JP2003218452A - 半導体レーザ装置およびその製造方法並びに光ディスク再生記録装置 - Google Patents

半導体レーザ装置およびその製造方法並びに光ディスク再生記録装置

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JP2003218452A
JP2003218452A JP2002009853A JP2002009853A JP2003218452A JP 2003218452 A JP2003218452 A JP 2003218452A JP 2002009853 A JP2002009853 A JP 2002009853A JP 2002009853 A JP2002009853 A JP 2002009853A JP 2003218452 A JP2003218452 A JP 2003218452A
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laser device
semiconductor laser
semiconductor
resonator
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JP2002009853A
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English (en)
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Shuichi Hirukawa
秀一 蛭川
Katsuhiko Kishimoto
克彦 岸本
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発振波長が760nmより大きく800nm
より小さくて、高信頼性、長寿命、かつ、高出力な半導
体レーザ装置およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 共振器後端面近傍の領域において、断面
略3角形状のストライプ形状のp−AlGaAs第二上
クラッド層109、n−AlGaAs第一電流ブロック
層112、n−GaAs第二電流ブロック層113およ
びp−GaAs平坦化層114およびp−GaAsキャ
ップ層116でpnp接合を形成している。共振器前端
面近傍のメサストライプ形状の第二上クラッド層109
直上にはキャップ層110が設けられる。これにより、
共振器後端面近傍の領域における多重歪量子井戸活性層
105への注入電流密度は、他の領域における多重歪量
子井戸活性層105への注入電流密度よりも低減され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ装
置、特に、高出力・高信頼性・長寿命を実現できる半導
体レーザ装置、および、それを用いた光ディスク再生記
録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信装置や光記録装置などに用
いられる半導体レーザ装置は、その高速化・大容量化と
いったニーズに伴い、半導体レーザ装置の様々な特性を
向上させるための研究開発が進んでいる。
【0003】従来、CDやCD−R/RWといった光デ
ィスク再生(記録)装置に用いられる780nm帯の半
導体レーザ装置は、AlGaAs系の材料により作製さ
れている。また、共振器前端面に低反射率コーティング
膜を設け、共振器後端面に高反射率コーティング膜を設
けて、上記高反射率コーティング膜を備えている上記共
振器後端面にて半導体レーザ装置内部のレーザ光を大部
分反射して、上記低反射率コーティング膜を備えている
共振器前端面から高出力なレーザ光を得ている。
【0004】上記従来のAlGaAs系の半導体レーザ
装置の概略図を図15に示す。この半導体レーザ装置
は、n−GaAs基板501上に、n−GaAsバッフ
ァ層502、n−Al0.485Ga0.515As第
一下クラッド層503、n−Al0.55Ga0.45
As第二下クラッド層504、Al0.28Ga0.7
As下ガイド層505、図示しないAl0.12Ga
0.88As井戸層(層厚80Å、3層)とAl
0.33Ga0.67As障壁層(層厚50Å、2層)
を交互に配置してなる多重量子井戸活性層506、Al
0.28Ga0.72As上ガイド層507、p−Al
0.55Ga0.45As第一上クラッド層508、p
−GaAsエッチストップ層509を順次積層してい
る。さらに、上記エッチストップ層509上に、メサス
トライプ状のp−Al0.55Ga0.45As第二上
クラッド層510を設け、その第二上クラッド層510
の上に庇状のp−GaAsキャップ層511を形成して
いる。また、上記第二上クラッド層510の両側のエッ
チストップ層509上には、n−Al0.685Ga
0.31 As第一電流ブロック層512およびn−G
aAs第二電流ブロック層513を積層して、メサスト
ライプ以外の領域を電流狭窄部としている。また、上記
第二電流ブロック層513上にはp−GaAs平坦化層
514を設け、さらに、全面にp−GaAsコンタクト
層515を積層している。そして、上記コンタクト層5
15上および上記基板501下に、図示しないが、それ
ぞれ電極を配し、バーの状態にへき開後に、前端面に低
反射率コーティング膜541(反射率13%、Al
単層)を、後端面に高反射率コーティング膜542
(反射率85%、Alが4層、Siが3層を交互
に計7層)を蒸着して、図15に示す構造の半導体レー
ザ装置を作製することができる。
【0005】この半導体レーザ装置の光出力−電流特性
を図10に示す。この半導体レーザ装置は、図10から
分るように、しきい値電流はおよそ35mAであり、C
OD(光学損傷すなわち端面破壊)レベルがおよそ16
0mWである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のAlGaAs系の材料を用いた半導体レーザ装置で
は、活性なAlの影響により、高出力駆動時に前端面に
おいてCOD(端面破壊)が起こりやすく、最高光出力
も160mW程度でしかなかった。このCODは、以下
のようなメカニズムによって生じていると考えられてい
る。すなわち、共振器端面において、Alの酸化物によ
