JP2003217613A - 燃料電池 - Google Patents

燃料電池

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JP2003217613A JP2002016819A JP2002016819A JP2003217613A JP 2003217613 A JP2003217613 A JP 2003217613A JP 2002016819 A JP2002016819 A JP 2002016819A JP 2002016819 A JP2002016819 A JP 2002016819A JP 2003217613 A JP2003217613 A JP 2003217613A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セパレータのコストの低減と発電性能の低下
防止との両立を図る。 【解決手段】 イオン導電体である電解質を挟む2つの
ガス拡散層(3、4)と、ガス拡散層の一方に燃料ガス
を供給するためのガス流路(6b)を形成したセパレー
タ(6)と、ガス拡散層の他方に酸化剤を供給するため
のガス流路(5b)を形成したセパレータ(5)とを備
える燃料電池(1)において、前記セパレータ(5、
6)を導電性材料および樹脂を主成分として構成すると
共に、このセパレータ(5、6)に起因する不純物であ
って電池の酸化反応で生成される水蒸気またはその水蒸
気が冷却されて生じる凝縮水に溶け出てくる不純物を浄
化する不純物浄化手段を燃料電池(1)の内部に備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料電池、特に固体
高分子型燃料電池の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池から排出されてくる水を電池の
加湿に再利用するため、燃料電池の外部に脱脂装置を設
けて燃料電池から排出されてくる水の不純物を取り去る
ようにしたものがある(特開2000−331703号
公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、固体高分子
型燃料電池では、電解質膜が酸性を呈しているためにガ
ス拡散層(電極)やガス拡散層へのガス流路が形成(穿
設)されるセパレータは耐酸性を有していなければなら
ない。また、後述する(2)式のようにカソード側で水
が発生することや、一般的に燃料電池の運転の際にカソ
ード側(カソードに限らず燃料電池に供給されるガス)
を外部から加湿することがあることから、ガス拡散層や
セパレータは高温の環境で水と反応することがないよう
に耐加水分解性を有し、さらに発電温度に耐えられる耐
熱性も保持していなければならない。このような主に3
つの要求を満足するために、種々の金属を加工してガス
流路を形成した後に表面に金をはじめとした貴金属でメ
ッキするか特殊な塗料でコーティングすることによりセ
パレータを製作していた。
【0004】しかしながら、こうした金属を用いたセパ
レータの製作方法ではコストが高くなるので、近年は、
黒鉛粉と樹脂を主成分とした材料をプレス成形してセパ
レータを得ることにより、安価で上記耐酸性、耐加水分
解性及び耐熱性の各機能性をも有したセパレータが出現
してきている。
【0005】こうした、黒鉛紛と樹脂とを主成分とした
材料を成形して得られるセパレータを用いて実際に発電
を行ってみると、徐々に電解質膜の性能が低下したり着
色されることが判明している。その原因を調べてみる
と、燃料電池から排出される水蒸気の一部が冷やされて
できる60〜80℃の凝縮水に含まれる不純物が原因で
あることが分かってきている。ここでいう不純物は水溶
性のものと不溶性ではあるが融点が低い(80℃以下)
ために溶け出てくるものとに大きく分類され、具体的に
は後述するように、黒鉛自体に含まれていた炭素以外の
化合物や、セパレータの成型時に用いられる離型剤もし
