JP2003220342A - 排ガス浄化用フィルター - Google Patents

排ガス浄化用フィルター

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JP2003220342A
JP2003220342A JP2002326900A JP2002326900A JP2003220342A JP 2003220342 A JP2003220342 A JP 2003220342A JP 2002326900 A JP2002326900 A JP 2002326900A JP 2002326900 A JP2002326900 A JP 2002326900A JP 2003220342 A JP2003220342 A JP 2003220342A
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exhaust gas
pores
catalyst
particulates
filter
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JP2002326900A
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Yasushi Araki
康 荒木
Tatsuji Mizuno
達司 水野
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 隔壁内部の気孔内部でパーティキュレートを
燃焼除去できるウォールフロー型排ガス浄化用フィルタ
ーを提供する。 【解決手段】 排気流方向に形成された多数のセルを有
し、排ガス入口端においてセルが1個おきに栓詰めされ
ておりかつこの入口端で栓詰めされているセルは排ガス
出口端では開放されており、入口端が開放されているセ
ルは出口端では栓詰めされているウォールフロー型排ガ
ス浄化用フィルターにおいて、前記セルの間の隔壁内部
に平均径25〜40μmの気孔が形成され、この気孔内に触
媒(16)が担持されていることを特徴とするウォール
フロー型排ガス浄化用フィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス浄化用フィ
ルターに関する。さらに詳しく述べるならば、本発明
は、ディーゼルエンジン等の排ガス中に含まれるパーテ
ィキュレートを捕集して処理するウォールフロー型排ガ
ス浄化用フィルターにおいて、その隔壁内部の気孔表面
に触媒を担持させ、気孔内部でパーティキュレートを燃
焼、除去するウォールフロー型排ガス浄化用フィルター
に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル排ガスによる環境汚染におい
て問題となっているのはNOxとパーティキュレートで
ある。このパーティキュレートとは、微粒子状物質の意
であり、主として固体状炭素微粒子(SOOT)と有機
溶媒可溶分(SOF)からなっている。このパーティキ
ュレートの処理手段としては、現在、図1に示すような
ウォールフロー型フィルター1が一般に用いられてい
る。このフィルターは、多数のセル(貫通孔)の両端の
うちの一方において交互にプラグ2で栓詰めが施されて
おり、排ガスの入口端において栓詰めされているセル3
は出口端では開放され、逆に入口端で開放されているセ
ル4は出口端で栓詰めされている構造を有している。そ
してこの互いに隣り会うセルの隔壁5には、排ガスは通
過できるがパーティキュレートは通過できない程度の細
孔が存在している(例えば特許文献1参照)。
【0003】このような構造のフィルターに排ガスが流
入すると、図1Bに示すように、入口端が開放されてい
る排ガス入口側のセル4に流入した排ガス6は必ず隔壁
5を通過するため、この排ガス入口側のセルの隔壁上で
パーティキュレートは捕集される。捕集されたパーティ
キュレートはヒータ加熱等により着火燃焼するか、又は
フィルターに担持させた触媒の作用によって自己燃焼さ
せることによって除去される。
【0004】パーティキュレートをフィルターに担持さ
せた触媒の作用によって自己燃焼させる排ガス浄化用フ
ィルターは、図2に示すように、従来はフィルター本体