る表面準位が多いために、キャリアがこの準位を介して
吸収されて非発光再結合電流が流れ、局所的に温度が上
昇する。この温度上昇によって端面近傍のバンドギャッ
プが縮小し、さらにレーザ光の吸収が増加し、端面温度
が上昇する。このような正帰還を繰り返すことにより端
面が溶融して発振が停止すると考えられている。
【0007】そこで、本発明者らはAlを含まない(A
lフリー)材料による活性層を有する高出力半導体レー
ザ装置の研究を進めたところ、250mW近くまでの最
高光出力をもつ半導体レーザ装置を実現したものの、後
端面が急速劣化して発振が停止するという現象を確認し
た。
【0008】そこで、本発明の課題は、GaAs基板上
にAlフリー材料による活性層を有する高出力半導体レ
ーザ装置、特にCD−R/RW用780nm帯高出力半
導体レーザ装置において、後端面の急速劣化を防止して
高出力駆動状態において高信頼性・長寿命を有する半導
体レーザ装置およびその製造方法並びに光ディスク再生
記録装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らが鋭意検討したところ、Alフリー材料
を用いることで、いわゆる端面のCOD破壊は抑制され
ているものの、別の要因により後端面側が劣化するこ
と、さらに、電流密度、特に後端面近傍における電流密
度を低減させることで、この劣化が抑制されることを確
認した。
【0010】本発明の半導体レーザ装置は、GaAs基
板上に、少なくとも、下クラッド層、夫々InGaAs
Pからなる井戸層および障壁層を有する量子井戸活性
層、上クラッド層が積層されており、共振器前端面およ
び共振器後端面に垂直な方向のストライプ状電流注入構
造を有し、発振波長が760nmより大きく800nm
より小さい半導体レーザ装置において、上記共振器前端
面に低反射率コーティング膜を、上記共振器後端面に高
反射率コーティング膜を設け、上記共振器後端面近傍の
領域における注入電流密度を他の領域における注入電流
密度よりも低減する構造を備えることを特徴としてい
る。
【0011】上記構成によれば、量子井戸活性層がIn
GaAsPからなってAlを含まないため、酸化が起き
にくくてCOD(端面破壊)が起きにくいことに加え
て、上記共振器後端面近傍の領域における注入電流密度
を低減する構造によって共振器の後端面の急速劣化を防
止することができる。したがって、従来のAlGaAs
系の半導体レーザ装置では実現し得なかった高出力・高
信頼性・長寿命を有する半導体レーザ装置が実現でき
る。
【0012】1実施の形態では、上記共振器後端面近傍
に電流非注入領域を設けている。
【0013】上記実施の形態では、上記電流非注入領域
によって上記共振器後端面近傍の領域における注入電流
密度を低減することができる。したがって、共振器の後
端面の急速劣化を防止することができる。
【0014】また、1実施の形態は、上記共振器前端面
近傍の領域における注入電流密度を低減する構造を備え
る。
【0015】上記実施の形態では、上記共振器前端面近
傍の領域における注入電流密度を低減する構造によっ
て、共振器の前端面の急速劣化を防止することができ
る。
【0016】また、1実施の形態では、上記共振器前端
面近傍に電流非注入領域を設けている。
【0017】上記実施の形態では、上記電流非注入領域
によって上記共振器前端面近傍の領域における注入電流
密度を低減することができる。したがって、共振器の前
端面の急速劣化を防止することができる。
【0018】また、1実施の形態では、上記共振器後端
面近傍の領域のみ、もしくは、上記共振器前端面近傍と
共振器後端面近傍の両方の領域にて、上記ストライプ状
電流注入構造が電流を阻止する半導体層により覆われて
いる構造をもつ。
【0019】上記実施の形態によれば、上記共振器後端
面近傍の領域のみ、もしくは、上記共振器前端面近傍と
共振器後端面近傍の両方の領域にて、上記ストライプ状
電流注入構造が電流を阻止する半導体層により覆われて
いるから、上記共振器後端面近傍の領域、あるいは、上
記共振器後端面近傍および共振器前端面近傍の領域にお
ける注入電流密度を低減することができる。したがっ
て、共振器の後端面、あるいは、後端面および前端面の
急速劣化を防止することができる。
【0020】また、1実施の形態では、上記基板が第一
導電型半導体からなり、上記ストライプ状電流注入構造
が第二導電型の半導体層からなり、上記電流を阻止する
半導体層が第一導電型半導体層からなることを特徴とす
る半導体レーザ装置。
【0021】上記実施の形態によれば、pnpまたはn
pn接合を形成して、上記ストライプ状電流注入構造へ
の電流の注入を防止することができる。
【0022】なお、本明細書では、第一導電型とはn型
またはp型を言い、第一導電型がn型であるときは、第
二導電型はp型になり、第一導電型がp型であるとき
は、第二導電型はn型になる。
【0023】また、1実施の形態では、上記共振器前端
面の低反射率コーティング膜がAl からなり、上
記共振器後端面の高反射率コーティング膜がAl
/TiOの多層膜からなる。
【0024】通常、従来の半導体レーザ装置の後端面に
は、高反射率コーティング膜としてAl/Siの
多層膜が用いられる。一方、本実施の形態では、共振器
後端面の高反射率コーティング膜としてAl/T
iOの多層膜を用いている。本実施の形態のAl
/TiOの多層膜におけるTiOは、従来のAl
/TiOの多層膜におけるSiよりもレーザ出
射光の吸収が少なくて、強い材料であるため、共振器後
端面の劣化をより防止できる。
【0025】また、1実施の形態では、上記井戸層が圧
縮歪を有する。
【0026】上記実施の形態によれば、上記井戸層が圧
縮歪を有するから、上記GaAs基板上のInGaAs
Pからなる量子井戸活性層が、圧縮歪量子井戸活性層と
なって、特に780nm帯において高信頼性・長寿命・
高出力な半導体レーザ装置を実現できる。
【0027】また、1実施の形態では、上記圧縮歪量が
3.5%以内である。
【0028】上記実施の形態によれば、上記圧縮歪量が
3.5%以内であるので、より好適に高信頼性・長寿命
・高出力な半導体レーザ装置を実現することができる。
【0029】また、1実施の形態では、上記障壁層が引
張歪を有する。
【0030】上記実施の形態によれば、上記障壁層が引
