JP2004503820A - 保護された写真に有用な化合物を含む画像形成要素 - Google Patents

保護された写真に有用な化合物を含む画像形成要素 Download PDF

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Abstract

例えば、次の構造式によって表される化合物を包含するロッセン転位反応を介して熱分解する保護された写真に有用な基:
【化1】
Figure 2004503820

上記構造中、置換基は明細書中に規定されたものと同じである。そのような化合物は良好な反応性を有し、現像主薬等の写真に有用な基を予め選択された条件下で熱活性化されるまで、保護するのに用いることができる。本発明に従う化合物はカラーフォトサーモグラフィ画像形成要素にとりわけ有用である。

Description

【0001】
(発明の属する技術分野)
本発明は、ロッセン転位反応によって、熱により分解する保護された写真に有用な化合物を含有する画像形成要素に関する。
【0002】
(発明の背景)
従来のカラー写真は、ハンドヘルドカメラでの使用に適した感光性ハロゲン化銀含有フィルムを使用しており、このフィルムは露光時に、適当な現像処理後に顕在化されるような潜像を保持する。このような要素は歴史的に、カメラで露光したフィルムを、フィルム内の成分と協同して画像を形成するように作用する現像主薬を有する少なくとも現像液で処理することによって現像される。一般的に用いられる現像主薬は、還元剤、例えば、p−アミノフェノールまたはp−フェニレンジアミンである。
【0003】
典型的には現像液中に存在する現像主薬(本明細書で現像剤ともいう)は、フィルムの処理時に露光された写真フィルム要素に関連する反応に持ち込まれる。増感された写真要素中に直接現像主薬を混入させるとハロゲン化銀乳剤の減感と好ましくないカブリを起こす場合があるので、現像主薬とフィルム要素とを分離する必要性がある。しかし、有害な減感またはカブリ無しに、ハロゲン化銀乳剤要素中に導入することができる有効な保護された現像主薬(以下、「ブロック現像主薬」ともいう)の生成に、かなりの努力が向けられた。それ故、現像の予め選定された条件下で脱ブロックし、その後そのような現像主薬が画像形成(色素または金属銀形成)反応に参加しないブロック現像主薬が捜索された。
【0004】
Reevesの米国特許第3,342,599号は、Schiff塩基現像主薬前駆体の使用を開示している。SchleighおよびFaulは、「リサーチディスクロージャー(Research Disclosure)(129(1975)、27−30頁)において、発色現像主薬の第4級保護およびp−フェニレンジアミンのアセトアミド保護を説明している(本願明細書に引用された全ての「リサーチディスクロージャー」は、Kenneth Mason Publications社(Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth, Hampshire P010 7DQ、英国)から出版されている)。引き続き、Hamaokaらの米国特許第4,157,915号ならびにWaxmanおよびMourningの米国特許第4,060,418号は、色拡散転写のための受像シート中の保護されたp−フェニレンジアミンの調製および使用を説明している。
【0005】
これらの手法は全て、下記のひとつ以上の問題点のために、実際の製品への応用には失敗している:増感されたハロゲン化銀の減感;許容できない程遅い脱保護の速度論;貯蔵後に増大したカブリおよび/または減少したDmaxを生じるような保護された現像主薬の不安定性、不十分または劣った画像形成、ならびにその他の問題。とりわけ、フォトサーモグラフィカラーフィルムの領域では、劣った解像度および劣った色素形成活性の潜在的な問題点を含んでいる。
【0006】
ブロッキングおよびスイッチング試薬の最近の開発によって、比較的良好に機能するp−フェニレンジアミンを含めたブロック現像主薬が得られた。特に、「β−ケトエステル」タイプの保護基(厳密には、β−ケトアシル保護基)を有する化合物が、米国特許第5,019,492号明細書に記載されている。β−ケトエステルブロック試薬の出現に関連して、現像に必要な時にのみ活性となる形態で、p−フェニレンジアミン現像主薬をフィルム系に導入することが可能となった。β−ケトアシルブロック現像主薬は、二価の求核原子を含有するアルカリ性現像溶液、例えば、ヒドロキシルアミンによって、組み込まれているフィルム層から放出される。
【0007】
ロッセン転位は、良く論文に記載されている、アミン類を生成するのに用いられる化学反応である(J. March, ”Advanced Organic Chemistry”第4版、John Wiley & Sons, 1992, New York−chichester−Brisbane−Tronto−Singapore, p.1093)。この方法を用いて、簡単なブロック前駆体からカルボン酸を熱的に放出させ(KatoおよびKitagchiの米国特許第4,610,957号、1986年発行)、そしてタイミング基は用いなかった。
【0008】
(発明により解決されるべき課題)
良好は保存特性を有し、同時に良好な脱ブロック動力学を示すブロックされた写真に有用な化合物の必要性が依然としてある。現像主薬に関しては、良好な色素形成活性を提供し、同時にカブリ増加がほとんどないか全くない、そして/または保存後においてDmaxの低下がほとんどないか全くないブロック現像主薬を導入したフィルムを得ることが目的である。
【0009】
(発明の概要)
本出願は保護されたPUGの他のクラスのものよりも良好にはたらく、ロッセン転位によって熱的に分解する、新規なクラスの保護された写真に有用な基(PUG)を記述する。本発明はさらに、支持体と、熱活性時に写真に有用な基を放出する上記のようなブロック化合物を含んで成る感光性写真要素に関する。
【0010】
本発明の一つの態様では、写真に有用な基はフォトサーモグラフィカラーフィルム内の現像主薬である。好ましくは、この現像主薬を乾式物理現像系で用いる場合、約100℃〜160℃の温度でこの現像主薬は活性化される。しかし、低容量化学現像系(見かけは乾燥)におけるいくらかの水の存在下でこの現像主薬を用いる場合、添加した、酸、塩基または水の存在下で、約20℃〜100℃の温度で好ましくは、この現像主薬は活性化される。
【0011】
本発明は、さらに、熱活性化時に、分解して(即ち、脱ブロック)写真に有用な基を放出し現像画像を形成する上述のような保護された化合物を有する像様露光済みの写真要素を熱現像する工程を有する画像形成方法に関する。好ましくは、現像の後、現像された画像を走査してこの現像された画像から第一の電子画像表示(即ち、「電子記録」)を形成し、第一の電子記録をデジタル処理してデジタル画像を生成し、そしてこのデジタル画像を変えて第二の電子画像表示を形成し、この第二の電子画像表示を保存、転送、印刷または表示する。
【0012】
本発明はさらに、支持体と、熱活性時に写真に有用な基を放出する上記のようなブロック化合物を含んで成る感光性写真要素を有するシングルユースカメラにもに関する。本発明はさらに、カメラ内に露光済み要素を熱処理するヒーターを有するシングルユースカメラ内の感光性写真要素を像様露光する工程を有する画像形成方法にも関する。
【0013】
(発明の詳細な説明)
本発明に従う新規なクラスの化合物(ロッセン転位によって熱分解する保護された写真有用な基(PUG)を有する)は、以下の構造式Iによって表されるに:
【0014】
【化11】
Figure 2004503820
【0015】
(式中、PUGはヘテロ原子によって当該分子の残部に結合される写真に有用な基であり、
LINK1およびLINK2は連結基であり、
TIMEはタイミング基であり;
lは0または1であり、
mは0または1であり、
nは0または1であるが、但し、m=0のときはl=0であり、
Xは炭素原子、アリール基または複素芳香族基であり、
Yは独立に、置換基から選ばれ、電子供与性または電子吸引性であり、
zは0〜7であり、さらに2つのY置換基は結合して環を形成することができる)。好適なヘテロ原子は、酸素、窒素およびイオウである。1つの態様、n=0のときはl=1であるが、他の態様では要求されない。タイミング基(存在する場合)は、好ましくは、酸素、イオウ、または窒素を介してLINK2に接続され、より好ましくは酸素原子を介してLINK2に接続される。
【0016】
1つの態様では、本発明に従う化合物は次式IIによって表される。
【化12】
Figure 2004503820
【0017】
上式中、各基は既に定義したものと同じである。好ましい態様では、nは1である。
【0018】
本発明の別の態様では、本発明に従う化合物は次式IIIを有する化合物によって表される。
【0019】
【化13】
Figure 2004503820
【0020】
(式中、PUGは写真に有用な基であり、
LINK1は連結基であり、
TIMEはタイミング基であり;
lは0または1であり、
mは0または1であるが、但し、m=0のときはl=0であり、m=1のときはl=1または0であり、さらにm=0かつl=0の時は、PUGは、アルキル、アリールおよび複素乾式基とはならず、
Xは炭素原子、アリール基または複素芳香族基であり、
Yは独立に、置換基から選ばれ、電子供与性または電子吸引性であり、
zは0〜7であり、さらに2つのY置換基は結合して環を形成することができる)。好ましくは、PUGはへテロ原子を介して当該分子の残部に結合する。
【0021】
本願明細書において特定の部分、基について言及される場合、「置換または未置換」とはその部分が未置換であるかまたは1個以上(可能な最大数まで)の置換基で置換されていることを意味する。例えば置換または未置換のアルキル、置換または未置換のベンゼン(最大5個の置換基まで)、置換または未置換の複素芳香族(最大5個の置換基まで)、置換または未置換の複素環(最大5個の置換基まで)である。一般に、特に言及しない限りは、ここで分子において利用可能な置換基群は、置換または未置換のいずれかで、写真での利用に必要な特性を破壊しないようないずれの基も含む。前述のいずれかの基における置換基の例は、以下のもののような公知の置換基を含むことができる:ハロゲン、例えば塩素、フッ素、臭素、ヨウ素;アルコキシ、特に「低級アルキル」であるもの(すなわち、1〜6個の炭素原子)、例えば、メトキシ、エトキシ;置換または未置換のアルキル、特に低級アルキル(例えば、メチル、トリフルオロメチル);チオアルキル(例えば、メチルチオまたはエチルチオ)、特に1〜6個の炭素原子を持つもののいずれか;置換および未置換のアリール、特に6〜20個の炭素原子を持つもの(例えばフェニル);ならびに、置換または未置換のヘテロアリール、特にN、OまたはSから選択された1〜3個のヘテロ原子を含む5または6−員環を有するもの(例えば、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル);例えば以下に説明されたもののいずれかであるような、酸または酸塩の基;ならびに、他の当該技術分野において公知のもの。アルキル置換基は特に、「低級アルキル」(すなわち、1〜6個の炭素原子を有するもの)、例えば、メチル、エチルなどであることができる。好適な場合はシクロアルキルはビシクロアルキルを包含する。さらにアルキル基またはアルキレン基に関して、これらは分枝した、分枝していないまたは環状であることができると理解されるであろう。構造式IおよびIIの好ましい置換基には、例えば、ハロゲン(例えば、塩素、フッ素)、ニトロ、アルコキシ、アルキル、フェニル、およびスルホニルが含まれる。用語「環」は、飽和、不飽和または芳香環、好ましくは環に1〜10個の炭素原子、好ましくは4〜8個の炭素原子を含めた少なくとも4個の炭素原子を有するものを意味する。
【0022】
複素芳香族基または置換基に言及するときは、複素芳香族基は好ましくは1つ以上のヘテロ原子、例えば、N、O、SまたはSeを含有する5員または6員環である。好ましくは複素芳香族基は、置換または未置換の、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、フリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、ピコリニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キナルジニル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアトリアゾリル、チアゾリル、チエニル、およびトリアゾリル基である。特に好ましいのは以下のものである:2−イミダゾリル、2−ベンズイミダゾリル、2−チアゾリル、2−ベンゾチアゾリル、2−オキサゾリル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ピリジル、2−キノリニル、1−イソキノリニル、2−ピロリル、2−インドリル、2−チオフェニル、2−ベンゾチオフェニル、2−フリル、2−ベンゾルリル、2−,4−,または5−ピリミジニル、2−ピラジニル、3−,4−,または5−ピラゾリル、3−インダゾリル、2−および3−チエニル、2−(1,3,4−トリアゾリル)、4−または5−(1,2,3−トリアゾリル)、5−(1,2,3,4−テトラゾリル)である。これらのヘテロ環式基はさらに、置換され得る。好ましい置換基は、1〜6個の炭素原子を含む、アルキルおよびアルコキシ基である。
【0023】
電子吸引性基または電子供与性基に言及する場合、これを、Physical Organic Chemistry)(McGraw−Hill Book CO., NY, 1940)において、L. P. Hammettによって記述されるような(σ、σ)を有するハメット置換基によるか、あるいは、SR. W. TaftのSteric Effects in Organic Chemistry (Wiley and Sons, NY, 1956)において規定されるようなTaft極性定数(σ)、および標準的な有機の教科書において指摘または推定することができる。σおよびσパラメータ(反応部位の電気性に影響を与えるベンゼン置換基(パラ位またはメタ位)の能力を特徴付けるために先ず用いる)を、安息香酸のpKaへのそれらの影響によって、当初は計測された。その後、拡張および精度が高められ、当初のコンセプトおよびデータ、ならびに予想および相関目的のために、σおよびσの標準的な組合せは化学的な文献(例えば、C. Hansch 等による、J. Med. Chem., 16, 1207(1973))から入手可能である。アリール基の代わりに四面体炭素に結合する置換基の場合、誘導置換基定数σを、本明細書で用いて電気特性を特徴付ける。好ましくは、アリール環上の電子吸引性基は、ゼロより大きな、好ましくは0.05より大きな、最も好ましくは0.1よりも大きなσまたはσを有する。置換基がパラにも無くメタにも無い場合、σを用いてアリール基上の電子吸引性基を定義する。同様に、四面体炭素上の電子吸引性基は、ゼロより大きな、好ましくは0.05より大きな、最も好ましくは0.1よりも大きなσを有する。一つ以上の電子吸引性基が存在する場合は、置換基定数の合計を用いてこれらの置換基の合計の影響を予測または特徴付ける。
