(もっとも好ましくは 0.2
μm 未満である)。極薄平板状粒子乳剤(平板状粒子の
平均厚みが0.07μm 未満であるもの)が具体的に企図さ
れている。しかしながら、好ましい態様において、優勢
(preponderance) 低反射率粒子が好ましい。優勢とは、
粒子投影面積の50%超が低反射率ハロゲン化銀粒子によ
って提供されていることを意味する。粒子投影面積の70
%超が低反射率ハロゲン化銀粒子によって提供されてい
るのが、さらにより好ましい。低反射率ハロゲン化銀粒
子は、>0.06μm 、好ましくは>0.08μm 、より好まし
くは>0.10μm の平均粒子厚みを有するものである。こ
れらの粒子は、表面潜像を形成し、本発明のカラーネガ
ティブフィルムの形態において表面現像剤中で処理され
るとネガティブ画像を生成するものであるのが好まし
い。
【0122】従来の輻射線感受性ハロゲン化乳剤の実例
は、上記に引用されているリサーチディスクロージャー
I、I. Emulsion grains and their preparationによっ
て提供されている。乳剤の化学増感は、いずれの従来の
形態をとっていてもよく、セクションIV.Chemical sen
sitizationにおいて説明されている。化学増感剤として
有用な化合物には、例えば、活性ゼラチン、硫黄、セレ
ン、テルル、金、白金、パラジウム、イリジウム、オス
ミウム、レニウム、燐、またはこれらの組み合わせが含
まれる。化学増感は、一般に、5〜10のpAgレベル、
4〜8のpHレベル、および30〜80℃の温度において行
われる。分光増感および増感色素は、いずれの従来の形
態をとっていてもよく、セクションV. Spectral sensit
izationand desensitization によって説明されてい
る。色素は、写真要素上への乳剤の塗布の前(例えば、
化学増感時または化学増感後)の任意の時点、または写
真要素上への乳剤の塗布と同時に、ハロゲン化銀粒子お
よび親水性コロイドの乳剤に添加することができる。こ
れらの色素は、例えば、水溶液もしくはアルコール溶液
として、または固体粒子の分散体として添加することが
できる。また、上記乳剤層は、概して、1種以上のカブ
リ防止剤または安定化剤を含んでおり、これらの添加剤
は、セクションVII. Antifoggants and stabilizers に
よって説明されているように、いずれの従来の形態をも
とることができる。
【0123】本発明において使用されるべきハロゲン化
銀粒子は、上記に引用されているリサーチディスクロー
ジャーIおよびJamesのThe Theory of the Photographi
c Process に記載されているものなどの、当該技術分野
において知られている方法によって調製することができ
る。これらの方法には、アンモニア性乳剤の製法、中性
または酸性の乳剤の製法、および当該技術分野において
知られている他のものなどの方法が含まれる。これらの
方法には、一般に、水溶性銀塩と水溶性ハロゲン化物塩
とを、保護コロイドの存在下で混合し、析出によるハロ
ゲン化銀の形成の際に、温度、pAg値、pH値などを
好適な値に制御することが含まれる。
【0124】粒子が析出する過程において、1種以上の
ドーパント(銀およびハロゲン化物以外の粒子吸蔵物)
を導入して、粒子の性質を変更することができる。例え
ば、リサーチディスクロージャーI、セクションI. Emu
lsion grains and their preparation、サブセクション
G. Grain modifying conditions and adjustments、段
落(3)、(4)および(5)において開示されている
種々の従来のドーパントはいずれも、本発明の乳剤中に
存在していてもよい。さらに、Olm 他の米国特許第 5,3
60,712号において教示されているように、1種以上の有
機配位子を含有している遷移金属六配位錯体を粒子にド
ープすることも具体的に企図されている。
【0125】リサーチディスクロージャー、アイテム 3
6736(1994年11月発行)において考察されている浅い電
子トラップ(以降、SETとも称する)を形成させるこ
とによって像形成スピードを高めることが可能なドーパ
ントを、粒子の面心立方結晶格子中に組み込むことが具
体的に企図されている。
【0126】本発明の写真要素(フォトサーモグラフィ
ー用要素および非フォトサーモグラフィー用要素を含
む)は、典型的には、ハロゲン化銀を乳剤の形で提供す
る。写真用乳剤は、一般に、写真要素の層として乳剤を
塗布するためのベヒクルを含んでいる。有用なベヒクル
には、蛋白質などの天然物質、蛋白質誘導体、セルロー
ス誘導体(例えば、セルロースエステル)、ゼラチン
(例えば、牛骨ゼラチンもしくはハイドゼラチンなどの
アルカリ処理ゼラチン、または豚皮ゼラチンなどの酸処
理ゼラチン)、脱イオン化ゼラチン、ゼラチン誘導体
(例えば、アセチル化ゼラチン、フタル化ゼラチンな
ど)、およびリサーチディスクロージャーIに記載され
ている他のもののいずれもが含まれる。また、親水性透
水性コロイドもまた、ベヒクルまたはベヒクル増量剤と
して有用である。これらには、合成高分子ペプタイザ
ー、キャリアー、および/またはバインダー(例えば、
ポリビニルアルコール、ポリビニルラクタム、アクリル
アミドポリマー、ポリビニルアセタール、アクリル酸お
よびメタクリル酸のアルキルエステルおよびスルホアル
キルエステルのポリマー、加水分解されたポリビニル酢
酸、ポリアミド、ポリビニルピリジン、メタクリルアミ
ドコポリマー)が含まれる。ベヒクルは、写真用乳剤に
おいて有用な量で乳剤中に存在することができる。乳剤
はまた、写真用乳剤において有用であることが知られて
いるいずれの添加剤をも含むことができる。
【0127】感光性銀は、ハロゲン化銀として、本発明
において有用な要素において、いずれの有用な量でも用
いることができるけれども、全銀量が 4.5g/m2以下であ
ることが好ましく、さらに少ないのが好ましい。 4.0g/
m2未満の銀量が好ましく、 3.5g/m2未満の銀量がさらに
より好ましい。銀量が少ないほど要素の光学的特性が改
良されるので、これらの要素を使用して、より鮮鋭な写
真を生成することが可能となる。これらのより少ない銀
量は、要素の迅速な現像および脱銀を可能とする点にお
いて、さらに重要である。逆に、引き伸ばしを目的とす
る写真のための十分に低い粒状性の状態を維持しつつ、
少なくとも 2.7 logEの露出のラチチュードを実現する
ためには、要素における支持体表面積1m2あたりに少な
くとも 1.5gの銀が塗布されている銀コーティング付着
量が必要である。 1.5g/m2を超える銀付着量が好まし
く、 2.5g/m2を超える銀付着量がより好ましい。
【0128】単一の色素画像形成層ユニット内に1種、
2種、または3種の別個の乳剤層を塗布することが一般
的に行われている。2種以上の乳剤層を単一の層ユニッ
トとして塗布する場合、概して、これらは感度が異なる
ように選択される。より感度の高い乳剤をより感度の低
い乳剤の上に塗布すると、これら2種の乳剤を配合する
場合よりも、より高いスピードが実現される。より感度
の低い乳剤をより感度の高い乳剤の上に塗布すると、こ
れら2種の乳剤を配合する場合よりも、より高いコント
ラストが実現される。もっとも感度の高い乳剤を露光輻
射線源のもっとも近くに配置し、もっとも感度の低い乳
剤を支持体のもっとも近くに配置することが好ましい。
【0129】1種以上の本発明の層ユニットが、少なく
とも2層、より好ましくは3層以上のサブユニット層に
細分されているのが好ましい。色記録ユニット中のすべ
ての感光性ハロゲン化銀乳剤が、可視スペクトルの同じ
領域に分光感度を有することが好ましい。この態様にお
いては、ユニットに導入されるすべてのハロゲン化銀乳
剤が、本発明に係る分光吸収率を有しつつ、それらの間
での分光吸収率特性の差異は僅かであると予想される。
さらにより好ましい態様においては、露光が低い光量か
ら高い光量へと変動する際に写真記録材料による像様で
均一な分光応答を提供するために、より感度が低いハロ
ゲン化銀乳剤の増感は、層ユニットの、それらの上に存
在する、より感度の高いハロゲン化銀乳剤の遮光作用を
補償するように厳密に製造される。従って、下にある層
の分光感度のピークにおける遮蔽および広がりを補償す
るには、細分された層ユニットのより感度の低い乳剤に
おいて、ピーク光吸収分光増感色素の比率がより高いこ
とが望ましい場合がある。
【0130】中間層ILlおよびIL2は、それらの主
たる機能として、色汚染の低減(すなわち、酸化された
現像主薬が、色素形成カプラーとの反応の前に、隣接す
る記録層ユニットにマイグレーションするのを防止する
こと)を有する親水性コロイド層である。これらの中間
層は、単に、酸化された現像主薬が移動しなければなら
ない拡散経路の長さを延長することによっても、幾分か
は有効である。酸化された現像主薬を遮る中間層の有効
性を増大させるために、酸化現像主薬スキャベンジャー
を導入することが従来から行われている。ステイン防止
剤(酸化現像主薬スキャベンジャー)は、リサーチディ
スクロージャーI、X. Dye image formers and modifie
rs、D. Hue modifiers/stabilizationの段落(2)によ
って開示されているものの中から選ぶことができる。G
UおよびRU中の1種以上のハロゲン化銀乳剤が高臭化
物乳剤であり、それゆえに、青色光に対するかなりの本
来の感度を有する場合には、ILl中にイエローフィル
ター(例えば、Carey Lea銀またはイエロー処理溶液に
よって脱色可能な色素)を導入するのが好ましい。好適
なイエローフィルター色素は、リサーチディスクロージ
ャーI、セクションVIII. Absorbing and scattering m
aterials、B. Absorbing materialsによって説明されて
いるものの中から選ぶことができる。本発明の要素にお
いては、IL2およびRUには、マゼンタ着色フィルタ
ー材料は存在しない。
【0131】ハレーション防止層ユニットAHUは、概
して、顔料および色素の一方またはこれらの組み合わせ
などの、処理溶液による除去または脱色が可能な光吸収
