JP2003218425A - 有限電圧下で高磁気抵抗率を示す強磁性トンネル接合素子、および、それを用いた強磁気抵抗効果型ヘッド、磁気ヘッドスライダ、ならびに磁気ディスク装置 - Google Patents

有限電圧下で高磁気抵抗率を示す強磁性トンネル接合素子、および、それを用いた強磁気抵抗効果型ヘッド、磁気ヘッドスライダ、ならびに磁気ディスク装置

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JP2003218425A
JP2003218425A JP2002010475A JP2002010475A JP2003218425A JP 2003218425 A JP2003218425 A JP 2003218425A JP 2002010475 A JP2002010475 A JP 2002010475A JP 2002010475 A JP2002010475 A JP 2002010475A JP 2003218425 A JP2003218425 A JP 2003218425A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 素子動作電圧を含む有限電圧下で高磁気抵抗
率をもたらす膜構成を用いた強磁性トンネル接合素子、
およびそれを用いた磁気抵抗効果型ヘッド、ヘッドスラ
イダ、ならびに磁気ディスク装置を提供する。 【解決手段】 強磁性層1/金属層4/絶縁層3/金属層
5/強磁性層2(金属層は単原子あるいは二原子層)の構
造で、且つ金属層と絶縁層が結晶の規則性を持つ強磁性
トンネル接合素子により、有限電圧下で従来構造素子の
約3倍の高磁気抵抗率を示す磁気検出が可能となり、こ
の素子をもちいることにより、高感度の磁気抵抗効果型
ヘッドを実現できる。さらに本発明の磁気ヘッドを塔載
した磁気ヘッドスライダを備えることにより、高感度な
磁気情報再生が可能な磁気ディスク装置を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁場を感知するた
めの強磁性トンネル結合素子とこれを用いた磁気抵抗効
果型ヘッド、磁気ヘッドスライダ、ならびに磁気ディス
ク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高密度磁気記録における再生ヘッドとし
て、巨大磁気抵抗効果(GMR効果)を用いた磁気抵抗効果
型ヘッドが商品化されている。GMR効果を生じる、強磁
性層/非磁性金属層/強磁性層/の膜構成からなるスピン
バルブ膜は、磁気抵抗率が約10%程度で、さらに高感度
な磁気抵抗効果素子が望まれている。
【0003】上記要望に応える形で、近年、強磁性層/
非晶質絶縁層/強磁性層の接合構造を持ち、両強磁性層
の磁化の相対的角度に依存してトンネル効果があらわれ
る強磁性トンネル効果という現象が見出された(J. Mag
n. Magn. Mater. 139, L231 (1995); Phys. Rev. Lett.
74, 3273 (1995).)。室温で10%以上の磁気抵抗率が得
られたことから、この現象を利用した磁気抵抗効果素子
の研究及び開発が活発に進められてきた。非常に高い磁
場感度を有するため、強磁性トンネル効果膜は、100Gbi
t/inch2以上の超高感度磁気記録における再生ヘッドと
して大いに期待されている。
【0004】このような強磁性トンネル効果は、Jullie
reによる理論(Phys. Lett. A 54, 225 (1975))を用いて
解析されてきた。特に、この理論は現状の系と同じ非晶
質絶縁層を用いた系に対して有効である。フェルミ準位
での強磁性層のアップスピン及びダウンスピンの状態密
度(単位エネルギーあたりの状態数)をD、 Dとする
とき、スピン分極率はP=(D−D)/(D + D)と定義
される。このPを用いて、ゼロ電圧での磁気抵抗率は
【0005】
【数1】
【0006】と表される。
【0007】上式は、Pが大きいほど、高磁気抵抗率に
なることを表す。そこで、絶対零度でP=1を持つハーフ
メタル強磁性体La0.7Sr0.3MnO3を用いたトンネル接合の
研究(Phys. Rev. Lett.,82(1999),4288.)が現在進めら
れている。このハーフメタル強磁性体は、アップスピン
電子のみが伝導に寄与することから、有力なスピン注入
源と考えられている。この物質に関しては、現在、基礎
研究の段階であり、実用化への可能性が検討されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】Co/Al-O/Coに代表され
