JP2003217627A - 燃料供給量制御装置、燃料供給量制御方法及び電力供給システム - Google Patents

燃料供給量制御装置、燃料供給量制御方法及び電力供給システム

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JP2003217627A
JP2003217627A JP2002019231A JP2002019231A JP2003217627A JP 2003217627 A JP2003217627 A JP 2003217627A JP 2002019231 A JP2002019231 A JP 2002019231A JP 2002019231 A JP2002019231 A JP 2002019231A JP 2003217627 A JP2003217627 A JP 2003217627A
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fuel cell
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Naohiko Ishibashi
直彦 石橋
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電力供給システムにおいて、燃料電池の性能が
変化した場合においても、交流負荷電力と、実際の燃料
電池の出力電圧とが等しくなるように制御する。 【解決手段】制御部5と、補償部4とを具備する燃料供
給量制御装置を用いる。ここで、制御部5は、燃料電池
1+2と系統電源9とが負荷8に供給する電力としての
負荷電力に基づいて、燃料電池1+2に供給する燃料の
供給量としての燃料供給量を算出し、その燃料供給量に
基づいて、燃料電池1+2の燃料供給装置7を制御す
る。そして、補償部4は、その負荷電力と、燃料電池1
+2が発生する電力としての燃料電池電力とに基づい
て、その燃料供給量を補償する補償値を算出し、その補
償値を制御部5へ出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池用の燃料
供給量制御装置及びそれを用いた電力供給システムに関
し、特に、燃料電池の性能の変化を考慮した燃料供給量
制御装置及び電力供給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、有害物質の排出が少ないな
どの環境負荷の低減効果、コジェネレーションによる高
いエネルギー効率等の点で注目されている。燃料電池の
利用形態としては、インバータを介して燃料電池を系統
電源と並列に交流負荷に接続した電力供給システムが知
られている。その際、燃料電池用の燃料として、炭化水
素系の材料(例示:天然ガス、プロパンガス、メタノー
ル)を改質した、水素リッチな改質ガスが知られてい
る。その電力供給システムは、各種施設や一般家庭など
への導入が考えられる。
【0003】図5に、電力供給システムにおいて消費さ
れる電力(交流負荷電力)の時間変化のグラフについて
示す。縦軸は電力、横軸は、時間を示す。グラフにおい
て、曲線は、時間により消費電力(交流負荷電力)が変
化する様子を概念的に示している。燃料電池の出力電力
をPFC一定とすると、交流負荷が少ない場合、燃料電
池の発電する出力電力PFCにより電力を十分賄える。
しかしその場合、電力の余剰分(図中、Sで表示)が
発生する場合が予想される。したがって、そうならない
ように、燃料電池に供給する改質ガスを少なくする等に
よりPFCを下げることで対応する。一方、交流負荷が
大きくなり、出力電力PFCを越える場合、燃料電池に
供給する改質ガスを増やすことにより出力電力PFC
上げることで対応するが、不足する分(図中、Sで表
示)は、系統電源からの買電で賄われる。
【0004】このように、各種施設や一般家庭などで
は、消費電力(交流負荷電力)が、時間により刻々と変
化するため、燃料電池の出力電力PFCを交流負荷に迅
速に対応させ、必要に応じて買電を行うことが必要であ
る。その場合、各種施設や一般家庭などに属する燃料電
池を出来るだけ使用し、買電は出来るだけ少なくするこ
とにより、電力コストを抑制することが求められる。
【0005】従来技術の燃料電池を用いた電力供給シス
テムについて詳細に説明する。図3は、従来の燃料電池
を用いた電力供給システムの構成を示す図である。電力
供給システムは、改質器101、燃料電池(FC)10
2、電力変換器103、改質器ロード量制御部105、
流量制御弁107及びFC出力電流指令演算部106を
具備する。電力変換器103は、DC/DCコンバータ
111、DC/ACインバータ112、インバータ出力
電力計算部113、受電電力計算部114、FC出力電
流制御部115、加算点116、電流計117、電流計
118及び電圧計119を備える。また、改質器ロード
量制御部105は、負荷計算部131と、リミッタA1
32とを備える。
【0006】電力供給システムは、系統電源109と共
に、構内負荷108に並列に接続されている。そして、
構内負荷108に電力を供給する。系統電源109のラ
インには、電圧計141及び電流計142が設置されて
いる。
【0007】以下、各構成について説明する。流量制御
弁107は、改質器ロード量制御部105(後述)から
の改質器ロード信号Rload基づいて、弁の開度によ
り改質器101(後述)に供給する燃料Fの供給量を
制御する。ここで、燃料Fは、炭化水素系の燃料ガス
と水蒸気とを混合したガスである。
【0008】改質器101は、流量制御弁107から供
給される燃料Fを用いて、水蒸気改質反応を行ない、
所望の改質ガスF(水蒸気、水素を主成分とするガ
ス)を生成する。生成した改質ガスFは、燃料電池1
