JP2003217727A - 通電用コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非通電時における感電事故やショート事故及
び異物の詰め込み被害を的確に防止できる通電用コネク
タを提供する。 【解決手段】 非通電時においては、ソケット２のプラ
グ電極４用の貫通孔８は、バネ１１の移動付勢によって
固定ケース６の正面壁部７に押し付けられたシャッター
体１３によって閉塞されている。この閉塞状態では、シ
ャッター体１３は逃げ用空間部１７以外の部分において
固定ケース６側のストッパー部１４に対面するようにバ
ネ１２によって移動付勢されている。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明が属する技術分野】 本発明は互いに相対的に移
動する二つの物体間で電力を供給するための通電用コネ
クタに関するものである。 【０００２】 【従来の技術】 相対的に移動する二つの物体の一方の
物体に装着されるプラグと、他方の物体に装着されるソ
ケットとからなり、プラグを一方の物体に固着される固
定台座と、該固定台座に保持されて他方の物体に向かっ
て突出するプラグ電極とで構成し、ソケットを他方の物
体に固着され、プラグ電極が挿入される貫通孔を正面壁
部に形成した固定ケースと、該固定ケースに収容され、
前記貫通孔より入り込んで来たプラグ電極に接離するソ
ケット電極とで構成した通電用コネクタは、既に提案さ
れている。この通電用コネクタは、二つの物体が互いに
接触または所定位置まで接近したときプラグ電極とソケ
ット電極が接触することによって電気的に接続される一
方、二つの物体が互いに離れたときにプラグ電極とソケ
ット電極が分離して電気的接続が解除されるものであ
り、両物体間に電力を供給したり、あるいは電気信号を
遣り取りするに当たり、両者間に電気配線を行う必要が
ないので、取付け施工が簡略化されたり、一方の物体を
他方の物体から取り外す際に電気配線が邪魔にならない
等の利便性を有する。 【０００３】しかしながら、従来の通電用コネクタで
は、固定ケースの正面壁部に形成したプラグ電極の挿入
用貫通孔は、常時開放されているため、両物体が離れた
非通電時においてソケットの正面側に人がアクセスでき
るような状況にあるとき、悪戯等によって針金を貫通孔
から差し込むことによってソケット電極に触れ、感電事
故やショート事故を引き起こす危険性があった。また、
固定ケースの前記貫通孔から異物を詰め込んでソケット
電極を使用不能にする悪戯被害もあった。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】 したがって本発明の
課題は、非通電時における感電事故やショート事故及び
異物の詰め込み被害を的確に防止できる改良された通電
用コネクタを提供することである。 【０００５】 【課題を解決するための手段】 以下、添付図面中の参
照符号を用いて説明すると、本発明の通電用コネクタ
は、相対的に移動する二つの物体Ａ、Ｂの一方の物体Ａ
に装着されるプラグ１と、他方の物体Ｂに装着されるソ
ケット２とからなり、プラグ１を物体Ａに固着される固
定台座３と、固定台座３に保持されて物体Ｂに向かって
突出するプラグ電極４と、固定台座３に保持されて物体
Ｂに向かって突出し、先端部がプラグ電極４よりも突き
出ているカム体５とで構成する。ソケット２を物体Ｂに
固着され、プラグ電極４が挿入される貫通孔８とカム体
５が挿入される貫通孔９を正面壁部７に形成した固定ケ
ース６と、固定ケース６に収容固定され、貫通孔８の延
長線上の周囲空間において移動してプラグ電極４に接離
するソケット電極１０と、正面壁部７の内面に向かって
進退するとともに正面壁部７の内面に沿って進退するよ
うに固定ケース６に収容され、バネ１１によって正面壁
部７に向かって移動付勢されたシャッター体１３とで構
成する。シャッター体１３が正面壁部７から離れる方向
に移動するのを阻止するストッパー部１４を固定ケース
６に形成し、ストッパー部１４が通過可能な逃げ用空間
部１７をシャッター体１３またはシャッター体１３の外
部に形成し、非通電時にはシャッター体１３が逃げ用空
間部１７以外の部分においてストッパー部１４に対面す
るようにシャッター体１３をバネ１２によって正面壁部
７に沿って移動付勢する。そして、カム体５の先端部に
形成した駆動カム面１６によってシャッター体１３の受
動カム面１５を押圧して、シャッター体１３を逃げ用空
間部１７がストッパー部１７に対面する位置へと移動さ
せ、カム体５によってシャッター体１３が正面壁部７か
ら離れる方向に一定距離押し動かされたとき、ソケット
電極１０をプラグ電極４に接触させるものである。 【０００６】 【発明の作用】 図１に示したように一方の物体Ａ（例
えば扉）が他方の物体Ｂ（例えば筐体）から離れた位置
にあり、プラグ１のプラグ電極４がソケット２のソケッ
ト電極１０に接触していない非通電時には、図６に示し