材料を含有している。好適な材料は、リサーチディスク
ロージャーI、セクションVIII. Absorbing materials
において開示されているものの中から選ぶことができ
る。AHUのための一般的な代替位置は、支持体Sと支
持体のもっとも近くに塗布される記録層ユニットとの間
である。
【0132】表面オーバーコートSOCは、取り扱いお
よび処理の際のカラーネガティブ要素の物理的保護のた
めに提供される親水性コロイド層である。各々のSOC
は、カラーネガティブ要素の表面またはその近くにおい
てもっとも有効となる添加剤の導入のために好都合な位
置をも提供する。場合によっては、表面オーバーコート
は表面層と中間層とに分割されており、後者は、表面層
中の添加剤と隣接する記録層ユニットとの間のスペーサ
ーとして機能する。もう1つの一般的な変形において、
添加剤は、表面層と中間層との間に配置され、後者は、
隣接する記録層ユニットと適合した添加剤を含有してい
る。もっとも典型的には、SOCは、リサーチディスク
ロージャーI、セクションIX. Coating physical prope
rty modifying addenda によって説明されているような
コーティング助剤、可塑剤、および滑剤、帯電防止剤、
および艶消し剤などの添加剤を含有している。乳剤層の
上に重なっているSOCは、リサーチディスクロージャ
I、セクションVI. UV dyes/optical brighteners/lu
minescent dyesの段落(1)によって説明されているよ
うな紫外線吸収剤を含有しているのがさらに好ましい。
【0133】要素SCN−lの層ユニット配列の代わり
に、別の層ユニット配列を用いることができ、これらは
選択される乳剤によっては特に魅力的である。高塩化物
乳剤および/または薄い(平均粒子厚み< 0.2μm )平
板状粒子乳剤を使用すると、これらの乳剤は可視スペク
トルにおいては極僅かな本来の感度しか呈さないので、
マイナス青の記録の青色光による汚染の危険性を伴わず
に、BU、GU、およびRUの位置のすべての可能な交
換を行うことができる。同じ理由のために、青色光吸収
剤を中間層に導入する必要は無い。
【0134】色素画像形成層ユニット内の乳剤層のスピ
ードが異なる場合、スピードのもっとも高い層への色素
画像形成カプラーの導入を、銀に対する理論量よりも少
ない量に制限することが従来から行われている。このス
ピードのもっとも高い乳剤層の機能は、特性曲線の最小
濃度のすぐ上の部分(すなわち、層ユニット中に残って
いる乳剤層(複数種であってもよい)の閾感度未満の露
光量領域)を作り出すことである。このようにして、像
形成スピードを犠牲にすること無く、生成される色素画
像記録に、感度のもっとも高い乳剤層の高い粒状度が付
加されることが抑えられる。
【0135】層ユニットが、スピードが異なる2種以上
の乳剤層を含有している場合、層ユニットの他の乳剤層
の色素画像とは異なるスペクトル領域に存在する吸収ピ
ーク半値幅を呈する色素画像を層ユニットの各々の乳剤
層中に形成することによって、電子的な記録から再現さ
れる、観察されるべき画像において、画像粒状度を低減
することが可能である。この技法は、層ユニットが、ス
ピードが異なるサブユニットに分割されている要素に特
に良好に適している。これにより、同じ分光感度の乳剤
層によって形成される異なる色素画像に対応している複
数の電子的な記録を各々の層ユニットについて作成する
ことが可能となる。スピードのもっとも高い乳剤層によ
って形成される色素画像を走査することによって形成さ
れるディジタル記録を使用して、観察されるべき色素画
像の、最小濃度のすぐ上にある部分を再現する。より高
い露光量においては、残りの乳剤層(複数種であっても
よい)によって形成されるスペクトル上で識別される色
素画像を走査することによって、第2および(任意選択
的に)第3の電子的な記録を形成させることができる。
これらのディジタル記録は、より少ないノイズ(より低
い粒状度)を含有しており、感度のより低い乳剤層の閾
露光量を超える露光量範囲にわたって観察されるべき画
像の再現において使用することができる。粒状度を低減
するためのこの技法は、Suttonの米国特許第 5,314,794
号明細書によって、より詳細に開示されている。
【0136】本発明のカラーネガティブ要素の各々の層
ユニットは、 1.5未満の色素画像特性曲線のガンマを生
じ、これにより、少なくとも 2.7 logEの露出のラチチ
ュードを得ることを容易にする。多色写真要素の許容可
能な最小の露出のラチチュードは、おそらく写真用途に
おいて生ずるであろうもっとも極端な白(例えば、花嫁
のウェディングガウン)およびもっとも極端な黒(例え
ば、花婿のタキシード)を正確に記録することを可能と
するものである。 2.6 logEの露出のラチチュードが、
典型的な花嫁と花婿の結婚式のシーンにちょうど適応す
ることができる。撮影者による露出レベルの選択におけ
る過誤の十分な余裕をもたらすので、少なくとも 3.0 l
ogEの露出のラチチュードが好ましい。より大きい露出
過誤があっても正確な画像再現を得る能力が実現される
ので、さらにより大きい露出のラチチュードが特に好ま
しい。焼き付けを目的とするカラーネガティブ要素にお
いて、ガンマが例外的に低い場合、焼き付けられるシー
ンの視覚的な魅力が失われることが多いけれども、カラ
ーネガティブ要素を走査して、ディジタル色素画像記録
を作れば、電子的信号情報の調整によって、コントラス
トを高めることができる。反射光線を使用して本発明の
要素を走査する場合、光線は層ユニットを2回通り抜け
る。これにより、濃度の変化(ΔD)が2倍されること
によって、ガンマ(ΔD÷Δ logE)が効果的に2倍に
なる。従って、 1.0もしくは 0.6程度の低いガンマさえ
企図されており、 5.0 logEまたはそれ以上に及ぶ露出
のラチチュードが可能である。0.25を超えるガンマが好
ましく、0.30を超えるガンマがより好ましい。 0.4〜
0.5のガンマがとりわけ好ましい。
【0137】フォトサーモグラフィーの態様において
は、本発明の実施において、概して、1種以上の現像主
薬先駆物質が用いられ、これらの現像主薬先駆物質は製
造時に像形成要素に導入され、これらの少なくとも1種
は本発明に係るイエローHDYカプラーと反応的に関連
している。「関連して」という用語が用いられる場合、
それは、反応性化合物が、処理時に、他の成分と反応す
ることが可能な特定の層に存在するか、またはこの層に
隣接して存在することを意味する。好ましい態様におい
て、各々の色の層と反応的に関連している、内型現像主
薬の使用によって、色素画像が形成される。より好まし
くは、上記内型現像主薬は、ブロックト現像主薬であ
る。
【0138】本発明の写真要素において使用することが
できるブロッキング基の例には、Reevesの米国特許第
3,342,599号明細書、Kenneth Mason Publications, Lt
d., Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth, Hamp
shire PO10 7DQ, ENGLAND によって出版されているリサ
ーチディスクロージャー(129 (1975) pp. 27-30)、Ha
maoka 他の米国特許第 4,157,915号明細書、Waxmanおよ
びMourningの米国特許第4,060,418号明細書、並びに米
国特許第 5,019,492号明細書に記載されているブロッキ
ング基が含まれるけれども、これらに限定されるもので
はない。本発明の写真要素において使用することができ
るブロッキング基の他の例には、Reevesの米国特許第
3,342,599号明細書、Kenneth Mason Publications, Lt
d., Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth, Hamp
shire PO10 7DQ, ENGLAND によって出版されているリサ
ーチディスクロージャー(129 (1975) pp. 27-30)、Ha
maoka他の米国特許第 4,157,915号明細書、Waxmanおよ
びMourningの米国特許第 4,060,418号明細書、並びに米
国特許第 5,019,492号明細書に記載されているブロッキ
ング基が含まれるけれども、これらに限定されるもので
はない。特に有用なものは、米国特許第 3,395,460号、
同 6,306,551号、および同 6,312,879号の各明細書、欧
州特許出願第00311241.4号および同00311240.6号の各明
細書に記載されているものである。本発明の1つの態様
において、上記ブロックト現像主薬は、以下の構造式II
I によって表されるものであってもよい。
【0139】
【化24】
【0140】上式中、DEVは本発明に係るハロゲン化
銀発色現像主薬であり、LINK1およびLINK2は
結合基であり、TIMEはタイミング基であり、lは0
または1であり、mは0、1、または2であり、nは0
または1であり、l+nは1または2であり、Bはブロ
ッキング基であるか、またはBは以下のものであり、
【0141】
【化25】
【0142】上式中、B' もまた第2の現像主薬DEV
をブロックする。
【0143】本発明の好ましい態様において、LINK
1およびLINK2は構造式IVのものであり、
【0144】
【化26】
【0145】上式中、Xは炭素または硫黄を表し、Yは
酸素、硫黄、またはN−R1 を表し、ここで、R1 は置
換もしくは未置換のアルキルまたは置換もしくは未置換
のアリールであり、pは1または2であり、Zは炭素、
酸素、または硫黄を表し、rは0または1であり、但
し、Xが炭素である場合には、pおよびrは両方とも1
であり、Xが硫黄であり、Yが酸素である場合には、p
は2であり、rは0であり、#は、PUG(LINK1
である場合)またはTIME(LINK2である場合)
への結合を示し、$は、TIME(LINK1である場
合)またはT(t) 置換炭素(LINK2である場合)へ
の結合を示す。
【0146】結合基の実例には、例えば、以下のものが
含まれる。
【0147】
【化27】
【0148】TIMEはタイミング基である。このよう
