JP2003222231A - 車両の走行方向判別装置 - Google Patents

車両の走行方向判別装置

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JP2003222231A JP2002018552A JP2002018552A JP2003222231A JP 2003222231 A JP2003222231 A JP 2003222231A JP 2002018552 A JP2002018552 A JP 2002018552A JP 2002018552 A JP2002018552 A JP 2002018552A JP 2003222231 A JP2003222231 A JP 2003222231A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両が前進状態にあるか後進状態にあるかの
判別を確実に行うことのできる車両の走行方向判別装置
を提案する 【解決手段】 トルクコンバータをロックアップするた
めのロックアップ手段を有する有段自動変速機を具える
車両において、車輪の回転速度を検出する車輪回転速度
検出手段と、エンジンの回転速度を検出するエンジン回
転速度検出手段と、前記車輪回転速度検出手段により検
出した車輪の回転速度と、前記エンジン回転速度検出手
段により検出したエンジンの回転速度とから前記自動変
速機の変速ギヤ比を推定する変速ギヤ比推定手段とを具
え、前記変速ギヤ比推定手段により推定した変速ギヤ比
が、トルクコンバータのスリップの有無によって取り得
る有段変速機の前進変速ギヤ比の幅と後進変速ギヤ比の
幅とのオーバーラップ領域内の値である場合、前記ロッ
クアップ手段により前記トルクコンバータをロックアッ
プし、このロックアップ状態で前記変速ギヤ比推定手段
により推定した変速ギヤ比に基づき、車両が前進状態、
後進状態のいずれであるかを判別するよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機を具え
る車両の挙動制御において、当該車両が前進状態にある
か後進状態にあるかを判別するための走行方向判別装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】旋回時等において車両の挙動が不安定に
なることを防ぐための挙動制御は、車輪にブレーキをか
けたり、エンジン出力制御を行うこと等により行ってい
るが、後進時には挙動制御を実行しないようにするた
め、車両が前進しているか、あるいは後進しているかの
方向判別を行う必要がある。
【0003】従来の方向判別方法としては、ステアリン
グホイールの実際の操舵角方向と旋回時に発生するヨー
レートから推定した操舵角方向とを比較し、両者の方向
が同じで有れば前進、異なれば後進と判断する方法、エ
ンジン回転数と車輪回転数とから変速ギヤ比を推定し、
その値が前進ギヤ比のものか、後進ギヤ比のものかを判
断する方法および、両者を組み合わせて判断する方法が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前者に
は、いわゆるカウンターステアを当てた状態のように、
ステアリングホイールの実際の操舵角の方向とヨーレー
トから推定した操舵角の方向とが異なる場合には、車両
が前進しているにもかかわらず後進していると判断して
しまうおそれがあった。また後者には、前進第1段(1
速)のギヤ比に対応する最適なエンジン回転数と車速の
範囲と、後進ギヤ比に対応する最適なエンジン回転数と
車速の範囲が重なる、あるいは非常に近接している場合
には、前進と後進との判別が正確にできなくなるおそれ
があるという問題があった。
【0005】本発明の目的は、上記の問題点に鑑み、車
両が前進状態にあるか後進状態にあるかの判別を確実に
行うことのできる車両の走行方向判別装置を提案するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1に記載
の第1発明による車両の走行方向判別装置は、トルクコ
ンバータをロックアップするためのロックアップ手段を
有する有段自動変速機を具える車両において、車輪の回
転速度を検出する車輪回転速度検出手段と、エンジンの
回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段と、前記
車輪回転速度検出手段により検出した車輪の回転速度
と、前記エンジン回転速度検出手段により検出したエン
ジンの回転速度とから前記自動変速機の変速ギヤ比を推
定する変速ギヤ比推定手段とを具え、前記変速ギヤ比推
定手段により推定した変速ギヤ比が、トルクコンバータ
のスリップの有無によって取り得る有段変速機の前進変