7のセルの内面上にコート層8を形成し、そのコート層
8上に触媒9を担持させた構造であった(例えば特許文
献2参照)。また、特許文献1に記載のように、排ガス
入口側のセルの隔壁表面のみに触媒を担持させ、排ガス
出口側のセルの隔壁表面には触媒を担持させないように
したものもある。
【0005】
【特許文献1】特開昭59−211708号公報(第1
〜3頁、第1図、第3図)
【特許文献2】特開平1−318715号公報(第1〜
3頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この提
案されたフィルターでは、セルの隔壁表面においてパー
ティキュレートを触媒作用により燃焼させ処理している
が、この表面ではパーティキュレートの燃焼熱が放出し
やすく、燃焼の継続性が悪い。そのため燃焼により除去
されるパーティキュレートよりもセルに流入するパーテ
ィキュレートの方が多く、結局、隔壁表面上に堆積して
しまう。この堆積したパーティキュレートは触媒と接触
することができず、触媒作用による除去は不可能であ
る。このように徐々にパーティキュレートが堆積するこ
とにより、排ガスの隔壁の通過をも阻害し、フィルター
の圧損が増大して使用不能になってしまう。また、隔壁
の表面にのみ触媒を担持させただけでは触媒量は十分で
はなく、従って触媒作用も満足なものではなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに1番目の発明によれば、排気流方向に形成された多
数のセルを有し、排ガス入口端においてセルが1個おき
に栓詰めされておりかつこの入口端で栓詰めされている
セルは排ガス出口端では開放されており、入口端が開放
されているセルは出口端では栓詰めされているウォール
フロー型排ガス浄化用フィルターにおいて、前記セルの
間の隔壁内部に平均径25〜40μmの気孔が形成され、こ
の気孔内に触媒が担持されている。
【0008】また、2番目の発明では、上記問題点を解
決するために1番目の発明において、気孔内の表面に触
媒担持用のコート層を形成させている。
【0009】また、3番目の発明では、上記問題点を解
決するために1番目又は2番目の発明において、NO2
の形で吸収したNOx成分を所定温度以上において放出
するNOx吸収材を前記気孔内に担持させている。
【0010】また、4番目の発明では、上記問題点を解
決するために1番目又は2番目の発明において、吸着し
たHCを所定温度以上において放出するHC吸着材を、
前記隔壁の厚み方向の排ガス入口側の気孔内もしくは排
ガス入口側のセルの隔壁表面に被覆させている。
【0011】また、5番目の発明では、上記問題点を解
決するために1番目又は2番目の発明において、酸化触
媒を、排ガス出口側のセルの隔壁表面に担持させてい
る。
【0012】1番目の発明では、フィルターの隔壁内の
気孔内表面に触媒が担持されており、気孔内に流入した
パーティキュレートが気孔内において排ガス中のNO2
と触媒上で反応し燃焼する。フィルター材料は伝熱性が
低く、かつパーティキュレートの燃焼場を、気孔内とい
うほぼ閉塞された空間内に設けているため、燃焼熱はこ
の気孔内にこもり、この気孔内にこもった熱はさらなる
パーティキュレートの燃焼を促進する。このようにパー
ティキュレートの燃焼効率が高いため、セルの排ガス流
入側の隔壁表面にパーティキュレートが堆積する前にパ
ーティキュレートは気孔内に流入し、次々に燃焼除去さ
れるため、パーティキュレートの堆積による圧損上昇と
いう問題もない。
【0013】2番目の発明では、気孔内の表面触媒担持
用のコート層を形成させておくことにより、気孔内の触
媒担持量を増やすことができる。
【0014】3番目の発明では、NOx吸収材を担持さ
せておくことにより、低温時においてはパーティキュレ
ートの燃焼に寄与しないNOやNO2はこのNOx吸収
材に吸収される。気孔内においてパーティキュレートの
燃焼に伴い温度が上昇すると、この吸収されたNOやN
2はNO2として放出され、パーティキュレートと反応
する確率が高くなり、パーティキュレートの燃焼性をよ
り向上することができる。また、NOx吸収材をパーテ
ィキュレートの燃焼場である気孔内に担持させることに
