JP2003220332A - ハロゲン化炭化水素の分解処理装置 - Google Patents

ハロゲン化炭化水素の分解処理装置

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JP2003220332A
JP2003220332A JP2002022666A JP2002022666A JP2003220332A JP 2003220332 A JP2003220332 A JP 2003220332A JP 2002022666 A JP2002022666 A JP 2002022666A JP 2002022666 A JP2002022666 A JP 2002022666A JP 2003220332 A JP2003220332 A JP 2003220332A
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halogenated hydrocarbon
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早実 長野
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有二 三島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のハロゲン化炭化水素の高温分解処理装
置等における問題を解消し、安全性、信頼性、省エネル
ギー性に優れた新たなハロゲン化炭化水素の分解処理装
置の提供を課題とする。 【解決手段】 ハロゲン化炭化水素を含む被処理液Cに
対して、又はハロゲン化炭化水素を含む被処理液Cにア
ルカリ液を加えた上で、触媒Sの存在下、超音波を加振
すると共に紫外線を照射する構成とし、これによって前
記被処理液C中のハロゲン化炭化水素を分解して無害化
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化炭化水素
の装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トリクロルエチレン、テトラクロルエチ
レン、ジクロルメタン等のハロゲン化炭化水素は、高性
能の溶解性、特殊溶剤機能を有するものとして従来から
用いられてきたが、その発ガン性が議論の対象とされて
きたため、微量といえども完全に処理して無害化する必
要が生じてきた。これまで使用済み等のハロゲン化炭化
水素やその含有排水は、廃液処理業者による引き取り、
或いは高温分解法やその他の処理により無害化の上、廃
棄されてきたが、廃棄物規制、環境改善等の観点から抜
本的な無害化策が必要とされてきた。また最近では、高
温・触媒分解法、脱塩素化法等の無害化対策が開発され
てはいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらハロゲン
化炭化水素の処理を高温にて行う場合は、処理コストが
高くつき、更に熱分解に伴ってダイオキシン等の反応中
間生成物の副成のリスクもあり、実現化には大きな足か
せとなっていた。このため、この種のハロゲン化炭化水
素を安全に且つ確実に分解して無害化する新たな手段の
開発、実用化の要請が益々増大しており、望まれるとこ
ろであった。
【0004】そこで本発明は上記従来のハロゲン化炭化
水素の高温分解処理装置等における問題を解消し、安全
性、信頼性、省エネルギー性に優れた新たなハロゲン化
炭化水素の分解処理装置の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、ハロゲン化炭化
水素を含む被処理液に対して、触媒の存在下、超音波を
加振すると共に紫外線を照射することで前記ハロゲン化
炭化水素を効果的に分解することができることを知得
し、またハロゲン化炭化水素を含む被処理液をアルカリ
性に調整した上で、触媒の存在下、超音波を加振すると
共に紫外線を照射することで前記ハロゲン化炭化水素を
効果的に分解することができることを知得し、本発明を
完成した。即ち、本発明のハロゲン化炭化水素の分解処
理装置は、ハロゲン化炭化水素を含む被処理液に対し
て、触媒の存在下、超音波を加振すると共に紫外線を照
射する構成とし、これによって前記被処理液中のハロゲ
ン化炭化水素を分解して無害化することを第1の特徴と
している。また本発明のハロゲン化炭化水素の分解処理
装置は、ハロゲン化炭化水素を含む被処理液にアルカリ
液を加えた上で、触媒の存在下、超音波を加振すると共
に紫外線を照射する構成とし、これによって前記被処理
液中のハロゲン化炭化水素を分解して無害化することを
第2の特徴としている。また本発明のハロゲン化炭化水
素の分解処理装置は、上記第1又は第2の特徴に加え
て、前処理として被処理液を予め加温することを第3の
特徴としている。また本発明のハロゲン化炭化水素の分
解処理装置は、上記第1〜3の何れか特徴に加えて、後
処理として被処理液を中和処理し、更に活性炭等の吸着
層を通して残余のハロゲン化炭化水素を吸着除去するこ
とを第4の特徴としている。また本発明のハロゲン化炭
化水素の分解処理は、受け入れたハロゲン化炭化水素を
含む被処理液と接触させるための1乃至複数段の触媒層
を内部に備え、また前記被処理液に対して超音波を加振
する超音波加振手段と紫外線を照射する紫外線照射手段
とを備え、触媒の存在下及び超音波加振と紫外線照射の
下で前記被処理液中のハロゲン化炭化水素の分解反応を
行わせる分解槽を少なくとも有することを第5の特徴と
している。また本発明のハロゲン化炭化水素の分解処理
装置は、受け入れたハロゲン化炭化水素を含む被処理液
と接触させるための1乃至複数段の触媒層を内部に備
え、また前記被処理液に対して超音波を加振する超音波
加振手段と紫外線を照射する紫外線照射手段と被処理液
にアルカリ液を加えるアルカリ注液手段とを備え、触媒
とアルカリの存在下及び超音波加振と紫外線照射の下で
前記被処理液中のハロゲン化炭化水素の分解反応を行わ
せる分解槽を少なくとも有することを第6の特徴として
いる。また本発明のハロゲン化炭化水素の分解処理装置
は、上記第5又は6の特徴に加えて、被処理液を分解槽
に送る前に予め加温するための加温手段を備えたことを
第7の特徴としている。また本発明のハロゲン化炭化水
素の分解処理装置は、上記第6又は7の特徴に加えて、
分解槽を経た被処理液を中和させるための中和槽と、該
中和槽を経た被処理液を活性炭等の吸着層を通して吸着
処理を行うための吸着塔とを備えたことを第8の特徴と
している。また本発明のハロゲン化炭化水素の分解処理
装置は、上記第1〜8の何れかの特徴に加えて、触媒
は、高賦活活性炭等の活性炭、高活性酸化チタン等の酸
化チタン、活性アルミナ等のアルミナ、酸化銅、酸化ニ
ッケルのうちの少なくとも何れか1種類以上が有効物質
として用いられることを第9の特徴としている。また本
発明のハロゲン化炭化水素の分解処理装置は、上記第1
〜9の何れかの特徴に加えて、超音波は周波数が10〜
500kHzものを用いることを第10の特徴としてい
る。また本発明のハロゲン化炭化水素の分解処理装置
は、上記第1〜10の何れかの特徴に加えて、紫外線は
波長が150〜300nmのものを用いることを第11
の特徴としている。また本発明のハロゲン化炭化水素の
分解処理装置は、受け入れたハロゲン化炭化水素を含む
被処理液と接触させるための1乃至複数段の触媒層を内