張歪障壁層であるので、上記圧縮歪を有する井戸層に対
してその圧縮歪量を障壁層の引張歪で補償して、より安
定した結晶をもつ歪量子井戸活性層を作製することがで
きる。したがって、信頼性の高い半導体レーザ装置を実
現することができる。
【0031】また、1実施の形態では、上記障壁層の有
している引張歪量が3.5%以内である。
【0032】上記実施の形態によれば、上記引張歪量が
3.5%以内であるので、より好適に高信頼性・長寿命
・高出力な半導体レーザ装置を実現することができる。
【0033】また、1実施の形態では、上記上クラッド
層と上記量子井戸活性層との間に上ガイド層を有する
か、または、上記下クラッド層と上記量子井戸活性層と
の間に下ガイド層を有するか、もしくは、上記上ガイド
層および上記下ガイド層の両方を有しており、上記各ガ
イド層はAlGaAsからなり、かつ、上記量子井戸活
性層は、上記各ガイド層に接する部分が障壁層である。
【0034】上記実施の形態によれば、上記ガイド層は
AlGaAsからなり、かつ、上記量子井戸活性層は、
上記ガイド層に接する部分が障壁層であって、発光再結
合のおこる井戸層にはAlGaAsからなるガイド層が
隣接していないので、信頼性を確保しながら、キャリア
のオーバーフローはAlGaAsからなるガイド層のコ
ンダクションバンドのエネルギー(Ec)、バレンスバ
ンドのエネルギー(Ev)により十分に抑制できる。し
たがって、高信頼性・長寿命・高出力な半導体レーザ装
置が得られる。
【0035】また、1実施の形態では、上記各ガイド層
を構成するAlGaAsのAl混晶比が、0.2より大
きい。
【0036】上記実施の形態によれば、上記ガイド層を
構成するAlGaAsのAl混晶比が、0.2より大き
いから、より好適に高信頼性・長寿命・高出力な半導体
レーザ装置を実現することができる。
【0037】本発明の半導体装置の製造方法は、半導体
基板上に少なくとも二層以上の半導体層を積層する工程
と、最も上の上記半導体層上にエッチングマスクを作成
する工程と、上記エッチングマスクを利用して、そのエ
ッチングマスクから遠い方の半導体層が上記エッチング
マスクに近い方の上記半導体層と部分的に離間するよう
にエッチングする工程と、上記エッチングマスクを超音
波洗浄にて除去すると共に、上記エッチングマスクに近
い方の上記半導体層の一部であって上記エッチングマス
クから遠い方の上記半導体層と離間している部分を超音
波にて除去する工程とを備えることを特徴としている。
【0038】上記構成の半導体装置の製造方法によれ
ば、エッチングマスクを超音波洗浄で除去している際
に、上記エッチングマスクに近い方の半導体層の不要な
一部であって上記エッチングマスクから遠い方の上記半
導体層と離間している上記不要な一部が上記超音波洗浄
のエネルギーによってへき開等で欠けて除去される。こ
のように、超音波洗浄によって、エッチングマスクすな
わちレジストマスクを除去すると同時に、半導体層の不
要な部分を除去できて、製造工程を簡略化できる。
【0039】ここで、上記半導体装置とは、例えば、半
導体レーザ装置、発光ダイオード、フォトダイオード、
接合型トランジスタ、FET(電界効果型トランジス
タ)等を含む。
【0040】1実施の形態の半導体装置の製造方法で
は、上記半導体装置が、ストライプ状電流注入構造を有
し、かつ、共振器の端面近傍の領域における注入電流密
度を他の領域における注入電流密度よりも低減する構造
を有する半導体レーザ装置である。
【0041】上記実施の形態によれば、上記ストライプ
状電流注入構造と上記注入電流密度を低減する構造とを
有する半導体レーザ装置を簡単安価に製造できる。
【0042】また、1実施の形態の半導体装置の製造方
法は、上記半導体基板はGaAs基板であり、上記少な
くとも二層以上の半導体層は、発振波長が760nmよ
り大きく800nmより小さい夫々InGaAsPから
なる井戸層および障壁層を有する量子井戸活性層と、ク
ラッド層と、そのクラッド層の直上のキャップ層を含
み、上記エッチングマスクは幅の広い部分と幅の狭い部
分を有し、かつ、上記エッチングマスクは上記キャップ
層上に設けられ、上記キャップ層および上記クラッド層
が上記エッチング工程によって、上記キャップ層に幅の
広い部分と幅の狭い部分が形成されるように、かつ、上
記クラッド層の幅が上記キャップ層の幅よりも狭くなる
ように、上記キャップ層および上記クラッド層がエッチ
ングされると共に、上記エッチングマスクの上記幅の狭
い部分の対応する上記クラッド層の部分が上記幅の狭い
キャップ層の部分から離間させられ、上記超音波洗浄に
て上記キャップ層の幅の狭い部分が除去され、上記除去
された幅の狭いキャップ層の部分の下の上記クラッド層
の上に電流ブロック層が設けられることを特徴としてい
る。
【0043】上記実施の形態によれば、上記幅の広い部
分と幅の狭い部分を有するエッチングマスクを用いるエ
ッチンによって、上記キャップ層に幅の広い部分と狭い
部分が形成されると共に、上記クラッド層がエッチング
されて、上記エッチングマスクの上記幅の狭い部分の対
応する上記クラッド層の部分が上記幅の狭いキャップ層
の部分から離間させられる。そして、上記超音波洗浄の
エネルギーによって、エッチングマスクの除去と同時
に、上記キャップ層の幅の狭い部分が簡単に除去され
る。このキャップ層の幅が狭い部分が除去されたクラッ
ド層の部分の上に設けられた電流ブロック層が、電流非
注入領域となる。
【0044】本発明の光ディスク再生記録装置は、上記
半導体レーザ装置を備える。
【0045】上記構成の光ディスク再生記録装置では、
上記半導体レーザ装置が従来の半導体レーザ装置よりも
高い光出力で動作するため、光ディスクの回転数を従来
よりも高速化してもデータの読み書きが可能である。し
たがって、本発明の光ディスク再生記録装置は、特に書
き込み時に問題となっていた光ディスクへのアクセス時
間が、従来の半導体レーザ装置を用いた光ディスク再生
記録装置よりも格段に短くなって、より快適に操作でき
る。
【0046】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1は本発明の
実施の形態1の半導体レーザ装置を後端面側から見た斜
視図であり、図2は上記半導体レーザ装置を前端面側か