より、パーティキュレートの燃焼による昇温がNO2
促し、それが更にパーティキュレートの燃焼を加速させ
ることになる。さらに、NOx吸収材の存在により、燃
焼によって生成したNOのNO2への変化を促進するこ
ともできる。
【0015】4番目の発明では、HCは低温時において
HC吸着材に吸着され、パーティキュレートの燃焼によ
る温度上昇により放出される。この放出されたHCは気
孔内の触媒の作用によって燃焼し、気孔内の温度を上昇
させるため、パーティキュレートの燃焼を促進する。フ
ィルター上にHC吸着材を直接配置することにより、パ
ーティキュレートの燃焼による温度変化に従ったHCの
吸着放出作用を行わせることができる。
【0016】パーティキュレートを気孔内に流入させる
ために、触媒担持用のコート層を薄くせざるをえず、そ
の結果、総触媒担持量が少なくなり、HCの酸化能が不
足することがある。5番目の発明では、隔壁の排ガス出
口側のセルの隔壁表面に酸化触媒を担持させておくこと
により、この問題が解決される。さらに、パーティキュ
レートは排ガス出口側の気孔内に堆積するが、酸化触媒
を排ガスの出口側のセルの隔壁表面に担持させるため、
パーティキュレートの堆積によるHCと酸化触媒の接触
確率の低下がなく、パーティキュレートの燃焼熱の伝熱
によって触媒の活性を維持することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、その一実施例を
示す添付図面を参照して説明する。本発明のウォールフ
ロー型排ガスフィルターは、以下のようにして製造され
る。まず、図3に示すようなコーティング装置を用い
て、フィルターに触媒担持用のコート層を形成する。図
3において、1はウォールフロー型フィルターであり、
細孔容積0.58〜0.65cc/g、気孔平均径25〜35μm のコー
ジェライトを用いた。本発明においては、このウォール
フロー型フィルターとしては、例えば自動車等における
ような高温の排ガスを濾過するものであり、このフィル
ターを形成する材料としてはこの高温の排ガスに耐える
耐熱性を有する従来より使用されているものを使用する
ことができる。その例として、上記のコージェライトの
他に、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、シリ
カ−アルミナ、アルミナ−ジルコニア、アルミナ−チタ
ニア、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニア、チタニ
ア−ジルコニア、ムライト等のセラミックスが挙げられ
る。
【0018】このフィルターの形状と大きさはその用途
・目的等に応じて種々のものを調製し用いることができ
る。ウォールフロー型フィルターは排ガスの流通方向に
多数のセルを有し、このセルとセルの間の隔壁には図4
に示すような排ガスが通過できる程度の微小な気孔が多
数存在している。従来使用されているウォールフロー型
フィルターでは、排ガス入口側のセルの隔壁上14にお
いてパーティキュレートを濾過していたため、気孔はパ
ーティキュレートが通過できない程度の大きさにされて
いた。本発明においては、この気孔内にパーティキュレ
ートを導入し、この気孔内でパーティキュレートの燃焼
場を提供するものである。従って、気孔の大きさは、パ
ーティキュレートが流入できる程度の大きさにする。具
体的には、パーティキュレートの平均粒径は10〜30nmで
あり、またパーティキュレートは通常直鎖状につながっ
ているため、気孔の大きさはこれより大きくすることが
好ましく、望ましくは25〜40μm 程度である。また、気
孔は互いに細い通路を介してつながっているため、気孔
の大きさはかなり大きくてもこの通路においてトラップ
され、隔壁を通過することはほとんどない。さらに、パ
ーティキュレートをより多く気孔内に入れるため、排ガ
スの入口側の気孔の大きさを大きく、そして排ガスの出
口側の気孔の大きさを小さくすることがより好ましい。
【0019】上記のような十分な大きさの気孔を確保す
るため、コート層は薄く形成することが必要とされる。
そのため、コート層の形成は以下のようにして行う。ま
ず、ウォールフロー型フィルター1の排ガス出口端10