な基は当該技術分野においてよく知られており、例え
ば、(1)米国特許第 5,262,291号明細書において開示
されている芳香族求核置換反応を利用する基、(2)ヘ
ミアセタールの開裂反応を利用する基(米国特許第 4,1
46,396号、特開昭 60-249148号、同 60-249149号)、
(3)共役系に沿った電子移動反応を利用する基(米国
特許第 4,409,323号、同 4,421,845号、特開昭 57-1880
35、同58-98728号、同 58-209736号、同 58-209738
号)、および(4)分子内求核置換反応を使用する基
(米国特許第 4,248,962号)が含まれる。
【0149】本発明はいずれのタイプの現像主薬または
ブロックト現像主薬にも限定されるものではないけれど
も、構造式III の現像主薬を生成させるために本発明に
おいて使用してもよい、写真用途に有用なブロックト現
像主薬の単なるいくつかの例として、以下のものを示
す。
【0150】使用することができる他のブロックト現像
剤は、例えば、Naruse他の米国特許第 6,303,282号明細
書、Cerquone他の米国特許第 4,021,240号明細書、Ishi
kawaの米国特許第 5,746,269号明細書、Naruseの米国特
許第 6,130,022号明細書、およびNakagawaの米国特許第
6,177,227号明細書において開示されているブロックト
現像主薬、並びにこれらのブロックト現像主薬の置換誘
導体である。本発明はいずれのタイプの現像主薬または
ブロックト現像主薬にも限定されるものではないけれど
も、熱現像時に現像主薬を生成させるために本発明にお
いて使用してもよい、写真用途に有用なブロックト現像
主薬の単なるいくつかの例として、以下のものを示す。
【0151】
【化28】
【0152】
【化29】
【0153】
【化30】
【0154】
【化31】
【0155】リサーチディスクロージャーI、セクショ
ンXIV. Scan facilitating features によって説明され
ているように、走査に適応させるためのカラーネガティ
ブ要素の多数の変更が提案されている。上述のカラーネ
ガティブ要素構成に適合する限りにおいて、これらのシ
ステムを本発明の実施において使用することも企図され
ている。
【0156】また、本発明の像形成要素を従来とは異な
る増感方式で使用してもよいことも企図されている。例
えば、スペクトルの赤、緑、および青の領域に対して増
感された像形成層を使用する代わりに、シーンの輝度を
記録するための1層の白感性層、およびシーンのクロミ
ナンスを記録するための2種の色感性層を感光材料が有
していてもよい。現像の後に、米国特許第 5,962,205号
明細書に記載されているように、得られた画像を走査
し、ディジタル式に再処理して、元々のシーンのフルカ
ラーを再現することができる。また、像形成要素が、色
分解露光を伴うパンクロマチック増感乳剤を含んでなっ
ていてもよい。この態様においては、本発明の現像主薬
により着色画像または中性画像が生じ、この画像を、分
解露光と組み合わせると、元々のシーンの明度の完全な
復元が可能となるであろう。このような要素において
は、現像された銀濃度、1種以上の従来のカプラーの組
み合わせ、またはレソルシノールカプラーなどの「ブラ
ック」カプラーのいずれかによって、画像を形成させる
ことができる。分解露光は、適当なフィルターに逐次的
に通すか、または離散空間フィルター要素(一般的には
「カラーフィルターアレイ」と呼ばれる)のシステムに
同時に通すか、のいずれかによって行うことができる。
【0157】従来のイエロー、マゼンタ、およびシアン
の画像色素を形成させて、露光させた従来のカラー写真
材料の化学現像の後に、記録されたシーンの露光を読み
出す場合、この要素の赤、緑、および青の色記録ユニッ
トの応答を、それらの濃度を検査することによって正確
に識別することができる。デンシトメトリーとは、選択
された着色フィルターを使用して、RGB画像色素形成
ユニットの像様応答を相対的に独立したチャンネルに分
解する試料によって透過光を測定することである。光学
焼き付けを目的とするカラーネガティブフィルム要素の
応答を計測するにはステータスMフィルターを、透過式
直接観察を目的とするカラーリバーサルフィルムにはス
テータスAフィルターを、使用するのが一般的である。
積算デンシトメトリーにおいては、不完全な画像色素の
好ましくない側吸収および尾部吸収が少量のチャンネル
混合につながり、全応答の一部(例えば、マゼンタチャ
ンネル)が、中性特性曲線におけるイエローまたはシア
ンの画像色素記録のいずれか、またはこれらの両方のオ
フピーク吸収から生ずる場合がある。このようなアーテ
ィファクトは、フィルムの分光感度の測定において極僅
かである。積算濃度応答に適当な数学的処理を施すこと
により、これらの好ましくないオフピーク濃度の寄与を
完全に補正して、所定の色記録の応答が他の画像色素の
スペクトルへの寄与とは無関係な、分析濃度を提供する
ことができる。分析濃度測定は、SPSEHandbook of Phot
ographic Science and Engineering, W. Thomas, edito
r, John Wiley and Sons, New York, 1973, Section 1
5.3, Color Densitometry, pp.840-848において要約さ
れている。
【0158】露光され、処理されたカラーネガティブフ
ィルム要素を走査して、画像パターンの操作可能な記録
を得て、次いで、調整された電子的記録を観察可能な形
態に再変換することによって画像を得る場合、画像ノイ
ズを低減することができる。観察されるべきカラー画像
を再現する前にいろ記録を電子的な形態とする場合、他
の性能欠陥を回避または最小化しつつ、層のガンマ比を
狭い範囲内にあるように設計することによって、画像の
鮮鋭度および彩度を増大させることができる。焼き付け
においてか、または電子的な画像記録の走査によって
か、のいずれかにより、画像ノイズを残りの画像情報か
ら分離することは可能であるけれども、低いガンマ比を
有するカラーネガティブフィルム要素によって提供され
たままで、低いノイズを呈する電子的な画像記録を調整
することによって、既知の焼き付け技法によって達成可
能な手法で、全体としての曲線形状および鮮鋭度特性を
改良することが可能である。従って、光学焼き付け用途
に供するように構成されている従来のカラーネガティブ
要素から同様に得られる画像に勝る画像を、このような
カラーネガティブ要素から得られる電子的な画像記録か
ら再現することができる。上述の要素の優秀な像形成特
性は、赤、緑、および青の色記録ユニットの各々につい
てのガンマ比が 1.2未満である場合に得られる。より好
ましい態様において、赤、緑、および青の光に対する感
受性を有する色形成ユニットが、各々、1.15未満のガン
マ比を呈する。さらにより好ましい態様において、赤、
緑、および青の光に対する感受性を有する色形成ユニッ
トが、各々、1.10未満のガンマ比を呈する。もっとも好
ましい態様において、赤、緑、および青の光に対する感
受性を有する色形成ユニットが、各々、1.05未満のガン
マ比を呈する。いずれの場合においても、個々の色ユニ
ット(複数種であってもよい)が1.15未満のガンマ比を
呈するのが好ましく、それらが1.10未満のガンマ比を呈
するのがより好ましく、それらが1.05未満のガンマ比を
呈するのがさらにより好ましい。上記ガンマ比は 0.8よ
り大きいのが好ましく、それらは0.85より大きいのがよ
り好ましく、それらは 0.9より大きいのがもっとも好ま
しい。各層ユニットのガンマ比が等しい必要は無い。ガ
ンマ比のこれらの低い値は、層ユニット間の層間相互作
用(層間インターイメージ効果としても知られている)
のレベルが低いことを示しており、走査および電子的操
作の後の改良された画質の主因であると信じられてい
る。層ユニット間の化学的相互作用から生ずる明らかに
有害な画像特性を画像操作作業時に電子的に抑制する必
要は無い。これらの相互作用を、既知の電子的な画像操
作方式を適当に使用して抑制することは、不可能ではな
いにしても困難である。
【0159】優秀な感光性を有する要素は、本発明の実
施において、もっとも良好に用いられる。これらの要素
は、少なくとも約ISO 50の感度を有するべきであり、好
ましくは少なくとも約 ISO 100の感度を有するべきであ
り、より好ましくは少なくとも約 ISO 200の感度を有す
るべきである。ISO 3200にも及ぶ感度またはそれよりも
高い感度を有する要素も具体的に企図されている。カラ
ーネガティブ写真要素のスピード(または、感度)は、
処理後のカブリを超える規定濃度を達成できるようにす
るのに必要とされる露光量と逆比例の関係がある。各々
の色記録において0.65のガンマを有するカラーネガティ
ブ要素についての写真スピードは、American National
Standards Institute (ANSI)によって、ANSI Standard
Number PH 2.27-1981 (ISO (ASA Speed)) として明確に
規定されており、カラーフィルムの緑の光に対して感受
性のある色記録ユニットおよびもっとも感度の低い色記
録ユニットの各々において最小濃度よりも0.15高い濃度
を生ずるのに必要とされる露光量の平均に明確に関係し
ている。この定義は、International Standards Organi
zation (ISO)のフィルムスピード等級に合致している。
本願の目的のためには、色ユニットのガンマが0.65とは
異なる場合、ASAまたはISOスピードは、別の規格
で定義された手法でスピードを測定するよりも寧ろ、ガ
ンマ対 logE(露光量)の曲線を0.65の値まで直線的に
拡大または縮小することによって算出されるべきであ
る。
【0160】また、本発明は、シングルユースカメラ
(または「レンズ付きフィルム」ユニット)と呼ばれる
ことが多いものにおいて、本発明の写真要素またはフォ
トサーモグラフィー用要素を使用することをも企図して
いる。これらのカメラは、それらの中にフィルムをあら
かじめ装填して販売されており、露光させたフィルムを
カメラ内に残したままで、カメラ全体が処理業者に戻さ