ら見た正面図である。
【0047】この半導体レーザ装置は、n−GaAs基
板101上に、n−GaAsバッファ層102、n−A
0.445Ga0.555As第一下クラッド層10
3、n−Al0.561Ga0.439As第二下クラ
ッド層133、Al0.35Ga0.65As下ガイド
層104、図示しないIn0.1811Ga0.81
89As0.66680.3332圧縮歪量子井戸層
(2層)とIn0.05Ga0.95As0.6469
0.3531引張歪障壁層(3層)を交互に配置して
なる多重歪量子井戸活性層105、Al0.35Ga
0.65As上ガイド層106、p−Al0.4885
Ga0.5115As第一上クラッド層107およびp
−GaAsエッチングストップ層108を順次積層して
いる。
【0048】上記p−GaAsエッチングストップ層1
08上には、共振器前端面の近傍の領域において、図2
に示すように、メサストライプ形状のp−Al
0.4885Ga0.5115As第二上クラッド層1
09および庇形状のGaAsキャップ層110を設ける
と共に、上記p−AlGaAs第二上クラッド層109
およびGaAsキャップ層110の両側を、n−Al
0.7Ga0.3As第一電流ブロック層112、n−
GaAs第二電流ブロック層113およびp−GaAs
平坦化層114からなる光・電流狭窄領域で埋め込み、
さらに、全面にp−GaAsキャップ層116を設けて
いる。
【0049】一方、図1に示すように、共振器後端面の
近傍の領域において、上記p−GaAsエッチングスト
ップ層108上には、断面略3角形状のストライプ形状
のp−Al0.4885Ga0.5115As第二上ク
ラッド層109、その第二上クラッド層109を覆うn
−Al0.7Ga0.3As第一電流ブロック層11
2、n−GaAs第二電流ブロック層113およびp−
GaAs平坦化層114およびp−GaAsキャップ層
116を順次設けている。上記第二上クラッド層109
の全体形状は、図6の斜視図に示すようになっている。
【0050】上記キャップ層116上および上記基板1
01下に図示しないが夫々電極を設け、前端面に低反射
率コーティング膜141(反射率13%、Al
層)および後端面に高反射率コーティング膜142(反
射率85%、Alが4層、TiOが3層を交互
に計7層)を蒸着している。
【0051】この半導体レーザ装置は、図1および2に
示すように、ストライプ部121aと、そのストライプ
部121aの両側方のストライプ部側方部121b,1
21bとを有している。
【0052】図1に示すように、共振器後端面近傍の領
域においては、上記断面略3角形状のストライプ形状の
p−AlGaAs第二上クラッド層109とp−GaA
s平坦化層114との間に、最短電流経路を遮断する電
流非注入領域の一例を構成するn−AlGaAs第一電
流ブロック層112およびn−GaAs第二電流ブロッ
ク層113を設けているため、つまり、上記断面略3角
形状のストライプ形状のp−AlGaAs第二上クラッ
ド層109、n−AlGaAs第一電流ブロック層11
2、n−GaAs第二電流ブロック層113およびp−
GaAs平坦化層114およびp−GaAsキャップ層
116でpnp接合を形成しているので、共振器後端面
近傍の領域においては多重歪量子井戸活性層105へ
は、図2に示す共振器前端面近傍のメサストライプ形状
の第二上クラッド層109を経由する電流が注入され
て、上記共振器後端面近傍の領域における多重歪量子井
戸活性層105への注入電流密度は、他の領域における
多重歪量子井戸活性層105への注入電流密度よりも低
減されている。したがって、この半導体レーザ装置にお
いては、多重歪量子井戸活性層105がInGaAsP
からなってAlを含まないことによりCOD(端面破
壊)が起きにくいことに加えて、上記共振器後端面近傍
の領域における多重歪量子井戸活性層105への注入電
流密度を低減して後端面の急速劣化を防止しているか
ら、高出力状態において高信頼性・長寿命を有する。
【0053】図1、2および8に詳細に示すように後端
面近傍が断面略3角形状で前端面近傍がメサ形状のスト
ライプ状のp−AlGaAs第二上クラッド層109、
n−AlGaAs第一電流ブロック層112、n−Ga
As第二電流ブロック層113、p−GaAs平坦化層
114およびp−GaAsキャップ層116が、上記共
振器後端面近傍の領域における注入電流密度を他の領域
における注入電流密度よりも低減する構造の一例を構成
する。
【0054】次に、図3〜図9を参照しながら、上記半
導体レーザ装置の製造方法を説明する。
【0055】まず、図3に示すように、(100)面を
持つn−GaAs基板101上に、n−GaAsバッフ
ァ層102(層厚0.5μm)、n−Al0.445
.555As第一下クラッド層103(層厚3μ
m)、n−Al0.561Ga 0.439As第二下ク
ラッド層133(層厚0.2μm)、Al0.35Ga
0.65As下ガイド層104(層厚24nm)、図示
しないIn0.1811Ga0.8189As
0.66680.3332圧縮歪井戸層(歪量0.1
2%、層厚160Å、2層)とIn0.05Ga
0.95As0.64690. 3531引張歪障壁層
(歪量−0.9%、基板側から層厚100Å・50Å・
100Åの3層)を交互に配置してなる多重歪量子井戸
活性層105、Al0.3 Ga0.65As上ガイド
層106(層厚24nm)、p−Al0.4885Ga
0.5115As第一上クラッド層107(層厚0.1
916μm)、p−GaAsエッチングストップ層10
8(層厚30Å)、p−Al0.4885Ga
0.5115As第二上クラッド層109(層厚1.2
8μm)およびGaAsキャップ層110(層厚0.7
5μm)を順次有機金属化学気相成長法にて結晶成長さ
せる。さらに、メサストライプ部を形成する部分に、エ
ッチングマスクすなわちレジストマスク111をストラ
イプ方向が[011]方向を持つように写真工程により
作製する。このレジストマスク111は、作製する半導
体レーザ装置の後端面近傍の領域で例えば幅2.5μm
であり、後端面近傍以外の領域で幅5.5μmとする。
図3は上述の構造を後端面側から見た斜視図であり、図
4は前端面側から見た正面図、図5は後端面側から見た
正面図である。
【0056】次に、図6に示すように、上記レジストマ