る現状のトンネル磁気抵抗素子には、素子実用化におい
て、いくつかの問題点がある。特に、電圧増加と共に磁
気抵抗率が急激に減少し、素子動作電圧の0.2Vから0.4V
で、磁気抵抗率が電圧ゼロのものの半分以下になってし
まう点は大きな問題である。さらに、非晶質絶縁層を持
つCo/Al-O/Coでは、Julliereの式による評価から、40%
以上の磁気抵抗率を得るのは難しいと考えられている。
【0009】一方、スピン注入源として用いられるLa
0.7Sr0.3MnO3は、伝導に最も寄与する終端層でのキュリ
ー温度が約180Kと低く、室温ではスピン注入源として機
能しないことが分かっている。また、膜作製の難しさも
問題点の一つである。従って、新規材料あるいは膜構成
の提案が緊急の課題となっている。以上から、本発明の
目的は、素子動作電圧を含む有限電圧下で高磁気抵抗率
をもたらす膜構成を用いた強磁性トンネル接合素子、お
よびそれを用いた磁気抵抗効果型ヘッド、ヘッドスライ
ダ、ならびに磁気ディスク装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、トンネル絶縁層と、該トンネル絶縁層
の両側に配置された第1の強磁性層及び第2の強磁性層
とを有する強磁性トンネル接合素子において、前記トン
ネル絶縁層と第1の強磁性層および前記トンネル絶縁層
と第2の強磁性層との間に形成された貴金属層とを有す
るようにした。
【0011】また、前記貴金属層は単結晶であるように
し、さらには、前記貴金属層は貴金属の単原子層あるい
は2原子層であるようにした。
【0012】さらにまた、前記貴金属層はAu、 Ag、 Cu
のいずれかの元素を含有するようにした。
【0013】また、磁気記録媒体と、該磁気記録媒体を
回転させるスピンドルモータと、スライダに塔載され磁
気記録媒体に情報の記録再生を行う磁気ヘッドと、該磁
気ヘッドを磁気記録媒体上の所望の位置に移動させるア
クチュエータとを有する磁気ディスク装置において、前
記磁気ヘッドは、トンネル絶縁層と、該トンネル絶縁層
の両側に配置された第1の強磁性層及び第2の強磁性層
とを有する強磁性トンネル接合素子を備え、前記トンネ
ル絶縁層と第1の強磁性層および前記トンネル絶縁層と
第2の強磁性層との間に形成された貴金属層とを有する
強磁性トンネル接合素子と、前記強磁性トンネル接合素
子に電流を供給する電源を備えるようにした。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明においては、前記の課題を
解決するために、非晶質絶縁層を持つCo/Al-O/Coのよう
な従来の系ではなく、新しい膜構成を考える必要がある
ことに鑑み、各種の膜構成のモデルに対し、量子論に基
づく計算機実験を行うことで、その特性を詳細に調べ
た。
【0015】本計算機実験では、まず、系を単一軌道強
束縛モデルで記述する。このモデルにおけるパラメータ
は、第一原理電子状態計算の結果をもとに評価された。
さらに、このモデルにケルディッシュグリーン関数の方
法(J. Phys. C: Solid St. Phys. 4, 916 (1971).)を適
用し、絶対零度での電流値を計算する。
【0016】結果として、第一強磁性層と第二強磁性層
とを絶縁層を介して対向させ、前記第一強磁性層と第二
強磁性層上で絶縁層側に、伝導電子を持つAu、 Ag、 Cu
何れかから成る金属層を単原子層あるいは二原子層挿入
し、且つ金属層と絶縁層が結晶の規則性を持つ強磁性ト
ンネル接合素子、及び、これを用いた磁気ヘッド、ヘッ
ドスライダ、ならびに、磁気ディスク装置によって、上
記課題は達成されることが分かった。
【0017】以下、本発明の実施の形態について図面を
参照して、詳細に説明する。 [実施例1]図1に本発明の磁気センサ装置の概略図を示
す。磁気センサ装置は、第一強磁性層1と、第一金属層4
と、絶縁層3と、第二金属層5と、第二強磁性層2とが順
次積層されてなり、定電圧電源6を備えている。本発明
は、第一金属層、第二金属層を単原子層あるいは二原子
層に設定し、且つ金属層と絶縁層が結晶の規則性を持つ
ことを特徴とする。外部磁場(図示せず)により第二強磁
性層2の磁化は自由に回転し、その回転角に応じて膜面
垂直方向の電気抵抗が変化し磁気抵抗効果(この効果
は、P(平行)とAP(反平行)の差として生ずる。以下
に詳述する)が発生する。
【0018】トンネル磁気抵抗効果材料の計算機実験に
よる開発では、(1)強束縛モデル(例えば、永宮健夫,
磁性の理論(吉岡書店)、金森順次郎,他, 固体−構造と
物性(岩波講座 現代の物理学)、芳田奎, 磁性(岩波書