部に備え、また前記被処理液に対して超音波を加振する
超音波加振手段と紫外線を照射する紫外線照射手段とを
備え、触媒の存在下及び超音波加振と紫外線照射の下で
前記被処理液中のハロゲン化炭化水素の分解反応を行わ
せる第1分解槽と、受け入れたハロゲン化炭化水素を含
む被処理液と接触させるための1乃至複数段の触媒層を
内部に備え、また被処理液に対して超音波を加振する超
音波加振手段と紫外線を照射する紫外線照射手段と被処
理液にアルカリ液を加えるアルカリ注液手段とを備え、
触媒とアルカリの存在下及び超音波加振と紫外線照射の
下で前記第1分解槽を通過してきた被処理液中のハロゲ
ン化炭化水素の分解反応を行わせる第2の分解槽とを少
なくとも有することを第12の特徴としている。また本
発明のハロゲン化炭化水素の分解処理装置は、上記第1
2の特徴に加えて、一方の分解槽においては触媒層に疎
水性の触媒を多く使用し、他方の分解槽においては分解
槽の触媒層には親水性の触媒を多く使用することで、第
1分解槽と第2分解槽での触媒層の全体としての極性を
異ならしめると共に、一方の分解槽においては超音波加
振手段による超音波の周波数を低く、他方の分解槽では
超音波加振手段による超音波の周波数を高く設定してあ
ることを第13の特徴としている。また本発明のハロゲ
ン化炭化水素の分解処理装置は、上記第12の特徴に加
えて、第1分解槽においては触媒層に疎水性の触媒を多
く使用すると共に周波数の低い超音波を用い、第2分解
槽においては触媒槽に親水性の触媒を多く使用すると共
に周波数の高い超音波を用いることを第14の特徴とし
ている。また本発明のハロゲン化炭化水素の分解処理装
置は、上記第12〜14の何れかの特徴に加えて、第1
分解槽においては高賦活活性炭を主たる触媒とし、超音
波加振手段による超音波の周波数を20〜60kHzと
し、第2分解槽においては高活性酸化チタンを主たる触
媒とし、超音波加振手段による超音波の周波数を100
〜500kHzとし、且つ第1、第2分解槽での紫外線
照射手段による紫外線の波長を150〜300nmとし
たことを第15の特徴としている。また本発明のハロゲ
ン化炭化水素の分解処理装置は、上記第12〜15の何
れかの特徴に加えて、被処理液を分解槽に送る前に予め
加温するための加温手段を備えたことを第16の特徴と
している。また本発明のハロゲン化炭化水素の分解処理
装置は、上記第12〜16の何れかの特徴に加えて、分
解槽を経た被処理液を中和させるための中和槽と、該中
和槽を経た被処理液を活性炭等の吸着層に通すことで残
余のハロゲン化炭化水素を吸着除去するための吸着塔と
を備えたことを第17の特徴としている。また本発明の
ハロゲン化炭化水素の分解処理装置は、上記第1〜17
の何れかの特徴に加えて、ハロゲン化炭化水素はトリク
ロルエチレン、テトラクロルエチレン、ジクロルメタン
を含む塩素系ハロゲン化炭化水素であることを第18の
特徴としている。
【0006】上記第1の特徴によれば、ハロゲン化炭化
水素を含む被処理液は、触媒の存在下、超音波の加振と
紫外線の照射を受けることにより、その被処理液中のハ
ロゲン化炭化水素の分解反応が進み、無害な塩と水と二
酸化炭素とに分解される。よって第1の特徴によれば、
ハロゲン化炭化水素を、高温での処理を行うことなく、
また熱分解等によるダイオキシン等を発生させることな
く、安全で且つ省エネルギーで確実に分解して無害化す
ることができる。
【0007】また上記第2の特徴によれば、ハロゲン化
炭化水素を含む被処理液は、それにアルカリ液が加えら
れ、且つ触媒の存在下で超音波の加振と紫外線の照射を
受けることにより、その処理液中のハロゲン化炭化水素
の分解反応がより容易に進み、無害な塩と水と二酸化炭
素とに分解される。よって第2の特徴によれば、ハロゲ
ン化炭化水素を、高温での処理を行うことなく、また熱
分解等によるダイオキシン等を発生させることなく、安
全で且つ省エネルギーで確実に且つ容易に分解して無害
化することができる。
【0008】また上記第3の特徴によれば、上記第1又
は第2の特徴による作用効果に加えて、前処理として被
処理液を加温することとしたので、ハロゲン化炭化水素
の分解反応が一層容易に進む。
【0009】また上記第4の特徴によれば、上記第1〜
3の何れかの特徴による作用効果に加えて、後処理とし
て被処理液を中和処理し、更に活性炭等の吸着層を通過
させて残余のハロゲン化炭化水素を吸着除去すること
で、本処理の際に被処理液中のハロゲン化炭化水素が完
全には分解されずに残留することがあっても、それらの
残留ハロゲン化炭化水素が活性炭等の吸着層にて吸着さ
れ、一層確実に被処理液から除去される。
【0010】また上記第5の特徴によれば、分解槽に入
った被処理液は、1乃至複数段の触媒層に接触しなが
ら、且つ超音波加振手段からの超音波加振と紫外線照射
手段からの紫外線を受け、これによって被処理液中のハ
ロゲン化炭化水素が分解され、無害な塩と水と二酸化炭
素となる。よって第5の特徴によれば、ハロゲン化炭化
水素を、高温での処理を行うことなく、また熱分解等に
よるダイオキシン等を発生させることなく、分解槽内で
安全に且つ省エネルギーで効果的に分解して無害化する
ことができる。
【0011】また上記第6の特徴によれば、分解槽に入
った被処理液には、アルカリ注液手段によるアルカリ液
が加えられ、1乃至複数段の触媒層に接触しながら、超
音波加振手段からの超音波加振と紫外線照射手段からの
からの紫外線を受け、これによって被処理液中のハロゲ
ン化炭化水素が効果的に分解され、無害な塩と水と二酸
化炭素となる。よって第6の特徴によれば、ハロゲン化
炭化水素を、高温での処理を行うことなく、また熱分解
等によるダイオキシン等を発生させることなく、分解槽
内で安全に且つ省エネルギーで効果的に分解して無害化
することができる。
【0012】また上記第7の特徴によれば、上記第5又
は6の特徴による作用効果に加えて、被処理液を分解槽
に送る前に加温するための加温手段を備えたことで、触
媒及び超音波加振の下、被処理液を加温状態でアルカリ
と反応させることができ、ハロゲン化炭化水素の分解、
無害化を一層効果的に行うことができる。
【0013】また上記第8の特徴によれば、上記第5〜
7の何れかの特徴による作用効果に加えて、分解槽を経
た被処理液を中和させるための中和槽と、該中和槽を経
た被処理液を活性炭等の吸着層に通すことで残余のハロ
ゲン化炭化水素を吸着除去するための吸着塔とを備えた
ことで、本処理の際にハロゲン化炭化水素が完全には分
解されずに残留することがあっても、それらの残留ハロ
ゲン化炭化水素が活性炭吸着層にて吸着され、被処理液
から一層確実に除去される。
【0014】また上記第9の特徴によれば、上記第1〜
8の何れかの特徴による作用効果に加えて、触媒は、高
賦活活性炭等の活性炭、高活性酸化チタン等の酸化チタ
ン、活性アルミナ等のアルミナ、酸化銅、酸化ニッケル
のうちの少なくとも何れか1種類以上が有効物質として
用いられることで、この触媒がハロゲン化炭化水素の分
解反応に介在して一層効果的に分解が促進される。
【0015】また上記第10の特徴によれば、上記第1
〜9の何れかの特徴による作用効果に加えて、10〜5
00kHzの周波数範囲の超音波が被処理液に加振され
ることで、被処理液中のハロゲン化炭化水素の分解が一
層効果的になされる。
【0016】また上記第11の特徴によれば、上記第1