【0024】
上記構造IおよびIIでは、PUGは、例えば、写真用色素または写真用反応物となることができる。本明細書にいう写真用反応物とは、放出時に写真要素中の成分とさらに反応する部分である。そのような写真的に有用な基には、例えば、カプラー類(例えば、画像色素形成カプラー、現像抑制剤放出型カプラー、競合カプラー、ポリマーカプラーおよび他の形態のカプラー)、現像抑制剤、漂白促進剤、漂白抑制剤、抑制剤放出型現像主薬、色素および色素前駆体、現像主薬(例えば、競合現像主薬、色素形成現像主薬、現像主薬前駆体、およびハロゲン化銀現像主薬)、銀イオン定着剤、電子移動剤、ハロゲン化銀溶剤、ハロゲン化銀錯化剤、レダクトン、画像調色剤、前処理および後処理画像安定化剤、硬膜剤、タンニング剤、カブリ剤、紫外線吸収剤、核形成剤、化学もしくは分光増感剤または減感剤、界面活性剤、ならびにそれらの前駆体、ならびに写真材料において有用であるとして公知の他の添加剤である。
【0025】
現像抑制剤の場合、官能性(脱保護)化合物は好ましくは、銀との相互作用、むしろ酸のような作用よりも好ましくは異種反応において機能する。PUGは、予め形成された化学種としてあるいは前駆体としてブロック化合物内に存在することができる。例えば、予め形成された現像抑制剤を保護基と結合させることができ、また現像抑制剤を、写真材料の特定の時間および位置で放出されるタイミング基に結合させることができる。例えば、PUGは、保護基から放出された後色素を形成するプリフォーム色素または化合物となることができる。
【0026】
本発明の化合物を伴う脱ブロック反応時に、好ましくはカルボン酸分子またはそれらの塩ではないものを反応最終生成物(一時的でない)として生成する。そうでない場合は脱ブロック反応前にPUG上に既にカルボン酸基が存在している。連結基が本発明の化合物中に存在する場合、例えば、カルボニル連結基が存在する場合は、その連結基を小さな中性分子に転換してもよく、脱ブロックされたPUGおよび離脱基(保護基)に加えて、二酸化炭素が典型的な反応性生物の一つである。一つの態様では、pH8.0以下、好ましくは中性またはそれ以下のpHのところで反応を実施する。本発明の画像形成要素は、現像の場合、加熱による塩基前駆体からの塩基の放出(本発明の画像形成要素の好ましい態様ではない)を必要としない。
【0027】
本発明の好ましい態様において、PUGは現像主薬である。この現像主薬は、発色現像主薬、白黒現像主薬または架橋−酸化された現像主薬であることができる。これらは、アミノフェノール、フェニレンジアミン、ヒドロキノン、ピラゾリジノン、およびヒドラジンを含む。具体的現像主薬は、米国特許第2,193,015号、第2,108,243号、第2,592,364号、第3,656,950号、第3,658,525号、第2,751,297号、第2,289,367号、第2,772,282号、第2,743,279号、第2,753,256号、および第2,304,953号に開示されており、これらの開示を全て本願明細書に参照として組入れる。
【0028】
現像主薬として有用な具体的PUG基は、以下のものである:
【0029】
【化14】
Figure 2004503820
【0030】
【化15】
Figure 2004503820
【0031】
(式中、R20は、水素、ハロゲン、アルキルまたはアルコキシであり;
21は、水素またはアルキルであり;
22は、水素、アルキル、アルコキシまたはアルケンジオキシであり;および
23、R24、R25、R26およびR27は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキルまたはスルホアルキルである)。
【0032】
前述の構造式Iでは、本発明の好ましい態様において、LINK1またはLINK2は独立に(同じであっても異なっていてもい)、それぞれ構造IVの連結基である:
【0033】
【化16】
Figure 2004503820
【0034】
(式中、Xは炭素またはイオウを表し;
Yは酸素、イオウまたはN−Rを表し(式中、Rは、置換または未置換のアルキルもしくは置換または未置換のアリールである);
pは、1または2であり;
Zは、炭素、酸素またはイオウを表し;
rは、0または1であり;
但し、Xが炭素であるならば、pおよびrは両方共1であり、Xがイオウであるならば、Yは酸素であり、pは2であり、そしてrは0である;
#は、PUGへの結合を意味し;
$は、TIMEへの結合を意味する)。
【0035】
具体的連結基は、例えば、以下のものを含む。
【0036】
【化17】
Figure 2004503820
【0037】
TIMEはタイミング基である。このような基は当該技術分野において周知であり、例えば(1)米国特許第5,262,291号に開示されたような、芳香族求核置換反応を利用する基;(2)ヘミアセタールの開裂反応を利用する基(米国特許第4,146,396号、日本国特開昭60−249148号;特開昭60−249149号);(3)共役系に沿った電子移動反応を利用する基(米国特許第4,409,323号;第4,421,845号;日本国特開昭57−188035号;特開昭58−98728号;特開昭58−209736号;特開昭58−209738号);および、(4)分子内求核置換反応を利用する基(米国特許第4,248,962号)がある。
【0038】
具体的なタイミング基は、式T−1からT−4で図示される:
【0039】
【化18】
Figure 2004503820
【0040】
(式中、Nuは、求核基であり;
Eは、電子欠損の炭素原子を含む、1個以上の炭素−またはヘテロ−芳香環を含む求電子基であり;
LINK3は、Nuの求核部位とEの電子欠損炭素原子の間を直接つなぐ1〜5個の原子を提供する連結基であり;および
aは、0または1である)。
【0041】
このようなタイミング基は、例えば以下のものを含む:
【0042】
【化19】
Figure 2004503820
【0043】
これらのタイミング基は、より詳細に米国特許第5,262,291号に開示されており、これを本願明細書に参照として組入れる:
【0044】
【化20】
Figure 2004503820
【0045】
(式中、Vは、酸素原子、イオウ原子、または
【0046】
【化21】
Figure 2004503820
【0047】
を表し;
13およびR14は、各々、水素原子または置換基を表し;
15は、置換基を表し;および、bは1または2を表す)。
【0048】
13およびR14が置換基を表す場合のこれら、ならびにR15の典型的例は、以下を含む:
【0049】
【化22】
Figure 2004503820
【0050】
(式中、R16は、脂肪族または芳香族炭化水素残基、またはヘテロ環式基を表し;および、R17は、水素原子、脂肪族または芳香族炭化水素残基、またはヘテロ環式基を表し、R13、R14およびR15は、各々、二価の基を表し、これらのうちのいずれか2種は互いに結合し環構造を完成する)。式(T−2)によって表される基の具体例を以下に図示する。
【0051】
【化23】
Figure 2004503820
【0052】
【化24】
Figure 2004503820
【0053】
(式中、Nu1は求核基を表し、および酸素またはイオウ原子が求核種の例として示されており;E1は、Nu1によって求核攻撃を受ける基である求電子基を表し;および、LINK4は、Nu1とE1が分子内求核置換反応を生じることができるような立体配置を有することができるような連結基である)。式(T−3)によって表される基の具体例を以下に図示する。
【0054】
【化25】
Figure 2004503820
【0055】
【化26】
Figure 2004503820
【0056】
(式中、V、R13、R14およびbは全て、各々、式(T−2)と同じ意味を持つ)。加えて、R13およびR14は、ベンゼン環またはヘテロ環式環を形成するために互いに連結されても良く、あるいは、Vはベンゼンまたはヘテロ環式環を形成するためにR13またはR14に連結することができる)。ZおよびZは、各々独立して、炭素原子または窒素原子を表し、ならびにxおよびyは、各々、0または1を表す。
【0057】
タイミング基(T−4)の具体例を、以下に図示する。
【0058】
【化27】
Figure 2004503820
【0059】
【化28】
Figure 2004503820
【0060】
【化29】
Figure 2004503820
【0061】
本発明の1つの態様では、本発明に従う化合物は次の構造Vを有する保護された現像主薬である:
【0062】
【化30】
Figure 2004503820
【0063】
(式中、DEVは、現像主薬であり、他の基は既に定義したものと同じである。)。
【0064】
特に好ましいブロック現像主薬は構造式VIで表される。
【0065】
【化31】
Figure 2004503820
【0066】
(式中、Zは、OHまたはNRであり、ここでRおよびRは、独立して水素もしくは置換または未置換のアルキル基であるか、またはRおよびRは結合し環を形成し;
、R、R、およびRは、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシ、カーボンアミド、スルホンアミド、アルキルスルホンアミドまたはアルキルであるか、もしくはRはRと結合し、もしくはRおよび/またはRはRまたはRと結合し、環を形成することができ;
Xは、炭素原子、アリール基またはヘテロ芳香族基であり;
Yは、独立して、置換基(電子供与性または電子吸引性)から選ばれ;そして
zは0〜7であり、さらに2つの置換基Yは結合し環を形成することができる)。
【0067】
次のものは本発明で用いる写真に有用な基を表す。
【0068】
【化32】
Figure 2004503820
【0069】
【化33】
Figure 2004503820
【0070】
【化34】
Figure 2004503820
【0071】
【化35】
Figure 2004503820
【0072】
【化36】
Figure 2004503820
【0073】
【化37】
Figure 2004503820
【0074】
保護された現像主薬は、好ましくは画像形成要素の1個以上の画像形成層中に混入される。使用される保護された現像主薬の量は、添加される各層中に好ましくは0.01〜5g/m、より好ましくは0.1〜2g/m、および最も好ましくは0.3〜2g/mである。これらは要素の色形成層または非−色形成層であることができる。保護された現像主薬は、処理時に写真要素と接触される別個の要素に含まれてもよい。
【0075】
フォトサーモグラフィ画像形成要素の場合、画像形成要素の像様の露光後、保護された現像主薬は、処理液中の酸または塩基の存在により、画像形成要素処理時の画像形成要素の加熱により、および/または処理時の積層体シートなどの個別の要素と接触するような画像形成要素の配置により、画像形成要素の処理の間に活性化される。この積層体シートは任意に、「リサーチディスクロージャー」(1996年9月、第389号、第38957項(「リサーチディスクロージャー I」と称す)の第XIXおよびXX節に記されたような追加の処理化学物質を含有する。本願明細書において言及される節は、特に「リサーチディスクロージャー I」と記さなくとも、全て「リサーチディスクロージャー I」の節である。このような化学物質は、例えば、亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン、ヒドロキサム酸など、カブリ防止剤、例えばアルカリ金属のハロゲン化物、窒素含有ヘテロ環式化合物など、金属イオン封鎖剤、例えば有機酸、ならびに他の添加剤、例えば緩衝剤、スルホン化されたポリスチレン、ステイン防止剤、殺生物剤、脱銀剤、安定化剤などである。
【0076】
保護された化合物は、いずれかの形の写真システムにおいて使用することができる。本発明の実施において有用な典型的カラーネガフィルム構造を、下記の要素SCN−1により例示する:
【0077】
【外1】
Figure 2004503820
【0078】
支持体Sは、反射性または透過性であることができ、通常後者が好ましい。反射性である場合、支持体は白色であり、カラープリント要素において現在使用されている通常の支持体のいずれかの形であることができる。支持体が透過性である場合、これは無色または淡色であることができ、カラーネガ要素において現在使用されている通常の支持体のいずれかの形−例えば無色または淡色の透明フィルム支持体であることができる。支持体構造の詳細は当該技術分野において周知である。有用な支持体の例は、ポリ(ビニルアセタール)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、ポリ(エチレンナフタレート)フィルム、ポリカーボネートフィルム、および関連フィルム、ならびに樹脂性物質、さらには紙、布地、ガラス、金属およびその他の予想される現像処理条件に耐える支持体である。この要素は、追加層を含むことができ、例えばフィルター層、中間層、上塗り層、下塗り層、ハレーション防止層などである。接着を増強するための下塗り層を含む、透過性および反射性支持体構造は、「リサーチディスクロージャーI」第XV節に記されている。
【0079】
本発明の写真要素は、さらに有用なように「リサーチディスクロージャー」第34390項(1992年11月)に記されたような磁気記録層、または米国特許第4,279,945号および米国特許第4,302,523号に開示されたような、透過性支持体の下側に磁気粒子を含む層のような透過性磁気記録層を有することができる。
【0080】
青、緑および赤色記録層単位BU、GUおよびRUは各々、1個以上の親水性コロイド層で形成され、少なくとも1種の輻射線−感受性ハロゲン化銀乳剤および少なくとも1種の色素像−形成カプラーを含むカプラーを含有する。緑および赤色記録単位は、増大した記録のラチチュードおよび減少した画像粒度を提供するために、少なくとも2個の記録層サブ−単位に分割されていることが好ましい。最も簡単な企図された構造において、層単位または層サブ−単位は各々、乳剤およびカプラーを含有する単独の親水性コロイド層からなる。層単位または層サブ−単位に存在するカプラーが乳剤含有層ではなく親水性コロイド層に塗工される場合、このカプラー含有親水性コロイド層は、現像時に乳剤から酸化された発色現像主薬を受け取るように配置される。カプラー含有層は、通常乳剤含有層に隣接する親水性コロイド層である。