スク111以外の部分をエッチングして、ストライプ部
121aを形成する。このエッチングは硫酸と過酸化水
素水の混合水溶液およびフッ酸を用いて二段階で行い、
エッチングストップ層108直上まで行う。このエッチ
ングストップ層108のGaAsは、フッ酸によるエッ
チングレートが非常に遅いということを利用し、エッチ
ング面の平坦化およびストライプの幅制御を可能にして
いる。エッチングの深さは1.95μm、後端面近傍以
外のメサストライプの最下部の幅は約2.5μmであ
る。図6は本構造を後端面側から見た斜視図であり、図
7は前端面側から見た正面図である。
【0057】フッ酸によるエッチングの際、メサストラ
イプ形状の第二上クラッド層109がサイドエッチをう
けるが、上述のようにレジストマスク111の幅の制御
を行うと、後端面近傍の領域ではマスク幅が狭いため
に、ストライプ形状のキャップ層110に接している箇
所のメサストライプ形状の第二上クラッド層109の幅
がなくなって、キャップ層110と離れる。エッチング
後、上記レジストマスク111を除去するが、後端面近
傍の領域にある図1に示す断面3角形状の第二クラッド
層109と離れている上記キャップ層110は、リムー
バによるレジスト除去および有機洗浄を超音波により行
うことで欠けてしまい、図6に示すような形状になっ
て、後端面近傍以外の領域に庇状のキャップ層110が
残るようになる。
【0058】続いて、図8に示すように、上記エッチン
グストップ層108およびキャップ層110上かつメサ
ストライプ形状の第二クラッド層109の側方に、n−
Al 0.7Ga0.3As第一電流ブロック層112
(層厚1.0μm)、n−GaAs第二電流ブロック層
113(層厚0.3μm)、p−GaAs平坦化層11
4(層厚0.65μm)を順次有機金属結晶成長させ
て、光・電流狭窄領域を形成する。その後、写真工程に
より、図8および9に示すように、上記ストライプ部両
側方部121b,121b上および上記ストライプ部1
21aの後端面近傍の領域上に、レジストマスク115
を形成する。図8は本構造を後端面側から見た斜視図で
あり、図9は前端面側から見た正面図である。
【0059】その後、上記レジストマスク115に覆わ
れていない部分の平坦化層114、第二電流ブロック層
113および第一電流ブロック層112をエッチングに
より除去する。このエッチングには、アンモニアと過酸
化水素水の混合水溶液および硫酸と過酸化水素水の混合
水溶液を用いて、二段階でエッチングを行う。その後、
上記レジストマスク115を除去して、全面にp−Ga
Asキャップ層116(層厚2.0μm)を積層する。
このとき、後端面近傍のストライプ部121aの上方の
上記n−AlGaAs第一電流ブロック層112、n−
GaAs第二電流ブロック層113およびp−GaAs
平坦化層114はレジストマスク115で覆われている
ため、エッチングを受けなくて、後端面近傍の領域のス
トライプ部121aにおいて、上記断面3角形状のp−
AlGaAs第二上クラッド層109、n−AlGaA
s第一電流ブロック層112、n−GaAs第二電流ブ
ロック層113およびp−GaAs平坦化層114から
なるpnp接合が残ることで、この断面3角形状のp−
AlGaAs第二上クラッド層109、n−AlGaA
s第一電流ブロック層112、n−GaAs第二電流ブ
ロック層113およびp−GaAs平坦化層114から
なる電流非注入領域の一例が作製されることとなる。
【0060】そして、上記キャップ層116上および上
記基板101下にそれぞれ電極(図示せず)を配し、バ
ーの状態にへき開後に、前端面に低反射率コーティング
膜141(反射率13%、Al単層)および後端
面に高反射率コーティング膜142(反射率85%、A
が4層、TiOが3層を交互に計7層)を蒸
着して、図1および2に示す構造の半導体レーザ装置を
作製することができる。
【0061】本実施の形態1においては、発振波長は7
80nmであり、図10に示すように最高光出力が30
0mWであることを確認した。従来のようなAlGaA
s系の材料により量子井戸活性層が作製された半導体レ
ーザ装置では、活性なAlの存在によりレーザ共振器端
面にAl酸化物が生じやすく、共振器端面において、A
lの酸化物による表面準位が多いために、キャリアがこ
の準位を介して吸収されて非発光再結合電流が流れ、局
所的に温度が上昇する。この温度上昇によって端面近傍
のバンドギャップが縮小し、さらにレーザ光の吸収が増
加し、端面温度が上昇する。このような正帰還を繰り返
すことにより端面が溶融して発振が停止するというCO
D(端面破壊)が生じると考えられている。そこで、本
実施の形態1では、多重歪量子井戸層にInGaAsP
を用いて、つまり、Alを含まない(Alフリー)材料
を用いているために、上記のようなCODのメカニズム
は生じずにAlGaAs系の半導体レーザ装置では実現
し得なかった高出力なレーザ光を実現できた。さらに、
後端面近傍の注入電流密度を低減させるために電流非注
入領域を作製してしておくことで、より劣化が生じにく
くして最高光出力レベルを上げることができた。
【0062】また、本実施の形態1においては、後端面
近傍に電流非注入領域を設けているが、前端面近傍にも
同様に電流非注入領域を設けることで、より端面からの
劣化に強い構造となるので、上記と同様の効果が得られ
た。具体的には、図11のようなレジストマスク111
を用いて上記と同様のプロセスにより半導体レーザ装置
を作製するのだが、Aの位置でバーの状態にへき開する
と本実施の形態と同様になるが、Bの位置でバーの状態
にへき開すると、後端面近傍と前端面近傍との両方に電
流非注入領域を設けることができる。
【0063】また、本実施の形態1においては、前端面
のコーティング膜141としてAl 単層膜、後端
面のコーティング膜142としてAl/TiO
多層膜が用いられている。通常、半導体レーザの端面コ
ーティング、特に後端面にはAl/Si多層膜が
多く用いられているが、SiよりもTiOのほうが出
射されたレーザ光の吸収が少ないため、コーティング膜
の材料としてはTiO のほうが強い材料といえるの
で、後端面のコーティング膜をAl/TiO
層膜とすることで、より上記効果が得られた。なお、電
流注入をストライプ全面で均一としたときも、後端面の