〜10の何れかの特徴による作用効果に加えて、150
〜300nmの波長範囲の紫外線が照射されることで、
被処理液中のハロゲン化炭化水素の分解が一層効果的に
なされる。
【0017】また上記第12の特徴によれば、被処理液
は先ず第1分解槽に送られ、被処理液中のハロゲン化炭
化水素が分解反応される。そして第1分解槽を通過した
被処理液は更に第2分解槽に送られ、そこで第2回目と
して分解反応される。第1分解槽では、アルカリ液を加
えることなく、触媒層と超音波加振と紫外線照射を行う
ことにより、先ずハロゲン化炭化水素の内の比較的分解
されやすいもの等の一部の種類が先ず分解される。また
第2分解槽では、被処理液にアルカリ液が加えられた上
で、触媒層と超音波加振と紫外線照射とにより分解反応
が進められ、その結果、第1分解槽で分解されなかった
種類のハロゲン化炭化水素やその分解中間生成物等が更
に分解される。このように、第1分解槽と第2分解槽と
で2回にわたってハロゲン化炭化水素の分解反応を起こ
させることで、被処理液中の種々のハロゲン化炭化水素
の分解をより確実に行うことができる。
【0018】また上記第13の特徴によれば、上記第1
2の特徴による作用効果に加えて、一方の分解槽の触媒
層には疎水性の触媒を多く使用し、他方の分解槽の触媒
層には親水性の触媒を多く使用することで、第1分解槽
と第2分解槽での触媒槽の全体としての極性を異ならし
めることで、疎水性の触媒を多く使用している方の分解
槽では、ハロゲン化炭化水素の内、疎水性の触媒によっ
て分解されやすいものが効果的に分解され、親水性の触
媒を多く使用している方の分解槽では、親水性の触媒に
よって分解されやすいものが効果的に分解される。これ
によって、被処理液中の種々のハロゲン化炭化物の分解
を第1、第2の分解槽にてより確実に分解することがで
きる。加えて、一方の分解槽では超音波加振の周波数を
低く、他方の分解槽では超音波加振の周波数を高く設定
することで、低い周波数の超音波を用いている分解槽で
は、ハロゲン化炭化水素の内、低い周波数でも十分に分
解反応するものや低い周波数でよく反応するものが効果
的に分解され、また高い周波数の超音波を用いている分
解槽では、低い周波数では反応が弱いものや高い周波数
でよく反応するものが効果的に分解される。これによっ
て、被処理液中の種々のハロゲン化炭化物の分解を第
1、第2の分解槽にてより確実に分解することができ
る。
【0019】また上記第14の特徴によれば、上記第1
2の特徴による作用効果に加えて、第1分解槽では、ア
ルカリ液が加えられることなく、疎水性の触媒を多く使
用した触媒層により、周波数の低い超音波の加振と紫外
線照射の下に、被処理液中のハロゲン化炭化水素の分解
反応が行われる。これによって、被処理液中のハロゲン
化炭化水素の内、それらの条件にあった比較的分解され
やすい種類のハロゲン化炭化水素が先ず分解される。そ
して第2分解槽では、アルカリ液が加えられ、親水性の
触媒を多く使用した触媒層により、周波数の高い超音波
の加振と紫外線照射の下に、被処理液中のハロゲン化炭
化水素の内、それらの条件にあった比較的分解され難い
種類のハロゲン化炭化水素や反応中間生成物が分解され
る。これによって被処理液中の種々のハロゲン化炭化物
の分解を第1、第2の分解槽にて、分解されやすいもの
順に確実に分解してゆくことができる。
【0020】また上記第15の特徴によれば、上記第1
2〜14の特徴による作用効果に加えて、第1分解槽で
は、アルカリ液が加えられることなく、高賦活活性炭を
主たる触媒とし、周波数が20〜60kHzの超音波の
加振と、150〜300nmの波長の紫外線照射の下
に、被処理液中のハロゲン化炭化水素の分解反応が行わ
れる。これによって、被処理液中のハロゲン化炭化水素
の内、それらの条件にあった比較的分解されやすい種類
のハロゲン化炭化水素が先ず分解される。そして第2分
解槽では、アルカリ液が加えられ、高活性酸化チタンを
主たる触媒とし、周波数が100〜500kHzの超音
波の加振と、150〜300nmの波長の紫外線照射の
下に、第1分解槽では分解されなかったハロゲン化炭化
水素や反応中間生成物の分解が効果的に行われる。これ
によって、被処理液中に含まれる種々のハロゲン化炭化
物の分解を第1、第2の分解槽にて順次確実に分解して
ゆくことができる。
【0021】また上記第16の特徴によれば、上記第1
2〜15の特徴による作用効果に加えて、被処理液を分
解槽に送る前に予め加温するための加温手段を備えたこ
とで、被処理液を予め加温することができ、分解槽での
ハロゲン化炭化水素の分解反応がより促進される。
【0022】また上記第17の特徴によれば、上記第1
2〜16の特徴による作用効果に加えて、分解槽を経た
被処理液を中和させるための中和槽と、該中和槽を経た
被処理液を活性炭等の吸着層に通すことで残余のハロゲ
ン化炭化水素を吸着除去するための吸着塔とを備えたこ
とで、分解槽を経た被処理液中にハロゲン化炭化水素が
完全には分解されずに残留することがあっても、それら
の残留ハロゲン化炭化水素は活性炭等の吸着層にて吸着
され、よって一層確実に被処理液から除去される。
【0023】また上記第18の特徴によれば、上記第1
〜17の特徴による作用効果に加えて、ハロゲン化炭化
水素はトリクロルエチレン、テトラクロルエチレン、ジ
クロルメタンを含む塩素系ハロゲン化炭化水素であるの
で、工業用等として多く使用されてきたそれら塩素系ハ
ロゲン化炭化水素を、熱分解等によるダイオキシン等の
有害物質の発生を引き起こすことなく、また大量のエネ
ルギーを使用することなく、確実に分解させて無害化す
ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の装置の実施形態を更に説明する。図1は本発明装置の
実施形態にかかるハロゲン化炭化水素の分解処理装置の
概略構成図である。
【0025】図1を参照して、ハロゲン化炭化水素若し
くはハロゲン化炭化水素を含有する原液Aに溶媒となる
液Bを適当に加え或いは加えることなく、ハロゲン化炭
化水素を含む被処理液Cとし、この被処理液Cを供給ポ
ンプ1等を用いて供給し、フィルタ2を介してダスト等
の固形物を除去した後、熱交換器31や加熱器32によ
る加熱手段3によって適当に加温し、第1分解槽4に送
る。前記第1分解槽4を経た被処理液Cは第2分解槽5
に送られる。前記加熱手段3によって加熱された被処理
液Cの温度を検出する温度センサ321が、加熱器32
に付随して或いは加熱器32から第1分解槽4までの
(第1分解槽4を含む)流路に設けられる。
【0026】前記第1分解槽4には、その内部に被処理
液Cと接触させるための1乃至複数段の触媒層41を備
えている。この1乃至複数段の触媒層41には、単一若
しくは複数種類の触媒Sを組み合わせて充填している。
また第1分解槽4には、該分解槽4内の被処理液Cに対
して超音波を加振するための超音波加振手段42を設備
している。また第1分解槽4には、該分解槽4内の被処
理液Cに対して紫外線を照射する紫外線照射手段43を
設備している。その他に第1分解槽4には、該分解槽4
に生じる極く微量の気相揮散ハロゲンを分解して大気連
通させるための酸化チタン薄膜層等の気相ハロゲン用薄
膜触媒層44を設けている。更に、第1分解槽4内の最
終流路位置或いは第1分解槽4から第2分解槽5への途
中の位置に、前記第1分解槽4において分解処理された
被処理液Cのハロゲンイオン濃度を検出するためのハロ