れる。本発明において用いられるワンタイムユースカメ
ラ(one-time-use camera) は、当該技術分野において知
られているもののいずれであってもよい。これらのカメ
ラは、当該技術分野において知られている特定の機構
(例えば、シャッター手段、フィルム巻き取り手段、フ
ィルム送り手段、防水ハウジング、単玉レンズまたは複
玉レンズ、レンズ選択手段、可変絞り、フォーカスまた
は焦点距離レンズ、照明条件をモニターするための手
段、照明条件またはユーザーに提供された取扱説明書に
基づいてシャッター時間またはレンズ特性を調整するた
めの手段、および使用条件をフィルム上に直接記録する
カメラのための手段)を備えていてもよい。これらの機
構には、Skarman の米国特許第 4,226,517号明細書に記
載されている手動式または自動式のフィルム送りおよび
シャッターのリセットのための簡略化された機構を提供
すること、Matterson 他の米国特許第 4,345,835号明細
書に記載されている自動露光制御のための装置を提供す
ること、Fujimura他の米国特許第 4,766,451号明細書に
記載されている防湿、Ohmura他の米国特許第 4,751,536
号明細書に記載されている内部および外部フィルムケー
シングを提供すること、Taniguchi 他の米国特許第 4,7
80,735号明細書に記載されているフィルム上に使用条件
を記録するための手段を提供すること、Araiの米国特許
第 4,804,987号明細書に記載されているレンズ付きカメ
ラを提供すること、Sasaki他の米国特許第 4,827,298号
明細書に記載されている優れたカール防止特性を有する
フィルム支持体を提供すること、Ohmura他の米国特許第
4,812,863号明細書に記載されているファインダーを提
供すること、Ushiro他の米国特許第 4,812,866号明細書
に記載されている規定された焦点距離およびレンズスピ
ードのレンズを提供すること、Nakayama他の米国特許第
4,831,398号およびOhmura他の米国特許第 4,833,495号
明細書に記載されている複数のフィルム容器を提供する
こと、Shiba の米国特許第 4,866,469号明細書に記載さ
れている改良された耐摩擦特性を有するフィルムを提供
すること、Mochida の米国特許第 4,884,087号明細書に
記載されている巻き取り機構、回転スプール、または弾
性スリーブを提供すること、Takei 他の米国特許第 4,8
90,130号および同 5,063,400号の各明細書に記載されて
いる軸方向に取り外し可能なフィルムパトローネまたは
フィルムカートリッジを提供すること、Ohmura他の米国
特許第 4,896,178号明細書に記載されている電子式フラ
ッシュ手段を提供すること、Mochida 他の米国特許第
4,954,857号明細書に記載されている露光を行うための
外部から操作可能な部材を提供すること、Murakamiの米
国特許第 5,049,908号明細書に記載されている変更され
たスプロケット孔を有するフィルム支持体および前記フ
ィルムを送るための手段を提供すること、Haraの米国特
許第5,084,719号明細書に記載されている内部ミラーを
提供すること、並びにYagi他の欧州特許出願公開明細書
第 0,466,417号に記載されているきつく巻き取られたス
プール上での使用に好適なハロゲン化銀乳剤を提供する
ことが含まれるけども、これらに限定されるものではな
い。
【0161】フィルムは、当該技術分野において知られ
ているいずれの手法でワンタイムユースカメラに取り付
けることもできるけれども、露光時に押し込み式(thrus
t)カートリッジによって巻き取られるように、ワンタイ
ムユースカメラ中にフィルムを取り付けることがとりわ
け好ましい。押し込み式カートリッジは、Kataoka 他の
米国特許第 5,226,613号明細書、Zanderの米国特許第
5,200,777号明細書、Dowling 他の米国特許第 5,031,85
2号明細書、およびRobertson 他の米国特許第 4,834,30
6号明細書によって開示されている。このようにして押
し込み式カートリッジを用いるのに好適な小さなボディ
のワンタイムユースカメラは、Tobioka 他の米国特許第
5,692,221号明細書に記載されている。
【0162】カメラは、組み込み処理能力(例えば、発
熱体)を含有していてもよい。このようなカメラのため
の設計(画像キャプチャーおよびディスプレーシステム
におけるそれらの使用を含む)は、Stoebe他の米国特許
第 6,302,599号明細書において開示されている。前記出
願において開示されているワンタイムユースカメラの使
用は本発明の実施において特に好ましい。
【0163】本発明の写真要素は、リサーチディスクロ
ージャーI、セクション XVIに記載されているものなど
の既知の技法のいずれかを使用して像様露光させるのが
好ましい。これには、概して、スペクトルの可視領域の
光に露光させることが含まれ、このような露光は、発光
装置(例えば、発光ダイオード、CRTなど)による保
存されている画像(例えば、コンピューターに保存され
ている画像)への露光とすることもできるけれども、概
して、レンズを通した実際の画像のものである。また、
フォトサーモグラフィー用要素は、電磁スペクトルの紫
外領域および赤外領域、並びに電子ビーム、β線、γ
線、X線、α粒子、中性子線、および非コヒーレント
(ランダム相)形または(レーザーによって生ずる)コ
ヒーレント(同期位相)形のいずれかの他の形の粒子波
状の輻射エネルギーなどの、種々の形のエネルギーによ
って露光させることもできる。露光は、写真用ハロゲン
化銀の分光増感に応じて、モノクロマチック、オルソク
ロマチック、またはパンクロマチックである。
【0164】上記において考察されている要素は、以下
の方法のいくつかまたはすべてのための開始材料(origi
nation material)として役立つことができる。キャプチ
ャー画像の電子的修飾を生成するための画像走査、およ
び、その後の、その画像を電子的に操作し、記憶し、伝
送し、出力し、または表示するための、その修飾のディ
ジタル処理。
【0165】上述の如く、本発明の写真要素は、リサー
チディスクロージャー、アイテム 17029(引用により、
本明細書に取り入れられる)に記載されているタイプの
フォトサーモグラフィー用要素であってもよい。これら
のフォトサーモグラフィー用要素は、リサーチディスク
ロージャーIにおいて開示されているタイプAまたはタ
イプBのものであってもよい。タイプAの要素は、感光
性ハロゲン化銀、還元剤または現像主薬、アクチベータ
ー、およびコーティング用ベヒクルまたはバインダー
を、反応的に関連して含有している。これらのシステム
において、現像は、感光性ハロゲン化銀の銀イオンが金
属銀に還元されることによって起こる。タイプBのシス
テムは、有機化合物と銀イオンとの塩または錯体に加え
て、タイプAのシステムの要素のすべてを含むことがで
きる。これらのシステムにおいて、この有機錯体は、現
像時に還元されて、金属銀を生ずる。上記有銀塩は銀供
与体と称される。このような像形成要素を記載している
参考文献には、例えば、米国特許第 3,457,075号、同
4,459,350号、同 4,264,725号および同 4,741,992号の
各明細書が含まれる。
【0166】フォトサーモグラフィー用要素は、本質的
に写真用ハロゲン化銀からなる感光性成分を含んでな
る。タイプBのフォトサーモグラフィー用材料において
は、ハロゲン化銀に由来する潜像銀が、処理時に画像を
形成する上述の組み合わせのための触媒として作用する
と信じられている。これらのシステムにおいて、写真用
ハロゲン化銀の好ましい濃度は、フォトサーモグラフィ
ー用材料中の銀供与体1モルあたり0.01〜100モルの写
真用ハロゲン化銀の範囲内にある。
【0167】タイプBのフォトサーモグラフィー用要素
は、有機銀塩酸化剤を含有している酸化還元的に画像を
形成する組み合わせを含んでなる。この有機銀塩は、光
に対して比較的安定であるけれども、露光された光触媒
(すなわち、感光性ハロゲン化銀)および還元剤の存在
下で80℃以上に加熱されると銀画像の形成を助ける銀塩
である。
【0168】好適な有機銀塩には、カルボキシル基を有
する有機化合物の銀塩が含まれる。それらの好ましい例
には、脂肪族カルボン酸の銀塩および芳香族カルボン酸
の銀塩が含まれる。脂肪族カルボン酸の銀塩の好ましい
例には、ベヘン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、
ラウリン酸銀、カプリン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミ
チン酸銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、酒石酸銀、フロ
ン酸銀、リノール酸銀、酪酸銀、および樟脳酸銀、それ
らの混合物などが含まれる。ハロゲン原子またはヒドロ
キシル基によって置換可能な銀塩もまた有効に使用する
ことができる。芳香族カルボン酸および他のカルボキシ
ル基含有化合物の銀塩の好ましい例には、安息香酸銀、
置換安息香酸銀(例えば、3,5-ジヒドロキシ安息香酸
銀、o-メチル安息香酸銀、m-メチル安息香酸銀、p-メチ
ル安息香酸銀、2,4-ジクロロ安息香酸銀、アセトアミド
安息香酸銀、p-フェニル安息香酸銀など)、没食子酸
銀、タンニン酸銀、フタル酸銀、テレフタル酸銀、サリ
チル酸銀、フェニル酢酸銀、ピロメリト酸銀、米国特許
第 3,785,830号明細書に記載されている3-カルボキシメ
チル -4-メチル -4-チアゾリン -2-チオンの銀塩など、
および米国特許第 3,330,663号明細書に記載されている
チオエーテル基を含有している脂肪族カルボン酸の銀塩
が含まれる。
【0169】そのうえ、イミノ基を含有している化合物
の銀塩を使用することもできる。これらの化合物の好ま
しい例には、特開昭44-30270号公報および特開昭45-181
46号公報に記載されているベンゾトリアゾールおよびそ
の誘導体の銀塩(例えば、ベンゾトリアゾールまたはメ
チルベンゾトリアゾールの銀塩など)、ハロゲン置換ベ