コーティング膜をAl/TiOとすることで、
信頼性が向上した。
【0064】また、本実施の形態1においては、GaA
s基板101上のInGaAsPからなる圧縮歪量子井
戸活性層105が用いられており、これにより780n
m帯において、しきい値電流の低い、高信頼性・長寿命
・高出力な半導体レーザ装置が実現された。また、上記
圧縮歪量が3.5%以内であることにより、より好適に
上記効果が得られた。ここでいう歪量とは、GaAs基
板の格子定数をaGaAs、井戸層の格子定数をa1と
すると、(a1−aGaAs)/aGaAsで表され
る。この値が正であれば圧縮歪、負であれば引っ張り歪
と呼ばれる。図12に井戸層の圧縮歪量の違いによる半
導体レーザ装置の信頼性(70℃、230mW)を示す
グラフを示す。圧縮歪量が3.5%を越えると信頼性が
悪化しているのが分かる。これは、圧縮歪量が大き過ぎ
て結晶性が悪くなっていると考えられる。
【0065】また、本実施の形態1においては、InG
aAsPからなる引張歪障壁層が用いられており、圧縮
歪を有する井戸層に対してその歪量を補償しているの
で、より安定した結晶をもつ歪量子井戸活性層を作製す
ることができて、高信頼性を有する半導体レーザ装置が
実現された。また、上記引張歪量が3.5%以内である
ことにより、より好適に上記効果が得られた。
【0066】また、本実施の形態1においては、上記下
および上ガイド層104,106がAlGaAsからな
り、かつ、上記量子井戸活性層105は、上記下および
上ガイド層104,106に接する部分が障壁層である
ので、発光再結合のおこる井戸層にはAlGaAsが隣
接していないことによって信頼性を確保しながら、キャ
リアのオーバーフローはAlGaAsのコンダクション
バンドのエネルギー(Ec)およびバレンスバンドのエ
ネルギー(Ev)により十分に抑制する効果を得ること
ができた。通常高信頼性を得るためにAlフリーの半導
体レーザ装置を作る場合、ガイド層、クラッド層までI
nGaPなどで全てAlフリーとする。しかし、本実施
の形態1では、発振波長780nm帯のInGaAsP
からなる井戸層に対するコンダクションバンドのエネル
ギー差(ΔEc)、バレンスバンドのエネルギー差(Δ
Ev)がバランスよく得られるAl混晶比が0.2より
大きいAlGaAsを、下および上ガイド層104,1
06として、信頼性に影響のない範囲まで可能な限り井
戸層に近づけて設けている。図13にガイド層のAl混
晶比に対する温度特性(To)の関係を示すグラフを示
す。ガイド層のAl混晶比が0.2よりも大きいAlG
aAsの場合に温度特性が向上していることが確認され
ている。井戸層と、下および上ガイド層104,106
との間には、AlフリーであるInGaAsP系の薄い
障壁層を設けている。これにより、上記効果を得てお
り、また、井戸層とその両側の障壁層のみをAlフリー
とし、ガイド層より外側はAlを含む層にすることで、
十分高い信頼性を得ることができる。Alを含む層は発
光部である井戸層と隣接する領域をAlフリーにするこ
とが最も影響が大きく、その外側にはAlを含む層は若
干離しておくことで高い信頼性が得られており、離して
おく距離は、およそ70Å以上であればよい。
【0067】また、本実施の形態1おいては、キャップ
層110により電流注入領域が作成される。そして、レ
ジスト115を除去する超音波洗浄時に同時に後端面近
傍のキャップ層110が図6に示すように除去されて、
全面に積層された第一および第二電流ブロック層11
2,113は、後に、キャップ層110上において除去
されるが、図1、6に示すように、ストライプ部121
aにおいて後端面近傍の領域のキャップ層110が除去
された第二クラッド層109の上の部分だけ自動的に除
去せずに残すことができるので、電流非注入領域を簡便
に作成することができる。
【0068】なお、本実施の形態1では、埋込リッジ構
造としたが、これに限るものではない。リッジ構造、内
部ストライプ構造、埋込ヘテロ構造など、あらゆる構造
に対して同様の効果が得られる。また、本実施の形態1
では、n型基板を用いたが、p型基板を用い、上記実施
の形態のn型、p型を入れ替えても、同様の効果は得ら
れる。また、波長は780nmとしたが、これに限るも
のではない。760nmより大きく800nmより小さ
いいわゆる780nm帯であれば同様の効果が得られ
る。
【0069】(実施の形態2)図14は、本発明の実施
の形態2の光ディスク記録再生装置の構造を示したもの
である。この光ディスク記録再生装置は、光ディスク4
01にデータを書き込んだり、書き込まれたデータを再
生するためのものであり、発光素子として、先に説明し
た実施の形態1の半導体レーザ装置と同じ半導体レーザ
装置402を備えている。
【0070】この光ディスク記録再生装置についてさら
に詳しく説明する。書き込みの際は、上記半導体レーザ
装置402から出射されたデータ信号がのったレーザ光
は、コリメートレンズ403により平行光とされて、ビ
ームスプリッタ404を透過する。このビームスプリッ
タ404を透過したレーザ光は、λ/4偏光板405で
偏光状態が調節された後、対物レンズ406で集光され
て、光ディスク401に照射されて、この光ディスク4
01にデータが記録される。
【0071】一方、読み出し時には、データ信号がのっ
ていないレーザ光が書き込み時と同じ経路をたどって光
ディスク401に照射される。このレーザ光がデータの
記録された光ディスク401の表面で反射されて、デー
タ信号がのった再生光となる。この再生光は、レーザ光
照射用対物レンズ406、λ/4偏光板405を経た
後、ビームスプリッタ404で反射されて、90°角度
を変えた後、再生光用対物レンズ407で集光され、信
号検出用受光素子408に入射する。この信号検出用受
光素子408内で、入射したレーザ光の強弱によって、
レーザ光にのったデータ信号が電気信号に変換されて、
信号光再生回路409において元のデータが再生され
る。
【0072】上記実施の形態2の光ディスク記録再生装
置は、従来の半導体レーザ装置よりも高い光出力で動作
する上記半導体レーザ装置402を用いているため、デ
ィスクの回転数を従来より高速化してもデータの読み書
きが可能である。特に、上記半導体レーザ装置402の
書き込み時のピーク光出力がレーザ出射端面において1