【0081】
優れた画像の鮮鋭度を確実にするために、ならびに製造およびカメラにおける使用を促進するために、全ての増感層は支持体の共通面側に配置されることが好ましい。スプール型の場合この要素は巻かれており、その結果カメラ内で巻き戻される場合には、露光がこれらの層を保持する支持体の面を攻撃する前に増感層全てを攻撃する。さらにこの要素上に露光された画像の優れた鮮鋭度を確実にするように、支持体上の層単位の全厚は制御されなければならない。一般に支持体の露光面上の増感層、中間層および保護層の全厚は、35μm未満である。
【0082】
通常の輻射線感受性ハロゲン化銀乳剤の中からのいずれか都合の良い選択物を、この層単位内に混入することができ、本発明の分光吸収率を提供するために使用される。最も一般的には少量のヨウ化物を含有する高臭化物乳剤が使用される。より高速の処理を認めるためには、高塩化物乳剤が使用される。輻射線−感受性塩化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、塩臭化銀、臭塩化銀、ヨウ塩臭化銀およびヨウ臭塩化銀粒子も全て企図されている。これらの粒子は、規則形または不規則形(例えば平板状)のいずれかであることができる。平板粒子が総粒子投影面積の少なくとも50(好ましくは少なくとも70および最適には少なくとも90)%に相当するような、平板粒子乳剤が、粒状度に関連してスピードを増加するために特に有利である。平板状とみなすためには、粒子は、その等価円直径(ECD)のその厚さに対する比が少なくとも2であるふたつの主平行面を必要とする。特に好ましい平板粒子乳剤は、平板粒子平均アスペクト比が少なくとも5、および最適には8より大きいようなものである。好ましい平均平板粒子厚さは、0.3μm未満(最も好ましくは0.2μm未満)である。平均平板粒子厚さが0.07μm未満であるような超薄平板粒子乳剤が特に企図されている。これらの粒子は、好ましくは表面潜像を形成し、その結果これらは、本発明のカラーネガフィルム形において表面現像主薬中で処理された場合にネガ像を形成する。
【0083】
通常の輻射線−感受性ハロゲン化銀乳剤の説明は、先に言及した「リサーチディスクロージャー I」の「I. Emulsion grains and their preparation」に示されている。通常の形であることができるような乳剤の化学増感は、第IV節の「Chemical sensitization」に説明されている。化学増感剤として有用な化合物は、例えば活性ゼラチン、イオウ、セレン、テルル、金、白金、パラジウム、イリジウム、オスミウム、レニウム、リン、またはそれらの組合せを含む。化学増感は、一般にpAgレベルが5〜10、pHレベルが4〜8、および温度が30〜80℃で実行される。いずれか通常の形であることができるような分光増感および増感色素は、第V節の「Spectral sensitization and desensitization」に説明されている。この色素は、ハロゲン化銀粒子および親水性コロイドの乳剤に、写真要素上に乳剤を塗工する以前のいずれかの時点(例えば、化学増感の途中または後)でまたは同時に添加することができる。これらの色素は、例えば水またはアルコールの溶液としてもしくは固形粒子の分散体として添加することができる。これらの乳剤層は、典型的にはいずれか通常の形であることができるような1種以上のカブリ防止剤または安定化剤も含み、これは第VII節の「Antifoggants and stabilizers」に説明されている。
【0084】
本発明において使用されるハロゲン化銀粒子は、先に言及した「リサーチディスクロージャー I」、およびJamesの「The Theory of the Photographic Process」に記された方法のような、当該技術分野において公知の方法に従い調製することができる。これらは、アンモニア性の乳剤製法、中性または酸性乳剤の製法、およびその他の当該技術分野において公知の方法などを含む。これらの方法は一般に、保護的コロイドの存在下での水溶性銀塩と水溶性ハロゲン化物の塩の混合、および沈殿によるハロゲン化銀の形成時の温度、pAg、pH値などの適値制御に関する。
【0085】
粒子沈殿の過程において、1種以上のドーパント(銀およびハロゲン化物以外の粒子吸蔵物)を粒子特性改良のために導入することができる。例えば、「リサーチディスクロージャー I」第I節の「Emulsion grains and their preparation」、小節「G. Grain modifying conditions and adjustments」の段落(3)、(4)および(5)に記された様々な通常のドーパントのいずれかが、本発明の乳剤中に存在することができる。加えてOlmらの米国特許第5,360,712号に開示されたような、1種以上の有機リガンドを含む遷移金属の六配位錯体にこの粒子をドープすることが特に企図されており、この特許の開示を本願明細書に参照として組入れる。
【0086】
1994年11月に発行された「リサーチディスクロージャー」第36736項において考察されているように、粒子の面心立方晶系格子に、浅い電子トラップ(以後SETと称す)を形成することにより画像形成スピードを増大することが可能なドーパントを混入することが特に企図されている。
【0087】
本発明の写真要素は、典型的には、乳剤の形でハロゲン化銀を提供する。写真乳剤は一般に、写真要素の層としての乳剤塗工のためのベヒクルを含有する。有用なベヒクルは、天然の物質、例えばタンパク質、タンパク質誘導体、セルロース誘導体(例えばセルロースエステル)、ゼラチン(例えばウシの骨または皮ゼラチンのようなアルカリ−処理したゼラチン、またはブタ皮ゼラチンのような酸処理したゼラチン)、脱イオンしたゼラチン、ゼラチン誘導体(例えばアセチル化したゼラチン、フタル酸化したゼラチンなど)、および「リサーチディスクロージャー, I」に記載されたその他のものを含む。同じくベヒクルまたはベヒクル増量剤として有用なものは、親水性透水性コロイドである。これらは、合成ポリマーペプチタイザー、キャリヤ、および/またはバインダーを含み、例えばポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルラクタム)、アクリルアミドポリマー、ポリビニルアセタール、アルキルおよびスルホアルキルアクリレートおよびメタクリレートのポリマー、加水分解されたポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリビニルピリジン、メタクリルアミドコポリマーがある。ベヒクルは、乳剤中に、写真乳剤において有用な量で存在することができる。この乳剤はさらに、写真乳剤において有用であることがわかっている添加剤のいずれかも含むことができる。
【0088】
ハロゲン化銀として有用量の感光性銀を本発明において有用な要素において使用することができるが、銀総量は10g/m未満であることが好ましい。7g/m未満の銀量が好ましく、かつ5g/m未満の銀量がさらにより好ましい。より少ない銀量は、要素の光学を改善し、その結果その要素を用いることで、より鮮鋭な写真の作成が可能になる。これらのより少ない銀量は、迅速な現像および要素の脱銀を可能にする点でもさらに重要である。逆にその要素の支持体表面積1m当りの塗工銀少なくとも1.5gである銀塗工被覆が、引き伸ばされることが意図された写真について適当な低い粒状度の位置を維持しつつ、露光ラチチュード少なくとも2.7logEを実現するために必要である。
【0089】
BUは少なくとも1種のイエロー色素像−形成カプラーを含み、GUは少なくとも1種のマゼンタ色素像−形成カプラーを含み、およびRUは少なくとも1種のシアン色素像−形成カプラーを含む。通常の色素像−形成カプラーのいずれか都合の良い組合せを使用することができる。通常の色素像−形成カプラーは、先に引用した「リサーチディスクロージャー I」「X. Dye image formers and modifiers, B. Image−dye−forming couplers」に詳述されている。写真要素はさらに、他の画像−改良化合物、例えば「現像抑制剤−放出型」化合物(DIR)も含有する。本発明の要素に有用な追加のDIRは、当該技術分野において公知であり、米国特許第3,137,578号;第3,148,022号;第3,148,062号;第3,227,554号;第3,384,657号;第3,379,529号;第3,615,506号;第3,617,291号;第3,620,746号;第3,701,783号;第3,733,201号;第4,049,455号;第4,095,984号;第4,126,459号;第4,149,886号;第4,150,228号;第4,211,562号;第4,248,962号;第4,259,437号;第4,362,878号;第4,409,323号;第4,477,563号;第4,782,012号;第4,962,018号;第4,500,634号;第4,579,816号;第4,607,004号;第4,618,571号;第4,678,739号;第4,746,600号;第4,746,601号;第4,791,049号;第4,857,447号;第4,865,959号;第4,880,342号;第4,886,736号;第4,937,179号;第4,946,767号;第4,948,716号;第4,952,485号;第4,956,269号;第4,959,299号;第4,966,835号;第4,985,336号に加え、英国特許公開第GB 1,560,240号;第GB 2,007,662号;第GB 2,032,914号;第GB 2,099,167号;独国特許公開第DE 2,842,063号;第DE 2,937,127号;第DE 3,636,824号;第DE 3,644,416号、さらには欧州特許公開:第272,573号;第335,319号;第336,411号;第346,899号;第362,870号;第365,252号;第365,346号;第373,382号;第376,212号;第377,463号;第378,236号;第384,670号;第396,486号;第401,612号;第401,613号に開示されている。
【0090】
DIR化合物は、C.R. Barr、J.R. ThirtleおよびP.W. Vittumの、Photographic Science and Engineering、13:174(1969)の「Developer−Inhibitor−Releasing (DIR) Couplers for Color Photography」にも記されており、これを本明細書に参照として組入れる。
【0091】
単独の色素像−形成層単位内に、1、2、または3個の個別の乳剤層を塗工することは一般的な実施である。2個以上の乳剤層が単独の層単位内に塗工される場合には、これらは典型的には異なる感度であるように選択される。より高感度の乳剤がより低感度の乳剤上に塗工されるならば、これら2種の乳剤が配合された場合よりもより速いスピードが認められる。より低感度の乳剤がより高感度の乳剤上に塗工されるならば、これら2種の乳剤が配合された場合よりもより高いコントラストが認められる。最も高感度の乳剤が露光照射源の最も近くに配置され、かつ最も遅い乳剤が支持体の最も近くに配置されることが好ましい。
【0092】
本発明の1個以上の層単位は、少なくとも2個、およびより好ましくは3個以上のサブ−単位層に分割されることが好ましい。色記録単位中の全ての感光性ハロゲン化銀乳剤が、可視スペクトルの同じ領域で分光感度を有することが好ましい。この態様において、この単位に混入された全てのハロゲン化銀乳剤は本発明のスペクトル吸収率を有するが、それらのスペクトル吸収率特性の間にはわずかな差があると予想される。さらにより好ましい態様において、露光が低から高い光レベルへと変動するにつれ写真記録材料による像様の均一なスペクトル反応を提供するためには、より遅いハロゲン化銀乳剤の増感が、その上に存在する層単位のより速いハロゲン化銀乳剤の光遮蔽効果に対処するように特別に作成されている。従って、より高い割合のピーク光吸収分光増感色素が、下側層分光感度のピークの遮蔽および拡張に対処するために、分割された層単位のより遅い乳剤中にあることが望ましい。
【0093】
中間層IL1およびIL2は、それらの主要機能として色混入の減少−すなわち酸化された現像主薬が色素形成カプラーと反応する前に、隣接する記録層単位へと移動することを防止するような親水性コロイド層である。これらの中間層は、酸化された現像主薬が移動しなければならない拡散路長を単純に延長することによりある程度は有効である。中間層の酸化された現像主薬を遮断する効果を増強するために、酸化された現像主薬を混入することは常法である。ステイン防止剤(酸化された現像主薬捕捉剤)も、「リサーチディスクロージャー I」のX「Dye image formers and modifiers, D. Hue modifiers/stabilization」の段落(2)に記されたものの中から選択することができる。GUおよびRU中の1種以上のハロゲン化銀乳剤が、高臭化物乳剤であり、その結果青光に対して顕著な固有の感度を有する場合には、これはIL1中に、Carey Lea銀またはイエロー現像処理液の脱色可能な色素のような、イエローフィルターを混入することが好ましい。適当なイエローフィルター色素は、「リサーチディスクロージャー I」第VIII節「Absorbing and scattering materials, B. Absorbing materials」に記されたものから選択することができる。本発明の要素において、マゼンタ色フィルター材料は、IL2およびRUには存在しない。
【0094】
ハレーション防止層単位AHUは、典型的には、顔料および色素の1種または組合せのような、処理時の除去または脱色が可能な光吸収材料を含む。適当な材料は、「リサーチディスクロージャー I」第VIII節「Absorbing materials」に記されたものから選択することができる。AHUに共通の代替位置は、支持体Sと支持体に最も近い塗工された記録層単位の間である。
【0095】