たようにシャッター体１３は固定ケース６の正面壁部７
の内面にバネ１１の付勢によって押し付けられており、
プラグ電極４用の貫通孔８を閉塞している。この閉塞状
態では、図３に示したように固定ケース６側のストッパ
ー部１４は、逃げ用空間部１７以外のシャッター体部分
に対面しており、シャッター体１３は図６に示したよう
に正面壁部７から離れる方向への移動を制止されてい
る。 【０００７】一方の物体Ａが他方の物体Ｂに接近する方
向に移動したとき、図７に示したようにプラグ１のカム
体５が真っ先にソケット２の固定ケース６の貫通孔９に
入り込み、その後からプラグ電極４が貫通孔８に入り込
む。貫通孔９を通過したカム体５は、先端部の駆動カム
面１６でシャッター体１３の受動カム面１５を押すこと
によって、シャッター体１３を固定ケース６の正面壁部
７に沿ってバネ１２の付勢に抗して一定距離だけスライ
ド移動させる。この移動によって、図８に示したように
シャッター体１３の逃げ用空間部１７が固定ケース側の
ストッパー部１４に対面する。 【０００８】このような状態において一方の物体Ａが他
方の物体Ｂに更に接近することによって、図９に示した
ようにプラグ電極４が固定ケース６の貫通孔８を通過し
てシャッター体１３の正面１３ｂを押す。カム体５とプ
ラグ電極４に押されたシャッター体１３は、図９に示し
たように固定ケース６の正面壁部７から離れる方向にバ
ネ１１の付勢に抗して移動する。このとき、見掛け上、
固定ケース６側のストッパー部１４はストッパー体１３
側の逃げ用空間部１７を通過する。 【０００９】このようにシャッター体１３が所定距離ま
で移動したとき、図１０に示したようにソケット電極１
０がプラグ電極４の周面に向かって移動して、プラグ電
極４とソケット電極１０が電気的に接続され、二つの物
体Ａ，Ｂ間において電力を供給したり、電気信号が遣り
取りされることになる。 【００１０】 【発明の実施の形態】 図示の実施例の通電用コネクタ
は交流用であり、プラグ電極４とソケット電極１０は２
個ずつ設けられている。丸棒状のプラグ電極４は、プラ
スチック製である固定台座３の上下２個の水平孔１８に
嵌められており、プラグ電極４の大径盤部４ａは裏板１
９の円形凹部２０に収容されている。裏板１９は上下２
個の逆止め突起２１によって固定台座３に接合されてい
る。前記大径盤部４ａにはＬ型端子板２２が溶接されて
いる。端子板２２は裏板１９の丸孔２３から突出してお
り、これに電気配線２４がなされる。 【００１１】カム体５は丸棒状であり、上下２本のプラ
グ電極４，４の中間位置において固定台座３と一体に形
成されている。プラグ電極４とカム体５は互いに平行に
配置され、固定台座３の正面に対して直角に突出してい
る。駆動カム面１６はカム体５中心軸線に対して４５度
の角度に形成されている。固定台座３は上下２個の取付
孔２５を通るビスによって物体Ａ、すなわち扉の縁枠部
に固着される。 【００１２】ソケット２のプラスチック製である固定ケ
ース６は、上下２個の取付孔２６を通るビスによって物
体Ｂ、すなわち筐体の縁枠部に固着される。固定ケース
６のプラスチック製の裏板２７は、上下２個の逆止め突
起３８によって固定ケース６に接合されている。プラス
チック製である板状のストッパー体１３には、左右両側
辺中央部に逃げ用空間部１７が形成されている。固定ケ
ース６の側壁部２８と裏板２７には、３個ずつのストッ
パー部１４が一体に形成されている。これらストッパー
部１４は直線突起状であり、互いに平行に水平に形成さ
れている。 【００１３】各ストッパー部１４の横断面は矩形状であ
る。シャッター体１３の中間部に切欠き形成した逃げ用
空間部１７の形状と大きさは、ストッパー部１４に対応
しているため、図８に示したように中間部のストッパー
部１４はシャッター体１３が固定ケース６の正面壁部７
に対して進退移動するとき、ガイドの働きをする。上方
部のストッパー部１４については、シャッター体１３の
上側の空間が逃げ用空間部１７となっており、上方部の
ストッパー部１４はシャッター体１３の上端面１３ａを
ガイドすることになる。また、下方部のストッパー部１
４については、ストッパー体１３の下方側の溝部３７が
逃げ用空間部１７を兼ねており、下方部のストッパー部
１４は該溝壁面３７ａをガイドすることになる。固定ケ
ース６の空洞内の中間位置に配置されたバネ１１は圧縮
コイルバネであり、大径部は固定ケース６の背面壁部２
９の凹部３０に支持されている。バネ１１の小径部はシ
ャッター体１３の背面凹部３１に支持されている。 【００１４】バネ１２は圧縮コイルバネであり、固定ケ
ース６の下側壁部３２に固定したバネ受け体３３に下部
が収容支持され、バネ１２の上部はシャッター体１３の
下面中央部の凹部３４に収容支持されている。バネ性の
ある金属板よりなるソケット電極１０は細長いＵ字状に
形成され、２枚の脚板部１０ａの基端部には長さ方向の
スロット３５が形成されている。固定ケース６の側壁部