02(後述)へ供給される。
【0009】燃料電池(FC)102は、供給された改
質ガスFと、酸素を含むガス(空気など)とを用い
て、電気化学反応(電池反応)により発電を行う。発電
された電力PFC(以下「FC出力電力」、その電圧を
「FC出力電圧VFC」、その電流を「FC出力電流I
FC」とする)は、直流電力である。FC出力電力P
は、電力変換器103へ出力される。
【0010】電力変換器103について説明する。DC
/DCコンバータ111は、燃料電池102からのFC
出力電力PFC(直流電力)に基づいて、その電圧を昇
圧した直流電力PCON(以下「コンバータ出力電力P
CON」、その電圧を「コンバータ出力電圧
CON」、その電流を「コンバータ出力電流
CON」とする)を、DC/ACインバータ112へ
出力する。また、電流計117で計測されたFC出力電
流IFC(燃料電池102より)と、FC出力電流指令
FC (FC出力電流指令演算部106(後述)よ
り)との差(FC出力電流制御部115より)の入力に
基づいて、その差を無くすようにFC出力電流IFC
制御する。
【0011】DC/ACインバータ112は、コンバー
タ出力電力PCON(直流電力)の入力に基づいて、コ
ンバータ出力電力PCONを所望の周波数及び電圧の交
流電力(以下「インバータ出力電力PINV」、その電
圧を「インバータ出力電圧V INV」、その電流を「イ
ンバータ出力電流IINV」とする)へ変換し、構内負
荷108へ出力する。
【0012】インバータ出力電力計算部113は、電流
計118で計測されたインバータ出力電流IINVと、
電圧計119で計測されたインバータ出力電圧VINV
とに基づいて、インバータ出力電力PINVを算出す
る。
【0013】受電電力計算部114は、系統電源から構
内負荷8へ供給される電力PGND(以下「受電電力P
GND」、その電圧を「受電電圧VGND」、その電流
を「受電電流IGND」とする)を、電流計142で計
測される受電電流IGNDと、電圧計141で計測され
る受電電圧VGNDとに基づいて算出する。
【0014】加算点116は、インバータ出力電力P
INVと、受電電力PGNDとを合計し、構内負荷10
8が必要とする交流負荷電力PDMDとして、改質器ロ
ード量制御部105へ出力する。
【0015】改質器ロード量制御部105について説明
する。負荷計算部131は、交流負荷電力PDMDに基
づいて、改質器101の運転条件(改質器ロード量)を
算出する。すなわち、その交流負荷電力PDMDを出力
するために必要な、改質ガスFの流量F21を算出す
る。次に、その流量F 21に基づいて、その改質ガスF
の流量F21を得るのに必要な改質器101に供給す
る燃料Fの流量F12を求める。負荷計算部131
は、その流量F に基づいて、流量制御弁107が流
量F12を流せるような改質器ロード信号Rload
生成する。そして、改質器ロード信号Rloadを、流
量制御弁107及びFC出力電流指令演算部106へ出
力する。改質器ロード信号Rloa は、定格時の燃料
流量を100%として正規化した値とする。ただし、リ
ミッタA132は、もし、改質器ロード信号Rload
が、予め設定した値の範囲(例示:0−100%)に入
らないならば、その直前の改質器ロード信号
load’を改質器ロード信号Rloadとして出力
する。
【0016】FC出力電流指令演算部106は、改質器
ロード信号Rloadの入力に基づいて、FC出力電流
FCの目標値としてのFC電流目標値を計算し、FC
出力電流指令IFC として電力変換器103へ出力す
る。出力のタイミングは、改質器101の応答性(燃料
供給量変化に対する改質器101出口での改質ガス
の水素量の変化)を予め予測し、それに合わせる。
【0017】図4を用いて、FC出力電流指令IFC
の出力のタイミングについて更に説明する。図4は、交
流負荷電力PDMDの時間変化及びそれに対応した改質
器101出口での改質ガスFの水素量の時間変化の一
例を示すグラフである。縦軸は交流負荷電力PDMD
び改質器101出口での改質ガスFの水素量である。
図中の曲線(交流負荷電力)に示すように、交流負荷電
力PDMDは、電気設備のON/OFFにより、急激に
変化する。それに対応して、燃料電池102の出力電力
FCを追従させるために、改質器101での改質ガス
の水素量を増減する必要がある。しかし、交流負荷
電力PDMDの変化と同時に改質器101へ供給する燃
料Fを変化させても、図中の曲線(改質ガスの水素
量)に示すように、改質器101の応答性は必ずしも良
くない。これは、改質器101内の熱容量等により、定
常状態に至るまでに時間を要するからである。図中の例
では、時間の遅れ(ΔT)及び過渡的応答(図中Q)が
見られる。従って、燃料電池102の出力電力PFC
交流負荷電力PDMDの変化に直接対応させると、改質
器101の改質ガスFの水素量が対応できなくなる。
それにより、燃料電池102が水素欠乏を起こして、破
損(焼損)してしまう。
【0018】上記のような事態が発生しないように、F
C出力電流指令演算部106は、FC出力電流指令I
FC を、改質器101が応答可能なように変更(遅ら
せて)して出力する。例えば、伝達関数として、無駄時
間応答と一時遅れ応答を組み合わせた関数を用いる。そ
の場合、改質器101の応答の遅れに伴う燃料電池10
2による電力供給の遅れは、系統電源109からの電力
で賄う。
【0019】次に、従来技術の燃料電池を用いた電力供
給システムの動作について説明する。改質器101に用
いられる燃料Fは、改質器ロード信号Rloadによ
り流量制御弁107で流量F11を制御され、改質器1
01に供給される。そして、燃料Fは、水蒸気改質反
応により改質ガスFとなる。その流量は、F21であ