表面上塗りSOCは、取扱いおよび処理時にカラーネガ要素の物理的保護のために提供される親水性コロイド層である。各SOCはさらにカラーネガ要素の表面またはその近傍に最も有効な添加剤を混入するのに都合の良い位置を提供する。場合によっては、表面上塗りは、表面層および中間層に分割され、後者は表面層中の添加剤と隣接記録層単位の間のスペーサーとして機能する。別の一般的変形において、添加剤は、表面層と中間層の間に分散され、後者は隣接記録層単位と同等の添加剤を含有している。最も典型的なSOCは、「リサーチディスクロージャー I」第IX節「Coating physical property modifying addenda」に説明されたような、コーティング助剤、可塑化剤および滑剤、静電防止剤およびつや消し剤などの添加剤を含有する。乳剤層に積層しているSOCは、追加的に好ましくは「リサーチディスクロージャー I」第VI節「UV dyes/optical brighteners/luminescent dyes」の段落(1)に記されたような紫外線吸収剤を含む。
【0096】
要素SCN−1の層単位配列の代わりに、別の層単位配列を使用することができ、これは特にいくつかの乳剤選択について魅力的である。高塩化物乳剤および/または薄い(平均粒子厚<0.2μm)平板粒子乳剤を用い、BU、GUおよびRUの位置のあらゆる可能性のある互換を、マイナス青記録の青光夾雑のリスクを伴わずに行うことができ、その理由はこれらの乳剤は可視スペクトルにおいて無視できる固有の感度を示すからである。同じ理由で、中間層に青光吸収体の混入は不要である。
【0097】
色素像形成層単位内の乳剤層のスピードが異なる場合、最高スピード層への色素像形成カプラーの混入を、銀をベースにした化学量論的な量未満に制限することは常法である。最高スピードの乳剤層の機能は、最低濃度の直上の特性曲線の一部−すなわち層単位中の残りの1個または複数の乳剤層の感度閾値以下の露光領域内を作成することである。この方法において、増大した粒度の最高感度スピードの乳剤層の形成された色素像記録への添加は、画像形成スピードを犠牲にすることなく最小化されている。
【0098】
前述の考察において、プリントに使用されるカラーネガ要素における通常の実施のように、青、緑および赤記録層単位は、各々、イエロー、マゼンタおよびシアン画像色素を形成するカプラーを含有するものとして説明されている。本発明は、説明されたような通常のカラーネガ構造に適宜塗工することができる。カラーリバーサルフィルム構造は、着色されたマスキングカプラーが完全に存在しないことを除いて、同様の形状をとり;典型的形状において、現像抑制剤放出カプラーも存在しない。好ましい態様において、カラーネガ要素は、専ら3種の個別の電子色記録を作成するための走査について意図されている。従って形成された画像色素の実際の色調は重要ではない。各層単位中に形成された色素像は、残りの各層単位により形成されたものとは識別可能であることだけが必須である。この識別能を提供するために、各層単位が異なるスペクトル領域に存在する吸収半値バンド幅を有する画像色素を形成するように選択された1種以上の色素像−形成カプラーを含むことが企図されている。層単位中の画像色素の吸収半値バンド幅が、実質的に同一の幅を持たない波長範囲を超えて広がる限りは、プリントにおける使用が意図されたカラーネガ要素中で通常のものであるように、青、緑または赤記録層単位が、スペクトルの青、緑または赤領域に吸収半値バンド幅を有する、もしくは、近紫外線(300−400nm)から可視を経て近赤外線(700−1200nm)の範囲の、いずれか他のスペクトルの都合の良い領域に吸収半値バンド幅を持つ、イエロー、マゼンタまたはシアン色素を形成するかどうかは重要ではない。用語「実質的に同一の幅を持たない波長範囲」とは、各画像色素が、別の画像色素の吸収半値バンド幅により占拠されない少なくとも25nm(好ましくは50nm)のスペクトル領域を超えて広がるような吸収半値バンド幅を示すことを意味する。理想的には、画像色素は、互いに排他的である吸収ピーク半値バンド幅を示す。
【0099】
層単位がスピードが異なる2種以上の乳剤層を含む場合、層単位の各乳剤層の中に、層単位の他の乳剤層の色素像とは異なるスペクトル領域に存在する吸収半値バンド幅を示す色素像を形成することにより、視認され、電子記録から再生される画像をより低い画像粒状度とすることが可能である。この技術は特に、層単位が、スピードが異なるサブ−単位に分割されているような要素に良く適している。これは同じ分光感度の乳剤層により形成された異なる色素像に対応している、複数の電子記録が各層単位に形成されることを可能にする。最高スピードの乳剤層により形成された色素像の走査により形成されたデジタル記録は、最小濃度の直上に位置する視認されるべき色素像の一部を再生するために使用される。より高い露光レベルでの、第二のおよび、任意に第三の電子記録を、残りの1個または複数の乳剤層により形成された分光的に識別された色素像の走査により形成することができる。これらのデジタル記録は、より少ないノイズ(より低い粒状度)を含み、比較的遅い乳剤層の閾値露光レベルを上回る露光範囲にわたって視認されるべき画像を再生する際に使用することができる。粒状度を低下するこの技術は、Suttonの米国特許第5,314,794号により詳細に開示されており、この内容を本願明細書に参照として組入れる。
【0100】
本発明のカラーネガ要素の各層単位は、色素像特性曲線ガンマ1.5未満とし、このことは少なくとも2.7logEの露光ラチチュードを得ることを促進する。マルチカラー写真要素の許容できる露光ラチチュードの最小値は、写真用途においておそらく生じるであろう最も極端な白(例えば花嫁のウェディングドレス)および最も極端な黒(例えば花婿のタキシード)の正確な記録を可能にするものである。露光ラチチュード2.6logEは、正に典型的花嫁と花婿の結婚式の情景に適応している。少なくとも3.0logEの露光ラチチュードが、写真家による露光レベルの選択において満足できる誤差幅を可能にする点で好ましい。さらにより大きい露光ラチチュードは、より大きい露光誤差で正確な画像再生を得る能力が認められるので、特に好ましい。プリントが意図されたカラーネガ要素において、プリントされた情景の視覚的魅力は、ガンマが例外的に低い場合には失われることが多いが、カラーネガ要素がデジタル色素像記録を形成するために走査される場合には、コントラストを電子シグナル情報の調節により増大することができる。本発明の要素が反射ビームを用いて走査される場合、このビームはその層単位を2回横切る。これは、濃度の変化(ΔD)を二倍にすることにより、効果的にガンマ(ΔD÷ΔlogE)を二倍する。従って、1.0 と低いまたは0.6でさえもあるようなガンマが企図されており、最大約5.0logE以上の露光ラチチュードが実行可能である。0.55以上のガンマが好ましい。約0.4〜0.5のガンマが特に好ましい。
【0101】
色素−形成カプラーを使用する代わりに、マルチカラー画像形成において使用される従来の混入された色素像形成化合物のいずれかを、青、緑および赤記録層単位に代わりに混入することができる。色素像は、露光の機能としての、色素の選択的破壊、形成または物理的除去により作成することができる。例えば銀色素漂白プロセスは周知であり、混入された画像色素の選択的破壊により、色素像形成のために商業的に利用されている。銀色素漂白プロセスは、「リサーチディスクロージャー I」、第X節「Dye image formers and modifiers, A. Silver dye bleach」に記されている。
【0102】
予備形成された画像色素を、青、緑および赤記録層単位中に混入することができ、これらの色素は最初不動であるように選択されるが、酸化された現像主薬とのレドックス反応への進行の機能として可動性部分において色素発色団を放出することが可能であることも周知である。これらの化合物は、一般にレドックス色素放出剤(RDR)と称されている。放出された可動性色素を洗浄除去することにより、走査することができるような残存された色素像が形成される。放出された可動性色素を受像体へ転写し、そこでこれらが媒染層中に不動化されることも可能である。その後画像を載せた受像体を走査することができる。最初受像体は、カラーネガ要素の一体部分である。要素の一体型部分を保持している受像体で走査が行われる場合、この受像体は典型的には、透過性支持体、支持体の真下の色素像支承媒染層、および媒染層の真下の白色反射層を有する。色素像の走査を促進するために受像体がカラーネガ要素から剥離される場合には、受像体支持体は、色素像が目視されることが意図される場合に通常選択されるように反射性であるか、もしくは色素像が透過型走査できるように透過性であることができる。RDRに加えそれが混入されている色素像転写システムは、「リサーチディスクロージャー」第151号1976年11月第15162項に記されている。
【0103】
最初可動性であるが像様に現像時に不動化されるような化合物により色素像が提供されることも認められる。この種の画像形成色素を利用する画像転写システムは、先に明らかにされた色素像転写システムにおいて長く使用されている。本発明の実施と適合性のあるこれらおよび他の画像転写システムは、「リサーチディスクロージャー」第176号1978年12月第17643項「XXIII. Image transfer systems」に記されている。
【0104】
カラーネガ要素の多くの改良が、「リサーチディスクロージャー I」第XIV節「Scan facilitating features」に説明されているように、走査に順応するために提案されている。前述のカラーネガ要素構造と適合性を持つ範囲のこれらのシステムが、本発明の実行に際し使用するために企図されている。
【0105】
本発明の画像形成要素を、従来型でない増感方式と共に使用することも意図されている。例えばこの感光性材料は、スペクトルの赤、緑および青領域に対し増感された画像形成層を使用する代わりに、情景の輝度を記録するためのひとつの白色−感受性層、および情景のクロミナンスを記録するためのふたつのカラー−感受性層を有することができる。米国特許第5,962,205号に開示されたように、現像後、得られる画像を走査およびデジタル処理し、当初の情景のフルカラーを再構成することができる。この画像形成要素はさらに、随伴する色分離露光と共にパン増感された乳剤を含んでもよい。この態様において、本発明の現像主薬は、分離露光と一緒に、当初の情景の色値の完全な回復を可能にするような着色されたまたは中間色の画像を生じるであろう。このような要素において、画像は、現像された銀濃度、1種以上の通常のカプラーの組合せ、またはレゾルシノールカプラーのような「ブラック」カプラーのいずれかにより形成することができる。分離露光は、逐次的に適当なフィルターを通し、または同時に空間的に個別のフィルター要素システム(通常「カラーフィルターアレイ」と称される)を通して行うことができる。
【0106】
本発明の画像形成要素は、例えばパン増感されたハロゲン化銀乳剤および本発明の現像主薬で構成された、白黒画像形成材料であることができる。この態様において、画像は、処理後の現像された銀濃度により、または中間色の画像色調スケールを保持するために使用することができるような色素を形成するカプラーにより形成される。
【0107】
従来の露光されたカラー写真材料の化学現像後に記録された情景の露光を読み取るために通常のイエロー、マゼンタ、シアン画像色素が形成される場合、この要素の赤、緑および青色記録単位の反応は、それらの濃度を調べることにより正確に見分けることができる。デンシトメトリーは、RGB画像色素形成単位の像様の反応を比較的独立したチャンネルに分離するために、選択された着色フィルターを用いて試料により透過された光を測定する。光学プリントが意図されたカラーネガフィルム要素の反応を計測するためのステータスMフィルターの使用、および直接透過しての目視が意図されたカラーリバーサルフィルムのためのステータスAフィルターの使用は、一般的である。積算したデンシトメトリーにおいて、望ましくない不完全な画像色素の側方および尾部の吸収は、少量のチャネル混合につながり、これは例えば中性特性曲線において、マゼンタチャネルがイエローまたはシアン画像色素記録のいずれか、もしくは両方のオフピーク吸収から生じるような全体の反応の一部である。このような人工産物は、フィルムの分光感度の測定において無視することができる。積算濃度反応の適当な数学的処理により、これらの望ましくないオフピーク濃度の寄与は、完全に補正され、解析濃度を提供することができ、ここで所定の色記録の反応は、他の画像色素のスペクトルの寄与とは無関係である。解析濃度決定については、「SPSE Handbook of Photographic Science and Engineering」、W. Thomas編集、John Wiley and Sons社、ニューヨーク、1973年の第15.3節「Color Densitometry」840−848頁に要約されている。
【0108】
画像が、画像パターンの操作可能な電子記録を得るために露光されかつ処理されたカラーネガフィルム要素を走査し、その後調節された電子記録を可視形に再変換することにより得られる場合に、画像ノイズを低下することができる。画像の鮮鋭度および多彩さは、層ガンマ比が狭い範囲にあるようにデザインすると同時に他の性能欠損を避けるまたは最小化することにより増加することができ、ここでは色記録は、カラー可視像を再生する以前は、電子形で置かれている。電子画像記録のプリントまたは操作のいずれかにおいて、画像ノイズを残りの画像情報から分離することは不可能であるが、公知のプリント技術では達成不可能であるような方法で曲線全体の形状および鮮明さの特性を改良するために、低ガンマ比のカラーネガフィルム要素により提供されるように、低ノイズを示す電子画像記録を調節することは可能である。従って画像は、光学プリント用途に利用するために構成された従来のカラーネガ要素に由来した同様のものよりも優れているこのようなカラーネガ要素に由来した電子画像記録から再生することができる。説明された要素の優れた画像形成特性は、赤、緑および青色記録単位の各々についてのガンマ比が1.2未満である場合に得られる。より好ましい態様において、赤、緑、青光感性色形成単位は、各々、1.15未満のガンマ比を示す。さらにより好ましい態様において、赤および青光感性色形成単位は、各々、1.10未満のガンマ比を示す。最も好ましい態様において、赤、緑、青光感性色形成単位は、各々、1.10未満のガンマ比を示す。全ての場合において、個々の色単位(複数)は、1.15未満のガンマ比を示すことが好ましく、より好ましくはこれらは1.10未満のガンマ比を示し、さらにより好ましくはこれらは1.05未満のガンマ比を示すことさえある。これらの層単位のガンマ比は、等しい必要はない。これらのガンマ比の低い値は、中間層内部画像効果としても公知の、層単位間の中間層相互作用が低レベルであることの指標であり、走査および電子操作後の改善された画質を説明すると考えられる。層単位間の化学相互作用の結果である明らかに劣化した画像特性は、画像操作活動時に電子的に抑制されないことが必要である。公知の電子画像操作方式を適切に使用し抑制することが不可能でないにしても、この相互作用は困難であることが多い。
