JP2003218848A - 先行波検出装置、無線受信装置及び受信信号同期方法 - Google Patents

先行波検出装置、無線受信装置及び受信信号同期方法

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JP2003218848A
JP2003218848A JP2002009211A JP2002009211A JP2003218848A JP 2003218848 A JP2003218848 A JP 2003218848A JP 2002009211 A JP2002009211 A JP 2002009211A JP 2002009211 A JP2002009211 A JP 2002009211A JP 2003218848 A JP2003218848 A JP 2003218848A
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detecting
synchronization
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Yoshinori Morita
美法 森田
Sadaki Futaki
貞樹 二木
Mitsuru Uesugi
充 上杉
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Time-Division Multiplex Systems (AREA)
  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 正確に先行波の位置を検出することで、
正確に同期捕捉や同期追跡を行うこと。 【解決手段】 相関値算出部16で受信信号と既知信号
の相関値を求める。次に微分回路22により相関値を微
分し、最大変化量検出回路23により微分値が急激に増
加している位置を検出し、先行波検出回路24によりそ
の位置関係に基づいて先行波を検出する。この結果、マ
ルチパスが存在する環境下やフェージング環境下で通信
を行った場合でも受信時に正確に先行波の位置を検出で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は先行波検出装置、無
線受信装置及び受信信号同期方法に関し、特に受信信号
と既知信号との相関値に基づいて同期補足や同期追跡を
行う場合に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】移動体通信では、送信側装置および受信
側装置のいずれか一方または両者が移動することが多い
ため、送信側装置により送信信号が送信された時点から
この送信信号が受信側装置に受信されるまでの時間(す
なわち伝搬遅延時間)は、常に変化する。そこで、受信
側装置は、受信信号を用いて受信タイミングの捕捉(す
なわち同期捕捉)を行うとともに、受信タイミングの修
正(すなわち同期追跡)を行う必要がある。
【0003】従来の移動体通信における同期方法とし
て、特開平11−88455号公報に開示されている方
法がある。この従来の同期方法について、図13及び図
14を参照して説明する。図13は、従来の同期方法を
示すフロー図である。図14は、従来の同期方法におけ
る相互相関値の様子を示す模式図である。
【0004】受信側装置において、まずステップ(以下
「ST」という。)1では、受信信号とユニークワード
信号(既知信号)とを用いて、相互相関値が算出され
る。なお、送信側装置は、このユニークワード信号を含
む送信信号を送信している。ここでは図14に示すよう
な相互相関値が算出される。ステップST2では、算出
された相互相関値における最大値F1が記憶される。ス
テップST3では、最大値F1に係数THが乗算される
ことにより、しきい値F0が算出される。
【0005】ステップST4〜ST7では、各サンプル
点(i)における相互相関値としきい値F0とが比較さ
れることにより、しきい値F0を越える相互相関値の位
置が検出される。図14に示す相互相関値においては、
最初にしきい値を超える相互相関値の位置としてa点が
検出される。最終的に、位置iとしてa点の位置が記憶
されるとともに、位置iにおける相互相関値Aが記憶さ
れる。
【0006】ステップST8では、位置iから1サンプ
ル後方の位置、すなわち、位置(i+1)における相互
相関値Bが求められる。ステップST9では、記憶され
た相互相関値Aと相互相関値Bとの比較がなされる。位
置(i+1)における相互相関値Bが相互相関値Aより
も大きい場合には、ステップST10において、位置i
が位置(i+1)に更新されるとともに、更新された位
置iにおける相互相関値Aが、相互相関値Bに更新され
る。逆に、位置(i+1)における相互相関値Bが相互
相関値A以下である場合には、ステップST11におい
て、相互相関値における最初のピークの位置を検出した
として、現時点における位置iが次フレームにおける同
期点(同期時刻)とされる。図14に示す相互相関値に
おいては、位置P2が相互相関値における最初のピーク
位置として検出される。この位置P2が次フレームにお
ける同期点となるように、受信タイミングが修正され
る。
【0007】このような同期方法により、受信側装置
は、送信側装置により送信された送信信号に対して、同
期捕捉および同期追跡を行っている。この同期結果は例
えば等化器で用いられるので、受信信号の同期補足及び
同期追跡の精度や速度が受信品質を向上させる上で重要
な要素となる。
【0008】例えば、一般的な無線受信装置では、受信
信号を等化器を用いて等化することにより、マルチパス
環境下において生じる遅延波による符号間干渉を抑制す
るようになっている。等化器により符号間干渉を除去し
て元の信号を復元するには、直接波及び遅延波の情報が
等化器のタップに入力される必要がある。そのため等化
器の性能を十分に引き出すためには等化器に入力される
受信信号の切り出しタイミングを規定する同期位置が重
要となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の同期方法においては、算出された相互相関値としき
い値との比較結果を用いて同期点(同期時刻)を検出し