る。燃料電池102は、供給された改質ガスFと空気
を用い、電気化学反応(電池反応)により発電を行な
う。発電されたFC出力電力PFCは、電力変換器10
3へ出力される。
【0020】電力変換器103は、FC出力電力PFC
を、所望の電圧、周波数を有するインバータ出力電力P
INVに変換し、構内負荷108へ出力する。その際、
FC出力電流指令演算部106からのFC出力電流指令
FC に基づいて、FC出力電流IFCを制御する。
また、インバータ出力電力PINVと受電電力PGND
との合計である交流負荷電力PDMDを計算し、改質器
ロード量制御部105へ出力する。
【0021】改質器ロード量制御部105の負荷計算部
131は、交流負荷電力PDMDに基づいて、その交流
負荷電力PDMDを出力するために必要な、改質器10
1に必要な燃料Fの流量F11を求める。そして、F
11を改質器ロード信号R oadとして、流量制御弁
107及びFC出力電流指令演算部106へ出力する。
【0022】FC出力電流指令演算部106は、改質器
ロード信号Rloadの入力に基づいて、FC出力電流
FCの目標値としてFC出力電流指令IFC を電力
変換器103へ出力する。流量制御弁107は、改質器
ロード量制御部105からの改質器ロード信号R
loadに基づいて、改質器101に供給する燃料F
の供給量F11を制御する。
【0023】上記動作において、交流負荷電力PDMD
を出力するために必要な、燃料Fの流量F11を求め
る方法について、更に説明する。図6は、交流負荷電力
DMDを出力するために必要な燃料Fの流量F11
を求める方法を説明する図である。図6(a)は、交流
負荷電力PDMD(横軸)と、改質器101で生成され
る改質ガスFの供給量(縦軸)との関係を示すグラフ
である。このグラフ(曲線(A))は、交流負荷電力P
DMD=Pを燃料電池102から得るのに、燃料電池
102へ供給すべき改質ガスFが、F=F21であ
ることを示している。次に、図6(b)は、改質器10
1で生成される改質ガス供給量Fの供給量(横軸)
と、改質器101に供給する燃料Fの供給量(縦軸)
との関係を示すグラフである。このグラフ(曲線
(C))は、改質ガスF=F21を改質器101から
得るのに、改質器101へ供給すべき燃料Fが、F
=F11であることを示している。
【0024】すなわち、上記図6(a)及び図6(b)
から、交流負荷電力PDMDを出力するために必要な燃
料Fの流量F11を求めることが出来る。負荷計算部
131は、図6(a)及び図6(b)のグラフを示すデ
ータを有しており、それに基づいて、燃料Fの流量F
11を求める。ただし、図6(a)と図6(b)を一つ
にまとめたデータを有していてもよい。図6(a)及び
図6(b)のデータは、予め実験などにより計測するこ
とにより把握し、負荷計算部131に格納し、上記制御
において使用される。
【0025】上記のように、予め計測することにより把
握した関係を用いて、交流負荷電力PDMDから改質器
101へ供給する燃料Fの流量を求めている。
【0026】しかし、燃料電池102の劣化が生じる
と、予め計測した燃料電池特性と、実際の燃料電池特性
が合わなくなる。その場合、実際の燃料電池102のF
C出力電力(燃料電池出力電力×電力変換器効率)を、
目標とする交流負荷電力(交流負荷電力PDMD)に制
御しているつもりが、燃料電池102の劣化により目標
とする交流負荷電力>FC出力電力となってしまう。
【0027】すなわち、図6(a)において、通常、曲
線(A)に基づいて、制御を行なっている。しかし、燃
料電池102の劣化が起こった場合、曲線(B)のよう
になっている。従って、実際には改質ガスFの供給量
をF21’にすべきであるところ、F21のままで制御
する為に、FC出力電力が不足する。この不足分は、系
統から賄われる(=買電する)ことになり、燃料電池1
02にさらに発電できる余裕があるにもかかわらず、余
計な支出が発生することになる。
【0028】目標出力の交流負荷電力(交流負荷電力)
と、実際の燃料電池の出力電力(FC出力電力)とが等
しくなるように制御可能な技術が求められている。燃料
電池の性能が変化した場合においても、交流負荷電力
と、実際の燃料電池の出力電力とが等しくなるように制
御可能な技術が望まれている。燃料電池や改質器の性能
が変化した場合においても、電力コストの増加が起こら
ない技術が求められている。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、目標出力の交流負荷電力と、実際の燃料電池の出力
電力とが等しくなるように制御可能な燃料供給量制御装
置、燃料供給量制御方法及び電力供給システムを提供す
ることである。
【0030】また、本発明の他の目的は、燃料電池の性
能が変化した場合においても、目標出力の交流負荷電力
と、実際の燃料電池の出力電力とが等しくなるように制
御可能な燃料供給量制御装置、燃料供給量制御方法及び
電力供給システムを提供することである。
【0031】本発明の別の目的は、電力コストを低減す
ることが可能な燃料供給量制御装置、燃料供給量制御方
法及び電力供給システムを提供することである。
【0032】
【課題を解決するための手段】以下に、[発明の実施の
形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決す
るための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特
許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]との対応
関係を明らかにするために付加されたものである。ただ
し、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載
されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならな
い。
【0033】従って、上記課題を解決するために、本発
明の燃料供給量制御装置は、制御部(5)と、補償部
(4)とを具備する。制御部(5)は、燃料電池(1+
2)と系統電源(9)とが負荷(8)に供給する電力と
しての負荷電力に基づいて、燃料電池(1+2)に供給
する燃料の供給量としての燃料供給量を算出し、その燃
料供給量に基づいて、燃料電池(1+2)の燃料供給装
置(7)を制御する。そして、補償部(4)は、その負
荷電力と、燃料電池(1+2)が発生する電力としての
燃料電池電力とに基づいて、その燃料供給量を補償する
補償値を算出し、その補償値を制御部(5)へ出力す
る。ここで、燃料電池(1+2)は、改質器を含んでい
る。系統電源は、商用電源に例示される。燃料供給装置
(7)は流量制御弁に例示される。
【0034】また、本発明の燃料供給量制御装置は、そ
の補償値の算出にはその負荷電力を、その燃料電池電力
に対して時間的に遅延させた信号を用いる。負荷電力の
信号は、燃料電池(1+2)の応答性を考慮して、燃料
電池(1+2)が追従可能な程度に遅延している。
【0035】更に、本発明の燃料供給量制御装置は、そ
の遅延が、燃料電池(1+2)の有する改質器(1)の
応答性に基づく。
【0036】上記課題を解決するために、本発明の電力
供給システムは、燃料供給量制御装置(4+5)と、燃
料供給装置(7)と、燃料電池(1+2)と、電力変換
器(3)と、電力指令部(6)とを具備する。燃料供給
量制御装置(4+5)は、上記各項のいずれか一項に記
載されている。燃料供給装置(7)は、その補償された
その燃料供給量に基づいて、その燃料の燃料電池(1+
2)への供給を制御する。燃料電池(1+2)は、その
燃料と酸素を含むガスとを用いてその燃料電池電力を発
生する。電力変換器(3)は、その燃料電池電力を負荷
(8)に供給可能なように変換し、負荷(8)へ出力す
る。電力指令部(6)は、その補償されたその燃料供給
量に基づいて、その燃料電池電力の電流の目標値を電力
変換器(3)へ出力する。
【0037】また、本発明の電力供給システムは、その
負荷電力の内、予め設定された割合の電力を系統電源
(9)から供給し、その負荷電力の残りを電力変換器
(3)から供給可能である。
【0038】更に、本発明の電力供給システムは、燃料
電池(1+2)が、予め設定された燃料利用率で運転さ
れる。
【0039】上記課題を解決するための、本発明の燃料
供給量制御方法は、燃料電池(1+2)と系統電源
(9)とが電力を供給可能な負荷(8)に要求される電
力としての負荷電力に基づいて、燃料電池(1+2)に
供給する燃料の供給量としての燃料供給量を算出するス
テップと、その負荷電力と、燃料電池(1+2)が発生
する電力としての燃料電池電力とに基づいて、その燃料
供給量を補償する補償値を算出するステップと、その燃
料供給量とその補償量とに基づいて、その燃料の供給を
制御するステップとを具備する。
【0040】また、本発明の燃料供給量制御方法は、燃
料電池(1+2)と系統電源(9)とが電力を供給可能
な負荷(8)に要求される電力としての負荷電力と、燃
料電池(1+2)の発電能力とに基づいて、燃料電池
(1+2)に供給する燃料の供給量としての燃料供給量
を決定するステップと、その燃料供給量のその燃料を燃
料電池(1+2)に供給するステップとを具備する。
【0041】上記課題を解決するための、本発明に関わ
るプログラムは、燃料電池(1+2)と系統電源(9)
とが電力を供給可能な負荷(8)に要求される電力とし
ての負荷電力に基づいて、燃料電池(1+2)に供給す
る燃料の供給量としての燃料供給量を算出するステップ
と、その負荷電力と、燃料電池(1+2)が発生する電
力としての燃料電池電力とに基づいて、その燃料供給量
を補償する補償値を算出するステップと、その燃料供給
量とその補償量とに基づいて、燃料電池(1+2)への
その燃料の供給を制御するステップとを具備する方法を
コンピュータに実行させる。
【0042】また、本発明に関わるプログラムは、燃料
電池(1+2)と系統電源(9)とが電力を供給可能な
負荷(8)に要求される電力としての負荷電力に基づい
て、燃料電池(1+2)に供給する燃料の供給量として
の燃料供給量を算出するステップと、その負荷電力と、
燃料電池(1+2)が発生する電力としての燃料電池電
力とに基づいて、その燃料供給量を補償する補償値を算
出するステップと、その燃料供給量とその補償量とに基
づいて、燃料電池(1+2)へのその燃料の供給を制御
するステップと、燃料電池(1+2)により発電された
燃料電池電力を負荷(8)に供給可能なように変換し、
負荷(8)へ出力するステップとを具備する方法をコン
ピュータに実行させる。
【0043】上記燃料供給量制御方法及びコンピュータ
のプログラムは、矛盾の発生しない範囲でステップ間の
順序を変更することが可能である。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明である燃料供給量制
御装置、燃料供給量制御方法及び電力供給システムの実
施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。図1
は、本発明である燃料供給量制御装置、燃料供給量制御
方法及び電力供給システムの実施の形態における構成を
示す図である。
【0045】電力供給システムは、改質器1、燃料電池
(FC)2、電力変換器3、改質器ロード量補償部4、
改質器ロード量制御部5、FC出力電流指令演算部6及
び流量制御弁7を具備する。電力変換器3は、DC/D
Cコンバータ11、DC/ACインバータ12、インバ