【0109】
本発明の実施において、優れた光感度を有する要素が最良に使用される。これらの要素は、少なくとも約ISO 50の感度、好ましくは少なくとも約ISO 100の感度、およびより好ましくは少なくとも約ISO 200の感度を有さなければならない。最高ISO 3200またはそれ以上でさえあるような感度を有する要素が、特に企図されている。カラーネガ写真要素のスピード、または感度は、現像処理後にカブリを上回る特定の濃度の達成が可能になるのに必要な露光量に反比例している。各色記録中のガンマ約0.65を伴うカラーネガ要素の写真スピードは、明確に米国規格協会(ANSI)によりANSI Standard Number PH2.27−1981 (ISO(ASA Speed))として規定されており、これは特にカラーフィルムの緑光感性および最小感性色記録単位の各々において最低濃度を0.15上回る濃度を形成するのに必要な平均露光レベルに関連している。この定義は、国際標準化機構(ISO)フィルムスピード等級に適合している。この適用に関し色単位ガンマが0.65と異なる場合は、ASAまたはISOスピードは、別に定義された方法でスピードを決定する前に、ガンマ対logE(露光量)曲線を0.65の値に直線的に敷衍するかまたは反対に敷衍することにより算出することができる。
【0110】
本発明はさらに、シングルユースカメラ(または「レンズ付きフィルム」ユニット)と称されることが多い、本発明の写真要素の使用も企図している。これらのカメラは、その中に予め装填されたフィルムと共に販売され、そのカメラ全体がカメラ内部に残っている露光されたフィルムと共に現像所に回収される。本発明において使用されるシングルユースカメラは、当該技術分野において公知のものであることができる。これらのカメラは、シャッター手段、フィルム巻き上げ手段、フィルム送り手段、防水ハウジング、1個または複数のレンズ、レンズ選択手段、可変アパーチャ、焦点または焦点長レンズ、光の状態をモニタリングする手段、光の状態または使用者が与えた指示を基にシャッター速度またはレンズ特性を調節する手段、ならびに使用条件を直接フィルム上に記録するカメラの手段などの、当該技術分野において公知の具体的特徴を提供することができる。これらの特徴は以下を含むが、これらに限定されるものではない:Skarmanの米国特許第4,226,517号に開示されたような、手動または自動でフィルムを送りおよびシャッターをリセットする簡略化された機構を提供すること;Mattersonらの米国特許第4,345,835号に開示されたような、自動露光制御のための装置を提供すること;Fujimuraらの米国特許第4,766,451号に開示されたような、防湿性;Ohmuraらの米国特許第4,751,536号に開示されたような、内側および外側フィルムケーシングを提供すること;Taniguchiらの米国特許第4,780,735号に開示されたような、フィルム上への使用条件記録のための手段を提供すること;Araiの米国特許第4,804,987号に開示されたような、レンズ装着カメラを提供すること;Sasakiらの米国特許第4,827,298号に開示されたような、優れたカーリング防止特性を伴うフィルム支持体を提供すること;Ohmuraらの米国特許第4,812,863号に開示されたような、直視ファインダーを提供すること;Ushiroらの米国特許第4,812,866号に開示されたような、規定された焦点距離およびレンズスピードのレンズを提供すること;Nakayamaらの米国特許第4,831,398号およびOhmuraらの米国特許第4,833,495号に開示されたような、複数のフィルム容器を提供すること;Shibaの米国特許第4,866,469号に開示されたような、改善された抗−摩擦特性を伴うフィルムを提供すること;Mochidaの米国特許第4,884,087号に開示されたような、巻上げ機構、回転スプール、または弾性スリーブを提供すること;Takeiらの米国特許第4,890,130号および第5,063,400号に開示されたような、軸方向に取り外しできるフィルムパトローネまたはカートリッジを提供すること;Ohmuraらの米国特許第4,896,178号に開示されたような、電子フラッシュ手段を提供すること;Mochidaらの米国特許第4,954,857号に開示されたような、露光に有効な外部から操作できる部材を提供すること;Murakamiの米国特許第5,049,908号に開示されたような、改良されたスプロケット孔を伴うフィルム支持体および該フィルムを送る手段を提供すること;Haraの米国特許第5,084,719号に開示されたような、内部鏡を提供すること;ならびに、Yagiらの欧州特許出願第0,466,417 A号に開示されたような、密に巻いたスプール上で使用するのに適したハロゲン化銀乳剤を提供すること。
【0111】
このフィルムは、シングルユースカメラ内に当該技術分野において公知のいずれかの方法により装填されるが、これはスラストカートリッジにより露光時に巻き取られるようにフィルムをシングルユースカメラ内に装填することが特に好ましい。スラストカートリッジは、Kataokaらの米国特許第5,226,613号;Zanderの米国特許第5,200,777号;Dowlingらの米国特許第5,031,852号;および、Robertsonらの米国特許第4,834,306号に開示されている。この方法でスラストカートリッジを使用するのに適した本体の狭いシングルユースカメラは、Tobiokaらの米国特許第5,692,221号に開示されている。
【0112】
カメラは、例えば加熱要素のような、ビルド・イン式処理能を有することができる。画像捕捉および表示システムにおいてそれらを使用することを含むこのようなカメラのデザインは、1999年9月1日に出願された米国特許出願第09/388,573号に開示されており、これを本願明細書に参照として組入れる。前記出願に開示されたようなシングルユースカメラの使用は、本発明の実施において特に好ましいものである。
【0113】
本発明の写真要素は、「リサーチディスクロージャー I」第XVI節に説明されているものを含む、公知の技術のいずれかを用いて像様に露光されることが好ましい。これは典型的には、スペクトル可視領域の光への露光に関連し、典型的にはこのような露光はレンズを通しての生画像のものであるが、さらに露光は発光装置(例えば、発光ダイオード、CRTなど)による保存された画像(例えば、コンピュータに保存された画像)への露光であることもできる。フォトサーモグラフィ要素はさらに、電磁波スペクトルの紫外および赤外領域に加え、電子ビームおよびβ線放射、ガンマ線、x−線、α粒子、中性子放射、およびレーザーにより形成された非干渉性(ランダム位相)または干渉性(同位相)のいずれかの他の粒子線様放射エネルギー形を含む様々な手段により露光される。露光は、写真ハロゲン化銀の分光増感に応じて、一色性、整色性、または全色性である。
【0114】
前述の要素は、下記の処理工程の一部または全てのための起点となる材料として利用することができる:捕捉画像の電子的レンディションを作成するための画像走査、およびそれに続くその画像の電子的な操作、保存、転送、出力または表示のためのそのレンディションのデジタル処理。
【0115】
本発明の保護された化合物は、前述のいずれかまたは全ての特徴を含むが、様々な処理の形が意図されているような写真要素において使用することができる。これらのシステムの種類を、以下に詳述する。
【0116】
I型:熱処理システム(サーモグラフィおよびフォトサーモグラフィ)、ここでは、現像処理は、熱の画像形成要素への適用によってのみ開始される。
II型:低容量システム、ここでは、フィルム処理は、処理液との接触により開始されるが、ここで処理液容量は、処理される画像形成層の総容量と同等である。この型のシステムは、液体でない処理助剤、例えば現像処理時に適用されるような熱または積層体層適用などの添加を含むことができる。
III型:従来型写真システム、ここでは、フィルム要素は、従来型写真処理液との接触により処理され、このような溶液の容量は、画像形成層の容量と比較して非常に大きい。
【0117】
次にこのタイプI型、II型、III型に関して説明する。
I型:サーモグラフィおよびフォトサーモグラフィーシステム:
本発明のある態様において、保護された現像主薬はフォトサーモグラフィ要素に混入される。「リサーチディスクロージャー」第17029項に説明されたこの型のフォトサーモグラフィ要素は、参照として含まれる。フォトサーモグラフィ要素は、「リサーチディスクロージャー 」第17029項に記されたA型またはB型であることができる。A型要素は、反応的に組み合わさるように、感光性ハロゲン化銀、還元剤または現像主薬、活性化剤、およびコーティングベヒクルまたはバインダーを含有する。これらのシステムにおいて、現像は、感光性ハロゲン化銀の銀イオンの金属銀への還元によって生じる。B型システムは、A型システムの要素全てに加え、有機化合物の銀イオンとの塩または錯体を含む。これらのシステムにおいて、有機錯体は、現像時に還元され、金属銀を生じる。有機銀塩は、銀供与体とも称される。このような像形成要素を説明している参考文献は、例えば、米国特許第3,457,075号;第4,459,350号;第4,264,725号および第4,741,992号である。
【0118】
フォトサーモグラフィ要素は、本質的に写真ハロゲン化銀からなる感光性成分を含む。B型フォトサーモグラフィー材料において、ハロゲン化銀由来の潜像銀は、現像処理時に先に説明された画像形成の組合せのための触媒として作用すると考えられる。これらのシステムにおいて、写真ハロゲン化銀の好ましい濃度は、フォトサーモグラフィ材料中の銀供与体1モルにつき、写真ハロゲン化銀0.01〜100モルの範囲である。
【0119】
B型フォトサーモグラフィー要素は、有機銀塩酸化剤を含有する酸化−還元像形成組合せを含む。有機銀塩は、光に対して比較的安定している銀塩であるが、露光された光触媒(すなわち感光性ハロゲン化銀)および還元剤の存在下で80℃以上に加熱した場合には、銀像の形成を補助する。
【0120】
適当な有機銀塩は、カルボキシル基を有する有機化合物の銀塩を含む。これらの好ましい例は、脂肪族カルボン酸の銀塩および芳香族カルボン酸の銀塩を含む。好ましい脂肪族カルボン酸銀塩の例は、ベヘン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、酒石酸銀、フロ酸銀、リノレイン酸銀、酪酸銀、および樟脳酸銀、それらの混合物などを含む。ハロゲン原子またはヒドロキシル基で置換可能な銀塩も効果的に使用することができる。好ましい芳香族カルボン酸およびその他のカルボキシル基含有化合物の銀塩の例は、安息香酸銀、3,5−ジヒドロキシ安息香酸銀、o−メチル安息香酸銀、m−メチル安息香酸銀、p−メチル安息香酸銀、2,4−ジクロロ安息香酸銀、アセトアミド安息香酸銀、p−フェニル安息香酸銀などのような銀置換された安息香酸、没食子酸銀、タンニン酸銀、フタル酸銀、テレフタル酸銀、サリチル酸銀、フェニル酢酸銀、ピロメリト酸銀、3−カルボキシメチル−4−メチル−4−チアゾリン−2−チオンの銀塩などで米国特許第3,785,830号に開示されたもの、および米国特許第3,330,663号に開示されたチオエーテル基を含む脂肪族カルボン酸の銀塩を含む。
【0121】
少なくとも1個が窒素であるような5または6個の環原子を含み、その他の環原子は、炭素、および最大2個の酸素、イオウおよび窒素から選択されたヘテロ原子を含むような、ヘテロ環式核を有するメルカプトまたはチオン置換化合物の銀塩が、特に企図されている。典型的に好ましいヘテロ環式核は、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、チアゾール、チアゾリン、イミダゾリン、イミダゾール、ジアゾール、ピリジンおよびテトラジンを含む。これらのヘテロ環式化合物の好ましい例は、3−メルカプト−4−フェニル−1,2,4−トリアゾール銀塩、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール銀塩、2−メルカプトベンズイミダゾール銀塩、2−メルカプト−5−アミノチアジアゾール銀塩、2−(2−エチル−グリコールアミド)ベンゾチアゾール銀塩、5−カルボキシ−1−メチル−2−フェニル−4−チオピリジン銀塩、メルカプトトリアジン銀塩、2−メルカプトベンズオキサゾール銀塩、米国特許4,123, 274号に開示されたような銀塩、例えば3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−チアゾール銀塩のような1,2,4−メルカプトチアゾール誘導体の銀塩、米国特許第3,201,678号に開示された3−(2−カルボキシエチル)−4−メチル−4−チアゾリン−2−チオン銀塩のようなチオン化合物の銀塩を含む。ヘテロ環式核を含まない他の有用なメルカプトまたはチオン置換された化合物の例を、以下に例示する:日本国特許出願第28221/73号に開示されたS−アルキルチオグリコール酸銀塩(ここで、アルキル基は12〜22個の炭素原子を有する)のような、チオグリコール酸の銀塩、ジチオ酢酸銀塩のような、ジチオカルボン酸の銀塩、およびチオアミド銀塩である。
【0122】
さらに、イミノ基を含む化合物の銀塩を使用することができる。これらの化合物の好ましい例は、例えばベンゾトリアゾールまたはメチルベンゾトリアゾールの銀塩などのような日本国公開特許第30270/69号および18146/70号に開示されたようなベンゾトリアゾールおよびそれらの誘導体の銀塩、5−クロロベンゾトリアゾール銀塩などのようなハロゲン置換されたベンゾトリアゾールの銀塩、1,2,4−トリアゾール銀塩、3−アミノ−5−メルカプトベンジル−1,2,4−トリアゾール銀塩、米国特許第4,220,709号に開示されたような1H−テトラゾールの銀塩、イミダゾールおよびイミダゾール誘導体の銀塩などを含む。
【0123】
市販のベヘン酸ナトリウム塩の水溶液からの沈殿で調製され、約14.5%銀と分析された、ベヘン酸銀のベヘン酸との等モル配合物が好ましい例であるような銀ハーフセッケンの使用が都合が良いこともわかっている。透明なフィルム裏当て上に形成された透過性シート材は、透明なコーティングを必要とし、この目的のためには約4〜5%を超えない遊離のベヘン酸を含有し約25.2%銀と分析されるようなベヘン酸銀完全セッケンが使用される。銀セッケン分散体の製造法については、「リサーチディスクロージャー」1983年10月(23419)および米国特許第3,985,565号に開示されている。