速ギヤ比の幅と後進変速ギヤ比の幅とのオーバーラップ
領域内の値である場合、前記ロックアップ手段により前
記トルクコンバータをロックアップし、このロックアッ
プ状態で前記変速ギヤ比推定手段により推定した変速ギ
ヤ比に基づき、車両が前進状態、後進状態のいずれであ
るかを判別するよう構成したことを特徴とするものであ
る。
【0007】請求項2に記載の第2発明による車両の走
行方向判別装置は、前記第1発明において、車両の駆動
力を制限する駆動力制限手段を具え、前記変速ギヤ比推
定手段により推定した変速ギヤ比が前記オーバーラップ
領域内の値である時に行うトルクコンバータの前記ロッ
クアップを、前記駆動力制限手段により駆動力が制限さ
れている場合に限って許可するよう構成したことを特徴
とするものである。
【0008】
【発明の効果】請求項1に記載の第1発明による車両の
走行方向判別装置においては、エンジン回転速度と車輪
の回転速度とから推定したギヤ比が、トルクコンバータ
のスリップの有無によって取り得る前進変速ギヤ比の範
囲と後進変速ギヤ比の範囲とがオーバーラップする領域
内にあった場合に、自動変速機のトルクコンバータをロ
ックアップし、その後ロックアップ状態において再度変
速ギヤ比の推定を行い、車両が前進状態にあるか後進状
態にあるかの判別を行うこととしている。
【0009】通常、有段自動変速機の各変速段に対応す
るギヤ比の値は、自動変速機のトルクコンバータをロッ
クアップしていない状態とロックアップした状態との間
で、すなわちトルクコンバータのスリップの有無によっ
てある程度の幅を有したものとなっている。そのため、
自動変速機によっては、前進第1段のギヤ比の範囲と後
進ギヤ比の範囲とが重なり合う場合がある。
【0010】それゆえ、本発明においては、両者を明確
に区別して走行判別を確実なものとするためにトルクコ
ンバータをロックアップし、改めてギヤ比の推定を行う
こととしている。その結果、確実に前後進の判別が確実
に行うことが可能となる。
【0011】また請求項2に記載の発明による車両の走
行方向判別装置においては、駆動力制限手段を用いたブ
レーキ制御やエンジン制御によって車両の駆動力が制限
されている場合にトルクコンバータをロックアップする
こととしている。
【0012】すなわち、トルクコンバータのロックアッ
プを必要な時にのみ行うことから、不必要なロックアッ
プ動作によって車両が加速不足となることを防ぐことが
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施形態について説明する。
【0014】図1は、本発明の一実施形態に係る方向判
別装置を具える車両のパワートレーンおよびその制御シ
ステムの構成を概略示すブロック図である。パワートレ
ーンはエンジン1と、トルクコンバータ2と、有段式自動
変速機3とで構成する。有段式自動変速機3はトルクコン
バータ2を経てエンジン1からの回転を入力され、入力回
転を変速比に応じて変速して図示しない車輪へ向けて出
力するものである。
【0015】本実施形態における有段式自動変速機3
は、コントロールバルブボディ4に設けた図示しない多
数のソレノイドを変速機コントローラ5からの変速指令
に応答して動作させ、変速指令に応じた所望の変速比に
なるように制御されるものである。
【0016】変速機コントローラ5は、上記変速指令を
決定するため、また後述するトルクコンバータ2のロッ
クアップ制御を行うため、エンジン要求負荷を表すスロ
ットル開度TVOを検出するスロットル開度センサからの
信号と、エンジン回転数Re(トルクコンバータ入力回転
数)を検出するエンジン回転数センサからの信号と、タ
ービンランナの回転数Nt(トルクコンバータ出力回転
数)を検出するタービン回転センサからの信号と、車速
Viを検出するために車輪速センサからの信号とをそれぞ
れ入力する。なお、図ではこれらセンサは省略してい
る。
【0017】変速機コントローラ5は、これら入力情報
に基づいて、予め設定した変速マップを基にエンジン回
転数Reと車速Viに応じた変速ギヤ比を求め、この変速ギ
ヤ比を上記の変速指令としてコントロールバルブボディ
4に設けたソレノイドへ供給することにより変速制御を
行うものとする。また変速機コントローラ5は、後述す
る方向判別装置からトルクコンバータ2のロックアップ
指令が出された場合、コントロールバルブボディ4に設
けたロックアップソレノイド6を動作させてトルクコン
バータ2をロックアップする。
【0018】また図示の制御システムは、車両挙動コン
トローラ10および方向判別装置20をさらに具えている。
車両挙動コントローラ10は、車両の挙動が不安定になる
ことを防止するために制動力や駆動力を適切に制御する
ものである。