ータ出力電力計算部13、受電電力計算部14、FC出
力電流制御部15、加算点16、電流計17、電流計1
8、電圧計19及び電圧計43を備える。改質器ロード
量補償部4は、FC電力計算部21、調節部A22、補
償演算部23、時間調整部25、調節部B26及び加算
点27を備える。また、改質器ロード量制御部5は、負
荷計算部31、リミッタA32及び加算点33を備え
る。
【0046】電力供給システムは、系統電源9と共に、
電力供給システムが設置される建造物の構内の負荷とし
ての構内負荷8に並列に接続されている。そして、構内
負荷8に電力を供給する。系統電源9のラインには、系
統電源9から供給される電力の大きさを算出する為に、
電圧計41及び電流計42が設置されている(もしくは
両者の代わりに電力計を設置しても良い)。
【0047】本発明における燃料供給量制御装置及び電
力供給システムでは、改質器ロード量補償部4を有して
いる。改質器ロード量補償部4は、目標出力の交流負荷
電力と、実際に出力された電力との相違に基づいて、そ
の相違がなくなるように補償用の信号を算出し、その値
を制御系に出力する。それにより、燃料電池の劣化が発
生した場合でも、実際に出力される電力を目標出力の交
流負荷電力になるように制御することが可能となる。
【0048】以下、各構成について説明する。燃料供給
装置としての流量制御弁7は、改質器ロード量制御部5
(後述)からの改質器ロード信号Rloadに基づい
て、弁の開度により改質器1(後述)に供給する燃料F
の供給量を制御する。ここで、燃料Fは、炭化水素
系の燃料ガスと水蒸気とを混合したガスである。予め設
定された水蒸気/炭素比を有する。有機炭化水素計の燃
料ガスは、天然ガス(メタン)、プロパンガス、メタノ
ールに例示される。なお、燃料電池2に供給される酸化
剤ガス(酸素を含むガス)の流量制御弁(図示せず)
は、適量となるように制御される。
【0049】ただし、燃料ガスと水蒸気とを別々に制御
しても良い。その場合には、燃料ガス用流量制御弁7’
と水蒸気用流量制御弁7’’とをそれぞれ用意する。そ
して、改質器ロード信号Rloadに基づいて、弁の開
度により改質器1に供給する燃料ガス及び水蒸気の供給
量を制御する。予め設定された水蒸気/炭素比になるよ
うに、予め各弁を調整し連動させる。
【0050】改質器1は、流量制御弁7から供給される
燃料Fを用いて、水蒸気改質反応を行ない、所望の改
質ガスF(水蒸気、水素を主成分とするガス)を生成
する。改質ガスF中の水素量の制御は、運転圧力及び
温度、燃料Fの供給量、燃料Fの組成などを制御す
ることにより行なうことが可能である。本実施例では、
燃料Fの供給量で制御する。
【0051】また、改質器1に若干の酸素を導入して、
部分酸化反応により、水蒸気、水素を主成分とするガス
を得ることも可能である。生成した改質ガスFは、燃
料電池2(後述)へ供給される。
【0052】燃料電池(FC)2は、供給された改質ガ
スFをアノード側(図示せず)に供給し、酸素を含む
ガス(空気など)をカソード側(図示せず)に供給し、
電解質での電気化学反応(電池反応)により発電を行な
う。FC出力電力PFCは、直流電力である。燃料電池
は、固体高分子型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体電解
質型で例示される。FC出力電力PFCは、電力変換器
3へ出力される。燃料電池2は、改質器1を含んでいて
も良い。例えば内部改質型の燃料電池である。
【0053】電力変換器3は、FC出力電力PFCに基
づいて、インバータ出力電力PIN を出力する。以下
に、その各部について説明する。DC/DCコンバータ
11は、FC出力電力PFC(直流電力)の入力に基づ
いて、コンバータ出力電力PCON(直流電力)を、D
C/ACインバータ12へ出力する。ただし、コンバー
タ出力電圧VCON(直流電圧)は、FC出力電圧V
FC(直流電圧)を昇圧している。また、電流計17で
計測されたFC出力電流IFC(燃料電池2より)と、
FC出力電流指令IFC (FC出力電流指令演算部6
より)との差(FC出力電流制御部15より)に基づい
て、その差を無くすようにFC出力電流IFCを制御す
る。
【0054】DC/ACインバータ12は、コンバータ
出力電力PCON(直流電力)に基づいて、コンバータ
出力電力PCONを所望の周波数及び電圧のインバータ
出力電力PINVへ変換し、構内負荷8へ出力する。
【0055】インバータ出力電力計算部13は、電流計
18で計測されたインバータ出力電流IINVと、電圧
計19で計測されたインバータ出力電圧VINVとに基
づいて、インバータ出力電力PINVを算出する。
【0056】受電電力計算部14は、系統電源から供給
される受電電力PGNDを、電流計42で計測される受
電電流IGNDと、電圧計41で計測される受電電圧V
GN とに基づいて算出する。
【0057】加算点16は、インバータ出力電力P
INVと、受電電力PGNDとを合計し、構内負荷8が
必要とする交流負荷電力PDMDとして、改質器ロード
量制御部5及び改質器ロード量補償部4へ出力する。
【0058】また、電圧計43で計測されたFC出力電
圧VFC(直流電圧)と電流計17で計測されたFC出
力電流IFCとは、改質器ロード量補償部4に出力され
る。
【0059】補償部としての改質器ロード量補償部4
は、燃料供給量制御装置に属し、交流負荷電力PDMD
とFC出力電力PFCとに基づいて、流量制御弁7等を
制御する改質器ロード信号Rload(後述)を補償す
る補償値ΔRを改質器ロード量制御部へ出力する。以下
に、その各部について説明する。FC電力計算部21
は、FC出力電圧VFC(電圧計43で計測)とFC出
力電流IFC(電流計17で計測)とに基づいて、FC