ゲンイオン濃度センサ45を設けるようにすることがで
きる。
【0027】前記第2分解槽5には、同様に、その内部
に被処理液Cと接触させるための1乃至複数段の触媒層
51を備え、この1乃至複数段の触媒層51に単一若し
くは複数種類の触媒Sを組み合わせて充填している。ま
た第2分解槽5には、該分解槽5内の被処理液Cに対し
て超音波を加振するための超音波加振手段52、紫外線
を照射するための紫外線照射手段53を設備している。
また第2分解槽5には、該分解槽5に生じる極く微量の
気相揮散ハロゲンを分解して大気連通させるための酸化
チタン薄膜層等の気相ハロゲン用薄膜触媒層54を設け
ている。また第2分解槽5内の最終流路位置或いはその
下流位置に、前記第2分解槽5において分解処理された
被処理液Cのハロゲンイオン濃度を検出するためのハロ
ゲンイオン濃度センサ55を設けている。また第2分解
槽5に対して、アルカリ液を注液して被処理液Cに加え
るアルカリ注液手段56として、アルカリタンク56a
と流量調節器56bが設けられている。流量調節器56
bは後述のコントローラ18によって制御される。
【0028】前記第2分解槽5を経た被処理液Cは、搬
送ポンプ7等により前記熱交換器31に送られ、熱交換
媒体として作用した後、中和槽8に送られる。一方、前
記第2分解槽5での被処理液Cの分解が十分でないと後
述するコントローラ18で判断された場合には、三方弁
6等の弁を介して、被処理液Cの流路を切り換えて、前
記第1分解槽4よりも上流の適当な流路位置、例えば供
給ポンプ1の上流にリターンさせ、再分解に供されるよ
うにすることもできる。前記中和槽8に対して酸タンク
81が設けられ、流量調節器82を経て適量の酸が中和
槽8に供給されることで、被処理液Cを中和する構成と
されている。また前記中和槽8において中和処理された
被処理液CのpHを検出するため、pHセンサ83が中
和槽8内の最終流路位置或いは中和槽8の下流位置に設
けられる。
【0029】前記中和槽8で処理された被処理液Cは、
吸着塔9に送られる。吸着塔9には活性炭等の吸着剤か
らなる吸着層91が配備されており、前記被処理液Cに
残留しているハロゲン化炭化水素がある場合には、これ
を吸着除去する。吸着塔9を経た被処理液Cは排水10
等される。前記吸着塔9に対して水蒸気供給手段11が
設けられている。該水蒸気供給手段11から一定のイン
ターバルをもって水蒸気を吸着処理停止状態の吸着塔9
に送り込むことで、吸着層91に吸着されているハロゲ
ン化炭化水素を遊離させ、吸着層91の再生を行うよう
にしている。前記吸着塔9を通過した水蒸気はコンデン
サ12によって凝縮された後、弁13等を介して上記液
Bとして供給ポンプ1の入口側に還流されるように構成
されている。
【0030】なお被処理液C中のハロゲン化炭化水素の
濃度が低い場合には、その被処理液Cを前記フィルタ2
通過後に切換弁14を介して前置吸着塔15に送り、活
性炭素等の吸着剤からなる吸着層151によってハロゲ
ン化炭化水素を除去して排出16することで、処理すべ
き被処理液Cの量を減らすようにしている。吸着層15
1に捕らえられたハロゲン化炭化水素は、適当なインタ
ーバルで前記水蒸気供給手段11から供給される水蒸気
によって遊離され、弁17を介して前記熱交換器31の
手前の流路に戻される。
【0031】装置全体の運転制御はコントローラ18で
行うように構成している。コントローラ18は、センサ
321、45、55、83やその他の装置各部のセンサ
類からの情報を入力し、予め記憶させているプログラム
に基づいて所定の制御動作を装置各部に指令する。
【0032】上記において原液Aは、既述したようにハ
ロゲン化炭化水素の液そのもの或いはハロゲン化炭化水
素を含有する液とする。ハロゲン化炭化水素としては、
トリクロルエチレン、テトラクロルエチレン、ジクロル
メタンが対象となる。その他にPCB、四塩化炭素、
1.2−ジクロルエタン、シス−1.2−ジクロルエチ
レン、1.1.1−トリクロルエタン、1.1.2−ト
リクロルエタン、1.1−ジクロルエチレン、1.3−
ジクロルプロペン等の塩素系炭化水素、フロン等のフッ
素系炭化水素、ヨウ素系炭化水素、臭素系炭化水素が対
象となる。
【0033】また前記液Bは水とするが、吸着塔9の吸
着層91の再生に用いた水蒸気の凝縮された水も液Bと
して用いる。原液Aに対して加える液Bの量は、得られ
る被処理液Cのハロゲン化炭化水素濃度が予め定めた濃
度範囲になるように調整する。前記濃度範囲は実験等で
ハロゲン化炭化水素の種類毎に適当な範囲を定めること
ができる。勿論、ハロゲン化炭化水素液そのものを被処
理液Cとすることも可能である。
【0034】前記加熱手段3による被処理液Cの加熱
は、必ずしも必要ではないが、良好な分解を促進するた
めに加温するのが望ましい。加温の程度は、例えば30
〜60℃とすることができるが、15〜70℃の範囲と
してもよい。ハロゲン化炭化水素の種類や、その他の触
媒の種類、超音波加振の条件に応じて、予め実験等によ
り好ましい温度範囲を採用する。加熱器32の温度セン
サ321の検出温度はコントローラ18に送られ、コン
トローラ18は予め記憶させておいた設定温度と比較
し、被処理液Cの温度が設定温度になるように加熱器3
2を制御する。
【0035】前記第1分解槽4内に備えられている触媒
層41に充填される触媒Sは、主たる触媒Sとしての高
賦活活性炭と従たる触媒Sとしての高活性酸化チタンと
を3対1の割合で用い、触媒層41の第1段に高賦活活
性炭を充填し、第2段に高活性酸化チタンを充填するよ
うにすることができる。また第1分解槽4における超音
波加振手段42による超音波加振の周波数は、これを2
0〜60kHzとすることができる。また超音波加振の
出力は、時間との関係もあるが、10〜50Wとするこ
とができる。一方、第2分解槽5内に備えられている触
媒層51に充填される触媒Sは、主たる触媒Sとしての
高活性酸化チタンと従たる触媒Sとしての活性アルミナ
とを3対1の割合で用い、触媒層51の第1段に高活性
酸化チタンを充填し、第2段に活性アルミナを充填する
ようにすることができる。また第2分解槽5における超
音波加振手段52による超音波周波数は、これを100
〜500kHzとすることができる。また超音波加振の
出力は、時間との関係もあるが、20〜150Wとする
ことができる。更に第1分解槽4及び第2分解槽5での
紫外線照射手段43、53による紫外線照射の波長を1
50〜300nmとすることができる。勿論、前記第1
分解槽4及び第2分解槽5の内部に配備される触媒S
は、被処理液Cとの接触が十分に行われるように被処理
液Cに対して浸漬された状態にするのが好ましい。
【0036】前記第1分解槽4の触媒層41に用いられ
る触媒Sは、上記高賦活活性炭を主たる触媒Sとする
が、従たる触媒Sは上記高活性酸化チタン以外のものを
用いることができる。同様に前記第2分解槽5の触媒層
に51に用いられる触媒Sは、上記高活性酸化チタンを
主たる触媒Sとするが、従たる触媒Sは上記活性アルミ
ナ以外のものを用いてもよい。
【0037】また上記第1分解槽4の触媒層41に疎水
性の触媒Sを多く用い、第2分解槽51に親水性の触媒
Sを用いるようにすることができる。このように第1、
第2の分解槽4、5において、用いる触媒Sの全体とし
ての極性を異なるものにすることで、第1分解槽4にお
いては、ハロゲン化炭化水素の内、疎水性の触媒によっ