のみにおいてプラグ2によりセルに交互に栓詰めを施
す。そして図3に示すように、この栓詰めを施した排ガ
ス出口端10が鉛直方向の上側となるようにしてフィル
ターを設置し、排ガス出口端10のうち栓詰めの施され
ていないセルからコーティング液11を流し込む。コー
ティング液11としては、粘度100cps以下のアルミナを
用いた。このコーティング液としては、このアルミナ以
外に、触媒担持用に一般的に用いられている、多孔質で
かつ表面積の大きなもの、例えばシリカ、チタニア、チ
タニア−アルミナ、チタニア−シリカ等のセラミックス
の溶液を使用することができる。
【0020】セルの排ガス入口端12には栓詰めが施さ
れていないため、多くのコーティング液はセルの下方端
から流れ出る。しかしながら、図5に示すように、セル
の隔壁に沿って流れ落ちるコーティング液11は毛細管
現象によって隔壁の厚み方向の排ガス出口側15から排
ガス入口側14に向かって隔壁5に浸透し、隔壁内の気
孔表面を覆いコート層8を形成する。このようなコート
層8の形成においては、フィルターの気孔の大きさ、コ
ーティング液の比重、固体含量、粘度等により実施条件
は異なるが、いずれにしてもこれらの条件を適宜調節す
ることにより、毛細管現象により気孔内にコーティング
液が浸透するようにすればよい。ただし、コート層が排
ガスの通過を妨げかつパーティキュレートの侵入を妨げ
るほどに気孔を詰まらせないようにすることが必要であ
る。また、図3に示すように、コーティング液の浸透を
促進するため、ポンプ(図示せず)を用いて13よりコ
ーティング液を吸引してもよい。
【0021】このコート方法を用いることにより、排ガ
スの出口側からコーティング液11を隔壁に浸透させて
コート層を形成するため、隔壁内の排ガス出口側の気孔
のコート層の厚さを排ガス入口側の気孔のコート層の厚
さよりも厚くすることが容易であり、結果として隔壁内
の排ガス出口側の気孔の大きさを排ガス入口側の気孔の
大きさよりも小さくすることが容易にできる。すなわ
ち、パーティキュレートの気孔への流入を容易にし、か
つパーティキュレートの通過を防ぐことができる。ま
た、気孔全体を均一にコート層で覆うこともできる。さ
らに、隔壁の排ガス出口側からコーティング液を浸透さ
せてコート層を形成するため、隔壁内の排ガス入口側の
気孔をコート層で詰まらせてしまうことを容易に防ぐこ
とができる。
【0022】こうしてコート層を形成した後、フィルタ
ー1を装置から取り外し、排ガス入口端において、排ガ
ス出口端が栓詰めの施されていないセルに栓詰めを施
す。次いで常法により乾燥、焼成を行う。
【0023】こうしてウォールフロー型フィルターの隔
壁内の気孔の表面上に均一にコート層を形成した後、触
媒を担持させると、気孔の表面上に触媒を担持させるこ
とができる。触媒としては、通常使用されている貴金
属、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等を用いるこ
とができる。触媒の担持は、常法により行うことがで
き、例えば、触媒を含むスラリーに含浸し、乾燥・焼成
することよってによって行われる。この触媒の担持にお
いて、上記のコート層を形成したフィルターの排ガス入
口端から触媒を含むスラリーを流し込んで行うことが好
ましい。図5に示すように、フィルターの排ガス入口側
14にはコート層8はほとんど形成されておらず、従っ
てこの排ガス入口側14から触媒を含むスラリーを浸透
させると、排ガス入口側付近にはほとんど触媒は担持さ
れず、その多くは気孔内に担持されることになるからで
ある。
【0024】触媒担持用のコート層を気孔内において均
一にすれば、触媒も気孔内に均一に担持させることがで
きる。また、このコート層を隔壁内の排ガス入口側より
も排ガス出口側を多くすることにより、図6に示すよう
に、結果として触媒16の担持量も排ガス入口側よりも
排ガス出口側において多くすることができる。このよう
なフィルターでは、コート量の差により出口側の平均気
孔径が入口側のそれより小さくなっており、気孔径の小
さくなっている部分でパーティキュレートの閉塞を開始
するが、この部分は触媒の比率が高くなっており、パー
ティキュレートの部分閉塞と燃焼を繰り返すことによ