出力電力PFCを算出する(もしくは両者の代わりに電
力計を設置し、それによる計測値を用いてもよい)。算
出されたFC出力電力PFCは、調節部A22へ出力さ
れる。
【0060】調節部A22は、FC出力電力PFCに電
力変換器3の変換効率(ηPC)を掛けて、インバータ
出力電力PINVに等しいFC出力電力PFC’にす
る。これは、比較対象である交流負荷電力PDMDが、
電力変換器3(DC/ACインバータ12)での出力電
力であるからである。逆に、比較対象である交流負荷電
力PDMDを、変換効率(ηPC)で割って、FC出力
電力PFCと比較しても良い。FC出力電力PFC
は、加算点27へ出力される。
【0061】調節部B26は、電力変換器3(加算点1
6)から出力された交流負荷電力P DMDに、交流負荷
電力PDMD中のインバータ出力電力PINVの割合K
(=インバータ出力電力PINV/交流負荷電力P
DMD)を掛けて、DC/ACインバータ出力12が出
力すべき目標電力としての交流負荷電力PDMD’’を
算出する。そして、時間調整部25へ出力する。本実施
例では、Kは、予め設定された値(例示:95%)とす
る。このとき、交流負荷電力PDMD’’が、DC/A
Cインバータ12の定格出力値を超える場合には、リミ
ッタ信号Sを(時間調整(遅延)して)補償演算部2
3へ出力する。
【0062】時間調整部25は、図4で示した理由によ
り、改質器1の反応の遅れ分を、伝達関数(本実施例で
は、無駄時間応答と一時遅れ応答を組み合わせた関数)
に基づいて調整(遅延)し、交流負荷電力PDMD’と
して加算点27へ出力する。
【0063】加算点27は、FC出力電力PFC’と交
流負荷電力PDMD’とに基づいて、その差ΔPを算出
し、補償演算部23へ出力する。
【0064】補償演算部23は、差ΔPがゼロになるよ
うに、改質器ロード信号Rload(後述:0−100
%)を補償する補償信号ΔRを、例えばPID制御法に
例示されるフィードバック制御方法により算出する。そ
して、改質器ロード量制御部5へ出力する。ただし、調
節部B26からのリミッタ信号S(インバータ出力電
力PINVがDC/ACインバータ12の定格出力値を
超えていることを示す信号)が入力された場合には、ゼ
ロを出力する。
【0065】制御部としての改質器ロード量制御部5
は、燃料供給量制御装置に属し、電力変換器3からの交
流負荷電力PDMDと改質器ロード量補償部4との入力
に基づいて、流量制御弁7へ改質器ロード信号R
loadを出力する。以下、その各部について説明す
る。負荷計算部31は、電力変換器3からの交流負荷電
力PDMDに基づいて、改質器1の運転条件(ロード
量:改質器1に供給する(改質させる)燃料Fの流
量)を算出する。すなわち、その交流負荷電力PDMD
を出力するために必要な、改質ガスFの流量F21
算出する。次に、その流量F21に基づいて、その改質
ガスFの流量F21を得るのに必要な改質器1へ供給
する燃料Fの流量F11を求める。そして、その流量
11に基づいて、改質器ロード信号R oad’を算
出する。改質器ロード信号Rload’は、加算点33
へ出力される。流量算出に必要な図6(a)及び図6
(b)のデータは、予め実験などにより計測することに
より把握し、負荷計算部31に格納し、上記制御におい
て使用される。
【0066】加算点33では、改質器ロード信号R
load’が改質器ロード量補償部4から出力された補
償信号ΔRにより補償される。すなわち、改質器ロード
信号R oad’では、燃料電池2の劣化に対する補償
が含まれていないため、正しい制御が出来ない。そこ
で、補償信号ΔRを加え、改質器ロード信号Rload
(=Rload’+ΔR)としてリミッタA32へ出力
される。リミッタA32は、もし、改質器ロード信号R
loadが、予め設定した上下限値(例示:0−100
%)を超えた場合は、その上限又は下限値を改質器ロー
ド信号Rloadとして出力する。
【0067】電力指令部としてのFC出力電流指令演算
部6は、改質器ロード信号Rloa の入力に基づい
て、FC出力電流IFCの目標値としてのFC電流目標
値を計算し、FC出力電流指令IFC として電力変換
器3へ出力する。出力のタイミングは、改質器1の応答
性(燃料F供給量変化に対する改質器1出口での改質
ガスFの水素量の変化)を予め予測し、それに合わせ
る。出力のタイミングに付いては、図4の説明において
記した通りなので、その説明を省略する。本実施例で
は、応答性として、無駄時間応答及び一時遅れ応答を仮
定し、それぞれの伝達関数を用いて制御する。
【0068】次に、本発明の燃料供給量制御装置、燃料
供給量制御方法及び電力供給システムの実施の形態にお
ける動作について説明する。
【0069】図1を参照して、燃料Fは、改質器ロー
ド信号Rloadに基づいて流量制御弁7により流量F
11を制御され、改質器1へ供給される。改質器1は、
流量制御弁7から供給される燃料Fを用いて、水蒸気
改質反応を行ない、所望の改質ガスF(水蒸気、水素
を主成分とするガス)を生成する。その流量は、F21
である。燃料電池2は、供給された改質ガスFと空気
を用い、電気化学反応(電池反応)により発電を行な
う。発電されたFC出力電力PFCは、電力変換器3へ
出力される。
【0070】電力変換器3は、FC出力電力PFCを、
所望の電圧、周波数を有するインバータ出力電力P
INVに変換し、構内負荷8へ出力する。その際、FC
出力電流IFCと、FC出力電流指令IFC との差を
無くすようにFC出力電流IFCを制御する。また、イ
ンバータ出力電圧PINVと受電電力PGNDとに基づ
いて、交流負荷電力PDMDを算出し、改質器ロード量
制御部5及び改質器ロード量補償部4へ出力する。ま
た、FC出力電圧VFCとFC出力電流IFCとを、改