て分解されやすいものが効果的に分解され、また第2分
解槽5では、親水性の触媒によって分解されやすいもの
が効果的に分解される。勿論、第1分解槽4に親水性の
触媒Sを多く用い、第2分解槽5に疎水性の触媒Sを多
く用いるようにしてもよい。
【0038】また第1分解槽4と第2分解槽5とでそれ
ぞれ使用される触媒Sは、必ずしも上記で限定した触媒
Sに限定されるものではない。即ち、前記第1分解槽4
及び第2分解槽5に用いられる触媒Sは、高賦活活性炭
等の活性炭、高活性酸化チタン等の酸化チタン、活性ア
ルミナ等のアルミナ、酸化銅、酸化ニッケルのうちの何
れか1種類以上を有効物質として用いることができる。
また触媒Sを他の物質と組み合わせて用いることができ
る。触媒Sはペレット状やフレーク状で、層をなして使
用する。前記した種々の触媒Sを第1分解槽4や第2分
解槽5において、どのように選択して用いるかは、被処
理液Cに含まれるハロゲン化炭化水素の種類、その他の
条件に応じて予め実験等により適当な触媒S及びその組
み合わせを決定することになる。勿論、第1分解槽4は
アルカリ液を加えるようにしていないことからしても、
被処理液中のハロゲン化炭化水素の内の比較的分解され
やすいものを先ず分解させるという、第1段的な分解層
の役割を果たすものであるから、その分解されやすいハ
ロゲン化炭化水素に対して適合するような触媒Sの種類
を採用することになる。また第2分解槽5では、アルカ
リ液をも加えて、比較的分解され難いハロゲン化炭化水
素をも分解させる役割を果たすものとして、より分解さ
れ難いハロゲン化炭化水素にも効き目のある強力な触媒
Sの種類を採用することになる。
【0039】第1分解槽4及び第2分解槽5において、
触媒層41、51は複数に区分された複数段の槽からな
るようにすることができる。この場合には、各段の槽に
はそれぞれ異なる触媒S或いは同種の触媒Sが充填さ
れ、被処理液Cは各段の槽を順次、短絡することなく通
過しながら移動していく間に十分に触媒Sと接触し、且
つ十分な反応時間を得ることができる。
【0040】第1分解槽4と第2分解槽5における超音
波加振手段42、52による超音波周波数は、上記20
〜60kHzと100〜500kHzに限定されるもの
ではない。超音波加振手段42、52による超音波周波
数は、第1分解槽4において低い周波数の超音波を用
い、第2分解槽5において高い周波数の超音波とするこ
とができる。第1分解槽4で超音波加振の周波数を低
く、第2分解槽5で超音波加振の周波数を高く設定する
ことで、第1分解槽4では、ハロゲン化炭化水素の内、
低い周波数でも十分に分解反応するものや低い周波数で
よく反応するものが効果的に分解され、第2分解槽5で
はは、低い周波数では反応が弱いものや高い周波数でよ
く反応するものが効果的に分解される。これによって、
被処理液中の種々のハロゲン化炭化物の分解を第1、第
2の分解槽にてより確実に分解することができる。勿
論、第1分解槽4で超音波加振の周波数を高く、第2分
解槽5で超音波加振の周波数を低く設定するようにして
もよい。ただし、第1分解槽4は、被処理液C中のハロ
ゲン化炭化水素の内の比較的分解されやすいものを先ず
分解させるという第1段的な分解層の役割を果たすもの
であることを考慮するに、通常的には超音波加振につい
ても周波数の低い超音波を用いる。一方、第2分解槽5
では、分解が容易でないハロゲン化炭化水素をも分解さ
せる目的から周波数の高い超音波を用いる。
【0041】上記第1分解槽4と第2分解槽5とでそれ
ぞれ使用される超音波は、必ずしも上記で限定した超音
波の周波数や触媒Sに限定されるものではない。第1分
解槽4と第2分解槽5で用いる超音波の周波数は、10
〜500kHzのものを、ハロゲン化炭化水素の種類や
触媒Sの種類、その他の条件との関係において、予め実
験等により好ましい分解が得られる周波数の範囲を定め
ることができる。また超音波加振の出力については、勿
論、時間との関係もあるが、第1分解槽4及び第2分解
槽5において、上記した10〜50W、20〜150W
に限定されるものではなく、ハロゲン化炭化水素の種類
や触媒Sの種類、その他の条件との関係において、それ
ぞれ予め実験によって適当な出力範囲を得ておくことに
なる。第1分解槽4と第2分解槽5とにおける超音波加
振手段42、52は、それぞれ被処理液Cに効率よく加
振できるように、複数個を分散させて分解槽4、5の回
りに配置させることができる。
【0042】前記第1分解槽4及び第2分解槽5で用い
る紫外線照射の波長は150〜300nmとするが、よ
り好ましくは200〜250nmとすることで、ハロゲ
ン化炭化水素のより良好な分解反応を期待できる。更に
紫外線照射の出力は、照射時間との関係もあるが、第1
分解槽4及び第2分解槽5において、ハロゲン化炭化水
素の種類や触媒Sの種類、その他の条件との関係におい
て、それぞれ実験によって予め適当な出力範囲を得てお
くことになる。
【0043】前記アルカリ注液手段56から第2分解槽
5に注液され、被処理液Cに加えられるアルカリ液は、
例えば水酸化ナトリウム水溶液とすることができるが、
他のアルカリ水溶液とすることも可能である。またアル
カリを加える量は、例えば水酸化ナトリウムの場合はア
ルカリ濃度が0.1〜30%とすることができるが、被
処理液Cのハロゲン化炭化水素の濃度や温度条件、触媒
の種類、超音波加振の条件に応じて、予め実験により適
当なアルカリ濃度範囲を定めることになる。
【0044】被処理液Cの第1分解槽4、第2分解槽5
での滞留時間は、それぞれの分解槽において、例えば5
〜60分、5〜100分とするが、他の適当な時間とす
ることができる。他の条件との関係において、予め実験
等により所定の分解割合となるのに必要な時間、最適時
間を定めておくことができる。
【0045】上記したように第1分解槽4と第2分解槽
5とは第1段と第2段の分解槽という役割を果たすもの
であるが、必ずしも一対で存在する必要はない。被処理
液Cに含まれるハロゲン化炭化水素の種類等に応じて、
第1分解槽4のようなアルカリ注液手段56を設備しな
い分解槽を単独で設けるようにしてもよい。また第2分
解槽5のようなアルカリ注液手段56を設備した分解槽
を単独で設けるようにしてもよい。上記のように1つの
分解槽を用いる場合において、触媒Sは、高賦活活性炭
等の活性炭、高活性酸化チタン等の酸化チタン、活性ア
ルミナ等のアルミナ、酸化銅、酸化ニッケルのうちの何
れか1種類以上を有効物質として用いることができる。
また触媒Sを他の物質と組み合わせて用いることができ
る。前記した種々の触媒をどのように選択して用いるか
は、被処理液Cに含まれるハロゲン化炭化水素の種類、
その他の条件に応じて予め実験等により適当な触媒S及
びその組み合わせを決定することになる。また1つの分
解槽を用いる場合において、超音波の周波数は10〜5
00kHzの範囲の中から、含まれるハロゲン化炭化水
素の種類や触媒Sの種類、その他の条件との関係におい
て、予め実験等により好ましい分解が得られる周波数の
ものを用いる。また1つの分解槽を用いる場合におい
て、紫外線照射の波長は150〜300nmの範囲の中
から、含まれるハロゲン化炭化水素の種類や触媒Sの種
類、その他の条件との関係において、予め実験等により
好ましい分解が得られる波長のものを用いる。またアル
カリ液を加えるようにした1つの分解槽を用いる場合に