店))と(2)ケルディッシュグリーン関数の方法(J. Ph
ys. C: Solid St. Phys. 4, 916 (1971).)が用いられ
る。順番として、まず強束縛モデルでトンネル接合系を
記述し、次にケルディッシュグリーン関数の方法をこの
系に適用して電気伝導を調べる。物質適用の前に各方法
について説明する。
【0019】(1)強束縛モデルについて。 図2のように実空間に原子を並べた系を考える(図では二
次元で表示)。本来、各原子は、軌道角運動量が異な
る、s軌道、p軌道、d軌道といった複数の軌道を持つ。
しかしながら、磁気抵抗効果に対して、寄与の大きな軌
道と寄与のほとんどない軌道がある。そこで今回は、各
原子の中で磁気抵抗効果に大きく寄与する軌道のみを考
慮し、強磁性層はd軌道、金属層はs軌道、絶縁層はs軌
道で記述する。すなわち、各原子は単一の軌道を持つと
仮定する。このとき、個々の原子を表すパラメータとし
て、軌道上の電子のエネルギーE(サイトエネルギー)
と、サイト間をとび移る大きさを表す、とび移り積分t
がある(図3参照)。このtはエネルギーの次元を持つ。
【0020】図3のような二次元系のエネルギー表式(分
散関係)は、これらのパラメータを用いて
【0021】
【数2】
【0022】と書ける。ここで、k [=(kx, ky)]は二次
元の波数ベクトルであり、運動量PとP=h'k (h'はプラン
ク定数hを2πで割ったもの)の関係にある。そしてcは格
子定数を表す。さらに、このエネルギー表式から、単位
エネルギー当りの状態数を表す、状態密度を得ることが
出来る。状態密度は、任意のエネルギーをεとして
【0023】
【数3】
【0024】
【数4】
【0025】と定義される。Σkは第一ブリルアンゾー
ン(キッテル, 固体物理学入門上)内のkについての和で
ある。
【0026】今、強磁性層のd軌道のみに注目する。d軌
道を持つ原子を三次元配列する際、ある一層での状態密
度の概略図は、図4のようになる。アップスピン及びダ
ウンスピン状態密度の中心は、それぞれのサイトエネル
ギーE、 Eに相当し、状態密度の幅はとび移り積分t
と関係づけられる。なお、EFはフェルミ準位であり、電
子が基底状態から詰まった時の最高エネルギー準位を表
す。
【0027】ここで、サイトエネルギーEs(s =↑or↓)
と、とび移り積分tの中身を知るために、以下に説明を
行う。
【0028】サイトエネルギーEs (s:スピンの指標。↑
に対しては+、↓に対しては−)は
【0029】
【数5】
【0030】
【数6】
【0031】
【数7】
【0032】
【数8】
【0033】として近似的に与えられる。ここで、φ(r
1−Ri)はRiにある原子内の電子1の軌道関数、mは電子の
質量、−eは電子の電荷、+Zi eはRiにあるイオンの電
荷、<Mi>はRiでの磁化、<Ni>はRiでの電子数、UはRi
の電子間クローン相互作用である。Esはイオンに束縛さ
れた電子が感じる全エネルギーであり、Eparaは常磁性
ポテンシャルを表す。Eparaの第1項E0は、運動エネルギ
ー(第1項)、Riにあるイオンによるポテンシャル(第2
項)、周囲のイオンからのポテンシャル(第3項)を含む。
アップスピンとダウンスピン間のサイトエネルギーの相
違は、交換分裂エネルギーと呼ばれ、電子間クローン相
互作用Uを含む−sU < Mi >/2から生じる。なお、このよ
うなUを含む項は、d軌道に対して考える必要がある。な
ぜなら、d軌道はイオンに局在する傾向が強く、大きなU
を持つからである。以下では、d軌道の交換分裂エネル
ギーをΔと記す。とび移り積分tは
【0034】
【数9】
【0035】であり、電子と周囲のイオンとの相互作用
による、RiとRj間の電子のとび移りのエネルギーを表
す。
【0036】上記のサイトエネルギーEs、とび移り積分
t、フェルミ準位EFは第一原理電子状態計算の結果をも
とに評価され得る。本発明においては、評価値を掲載し
たHarrison, Electronic Structure and the Propertie
s of Solids (W. H. Freeman& Co., San Francisco, 19
80), Solid State Table of the Elements、J. Phys. S
oc. Jpn. 60 (1991) 376、Phys. Rev. B 54 (1996) 153
14の文献をもとに、それぞれの値を決定した。
【0037】上記文献をもとに、今回注目する強磁性層
のd軌道と金属層のs軌道の状態密度の概略図を図5に示
す。図から分かるように、金属層は、本来、単体では非