り、閉塞にいたる前の低圧損状態を維持しながらフィル
ターの使用が可能となる。
【0025】こうして触媒を担持させた後、NOx吸収
材を気孔内のコート層上に担持させてもよい。NOx吸
収材とは、250 ℃程度の低温では、NO及びNO2を吸
収すが、高温になれば、350 ℃をピークとしてNO2
放出するものをいい、例えば、アルカリ金属、アルカリ
土類金属を使用することができ、これらのうち、Na、
Li等が好ましいものである。NO及びNO2は低温に
おいてはパーティキュレートの燃焼には関与しないが、
高温、例えば 400℃以上になると下記式に示されるよう
な、フィルター上のパーティキュレートの燃焼がさかん
になる。 NO + 1/2O2 → NO2 NO2 + C → NO + CO 又はN +
CO2 従って、気孔内にNOx吸収材を配置することにより、
NO2がパーティキュレートの燃焼に関与する高温時に
おいて、気孔内の局所的なパーティキュレートの燃焼に
よる燃焼熱によって必要なタイミングでNO2が放出さ
れ、パーティキュレートの燃焼がさらに促進される。
【0026】排ガス中にはHCが含まれるが、触媒作用
により下式 HC + O2 → CO2 + H2O で表されるようにHCも燃焼し、このHC燃焼時に発生
する熱がパーティキュレートの燃焼に利用することが知
られている。そこで、図7に示すように、パーティキュ
レートが燃焼しない低温においてはHCを吸着し、高温
になった際にHCを放出するHC吸着材を隔壁の排ガス
入口側の気孔内もしくはセルの隔壁表面にコートする
と、パーティキュレートの燃焼による昇温によって吸着
されていたHCの脱離が促進され、この脱離したHCが
気孔内に入り、パーティキュレート近傍において燃焼
し、さらにパーティキュレートの燃焼を促進することに
なる。このHC吸着材としては、ゼオライト、モルデナ
イト、セピライト等が例示される。また、このHC吸着
材を気孔の出口側ではなく、気孔の排ガス入口側に配置
させるのは放出したHCが燃焼せずに下流に流出するの
を抑え、気孔内での燃焼をより確実なものとするためで
ある。
【0027】本発明の排ガス浄化用フィルターは、気孔
内にパーティキュレートを導入し、この気孔内でパーテ
ィキュレートを燃焼させるものである。従って、触媒担
持用のコート層が気孔を閉塞させないことが必要であ
る。このため、隔壁の表面上にコート層を形成して触媒
を担持させる従来のフィルターと比較して、コート層の
厚さを薄くせざるをえない。例えば、従来のフィルター
では、コート量は65g/l程度であるが、本願発明では、
コート量は33g/l 程度である。このようにコート量が少
ない場合には、担持させる触媒の総量が少なくなり、そ
の結果、排ガス中のHCを十分酸化できず、HC浄化能
が低下することがある。このような問題を解決するた
め、パーティキュレートの燃焼場とは別に酸化触媒を担
持させることが好ましい。
【0028】しかしながら、酸化触媒を担持させるとサ
ルフェートが発生するという問題が新たに生ずる。しか
しながら、このHCの酸化は、SO2の酸化に比べて比
較的速いため、フィルターを通過する排ガスのSV(空
間速度)を適切に選択することにより、サルフェートの
生成を抑制し、かつHCの浄化を可能にすることができ
る。我々の実験によればこの空間速度は15万/hr以上で
あり、従ってこの空間速度を実現する長さLだけフィル
ターの下流から酸化触媒を担持させれば上記目的、すな
わちサルフェートの生成を抑制し、かつHCの浄化を可
能にすることができる。
【0029】
【発明の効果】本発明の排ガス浄化用フィルターでは、
フィルターの隔壁内の気孔の表面上に均一に触媒が担持
されており、この気孔内においてパーティキュレートを
燃焼させ除去することにより、効率的にパーティキュレ
ートを処理することができ、パーティキュレートの堆積
によるフィルターの圧損上昇もほとんどない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウォールフロー型フィルターの構造を示す模式
図であり、Aはフィルターの正面図であり、Bはガス流
入方向の断面図である。
【図2】図1におけるI部の拡大図である。
【図3】ウォールフロー型フィルターの気孔内に触媒担