質器ロード量補償部4に出力する。
【0071】改質器ロード量補償部4は、FC出力電圧
FCとFC出力電流IFCとに基づいて、FC出力電
力PFCを算出する。そして、交流負荷電力PDMD
FC出力電力PFCとに基づいて、流量制御弁7等を制
御する改質器ロード信号R oadを補償する補償値Δ
Rを改質器ロード量制御部5へ出力する。
【0072】改質器ロード量制御部5は、電力変換器3
からの交流負荷電力PDMDに基づいて、その交流負荷
電力PDMDを出力するために必要な、改質ガスF
流量F21を算出する。次に、その流量F21に基づい
て、その改質ガスFの流量F21を得るのに必要な燃
料Fの流量F11を求める。そして、その流量F
に基づいて、流量制御弁7が、その流量F11を流せる
ように、改質器ロード信号Rload’を算出する。こ
こで、改質ガスFの流量F21及び燃料Fの流量F
11を求める方法に付いては、図6の説明に記した通り
なので、その説明を省略する。
【0073】改質器ロード信号Rload’は、改質器
ロード量補償部4からの補償値ΔRにより補償され、流
量制御弁7及びFC出力電流指令演算部6へ改質器ロー
ド信号Rloadを出力する。この信号は、図6(a)
の曲線Bにおいて、改質ガスFの流量がF21’に対
応し、図6(b)の曲線Cにおいて、燃料Fの流量が
11’に対応する。すなわち、ΔRは、ΔF=F
21’−F21及びΔF =F11’−F11 に対応
する補償である。
【0074】FC出力電流指令演算部6は、改質器ロー
ド信号Rloadの入力に基づいて、FC出力電流I
FCの目標値としてのFC電流目標値を計算し、FC出
力電流指令IFC として電力変換器3へ出力する。F
C出力電流指令IFC は、例えば、燃料電池2でのH
使用量(流量に関する信号(改質器ロード信号Rlo
ad)と予め設定された運転条件(燃料利用率)とに基
いて求まる)から算出可能な電流値に基いて決定でき
る。流量制御弁7は、改質器ロード量制御部5からの改
質器ロード信号Rloadに基づいて、改質器1に供給
する燃料Fの供給量F11を制御する。
【0075】上記各構成(改質器1、燃料電池2、電力
変換器3、改質器ロード量補償部4、改質器ロード量制
御部5、FC電力指令演算部6、流量制御弁7)の動作
は、全体を制御する制御部(図示せず)あるいは1つ又
はいくつかの構成毎に設けた制御部(図示せず)により
行われる。
【0076】以上の動作により、電力供給に際して、燃
料電池が劣化し、改質器ロード量制御部5の有するデー
タ(図6)からずれた場合でも、そのずれを補償するこ
とが可能となる。そして、その補償により、燃料電池の
劣化が発生した場合でも、目標出力の交流負荷電力と、
実際に出力された電力との相違がなくなるように制御す
ることが可能となる。
【0077】次に、本発明である燃料供給量制御装置、
燃料供給量制御方法及び電力供給システムについて、シ
ミュレーションを行なった結果を図2(a)及び図2
(b)に示す。各図の縦軸は、電力であり、インバータ
出力電力の定格値で正規化したものである。横軸は、時
間(time)である。また、P1は構内負荷8での交
流負荷電力、P2はDC/ACインバータ12の出力電
力、P3は系統電源9からの受電電力である。そして、
図2(a)は、従来の制御方法(図3の構成)によるシ
ミュレーションであり、図2(b)は、本発明(図1)
によるシミュレーションである。ここでは燃料電池10
2/2が劣化等により、改質器ロード量制御部で決定し
た交流負荷電力PDMDと燃料流量Fの関係と、実際
の燃料電池102/2の出力特性が異なっている場合を
想定した。
【0078】図2(a)より、従来の制御方法の場合に
は、time t2〜t3間で、系統電源9からの受電
電力P3(PGND)は、設定値に制御できていない。
これは、燃料電池102の劣化によるFC出力電力(P
FC)の低下が考慮されていない為、インバータ出力電
力P2(PINV)が十分に上がらないことによる。し
かし、図2(b)より、本発明の場合には、系統電源9
からの受電電力P3は、設定値どおりの値となる。これ
は、燃料電池2の劣化に対して、改質器ロード量補償部
4及び改質器ロード量制御部5が、燃料電池2の発電量
の低下を補償する制御を行なう為、インバータ出力電力
P2が十分に高い値を出力できるからである。
【0079】すなわち、上記のように、燃料電池の劣化
が発生していても、劣化分の電力を補うように燃料ガス
の供給を増加させることにより、燃料電池の発電量を所
望の値にすることが可能となる。そして、不要な買電を
行なわずに済み、電力コストを低減することが可能とな
る。
【0080】
【発明の効果】本発明により、電力供給システムにおい
て、燃料電池の性能が変化した場合においても、交流負
荷電力と、実際の燃料電池の出力電圧とが等しくなるよ
うに制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明である燃料供給量制御装置、燃料供給量
制御方法及び電力供給システムの実施の形態の実施の形
態における構成を示す図である。
【図2】(a)従来の方法により行なったシミュレーシ
ョンの結果を示すグラフである。 (b)本発明により行なったシミュレーションの結果を
示すグラフである。
【図3】従来の燃料電池を用いた電力供給システムの構
成を示す図である。
【図4】交流負荷の時間変化及びそれに対応した改質器
出口での改質ガスの水素量の時間変化の一例を示すグラ
フである。
【図5】電力供給システムにおいて消費される電力の時
間変化のグラフについて示す。
【図6】(a)交流負荷電力と、改質器で生成される改
質ガスの供給量との関係を示すグラフである。 (b)改質器で生成される改質ガス供給量の供給量と、