ているので、回線品質によっては同期点を正確に検出す
ることが困難となる問題がある。
【0010】具体的には、上述した従来の同期方法で
は、フェージングなどの影響により相関値の最大値が極
端に大きな値を生じた場合、また先行波の相関ピーク値
が急激に低い値となった場合に不都合が生じる。つま
り、従来の同期方法では、閾値F0を相関値の最大値を
用いて設定するため、先行波のピーク値がF0以下とな
ってしまい、このような場合には遅延波の位置を先行波
位置として検出することになり、正確な先行波位置を検
出できないといった欠点があった。
【0011】またマルチパス等の影響によっては、受信
側装置により算出された相互相関値において、先行波に
対応する相互相関値が現れる位置にずれが生ずることが
ある。具体例について図15を参照して説明する。マル
チパスが存在しない場合に、先行波に対応する相互相関
値は例えばc1点において最大となるとする(すなわ
ち、c1点が同期点となるように受信タイミングを修正
すれば、先行波を確実に受信できるとする)。マルチパ
スが存在する場合には、先行波に対応する相互相関値
は、c1点において最大とならずに、c1点よりも後方
のc2点において最大となることがある。このように先
行波に対応する相互相関値が最大となる位置がずれるこ
とは、遅延波の影響に起因する。図15に示す場合に
は、従来の同期方法によれば、同期時刻としてc1点で
はなくc2点が検出される。
【0012】以上のように、上記従来の同期方法におい
ては、回線品質の影響により同期点を正確に検出するこ
とができないこと、すなわち、同期ずれが生ずることが
ある。この結果、正確に同期捕捉および同期追跡を行う
ことが困難となる。
【0013】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、正確に先行波の位置を検出し得る先行波検出装
置を提供すると共に、正確に同期捕捉、同期追跡を行う
ことができる無線受信装置および受信信号同期方法を提
供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明は以下の構成を採る。
【0015】(1)本発明の先行波検出装置は、受信信
号と既知信号との相関値を算出する相関値算出手段と、
相関値算出手段により得られた相関値を微分する微分手
段と、微分手段により得られた微分値に基づいて、相関
値が急激に増加している位置を検出する相関増加位置検
出手段と、相関増加位置検出手段により検出された相関
増加位置の位置関係に基づいて先行波を検出する先行波
検出手段とを具備する構成を採る。
【0016】この構成によれば、相関値の急激な増加位
置とその位置関係から先行波の位置を検出しているの
で、例えば相関値レベルのしきい値判定により先行波位
置を検出する場合と比較して、マルチパスが存在する環
境下やフェージング環境下でも正確に先行波の位置を検
出できる。この結果、この先行波の位置を例えば同期処
理等に用いれば高精度の同期処理を行うことができるよ
うになる。
【0017】(2)また本発明の先行波検出装置は、複
数フレームの受信信号についての相関値を平均化する平
均化手段をさらに具備し、微分手段は、当該平均化手段
により平均化された相関値を微分する構成を採る。
【0018】この構成によれば、例えば相関値に瞬間的
なノイズ成分が重畳されている場合に、平均化手段によ
ってノイズ成分を抑圧できるので、ノイズ成分を先行波
として誤検出することを回避することができる。
【0019】(3)また本発明の先行波検出装置は、先
行波検出手段により検出された先行波位置を記憶する記
憶手段と、記憶手段に記憶された先行波位置と先行波検
出手段から出力される先行波位置との位置関係を比較
し、先行波検出手段から出力された先行波位置が記憶手
段に記憶された先行波位置に対して時間的に正方向に移
動しているとき、記憶手段に記憶された先行波位置を先
行波と判定する先行波判定手段とを、さらに具備する構
成を採る。
【0020】この構成によれば、フェージングなどの影
響により先行波の相関ピーク値が急激に低い値を生じた
としても、誤って遅延波の位置を検出することなく、正
確な先行波位置を検出できる。また、次区間の変化量を
算出して一時的に記憶し比較することで、雑音やフェー
ジングによる急激なレベル変動による先行波位置検出誤
りを防ぐことができる。
【0021】(4)また本発明の無線受信装置は、受信
信号と既知信号との相関値を算出する相関値算出手段
と、相関値算出手段により得られた相関値を微分する微
分手段と、微分手段により得られた微分値に基づいて、
相関値が急激に増加している位置を検出する相関増加位
置検出手段と、相関増加位置検出手段により検出された
相関増加位置の位置関係に基づいて先行波を検出する先
行波検出手段と、検出された先行波の位置を同期点とし
て受信信号に対する同期処理を行う同期処理復調手段と
を具備する構成を採る。
【0022】この構成によれば、先行波検出手段により
マルチパスが存在する環境下やフェージング環境下でも
正確に検出された先行波位置を同期点とし、同期捕捉や
同期追跡といった同期処理を行って受信信号を復調する
ので、品質の良い復調信号を得ることができる。
【0023】(5)また本発明の無線受信装置は、複数
のアンテナと、各アンテナにより受信した各受信信号に
ついての相関値を算出する複数の相関値算出手段と、複
数の相関値算出手段により得られた複数の相関値のうち
最も伝搬路劣化の少ない相関値を選択する選択手段と
を、さらに具備し、微分手段、相関増加位置検出手段及
び先行波検出手段は、選択手段により選択された相関値
を用いて先行波検出処理を行う構成を採る。
【0024】この構成によれば、複数のアンテナから受
信した受信信号から複数の相関値を算出し、これらの相
関値のうち最も伝搬路劣化の少ない相関値を選択し、選
択した相関値を用いて微分による先行波検出を行うの
で、一段と正確な先行波検出を行うことができる。
【0025】(6)また本発明の無線受信装置は、複数
の相関値算出手段により得られた複数の相関値について
それぞれフレーム期間内における最大相関値を検出する
最大相関値検出手段と、最大相関値検出手段により得ら
れた相関値のうち時間的に最も先行する最大相関値を検