ンゾトリアゾールの銀塩(例えば、5-クロロベンゾトリ
アゾールの銀塩など)、1,2,4-トリアゾールの銀塩、3-
アミノ -5-メルカプトベンジル -1,2,4-トリアゾールの
銀塩、米国特許第 4,220,709号明細書に記載されている
1H-テトラゾールの銀塩、イミダゾールおよびイミダゾ
ール誘導体の銀塩などが含まれる。
【0170】5個または6個の環原子を含有している複
素環核を有するチオール置換化合物またはチオン置換化
合物であって、それらの環原子の少なくとも1個が窒素
原子であり、他の環原子が炭素原子と、酸素、硫黄、お
よび窒素から選ばれる2個以下のヘテロ原子を含んでい
る化合物の銀塩が具体的に企図されている。典型的な好
ましい複素環核には、トリアゾール、オキサゾール、チ
アゾール、チアゾリン、イミダゾリン、イミダゾール、
ジアゾール、ピリジン、およびトリアジンが含まれる。
これらの複素環式化合物の好ましい例には、2-メルカプ
トベンゾイミダゾールの銀塩、2-メルカプト -5-アミノ
チアジアゾールの銀塩、5-カルボキシル-1-メチル -2-
フェニル -4-チオピリジンの銀塩、メルカプトトリアジ
ンの銀塩、2-メルカプトベンゾオキサゾールの銀塩が含
まれる。
【0171】第2の有機銀塩は、チオナミドの誘導体で
あってもよい。具体例には、6-クロロ -2-メルカプトベ
ンゾチアゾール、2-メルカプトチアゾール、ナフト (1,
2-d)チアゾール -2(1H)-チオン、4-メチル -4-チアゾリ
ン -2-チオン、2-チアゾリジンチオン、4,5-ジメチル -
4-チアゾリン -2-チオン、4-メチル -5-カルボキシ -4-
チアゾリン -2-チオン、および 3-(2-カルボキシエチ
ル)-4-メチル -4-チアゾリン -2-チオンの銀塩が含まれ
るけれども、これらに限定されるものではない。
【0172】好ましくは、上記第2の有機銀塩は、メル
カプト−トリアゾールの誘導体である。具体例には、3-
メルカプト -4-フェニル -1,2,4-トリアゾールの銀塩お
よび3-メルカプト -1,2,4-トリアゾールの銀塩が含まれ
るけれども、これらに限定されるものではない。
【0173】もっとも好ましくは、上記第2の有機銀塩
は、メルカプト−テトラゾールの誘導体である。1つの
好ましい態様において、本発明において有用なメルカプ
トテトラゾール化合物は、以下の構造式VIによって表さ
れる。
【0174】
【化32】
【0175】上式中、nは0または1であり、Rは、置
換もしくは未置換のアルキル、アラルキル、またはアリ
ールからなる群より独立に選ばれる。置換基には、C1
〜C 6 アルキル、ニトロ、ハロゲンなど(これらの置換
基は銀塩の熱カブリ抑制効果に悪影響を及ぼさない)が
含まれるけれども、これらに限定されるものではない。
好ましくは、nは1であり、Rは1〜16個の炭素原子を
有するアルキル基または置換もしくは未置換のフェニル
基である。具体例には、1-フェニル -5-メルカプト−テ
トラゾール、 1-(3-アセトアミド)-5-メルカプト−テト
ラゾール、または1-[3-(2-スルホ) ベンズアミドフェニ
ル]-5-メルカプト−テトラゾールが含まれるけれども、
これらに限定されるものではない。
【0176】上記感光性ハロゲン化銀粒子および上記有
機銀塩は、それらが、現像時に触媒近傍に存在するよう
に塗布される。それらを隣接する層として塗布すること
もできるけれども、塗布の前に混合するのが好ましい。
従来の混合技法については、上記に引用されているリサ
ーチディスクロージャー、アイテム 17029、並びに米国
特許第 3,700,458号明細書並びに特開昭50-32928号、同
49-13224号、同50-17216号、および同51-42729号の各公
報において説明されている。
【0177】上記フォトサーモグラフィー用要素は、熱
溶媒を含んでなることができる。有用な熱溶媒の例に
は、例えば、サリチルアニリド、フタルイミド、N-ヒド
ロキシフタルイミド、N-カリウム−フタルイミド、スク
シンイミド、N-ヒドロキシ -1,8-ナフタルイミド、フタ
ラジン、 1-(2H)-フタラジノン、2-アセチルフタラジノ
ン、ベンズアニリド、およびベンゼンスルホンアミドで
ある。従来技術の熱溶媒は、例えば、Windender の米国
特許第 6,013,420号明細書において開示されている。色
味剤および色味剤の組み合わせの例は、例えば、リサー
チディスクロージャー、1978年6月、アイテム 17029お
よび米国特許第 4,123,282号明細書に記載されている。
【0178】上述のフォトサーモグラフィー用要素は、
有用な画像の形成を助けることが知られている添加剤を
含有していてもよい。フォトサーモグラフィー用要素
は、リサーチディスクロージャー、1978年12月、アイテ
ム 17643およびリサーチディスクロージャー、1978年6
月、アイテム 17029に記載されているものなどの、感度
向上化合物として機能する現像改質剤、増感色素、硬膜
剤、帯電防止剤、可塑剤および滑剤、コーティング助
剤、増白剤、吸収性色素およびフィルター色素を含有し
ていてもよい。
【0179】フォトサーモグラフィー用要素の像様露光
の後に、得られた潜像を種々の方法によって現像するこ
とができる。もっとも単純な方法は、要素全体を熱処理
温度まで加熱するものである。この全体加熱は、単に、
フォトサーモグラフィー用要素を、現像画像が形成され
るまで(例えば、 0.5〜60秒間)、90℃〜 180℃の範囲
内の温度に加熱するだけである。この熱処理温度を上げ
るか、または下げることによって、より短い時間または
より長い時間の処理が有用となる。好ましい熱処理温度
は、 100℃〜 160℃の範囲内である。フォトサーモグラ
フィー技術分野において知られている加熱手段は、露光
されたフォトサーモグラフィー用要素に所望の処理温度
を提供するのに有用である。加熱手段は、例えば、単純
なホットプレート、アイロン、ローラー、熱ドラム、マ
イクロ波発熱手段、熱風、蒸気などである。
【0180】フォトサーモグラフィー用要素のための処
理機の設計を、フォトサーモグラフィー用要素の貯蔵お
よび使用に使用されるカセットまたはカートリッジの設
計とリンクさせることが企図されている。さらに、フィ
ルムまたはカートリッジ上に記憶されているデータを使
用して、要素の処理条件または走査を変更してもよい。
像形成システムにおいてこれらの工程を達成するための
方法は、Stoebe他の米国特許第 6062746号明細書および
Szajewski他の米国特許第 6,048,110号明細書(譲受人
は共通)において開示されている。また、処理、走査、
および画像表示を調整するのに使用することができる情
報を要素上に書き込むために処理機を使用することがで
きる装置を使用することも想定されている。このシステ
ムは、Stoebe他の米国特許第 6,278,510号において開示
されている。
【0181】熱処理は、圧力および湿度の周囲条件下で
行うのが好ましい。普通の大気圧および湿度の範囲外の
条件も有用である。
【0182】走査技術の分野における進歩のゆえに、欧
州特許第 0 762 201号明細書において開示されているも
のなどの写真用カラーフィルムを走査することが、今や
自然かつ実用的になってきており、このような走査に特
殊なアレンジを加えて、その品質を改良することもでき
るけれども、銀またはハロゲン化銀をネガから除去する
必要性を伴わずに、このような走査を達成することがで
きる。例えば、Simonsの米国特許第 5,391,443号明細書
を参照されたい。
【0183】しかしながら、残留ハロゲン化銀が、光を
散乱させ、鮮鋭度を低下させ、そしてフィルムの全体と
しての濃度を高めるために、障害のある走査につながる
場合がある。さらに、残留ハロゲン化銀は、周辺光/観
察光/走査光に対して焼き出されて、非像様濃度を描
き、元々のシーンの信号対雑音比を悪化させ、そして濃
度をさらに高く増大させる場合がある。最終的に、残留
ハロゲン化銀および有機銀塩は、他のフィルム化学薬品
と反応的に関連して残存し、フィルムを永久記録保存用
媒体として不適当なものとする場合がある。永久記録保
存状態とするには、これらの銀源の除去または安定化が
必要である。
【0184】そのうえ、上記フォトサーモグラフィー用
フィルム(PTGフィルム)において塗布される銀(ハ
ロゲン化銀、銀供与体、および金属銀)は、生成される
色素画像には不必要であり、かつ、この銀は高価であ
り、それを回収しようとする要求は高い。
【0185】従って、後の処理工程において、フィルム
の1種以上の銀含有成分(ハロゲン化銀、1種以上の銀
供与体、存在する場合には銀含有熱カブリ抑制剤、およ
び/または銀金属)を除去するのが望ましい場合があ
る。3種の主要供給源は、現像された金属銀、ハロゲン
化銀、および銀供与体である。あるいは、フォトサーモ
グラフィー用要素中のハロゲン化銀を安定化するのが望
ましい場合もある。銀を、フィルム中の銀および/また
は銀供給源の全量に対して全面的または部分的に安定化
/除去することができる。
【0186】ハロゲン化銀および銀供与体の除去は、写
真技術分野において知られている一般的な定着用化学薬
品を用いて達成することができる。有用な化学薬品の具
体例には、チオエーテル、チオ尿素、チオール、チオ
ン、チオナミド、アミン、第四級アミン塩、尿素、チオ
スルフェート、チオシアネート、ビスルフィット、アミ
ンオキシド、イミノジエタノール−二酸化硫黄付加錯
体、両性アミン、ビススルホニルメタン、並びにこれら
の化合物の炭素環式誘導体および複素環式誘導体が含ま
れる。これらの化学薬品は、銀イオンと共に可溶性錯体
を形成し、この銀をフィルムから受容ベヒクル中へ移送
する能力を有する。この受容ベヒクルは、別の塗布層
(積層物)であっても、従来の液体処理浴であってもよ
い。
【0187】また、ハロゲン化銀および銀供与体の安定
化は、一般的な安定化化学薬品を用いて達成することが
できる。これについては、前述の銀塩除去化合物を用い
ることができる。定着剤および安定化剤は単一の化学薬
品としても非常に良好である場合があるけれども、安定
化によっては、銀はフィルムから必ずしも除去されな
い。安定化された銀の物理的状態は、もはや、それがハ
ロゲン化銀および銀供与体であったときほど大きい(>