くは硬化剤、改質剤に由来する化合物、さらに、未反応
の樹脂モノマー(重合が不十分で分子単体で存在する樹
脂成分のこと)等のことである。
【0006】このような不純物を含んだ水がガス拡散層
に接した場合には不純物がガス拡散層の孔をふさいだり
表面に付着し、また不純物を含んだ水が電解質膜に接し
た場合に不純物が電解質膜に付着した後に熱硬化したり
することにより、ガス拡散層や電解質膜を汚染し、これ
によって発電性能が低下する。
【0007】同様に燃料電池に供給するガスに対して外
部から加湿する場合にも、ガスがセパレータのガス流路
を通過する際に、一部凝縮した水がセパレータからの不
純物を溶け出させることがあると、同様な問題が生じ
る。
【0008】しかしながら、従来装置のように、燃料電
池の外に脱脂装置を設けただけでは、このような不純物
によるガス拡散層や電解質膜の汚染を阻止することがで
きない。
【0009】そこで本発明は、セパレータを導電性材料
および樹脂を主成分として構成するとともに、このセパ
レータに起因する不純物であって電池の酸化反応で生成
される水蒸気またはその水蒸気が冷却されて生じる凝縮
水に溶け出てくる不純物を浄化する不純物浄化手段を燃
料電池内部に備えさせることにより、コストの低減と発
電性能の低下防止との両立を図ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、イオン導
電体である電解質を挟む2つのガス拡散層と、ガス拡散
層の一方に燃料ガスを供給するためのガス流路を形成し
たセパレータと、ガス拡散層の他方に酸化剤を供給する
ためのガス流路を形成したセパレータとを備える燃料電
池において、前記セパレータを導電性材料および樹脂を
主成分として構成すると共に、このセパレータに起因す
る不純物であって電池の酸化反応で生成される水蒸気ま
たはその水蒸気が冷却されて生じる凝縮水に溶け出てく
る不純物を浄化する不純物浄化手段を燃料電池内部に備
える。
【0011】
【発明の効果】導電性材料および樹脂を主成分とするセ
パレータの場合には、燃料電池内部で生成される水蒸気
や凝縮水に溶け出てくる不純物がガス拡散層や電解質膜
を汚染し、発電効率を低下させるのであるが、第1の発
明によれば、その不純物を燃料電池内部で不純物浄化手
段により浄化するようにしたので、導電性材料および樹
脂を主成分とする低コストのセパレータを用いる場合で
あっても発電効率を低下させることがなく、かつ不純物
が燃料電池の外部に排出されることをも抑制することが
できる。
【0012】また、カソードやアノード(ガス拡散層)
の少なくとも一方を外部から公知の手段で加湿する場合
に特に第1の発明は有効である。
【0013】また、外部からの加湿なしにカソード側で
発生した水の一部を電解質膜を介してアノード側に逆浸
透させて発電する際には、逆浸透させる水が不純物を含
んでいないことが必須の要件となるが、第1の発明によ
ればこの要件を満たすことができるため、導電性材料お
よび樹脂を主成分とする低コストのセパレータを用いる
場合であっても外部からの加湿なしにカソード側で発生
した水の一部を電解質膜を介してアノード側に逆浸透さ
せての発電を行わせることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0015】図1は固体高分子型燃料電池1の断面図、
図2は図1の分解図、図3はセパレータのガス流路面を
示す正面図である。
【0016】図1、図2において30μm程度の極く薄
い高分子電解質膜2を挟んで両側に300μm程度の厚
さを有するガス拡散層(電極)3、4が、さらにその外
側に1mm程度の薄板状のセパレータ5、6がそれぞれ
配置され、これらが積層されて1セルを構成している。
【0017】一方のガス拡散層(カソード)3に酸化剤
(通常は空気)を、他方のガス拡散層(アノード)4に
燃料ガス(通常は水素もしくは水素含有成分)を供給す
るため、各セパレータ5、6のガス拡散層側の側面5