磁性であり、アップスピン状態とダウンスピン状態間の
交換分裂は存在しない。しかしながら、強磁性層と結合
することで金属層は交換分裂を起こす。以下では、金属
層の交換分裂エネルギーをΔmと記す。この金属層の絶
縁層側終端層の状態密度は、トンネル接合系の電流表式
(後述)に含まれており、金属層はトンネル伝導に重要な
役割を果たすことが分かっている。特に、交換分裂から
生じる金属層のアップスピン電子数(状態密度)とダウン
スピン電子数(状態密度)の差は、磁気抵抗効果を引き起
こす上で重要である。 (2)ケルディッシュグリーン関数の方法(J. Phys. C:
Solid St. Phys. 4, 916 (1971).)について。 まず、それぞれの層の抵抗率を考えると、絶縁層の抵抗
率に比べ、他の層のそれは、無視できる程小さい。従っ
て、第一強磁性層と第一金属層が等電位、第二強磁性層
と第二金属層が等電位であり、抵抗率の大きな絶縁層の
みが、金属層の表面電荷により、電圧の膜厚方向の位置
依存性を持つことが考えられる。すなわち、絶縁層の障
壁のみが電圧の膜厚方向の位置依存性を持つ。上記強束
縛モデルにより得られた第一金属層及び第二金属層の状
態密度、絶縁層の障壁の概略図を図6(a)に示す。トンネ
ル伝導に寄与する電子のエネルギー領域が、ドット表示
のの帯で示されている。なお、この概略図では、以降の
説明で必要な部分のみを示し、第一強磁性層及び第二強
磁性層は省略した。
【0038】ケルディッシュグリーン関数の方法による
絶対零度での電流値は、電子がスピンの向きを保った状
態で第一強磁性層から第二強磁性層へ通りぬけるとき、
【0039】
【数10】
【0040】
【数11】
【0041】と表される。ここで、sはスピン(s=↑or
↓)を表し、|Ts(ε, V, k)|2:透過係数、DL,s(ε,
k):エネルギー(ε)及び波数ベクトルk依存性を持つ第
一金属層4の絶縁層側終端層の状態密度、DR,s(ε, k):
エネルギー(ε)及び波数ベクトルk依存性を持つ第一金
属層5の絶縁層側終端層の状態密度である。積分につい
ては、EF−VからEFの範囲の電子がトンネル伝導に寄与
することを表す。特筆すべきは、結晶の規則性を持つ系
では層内のkが保存されるため、各kのコンダクタンスを
kについて和をとった形になる点である。これは、従来
の非晶質絶縁層を用いた系の、DL,s(ε, V) =ΣkD
,Ls(ε, V, k) /Σk 1とDR,s(ε) =ΣkDR,s(ε, k) /Σ
k1を持つΓs(ε, V )∝DL,s(ε, V )DR,s(ε)と大きく
異なる。続いて、磁気抵抗効果を調べるため、磁気抵抗
率を
【0042】
【数12】
【0043】として定義する。ただし、ここでの電流値
は、アップスピンの電流値とダウンスピンの電流値の和
であり、P(AP)は平行磁化配列(反平行磁化配列)を表
す。
【0044】本発明においては上記方法を実際の物質へ
初めて適用し、詳細な計算機実験により各種物質系を比
較・検討することにより、高感度の磁気抵抗効果素子の
実現を明瞭に示した。その結果を次に記す。
【0045】本実施例ではその一例として第一強磁性層
1をCoあるいはCoxFe1-x (x=0.8-1.0)、第一金属層4をC
u、絶縁層3をAl-O、第二金属層5をCu、第二強磁性層2を
CoあるいはCoxFe1-x (x=0.8-1.0)とした場合について示
す。それぞれの膜厚は、第一強磁性層1と第二強磁性層2
が500原子層、第一金属層4と第二金属層5が単原子層あ
るいは二原子層、絶縁層3が5原子層とする。なお、以下
で述べる結果の本質部分に変わりはないことから、全層
の結晶構造は単純立方格子とした。
【0046】強束縛モデルのパラメータは、上記文献(H
arrison, Electronic Structure and the Properties o
f Solids, J. Phys. Soc. Jpn. 60 (1991) 376、Phys.
Rev.B 54 (1996) 15314)をもとに決められた。Coあるい
はCoxFe1-x(x=0.8-1.0)のd軌道のアップスピン及びダウ
ンスピンのサイトエネルギーをそれぞれE、 E
し、Cuのs軌道をECu、Al-Oの伝導バンドの中心をEAl-O
とするとき、E − EC u =−2.5eV、 E− ECu =−1.
5eV、 EAl-O− ECu =8.0eV、EF− ECu =−1.0eVとな
る。なお、とび移り積分は、状態密度の幅を考慮して、
全物質に対しt=1.0eVとした。
【0047】強磁性層がCoあるいはCoxFe1-x(x=0.8-1.