50nm)粒子ではないので、光散乱および全体としての濃
度がより低く、画像を走査により好適なものとするとい
う点においてもまた、安定化された状態は好都合であ
る。
【0188】金属銀の除去はハロゲン化銀および銀供与
体の除去よりも難しい。一般に、2種の反応工程が必要
とされる。第1の工程は、金属銀を漂白して銀イオンと
するものである。第2の工程は、上記ハロゲン化銀およ
び銀供与体について記載されている除去/安定化の工程
(複数であってもよい)と同一であってもよい。金属銀
は、PTGフィルムの永久記録保存安定性に累を及ぼさ
ない安定な状態である。ゆえに、銀の除去よりもPTG
フィルムの安定化の方が好まれる場合には、漂白工程を
省いて、金属銀をフィルム中に残すことができる。金属
銀を除去する場合には、漂白工程と定着工程とをいっし
ょに行っても(ブリックスと呼ばれる)、漂白工程と定
着工程とを逐次的に行ってもよい(漂白+定着)。
【0189】上記方法は、1種以上のシナリオまたは工
程の入れ替えを含むことができる。これらの工程は、逐
次的に続けて行うこともできるし、時間および場所に関
連して遅らせることもできる。例えば、熱現像および走
査を遠隔のキオスクにおいて行い、次に、小売現像所に
おいて数日後に漂白および定着を行うことができる。1
つの態様において、画像の多重走査が行われる。例え
ば、熱処理後の画像の軟調ディスプレイまたはより低コ
ストの硬調ディスプレイのために初期走査を行ってもよ
く、次に、任意選択的に初期ディスプレイからの選択に
基づいて、永久記録保存および焼き付けのために、安定
化後に、より高品質またはより高コストの二次走査を行
う。
【0190】説明の目的のために、一般的な乾式熱現像
工程を含むフォトサーモグラフィー用フィルムの処理の
非網羅的な一覧を以下に示す。
【0191】1. 熱現像 → 走査 → 安定化(例
えば、積層物による) → 走査→ 返還すべき永久記
録保存用フィルムを得る 2. 熱現像 → 定着浴 → 水洗 → 乾燥 →
走査 → 返還すべき永久記録保存用フィルムを得る 3. 熱現像 → 走査 → ブリックス浴 → 乾燥
→ 走査 → フィルム中の銀の全部または一部を再
循環する 4. 熱現像 → 漂白積層 → 定着積層 → 走査
→ (フィルム中の銀の全部または一部を再循環す
る) 5. 熱現像 → 走査 → ブリックス浴 → 洗浄
→ 定着浴 → 洗浄 → 乾燥 → 返還すべき永
久記録保存用フィルムを得る 6. 熱現像 → 比較的迅速で低品質な走査 7. 熱現像 → 漂白 → 洗浄 → 定着 → 洗
浄 → 乾燥 → 比較的遅く高品質な走査
【0192】本発明に係るフォトサーモグラフィー用フ
ィルムの好ましい態様において、(i) フィルムの熱現
像、(ii)走査、および(iii) 現像されたフィルムからの
ポジ像の形成を含む、最初の画像(顧客/消費者による
観察のための硬調ディスプレイまたは軟調ディスプレ
イ)までの処理時間は、好適には5分未満、好ましくは
3.5分未満、より好ましくは2分未満、もっとも好まし
くは1分未満である。1つの態様において、このような
フィルムは、単純な乾式または見かけ上乾式の装置の使
用を伴うキオスクにおける現像に対応している。従っ
て、消費者が、像様露光された写真用フィルムを、現像
および焼き付けのために、多数の多様な場所のいずれか
に(任意選択的に、湿式現像ラボとは無関係に)配置さ
れているキオスクに持ってきて、そこで、フィルムを、
第三者技術者による操作を必要とすること無く、現像
し、焼き付けることが想定される。像様露光後のハロゲ
ン化銀含有カラー写真要素を単に熱および/または比較
的少量のアルカリ性もしくは酸性の水を外部から適用す
ることによって現像することができるけれども、この同
じフィルムが、好ましくは第三者による操作を必要とし
ない、自動化キオスクにおける現像にも対応している、
フォトサーモグラフィー用カラーフィルムは、かなりの
利点を有するであろう。このようなキオスクの利用可能
性および手軽さを仮定すると、このようなフォトサーモ
グラフィー用フィルムは、潜在的に、第三者の現像処理
機、マルチタンク装置などの関与を必要とすること無
く、「オン・デマンド」で(およそ数分で)、いつでも
現像することができるはずである。任意選択的に、この
ようなフォトサーモグラフィー用処理は、潜在的に、商
業的に適合する、高い処理量が可能な装置を正当化する
高容量処理を必要とすること無く、一度に1本のロール
でさえ、「必要に応じて」行うことができるはずであ
る。このようなフィルムの発色現像およびその後の走査
は、個々の消費者ベースで容易に行うことができ、任意
選択的に、現像されたカラー画像に対応するディスプレ
イ要素を生成することができるはずである。キオスクと
は、自蔵式であり、(特定の支払いと引き替えに)湿式
化学ラボにおいて必要であるような技術者または他の第
三者の関与を伴わずに、ロール毎のベースで像様露光さ
れたフィルムのロールを現像することが可能な、自動化
自立機械を意味する。概して、消費者は、コンピュータ
ーのインターフェースによって、フィルム処理および任
意選択的な焼き付けの実行を開始し、制御するであろ
う。このようなキオスクは、概して、6立方m未満の寸
法、好ましくは3立方m未満の寸法であるので、多様な
場所に商業的に輸送することができる。このようなキオ
スクは、任意選択的に、発色現像のためのヒーター、カ
ラー画像をディジタル記録するためのスキャナー、およ
びカラー画像をディスプレイ要素に伝達するための装置
を含んでなっていてもよい。
【0193】また、本発明のフォトサーモグラフィー用
要素または写真要素を、適用される現像液の容量が、写
真要素を膨潤させるのに必要とされる溶液の容量の1倍
未満である写真処理として定義される低容量処理に付す
こともできる。この処理は、溶液の適用、外層の積層、
および加熱の組み合わせによって行うことができる。低
容量システムは、Type I: Photothermographic systems
について、上記に記載されている要素のいずれを含有し
ていてもよい。さらに、開始(origination) フィルム要
素における潜像の形成または安定性には必要ではない前
述のセクションに記載されている構成成分を、当該フィ
ルム要素からまったく除去し、以下に記載されている方
法を使用して、写真処理を実行する目的のために、露光
後のいずれの時点において接触させてもよい。
【0194】低容量処理のために設計される写真要素
は、以下の3種の処理のいくつかまたはすべてを受ける
ことができる。
【0195】(I)例えば、スプレー法、インクジェッ
ト法、コーティング法、グラビア法などの、いずれかの
手段によって、溶液をフィルムに直接適用すること。 (II)補助的な処理要素を像形成要素に積層すること。
この積層物は、処理化学薬品の提供、使用済み化学薬品
の除去、または潜像記録フィルム要素からの画像情報の
転写という目的を有するものであってもよい。転写され
る画像は、色素、色素先駆物質、または銀含有化合物
が、この補助的な処理要素に像様転写されることによっ
て生ずるものであってもよい。 (III )例えば、単純なホットプレート、アイロン、ロ
ーラー、熱ドラム、マイクロ波発熱手段、熱風、蒸気な
どの、いずれかの好都合な手段によって、処理時に要素
を加熱すること。加熱は、前述の処理I〜III のいずれ
の処理の前に、処理の際に、処理の後に、または処理を
通して行うことができる。加熱によって生ずる処理温度
は、室温〜 100℃の範囲にわたるものであってもよい。
【0196】イエロー、マゼンタ、およびシアンの色素
画像記録(など)が本発明の処理された写真要素におい
て一旦形成されると、従来の技法を用いて、各々の色記
録についての画像情報を読み出し、その記録を操作し
て、その後、カラーバランスのとれた観察可能な画像を
作り出すことができる。例えば、フォトサーモグラフィ
ー用要素を、スペクトルの青、緑、および赤の領域内で
逐次的に走査することも可能であるし、または青、緑、
および赤の光を単一の走査光線内に取り入れて、この光
線を青、緑、および赤のフィルターに通して分割し、各
々の色記録のための別個の走査光線を形成させることも
可能である。単純な技法としては、一連の横方向にずら
した平行な走査パスに沿って点毎(point-by-point)にフ
ォトサーモグラフィー用要素を走査する。走査点におい
て要素を通過する光の強度は、受けた輻射線を電気信号
に変換するセンサーによって記録される。もっとも一般
的には、この電子的な信号をさらに操作して、画像の有
用な電子的な記録を形成させる。例えば、この電気信号
をアナログ−ディジタル変換器に通し、画像内の画素
(点)の位置設定に必要とされる位置情報といっしょに
ディジタルコンピューターに送ることができる。もう1
つの態様においては、この電子的な信号を比色情報また
は色調情報と共にコード化し、画像を観察可能な形態
(例えば、コンピューターのモニターに表示される画
像、テレビ画像、焼き付け画像など)に再現することを
可能とするのに好適な電子的な記録を形成させる。
【0197】本発明の像形成要素を、ハロゲン化銀を要
素から除去する前に走査することも企図されている。こ
の残留ハロゲン化銀は濁ったコーティングを生ずるが、
拡散光照明光学素子を用いるスキャナーの使用により、
このようなシステムにおいて改良された走査画質を得る
ことができることが見出された。拡散光照明を生ずるた
めの当該技術分野において知られているいずれの技法を
使用することもできる。好ましいシステムには、その内
壁が、高度の拡散反射を生ずるように特に設計されてい
る拡散用キャビティーを用いる反射式システム、およ
び、平行光(specular light)の光線中に配置された、光
を散乱させるのに役立つ光学素子の使用により、この光
線を拡散させる透過式システムが含まれる。このような
要素は、所望の散乱を生ずる成分が導入されているか、
もしくは所望の散乱を促進するための表面処理が施され
ているかの、いずれかのガラスまたはプラスチックであ
ってもよい。
【0198】走査によって抽出される情報から画像を生
じさせる際に遭遇される問題の1つは、観察に利用可能
な情報の画素数は、相当する古典的な写真プリントから
得られるもののほんの僅かでしかないということであ