【0019】次に方向判別装置20は、現在車両が前進状
態、後進状態のいずれの状態にあるかの判別を行うもの
であり、ギヤ比推定部21、方向判別部22および挙動制御
判別部23からなる。ギヤ比推定部21は車輪速センサ24か
ら得られる車輪速および、エンジン回転数センサ25から
得られるエンジン回転数に基づき、有段式自動変速機3
における現在の変速ギヤ比を推定する。方向判別部22は
ギヤ比推定部21で推定した変速ギヤ比に基づいて、後述
する処理手順により車両の方向判別、すなわち前進、後
進いずれの状態にあるかの判別を行い、その結果に基づ
いて変速機コントローラ5に対してトルクコンバータ2の
ロックアップ制御を行うように指令を送る。また挙動制
御判別部23は、車両挙動コントローラ10の動作状況をチ
ェックし、現在車両の挙動制御が行われているか否かを
判別する。さらに方向判別部22は挙動制御判別部23にお
ける車両挙動コントローラ10の動作状況チェックの結果
に基づき、変速機コントローラ5に対してロックアップ
制御許可指令またはロックアップ制御禁止指令を送る。
【0020】図2は方向判別装置20における方向判別処
理手順を示すフローチャートである。以下、その手順を
説明する。なお、ここでは後輪駆動の車両における処理
手順について説明する。また、この処理手順に基づくプ
ログラムは一定時間毎の定時割り込みにより実行される
ものとする。
【0021】まずステップS11において車輪速センサ24
から各車輪の車輪速VWFL,VWFR,VWR L,VWRRを読み込
む。次いでステップS12においては、前記車輪速から車
速Viを求め、このViと、車両挙動コントローラにおいて
車両挙動制御を行う際の最低車速として予め設定されて
いる速度値VTHとを比較する。なお車速Viは車両の従動
輪の左右車輪速の平均値から求めるものとする。ここで
ViとVTHとを比較し、ViがV TH以上であれば次のステップ
S13へ進み、ViがVTH以下であれば処理を終了する。
【0022】ステップS13では左右駆動輪の平均車輪速V
RRを求める。ここでは後輪駆動車を例に取っていること
から、VRRは次式に示すように左右後輪の各車輪速の平
均値となる。
【数1】
【0023】ステップS14では先のステップS13で求めた
駆動輪の平均車輪速VRRとエンジン回転数センサ25で検
出したエンジン回転数Reとから有段式自動変速機3にお
ける推定ギヤ比εを次式により求める。
【数2】 但し、Kは定数
【0024】ステップS15では先のステップS14で求めた
推定ギヤ比εを、図3に示すエンジン回転数と車速に対
応する最適な変速ギヤ比を示すマップを参照して、推定
ギヤ比εがマップのどの領域に入っているかを判断す
る。
【0025】図3に示すように、有段式自動変速機3にお
いて取り得る各変速ギヤ比の値は、自動変速機3のトル
クコンバータ2のスリップの有無によってある程度の幅
を有したものとなっている。そのため、ここでは前進1
速と後進の場合のみを示しているが、それぞれトルクコ
ンバータ2をロックアップしていない状態とロックアッ
プした状態との間で、各変速ギヤ比に対応したエンジン
回転数と車速の範囲に幅があり、しかもこれらの範囲を
示す領域が互いに重なり合う場合がある(図3の領域
B)。
【0026】そのため、先に求めた推定ギヤ比εがこう
した領域に入っている場合、正確な前後進の判別ができ
なくなる可能性がある。そこで、まずステップS15にお
いては推定ギヤ比εが図3に示す領域Aに入っているか否
か、すなわちトルクコンバータをロックアップした状態
(直結)における後進のギヤ比εRと、トルクコンバー
タをロックアップした状態における前進1速のギヤ比ε
1との間に入っているか否かを判断する。
【0027】ここで、推定ギヤ比が領域Aに入っていた
場合には後進ギヤに入っている、すなわち後進状態にあ
ると判断し、ステップS16へ進む。もし、領域Aに入って
いなければステップS17へ進む。
【0028】ステップS16では前進/後進判断フラグFPe
の値を1にセットする。なお、ここではフラグFPeの値が
0の時は前進、1の時は後進としている。このフラグの値
は、後に変速機コントローラ5へロックアップ制御の実
行/解除や車両挙動コントローラ10へ挙動制御の許可/
禁止を指令するために利用されるものである。このステ
ップS16で前進/後進判断フラグFPeの値を1にセットし
た後、次のステップS18へ進む。
【0029】一方ステップS17では推定ギヤ比εとトル
クコンバータ2をロックアップした状態における前進1
速のギヤ比ε1とを比較する。ここでεがε1以上であれ
ば前進1速もしくは後進のいずれかに入っている、すな
わち図6の領域Bに入っている可能性があると判断する。
この場合、さらに正確な前後進判断を行うためにステッ