出する先行相関値検出手段とを、さらに具備し、選択手
段は、先行相関値検出手段により検出された相関値に対
応する相関値算出手段からの相関値を最も伝搬路劣化の
少ない相関値として選択する構成を採る。
【0026】この構成によれば、相関値の最大値が最も
先行しているアンテナブランチ信号は遅延波等の影響が
最小のアンテナブランチ信号である可能性が高いので、
先行相関値検出手段により複数の相関値のうち時間的に
最も先行する最大相関値を検出し、選択手段によりこの
最大相関値が得られたブランチを最も伝搬路劣化の少な
い相関値として選択する。この結果、伝搬路劣化の最も
少ないブランチを的確に選択して、先行波を正確に検出
できる。
【0027】(7)また本発明の無線受信装置は、複数
のアンテナと、各アンテナにより受信した各受信信号に
ついての相関値を算出する複数の相関値算出手段と、複
数の相関値算出手段により得られた複数の相関値を合成
する合成手段とを、さらに具備し、微分手段、相関増加
位置検出手段及び先行波検出手段は、合成手段により合
成された相関値を用いて先行波検出処理を行う構成を採
る。
【0028】この構成によれば、合成手段により相関値
に対する空間方向の平均化が行われるので、相関値にお
ける空間方向のノイズを抑圧でき、この分だけ一段と正
確な先行波検出処理を行うことができる。
【0029】(8)また本発明の同期追跡装置は、
(1)に記載の先行波検出装置による比較的大まかな処
理により求めた先行波検出結果に基づいて所定時間幅の
ウィンドウを設定するウィンドウ設定手段と、ウィンド
ウ設定手段により設定したウィンドウ内の相関値を用い
て(1)に記載の先行波検出装置による比較的詳細な処
理により求めた先行波検出結果とウィンドウの中心位置
とのずれを検出するずれ検出手段と、ウィンドウの中心
が先行波検出結果から所定回数連続して一方の時間方向
にずれた場合に、ウィンドウの位置をずれと反対方向に
移動させると共にウィンドウの中心位置を同期点として
出力する同期追跡手段とを具備する構成を採る。
【0030】この構成によれば、大まかな先行波検出処
理を行ってウィンドウを設定し、次に設定したウィンド
ウ内のみで詳細な先行波検出処理を行っているので、高
精度の先行波検出処理を高速で行うことができる。加え
て、ずれ検出手段によりウィンドウ中心位置と先行波検
出結果とのずれを検出し、同期追跡手段によりウィンド
ウ中心位置が先行波検出結果に対して連続して同じ方向
にずれているときに初めて同期点を移動させるようにし
たので、先行波検出結果にノイズ等の影響による揺らぎ
が生じた場合でも、良好に同期追跡を行うことができ
る。
【0031】(9)さらに本発明の受信信号同期方法
は、受信信号と既知信号との相関値を算出し、相関値を
所定間隔毎に微分することにより微分相関値を求め、微
分相関値に基づいて相関値が急激に増加している位置を
検出し、当該検出位置に基づいて受信信号の同期点を検
出し、当該同期点を用いて受信信号の同期処理を行うよ
うにする。
【0032】この方法によれば、相関値の急激な増加位
置とその位置関係から先行波の位置を検出しているの
で、例えば相関値レベルのしきい値判定により先行波位
置を検出する場合と比較して、マルチパスが存在する環
境下やフェージング環境下でも正確に先行波の位置を検
出できる。この結果、この先行波の位置を例えば同期処
理等に用いれば高精度の同期処理を行うことができるよ
うになる。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の骨子は、受信信号と既知
信号の相関値を微分し、微分値が急激に増加している位
置を検出し、その位置関係に基づいて先行波を検出する
ことである。
【0034】以下、本発明の実施形態について図面を参
照して詳細に説明する。
【0035】(実施の形態1)図1において、10は全
体として本発明の実施の形態1に係る無線受信装置の構
成を示す。無線受信装置10は、例えば携帯電話等の無
線端末や無線基地局に設けられている。無線受信装置1
0は、アンテナAN1によって受信した受信信号を無線
受信部(RF部)11に入力する。RF部11は受信信
号に対して増幅および周波数変換等の無線受信処理を施
すことにより受信RF信号を形成する。
【0036】受信RF信号は直交検波器12および受信
帯域を制限するローパスフィルタ(LPF)13A、1
3Bに順次入力されることにより、受信信号のI信号お
よびQ信号が抽出される。抽出されたI信号およびQ信
号はアナログディジタル変換回路(A/D)14A、1
4Bによりサンプリングされ、ディジタル化された受信
I信号および受信Q信号がメモリ15に蓄積される。
【0037】メモリ15に蓄積された受信I信号および
受信Q信号は相関値算出部16にて予め記憶されている
ユニークワード信号との相関値が算出される。算出され
た相関値は先行波検出部20に送出される。先行波検出
部20は相関値に基づいて受信信号の先行波の位置を検
出し、これを次フレームにおける同期時刻と決定する。
【0038】この同期時刻はメモリ15に送出される。
メモリ15はこの同期時刻で次フレームの受信信号の格
納を開始する。そして格納した受信信号を等化部17に
送出し、等化部17により等化処理された受信信号は受
信ビットストリームとして出力される。このような処理
は順次受信される受信信号におけるフレーム単位で行わ
れ、これにより受信信号の同期捕捉及び同期追跡が行わ
れるようになっている。
【0039】この実施の形態の先行波検出部20は、相
関値算出部16により求められた相関値を平均化回路2
1に入力する。ここで相関値を時間方向に見ると、平均
化回路21には例えば図2に示すような遅延プロファイ
ルが入力されることになる。平均化回路21は1フレー
ム期間に相当する遅延プロファイルを複数フレーム分平
均化することにより平均化された遅延プロファイルを形
成する。これにより遅延プロファイルのノイズ成分を除
去することができる。
【0040】平均化された遅延プロファイルは微分回路
22に入力される。微分回路22は相関値を微分するこ
とにより受信レベル(相関値)の変化量を微分値として
算出し、その結果を最大変化量検出回路23に送出す
る。最大変化量検出回路23は、一定区間毎に微分値が
最大となっており、かつその最大微分値が所定の閾値以