20mW以上であるため、書き込み時に問題となってい
た光ディスクへのアクセス時間が、従来の半導体レーザ
装置を用いた光ディスク記録再生装置よりも格段に短く
なって、この光ディスク記録再生装置はより快適に操作
できる。
【0073】なお、ここでは、上記半導体レーザ装置を
光ディスク記録再生装置に適用した例について説明した
が、本発明の半導体レーザ装置は、波長780nm帯を
用いる光ディスク記録装置、光ディスク再生装置にも適
用可能であることはいうまでもない。
【0074】なお、本発明の半導体レーザ装置および光
ディスク再生記録装置は、上述の図示例にのみ限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にお
いて種々変更を加え得ることは勿論である。
【0075】
【発明の効果】以上より明らかなように、本発明半導体
レーザ装置は、量子井戸活性層がInGaAsPからな
ってAlを含まないため、酸化が起きにくくてCOD
(端面破壊)が起きにくいことに加えて、共振器後端面
近傍の領域における注入電流密度を低減する構造を備え
るので、共振器の後端面の急速劣化を防止することがで
きて、従来のAlGaAs系の半導体レーザ装置では実
現し得なかった高出力・高信頼性・長寿命を実現でき
る。
【0076】また、本発明の半導体装置の製造方法は、
エッチングマスクを超音波洗浄で除去している際に、上
記エッチングマスクに近い方の半導体層の不要な一部で
あって上記エッチングマスクから遠い方の半導体層と離
間している上記不要な一部を上記超音波洗浄のエネルギ
ーによってへき開等で欠いて除去するので、エッチング
マスクを除去する工程において、同時に半導体層の不要
な部分を除去できて、製造工程を簡略化できる。
【0077】また、本発明の光ディスク再生記録装置
は、高信頼性・長寿命・高出力な上記半導体レーザ装置
を用いているので、光ディスクの回転数を従来よりも高
速化してもデータの読み書きが可能で、光ディスクへの
アクセス時間が、従来の光ディスク再生記録装置よりも
格段に短くなって、より快適に操作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の半導体レーザ装置を
後端面側から見た斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態1の半導体レーザ装置を
前端面側から見た正面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1の半導体レーザ装置の
製造方法を示す後端面側から見た斜視図である。
【図4】 本発明の実施の形態1の半導体レーザ装置の
製造方法を示す前端面側から見た正面図である。
【図5】 本発明の実施の形態1の半導体レーザ装置の
製造方法を示す後端面側から見た正面図である。
【図6】 本発明の実施の形態1の半導体レーザ装置の
製造方法を示す後端面側から見た斜視図である。
【図7】 本発明の実施の形態1の半導体レーザ装置の
製造方法を示す前端面側から見た正面図である。
【図8】 本発明の実施の形態1の半導体レーザ装置の
製造方法を示す後端面側から見た斜視図である。
【図9】 本発明の実施の形態1の半導体レーザ装置の
製造方法を示す前端面側から見た正面図である。
【図10】 従来の半導体レーザ装置および本発明の半
導体レーザ装置の光出力−電流特性を示すグラフであ
る。
【図11】 本発明の半導体レーザ装置の製造方法に用
いるレジストマスクの形状の一例の上面図である。
【図12】 本発明の半導体レーザ装置において井戸層
の圧縮歪量の違いによる半導体レーザ装置の信頼性(7
0℃、230mW)を示すグラフである。
【図13】 本発明の半導体レーザ装置においてガイド
層のAl混晶比に対する温度特性(To)の関係を示す
グラフである。
【図14】 本発明の実施の形態2の光ディスク記録再
生装置の概略図である。
【図15】 従来の半導体レーザ装置の後端面側から見
た斜視図である。
【符号の説明】 101 基板 103 第一下クラッド層 104 下ガイド層 105 多重歪量子井戸活性層 106 上ガイド層 107 第一上クラッド層 109 第二上クラッド層 110,116 キャップ層 111,115 ジストマスク 112 第一電流ブロック層 113 第二電流ブロック層 114 平坦化層 121a メサストライプ部 121b メサストライプ部側方部 133 第二下クラッド層 141 低反射率コーティング膜 142 高反射率コーティング膜 402 半導体レーザ装置
フロントページの続き Fターム(参考) 5D119 AA08 AA24 AA33 AA38 AA42 BA01 BB01 BB02 BB04 FA05 FA18 FA19 NA04 5D789 AA08 AA24 AA33 AA38 AA42 BA01 BB01 BB02 BB04 FA05 FA18 FA19 NA04 5F073 AA07 AA53 AA74 AA83 BA05 BA06 CA16 CB02 DA05 DA23 EA28

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaAs基板上に、少なくとも、下クラ
    ッド層、夫々InGaAsPからなる井戸層および障壁
    層を有する量子井戸活性層、上クラッド層が積層されて
    おり、共振器前端面および共振器後端面に垂直な方向の
    ストライプ状電流注入構造を有し、発振波長が760n
    mより大きく800nmより小さい半導体レーザ装置に
    おいて、 上記共振器前端面に低反射率コーティング膜を、上記共
    振器後端面に高反射率コーティング膜を設け、 上記共振器後端面近傍の領域における注入電流密度を他
    の領域における注入電流密度よりも低減する構造を備え
    ることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体レーザ装置にお
    いて、上記共振器後端面近傍に電流非注入領域を設けて
    いることを特徴とする半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の半導体レーザ
    装置において、上記共振器前端面近傍の領域における注