る。ゆえに、走査像形成においては、得られる画像情報
の質を最大限に高めることが、なおいっそう重要であ
る。画像鮮鋭度を高め、異常な画素信号(すなわち、ノ
イズ)の影響を最小化することは、画質を高めるための
一般的な方法である。異常な画素信号の影響を最小化す
るための従来の技法は、隣接する画素からの読みにおい
て要素分解し、より近い隣接画素ほどより重みをつける
ことによって、各々の画素濃度の読みを調整して重みつ
き平均値とすることである。
【0199】本発明の要素は、Wheeler 他の米国特許第
5,649,260号、Koeng 他の米国特許第 5,563,717号、お
よびCosgrove他の米国特許第 5,644,647号の各明細書に
よって記載されているように、未露光の写真記録材料の
基準露光に付された部分にある1種以上のパッチ領域か
ら導かれる濃度較正パッチを有していてもよい。
【0200】画像記録の質を最大限に高めるための技法
などの、走査信号操作の実例となるシステムは、Bayer
の米国特許第 4,553,156号、Urabe 他の米国特許第 4,5
91,923号、Sasaki他の米国特許第 4,631,578号、Alkofe
r の米国特許第 4,654,722号、Yamada他の米国特許第
4,670,793号、Klees の米国特許第 4,694,342号および
同 4,962,542号、Powellの米国特許第 4,805,031号、Ma
yne 他の米国特許第 4,829,370号、Abdulwahabの米国特
許第 4,839,721号、Matsunawa 他の米国特許第 4,841,3
61号および同 4,937,662号、Mizukoshi 他の米国特許第
4,891,713号、Petilli の米国特許第 4,912,569号、Su
llivan他の米国特許第 4,920,501号および同 5,070,413
号、Kimoto他の米国特許第 4,929,979号、Hirosawa他の
米国特許第4,972,256号、Kaplanの米国特許第 4,977,52
1号、Sakai の米国特許第 4,979,027号、Ngの米国特許
第 5,003,494号、Katayama他の米国特許第 5,008,950
号、Kimura他の米国特許第 5,065,255号、Osamu 他の米
国特許第 5,051,842号、Lee 他の米国特許第 5,012,333
号、Bowers他の米国特許第 5,l07,346号、Telle の米国
特許第 5,l05,266号、MacDonald 他の米国特許第 5,10
5,469号、並びにKwon他の米国特許第 5,081,692号の各
明細書によって開示されている。走査の際のカラーバラ
ンス調整のための技法は、Moore 他の米国特許第 5,04
9,984号およびDavisの米国特許第 5,541,645号の各明細
書によって開示されている。
【0201】一旦得られたディジタル色記録は、ほとん
どの場合、ビデオモニター上に表示する際または従来の
カラープリントとして焼き付ける際のいずれかにおけ
る、出力のための種々の変換または演色によって、観察
するのに心地よいカラーバランスを有する画像を生じ、
かつ、画像保持信号の色忠実度を保存するように調整さ
れる。走査後に画像保持信号を変換するための好ましい
技法は、Giorgianni他の米国特許第 5,267,030号明細書
によって開示されている。カラーディジタル画像情報を
扱う当業者の能力のさらなる実例は、Giorgianniおよび
MaddenのDigitalColor Management, Addison-Wesley, 1
998によって提供されている。
【0202】
【実施例】調製例 以下の例により、本発明において有用な代表的なブロッ
クト化合物の合成について説明する。
【0203】ロイコメチレンブルー塩化カルバミル
(1)の調製:メチレンブルー(32g、 0.1モル)、 2
00mLの塩化メチレン、および 250mLの温水(40℃)を、
機械式撹拌機、温度計、凝縮器、および窒素注入口を備
えた2Lの丸底フラスコに入れた。亜ジチオン酸ナトリ
ウム(35g、 0.2モル)および重炭酸ナトリウム(16.8
g、 0.2モル)を乾燥粉末として混合し、次に、窒素雰
囲気下で、激しく撹拌されている上記溶液に、ゆっくり
と添加した。この溶液を、上記メチレンブルーが溶解
し、水性相の青色が殆ど無色に退色するまで、数分間撹
拌した。この反応混合物を分液漏斗に移すことによっ
て、淡褐色の塩化メチレン相を分離した。少量の硫酸マ
グネシウムを添加して、この粗ロイコ色素を乾燥させて
から、この溶液を素速く濾過し、トリエチルアミン(17
mL、0.12モル)および磁気撹拌棒が入っている丸底フラ
スコに入れた。このフラスコを冷水浴によって冷却して
から、トルエン中のホスゲンの溶液(60mLの2M溶液、
0.12モル)を導入した。数分間撹拌した後、この溶液を
分液漏斗中に注ぎ、水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で
乾燥させ、シリカゲルの小さいパッドを通して濾過し、
そして濃縮して、粗製固体とした。この固体をアセトニ
トリル中でスラリー化し、濾過し、洗浄し、そして乾燥
させて、23.7g(68%)の白色固体としてロイコメチレ
ンブルー塩化カルバミル(1)を得た。
【0204】IC−1の調製:
【0205】
【化33】
【0206】固形4-N,N-ジメチルピリジン(DMAP、
1.22g、10ミリモル)を、20mLのジクロロメタン中の化
合物2(2.53g、5ミリモル)および1(1.74g、5ミ
リモル)の懸濁液に、15分の期間にわたって、小分けに
して添加し、5℃において撹拌した。上記添加に次い
で、上記混合物を5℃において30分間撹拌し、ジクロロ
メタン(20mL)で希釈した。この溶液を、重炭酸ナトリ
ウム飽和水溶液(2×20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウ
ム上で乾燥させ、そして濃縮した。カラムクロマトグラ
フィーによる精製によって、2.96g( 3.6ミリモル、72
%)のIC−1(m.p. 91〜92℃; ESMS: ES+, m/z 819
(M+1, base); ES-, m/s 817 (M-1, base))が得られ
た。
【0207】IC−2の調製:
【0208】
【化34】
【0209】固形DMAP(1.22g、10ミリモル)を、
20mLのジクロロメタン中の化合物1(1.74g、5ミリモ
ル)および3(3.21g、5ミリモル)の混合物に、15分
の期間にわたって、5℃において、小分けにして添加し
た。次に、得られた溶液を室温に2時間保ち、シリカゲ
ルを通して濾過して、0.82g(0.85ミリモル、17%)の
IC−2(ESMS: ES+, m/z 954 (M+1, base); ES-, m/s
952 (M-1, base))を油として得た。
【0210】IC−3の調製:
【0211】
【化35】
【0212】5の調製:純クロロメチルエチルエーテル
(5.20g、55ミリモル)を、 200mLのアセトニトリル中
の化合物4( 31.45g、50ミリモル)および1,8-ジアザ
ビシクロ [5.4.0]ウンデカ -7-エン(DBU、8.37g、
55ミリモル)の混合物に、15分の期間にわたって、滴下
添加し、それを窒素下で5℃において撹拌した。次に、
この反応混合物を、3つの部分(各々1.52g(10ミリモ
ル))のDBUおよび3つの部分(各々0.95g(10ミリ
モル))のクロロメチルエチルエーテルで定期的に処理
しながら、室温において2時間撹拌した。次に、この混
合物を、 1.5Lの水/ 500mLのエーテル中に注ぎ、18時
間撹拌して、固体を得た。生成物を濾取し、 300mLの水
で3回洗浄し、一時的に風乾させ、そして 600mLのイソ
プロピルエーテルと共に24時間撹拌した。次に、生成物
を再収集し、イソプロピルエーテル(2× 100mL)、ヘ
キサン(2× 200mL)で洗浄し、そして真空中で3日間
乾燥させた。5の収量は 31.43g(46ミリモル、92%)
であった。
【0213】IC−3の調製:50mLのジクロロメタン中
のDBU(8.46g、55.6ミリモル)の溶液を、 150mLの
ジクロロメタン中の化合物1(9.66g、27.8ミリモル)
および5( 19.07g、27.8ミリモル)の混合物に、1時
間の期間にわたって滴下添加し、5℃において撹拌し
た。上記添加に次いで、上記混合物を5℃において1時
間撹拌し、室温において20時間撹拌して、深褐色の溶液
を得た。溶媒を留去し、残渣を 500mLの酢酸エチルに溶
解させ、そして25mLの濃塩化水素酸でゆっくりと酸性化
させた。この混合物を室温において2時間撹拌し、 400
mLの重炭酸ナトリウム飽和水溶液中に注いだ。各層を分
離し、水性層を 100mLの酢酸エチルで抽出した。有機溶
液を併せ、これをブライン(2× 300mL)で洗浄し、硫
酸マグネシウム上で乾燥させ、そして濃縮して、油を得
た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル、酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、得られた
固体をエタノール( 200mL)と共に沸騰させることによ
って、さらに精製した。室温まで冷却し、固体を濾取
し、エタノール(2×10mL)で洗浄し、そして真空中で
20時間乾燥させた。IC−3の収量は 13.62g(14.5ミ
リモル、52%)であった(m.p. 123〜 125℃; ESMS: ES
+, m/z 940 (M+1, base); ES-, m/s 938 (M-1, bas
e))。
【0214】IC−12の調製:
【0215】
【化36】
【0216】固形DMAP(0.24g、2ミリモル)を、
5mLのジクロロメタン中の化合物1(0.35g、1ミリモ
ル)および3(0.48g、1ミリモル)の混合物に、5℃
において添加した。次に、得られた溶液を室温に2時間
保ち、シリカゲルを通して濾過して、油を得た。10mLの
メタノールと共に5日間撹拌することにより固体が生
じ、これを収集し、2×2mLのメタノールで洗浄し、そ
して真空中で2時間乾燥させた。IC−12の収量は0.