【0124】
銀塩錯体も、硝酸銀などの銀イオン種の水溶液の、銀と錯体形成する有機リガンド溶液との混合により調製される。この混合法は、ハロゲン化銀沈殿法において使用されるものを含む、簡便な形をとることができる。安定化剤は、銀錯体粒子の凝集を避けるために使用することができる。安定化剤は、写真技術分野において有用であることがわかっているような物質のいずれかであることができ、例えばゼラチン、ポリビニルアルコールもしくはポリマー性またはモノマー性界面活性剤を含むが、これらに限定されるものではない。
【0125】
感光性ハロゲン化銀粒子および有機銀塩は、現像時にこれらが触媒的に近接しているように塗工される。これらは、連続層に塗工することができるが、塗工前に混合されることが好ましい。通常の混合技術は、先に言及した「リサーチディスクロージャー」第17029項、さらには米国特許3,700,458号および日本国特許公報第32928/75号、第13224/74号、第17216/75号および第42729/76号に開示されている。
【0126】
保護された現像主薬に追加して還元剤も含むことができる。有機銀塩の還元剤は、いずれの物質であってもよく、好ましくは銀イオンを金属銀に還元することができる有機物質である。通常の写真現像主薬、例えば3−ピラゾリジノン、ヒドロキノン、p−アミノフェノール、p−フェニレンジアミンおよびカテコールが有用であるが、ヒンダードフェノール還元剤が好ましい。この還元剤は、好ましくはフォトサーモグラフィ層の5〜25%の範囲の濃度で存在する。
【0127】
広範な還元剤が、乾式銀システムにおいて明らかにされており、これはアミドキシム、例えばフェニルアミドキシム、2−チエニルアミドキシムおよびp−フェノキシ−フェニルアミドキシムなど、アジン(例えば、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンズアルデヒドアジン);脂肪族カルボン酸アリールヒドラジドおよびアスコルビン酸の組合せ、例えばアスコルビン酸と組合せた2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオニルベータフェニルヒドラジド;ポリヒドロキシベンゼンおよびヒドロキシルアミン、レダクトンおよび/またはヒドラジンの組合せ、例えば、ヒドロキノンおよびビス(エトキシエチル)ヒドロキシルアミン、ピペリジノヘキソースレダクトンまたはホルミル−4−メチルフェニルヒドラジンの組合せ;フェニヒドロキサム酸、p−ヒドロキシフェニル−ヒドロキサム酸、およびo−アラニンヒドロキサム酸などのヒドロキサム酸;アジンおよびスルホンアミドフェノールの組合せ、例えばフェノチアジンおよび2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミドフェノール;α−シアノ−フェニル酢酸誘導体、例えばα−シアノ−2−メチルフェニル酢酸エチル、α−シアノ−フェニル酢酸エチル;ビス−β−ナフトール、具体的には、2,2’−ジヒドロキシル−1−ビナフチル、6,6’−ジブロモ−2,2’−ジヒドロキシ− 1,1’−ビナフチル、およびビス(2−ヒドロキシ− 1 ナフチル)メタン;ビス−β−ナフトールおよび1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体(例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンまたは2,4−ジヒドロキシアセトフェノン)の組合せ;5−ピラゾロン、例えば3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン;レダクトン、具体的にはジメチルアミノヘキソースレダクトン、無水ジヒドロアミノヘキソースレダクトン、および無水ジヒドロ−ピペリドンヘキソースレダクトン;スルファアミドフェノール還元剤、例えば2,6−ジクロロ−4−ベンゼン−スルホン−アミド−フェノール、およびp−ベンゼンスルホンアミドフェノール;2−フェニルインダン−1,3−ジオンなど;クロマン、例えば2,2−ジメチル−7−t−ブチル−6−ヒドロキシクロマン;1,4−ジヒドロピリジン、例えば2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジン;ビスフェノール、例えばビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−メタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン;4,4−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチルフェノール);および、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;アスコルビン酸誘導体、例えば、1−アスコルビル−パルミテート、アスコルビルスレアレート、ならびに不飽和のアルデヒドおよびケトン、例えばベンジルおよびジアセチル;ピラゾリジン−3−オン;およびある種のインダン−1,3−ジオンである。
【0128】
フォトサーモグラフィ要素中の有機還元剤の最適濃度は、具体的フォトサーモグラフィ要素、望ましい画像、処理条件、具体的有機銀塩および具体的酸化剤などの因子により変動する。
【0129】
フォトサーモグラフィ要素は、活性化剤−トナーまたはトナー−促進剤としても公知の調色剤を含有することができる。調色剤の組合せも、フォトサーモグラフィ要素において有用である。有用な調色剤および調色剤の組合せの例は、例えば「リサーチディスクロージャー」1978年6月第17029項および米国特許第4,123,282号に開示されている。有用な調色剤の例は、例えばサリチルアニリド、フタルイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、N−カリウム−フタルイミド、スクシンイミド、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミド、フタラジン、1−(2H)−フタラジノン、2−アセチルフタラジノン、ベンズアニリド、およびベンゼンスルホンアミドを含む。従来技術の熱溶媒は例えば、Windenderの米国特許第6,013,420号明細書に開示されている。
【0130】
ポスト処理画像安定化剤および潜像保持安定化剤は、フォトサーモグラフィ要素において有用である。フォトサーモグラフィ技術分野において公知の安定化剤のいずれかが、説明されたフォトサーモグラフィ要素において有用である。有用な安定化剤の具体例は、例えば米国特許第4,459,350号に開示されたような、光分解により活性型となる安定化剤および安定化剤前駆体である。その他の有用な安定化剤は、例えば米国特許第3,877,940号に開示されたような、アゾールチオエーテルおよび保護されたアゾリンチオン安定化剤前駆体およびカルバモイル安定化剤前駆体を含む。
【0131】
フォトサーモグラフィ要素は、様々なコロイドおよびポリマーを、単独でまたはベヒクルおよびバインダーとの組合せまたは様々な層中に含有することが好ましい。有用な材料は、親水性または疎水性である。これらは、透明または半透明であり、天然の物質、例えばゼラチン、ゼラチン誘導体、セルロース誘導体など、多糖類、例えばデキストラン、アラビアゴムなど;ならびに合成ポリマー物質、例えばポリ(ビニルピロリドン)のような水溶性ポリビニル化合物、およびアクリルアミドポリマーなどを含む。他の有用な合成ポリマー化合物は、ラテックス型のような分散したビニル化合物であり、特に写真要素の寸法安定性を増大するものである。効果的ポリマーは、アクリレートの水不溶性ポリマー、例えばアクリレートおよびメタクリレート、アクリル酸、スルホアクリレート、および架橋部位を持つものである。好ましい高分子量物質および樹脂は、ポリ(ビニルブチラル)、ブチル化酢酸セルロース、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ビニルピロリドン)、エチルセルロース、ポリスチレン、ポリ(塩化ビニル)、塩素化ゴム、ポリイソブチレン、ブタジエン−スチレンコポリマー、塩化ビニルおよび酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニリデンおよび酢酸ビニルコポリマー、ポリ(ビニルアルコール)およびポリカーボネートである。コーティングが有機溶剤を使用して製造される場合、有機可溶性樹脂は、コーティング配合物への直接混合により塗工することができる。コーティングが水溶液由来である場合は、有用な有機可溶性物質は、ラテックスまたは他の細粒分散体として混入することができる。
【0132】
説明されたフォトサーモグラフィ要素は、有用な画像の形成を補助することがわかっているような添加剤を含むことができる。フォトサーモグラフィ要素は、例えば「リサーチディスクロージャー」1978年12月、第17643項および「リサーチディスクロージャー」1978年6月、第17029項に説明されたような、スピード増大化合物として機能する現像促進剤、増感色素、硬膜剤、帯電防止剤、可塑剤および滑剤、コーティング助剤、蛍光増白剤、吸光色素およびフィルター色素を含有することができる。
【0133】
フォトサーモグラフィ要素の層が、浸漬コーティング、エアナイフコーティング、カーテンコーティング、またはホッパーを使用する押出コーティングを含む、写真技術分野において公知の塗工法により、支持体上に塗工される。望ましいならば、2種以上の層が同時に塗工される。
【0134】
説明されたようなフォトサーモグラフィ要素は好ましくは、露光および処理前のフォトサーモグラフィ要素の安定化を補助する熱安定化剤を含有する。このような熱安定化剤は、貯蔵時にフォトサーモグラフィ要素の改善された安定性を提供する。好ましい熱安定化剤は、2−ブロモ−2−アリールスルホニルアセトアミド、例えば2−ブロモ−2−p−トルイル(toly)スルホニルアセトアミド;2−(トリブロモメチルスルホニル)ベンゾチアゾール;および、6−置換−2,4−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、例えば6−メチルまたは6−フェニル−2,4−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジンがある。
【0135】
像様の露光は、フォトサーモグラフィ要素中に現像可能な潜像を形成するのに十分な時間および強度であることが好ましい。
前述のフォトサーモグラフィ要素の像様の露光後、得られる潜像は、様々な方法で現像することができる。最も簡単な方法は、該要素の熱処理温度への全体の加熱である。この全体の加熱は単に、約0.5〜約60秒以内のような現像された画像が形成されるまでのフォトサーモグラフィ要素の温度範囲約90〜約180℃への加熱を伴う。熱処理温度を上昇または下降することにより、より短いまたはより長い現像処理時間が有用となる。好ましい熱処理温度は、約100℃〜約160℃の範囲内である。フォトサーモグラフィ技術分野において公知の加熱手段が、露光されたフォトサーモグラフィ要素に望ましい処理温度を提供するのに有用である。加熱手段は、例えば単純なホットプレート、アイロン、ローラー、加熱したドラム、電磁加熱手段、熱風、蒸気などである。
【0136】
フォトサーモグラフィ要素の現像装置のデザインを、該要素の貯蔵または用途のために使用されるカセットまたはカートリッジのデザインに関連づけることが企図されている。さらに、フィルムまたはカートリッジ上に保存されたデータは、要素の現像処理条件または走査を変更するために使用することができる。画像形成システムにおいてこれらの工程を達成する方法は、1998年12月7日出願の、本発明の譲受人に譲渡された同時係属の米国特許出願第09/206586号、第09/206,612号および第09/206,583号に開示されており、これらを本願明細書に参照として組入れる。現像装置をこの要素上への情報の書込みのために使用することができ、その情報を現像処理、走査、および画像表示を調節するために使用することができるような装置の使用も考えられている。このシステムは、本願明細書に参照として組入れる1998年12月7日に出願された米国特許出願第09/206,914号、および1999年6月15日に出願された第09/333,092号に開示されている。
【0137】
熱処理は、周囲条件の圧力および湿度下で実行されることが好ましい。常圧・常湿を外れる条件も有用である。
【0138】
このフォトサーモグラフィ要素の成分は、望ましい画像を提供するような要素内のいずれかの位置にあることができる。望ましいならば、1種以上の成分が、要素の1個以上の層内に存在することができる。例えば場合によっては、要素のフォトサーモグラフィ画像記録層の上側の上塗り層中に、還元剤、トナー、安定化剤および/または他の添加剤を一定割合で含有することが望ましい。これは場合によっては、この要素の層内のある種の添加剤の移動を減少させる。
【0139】
本発明の態様において、保護された現像主薬がサーモグラフィ要素に混入される。サーモグラフィ要素において、画像は、要素を像様に加熱することにより形成される。このような要素は、例えば「リサーチディスクロージャー」1978年6月第17029項および米国特許第3,080,254号、第3,457,075号および第3,933,508号に開示されており、その説明または特許を本願明細書に参照として組入れる。熱エネルギー給源および画像形成手段は、 サーモグラフィ画像形成技術分野において公知の像様の熱露光給源および手段のいずれかであることができる。サーモグラフィ画像形成手段は、例えば、赤外加熱手段、レーザー、電磁波加熱手段などであることができる。
【0140】
II型:低容量処理:
本発明の別の態様において、保護された現像主薬は、低容量処理が意図された写真要素に混入される。低容量処理は、適用される現像液の容量が、写真要素を膨潤するのに必要な溶液の容量の約0.1〜約10倍、好ましくは約0.5〜約10倍であると定義される。この処理は、溶液塗布、外層積層、および加熱を組合せて行うことができる。低容量処理システムは、先にI型:フォトサーモグラフィーシステムで説明された要素を含むことができる。加えて当初のフィルム要素の潜像の形成または安定化には必要でないような前項に記した成分を、フィルム要素から全て除去することができ、下記の方法を用い、写真現像処理の実行を目的として、露光後接触することができることが特に企図されている。