a、6aにそれぞれガス通路5b、6bが形成されてい
る。
【0018】これについて説明すると、例えば図3に示
すように、ガス拡散層3と接する側のセパレータ5のガ
ス拡散層3側の側面には、中央部12を残してその周囲
に一定幅の平面状周縁部11が確保され、中央部12に
おいては周縁部11と同一平面にある細長い部位13〜
20を除いた残りの部位が全て穿設され、図で右上から
左、左から右、右から左、…、へと折り返す溝21、2
2、23が形成されている。すなわち、周縁部11と中
央部12との境界を12a、12b、12c、12dと
すれば、右方の境界12aより左方の境界12bまでの
長さ、一定幅及び一定深さを有する横溝21が平面状部
位13〜20の間隔をおいて9個形成されると共に、上
より数えて1番目と2番目、3番目と4番目、5番目と
6番目、7番目と8番目の隣り合う2つの横溝21が左
方の境界12bに沿って横溝21と同じ幅、同じ深さで
穿設される4個の短い連絡溝22により、また上より数
えて2番目と3番目、4番目と5番目、6番目と7番
目、8番目と9番目の隣り合う2つの横溝21が右方の
境界12aに沿って横溝21と同じ幅、同じ深さで穿設
される4個の短い連絡溝23によりそれぞれ連通されて
いる。
【0019】このようにセパレータ5のガス拡散層3側
の側面の中央部12全体にわたって溝21、22、23
が形成されると、これらの溝とガス拡散層3との間に図
1にも示したように空間が画成されることになり、この
空間によりガス通路5bが形成される。
【0020】また、図3において最も上に位置する横溝
21の最右端に、積層される全てのセルを貫通する空気
入口25が、これに対して最も下に位置する横溝21の
最左端に同じく全てのセルを貫通する空気出口26が設
けてある。
【0021】右上に位置する空気入口25には一定圧の
空気が図示しないエアポンプにより供給されるため、空
気は空気入口25より最も上に位置する横溝21をまず
左方に向けて流れ、左端に達すると折り返して今度は上
から2番目の横溝21を右方に向けて流れ、右端に達す
ると再び上から3番目の横溝21を左方に向けて流れる
というように、図で左右方向に往復しながら左下に位置
する空気出口26に達する。
【0022】もう一つのセパレータ6のガス拡散層4側
の側面に形成されるガス通路6bも、図3に示すセパレ
ータ5のガス通路5bと同様に形成されている。
【0023】一方のガス通路6bを介してガス拡散層4
に供給されたH2(水素ガス)はガス拡散層4で触媒に
より活性化され、電子と水素イオン(プロトン)とに分
解される。これを化学式で表すと、 アノード側:H2→2H++2e-…(1) である。
【0024】(1)式の水素イオンは、水素イオンのみ
が透過できる高分子電解質膜2を通って、反対側のガス
拡散層3に移動する。一方、(1)式の電子は図示しな
い外部回路を通って電気的な仕事をしたのち反対側のガ
ス拡散層3に到達する。
【0025】ガス拡散層3にはガス通路5bを介して空
気が供給されるが、この空気中の酸素が、電解質膜2を
通過してきた水素イオンおよび電子と反応してH2
(水)に還元される。化学式で表すと カソード側:(1/2)O2+2H++2e-→H2O…(2) である。
【0026】この場合、ガス通路5b、6bは2つのセ
パレータ5、6のガス拡散層側の側面5a、6aの中央
部全体に形成されているので、上記(1)、(2)の反
応が電解質膜2とガス拡散層3、4のほぼ全体で効率良
く起こることになる。ただし、上記の(2)式に利用さ
れる酸素は空気中の酸素の一部だけなので、利用しない
残りの空気は空気出口26より外部に排出される。同様
にして利用されなかった燃料ガスもセパレータ6に設け
た燃料出口(図示しない)より外部に排出されてくる。
【0027】各セパレータ5、6のガス拡散層と反対側
の側面5c、6cにそれぞれ水通路5d、6d(ウォー
タジャケット)が形成されている。これは作動中の燃料