上となっている位置t0、t1、t2を検出する。これ
により相関値が急激に増加している位置t0、t1、t
2が検出される。
【0041】先行波検出回路24は最大変化量検出回路
23により検出された位置t0、t1、t2の中から時
間的に最も先行している位置t0を検出し、その位置t
0から先行波の位置の検出を開始する。実際には位置t
0から相関値レベルの上昇を監視し、相関値レベルのピ
ーク点taを先行波位置とする。そして先行波検出回路
24はこの位置taを同期時刻として出力する。これに
より微分により検出された位置t0と実際の同期位置t
aとの間のずれ量が修正される。
【0042】以上の構成において、先行波検出部20は
先ず平均化回路21により相関値算出部16で算出され
た相関値を平均化することにより相関値のノイズ成分を
抑圧する。これにより先行波の誤検出を未然に防止でき
る。特に先行波検出部20では、微分演算により先行波
を検出するようにしているので、鋭い立ち上がりをみせ
るノイズがあった場合には誤検出の大きな要因となるこ
とを考えると、平均化処理は誤検出防止に非常に有効と
なる。
【0043】平均化された相関値は微分回路22により
微分された後、最大変化量検出回路23に入力される。
ここで先行波検出部20に、図2に示すような相関値が
入力された場合を考える。最大変化量検出回路23で
は、一定区間Tで微分値が最大でかつ微分値が所定の閾
値以上である時点t0、t1およびt2が検出される。
検出された時点t0、t1およびt2は先行波検出回路
24に送出され、先行波検出回路24では時点t0、t
1およびt2のうち時間的に最も先行する時点t0を先
行波の検出開始位置として、先行波位置taを検出す
る。
【0044】またこの実施の形態の先行波検出部20で
は、例えばフェージングなどの影響により、図3に示す
ように、先行波の受信レベル(相関値)のピーク値が極
端に低い値となった場合でも、その微分値は受信レベル
の影響を受けないので、誤って遅延波の位置を先行波と
して検出することなく、先行波の位置(同期点ta)を
正確に検出することができる。
【0045】以上の構成によれば、受信信号と既知信号
の相関値を微分し、微分値が急激に増加している位置を
検出し、その位置関係に基づいて先行波を検出したこと
により、マルチパス存在する環境下やフェージング環境
下でも正確に先行波の位置を検出できる。また微分によ
る変化量を用いることで、少ない演算量で先行波位置
(同期点)を検出することができる。
【0046】かくしてこの実施の形態の先行波検出部2
0を用いることにより、正確に同期捕捉、同期追跡を行
うことができる無線受信装置10を実現できる。
【0047】なおこの実施の形態では、先行波検出回路
24によって、最大変化量検出回路23により検出され
た位置t0、t1、t2の中から時間的に最も先行して
いる位置t0を検出し、その位置t0から先行波の位置
の検出を開始し、相関値レベルのピーク点taを先行波
位置とした場合について述べたが、本発明はこれに限ら
ず、位置t0を先行波位置として検出するようにしても
よい。このようにすれば、実際の先行波位置taとは若
干ずれた位置t0が先行波位置として検出されることに
なるが、受信信号がマルチパス等の影響を受けている場
合に有効となる。
【0048】例えば、図4に示すように、マルチパスに
より、図4(a)に示すような理想的相関値が得られ
ず、図4(b)に示すような相関値が得られた場合で
も、微分値に基づいて先行波の位置を検出しているので
正確な先行波の位置(時点c1)を検出することができ
る。因みに、従来のように単に相関値レベルをしきい値
判定することで先行波の位置を検出すると、誤った先行
波位置(時点c2)が検出されてしまう。
【0049】(実施の形態2)図1との対応部分に同一
符号を付して示す図5において、30は全体として実施
の形態2の無線受信装置の構成を示す。無線受信装置3
0は先行波検出部40の構成が異なることを除いて、実
施の形態1の無線受信装置10と同様の構成でなる。
【0050】先行波検出部40は微分回路22により求
めた微分相関値を最大変化量検出回路23に送出する。
最大変化量検出部23は、実施の形態1で述べたように
一定区間毎に微分相関値が最大となっており、かつその
値が所定の閾値以上となっている位置(時点)を検出す
る。
【0051】最大変化量検出部23により検出された検
出位置は正負判定回路42および最大変化位置記憶回路
41に送出される。正負判定回路42は、最大変化量検
出回路23から入力される現区間の最大変化量検出位置
と、最大変化位置記憶回路41から入力される前区間の
最大変化量検出位置とを比較し、最大変化量検出回路2
3から入力された最大変化量検出位置が最大変化位置記
憶回路41から入力された最大変化量検出位置に対して
時間的に正方向か負方向かを判定する。
【0052】変化位置検出回路43は、正負判定回路4
2からの判定結果に基づいて、当該判定結果が正方向を
示すものであった場合に、最大変化位置記憶回路41に
記憶されている最大変化量検出位置を先行波による相関
値の変化位置であると見なす。これにより先行波検出部
40では、相関値にフェージングやノイズの影響があっ
た場合でも先行波位置を的確に検出することができる。
【0053】先行波検出回路44は、変化位置検出回路
43から入力した変化位置と平均化回路21から入力し
た相関値とを用いて先行波位置を検出する。具体的に
は、変化位置検出回路43から図2の位置t0、t1、
t2が入力されることになり、先ず位置t0、t1、t
2のうち時間的に先行している位置t0を先行波の立ち
上がり位置として検出し、その位置t0から先行波の位
置の検出を開始する。実際には位置t0から相関値レベ
ルの上昇を監視し、相関値レベルのピーク点taを先行
波位置とする。
【0054】この結果、雑音やフェージングによる急激
なレベル変動による先行波位置の検出誤りを防ぐことが
できる。またフェージングなどの影響により、先行波の
相関ピーク値が急激に低い値を生じたとしても、誤って
遅延波の位置を検出することなく、正確な先行波位置を
検出できる。
【0055】以上の構成によれば、実施の形態1の構成
に加えて、先行波の立ち上がり位置として検出した微分