改質器に供給する燃料の供給量との関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 改質器 2 燃料電池 3 電力変換器 4 改質器ロード量補償部 5 改質器ロード量制御部 6 FC出力電流指令演算部 7 流量制御弁 8 構内負荷 9 系統電源 11 DC/DCコンバータ 12 DC/ACインバータ 13 インバータ出力電力計算部 14 受電電力計算部 15 FC出力電流制御部 16 加算点 17 電流計 18 電流計 19 電圧計 21 FC電力計算部 22 調節部A 23 補償演算部 24 リミッタB 25 時間調整部 26 調節部B 27 加算点 31 負荷計算部 32 リミッタA 33 加算点 41 電圧計 42 電流計 43 電圧計 101 改質器 102 燃料電池 103 電力変換器 105 改質器ロード量制御部 106 FC出力電流指令演算部 107 流量制御弁 108 構内負荷 109 系統電源 111 DC/DCコンバータ 112 DC/ACインバータ 113 インバータ出力電力計算部 114 受電電力計算部 115 FC出力電流制御部 116 加算点 117 電流計 118 電流計 119 電圧計 131 負荷計算部 132 リミッタA 141 電圧計 142 電流計

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料電池と系統電源とが負荷に供給する電
    力としての負荷電力に基づいて、前記燃料電池に供給す
    る燃料の供給量としての燃料供給量を算出し、前記燃料
    供給量に基づいて、前記燃料電池の燃料供給装置を制御
    する制御部と、 前記負荷電力と、前記燃料電池が発生する電力としての
    燃料電池電力とに基づいて、前記燃料供給量を補償する
    補償値を算出し、前記補償値を前記制御部へ出力する補
    償部と、 を具備する、 燃料供給量制御装置。
  2. 【請求項2】前記補償値の算出には、前記負荷電力を、
    前記燃料電池電力に対して時間的に遅延させた信号を用
    いる、 請求項1に記載の燃料供給量制御装置。
  3. 【請求項3】前記遅延は、前記燃料電池の有する改質器
    の応答性に基づく、 請求項2に記載の燃料供給量制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか一項に記載の前
    記燃料供給量制御装置と、 前記補償された前記燃料供給量に基づいて、前記燃料の
    前記燃料電池への供給を制御する前記燃料供給装置と、 前記燃料と酸素を含むガスとを用いて前記燃料電池電力
    を発生する前記燃料電池と、 前記燃料電池電力を前記負荷に供給可能なように変換
    し、前記負荷へ出力する電力変換器と、 前記補償された前記燃料供給量に基づいて、前記燃料電
    池電力の電流の目標値を前記電力変換器へ出力する電力
    指令部と、 を具備する、 電力供給システム。
  5. 【請求項5】前記負荷電力の内、予め設定された割合の
    電力を前記系統電源から供給し、前記負荷電力の残りを
    前記電力変換器から供給可能な、 請求項4に記載の電力供給システム。
  6. 【請求項6】前記燃料電池は、予め設定された燃料利用
    率で運転される、 請求項4又は5に記載の電力供給システム。
  7. 【請求項7】燃料電池と系統電源とが電力を供給可能な
    負荷に要求される電力としての負荷電力に基づいて、前
    記燃料電池に供給する燃料の供給量としての燃料供給量
    を算出するステップと、 前記負荷電力と、前記燃料電池が発生する電力としての
    燃料電池電力とに基づいて、前記燃料供給量を補償する
    補償値を算出するステップと、 前記燃料供給量と前記補償量とに基づいて、前記燃料の
    供給を制御するステップと、 を具備する、 燃料供給量制御方法。
  8. 【請求項8】燃料電池と系統電源とが電力を供給可能な
    負荷に要求される電力としての負荷電力と、前記燃料電
    池の発電能力とに基づいて、前記燃料電池に供給する燃
    料の供給量としての燃料供給量を決定するステップと、 前記燃料供給量の前記燃料を前記燃料電池に供給するス
    テップと、 を具備する、 燃料供給量制御方法。
  9. 【請求項9】燃料電池と系統電源とが電力を供給可能な
    負荷に要求される電力としての負荷電力に基づいて、前
    記燃料電池に供給する燃料の供給量としての燃料供給量
    を算出するステップと、 前記負荷電力と、前記燃料電池が発生する電力としての
    燃料電池電力とに基づいて、前記燃料供給量を補償する
    補償値を算出するステップと、 前記燃料供給量と前記補償量とに基づいて、前記燃料電
    池への前記燃料の供給を制御するステップと、 を具備する方法をコンピュータに実行させる為のプログ
    ラム。
  10. 【請求項10】燃料電池と系統電源とが電力を供給可能
    な負荷に要求される電力としての負荷電力に基づいて、
    前記燃料電池に供給する燃料の供給量としての燃料供給
    量を算出するステップと、 前記負荷電力と、前記燃料電池が発生する電力としての
    燃料電池電力とに基づいて、前記燃料供給量を補償する
    補償値を算出するステップと、 前記燃料供給量と前記補償量とに基づいて、前記燃料電
    池への前記燃料の供給を制御するステップと、 前記燃料電池により発電された燃料電池電力を前記負荷
    に供給可能なように変換し、前記負荷へ出力するステッ
    プと、 を具備する方法をコンピュータに実行させる為のプログ
    ラム。
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