プS19へ進む。逆に推定ギヤ比εが前進1速のギヤ比ε1
よりも小さいと判断した場合、すなわち推定ギヤ比εが
図6の領域Aにも、また領域Bにも入っていないと判断し
た場合には、自動変速機が2速以上の状態にあるものと
してステップS20へ進む。
【0030】ステップS16に続くステップS18では、先の
前進/後進判断フラグFPeの値に基づいてトルクコンバ
ータ2に対するロックアップ要求を解除する。これは、
車両挙動コントローラ10を通じて変速機コントローラ5
に対してロックアップ要求を解除するための信号を送信
することにより行うことができる。このステップS18で
ロックアップ要求を解除した後、ステップS21へ進む。
【0031】ステップS17に続くステップS19では、車両
挙動コントローラ10に対して挙動制御要求が出されてい
るか否かをチェックする。これは、通常の走行時におい
てトルクコンバータ2をロックアップした場合に加速性
能が低下する可能性があるためであり、それゆえ挙動制
御要求が出されている場合にのみロックアップを行うこ
ととするためである。挙動制御中にトルクコンバータ2
をロックアップしても、駆動輪はトルクを上昇させるこ
とはなく、したがって車両の挙動に悪影響を及ぼすこと
はない。また、挙動制御を行うような状況では加速性を
要求されることはないため、ロックアップによる影響は
無視できるからである。
【0032】このステップS19において、車両挙動コン
トローラ10に対して挙動制御要求が出されていると判断
した場合にはステップS22へ進み、挙動制御要求が出さ
れていないと判断した場合にはステップS21へ進む。
【0033】ステップS18に続くステップS21において
も、車両挙動コントローラ10に対して挙動制御要求が出
されているか否かをチェックする。このステップS21に
おいて、車両挙動コントローラ10に対して挙動制御要求
が出されていると判断した場合にはステップS27へ進
み、挙動制御要求が出されていないと判断した場合には
処理を終了する。
【0034】ステップS17で推定ギヤ比εが2速以上の値
であると判断した場合に進むステップS20においてはト
ルクコンバータ2のロックアップ制御を解除する。推定
ギヤ比εが2速以上の場合には車両が前進状態にあるこ
とは明らかであることから、ロックアップ制御を解除す
るものである。ロックアップ制御の解除は、方向判別装
置20から変速機コントローラ5に対してロックアップ制
御解除指令を出力することにより実行可能である。ロッ
クアップ制御の解除を行った後、ステップS25へ進む。
【0035】一方、ステップS19から続くステップS22に
おいてはトルクコンバータ2のロックアップ制御要求を
行う。これは、推定ギヤ比εが図6の領域B内に入ってい
る場合には、それまでに得られている情報からは車両が
前進・後進いずれかの状態にあるかを判断することがで
きないため、トルクコンバータ2をロックアップして再
度推定ギヤ比εが前進・後進のいずれの領域に入るかを
判断するためである。
【0036】もし、車両が後進状態にある、すなわち有
段式自動変速機3における実際の変速ギヤ比が後進時の
ギヤ比であり、推定ギヤ比εが図3の領域Bにあった場合
には、トルクコンバータ2をロックアップして再度ギヤ
比の推定を行うと、推定ギヤ比εは図3の領域Aに入るこ
ととなる。それによって再度求めた推定ギヤ比εの値か
ら、現在車両が後進状態にあると判断することができ
る。
【0037】逆に車両が前進状態にある、すなわち有段
式自動変速機3における実際の変速ギヤ比が前進第1速の
ギヤ比であり、推定ギヤ比εが図3の領域Bにあった場合
には、トルクコンバータ2をロックアップして再度ギヤ
比の推定を行うと、推定ギヤ比εは図3の領域Aには入ら
ないこととなる。それによって再度求めた推定ギヤ比ε
の値から、現在車両が前進状態にあると判断することが
できる。
【0038】したがって、本ステップS22においてトル
クコンバータ2に対するロックアップ要求を出力するも
のである。このロックアップ要求を変速機コントローラ
5に対して送信することにより、トルクコンバータ2のロ
ックアップが行われる。その後、ステップS23へ進む。
【0039】ステップS23では再度推定ギヤ比の演算を
行う。ここで得られる推定ギヤ比εは、前のステップS2
2での処理によってトルクコンバータのロックアップが
行われた状態における値である。
【0040】続くステップS24では前のステップS23で求
めた推定ギヤ比εを、トルクコンバータ2をロックアッ
プした状態における前進1速のギヤ比εとを比較す
る。ここで両者が等しければ前進1速であると判断し、
ステップS25へ進む。一方、推定ギヤ比εが前進1速の
ギヤ比εに等しくない場合には後進状態にあると判断