値の経時的な移動を検出し、先行波の誤検出を未然に回
避して、一段と正確な先行波検出を行うことができる。
【0056】(実施の形態3)図6に、実施の形態3に
よる先行波検出装置の構成を示す。先行波検出装置50
は、実施の形態1で説明した先行波検出部20を有す
る。先行波検出装置50は複数のアンテナブランチを有
する(この実施の形態の場合、3つのアンテナブランチ
を有する)。
【0057】ここで図6は、先行波を検出する部分のみ
に着目した図であり、受信信号を復調する部分の構成は
省略している。先行波検出装置50は、各アンテナAN
1〜AN3に対応した相関値算出部51A〜51C及び
最大値検出部52A〜52Cを有する。相関値算出部5
1A〜51CはそれぞれアンテナAN1〜AN3により
得られた受信信号とユニークワードとの相関値を求め、
求めた相関値を最大値検出部52A〜52Cに送出す
る。最大値検出部52A〜52Cは各相関値算出部51
A〜51Cにより得られた相関値の最大値を検出し、こ
れを選択部53に送出する。
【0058】選択部53は、複数の受信信号の中で最も
伝搬劣化の少ないブランチとして、3つの最大相関値の
中で相関値の時刻が最も先頭に位置しているブランチを
選択し、選択したブランチの相関値を続く先行波検出部
20に選択的に送出する。具体的には、選択部53は、
各アンテナブランチ信号を基に得られた相関波形が、図
6の相関波形W1、W2、W3で示すようなものであっ
た場合には、相関波形w2のように最大相関値が最も先
行しているアンテナブランチ信号を選択する。
【0059】先行波検出部20は、選択されたブランチ
の相関値を用いて、実施の形態1で説明したのと同様の
先行波検出処理を行うことにより先行波位置を検出す
る。そして検出した先行波位置(同期点)を、図示しな
い等化器等の同期処理部に送出する。
【0060】以上の構成において、先行波検出装置50
は、複数のアンテナブランチ信号の中から先行波検出に
最も適しているアンテナブランチ信号を用いて先行波の
検出を行うようにしているので、実施の形態1と比較し
て、ダイバーシチ効果により一段と正確な先行波検出を
行うことができる。
【0061】この実施の形態の場合には、3つのアンテ
ナブランチ信号から得られた3つの最大相関値の比較
し、最大相関値が時間的に最も先行しているアンテナブ
ランチ信号を用いて先行波を検出する。ここで相関値の
最大値が最も先行しているアンテナブランチ信号は、遅
延波等の影響が最小のアンテナブランチ信号であるとい
うことができる。このようにこの実施の形態の先行波検
出装置50では、遅延波等の影響の最も少ない、すなわ
ち伝搬劣化の最も少ないアンテナブランチ信号を用いて
先行波を検出するので、先行波を正確に検出できる。
【0062】以上の構成によれば、実施の形態1の構成
に加えて、複数のアンテナブランチの中から最も伝搬劣
化の少ないブランチを選択し、このブランチを用いて先
行波を検出したことにより、実施の形態1と比較して一
段と正確な先行波検出を行うことができる。
【0063】なおこの実施の形態では、選択部53によ
って、複数のアンテナブランチ信号のうち最大相関値が
最も先行しているアンテナブランチ信号を選択する場合
について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば相関
値が最も大きいアンテナブランチ信号を選択するように
してもよく、要は伝搬劣化の最も少ないと考えられるア
ンテナブランチ信号を選択すればよい。
【0064】またこの実施の形態では、先行波検出部と
して実施の形態1で述べた先行波検出部20(図1)を
適用した場合について述べたが、これに換えて実施の形
態2で述べた先行波検出部40(図5)を適用するよう
にしてもよい。
【0065】(実施の形態4)図6との対応部分に同一
符号を付して示す図7は、実施の形態4による先行波検
出装置60の構成を示す。先行波検出装置60は、相関
値算出部51A〜51Bにより得られた各アンテナブラ
ンチ信号の相関値を合成部61により合成するようにな
っている。そして合成後の相関値を先行波検出部20に
送出する。これにより先行波検出装置60においては、
実施の形態1と比較して、一段と正確な先行波検出処理
を行うことができるようになっている。
【0066】具体的には、複数ブランチの相関値を合成
(等利得合成)していることにより、受信信号の空間方
向での平均効果が得られるので、フェージングやノイズ
等の悪影響を抑制できる。つまり、この実施の形態の先
行波検出装置60では、先行波検出部20の平均化回路
21により相関値に対する時間方向の平均化を行うのに
加えて、合成部61により相関値に対する空間方向の平
均化を行うようになっているので、実施の形態1に比べ
てノイズ抑圧効果が優れており、この分だけ正確な先行
波検出処理を行うことができる。
【0067】また合成部61で平均化処理を行っている
ので、平均化回路21での平均化処理を少なくすること
も可能となり、この分の平均化回路21での平均化処理
時間を少なくできるので、高速に先行波位置を検出する
ことも可能となる。
【0068】(実施の形態5)図1との対応部分に同一
符号を付して示す図8において、70は全体として実施
の形態5の無線受信装置の構成を示す。無線受信装置7
0は、先行波検出部80による検出範囲を限定すること
により、実施の形態1〜実施の形態4の効果に加えて、
同期点の検出(すなわち同期捕捉)及び同期点の追従
(すなわち同期追跡)を一段と高精度かつ高速で行うこ
とができるようになっている。
【0069】無線受信装置70は、相関値算出部16に
より得た相関値を先行波検出部80と共に初期同期時刻
検出部90にも送出する。初期同期時刻検出部90は相
関値に基づき初期同期時刻S1を求める。この実施の形
態の場合、初期同期時刻検出部90は、フェージングに
よるレベル変動、ノイズや遅延波がない回線状態で受信
した受信信号から得られた理想的相関値を用いて初期同
期時刻S1を検出する。この初期同期時刻S1は例えば
従来方式のように相関値レベルをしきい値判定すること
により検出するようにしてもよい。初期同期時刻検出部
90は検出した初期同期時刻S1を同期追跡部91に送
出する。
【0070】同期追跡部91は、初期同期時刻S1を基