３６と裏板２７には、該スロット３５に差し込まれる位
置決め突起３９が形成されている。ソケット電極１０の
中間連結板部１０ｂには電気配線４０がなされる。 【００１５】ソケット電極１０の２枚の脚板部１０ａの
先端部分はＶ字状に曲げ形成されており、その屈曲角部
１０ｃでプラグ電極４の周面に圧接する。図５に示した
ように非通電時には、ソケット電極１０の屈曲角部１０
ｃは、シャッター体１３の左右側辺部に形成した溝部３
７の底面３７ｂに当接している。シャッター体１３の受
動カム面１５は、シャッター体１３の中間部の正面側に
凹み形成されており、傾斜角度は４５度になっている。
固定本体６の背面壁部２９には電気配線４０の引き出し
孔４３が形成されている。プラグ１はブラケット金具４
１を介して物体Ａに固着され、ソケット２はブラケット
金具４２を介して物体Ｂに固着されている。 【００１６】 【発明の効果】 以上のように本発明の通電用コネクタ
では、非通電時においてはソケット２のプラグ電極４用
の貫通孔８は、バネ１１の移動付勢によって固定ケース
６の正面壁部７に押し付けられたシャッター体１３によ
って閉塞されているとともに、シャッター体１３は逃げ
用空間部１７以外の部分において固定ケース６側のスト
ッパー部１４に対面するようにバネ１２によって移動付
勢されているため、悪戯等によって針金が貫通孔８から
固定ケース６内に差し込まれ、ソケット電極１０と接触
することによって感電事故やショート事故をおこすこと
がない。また、異物を貫通孔８から詰め込まれてソケッ
ト電極１０が動作不良を起こしたり、動作不能となるこ
とがない。

【図面の簡単な説明】 【図１】 本発明の一実施例に係る通電用コネクタの非
通電状態の正面図である。 【図２】 図１の通電用コネクタの底面図である。 【図３】 図１のＡ−Ａ線断面図である。 【図４】 図１のＢ−Ｂ線断面図であり、ソケット電極
の図示を省略してある。 【図５】 図１のＣ−Ｃ線断面図である。 【図６】 図２のＤ−Ｄ線断面図である。 【図７】 カム体が先に固定ケースに入り込んだときの
図５に対応した断面図である。 【図８】 カム体が先に固定ケースに入り込んだときの
図３に対応した断面図である。 【図９】 カム体とプラグ電極が固定ケースに所定深さ
まで入り込んだときの断面図であり、ソケット電極の図
示を省略してある。 【図１０】 カム体とプラグ電極が固定ケースに所定深
さまで入り込んだときの図５に対応した断面図である。 【符号の説明】 Ａ 一方の物体 Ｂ 他方の物体 １ プラグ ２ ソケット ３ プラグの固定台座 ４ プラグ電極 ５ プラグのカム体 ６ ソケットの固定ケース ７ 固定ケースの正面壁部 ８ プラグ電極用の貫通孔 ９ カム体用の貫通孔 １０ ソケット電極 １１ 付勢用バネ １２ 付勢用バネ １３ シャッター体 １４ 固定ケース側のストッパー部 １５ シャッター体の受動カム面 １６ カム体の駆動カム面 １７ 逃げ用空間部

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 相対的に移動する二つの物体Ａ、Ｂの一
   方の物体Ａに装着されるプラグ１と、他方の物体Ｂに装
   着されるソケット２とからなり、プラグ１を物体Ａに固
   着される固定台座３と、固定台座３に保持されて物体Ｂ
   に向かって突出するプラグ電極４と、固定台座３に保持
   されて物体Ｂに向かって突出し、先端部がプラグ電極４
   よりも突き出ているカム体５とで構成し、 ソケット２を物体Ｂに固着され、プラグ電極４が挿入さ
   れる貫通孔８とカム体５が挿入される貫通孔９を正面壁
   部７に形成した固定ケース６と、固定ケース６に収容固
   定され、貫通孔８の延長線上の周囲空間において移動し
   てプラグ電極４に接離するソケット電極１０と、正面壁
   部７の内面に向かって進退するとともに正面壁部７の内
   面に沿って進退するように固定ケース６に収容され、バ
   ネ１１によって正面壁部７に向かって移動付勢されたシ
   ャッター体１３とで構成し、 シャッター体１３が正面壁部７から離れる方向に移動す
   るのを阻止するストッパー部１４を固定ケース６に形成
   し、ストッパー部１４が通過可能な逃げ用空間部１７を
   シャッター体１３またはシャッター体１３の外部に形成
   し、非通電時にはシャッター体１３が逃げ用空間部１７
   以外の部分においてストッパー部１４に対面するように
   シャッター体１３をバネ１２によって正面壁部７に沿っ
   て移動付勢し、カム体５の先端部に形成した駆動カム面
   １６によってシャッター体１３の受動カム面１５を押圧
   して、シャッター体１３を逃げ用空間部１７がストッパ
   ー部１７に対面する位置へと移動させ、カム体５によっ
   てシャッター体１３が正面壁部７から離れる方向に一定
   距離押し動かされたとき、ソケット電極１０がプラグ電
   極４に接触するようにした通電用コネクタ。