おいて、アルカリ液は、例えば水酸化ナトリウム水溶液
とすることができるが、他のアルカリ水溶液とすること
も可能である。またアルカリを加える量は、例えば水酸
化ナトリウムの場合はアルカリ濃度が0.1〜30%と
することができるが、被処理液Cのハロゲン化炭化水素
の濃度や温度条件、触媒の種類、超音波加振の条件に応
じて、予め実験により適当なアルカリ濃度範囲を定める
ことになる。
【0046】前記中和槽8は、被処理液Cと酸との十分
な混合、十分な反応時間を考慮して、2室又はそれ以上
の室に区分することができ、また最終段にpHセンサ8
3を配置するようにすることができる。pHセンサ83
による検出値はコントローラ18に送られ、コントロー
ラ18ではその検出値に応じて、酸タンク81の流量調
節器82に制御動作指令を行う。
【0047】前記吸着塔9での吸着層91と被処理液C
との接触時間は、例えば30分以上とし、また吸着塔9
での液速度を10m/Hrとして、最終的に排水10さ
れる被処理液C中のハロゲン化炭化水素の濃度を1pp
m未満になるように調整することができる。
【0048】ところで超音波を加振することに関して、
従来より音波や電磁波はあるレベルのエネルギーを有
し、ある種の化学作用、物理作用を示すことが知られて
いる。そして超音波は攪拌や混合作用、或いは振動効果
を用いた付着物の剥離や洗浄等に多用されていることは
言うまでもない。これに対して本発明では、超音波があ
る特定の条件下で特殊な化学反応に機能する可能性があ
るという知見に基づいて、ハロゲン化炭化水素を含む液
の分解反応に超音波の適用を試みたところ、反応を助長
する機能を新たに見出し、本発明に至ったものである。
また紫外線の照射に関しても、ハロゲン化炭化水素を含
む液の分解反応に紫外線照射の適用を試みたところ、反
応を助長する機能を新たに見出し、本発明に至ったもの
である。即ちC−Cl結合に関しては、触媒の存在下或
いは触媒とアルカリの存在下において、超音波や紫外線
を加振することで前記結合を切断し、ハロゲン化炭化水
素の分解を促すことを見出し、同様に他のハロゲン化炭
化水素の分解に対する超音波、及び紫外線照射の役割に
ついても知見し、その結果、本発明を完成するに至った
のである。
【0049】
【実施例】図1に示すような装置を用い、金属洗浄に用
いたトリクロルエチレン、及び水中に溶解したトリクロ
ルエチレン、ジクロルメタンを溶解した被処理液Cを用
いて、次に示す実験を行った。 被処理液C−トリクロルエチレン50ppm、ジクロルメタン100ppmを 含む水溶液 第1分解槽4 容 積 : 0.100m 処理温度 : 23〜65℃ アルカリ濃度 : 〜0.1%NaOH 滞留時間 : 5〜60分 超音波加振周波数 : 20〜60kHz 超音波加振出力 : 10〜50W 触 媒 : 第1層−高賦活活性炭 3 第2層−高活性酸化チタン 1 紫外線照射波長 : 200nm(代表波長) 紫外線照射出力 : 80W 第2分解槽5 容 積 : 0.100m 処理温度 : 23〜65℃ アルカリ濃度 : pH>10 滞留時間 : 5〜100分 超音波加振周波数 : 100〜350kHz 超音波加振出力 : 20〜150W 触 媒 : 第1層−高活性酸化チタン 3 第2層−活性アルミナ 1 紫外線照射波長 : 200nm(代表波長) 紫外線照射出力 : 80W なおハロゲン化炭化水素の分解率の評価は、被処理液C
中の塩素イオン濃度で行った。また吸着塔9の通過時間
は10m/hrで、約10分とした。
【0050】上記実験の結果の一例を試験結果1、2と
して表1に示す。また同じ条件で触媒を用いない場合の
結果も示す。なお表1での滞留時間60分は、第1分解
槽4と第2分解槽5での合計時間である。
【0051】
【表1】
【0052】表1に示す実験結果から見られるように、
触媒、超音波加振、紫外線照射、アルカリ液の添加によ
って、ハロゲン化炭化水素の分解を効率よく行うことが
確認できた。
【0053】
【発明の効果】本発明は以上の構成、作用よりなり、請
求項1に記載のハロゲン化炭化水素の分解処理装置によ
れば、ハロゲン化炭化水素を含む被処理液に対して、触
媒の存在下、超音波を加振すると共に紫外線を照射する
構成としたことで、被処理液中のハロゲン化炭化水素を
分解して、無害な塩と水と二酸化炭素とに分解すること
ができる。よってハロゲン化炭化水素を、高温での処理
を行うことなく、また熱分解等によるダイオキシン等を
発生させることなく、安全で且つ省エネルギーで分解し
て無害化することができる。また請求項2に記載のハロ
ゲン化炭化水素の分解処理装置によれば、ハロゲン化炭
化水素を含む被処理液にアルカリ液を加えた上で、触媒
の存在下、超音波を加振すると共に紫外線を照射する構
成としたことで、被処理液中のハロゲン化炭化水素を分
解して、無害な塩と水と二酸化炭素とに分解することが
できる。よってハロゲン化炭化水素を、高温での処理を
行うことなく、また熱分解等によるダイオキシン等を発
生させることなく、安全で且つ省エネルギーで、より容
易に分解して無害化することができる。また請求項3に
記載のハロゲン化炭化水素の分解処理装置によれば、上
記請求項1又は2に記載の構成による効果に加えて、前
処理として被処理液を予め加温することとしたので、ハ
ロゲン化炭化水素の分解を一層容易に行うことができ
る。また請求項4に記載のハロゲン化炭化水素の分解処
理装置によれば、上記請求項1〜3の何れかに記載の構
成による効果に加えて、後処理として被処理液を中和処
理し、吸着層を通して残余のハロゲン化炭化水素を吸着
除去するようにしたので、本処理の際に被処理液中のハ
ロゲン化炭化水素が完全には分解されずに残留すること
があっても、それらの残留ハロゲン化炭化水素を活性炭
等の吸着層にて吸着し、一層確実に被処理液からハロゲ
ン化炭化水素を除去することができる。また請求項5に
記載のハロゲン化炭化水素の分解処理装置によれば、処
理液と接触させる1乃至複数段の触媒層を内部に備え、
また超音波加振手段からの超音波加振と紫外線照射手段
からの紫外線照射によって被処理液中のハロゲン化炭化
水素を分解させる分解槽を有するので、被処理液中のハ
ロゲン化炭化水素を、分解槽内で、高温での処理を行う
ことなく、また熱分解等によるダイオキシン等を発生さ
せることなく、安全に且つ省エネルギーで分解して無害
化することができる。また請求項6に記載のハロゲン化
炭化水素の分解処理装置によれば、被処理液にアルカリ
注液手段によるアルカリ液を加え、超音波加振手段によ
る超音波加振と紫外線照射手段による紫外線を照射とに
よってハロゲン化炭化水素を分解させる分解槽を有する
ので、被処理液中のハロゲン化炭化水素を、分解槽内
で、高温での処理を行うことなく、また熱分解等による
ダイオキシン等を発生させることなく、安全に且つ省エ
ネルギーで一層効果的に分解して無害化することができ
る。また請求項7に記載のハロゲン化炭化水素の分解処
理装置によれば、上記請求項5又は6に記載の構成によ
る効果に加えて、被処理液を分解槽に送る前に予め加温
するための加温手段を備えたので、加温手段で適当な温
度に加温した被処理液を用いて、触媒及び超音波加振の
下、被処理液を加温状態でアルカリと反応させることが
でき、ハロゲン化炭化水素の分解、無害化をより一層効
果的に行うことができる。また請求項8に記載のハロゲ
ン化炭化水素の分解処理装置によれば、上記請求項5〜
7に記載の構成による効果に加えて、分解槽を経た被処