電池内部を冷却する冷却水を循環させるためのものであ
る。
【0028】水通路5d、6dを流れる冷却水と、ガス
通路5b、6bを流れる空気、燃料ガスが外部に漏れな
いようにシールするためのガスケット(シリコーンゴ
ム、フッ素ゴム、エラストマー)7、8、9、10がセ
パレータ5、6の周縁部に設けた溝に収納されている。
【0029】このように構成される固体高分子型燃料電
池1では、電解質膜2が酸性を呈しているためにセパレ
ータ5、6は耐酸性を有していなければならない。ま
た、上記(2)式のようにカソード側で水が発生するた
め高温の環境で水と反応することがないように耐加水分
解性を有し、さらに発電温度に耐えられる耐熱性も保持
していなければならない。
【0030】これらの要求を満たすと共に安価としたセ
パレータを得るため本発明では、上記のセパレータ5、
6を、熱硬化性もしくは熱可塑性樹脂をバインダーと
し、黒鉛粉末を導電材料として成形するのであるが、こ
のような樹脂及び導電材料とを主成分とするセパレータ
5、6からの不純物が電解質膜2やガス拡散層3、4を
汚染して発電効率が低下しないように、吸着媒体をガス
拡散層3、4の内部や表面もしくはセパレータ5、6の
ガス拡散層側の表面(詳細にはガス拡散層側の側面5
a、6a及びガス流路5b、6bを形成する壁面)に分
散させ、この吸着媒体に不純物を吸着させることにより
不純物を浄化する。
【0031】ここで、本発明におけるセパレータ5、6
に起因する不純物とは、大きくは化合物とイオンであ
る。詳細には、黒鉛由来の酸化金属や炭酸塩、硫酸塩と
いった塩類および硫黄化合物であり、成形後のセパレー
タからは、樹脂モノマーもしくは重合不足のもの、また
は樹脂分解生成物なども含まれる。さらに添加剤として
離型剤(炭化水素系、脂肪族系、脂肪族アミド系、エス
テル系、アルコール系、金属石鹸、シリコーンなどの各
単体もしくはこれらの複合系)や物性や加工性向上を目
的とした各種改質剤も含まれる。
【0032】ただし、セパレータ5、6からの化合物や
イオンは永久的に溶け出てくるものではなく、主にセパ
レータ5、6の表面および表面層に存在する化合物やイ
オンだけが水に溶け出てくることがわかっている。した
がって、セパレータ5、6の仕様と成形方法とが決まれ
ば、事前にセパレータ5、6からの化合物やイオンの溶
出量(セパレータ5、6に起因する不純物量)を把握す
ることができる。
【0033】そこで、本発明で用いる吸着媒体の種類、
粒径および量は、ガス拡散層3、4の材質、気孔率およ
び厚み、さらにはセパレータ5、6単体から水もしくは
作動温度の水に溶出する化合物やイオンの量によって総
合的に決定する。通常用いられるガス拡散層3、4の厚
さはアノード側、カソード側ともに200〜350μm
程度であることから、吸着媒体の粒径は50μm以下、
好ましくは10μm以下が望ましい。吸着媒体の素材と
しては、カーボン、セラミック、樹脂の単一物かこれら
が複数組み合わさったものが良い。
【0034】吸着媒体をガス拡散層3、4の内部や表面
もしくはセパレータ5、6のガス拡散層側の表面に分散
させる方法は特に限定するものでない。例えば、ガス拡
散層3、4に樹脂が含まれている場合には吸着媒体を樹
脂に混ぜ込むことによってガス拡散層3、4に分散させ
た後にホットプレスすることで吸着媒体をガス拡散層
3、4の内部に固定できる。またごく微量の樹脂を用い
て吸着媒体をガス拡散層3、4に固定後、熱処理により
完全に硬化させることも可能である。
【0035】ここで、本実施形態の作用を説明する。
【0036】黒鉛粉(導電性材料)および樹脂を主成分
とするセパレータ5、6の場合には、燃料電池内部で生
成される水蒸気や凝縮水に溶け出てくる不純物がガス拡
散層3、4や電解質膜2を汚染し発電効率を低下させる
のであるが、本実施形態によれば、その不純物を燃料電
池内部においてガス拡散層3、4の内部や表面もしくは
セパレータ5、6のガス拡散層側の表面に分散させた吸