持用のコート層を形成するための装置を示す断面図であ
る。
【図4】ウォールフロー型フィルターの隔壁の断面を示
す模式図である。
【図5】触媒担持用のコート層を形成したウォールフロ
ー型フィルターの隔壁の断面を示す模式図である。
【図6】気孔内に触媒を担持させたウォールフロー型フ
ィルターの隔壁の断面を示す模式図である。
【図7】HC吸着材を配置した、気孔内に触媒を有する
ウォールフロー型フィルターの隔壁の断面を示す模式図
である。
【符号の説明】
1…ウォールフロー型フィルター 2…プラグ 3…排ガス出口側セル 4…排ガス入口側セル 5…隔壁 6…排ガス流れ 7…フィルター本体 8…コート層 9…触媒層 11…コーティング液 14…排ガス入口側 15…排ガス出口側 16…触媒 17…HC吸着材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/08 F01N 3/24 E 3/24 3/28 301C 3/28 301 301P 301Q 301S B01D 46/42 B // B01D 46/42 53/36 104B 104A Fターム(参考) 3G090 AA03 BA01 CA05 3G091 AA02 AA18 AA28 AB02 AB06 AB10 AB13 BA00 BA07 BA14 BA15 BA19 BA38 BA39 FB10 GA06 GA18 GA20 GA24 GB01X GB02Y GB03Y GB05W GB06W GB07W GB09Y GB10X GB17X HA14 4D048 AA06 AA13 AA14 AA18 AB01 AB05 BA03X BA10X BA11X BA12Y BA30X BA31X BA33X BA41X BB02 BB14 BB17 EA04 4D058 JA32 JB06 MA44 SA08 TA02 4G069 AA03 AA08 BA01A BA01B BA07A BA07B BA10A BA13A BA13B BB02A BB02B BC69A BC71A BC71B BC72A BC72B BC75A BC75B CA02 CA03 CA07 CA08 CA13 CA15 CA18 EA19 EA25 EA27 EC17X EC17Y EE01 FA06 ZA06A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気流方向に形成された多数のセルを有
    し、排ガス入口端においてセルが1個おきに栓詰めされ
    ておりかつこの入口端で栓詰めされているセルは排ガス
    出口端では開放されており、入口端が開放されているセ
    ルは出口端では栓詰めされているウォールフロー型排ガ
    ス浄化用フィルターにおいて、前記セルの間の隔壁内部
    に平均径25〜40μmの気孔が形成され、この気孔内に触
    媒が担持されていることを特徴とするウォールフロー型
    排ガス浄化用フィルター。
  2. 【請求項2】 触媒担持用のコート層を、前記気孔内の
    表面に形成させたことを特徴とする、請求項1記載のウ
    ォールフロー型排ガス浄化用フィルター。
  3. 【請求項3】 NO2の形で吸収したNOx成分を所定温
    度以上において放出するNOx吸収材を前記気孔内に担
    持させたことを特徴とする、請求項1又は2記載のウォ
    ールフロー型排ガス浄化用フィルター。
  4. 【請求項4】 吸着したHCを所定温度以上において放
    出するHC吸着材を、前記隔壁の厚み方向の排ガス入口
    側の気孔内もしくは排ガス入口側のセルの隔壁表面に被
    覆させたことを特徴とする、請求項1又は2記載のウォ
    ールフロー型排ガス浄化用フィルター。
  5. 【請求項5】 酸化触媒を、排ガス出口側のセルの隔壁
    表面に担持させたことを特徴とする、請求項1又は2記
    載のウォールフロー型排ガス浄化用フィルター。
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Cited By (6)

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