0)の場合、Δ≒1.0eVを持つ。その際、CoあるいはCoxFe
1-x(x=0.8-1.0)上の単原子層の金属層はΔm≒0.3eVを持
つ。このΔmに関しては、フェルミ準位近傍のエネルギ
ーを持つkの状態において、そのkのアップスピンとダウ
ンスピン状態間のエネルギー準位の差から得られる。
【0048】図7(a)に電流値の電圧依存性を示す。電圧
V=0.2V以上0.5V以下の範囲内で反平行磁化配列のアップ
スピンの電流値はピークを示す。
【0049】このピークを持つ機構を次に説明する。ま
ず、電圧Vでの金属層状態密度の中心エネルギー、すな
わちサイトエネルギーを求める。電圧ゼロでのアップス
ピン及びダウンスピン状態のサイトエネルギーE、 E
を用いると、電圧Vでの反平行磁化配列のアップスピ
ン状態は、第一金属層がE + V、第二金属層がEにな
る(図7(a)参照)。ここで、第二金属層のEは、反平行
磁化配列により、アップスピンのサイトエネルギーにな
ることに注意すべきである。第一金属層と第二金属層の
エネルギーが等しい場合、つまり
【0050】
【数13】
【0051】の時、反平行磁化配列でアップスピン電子
において、第一金属層のある波数ベクトルk*を持つ状態
と、第二金属層の同じk*を持つ状態がほぼ同じエネルギ
ーになる(図6(a)参照)。このとき、アップスピン状態の
電子が透過し易くなる(ここで、ダウンスピン状態の電
子は遠ざかる)。これは、各kでの状態密度Ds(E,k)は、
そのkでのエネルギーにおいてシングルピークを持ち(図
6(b)参照)、第一金属層と第二金属層のピークが同エネ
ルギーになる時、電流値が増大することから明らかであ
る(上記の電流表式)。一方、平行磁化配列の際は、アッ
プスピン及びダウンスピンにおいて、第一金属層のk*の
状態と第二金属層のk*の状態は一致することなく、両者
は遠ざかる方向にある。このとき、電子は透過し難い。
なお、上式はV= E− Eと書くことができ、電圧が金
属層の交換分裂エネルギーと等しい場合に相当する。実
際、得られたピーク位置は、上述の交換分裂エネルギー
Δm(≒0.3eV)とほぼ一致する。すなわち、APのアップス
ピン状態の電子のみ透過しやすくなるということであ
る。図7(b)の磁気抵抗率の電圧依存性に示されているよ
うに、V=0.2V以上0.5V以下の領域で、磁気抵抗率は最大
80%の大きさを持つ。これは、金属層がない場合(図7(b)
の点線)に比べて約3倍以上の大きさに相当する。また、
この系では、V =0.01V以上0.1V以下の領域でも70%以上
の磁気抵抗率が得られる。従って、V=0.2V以上0.5V以
下、 0.01V以上0.1V以下の領域で、高感度の磁気抵抗効
果素子を実現できる。
【0052】次に、金属層が二原子層の場合についても
計算機実験による比較検討をを行った。CoあるいはCoxF
e1-x(x=0.8-1.0)上の金属層の終端層では、交換分裂エ
ネルギーはΔm≒0.09eVとなる。結果は図8に示す。
【0053】電圧V=0.07V以上0.12V以下の領域で、反平
行磁化配列でアップスピンの電流値がピークを持つ(図8
(a)参照)。この範囲のVでは、磁気抵抗率は70%以上の大
きさが得られる(図8(b)参照)。さらに、V =0.01V以上0.
03V以下の領域でも70%以上の磁気抵抗率が得られる。従
って、V=0.07V以上0.12V以下、 0.01V以上0.03V以下の
領域で、高感度の磁気抵抗効果素子を実現できる。
【0054】最後に、金属層をAg、 Auとした場合につ
いてだが、パラメータがCuとほぼ同じであることから、
上記と同じ結果が得られた。従って、この系でも、V=0.
07V以上0.12V以下、 0.01V以上0.03V以下の領域で、高
感度の磁気抵抗効果素子を実現できる。なお、Coあるい
はCoxFe1-x(x=0.8-1.0)は、キュリー温度が1000K以上で
あることから、室温でも、上記特性は保持されるという
結果である。
【0055】[実施例2]強磁性層がNixFe1-x(x=0.8-1.
0)で、且つAg、 Au、 Cu何れかから成る単原子層の金属
層の場合についても実施例1に記した方法で計算機実験
を行った。
【0056】パラメータは、実施例1に記述した文献を
もとに、比較・検討し次のように設定した。NixFe1-x(x=
0.8-1.0)のd軌道のアップスピン及びダウンスピンのサ
イトエネルギーをそれぞれE、 Eとし、Cu、 Ag、 A
uのs軌道をEm、絶縁層Al-Oの伝導バンドの中心をEAl-O
とするとき、E − Em =−2.25eV、 E− Em=−1.75
eV、 EAl-O− Em =8.0eV、EF− Em =−1.0eVとなる。
なお、とび移り積分は、状態密度の幅を考慮して、全物
質に対しt=1.0eVとした。
【0057】NixFe1-x(x=0.8-1.0)上の金属層の終端層
では、交換分裂エネルギーはΔm=0.12eVとなる。
【0058】電圧V=0.1V以上0.3V以下の領域で、反平行
磁化配列でアップスピンの電流値がピークを持つ(図9
(a)参照)。この範囲のVでは、磁気抵抗率は70%以上の大
きさが得られる(図9(b)参照)。さらに、V =0.01V以上0.