着媒体に吸着させて浄化するようにしたので、黒鉛粉お
よび樹脂を主成分とする低コストのセパレータを用いる
場合であっても発電効率を低下させることがなく、かつ
不純物が燃料電池の外部に排出されることをも抑制する
ことができる。
【0037】また、ガス拡散層3、4の少なくとも一方
を外部から公知の手段で加湿する場合に特に本実施形態
は有効である。
【0038】また、外部からの加湿なしにカソード側
(ガス拡散層3側)で発生した水の一部を電解質膜2を
介してアノード側(ガス拡散層4側)に逆浸透させて発
電する際には、逆浸透させる水が不純物を含んでいない
ことが必須の要件となるが、本実施形態によればこの要
件を満たすことができるため、コストの安い導電性材料
および樹脂を主成分とする成形セパレータを用いる場合
であっても、外部からの加湿なしにカソード側で発生し
た水の一部を電解質膜2を介してアノード側に逆浸透さ
せての発電を行わせることができる。
【0039】また、不純物(化合物やイオン)の成分を
予め知り得る場合(ある成分が溶け出やすいまたはある
成分は溶け出ることはない、といったこと)には、吸着
媒体の成分(カーボン、セラミック、樹脂)を不純物の
成分に合わせて調整すればよい。例えば離型剤を用いず
に成形されたセパレータであれば、離型剤に由来する化
合物が溶け出る可能性はないので、この化合物を吸着す
る目的で添加される吸着成分を省略して吸着媒体を構成
する。これにより、不必要な吸着成分を省略できるだけ
でなく、他の不純物の吸着に特化した構成とすることが
できるので、他の不純物の吸着効率を高めてより大きな
効果を得ることができる。
【0040】また、ガスケット7、8にエラストマーを
用いた場合、凝縮水に溶け出た離型剤がガスケット7、
8の弾性を劣化させる可能性があるが、本実施形態によ
ればこのようなことも避けることができる。
【0041】次に実験結果を示す。ここでは、次に示す
2つの実施例および比較例を用意した。
【0042】まず3つの例に共通する部分は次の通りで
ある。30μm厚の高分子電解質膜と、300μm厚の
カーボンクロスガスからなるガス拡散層に対して、サイ
ズが140×140×5mmtで発電面が100×10
0mmとなる、図3に示した構成のセパレータを用意し
た。ここで、発電面とは、電解質膜、ガス拡散層、セパ
レータの3つが重なる部分のことで、ガス流路がセパレ
ータ上にあってもガス拡散層と重なる位置関係になけれ
ば、その部分は発電面でない。
【0043】なお、図3に示した横溝21の数は図1、
図2に示す溝の数と対応するものでない。また、図3で
は横溝21の数が9個の場合で示したが、これはあくま
でモデルであり、実験に用いたセパレータの実際の横溝
の数はもっと多いことはいうまでもない。
【0044】次に、3つの例の相違する部分を示す。
【0045】実施例1:黒鉛粉末(純度96%)100
質量部に対してフェノール樹脂25質量部および内部離
型剤としてステアリン酸1質量部を混合した後、圧縮プ
レスにてセパレータを成形した。金型には予めシリコー
ンを主成分とする離型剤をスプレーにて塗布した。セパ
レータの成形後170℃、10時間の熱処理を行い樹脂
の硬化を促進した。ガス拡散層(カーボンクロス)のセ
パレータと向き合う面の表面に平均粒径10μm、平均
細孔直径20Åの活性炭(吸着媒体)を担持させた。
【0046】実施例2:図3においてセパレータ5の空
気出口26のある横溝21にこの横溝21と同じサイズ
にカットした電解質膜(イオン交換膜)を接着した。そ
の他の構成は実施例1と同じで、活性炭を保持したガス
拡散層を用いた。
【0047】上記のイオン交換膜は、ガス拡散層(カー
ボンクロス)のセパレータと向き合う面の表面に担持さ
せた活性炭によっては吸着されずに空気出口26へと出
てくる不純物である化合物やイオンを選択的に吸着する
ものである。ここで、実験用のセパレータではセパレー
タを構成する樹脂やカーボン、更にはその他の添加剤が
明らかであるので、セパレータからの溶け出てくる化合