し、ステップS26へ進む。
【0041】ステップS25では前進/後進判断フラグFPe
の値を0にセットする。それによって以後の処理は車両
が前進状態にあるものとして行われることとなる。前進
/後進判断フラグFPeの値を0にセットした後、ステップ
S21へ進む。
【0042】先のステップS24で後進状態にあると判断
した場合には、ステップS26において前進/後進判断フ
ラグFPeの値を1にセットする。それによって以後の処理
は車両が後退状態にあるものとして行われることとな
る。このステップS26での処理が終了した後、ステップS
21へ進む。
【0043】ステップS21において車両挙動コントロー
ラ10に対して挙動制御要求が出されていると判断した場
合に処理が行われるステップS27では、前進/後進判断
フラグFPeの値に基づき、車両が前進・後進いずれの状
態にあるかを判断する。ここで、FPe=0であった場合に
は車両が前進状態にあると判断しステップS28へ進み、
車両挙動制御の実行を許可する。一方FPe=1であった場
合には車両が後進状態にあると判断し処理を終了する。
【0044】以上説明したように、本装置によれば、現
在の推定ギヤ比では方向判別が困難な場合にトルクコン
バータをロックアップして再度推定ギヤ比を求めて判断
するため、車両が前進状態、後進状態のいずれにあるか
の方向判別を確実に行うことが可能である。
【0045】特に、本装置はトルクコンバータのロック
アップを必要な時にのみ行うことから、不必要なロック
アップ動作によって車両が加速不足となることをも防ぐ
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る方向判別装置を具
える車両のパワートレーンおよびその制御システムの構
成を概略示すブロック図である。
【図2】 本発明に係る方向判別装置における方向判別
処理手順を示すフローチャートである。
【図3】 自動変速機の各変速ギヤ比に対応する最適な
エンジン回転数と車速を示すマップである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 トルクコンバータ 3 有段式自動変速機 4 コントロールバルブボディ 5 変速機コントローラ 6 ロックアップソレノイド 10 車両挙動コントローラ 20 方向判別装置 21 ギヤ比推定部 22 方向判別部 23 挙動制御判別部 24 車輪速センサ 25 エンジン回転数センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トルクコンバータをロックアップするた
    めのロックアップ手段を有する有段自動変速機を具える
    車両において、 車輪の回転速度を検出する車輪回転速度検出手段と、 エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度検出手
    段と、 前記車輪回転速度検出手段により検出した車輪の回転速
    度と、前記エンジン回転速度検出手段により検出したエ
    ンジンの回転速度とから前記自動変速機の変速ギヤ比を
    推定する変速ギヤ比推定手段とを具え、 前記変速ギヤ比推定手段により推定した変速ギヤ比が、
    トルクコンバータのスリップの有無によって取り得る有
    段変速機の前進変速ギヤ比の幅と後進変速ギヤ比の幅と
    のオーバーラップ領域内の値である場合、前記ロックア
    ップ手段により前記トルクコンバータをロックアップ
    し、 このロックアップ状態で前記変速ギヤ比推定手段により
    推定した変速ギヤ比に基づき、車両が前進状態、後進状
    態のいずれであるかを判別するよう構成したことを特徴
    とする、車両の走行方向判別装置。
  2. 【請求項2】 車両の駆動力を制限する駆動力制限手段
    を具え、前記変速ギヤ比推定手段により推定した変速ギ
    ヤ比が前記オーバーラップ領域内の値である時に行うト
    ルクコンバータの前記ロックアップを、前記駆動力制限
    手段により駆動力が制限されている場合に限って許可す
    るよう構成したことを特徴とする請求項1記載の車両の
    走行方向判別装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009234430A (ja) * 2008-03-27 2009-10-15 Nissin Kogyo Co Ltd 車両制御装置
JP2012047542A (ja) * 2010-08-25 2012-03-08 Advics Co Ltd 車両の前進判定装置及び車両の前進判定方法
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