準にして、先行波検出部80による先行波検出範囲を限
定し、この検出範囲内で高精度の同期捕捉及び同期追跡
処理を行うようになっている。このため同期追跡部91
は先行波検出部80に範囲限定信号S2を送出する。
【0071】先行波検出部80は範囲限定信号S2で示
される範囲内でのみ高精度の先行波検出処理を行い、こ
れにより得た先行波検出結果である同期時刻信号S3を
同期追跡部91に送出する。同期追跡部91は先行波検
出部80から同期時刻信号S3を入力すると、この同期
時刻信号S3を用いて同期追従した推定同期時刻を求
め、この時刻を推定同期時刻信号S5としてメモリ15
に送出する。また同期追跡部91は、同期追従すること
により得た推定同期時刻を中心とした新たな検出範囲を
設定し、これを範囲限定信号S2として先行波検出部8
0に送出する。
【0072】このようにこの実施の形態の無線受信装置
70においては、同期追跡部91によって先行波検出部
80の検出範囲を限定するようにしたことにより、先行
波検出部80は限られた範囲内のみで検出処理を行えば
よくなり、高精度の同期時刻を高速で検出することがで
きるようになる。また同期追跡部91は、先行波検出部
80により検出された同期時刻に応じて先行波検出部8
0の検出範囲を移動させるようにしたことにより、同期
はずれを未然に回避させることができる。
【0073】図9に、同期追跡部91の構成を示す。同
期追跡部91は初期同期時刻検出部90により得られた
初期同期時刻信号S1をウィンドウ設定部100に入力
する。ウィンドウ設定部100は所定時間幅のウィンド
ウを設定し、設定ウィンドウ情報をウィンドウ移動部1
01を介してはずれ判定部102に送出する。
【0074】はずれ判定部102は先行波検出部80か
らの同期時刻S3を入力し、ウィンドウが同期時刻S3
を収容しているか否かを判定し、判定結果信号S4をカ
ウンタ103及びずれ算出部105に送出する。具体的
には、判定結果信号S4として、ウィンドウが同期時刻
を含んでいるか否か、また同期時刻を含んでいない場合
にはウィンドウがどちら方向にはずれているかを示す信
号を出力する。
【0075】カウンタ103はウィンドウが同期時刻か
らはずれた回数をはずれた方向毎にカウントし、カウン
ト値が所定値以上になったときにウィンドウ移動部10
1にウィンドウの移動を指示する制御信号を送出する。
これによりウィンドウ移動部101は、例えばウィンド
ウが同期時刻から時間の早い方向に所定回数以上ずれた
場合には、ウィンドウを時間の遅い方向に移動させる。
このようにウィンドウが同期時刻から所定回数以上はず
れたときに初めてウィンドウを移動させるようにしたこ
とにより、ノイズ等の影響による誤ったウィンドウの移
動を防止することができる。
【0076】同期追跡部91は、はずれ判定部102に
よってウィンドウが同期時刻を含んでいることを示す判
定結果を得ると、このことを示す判定結果信号S4を先
行波検出部80及びずれ算出部105に送出する。先行
波検出部80はウィンドウが同期時刻を含んでいること
を示す判定結果信号S4を受け取ると、この時点以降の
検出モードを切り換える。
【0077】つまり、先行波検出部80は、ウィンドウ
が同期時刻からはずれていることを示す判定結果信号S
4が入力されている間は粗い検出処理を行い、これに対
してウィンドウが同期時刻を含んでいることを示す判定
結果信号S4が得られた後は細かい検出処理を行う。先
行波検出部80は、粗い検出処理時には、例えば5シン
ボルおきといった粗い間隔で相関値の微分値を求めて上
述した先行波検出処理を行うのに対して、細かい検出処
理時には、例えば1シンボル毎に相関値の微分値を求め
て先行波検出処理を行うようになっている。
【0078】ずれ算出部105は、ウィンドウ内に同期
時刻が含まれていることを示す判定結果信号S4を受け
取った後に動作を開始する。ずれ算出部105は、ウィ
ンドウ移動部104からの範囲限定信号S2と先行波検
出部80からの詳細な検出同期時刻S3とを入力し、ウ
ィンドウ中心(以下、このウィンドウの中心の時刻を推
定同期時刻と呼ぶ)の検出同期時刻S3からのずれ量を
算出し、このずれ量をずれ判定部106に送出する。
【0079】ずれ判定部106は、推定同期時刻が先行
波検出部80からの検出同期時刻S3と等しいか否か、
また等しくない場合にはどちらの方向にずれているかを
示す判定信号を出力する。カウンタ107は推定同期時
刻について、ずれている方向毎に、連続してずれた回数
をカウントし、カウント値が所定値以上になったときに
ウィンドウ移動部104にウィンドウの移動を指示する
制御信号を送出する。
【0080】これによりウィンドウ移動部104は、例
えば推定同期時刻が検出同期時刻に対して時間の早い方
向に連続して所定回数以上ずれた場合には、ウィンドウ
(すなわち推定同期時刻)を時間の遅い方向に移動させ
る。このように同期時刻に対して推定時刻が連続して同
じ方向にずれたときに初めてウィンドウ(推定同期時
刻)を移動させるようにしたことにより、ノイズ等の影
響によるウィンドウ(推定同期時刻)の揺らぎを防止す
ることができる。
【0081】この結果、同期追跡部91においては、先
行波検出部80により得られた検出同期時刻がノイズ等
により揺らいだ場合でも、これらの影響の無い推定同期
時刻S5を形成し得るようになっている。
【0082】次に図10のフローチャート、図11及び
図12の模式図を用いて無線受信装置70の同期捕捉及
び同期追跡処理動作について説明する。先ず、ステップ
ST11で同期追跡部91のウィンドウ設定部100が
初期同期時刻検出部90により検出された初期同期時刻
を基準にウィンドウを設定する。以下ではこのウィンド
ウの中心が推定同期時刻となる。この様子を図11
(a)に示す。
【0083】続くステップST12〜ステップST14
において、同期追跡部91のはずれ判定部102が、ウ
ィンドウが先行波検出部80により検出された粗い同期
時刻からはずれているか、またはずれている場合にはど
ちらの方向にはずれているかを検出する。そしてウィン
ドウが検出同期時刻よりも遅い方向にはずれている場合
にはステップST12で肯定結果が得られステップST
15でカウンタ103のカウント値がインクリメントさ