05V以下の領域でも70%以上の磁気抵抗率が得られる。従
って、V=0.1V以上0.3V以下、 0.01V以上0.05V以下の領
域で、高感度の磁気抵抗効果素子に成り得る。
【0059】Ag、 Au、 Cu何れかから成る金属層が二原
子層の場合についても同様の計算を行った。NixFe1-x(x
=0.8-1.0)上の金属層の終端層では、交換分裂エネルギ
ーはΔm≒0.09eVとなる。
【0060】電圧V=0.03V以上0.06V以下の領域で、反平
行磁化配列でアップスピンの電流値がピークを持つ(図1
0(a)参照)。この範囲のVでは、磁気抵抗率は70%以上の
大きさが得られる(図10(b)参照)。従って、V=0.03V以上
0.06V以下の領域で、高感度の磁気抵抗効果素子を実現
できる。
【0061】なお、NixFe1-x(x=0.8-1.0)は、キュリー
温度が600K以上であることから、室温でも、上記特性は
保持されるという結果である。
【0062】[実施例3]強磁性層がFeで、且つAg、 A
u、 Cu何れかから成る単原子層の金属層の場合について
も実施例1に記した方法で計算機実験を行った。
【0063】パラメータは、実施例1に記述した文献を
もとに、さらに比較検討し次のように設定した。Feのd
軌道のアップスピン及びダウンスピンのサイトエネルギ
ーをそれぞれE、 Eとし、Cu、 Ag、 Auのs軌道を
Em、絶縁層Al-Oの伝導バンドの中心をEAl-Oとすると
き、E − Em =−2.75eV、 E− Em =−1.25eV、 E
Al- O− Em =8.0eV、EF− Em =−1.0eVとなる。なお、と
び移り積分は、状態密度の幅を考慮して、全物質に対し
t=1.0eVとした。
【0064】Fe上の金属層の終端層では、交換分裂エネ
ルギーはΔm≒0.55eVとなる。電圧V=0.3V以上0.7V以下
の領域で、反平行磁化配列でアップスピンの電流値がピ
ークを持つ(図11(a)参照)。この範囲のVでは、磁気抵抗
率は70%以上の大きさが得られる(図11(b)参照)。さら
に、V =0.01V以上0.15V以下の領域でも70%以上の磁気抵
抗率が得られる。従って、V=0.3V以上0.7V以下、 0.01V
以上0.15V以下の領域で、高感度の磁気抵抗効果素子を
実現できる。Ag、 Au、 Cu何れかから成る金属層が二原
子層の場合についても同様の計算を行った。NixFe1-x(x
=0.8-1.0)上の金属層の終端層では、交換分裂エネルギ
ーはΔm=0.14eVとなる。
【0065】電圧V=0.1V以上0.2V以下の領域で、反平行
磁化配列でアップスピンの電流値がピークを持つ(図12
(a)参照)。この範囲のVでは、磁気抵抗率は70%以上の大
きさが得られる(図12(b)参照)。さらに、V =0.01V以上
0.05V以下の領域でも70%以上の磁気抵抗率が得られる。
従って、V=0.1V以上0.2V以下、 0.01V以上0.05V以下の
領域で、高感度の磁気抵抗効果素子を実現できる。
【0066】なお、Feは、キュリー温度が1000K以上で
あることから、室温でも、上記特性は保持されるという
結果を得た。
【0067】[実施例4]図13に上記の強磁性トンネル
接合素子を搭載した磁気抵抗効果型磁気ヘッドの概略図
を示す。基体75の上に下部シールド層、下地層が形成
され、その上に磁気抵抗効果素子である強磁性トンネル
効果素子が形成され、その上側に上部シールド層(記録ヘ
ッドの下部コアを兼ねる)さらに、記録ギャップ層を介し
て記録ヘッドの上部コアが形成されている。磁気抵抗効
果素子である強磁性トンネル効果素子の両脇には磁気抵
抗効果素子である強磁性トンネル効果素子の駆動電流が
ながれる一対の電極が形成されている。本構造の磁気ヘ
ッドにより、上記実施例にて述べた、高磁気抵抗変化率
特性を示す本磁気抵抗効果型磁気ヘッドが実現すること
が出来る。
【0068】[実施例5]図14は本発明の磁気抵抗効果
型磁気ヘッドを搭載した磁気ヘッドスライダ60を含む
磁気ディスク装置の概略を示す。スライダ60には本発
明の強磁性トンネル効果素子を備えた磁気抵抗効果型磁
気ヘッドと、一対の電極と、この一対の電極に供給され
る電流が流れる電流端子65が備えてある。この磁気ヘ
ッドスライダ60により、上記実施例にて述べた、高磁
気抵抗変化率特性を示す磁気ヘッドスライダを実現する
ことが出来る。
【0069】[実施例6]図15は本発明の磁気ヘッドス
ライダを搭載した磁気ディスク装置の概略を示す。磁気
スライダ55には本発明の強磁性トンネル効果素子が塔
載されており、該装置は該強磁性トンネル効果素子に電
流を供給する電源64(なお、図1の電源6参照)を備え
ている。この構成により、上記実施例にて述べた、高磁
気抵抗変化率特性を用いた、高感度再生特性を有する磁
気ディスク装置を実現することが出来る。
【0070】
【発明の効果】強磁性層/金属層/絶縁層/金属層/強磁性
層(金属層は単原子あるいは二原子層)の構造で、且つ金
属層と絶縁層が結晶の規則性を持つ強磁性トンネル接合
素子により、有限電圧下で従来構造素子の約3倍の高磁