    入電流密度を低減する構造を備えることを特徴とする半
    導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の半導体レーザ装置にお
    いて、上記共振器前端面近傍に電流非注入領域を設けて
    いることを特徴とする半導体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 請求項2または4に記載の半導体レーザ
    装置において、上記共振器後端面近傍の領域のみ、もし
    くは、上記共振器前端面近傍と共振器後端面近傍の両方
    の領域にて、上記ストライプ状電流注入構造が電流を阻
    止する半導体層により覆われている構造をもつことを特
    徴とする半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の半導体レーザ装置にお
    いて、上記基板が第一導電型半導体からなり、上記スト
    ライプ状電流注入構造が第二導電型の半導体層からな
    り、上記電流を阻止する半導体層が第一導電型半導体層
    からなることを特徴とする半導体レーザ装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか一つに記載の
    半導体レーザ装置において、上記低反射率コーティング
    膜がAlからなり、上記高反射率コーティング膜
    がAl/TiOの多層膜からなることを特徴と
    する半導体レーザ装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか一つに記載の
    半導体レーザ装置において、上記井戸層が圧縮歪を有し
    ていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の半導体レーザ装置にお
    いて、上記圧縮歪量が3.5%以内であることを特徴と
    する半導体レーザ装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれか一つに記載
    の半導体レーザ装置において、上記障壁層が引張歪を有
    していることを特徴とする半導体レーザ装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の半導体レーザ装置
    において、上記引張歪量が3.5%以内であることを特
    徴とする半導体レーザ装置。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11のいずれか一つに記
    載の半導体レーザ装置において、上記上クラッド層と上
    記量子井戸活性層との間に上ガイド層を有するか、また
    は、上記下クラッド層と上記量子井戸活性層との間に下
    ガイド層を有するか、もしくは、上記上ガイド層および
    下ガイド層の両方を有しており、上記各ガイド層はAl
    GaAsからなり、かつ、上記量子井戸活性層は、上記
    各ガイド層に接する部分が障壁層であることを特徴とす
    る半導体レーザ装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の半導体レーザ装置
    において、上記各ガイド層を構成するAlGaAsのA
    l混晶比が、0.2より大きいことを特徴とする半導体
    レーザ装置。
  14. 【請求項14】 半導体基板上に少なくとも二層以上の
    半導体層を積層する工程と、 最も上の上記半導体層上にエッチングマスクを作成する
    工程と、 上記エッチングマスクを利用して、そのエッチングマス
    クから遠い方の半導体層が上記エッチングマスクに近い
    方の上記半導体層と部分的に離間するようにエッチング
    する工程と、 上記エッチングマスクを超音波洗浄にて除去すると共
    に、上記エッチングマスクに近い方の上記半導体層の一
    部であって上記エッチングマスクから遠い方の上記半導
    体層と離間している部分を超音波にて除去する工程とを
    備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の半導体装置の製造
    方法において、上記半導体装置が、ストライプ状電流注
    入構造を有し、かつ、共振器の端面近傍の領域における
    注入電流密度を他の領域における注入電流密度よりも低
    減する構造を有する半導体レーザ装置であることを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載の半導体装置の製造
    方法において、 上記半導体基板はGaAs基板であり、 上記少なくとも二層以上の半導体層は、発振波長が76
    0nmより大きく800nmより小さい夫々InGaA
    sPからなる井戸層および障壁層を有する量子井戸活性
    層と、クラッド層と、そのクラッド層の直上のキャップ
    層を含み、 上記エッチングマスクは幅の広い部分と幅の狭い部分を
    有し、かつ、上記エッチングマスクは上記キャップ層上
    に設けられ、 上記キャップ層および上記クラッド層が上記エッチング
    工程によって、上記キャップ層に幅の広い部分と幅の狭
    い部分が形成されるように、かつ、上記クラッド層の幅
    が上記キャップ層の幅よりも狭くなるように、上記キャ
    ップ層および上記クラッド層がエッチングされると共
    に、上記エッチングマスクの上記幅の狭い部分の対応す
    る上記クラッド層の部分が上記幅の狭いキャップ層の部
    分から離間させられ、 上記超音波洗浄にて上記キャップ層の幅の狭い部分が除
    去され、 上記除去された幅の狭いキャップ層の部分の下の上記ク
    ラッド層の上に電流ブロック層が設けられることを特徴
    とする半導体レーザ装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至13のいずれか一つに記
    載の半導体レーザ装置を備えることを特徴とする光ディ
    スク再生記録装置。
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