れる。一方ウィンドウが検出同期時刻よりも早い方向に
ずれている場合にはステップST14で肯定結果が得ら
れステップST17でカウンタ103のカウント値がイ
ンクリメントされる。
【0084】カウンタ103のカウント値が所定値以上
になると、ステップST15からステップST16又は
ステップST17からステップST18に移り、ウィン
ドウ移動部101によりウィンドウ(推定同期時刻)が
移動される。図11(b)にその様子を示す。図11
(b)は、ウィンドウ(推定同期時刻)が先行波検出部
80により検出された同期時刻に対して時間の遅い方向
に所定回数以上はずれたために、ウィンドウを時間の早
い方向(X方向)に移動させた場合を示す。
【0085】同期追跡部91はステップST13で肯定
結果が得られた場合、又はステップST16、ステップ
ST18におけるウィンドウ移動処理を終了した場合に
ステップST19に移る。なおステップST19以降
は、先行波検出部80がウィンドウ内の相関値のみを用
いて詳細な同期時刻を検出する。
【0086】ステップST19では、同期追跡部91の
ずれ算出部105が、推定同期時刻(すなわちウィンド
ウの中心時刻)の、先行波検出部80により検出された
同期時刻に対するずれを検出する。続くステップST2
0〜ステップST22では、推定同期時刻のずれている
方向が検出される。
【0087】そして推定同期時刻が検出同期時刻に対し
て時間の早いほうにずれていた場合には、ステップST
20で肯定結果が得られ、続くステップST23でカウ
ンタ107のカウント値がインクリメントされる。ステ
ップST24ではステップST23で所定回数分だけ連
続してカウンタ107の値がインクリメントされたと
き、ウィンドウ移動部104が推定同期時刻(すなわち
ウィンドウ)を時間の遅い方向に移動させる。
【0088】これに対して推定同期時刻が検出同期時刻
に対して遅いほうにずれていた場合には、ステップST
22で肯定結果が得られ、続くステップST25でカウ
ンタ107のカウント値がインクリメントされる。ステ
ップST26ではステップST25で所定回数分だけ連
続してカウンタ107の値がインクリメントされたと
き、ウィンドウ移動部104が推定同期時刻(すなわち
ウィンドウ)を時間の早い方向に移動させる。
【0089】同期追跡部91はステップST24又はス
テップST26によるウィンドウ移動処理を終了すると
再びステップST19に戻る。また同期追跡部91はス
テップST21で推定同期時刻と検出同期時刻のずれが
ないと判断された場合、つまりウィンドウの中心が検出
同期時刻に一致していると判断された場合には、推定同
期時刻(ウィンドウ)を移動させずにステップST19
に戻る。
【0090】図12を用いてステップST19からステ
ップST26までの処理を具体的に説明する。図12
(a)に示すように、推定同期時刻が検出同期時刻(図
中では先行波の位置として示す)に対してY2方向(時
間の遅い方向)に連続してずれていた場合には、ステッ
プST22−ステップST25−ステップST26の処
理を行うことにより、推定同期時刻(ウィンドウ)をY
1方向(時間の早い方向)にずらす。この結果図12
(b)に示すように、推定同期時刻と検出時刻が一致す
るようになる。
【0091】これに対して図12(c)に示すように、
推定同期時刻が検出同期時刻(に対してY1方向(時間
の早い方向)に連続してずれていた場合には、ステップ
ST20−ステップST23−ステップST24の処理
を行うことにより、推定同期時刻(ウィンドウ)をY2
方向(時間の遅い方向)にずらす。この結果図12
(b)に示すように、推定同期時刻と検出時刻が一致す
るようになる。
【0092】かくしてこの実施の形態の無線受信装置に
おいては、先行波検出部80による検出同期時刻に何ら
かの影響により揺らぎが生じた場合でも、同期追跡部9
1による同期追跡処理により、揺らぎのない良好な推定
同期時刻S5を得ることができる。
【0093】以上の構成によれば、第1段階の処理とし
て先行波検出部80により大まかな同期時刻の検出処理
を行うことでウィンドウを設定し、次に第2段階の処理
として先行波検出部80により当該ウィンドウ内の相関
値のみを用いて詳細な同期時刻の検出処理を行い、この
詳細な同期時刻を用いて同期追跡処理を行って最終的な
同期時刻(推定同期時刻)を求めるようにしたことによ
り、高精度の同期追跡を高速で行うことができるように
なる。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
受信信号と既知信号の相関値を微分し、微分値が急激に
増加している位置を検出し、その位置関係に基づいて先
行波を検出することにより、正確に先行波の位置を検出
することができ、この先行波位置を用いて正確に同期捕
捉、同期追跡等の同期処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る無線受信装置の構
成を示すブロック図
【図2】相関値の遅延プロファイルを示す信号波形図
【図3】相関値の遅延プロファイルを示す信号波形図
【図4】理想的な相関値とマルチパス環境下での相関値
とを示す信号波形図
【図5】実施の形態2に係る無線受信装置の構成を示す
ブロック図
【図6】実施の形態3に係る先行波検出装置の構成を示
すブロック図
【図7】実施の形態4に係る先行波検出装置の構成を示
すブロック図
【図8】実施の形態5に係る無線受信装置の構成を示す
ブロック図
【図9】同期追跡部の構成を示すブロック図
【図10】実施の形態5の動作の説明に供するフローチ
ャート
【図11】実施の形態5の動作の説明に供する図
【図12】実施の形態5の動作の説明に供する図
【図13】従来の同期点検出処理の説明に供するフロー
チャート
【図14】従来の同期点検出処理の説明に供する信号波
形図
【図15】従来の同期点検出処理の説明に供する信号波
形図
【符号の説明】
10、30、70 無線受信装置 20、40、80 先行波検出部 21 平均化回路 22 微分回路 23 最大変化量検出回路 24、44 先行波検出回路 41 最大変化位置記憶回路 42 正負判定回路 43 変化位置検出回路 50、60 先行波検出装置 53 選択部 61 合成部 90 初期同期時刻検出部 91 同期追跡部 S1 初期同期時刻 S2 範囲限定信号 S3 同期時刻 S4 判定結果信号 S5 推定同期時刻