気抵抗率を示す磁気検出が可能となり、この素子をもち
いることにより、高感度の磁気抵抗効果型ヘッドを実現
できる。さらに本発明の磁気ヘッドを塔載した磁気ヘッ
ドスライダを備えることにより、高感度な磁気情報再生
が可能な磁気ディスク装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の強磁性トンネル接合素子の構成を示し
た図である。
【図2】本発明の強磁性トンネル接合素子をモデル化し
た際の原子配置を示した図である。
【図3】s軌道あるいはd軌道を持つ原子を示した図であ
る。なお、tとEはとび移り積分とサイトエネルギーをそ
れぞれ表す図である。
【図4】強磁性層のd起動状態密度の概略図である。
【図5】強磁性層と金属層が単体の場合の状態密度を上
側に、両者が結合した後のものを下側に示す図である。
【図6】上段(a)は本発明の強磁性トンネル接合素子内
の第一金属層状態密度、絶縁層の障壁、第二金属層状態
密度を示した図である。トンネル伝導に寄与する電子の
エネルギー領域が、ドット表示帯で示されている。図中
に記した―は、ある波数ベクトルk*を持つ状態を表す。
また、下段(b)は本発明の強磁性トンネル接合素子内の
第一金属層でk*を持つ状態の状態密度(シングルピー
ク)、絶縁層の障壁、第二金属層でk*を持つ状態の状態
密度(シングルピーク)を示した図である。
【図7】上段(a)は本発明の強磁性トンネル接合素子
で、強磁性層はCoあるいはCoxFe1-x(x=0.8-1.0)、且つ
単原子層の金属層を用いた場合の電流−電圧特性示した
図である。また、下段(b)は本発明の強磁性トンネル接
合素子で、強磁性層はCoあるいはCoxFe1-x(x=0.8-1.0、
且つ単原子層の金属層を用いた場合の磁気抵抗率−電圧
特性示した図である。なお、点線は、金属層がない場合
の磁気抵抗率−電圧特性を表す。
【図8】上段(a)は本発明の強磁性トンネル接合素子
で、強磁性層はCoあるいはCoxFe1-x(x=0.8-1.0)、且つ
二原子層の金属層を用いた場合の電流−電圧特性示した
図である。下段(b)は本発明の強磁性トンネル接合素子
で、強磁性層はCoあるいはCoxFe1-x(x=0.8-1.0)、且つ
二原子層の金属層を用いた場合の磁気抵抗率−電圧特性
示した図である。
【図9】上段(a)は本発明の強磁性トンネル接合素子
で、強磁性層はNixFe1-x(x=0.8-1.0)、且つ単原子層の
金属層を用いた場合の電流−電圧特性示した図である。
また、下段(b)は本発明の強磁性トンネル接合素子で、
強磁性層はNixFe1-x(x=0.8-1.0)、且つ単原子層の金属
層を用いた場合の磁気抵抗率−電圧特性示した図であ
る。
【図10】上段(a)は本発明の強磁性トンネル接合素子
で、強磁性層はNixFe1-x(x=0.8-1.0)、且つ二原子層の
金属層を用いた場合の電流−電圧特性示した図である。
また、下段(b)は本発明の強磁性トンネル接合素子で、
強磁性層はNixFe1-x(x=0.8-1.0)、且つ二原子層の金属
層を用いた場合の磁気抵抗率−電圧特性示した図であ
る。
【図11】上段(a)は本発明の強磁性トンネル接合素子
で、強磁性層はFe、且つ単原子層の金属層を用いた場合
の電流−電圧特性示した図である。下段(b)は本発明の
強磁性トンネル接合素子で、強磁性層はFe、且つ単原子
層の金属層を用いた場合の磁気抵抗率−電圧特性示した
図である。
【図12】上段(a)は本発明の強磁性トンネル接合素子
で、強磁性層はFe、且つ二原子層の金属層を用いた場合
の電流−電圧特性示した図である。また、下段(b)は本
発明の強磁性トンネル接合素子で、強磁性層はFe、且つ
二原子層の金属層を用いた場合の磁気抵抗率−電圧特性
示した図である。
【図13】本発明の磁気ヘッドの概略を示す図である。
【図14】本発明の磁気ヘッドスライダを含む、、磁気
ディスク装置の概略図である。
【図15】本発明の磁気ディスク装置を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1…第一強磁性層(固定層)、2…第二強磁性層(自由
層)、3…絶縁層、4…第一金属層、5…第二金属層、
6…定電圧電源、10…第一強磁性層の原子、20…第二強
磁性層の原子、30…絶縁層の原子、40…第一金属層の原
子、50…第二金属層の原子、55…磁気ヘッドスライダ、
56…磁気記録媒体、61…磁気ヘッドスライダ、61…磁気
記録媒体、62…アクチュエーター、63…スピンドルモー
ター、64…電源と信号処理回路、65…電流端子。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トンネル絶縁層と、該トンネル絶縁層の両
    側に配置された第1の強磁性層及び第2の強磁性層とを
    有する強磁性トンネル接合素子において、前記トンネル
    絶縁層と第1の強磁性層および前記トンネル絶縁層と第2
    の強磁性層との間に形成された貴金属層とを有すること