物やイオンも明らかである。このため、これらセパレー
タからの溶け出てくる化合物やイオンを選択的に吸着で
きるイオン交換膜を選択している。
【0048】比較例:セパレータの組成は同じである
が、活性炭を担持させないガス拡散層を用いた。
【0049】そして、これら2つの実施例と比較例を用
いて発電を行った。発電はアノード側のみ加湿を行い
0.5A/cm2の電流密度で約6時間行った。カソー
ド側からの排出水蒸気と凝縮水をコンデンサにて集め、
発電開始から2時間置きに凝縮水の導電率を測定した。
【0050】この結果が図4である。純水の導電率は低
いが純水中に金属イオンやその他のイオンが存在すると
電気を通すことになり、導電率が大きくなる。図示のよ
うに、導電率が時間とともに上昇していることは、時間
に従って様々なイオン(不純物)がセパレータより溶出
していることを示す。この場合に、イオンの溶出量には
限度があるが、活性炭を担持させないガス拡散層を用い
た比較例よりも、活性炭を保持したガス拡散層を用いた
2つの実施例ほうが導電率が低くなっている。このこと
から、2つの実施例では、ガス拡散層に保持させた活性
炭がセパレータから溶け出てくるイオンを吸着している
と思われる。
【0051】図5は図4の場合と同じくアノード側のみ
加湿を行い、電流密度を相違させて約6時間の発電を行
ったときの電流密度と発電電圧の関係を示した実験結果
である。図示のように、電流密度が1Aのとき実施例1
と比較例とで20mV程度の違いがあることがわかる。
すなわち、比較例では6時間でほぼ0.5Vであるのに
対して、実施例1によれば6時間で6%(=20mV/
0.5V)もの大きな電圧上昇が得られている。
【0052】実施形態では、図3で前述したように1個
のガス流路が往復するように形成されている場合で説明
したが、ガス流路の形成方法はこれに限られるものでな
い。例えば、ガス流路の圧損低減のため、図6(a)に
示したようにガス流路が入口31(空気入口または水素
入口)より横方向に走る一本の流路33と、この流路3
3から分岐する複数の流路34と、下方において出口3
2(空気出口または水素出口)より横方向に走る1本の
集約流路35とから構成されるものについても本発明の
適用がある。
【0053】この場合には、ガス流路の底面に粉末の吸
着媒体を分散させるよりもイオン交換膜や多孔質の樹脂
膜やチューブを流路の底面もしくは壁面に設置すること
が好ましい。また、集約流路35に不純物を吸着するこ
とのできる上記のイオン交換膜のような不純物浄化手段
を設けることもできる。
【0054】また、図6(b)の示ように複数(図では
3本)のガス流路が往復するように形成されている場合
にも本発明の適用がある。
【0055】実施形態では、セパレータ5、6を、熱硬
化性もしくは熱可塑性樹脂をバインダーとし、黒鉛粉末
を導電材料として成形している場合で説明したが、これ
に限られるものでなく、導電材料は黒鉛粉末、カーボン
ブラックまたは金属粉末の少なくとも一成分であればよ
い。
【0056】本発明におけるセパレータは、樹脂と黒鉛
粉もしくは金属粉を主成分とした材料を射出成形、圧縮
成形、押出し成形、その他公知のいずれの方法を用いて
成形したものでも良い。またグラファイト板に機械加工
でガス流路を形成した後に、樹脂含浸させガス透過性を
改善させたセパレータも含まれる。
【0057】実施例2では、セパレータ5の空気出口2
6のある横溝21にこの横溝21と同じサイズにカット
した電解質膜(イオン交換膜)を接着した場合で説明し
たが、これに代えて、セパレータ5の空気出口26のあ
る横溝21に多孔質を有するカーボン、セラミック、樹
脂またはこれらの複合体を用いて粉末状、チューブ状ま
たはシート状に形成した吸着媒体を設置し、この吸着媒
体により不純物を吸着することにより不純物を浄化する
ようにしてもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体高分子型燃料電池の断面図。