【0141】
II型写真要素は、下記の処理の一部または全てを受けることができる:
(I)噴霧、インクジェット、コーティング、グラビアプロセスなどを含む手段による、溶液のフィルムへの直接塗布。
(II)現像処理液を含む貯蔵器へのフィルムの浸漬。このプロセスはさらに、要素が小さいカートリッジを通る浸漬または通過の形をとることができる。
【0142】
(III)補助処理要素の像形成要素への積層。この積層は、現像処理化学物質を提供するか、消費された化学物質を除去するか、または潜像記録フィルム要素から画像情報を移すという目的を有する。移された画像は、像様の方法で補助処理要素へと移された色素、色素前駆体、または銀含有化合物から生じる。
(IV)単純なホットプレート、アイロン、ローラー、加熱したドラム、電磁加熱手段、熱風、蒸気などを含む、いずれか都合の良い手段による要素の加熱。加熱は、前記処理I−IIIの前、途中、後、もしくは処理を通じて行うことができる。加熱は、室温から100℃の範囲の処理温度を生じることができる。
【0143】
III型:従来型システム:
別の本発明の態様において、保護された現像主薬は、従来型写真要素中に混入される。
本発明の従来型写真要素は、例えば「リサーチディスクロージャー I」、またはT.H. James編集の「The Theory of the Photographic Process」第4版、Macmillan社、ニューヨーク、1977年に記されたような、多くの周知の従来型写真処理液を使用する多くの周知の写真処理のいずれかにより、処理することができる。現像処理は、許容できる画像をもたらすのに適した時間および処理温度で行うことができる。これらの場合、本発明の保護された現像主薬の存在は、要素の1個以上の色記録における現像を提供するために、補助的に処理液中の現像主薬により提供された現像により短い現像時間または画像形成材料のより低いレイダウンで改善されたシグナルを生じるために、もしくは全ての色記録においてバランスのとれた現像を生じるために、使用することができる。ネガ型要素を処理する場合、この要素は、発色現像主薬(これは有色カプラーにより着色された画像色素を形成するものである)により処理され、次に酸化剤および溶剤により処理され、銀およびハロゲン化銀を除去することができる。リバーサルカラー要素を処理する場合、この要素は、最初に白黒現像主薬で処理され(すなわちカプラー化合物とにより着色された色素を形成しない現像主薬)、引き続きハロゲン化銀をカブらせるように処理し(通常化学カブリまたは光カブリ)、その後発色現像主薬で処理される。好ましい発色現像主薬はp−フェニレンジアミンである。特に好ましいのは以下のものである:塩酸4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、塩酸4−アミノ−3−メチル−N,N−ジエチルアニリン、セスキ硫酸4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(2−(メタンスルホンアミド)エチルアニリン水和物、硫酸4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アニリン、塩酸4−アミノ−3−α−(メタンスルホンアミド)エチル−N,N−ジエチルアニリン、および4−アミノ−N−エチル−N−(2−メトキシエチル)−m−トルイジンジ−p−トルエンスルホン酸。
【0144】
色素像は、Bissonetteの米国特許第3,748,138号、第3,826,652号、第3,862,842号および第3,989,526号、ならびにTravisの米国特許第3,765,891号に開示されたような不活性遷移金属−イオン錯体酸化剤、および/またはMatejecの米国特許第3,674,490号、「リサーチディスクロージャー」第116号1973年12月第11660項、およびBissonetteの「リサーチディスクロージャー」第148号1976年8月第14836項、14846項および14847項に開示されたようなペルオキシド酸化剤と、色素像−形成還元剤との組合せにおいて使用することができるような処理により、形成または増幅することができる。この写真要素は、Dunnらの米国特許第3,822,129号、Bissonetteの米国特許第3,834,907号および第3,902,905号、Bissonetteらの米国特許第3,847,619号、Mowreyの米国特許第3,904,413号、Hiraiらの米国特許第4,880,725号、Iwanoの米国特許第4,954,425号、Marsdenらの米国特許第4,983,504号、Evansらの米国特許第5,246,822号、Twistの米国特許第5,324,624号、Fysonの欧州特許第EPO 0487616号、Tannahillらの国際公開公報第90/13059号、Marsdenら国際公開公報第90/13061号、Grimseyらの国際公開公報第91/16666号、Fysonの国際公開公報第91/17479号、Marsdenらの国際公開公報第92/01972号、Tannahillの国際公開公報第92/05471号、Hensonの国際公開公報第92/07299号、Twistの国際公開公報第93/01524号および国際公開公報第93/11460号、ならびにWingenderらの独国特許第OLS 4,211,460号に開示されたようなプロセスによる色素像の形成に特に適合することができる。
【0145】
現像に、銀またはハロゲン化銀を除去するための漂白−定着、洗浄および乾燥が続く。
一旦イエロー、マゼンタ、およびシアン色素像記録が本発明の処理された写真要素内に形成されたならば、常法を用い、各色記録について画像情報を検索し、その後の色バランスのとれた可視像の形成のために記録を操作することができる。例えばフォトサーモグラフィ要素を連続してスペクトルの青、緑、および赤領域で走査するか、または青、緑、および赤色フィルターを通し分割および通過させた単独の走査ビーム内に青、緑、および赤光を組込み、各色記録について個別の走査ビームを形成することは可能である。簡単な技術は、写真要素を一連の側面に沿ったオフセットパラレル走査経路に沿って逐点的に走査することである。走査点で該要素を通過する光の強度は、受け取った放射を電気信号に変換するセンサーにより調べられる。最も一般的にはこの電気信号はさらに操作され、画像の有用な電子記録を形成する。例えば、電気信号は、アナログ−デジタル変換器を通過することができ、画像内の画素(点)位置に必要な位置情報と共にデジタルコンピュータへ送ることができる。別の態様において、この電気信号は、色彩または色調の情報と共にコード化され、コンピュータモニター表示画像、テレビ画像、印刷された画像などのような、可視形へ画像を再構成するのに適した電子記録を形成する。
【0146】
本発明の多くの像形成要素は、要素からハロゲン化銀を除去する前に走査されることが企図されている。残留ハロゲン化銀は、濁ったコーティングを生じ、かつ拡散照射光学を使用するスキャナーを用いることにより、このようなシステムについて改善された走査画質を得ることができることがわかっている。拡散照射を形成するためには、当該技術分野において公知の技術を使用することができる。好ましいシステムは、内壁が高度の拡散反射を形成するように特別にデザインされた拡散洞を使用する反射システム、および正反射光ビームの拡散が光散乱のために使用されるビーム中に配置された光学的要素の使用により達成される透過システムである。このような要素は、望ましい散乱を形成する成分を混入するか、もしくは望ましい散乱を促進するために表面処理が施されているような、ガラスまたはプラスチックのいずれかであることができる。
【0147】
走査により抽出された情報から画像を形成する際に遭遇する難問のひとつは、視認に利用できる情報の画素数は、同等の古典的写真プリントから得られるもののごく一部でしかないことである。従って走査画像形成において、利用できる画像情報の品質を最大化することはより重要である。画像の鮮鋭度を増強しかつ異常な画素シグナル(すなわちノイズ)の影響を最小化することは、画質を増強する一般的な手法である。異常な画素シグナルの影響を最小化する通常の技術は、隣接画素からの読み値を因子化することにより、各画素濃度読み値を重み付き平均値に調節することであり、より密に隣接する画素はより重く重みが付けられる。
【0148】
本発明の要素は、Wheelerらの米国特許第5,649,260号、Koengらの米国特許第5,563,717号、およびCosgroveらの米国特許第5,644,647号に開示されたような、参照露光に曝された未露光の写真記録材料の一部上の1個以上のパッチ領域由来の濃度キャリブレーションパッチを有することができる。
【0149】
画像記録の品質を最大化する技術を含む走査シグナル操作の詳細は、Bayerの米国特許第4,553,156号;Urabeらの米国特許第4,591,923号;Sasakiらの米国特許第4,631,578号;Alkoferの米国特許第4,654,722号;Yamadaらの米国特許第4,670,793号;Kleesの米国特許第4,694,342号および第4,962,542号;Powellの米国特許第4,805,031号;Mayneらの米国特許第4,829,370号;Abdulwahabの米国特許第4,839,721号;Matsunawaらの米国特許第4,841,361号および第4,937,662号;Mizukoshiらの米国特許第4,891,713号;Petilliの米国特許第4,912,569号;Sullivanらの米国特許第4,920,501号および第5,070,413号;Kimotoらの米国特許第4,929,979号;Hirosawaらの米国特許第4,972,256号;Kaplanの米国特許第4,977,521号;Sakaiの米国特許第4,979,027号;Ngの米国特許第5,003,494号;Katayamaらの米国特許第5,008,950号;Kimuraらの米国特許第5,065,255号;Osamuらの米国特許第5,051,842号;Leeらの米国特許第5,012,333号;Bowersらの米国特許第5,107,346号;Telleの米国特許第5,105,266号;MacDonaldらの米国特許第5,105,469号;および、Kwonらの米国特許第5,081,692号に開示されている。走査時の色バランス調節技術は、Mooreらの米国特許第5,049,984号およびDavisの米国特許第5,541,645号に開示されている。
【0150】
一旦得られたデジタル色記録は、ビデオモニター上または従来のカラープリントのように印刷された場合のいずれかについて、視認のためのうまく色バランスのとれた画像を形成し、様々な変換または出力のレンディションを通じて画像支承シグナルのカラー忠実性を保存するように最も速やかに調節される。走査後の画像支承シグナル変換の好ましい技術は、Giorgianniらの米国特許第5,267,030号に開示されており、その内容を本願明細書に参照として組入れる。さらにカラーデジタル画像情報を管理する当業者の能力の詳細は、GiorgianniおよびMaddenの「Digital Color Management」、Addison−Wesley、1998年に記されている。
【0151】
【実施例】
例1
この例は本発明に従う化合物の調製、即ち、以下の図式に従うD−5の調製を具体的説明する。
【0152】
【化38】
Figure 2004503820
【0153】
中間体1の調製
純p−トルオイルクロライド(26.28g、170ミリモル)を1.5時間かけて、氷/水浴内で撹拌している、水100mL中のヒドロキシルアミン塩酸塩(11.81g、170ミリモル)および水酸化ナトリウム(20g、0.5モル)の溶液に滴下した。滴下後、この混合物を室温で1時間撹拌し、濾過した。濾液を濃塩酸で酸性にすると、固体が生じ、これを集めて、水で洗浄(2×30mL)し、真空中で五酸化リンで20時間乾燥させた。1の収量は4.60g(30ミリモル、18%)であった。
【0154】
D−5の調製
アセトニトリル(20mL)中の1(3.02g、20ミリモル)および2(4.08g、20ミリモル)の混合物を室温で30分撹拌して固体を得た。この混合物を濾過し、固形分を、アセトニトリル(2×5mL)、イソプロピル(2×10mL)、そしてヘプタン(20mL)を用いて連続して洗浄した。D−5の収量は6.31g(18ミリモル、89%, m.p. 141−142℃(dec.))であった。
【0155】
D−3、D−4、およびD−6の調製
ブロック現像主薬D−3、D−4およびD−6(表1)をD−5に記載したのと同様に調製した。
【0156】
【表1】
Figure 2004503820
【0157】
溶液反応性測定手順
保護された化合物の相対的反応性を得るために、水性アルコール溶液を用い、それをイオン強度0.125およびpH4.37で、リン酸塩緩衝剤及びエタノールを用いて調製した。ブロック現像主薬化合物(例えば、D−3)を10−4Mで溶液中に溶解し、75℃で5.0分間、ふた付きバイアル内で加熱した。反応混合物を氷浴中で冷却し、この混合物の25mLを、カプラー1(0.002M)および0.004MのKFe(CN)を含有する0.50mLのpH10炭酸塩緩衝剤(イオン強度0.5)から成る6%Triton X−100溶液0.75mLと一緒に混合した。形成されたマゼンタ色素を、1cmセル内で、568nmのところで分光光度計を用いて定量し、この化合物の相対反応度(krel)を次式で計算した。
【0158】
【数1】
Figure 2004503820
【0159】
ここで、Aは568nmのところでの吸光度であり、添え字は時間0または無限(∞)を表す。
【0160】
【化39】
Figure 2004503820
【0161】
本発明に従う種々のブロック現像主薬の相対反応度を75℃で得て、pH7.32での比較化合物DC−2の場合を1.0として、以下の表2に示す。この比較化合物はpH4.37では、本来的に全く反応性を有しないことに留意されたい。表からわかるように、本発明のブロック現像主薬が、非常に高いpHのところでの比較化合物の反応度よりも、高い反応度をかなり低いpHのところにおいても示している。表2では、基本的な構造は以下に示す構造であり、ここでR置換基を変えた。
【0162】
【化40】
Figure 2004503820
【0163】
【表2】
Figure 2004503820
【0164】
写真例
処理条件はこれらの例において記載したとおりである。特に断らないかぎり、ハロゲン化銀を現像後にKodak Flexicolor定着溶液に浸漬して除去した。一般的に、この工程を省略することによって、測定される濃度は一般的におおよそ0.2増加するであろう。これらの例においては、次の成分を用いた。また、これらの化学構造は後で示す。