    を特徴とする強磁性トンネル接合素子。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の強磁性トンネル接合素子
    において、前記貴金属層は単結晶であることを特徴とす
    る強磁性トンネル接合素子。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のトンネル接合素子におい
    て、前記貴金属層は貴金属の単原子層あるいは2原子
    層、あるいはそれらの混合層からなることを特徴とする
    強磁性トンネル接合素子。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のトンネル接合素子におい
    て、前記貴金属層はAu、 Ag、 Cuのいずれかの元素を含
    有することを特徴とする強磁性トンネル接合素子。
  5. 【請求項5】請求項2に記載の強磁性トンネル接合素子
    において、前記トンネル絶縁層は結晶質の材料からなる
    ことを特徴とする強磁性トンネル接合素子。
  6. 【請求項6】トンネル絶縁層と、該トンネル絶縁層の両
    側に配置された第1の強磁性層及び第2の強磁性層と、
    前記トンネル絶縁層と第1の強磁性層および前記トンネ
    ル絶縁層と第2の強磁性層との間に形成された貴金属層
    とを備えた磁気抵抗効果素子と、該磁気抵抗効果素子の
    両側に形成された磁気シールド層と、前記磁気抵抗効果
    素子の駆動電流が流れる一対の電極とを有することを特
    徴とする強磁気抵抗効果型ヘッド。
  7. 【請求項7】トンネル絶縁層と、該トンネル絶縁層の両
    側に配置された第1の強磁性層及び第2の強磁性層と、
    前記トンネル絶縁層と第1の強磁性層および前記トンネ
    ル絶縁層と第2の強磁性層との間に形成された貴金属層
    とを備えた磁気抵抗効果素子と、該磁気抵抗効果素子の
    両側に形成された磁気シールド層と、前記磁気抵抗効果
    素子の駆動電流が流れる一対の電極とを備えた磁気抵抗
    効果型ヘッドと、前記一対の電極に供給される電流が流
    れる電流端子とを備えた磁気ヘッドスライダ。
  8. 【請求項8】磁気記録媒体と、該磁気記録媒体を回転さ
    せるスピンドルモータと、スライダに塔載され磁気記録
    媒体に情報の記録再生を行う磁気ヘッドと、該磁気ヘッ
    ドを磁気記録媒体上の所望の位置に移動させるアクチュ
    エータとを有する磁気ディスク装置において、前記磁気
    ヘッドは、トンネル絶縁層と、該トンネル絶縁層の両側
    に配置された第1の強磁性層及び第2の強磁性層とを有
    する強磁性トンネル接合素子を備え、前記トンネル絶縁
    層と第1の強磁性層および前記トンネル絶縁層と第2の強
    磁性層との間に形成された貴金属層とを有する強磁性ト
    ンネル接合素子と、前記強磁性トンネル接合素子に電流
    を供給する電源を備えたことを特徴とする磁気ディスク
    装置。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の磁気ディスク装置におい
    て、前記第1の強磁性層及び第2の強磁性層はCoあるい
    はCoxFe1-x(x=0.7-1.0)を含有し、更に前記強磁性トン
    ネル接合素子に印可する駆動電圧を0.01以上0.1V以下に
    制御する手段を備えたことを特徴とする磁気ディスク装
    置。
  10. 【請求項10】請求項8に記載の磁気ディスク装置にお
    いて、前記第1の強磁性層及び第2の強磁性層はCoある
    いはCoxFe1-x(x=0.7-1.0)を含有し、更に前記強磁性ト
    ンネル接合素子に印可する駆動電圧を0.2 V以上0.5V以
    下に制御する手段を備えたことを特徴とする磁気ディス
    ク装置
  11. 【請求項11】請求項8に記載の磁気ディスク装置にお
    いて、前記第1の強磁性層及び第2の強磁性層はFeを含
    有し、更に前記強磁性トンネル接合素子に印可する駆動
    電圧を0.01V以上0.15V以下に制御する手段を備えたこと
    を特徴とする磁気ディスク装置。
  12. 【請求項12】請求項8に記載の磁気ディスク装置にお
    いて、前記第1の強磁性層及び第2の強磁性層はFeを含
    有し、更に前記強磁性トンネル接合素子に印可する駆動
    電圧を0.3V以上0.7V以下に制御する手段を備えたことを
    特徴とする磁気ディスク装置。
  13. 【請求項13】請求項8に記載の磁気ディスク装置にお
    いて、前記第1の強磁性層及び第2の強磁性層はNixFe1-
    x(x=0.7-1.0)を含有し、更に前記強磁性トンネル接合素
    子に印可する駆動電圧を0.03V以上0.06V以下に制御する
    手段を備えたことを特徴とする磁気ディスク装置。
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