【図2】図1の分解図。
【図3】セパレータの正面図。
【図4】発電開始からの経過時間に対する導電率の特性
図。
【図5】電流密度に対する電圧の特性図。
【図6】他の実施形態のセパレータに形成されるガス流
路の構成図。
【符号の説明】
1 燃料電池 2 電解質膜 3、4 ガス拡散層(電極) 5、6 セパレータ 5b、6b ガス流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H026 AA06 BB03 CC03 CX04 CX06 EE02 EE05 EE06 EE11 EE18 HH03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン導電体である電解質を挟む2つのガ
    ス拡散層と、 ガス拡散層の一方に燃料ガスを供給するためのガス流路
    を形成したセパレータと、 ガス拡散層の他方に酸化剤を供給するためのガス流路を
    形成したセパレータとを備える燃料電池において、 前記セパレータを導電性材料および樹脂を主成分として
    構成すると共に、このセパレータに起因する不純物であ
    って電池の酸化反応で生成される水蒸気またはその水蒸
    気が冷却されて生じる凝縮水に溶け出てくる不純物を浄
    化する不純物浄化手段を燃料電池内部に備えることを特
    徴とする燃料電池。
  2. 【請求項2】前記不純物浄化手段は、2つのガス拡散層
    の少なくとも一方の内部または表面に分散して前記不純
    物を吸着する吸着媒体であることを特徴とする請求項1
    に記載の燃料電池。
  3. 【請求項3】前記不純物浄化手段は、少なくとも一方の
    ガス拡散層と接する側のセパレータ表面に分散して前記
    不純物を吸着する吸着媒体であることを特徴とする請求
    項1に記載の燃料電池。
  4. 【請求項4】前記吸着媒体は、多孔質を有するカーボ
    ン、セラミック、樹脂またはこれらの複合体の粉末であ
    ることを特徴とする請求項2または3に記載の燃料電
    池。
  5. 【請求項5】前記導電性材料は、黒鉛粉、カーボンブラ
    ックまたは金属紛の少なくとも一つを用いた材料であ
    り、この導電性材料と樹脂とを主成分として成形によっ
    てセパレータを形成することを特徴とする請求項1から
    4までのいずれか一つに記載の燃料電池。
  6. 【請求項6】前記導電性材料は、グラファイト板であ
    り、このグラファイト板に機械加工でガス流路を形成し
    た後に樹脂を含浸させてセパレータを形成することを特
    徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の燃
    料電池。
  7. 【請求項7】前記不純物の成分を予め知り得る場合に、
    その不純物の成分に合わせて前記吸着媒体の成分を調整
    することを特徴とする請求項1から6までのいずれか一
    つに記載の燃料電池。
  8. 【請求項8】前記不純物浄化手段をガス流路の一部に備
    えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  9. 【請求項9】前記不純物浄化手段は、多孔質を有するカ
    ーボン、セラミック、樹脂またはこれらの複合体を用い
    て粉末状、チューブ状またはシート状に形成した吸着媒
    体であって、この吸着媒体により前記不純物を吸着させ
    ることを特徴とする請求項8に記載の燃料電池。
  10. 【請求項10】前記不純物がイオンまたは化合物を含む
    場合に、前記不純物浄化手段はこのイオンまたは化合物
    を選択的に吸着させる手段であることを特徴とする請求
    項8に記載の燃料電池。
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