理液を中和させる中和槽と、該中和槽を経た被処理液を
活性炭等の吸着層に通すことで残余のハロゲン化炭化水
素を吸着除去するための吸着塔とを備えたので、本処理
の際にハロゲン化炭化水素が完全には分解されずに残留
することがあっても、それらの残留ハロゲン化炭化水素
を活性炭吸着層にて吸着して、被処理液から除去するこ
とができる。また請求項9に記載のハロゲン化炭化水素
の分解処理装置によれば、上記請求項1〜9に記載の構
成による効果に加えて、高賦活活性炭等の活性炭、高活
性酸化チタン等の酸化チタン、活性アルミナ等のアルミ
ナ、酸化銅、酸化ニッケルの1種又は2種以上の触媒を
用いることにより、被処理液中のハロゲン化炭化水素の
分解、無害化をより効果的に行うことができる。また請
求項10に記載のハロゲン化炭化水素の分解処理装置に
よれば、上記請求項1〜9に記載の構成による効果に加
えて、超音波は周波数が10〜500kHzものを用い
ることとしたので、被処理液中のハロゲン化炭化水素の
分解、無害化を一層効果的に行うことができる。また請
求項11に記載のハロゲン化炭化水素の分解処理装置に
よれば、上記請求項1〜10に記載の構成による効果に
加えて、紫外線は波長が150〜300nmのものを用
いることとしたので、被処理液中のハロゲン化炭化水素
の分解、無害化を一層効果的に行うことができる。また
請求項12に記載のハロゲン化炭化水素の分解処理装置
によれば、アルカリ液が加えられない第1分解槽で先ず
被処理液の中に含まれるハロゲン化炭化水素の内の比較
的分解されやすいものを分解することができ、更にアル
カリ液を加えるようにした第2分解槽で、第1分解槽で
分解されなかった種類のハロゲン化炭化水素やその分解
中間生成物等を分解することができる。よって被処理液
中のハロゲン化炭化水素の分解、無害化を2段階にわた
って、より確実に行うことができる。また請求項13に
記載のハロゲン化炭化水素の分解処理装置によれば、上
記請求項12に記載の構成による効果に加えて、一方の
分解槽においては触媒層に疎水性の触媒を多く使用し、
超音波の周波数を低く、他方の分解槽においては触媒層
に親水性の触媒を多く使用し、超音波の周波数を高く設
定してあるので、疎水性の触媒によって分解されやすい
ハロゲン化炭化水素と親水性の触媒によって分解されや
すいハロゲン化炭化水素とを、2つの分解槽によって確
実に分解し、無害化することができる。加えて、低い周
波数でも十分に分解反応するものや低い周波数でよく反
応するハロゲン化炭化水素と低い周波数では反応が弱い
ものや高い周波数でよく反応するハロゲン化炭化水素と
を、2つの分解槽によって確実に分解することができ
る。よって全体として、被処理液中の種々のハロゲン化
炭化物をより効果的に分解、無害化することができる。
また請求項14に記載のハロゲン化炭化水素の分解処理
装置によれば、上記請求項12に記載の構成による効果
に加えて、第1分解槽はアルカリ液が加えられることな
く、疎水性の触媒を多く使用し、第2分解槽はアルカリ
液が加えられ、親水性の触媒を多く使用した触媒層によ
り、周波数の高い超音波の加振と、紫外線照射の下に、
被処理液中の比較的分解され難い種類のハロゲン化炭化
水素や反応中間生成物を分解することができる。よって
被処理液中の種々のハロゲン化炭化物の分解を第1、第
2の分解槽にて、分解されやすいものから順次確実に分
解無害化してゆくことができる。また請求項15に記載
のハロゲン化炭化水素の分解処理装置によれば、上記請
求項12〜14に記載の構成による効果に加えて、第1
分解槽ではアルカリ液が加えられることなく、高賦活活
性炭を主たる触媒とし、周波数が20〜60kHzの超
音波の加振と、150〜300nmの波長の紫外線照射
の下に、それらの条件にあった比較的分解されやすい種
類のハロゲン化炭化水素の分解を効果的に進めることが
でき、また第2分解槽ではアルカリ液が加えられ、高活
性酸化チタンを主たる触媒とし、周波数が100〜50
0kHzの超音波の加振と、150〜300nmの波長
の紫外線照射の下に、第1分解槽では分解されなかった
ハロゲン化炭化水素や反応中間生成物の分解を効果的に
進めることができる。これによって、被処理液中に含ま
れる種々のハロゲン化炭化物を第1、第2の分解槽にて
順次確実に且つ効果的に分解、無害化してゆくことがで
きる。また請求項16に記載のハロゲン化炭化水素の分
解処理装置によれば、上記請求項12〜15に記載の構
成による効果に加えて、加温手段で被処理液を予め加温
することができ、分解槽でのハロゲン化炭化水素の分
解、無害化をより促進させることができる。また請求項
17に記載のハロゲン化炭化水素の分解処理装置によれ
ば、上記請求項12〜16に記載の構成による効果に加
えて、分解槽を経た被処理液中にハロゲン化炭化水素が
完全には分解されずに残留することがあっても、それら
の残留ハロゲン化炭化水素を活性炭等の吸着層にて吸着
して、被処理液から除去することができる。また請求項
18に記載のハロゲン化炭化水素の分解処理装置によれ
ば、上記請求項1〜17に記載の構成による効果に加え
て、工業用等として多く使用されてきたトリクロルエチ
レン、テトラクロルエチレン、ジクロルメタンを含む塩
素系ハロゲン化炭化水素を、熱分解等によるダイオキシ
ン等の有害物質の発生を引き起こすことなく、また大量
のエネルギーを使用することなく、確実に分解させて無
害化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の実施形態にかかるハロゲン化炭化
水素の分解処理装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 供給ポンプ 2 フィルタ 3 加熱手段 4 第1分解槽 5 第2分解槽 6 三方弁 7 搬送ポンプ 8 中和槽 9 吸着塔 10 排水 11 水蒸気供給手段 12 コンデンサ 13 弁 14 切換器 15 前置吸着塔 16 排出 17 弁 18 コントローラ 31 熱交換器 32 加熱器 41、51 触媒層 42、52 超音波加振手段 43、53 紫外線照射手段 44、54 気相ハロゲン用薄膜触媒層 45、55 ハロゲンイオン濃度センサ 55 ハロゲンイオン濃度センサ 56 アルカリ注液手段 56a アルカリタンク 56b 流量調節器 81 酸タンク 82 流量調節器 83 pHセンサ 91 吸着層 321 温度センサ A 原液 B 液 C 被処理液 S 触媒
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/36 C02F 1/72 101 4H006 1/72 101 C07B 35/06 C07B 35/06 37/06 37/06 B01D 53/36 G Fターム(参考) 4D024 AA10 AB11 BA02 DB20 4D037 AA11 AB14 BA18 BA26 BB01 BB02 BB09 CA01 4D048 AA11 AB03 BA03Y BA05X BA07X BA13X BA35Y BA38Y BA41X CD01 EA01 EA03 4D050 AA12 AB45 BB01 BC01 BC04 BC09 BC10 BD06 CA06 CA13 4G075 AA13 AA37 BA05 CA23 CA33 CA54 DA02 EB01 4H006 AA04 AA05 AC13 AC26 BA02 BA29 BA32 BA95