30g(0.38ミリモル、38%)であった(ESMS: ES+, m/z
789 (M+1, base))。
【0217】写真例 処理条件は、例に記載されている。特に断らない限り、
ハロゲン化銀は、Kodak Flexicolor Fix溶液に浸漬する
ことによって、現像後に除去した。一般に、この工程の
省略により、測定される濃度がおよそ 0.2増大する。
【0218】例1 ゼラチン(0.22g/m2)および1,1'-(メチレンビス (スル
ホニル))ビス−エテン硬膜剤(全ゼラチン濃度の2%)
のオーバーコート層と共に表Iの構成成分を有する乳剤
含有層(内容は以下に示す)を含んでなるコーティング
例を、約 180μm (7mil )厚のポリエチレンテレフタ
レート支持体上に調製した。いずれの層にも、塗布を容
易にするための展着助剤を含有させた。
【0219】
【表1】
【0220】共通成分 銀塩分散体SS−1: 撹拌反応容器に、 431gのライム
処理ゼラチンおよび6569gの蒸留水を装填した。 214g
のベンゾトリアゾール、2150gの蒸留水、および 790g
の 2.5モル水酸化ナトリウムを含有している溶液を調製
した(溶液B)。溶液B、硝酸、および水酸化ナトリウ
ムを必要に応じて添加することによって、上記反応容器
中の混合物を、7.25のpAgおよび8.00のpHに調整し
た。
【0221】0.54モル硝酸銀の溶液4Lを 250cm3/分で
ケトルに添加し、溶液Bを同時に添加することによっ
て、pAgを7.25に維持した。この方法を、硝酸銀溶液
を使い切るまで続け、その時点で、混合物を限外濾過法
によって濃縮した。得られた銀塩分散体は、銀ベンゾト
リアゾールの微粒子を含有していた。
【0222】銀塩分散体SS−2:撹拌反応容器に、 4
31gのライム処理ゼラチンおよび6569gの蒸留水を装填
した。 320gの1-フェニル -5-メルカプトテトラゾー
ル、2044gの蒸留水、および790gの 2.5モル水酸化ナ
トリウムを含有している溶液を調製した(溶液B)。溶
液B、硝酸、および水酸化ナトリウムを必要に応じて添
加することによって、上記反応容器中の混合物を、7.25
のpAgおよび8.00のpHに調整した。
【0223】0.54モル硝酸銀の溶液4Lを 250cm3/分で
ケトルに添加し、溶液Bを同時に添加することによっ
て、pAgを7.25に維持した。この方法を、硝酸銀溶液
を使い切るまで続け、その時点で、混合物を限外濾過法
によって濃縮した。得られた銀塩分散体は、1-フェニル
-5-メルカプトテトラゾールの銀塩の微粒子を含有して
いた。
【0224】乳剤:98%の臭化銀および2%のヨウ化銀
の組成を有し、0.42μm の等価円直径および0.06μm の
厚みを有するハロゲン化銀乳剤E−1を、従来の手段に
よって、平板状の形態を有するように調製した。
【0225】上記乳剤を、増感色素の添加によって青色
光に対して分光増感させ、次に化学増感させて、最適な
性能を得た。
【0226】カプラー分散体:適当な色素放出カプラ
ー、フタル酸ジ -n-ブチル、および酢酸エチルを1:
1:3の質量比で含有している、IC−1の油系カプラ
ー分散体を調製した。この油相に、ゼラチンおよび界面
活性剤の水溶液を添加し、繰り返し粉砕して、カプラー
が3質量%で、ゼラチンが6質量%の最終的なカプラー
分散体を得た。比較用の、従来のカプラーCC−1を、
1質量部の溶媒に対して1質量部のカプラーの比で、セ
バシン酸ジ -n-ブチルを使用して分散させた。酢酸 2-
(2-ブトキシエトキシ) エチルを補助溶媒として使用
し、その後、水洗によって除去して、カプラーが8%
で、ゼラチンが9.14%の最終的な組成を得た。
【0227】
【化37】
【0228】
【化38】
【0229】内型現像主薬(Dev−1):
【0230】
【化39】
【0231】この材料は、以下の処方で、ジルコニアビ
ーズを使用して、水性混合物中で、4日間ボールミル粉
砕した。1gの内型現像主薬に対して、トリイソプロピ
ルナフタレンスルホン酸ナトリウム( 0.1g)、水(10
gとなるように)、およびビーズ(25mL)を使用した。
場合により、粉砕後に、温かい(40℃)ゼラチン溶液
(12.5%、10g)でスラリーを希釈してから、ビーズを
濾過によって除去した。この濾液(ゼラチンの添加を伴
うか、または伴わない)を、使用の前に、冷蔵庫に貯蔵
した。
【0232】サリチルアニリド:ボールミル粉砕法によ
って、サリチルアニリドの分散体を調製した。合計20g
の試料に、 3.0gの固形サリチルアニリド、0.20gのポ
リビニルピロリドン、0.20gの界面活性剤TRITON X-20
0、 1.0gのゼラチン、15.6gの蒸留水、および20mLの
ジルコニアビーズを添加した。このスラリーを48時間に
わたってボールミル粉砕した。粉砕後、ジルコニアビー
ズを濾過によって除去した。このスラリーを、使用の前
に、冷蔵した。大規模な調製については、サリチルアニ
リドの質量に対して4%の界面活性剤TRITON X-200およ
び4%のポリビニルピロリドンを添加して、サリチルア
ニリドを媒体粉砕(media-mill)して、30%のサリチルア
ニリドを含有している最終的な分散体を得た。場合によ
り、上記分散体を水で希釈してサリチルアニリドを25%
としたり、またはゼラチン(全量の5%)を添加して、
サリチルアニリドの濃度を25%に調製したりした。ま
た、殺生剤をさらに添加してもよい。
【0233】コーティング評価:得られたコーティング
を、Daylihgt 5A フィルターおよびWratten 2Bフィルタ
ーに通した3000Kの3.04 logルクスの光源に、階段光学
くさびを通して露光させた。露光時間は 0.5秒とした。
露光後、熱盤と20秒間接触させることによって、上記コ
ーティングを熱処理した。観察される影響の普遍性を検
査するために、種々の熱盤温度において、多数のストリ
ップを処理した。本明細書には、 150℃における処理に
ついてのデータを示す。収集されたデータから、写真パ
ラメーターを得た。
【0234】Drange :現像によって形成される最大濃
度と最小濃度との間の濃度差。Drange =(Dmax −D
min ) ガンマ:特性曲線に由来する、1つの介在階段によって
隔てられた2つの濃度階段の測定値の間の最大2点コン
トラスト。
【0235】これらのパラメーターにより、露光による
色素形成能力および色素濃度形成速度によってカプラー
性能を比較するための有用な尺度が提供される。これら
の測度を以下の表IIに示す。
【0236】
【表2】
【0237】上記表IIにおけるこれらの結果から明白な
ように、本発明のカプラーは、比較用のカプラーの色素
濃度の2倍よりも大きい色素濃度を形成した。
【0238】例2 このコーティングの組は、比較用カプラーCC−1をフ
タル酸ジ -n-ブチル中の分散体から 0.9ミリモル/m2
塗布し、カプラーIC−2(下記)でカプラーIC−1
を置き換え、0.22ミリモル/m2(すなわち、比較用カプ
ラーの濃度の4分の1)に塗布したことを除き、例1と
同様の構成成分およびフォーマットを有するように調製
した。
【0239】
【化40】
【0240】使用した乳剤は、0.86g/m2で塗布されたE
−2とした。それは緑の光に対して増感されており、96
%の臭化銀および4%のヨウ化銀の組成を有する平板状
乳剤である。それは、 1.2μm の等価円直径および0.12
μの厚みを有する。得られたコーティングを、Daylihgt
5A フィルターおよびWratten 9 フィルターに通した30
00Kの3.04 logルクスの光源に、階段光学くさびを通し
て露光させた。露光時間は0.01秒とした。熱ドラム処理
機を使用してストリップを処理した。最適条件は、 161
℃で18秒間であった。
【0241】収集されたデータから、以下の表III の写
真パラメーター(上記に定義されている)が得られた。
【0242】
【表3】
【0243】本発明のカプラーは、比較用カプラーの4
分の1の量で塗布されているにもかかわらず、より高い
色素濃度を形成した。
【0244】例3 ゼラチン( 3.2g/m2)および1,1'-(メチレンビス (スル
ホニル))ビス−エテン硬膜剤(全ゼラチン濃度の2%)
のオーバーコート層と共に乳剤含有層(内容は以下に示
す)を含んでなる、以下に示すコーティングフォーマッ
トを有する本発明のコーティングを、約 180μm (7mi
l )厚のポリエチレンテレフタレート支持体上に調製し
た。いずれの層にも、塗布を容易にするための展着助剤
を含有させた。
【0245】
【表4】
【0246】
【化41】
【0247】このコーティングの組は、上記フォーマッ
トで、上述の如く調製した。また、比較用カプラーCC
−2およびCC−3は、フタル酸ジ -n-ブチル中の分散
体から0.67ミリモル/m2に塗布した。使用した乳剤は、
例2に記載されているように、0.86g/m2で塗布されたE
−2とした。得られたコーティングを、Daylihgt 5Aフ
ィルターおよびWratten 9 フィルターに通した3000Kの
3.04 logルクスの光源に、階段光学くさびを通して露光
させた。露光時間は 0.1秒とした。
【0248】熱ドラム処理機を使用してストリップを処
理した。最適条件は、 151℃で18秒間であった。
【0249】
【表5】
【0250】本発明のカプラーは、同じカプラーの親を
有するけれども、放出される高吸光度色素フラグメント
を伴わない比較用カプラーCC−2よりも、相当高い色
素濃度を形成した。また、本発明のカプラーは、このシ
ステムにおいて、酸化された現像主薬との反応時に形成
される高吸光度色素のために、非常に良好な性能を発揮
するカプラーであることが示されているカプラーCC−
3よりも、相当良好な性能を発揮した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 5/08 351 G03C 5/08 351 // C09B 21/00 C09B 21/00 (72)発明者 ウォイシーチ カジミエルツ スルサレク アメリカ合衆国,ニューヨーク 14625, ロチェスター,パノラマ トレイル 270 (72)発明者 デイビッド トーマス サウスビー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14625, ロチェスター,ハンティントン メドウズ 115 (72)発明者 デイビッド ハワード レビー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14618, ロチェスター,ハンプシャー ドライブ 114 (72)発明者 シキアン ヤン アメリカ合衆国,ニューヨーク 14580, ウェブスター,ノースブルック ウェイ 733 Fターム(参考) 2H123 AB00 AB03 AB05 AB06 AB23 AB28 BB00 BB23 BB28 BB39 CA00 CA22 CB00 CB03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式Iによって表されるカプラーを関連し
    て有する感光性ハロゲン化銀乳剤層を含有している写真
    要素であって、 COUP−(T)m −L−DYE’ (I) 上式中、 COUPは、酸化された発色現像主薬とカップリングし
    て第1のシアン色素を形成することが可能な写真用カプ
    ラー残基であり、 Tは、タイミング基であり、 mは、0〜2の整数であり、 Lは、−OC(=O)−、−OC(=S)−、−SC
    (=O)−、および−SC(=S)−からなる群より選
    ばれる結合基であって、mが0ではない場合にはTが、
    またはmが0である場合にはLが、COUPのカップリ
    ング部位に結合されており、 DYE’は、上記カップリング部位からの放出時に、第
    2の色素、または第2の色素に転化される色素先駆物質
    を形成する基であって、この第2の色素もまたシアンに
    着色されており、このDYE’は以下の式によって表さ
    れ、 【化1】 上式中、 R2 およびR3 は、独立に、有機もしくは無機の置換基
    であるか、または複数のR2 基および/もしくは複数の
    3 基が、飽和、不飽和、もしくは芳香族の炭素環もし
    くは複素環を形成していてもよく、これらのR2 置換基
    およびR3 置換基、並びにそれらによって形成される環
    が、上記第2の色素が主に 600〜 700nmの範囲の光を吸
    収するように選ばれ、 nおよびpは、独立に、0〜4の整数であり、そしてQ
    は、O、S、またはNR’であって、ここで、R’は、
    Hまたは置換もしくは未置換のアルキル基もしくはアリ
    ール基である、写真要素。
  2. 【請求項2】 DYE’が、放出後に化合物HNR5
    4 を形成する放出可能基であり、ここで、R5 およびR
    4 は、それらが結合している窒素原子といっしょに、相
    互連結されて、フェノチアジン、フェノキサジン、およ
    びフェナジン、またはそれらの誘導体の群から選ばれる
    複素環を形成している、請求項1に記載の写真要素。
  3. 【請求項3】 上記カプラーが、以下の式によって表さ
    れる、 【化2】 請求項1に記載の写真要素。
JP2002368681A 2001-12-19 2002-12-19 高吸光度高色素収率シアンカプラーを含有している走査可能な写真要素 Pending JP2003222970A (ja)

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