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上杉 充 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 Fターム(参考) 5K004 AA08 JB01 JG01 JH00 5K028 AA01 BB04 FF14 HH03 MM17 NN01 NN08 5K047 AA01 BB01 CC02 EE04 HH01 HH15 HH21 HH43 MM38 MM62

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信信号と既知信号との相関値を算出す
    る相関値算出手段と、前記相関値算出手段により得られ
    た相関値を微分する微分手段と、前記微分手段により得
    られた微分値に基づいて、前記相関値が急激に増加して
    いる位置を検出する相関増加位置検出手段と、前記相関
    増加位置検出手段により検出された相関増加位置の位置
    関係に基づいて先行波を検出する先行波検出手段とを具
    備することを特徴とする先行波検出装置。
  2. 【請求項2】 複数フレームの受信信号についての前記
    相関値を平均化する平均化手段をさらに具備し、前記微
    分手段は、当該平均化手段により平均化された相関値を
    微分することを特徴とする請求項1に記載の先行波検出
    装置。
  3. 【請求項3】 前記先行波検出手段により検出された先
    行波位置を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶さ
    れた先行波位置と前記先行波検出手段から出力される先
    行波位置との位置関係を比較し、前記先行波検出手段か
    ら出力された先行波位置が前記記憶手段に記憶された先
    行波位置に対して時間的に正方向に移動しているとき、
    前記記憶手段により記憶された先行波位置の結果を先行
    波と判定する先行波判定手段とを、さらに具備すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の先行波検出
    装置。
  4. 【請求項4】 受信信号と既知信号との相関値を算出す
    る相関値算出手段と、前記相関値算出手段により得られ
    た相関値を微分する微分手段と、前記微分手段により得
    られた微分値に基づいて、前記相関値が急激に増加して
    いる位置を検出する相関増加位置検出手段と、前記相関
    増加位置検出手段により検出された相関増加位置の位置
    関係に基づいて先行波を検出する先行波検出手段と、検
    出された先行波の位置を同期点として前記受信信号に対
    する同期処理を行う同期処理復調手段とを具備すること
    を特徴とする無線受信装置。
  5. 【請求項5】 複数のアンテナと、前記各アンテナによ
    り受信した各受信信号についての相関値を算出する複数
    の相関値算出手段と、前記複数の相関値算出手段により
    得られた複数の相関値のうち最も伝搬路劣化の少ない相
    関値を選択する選択手段とを、さらに具備し、前記微分
    手段、前記相関増加位置検出手段及び前記先行波検出手
    段は、前記選択手段により選択された相関値を用いて先
    行波検出処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の
    無線受信装置。
  6. 【請求項6】 前記複数の相関値算出手段により得られ
    た複数の相関値についてそれぞれフレーム期間内におけ
    る最大相関値を検出する最大相関値検出手段と、前記最
    大相関値検出手段により得られた相関値のうち時間的に
    最も先行する最大相関値を検出する先行相関値検出手段
    とを、さらに具備し、前記選択手段は、前記先行相関値
    検出手段により検出された相関値に対応する相関値算出
    手段からの相関値を最も伝搬路劣化の少ない相関値とし
    て選択することを特徴とする請求項5に記載の無線受信
    装置。
  7. 【請求項7】 複数のアンテナと、前記各アンテナによ
    り受信した各受信信号についての相関値を算出する複数
    の相関値算出手段と、前記複数の相関値算出手段により
    得られた複数の相関値を合成する合成手段とを、さらに
    具備し、前記微分手段、前記相関増加位置検出手段及び
    前記先行波検出手段は、前記合成手段により合成された
    相関値を用いて先行波検出処理を行うことを特徴とする
    請求項4に記載の無線受信装置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の先行波検出装置による
    比較的大まかな処理により求めた先行波検出結果に基づ
    いて所定時間幅のウィンドウを設定するウィンドウ設定
    手段と、前記ウィンドウ設定手段により設定したウィン
    ドウ内の相関値を用いて請求項1に記載の先行波検出装
    置による比較的詳細な処理により求めた先行波検出結果
    と前記ウィンドウの中心位置とのずれを検出するずれ検
    出手段と、前記ウィンドウの中心が前記先行波検出結果
    から所定回数連続して一方の時間方向にずれた場合に、
    前記ウィンドウの位置をずれと反対方向に移動させると
    共に前記ウィンドウの中心位置を同期点として出力する
    同期追跡手段とを具備することを特徴とする同期追跡装
    置。
  9. 【請求項9】 受信信号と既知信号との相関値を算出
    し、前記相関値を所定間隔毎に微分することにより微分
    相関値を求め、前記微分相関値に基づいて前記相関値が
    急激に増加している位置を検出し、当該検出位置に基づ
    いて受信信号の同期点を検出し、当該同期点を用いて受
    信信号の同期処理を行うことを特徴とする受信信号同期
    方法。
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