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化炭化水素を含む被処理液に対
    して、触媒の存在下、超音波を加振すると共に紫外線を
    照射する構成とし、これによって前記被処理液中のハロ
    ゲン化炭化水素を分解して無害化することを特徴とする
    ハロゲン化炭化水素の分解処理装置。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化炭化水素を含む被処理液にア
    ルカリ液を加えた上で、触媒の存在下、超音波を加振す
    ると共に紫外線を照射する構成とし、これによって前記
    被処理液中のハロゲン化炭化水素を分解して無害化する
    ことを特徴とするハロゲン化炭化水素の分解処理装置。
  3. 【請求項3】 前処理として被処理液を予め加温するこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のハロゲン化炭化
    水素の分解処理装置。
  4. 【請求項4】 後処理として被処理液を中和処理し、更
    に活性炭等の吸着層を通して残余のハロゲン化炭化水素
    を吸着除去することを特徴とする請求項1〜3の何れか
    に記載のハロゲン化炭化水素の分解処理装置。
  5. 【請求項5】 受け入れたハロゲン化炭化水素を含む被
    処理液と接触させるための1乃至複数段の触媒層を内部
    に備え、また前記被処理液に対して超音波を加振する超
    音波加振手段と紫外線を照射する紫外線照射手段とを備
    え、触媒の存在下及び超音波加振と紫外線照射の下で前
    記被処理液中のハロゲン化炭化水素の分解反応を行わせ
    る分解槽を少なくとも有することを特徴とするハロゲン
    化炭化水素の分解処理装置。
  6. 【請求項6】 受け入れたハロゲン化炭化水素を含む被
    処理液と接触させるための1乃至複数段の触媒層を内部
    に備え、また前記被処理液に対して超音波を加振する超
    音波加振手段と紫外線を照射する紫外線照射手段と被処
    理液にアルカリ液を加えるアルカリ注液手段とを備え、
    触媒とアルカリの存在下及び超音波加振と紫外線照射の
    下で前記被処理液中のハロゲン化炭化水素の分解反応を
    行わせる分解槽を少なくとも有することを特徴とするハ
    ロゲン化炭化水素の分解処理装置。
  7. 【請求項7】 被処理液を分解槽に送る前に予め加温す
    るための加温手段を備えたことを特徴とする請求項5又
    は6に記載のハロゲン化炭化水素の分解処理装置。
  8. 【請求項8】 分解槽を経た被処理液を中和させるため
    の中和槽と、該中和槽を経た被処理液を活性炭等の吸着
    層に通すことで残余のハロゲン化炭化水素を吸着除去す
    るための吸着塔とを備えたことを特徴とする請求項5〜
    7の何れかに記載のハロゲン化炭化水素の分解処理装
    置。
  9. 【請求項9】 触媒は、高賦活活性炭等の活性炭、高活
    性酸化チタン等の酸化チタン、活性アルミナ等のアルミ
    ナ、酸化銅、酸化ニッケルのうちの少なくとも何れか1
    種類以上が有効物質として用いられることを特徴とする
    請求項1〜8の何れかに記載のハロゲン化炭化水素の分
    解処理装置。
  10. 【請求項10】 超音波は周波数が10〜500kHz
    ものを用いることを特徴とする請求項1〜9の何れかに
    記載のハロゲン化炭化水素の分解処理装置。
  11. 【請求項11】 紫外線は波長が150〜300nmの
    ものを用いることを特徴とする請求項1〜10の何れか
    に記載のハロゲン化炭化水素の分解処理装置。
  12. 【請求項12】 受け入れたハロゲン化炭化水素を含む
    被処理液と接触させるための1乃至複数段の触媒層を内
    部に備え、また前記被処理液に対して超音波を加振する
    超音波加振手段と紫外線を照射する紫外線照射手段とを
    備え、触媒の存在下及び超音波加振と紫外線照射の下で
    前記被処理液中のハロゲン化炭化水素の分解反応を行わ
    せる第1分解槽と、受け入れたハロゲン化炭化水素を含
    む被処理液と接触させるための1乃至複数段の触媒層を
    内部に備え、また被処理液に対して超音波を加振する超
    音波加振手段と紫外線を照射する紫外線照射手段と被処
    理液にアルカリ液を加えるアルカリ注液手段とを備え、
    触媒とアルカリの存在下及び超音波加振と紫外線照射の
    下で前記第1分解槽を通過してきた被処理液中のハロゲ
    ン化炭化水素の分解反応を行わせる第2の分解槽とを少
    なくとも有することを特徴とするハロゲン化炭化水素の
    分解処理装置。
  13. 【請求項13】 一方の分解槽においては触媒層に疎水
    性の触媒を多く使用し、他方の分解槽においては分解槽
    の触媒層には親水性の触媒を多く使用することで、第1
    分解槽と第2分解槽での触媒層の全体としての極性を異
    ならしめると共に、一方の分解槽においては超音波加振
    手段による超音波の周波数を低く、他方の分解槽では超
    音波加振手段による超音波の周波数を高く設定してある
    ことを特徴とする請求項12に記載のハロゲン化炭化水
    素の分解処理装置。
  14. 【請求項14】 第1分解槽においては触媒層に疎水性
    の触媒を多く使用すると共に周波数の低い超音波を用
    い、第2分解槽においては触媒槽に親水性の触媒を多く
    使用すると共に周波数の高い超音波を用いることを特徴
    とする請求項12に記載のハロゲン化炭化水素の分解処
    理装置。
  15. 【請求項15】 第1分解槽においては高賦活活性炭を
    主たる触媒とし、超音波加振手段による超音波の周波数
    を20〜60kHzとし、第2分解槽においては高活性
    酸化チタンを主たる触媒とし、超音波加振手段による超
    音波の周波数を100〜500kHzとし、且つ第1、
    第2分解槽での紫外線照射手段による紫外線の波長を1
    50〜300nmとしたことを特徴とする請求項12〜
    14の何れかに記載のハロゲン化炭化水素の分解処理装
    置。
  16. 【請求項16】 被処理液を分解槽に送る前に予め加温
    するための加温手段を備えたことを特徴とする請求項1
    2〜15の何れかに記載のハロゲン化炭化水素の分解処
    理装置。
  17. 【請求項17】 分解槽を経た被処理液を中和させるた
    めの中和槽と、該中和槽を経た被処理液を活性炭等の吸
    着層に通すことで残余のハロゲン化炭化水素を吸着除去
    するための吸着塔とを備えたことを特徴とする請求項1
    2〜16の何れかに記載のハロゲン化炭化水素の分解処
    理装置。
  18. 【請求項18】ハロゲン化炭化水素はトリクロルエチレ
    ン、テトラクロルエチレン、ジクロルメタンを含む塩素
    系ハロゲン化炭化水素であることを特徴とする請求項1
    〜17の何れかに記載のハロゲン化炭化水素の分解処理
    装置。
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