【0165】
銀塩分散物SS−1
撹拌している反応容器に、431gのライム処理したゼラチンおよび6569gの蒸留水を入れた。214gのベンゾトリアゾール、2150gの蒸留水、および790gの2.5M水酸化ナトリウムを含有する溶液を調製した(溶液B)。溶液Bを加えて反応容器内の混合物をpAg7.25およびpH8.00に調節した。これには硝酸および水酸化ナトリウムを必要に応じて用いた。
【0166】
0.54M硝酸銀の4L溶液を250cm/分で反応釜に添加し、同時に溶液Bを添加して、pAgを7.25に維持した。プロセスを継続させて、硝酸銀溶液が用い尽くし、この時点で限外濾過を使ってこの混合物を濃縮した。得られた銀塩分散物ベンゾトリアゾール銀の微小粒子を有していた。
【0167】
乳剤E−1
臭化銀97%及びヨウ化銀3%の組成を有するハロゲン化銀平板状乳剤を通常の方法で調製した。得られた乳剤は等価円直径0.6μmおよび厚み0.09μmを有した。この乳剤を色素SY−1を添加することによって青光に対して分光増感し、そして最適性能にするために化学増感した。
【0168】
メルトフォーマー分散物
サリチルアニリドの分散物を、ボールミル法によって調製した。合計20gのサンプルに、3.0gのサリチルアニリド固体、0.20gのポリビニルピロリドン、0.20gのTRITON X−200界面活性剤、1.0gのゼラチン、15.6gの蒸留水、および20mLのジルコニアビーズを加えた。このスラリーを48時間ボールミルにかけた。ミルにかけた後、ジルコニアビーズを濾別した。使用する前にこのスラリーを冷蔵した。大規模製造の場合、サリチルアニリドを媒体ミルにかけて、30%サリチルアニリドを有し、そしてサリチルアニリドの質量に対して4% TRITON X−200界面活性剤および4%ポリビニルピロリドンを加えた最終分散物を得た。いくつかの場合では、分散物を水で25%サリチルアニリドに希釈するか、あるいはゼラチン(5%)を添加してサリチルアニリドの濃度を25%に調節した。ゼラチンを加えるときは、殺生剤(KATHON)も添加した。
【0169】
カプラー分散物CDM−1
カプラーM−1[224EV]およびリン酸トリクレシルを質量比1:0.5で含有するオイルベースカプラー分散物を通常の方法で調製した。
【0170】
【化41】
Figure 2004503820
【0171】
【化42】
Figure 2004503820
【0172】
例2
全ての塗膜を表2−1に示すように、導入した現像主薬を変えた種々の構成で、標準フォーマットに従って調製した。全ての塗膜を178μm(7ミル)厚ポリエチレンテレフタレート支持体上に調製した。
現像主薬を次の処方でジルコニアビーズを用いて水性スラリー中で3時間ボールミルにかけた。導入した現像主薬の各粒子のそれぞれのグラムに、0.2gのトリイソプロピルナフタレンスルホネート、10gの水、および25mLのビーズを加えた。ミルにかけた後、ジルコニアビーズを濾別した。使用前までこのスラリーを冷蔵した。
【0173】
【表3】
Figure 2004503820
【0174】
得られた塗膜をステップウェッジを通して、デーライト5Aおよびラッテン2Bフィルターを通した3000°Kの3.04Logルクス光源で露光した。露光時間は1秒であった。露光後、塗膜を加熱したプラテンに20秒間接触させて熱処理した。最適な試験片処理条件を得るために、種々のプラテン温度で多くの試験片を処理した。このデータから、以下のパラメータを得た。
【0175】
オンセット温度T
これは、0.5の最大濃度(Dmax)を生じさせるのに要する温度に対応する。温度が低いほどより活性な現像主薬を示し、これが好ましい。この分析結果を表2−2に示す。
【0176】
【表4】
Figure 2004503820
【0177】
いくつかの場合では、上記表2−2中のTを入手可能なデータポイントを適当に外挿して得た。本発明の現像主薬が比較例現像主薬に比べて低いオンセット温度を提供することが判るであろう。このことが好ましい。
【0178】
例3
全ての塗膜を表3−1に示すように、導入した現像主薬を変えた種々の構成で、標準フォーマットに従って調製した。全ての塗膜を178μm(7ミル)厚ポリエチレンテレフタレート支持体上に調製した。
例2と同様に、現像主薬をボールミルにかけ、導入した
【0179】
【表5】
Figure 2004503820
【0180】
得られた塗膜をステップウェッジを通して、デーライト5Aおよびラッテン2Bフィルターを通した3000°Kの3.04Logルクス光源で露光した。露光時間は1秒であった。露光後、塗膜を加熱したプラテンに20秒間接触させて熱処理した。最適な試験片処理条件を得るために、種々のプラテン温度で多くの試験片を処理した。このデータから、例1に記載したTパラメータを得た。この例の塗膜の性能を次の表3−2に示す。
【0181】
【表6】
Figure 2004503820
【0182】
表3−2から判るように、本発明の現像主薬が比較例現像主薬に比べて低いオンセット温度を提供する。このことが好ましい。
【0183】
本発明をその好ましい特定の態様を引用して詳細に記載したが、本発明の精神及び範囲内で種々の変更及び改造が可能であることは、理解されるであろう。

Claims (33)

  1. 以下の構造式Iによって表される化合物を関連して有する画像形成層を含んでなる写真要素:
    Figure 2004503820
    (式中、PUGはヘテロ原子によって当該分子の残部に結合される写真に有用な基であり;
    TIMEはタイミング基であり;
    lは0または1であり;
    mは0または1であるが;
    但し、m=0のときはl=0であり;
    Xは炭素原子、アリール基または複素芳香族基であり;そして
    Yは独立に、置換基から選ばれ、電子供与性または電子吸引性であり、そしてzは0〜7であり;そしてさらに2つのY置換基は結合して環を形成することができる;そして
    LINK1およびLINK2は独立に次の構造を有する連結基であり;
    Figure 2004503820
    ここで、
    Xは炭素またはイオウを表し;
    Yは酸素、イオウまたはN−Rを表し(式中、Rは、置換または未置換のアルキルもしくは置換または未置換のアリールである);
    pは、1または2であり;
    Zは、炭素、酸素またはイオウを表し;
    rは、0または1であるが;
    但し、Xが炭素であるならば、pおよびrは両方共1であり、Xがイオウであるならば、Yは酸素であり、pは2であり、そしてrは0である;
    #は、PUGへの結合を意味し;
    $は、TIMEへの結合を意味する)。
  2. 前記化合物が、次式で表される請求項1に記載の画像形成要素:
    Figure 2004503820
    (上式中の各基は請求項1において規定したものと同じである)。
  3. 前記化合物が、次式で表される請求項1に記載の画像形成要素:
    Figure 2004503820
    (上式中の各基は請求項1において規定したものと同じである)。
  4. 前記PUGが、カプラー、現像抑制剤、漂白促進剤、漂白抑制剤、抑制剤放出型現像主薬、色素または色素前駆体、現像主薬、銀イオン定着剤、電子移動剤、ハロゲン化銀溶剤、ハロゲン化銀錯化剤、レダクトン、画像調色剤、前処理または後処理画像安定化剤、硬膜剤、タンニング剤、カブリ剤、紫外線吸収剤、核形成剤、化学または分光増感剤、減感剤、界面活性剤、またはそれらの前駆体である請求項1に記載の画像形成要素。
  5. 前記PUGが、現像主薬である請求項4に記載の画像形成要素。
  6. 前記現像主薬が、アミノフェノール、フェニレンジアミン、ヒドロキノン、ピラゾリジノンまたはヒドラジンである請求項5に記載の写真要素。
  7. 前記現像主薬が、フェニレンジアミンである請求項6に記載の写真要素。
  8. LINK1およびLINK2が下記群より独立に選ばれる請求項1記載の画像形成要素:
    Figure 2004503820
  9. LINK1およびLINK2が、
    Figure 2004503820
    である請求項8記載の画像形成要素。
  10. TIMEが、(1)芳香族求核置換反応を利用する基;(2)ヘミアセタールの開裂反応を利用する基;(3)共役系に沿った電子移動反応を利用する基;または (4)分子内求核置換反応を用いる基からなる群より選択されるタイミング基である請求項1記載の画像形成要素。
  11. 前記化合物が次式で表される請求項1に記載の画像形成要素:
    Figure 2004503820
    (式中、Zは、OHまたはNRであり、ここでRおよびRは、独立して水素もしくは置換または未置換のアルキル基であるか、またはRおよびRは結合し環を形成し;
    、R、R、およびRは、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシ、カーボンアミド、スルホンアミド、アルキルスルホンアミドまたはアルキルであるか、もしくはRはRと結合し、もしくはRおよび/またはRはRまたはRと結合し、環を形成することができ;
    Xは、炭素原子、アリール基またはヘテロ芳香族基であり;
    Yは、独立して、電子供与性または電子吸引性の両方を含む置換基群から選ばれ;そして
    zは0〜7であり、さらに2つの置換基Yは結合し環を形成することができる)。
  12. 前記化合物が画像形成層中に存在する請求項1の記載の画像形成要素。
  13. 前記要素がフォトサーモグラフィ要素である請求項1に記載の画像形成要素。
  14. 前記フォトサーモグラフィ要素が、感光性ハロゲン化銀乳剤および非感光性有機銀塩酸化剤を含む画像形成層を有する請求項13に記載の画像形成要素。
  15. 前記フォトサーモグラフィ要素が、異なる波長領域においてそれぞれ独立の感度を有する少なくとも3種の感光性単位を含むカラー画像形成要素である請求項13に記載の画像形成要素。
  16. 前記各単位が少なくとも1種の感光性ハロゲン化銀乳剤、バインダー、および色素提供カプラーを含んでなる請求項15に記載の画像形成要素。
  17. 前記画像形成要素がサーモグラフィ画像形成要素である請求項1に記載の画像形成要素。
  18. 前記画像形成要素が、非感光性有機銀塩酸化剤および還元剤を含む少なくとも1つの単位を有する請求項17に記載の画像形成要素。
  19. 請求項1に記載の、像様露光された画像形成要素中の潜像を現像する工程を含んでなる画像形成方法。
  20. 前記現像が、約100℃〜約160℃の間の温度で、約0.5〜約60秒の時間、前記像様露光された要素を加熱する工程を含む請求項19に記載の方法。
  21. 前記現像が、処理液容量が前記写真要素の完全な膨潤に必要な溶液容量の約0.1〜約10倍である溶液で、前記像様に露光された要素を処理することを含む請求項20に記載の方法。
  22. 前記現像が、処理化学物質を含有する積層体シートの適用により達成される請求項20に記載の方法。
  23. 前記現像が、約20〜約100℃の処理温度で行われる請求項20に記載の方法。
  24. 前記処理液が、水性塩基、水性酸または純水である請求項20に記載の方法。
  25. 前記現像が、前記像様の要素を従来型写真処理液で処理することを含む請求項19に記載の方法。
  26. 請求項1記載の像様に露光され現像された画像形成要素を走査し、前記像様露光の第一の電子画像表示を形成する工程を含む画像形成法。
  27. 請求項1記載の像様露光され、現像され、そして走査された画像形成要素から形成された第一の電子画像表示をデジタル処理してデジタル画像を形成する工程を含んでなる画像形成方法。
  28. 請求項1記載の像様露光され、現像され、そして走査された画像形成要素から形成された第一の電子画像表示を変えて第二の電子画像表示を形成する工程を含んでなる画像形成方法。
  29. 請求項1記載の像様露光され、現像され、そして走査された画像形成要素に由来する電子画像表示を、保存、転送、印刷または表示することを含んでなる画像形成方法。
  30. 前記画像の印刷が、次の印刷技法:電子野心法、インクジェット法、感熱色素昇華法、また増感写真ペーパーに対するCRTもしくはLEDプリント法のいずれかを用いて達成される請求項29に記載の方法。
  31. 熱活性時に写真に有用な基を放出することができる請求項1に記載の化合物を有する像様露光された写真要素を熱現像して、現像された画像を形成させること;
    前記現像された画像を走査して前記現像された画像から第一の電子画像表示を形成させること;
    前記第一電子記録をデジタル処理してデジタル画像を形成させること;
    前記デジタル画像を変えて第二の電子画像表示を形成させること;そして
    前記第二の電子画像表示を保存、転送、印刷または表示すること
    の各工程を含んでなる請求項30に記載の方法。
  32. 以下の構造式Iによって表される画像形成要素に有用な化合物:
    Figure 2004503820
    (式中、PUGはヘテロ原子によって当該分子の残部に結合される写真に有用な基であり;
    TIMEはタイミング基であり;
    lは0または1であり;
    mは0または1であるが;
    但し、m=0のときはl=0であり;
    Xは炭素原子、アリール基または複素芳香族基であり;そして
    Yは独立に、置換基から選ばれ、電子供与性または電子吸引性であり、そしてzは0〜7であり;そしてさらに2つのY置換基は結合して環を形成することができる;そして
    LINK1およびLINK2は独立に次の構造を有する連結基であり;
    Figure 2004503820
    ここで、
    Xは炭素またはイオウを表し;
    Yは酸素、イオウまたはN−Rを表し(式中、Rは、置換または未置換のアルキルもしくは置換または未置換のアリールである);
    pは、1または2であり;
    Zは、炭素、酸素またはイオウを表し;
    rは、0または1であるが;
    但し、Xが炭素であるならば、pおよびrは両方共1であり、Xがイオウであるならば、Yは酸素であり、pは2であり、そしてrは0である;
    #は、PUGへの結合を意味し;
    $は、TIMEへの結合を意味する)。
  33. 前記化合物が次式の構造によって表される請求項32に記載の化合物:
    Figure 2004503820
    (上式中の各基は請求項32において規定したものと同じである)。
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